JP5491738B2 - 電子写真感光体及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
また、本発明の電子写真感光体を構成するにあたり、電子輸送剤の添加量を、結着樹脂100重量部に対して、10〜100重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
(1)基本的構成
図1(a)に示すように、単層型電子写真感光体10は、導電性基体12上に単一の感光層14を設けることによって構成することができる。
(2)基体
図1に例示する導電性基体12としては、導電性を有する種々の材料を使用することができる。例えば、鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、及び真鍮などの金属にて形成された基体や、上述の金属が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料からなる基体、あるいはヨウ化アルミニウム、アルマイト、酸化スズ、及び酸化インジウムなどで被覆されたガラス製の基体などが例示される。
(3)中間層
また、図1(b)に示すように、導電性基体12上に、所定の結着樹脂を含有する中間層16を設けてもよい。
(4)感光層
感光層は、少なくとも電子輸送剤、電荷発生剤およびバインダ樹脂を含有する。
(4)-1 電荷発生剤
感光層に含有させる電荷発生剤としては、従来公知の電荷発生剤を使用することができる。かかる電荷発生剤の種類としては、オキソチタニルフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、ピリリウム顔料、アンサンスロン顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料といった有機光導電体が挙げられる。
一方、かかる複数の電荷発生剤の添加量が40重量部を超えた値になると、赤外ないし近赤外領域に波長を有する光に対する吸光係数を大きくする効果が不十分となり、感光体の感度特性、電気特性、および安定性等を向上させることができない場合があるためである。
(4)-2 電子輸送剤
電子輸送剤は、下記一般式(1a)または(1b)で表される化合物であることを特徴とする。
上記一般式(1a)または(1b)で表される化合物は、溶解性が高いので、バインダ樹脂等との相溶性に優れると共に、長い共役結合を有しているので、高い電荷移動度を示す。そのため上記一般式(1)で表される化合物を電子輸送剤として用いた電子写真感光体は、優れた感度特性を得ることができる。
上記一般式(1a)、(1b)中、R1〜R4におけるアルキル基としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシルなどの基が挙げられる。R1〜R4おけるアリール基としては、例えばフェニル、ナフチル、トリル、キシリル、アントリル、フェナントリルなどの基が挙げられる。
一般式(1b)の合成方法は、上記アミノジフェニルメタン塩酸塩を9−アミノフルオレン塩酸塩に変える以外は、反応式(1)と同様に行うことができる。
かかる電子輸送剤の種類としては、ジフェノキノン誘導体、ベンゾキノン誘導体のほか、アントラキノン誘導体、マロノニトリル誘導体、チオピラン誘導体、トリニトロチオキサントン誘導体、フルオレノン誘導体、アントラセン誘導体、アクリジン誘導体、アントラキノン誘導体、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等の電子受容性を有する種々の化合物が挙げられ、単独1種または2種以上をブレンドして使用してもよい。
一方、かかる複数の電子輸送剤の添加量が100重量部を超えた値になると、電子輸送剤が結晶化しやすくなり、感光体として適正な膜が形成されない場合があるためである。
(4)-3 正孔輸送剤
本発明の電子写真感光体に好適な正孔輸送剤の種類としては、従来、感光体に使用されている種々の正孔輸送剤を挙げることができる。
一方、かかる正孔輸送剤の添加量が150重量部を超えた値になると、正孔輸送剤が結晶化しやすくなり、感光体として適正な膜が形成されない場合があるためである。
(4)-4 結着樹脂
結着樹脂は、従来、感光層に使用されている種々の樹脂を使用することができる。
例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂;シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂;エポキシアクリレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化型樹脂等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
(4)-5 添加剤
また、感光層には、上記各成分のほかに、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、従来公知の種々の添加剤、例えば酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等を配合することができる。
また、感光層の感度を向上させるために、例えばテルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。
2.積層型電子写真感光体
また、本発明の電子写真感光体を、積層型電子写真感光体として構成してもよい。
なお、この画像形成装置の例では、電子写真感光体として、単層型電子写真感光体を用いた場合を想定して説明する。
1.画像形成装置
(1)構成 第2の実施形態の画像形成方法を実施するにあたり、図3に示すような画像形成装置である複写機30を好適に使用することができる。
かかる複写機30は、画像形成ユニット31、排紙ユニット32、画像読取ユニット33、及び原稿給送ユニット34を備えている。
また、画像形成ユニット31には、画像形成部31a及び給紙部31bがさらに備えられている。
そして、図示された例では、原稿給送ユニット34は、原稿載置トレイ34a、原稿給送機構34b、及び原稿排出トレイ34cを有しており、原稿載置トレイ34a上に載置された原稿は、原稿給送機構34bによって画像読取位置Pに送られた後、原稿排出トレイ34cに排出される。
すなわち、CCD等の光学素子33bを用いて、原稿上の画像に対応した画像信号が形成される。
この画像形成部31aには、電子写真感光体を有する感光体ドラム41が備えられており、さらに、この感光体ドラム41の周囲には、帯電手段である帯電器42、露光手段である露光器43、現像手段である現像器44、及び転写手段である転写ローラ45が、感光体ドラム41の回転方向に沿って配置されている。
その後、前述の画像信号に基づいて、露光器43により感光体ドラム41に対して露光プロセスが実施され、この感光体ドラム41の表面において静電潜像が形成される。
この静電潜像に基づき、現像器44によりトナーを付着させて現像し、感光体ドラム41の表面にトナー像を形成する。
そして、このトナー像は、感光体ドラム41と転写ローラ45とのニップ部に搬送される用紙Sに転写像として転写される。
次いで、転写像が転写された用紙Sは、定着ユニット47に搬送されて、定着プロセスが行われる。
その後、用紙Sは、画像形成装置の側面に設けられた排出トレイ部(図示せず)に排出される。
一方、後処理を行わない場合には、用紙Sは中間トレイ32aの下側に設けられた排紙トレイ32bに排紙される。
なお、中間トレイ32a及び排紙トレイ32bは、いわゆる胴内排紙部として構成されている。
合成例1において、化合物(A1−1)を下記化合物(A2−1)1.5gに変えた以外は合成例1と同様に行い、上記化合物(1a−2)を2.7g得た。
合成例1において、化合物(A1−1)を下記化合物(A3−1)1.4gに変えた以外は合成例1と同様に行い、上記化合物(1a−3)を2.6g得た。
合成例1において、化合物(A1−1)を下記化合物(A4−1)1.2gに変えた以外は合成例1と同様に行い、上記化合物(1a−4)を2.4g得た。
(合成例6)合成例5において、化合物(A1−1)を上記化合物(A2−1)1.5gに変えた以外は合成例1と同様に行い、上記化合物(1b−2)を2.7g得た。
<比較例で使用した電子輸送剤>
[比較例1〜4]
<電子写真感光体の作製>
上記の電子輸送剤、電荷発生剤、バインダ樹脂および正孔輸送剤を表1に示す組み合わせで用いた。すなわち、溶媒であるテトラヒドロフラン800質量部に対して、バインダ樹脂(Resin−1:粘度平均分子量50,000のビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂)100重量部、正孔輸送剤(H−1)50重量部、表1に示す電荷発生剤(X−H2PcまたはY−TiOPc)3重量部、および表1に示す電子輸送剤(1a−1〜1a−4、1b−1〜1b−4及びET−1)50重量部を添加した。この混合物を超音波分散機で1時間混合分散して、単層型感光層用の分散液を作製した。ついで、得られた分散液を導電性基材(アルミニウム素管)上にディップコート法にて塗布し、100℃で30分間熱風乾燥して、膜厚30μmの単層型感光層を有する電子写真感光体を得た。
12:導電性基体
14:感光層
16:中間層
20:積層型電子写真感光体
22:電荷輸送層
24:電荷発生層
25:中間層
30:複写機
31:画像形成ユニット
31a:画像形成部
31b:給紙部
32:排紙ユニット
33:画像読取ユニット
34:原稿給送ユニット
41:感光体ドラム
42:帯電器
43:露光器
44:現像器
45:転写ローラ
Claims (4)
- 導電性基体上に、少なくとも電子輸送剤、電荷発生剤およびバインダ樹脂を含有した感光層が設けられた電子写真感光体であって、
前記電子輸送剤が、下記一般式(1a)で表される化合物であることを特徴とする電子写真感光体。
[式(1a)中、R1、R2は同一、または異なって炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基を示す。] - 前記電子輸送剤の添加量を、前記結着樹脂100重量部に対して、10〜100重量部の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が、単層型であることを特徴とする請求項1または2のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
- 電子写真感光体の周囲に、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段が配置された画像形成装置であって、前記電子写真感光体が、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
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