JP2005207760A - ガス検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ガスセンサ素子の活性化の有無の判断を行って、早期にガス検知を開始することが可能なガス検知装置を提供する。
【解決手段】 ガス検知装置では、ガスセンサ素子のセンサ出力値のサンプリングを一定時間毎に行っている。ガス検知装置が起動され、T1期間が経過する前は(S16:NO)、サンプリング毎に差分計算用センサ出力値G0が新しいセンサ出力値G(n)で更新されている(S17)。T1期間の経過後さらにT0期間が経過すると(S16:YES,S18:YES)、活性化判断処理が行われる(S20)。そのときのG(n)とG0との差分に基づきガスセンサ素子が活性化したと判断された場合(S12:YES)、ガスセンサ素子が活性化したとみなすT3期間の経過を待たずに汚染ガス検知処理(S13)を行うことができ、ガス検知装置を早期に作動させることができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、環境雰囲気中の特定ガスの濃度変化を検知するガスセンサ素子を用いたガス検知装置に関するものである。
従来、環境雰囲気中の特定ガスの濃度に応じて抵抗値が変化する酸化物半導体を用いたガスセンサ素子が知られている。例えば、自動車の排気ガスの濃度変化を検知することができるガスセンサ素子では、排気ガス中に含まれるNO(窒素酸化物)などの酸化性ガスやCO、HC(ハイドロカーボン)などの還元性ガスといった特定ガスの濃度変化に基づいて、センサの抵抗値が変化する。こうしたガスセンサ素子を用いたガス検知装置(ガス検出装置)は、各種システムに利用されている。例えば、自動車の車室内への外気導入と、車室内での内気循環との切り替えを行うオートベンチレーションシステムでは、通常時には外気導入を行って車室内の雰囲気の入れ替えを行うとともに、排気ガスが車室内に流入しそうな場合には内気循環に切り替えて、車室内が排気ガスで汚染されないように制御を行っている。
このようなガスセンサ素子を特定ガスに対して十分に反応させるには、ガスセンサ素子を加熱(例えば約200℃〜300℃)して活性化する必要がある。このため、従来のガス検知装置ではガスセンサ素子の近傍にヒータが設けられ、このヒータの通電によりガスセンサ素子を加熱することで、ガスセンサ素子の活性化が行われていた。しかし、このようなガス検知装置では、ガスセンサ素子が非加熱状態で大気(外気)中に放置された場合、水蒸気や他のガス成分などがガスセンサ素子の表面に吸着した状態になる。このような状態では、ガス検知装置の起動からヒータによる加熱を行っても、ガスセンサ素子の表面に吸着した水蒸気等がある程度脱離するまでは、センサ抵抗値が安定せずにガスセンサ素子の活性化に時間を要し、このガスセンサ素子から取得される出力を用いて直ちにガス検知を行うことはできなかった。そこで、従来のガス検知装置は、起動後にガスセンサ素子の活性化に必要な所定期間の経過を待ってからガス検知が開始されるように制御されており、誤検知が防止されていた(例えば特許文献1参照。)。
特開2002−156350号公報
ところで、ガス検知装置の作動が停止された後、短期間内にガス検知装置が再起動された場合には、ガスセンサ素子やヒータの温度がまだ高い場合がある。このような場合、ヒータが再通電されると、ガスセンサ素子は短期間で活性化される。
しかしながら、特許文献1に示されるガス検知装置では、ガス検知装置の起動毎に所定期間の経過が待機されるため、ガス検知装置の作動停止後短期間内に再起動された場合に、ガスセンサ素子がすぐに活性化されるにもかかわらず、その所定期間内はガス検知が行われないという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ガスセンサ素子の活性化の有無の判断を行って、早期にガス検知を開始することが可能なガス検知装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明のガス検知装置は、環境雰囲気中の特定ガスの濃度に応じてセンサ抵抗値が変化するガスセンサ素子を用いるガス検知装置であって、前記ガスセンサ素子を用いてセンサ出力値を所定サイクル時間毎に取得するセンサ出力取得手段と、前記センサ出力取得手段が取得したセンサ出力値を用いて環境雰囲気が汚染状態にあるか否かを検知するガス検知手段と、前記ガス検知手段により汚染状態にあると検知された場合に、汚染検知信号を出力する汚染検知信号出力手段と、前記ガス検知装置の起動から計時される所定の初期活性化待機期間が経過したか否かを判断する初期活性化待機期間経過判断手段と、前記初期活性化待機期間の経過後の所定の活性化判断期間内に、前記センサ出力取得手段により取得される複数のセンサ出力値に基づいて、前記ガスセンサ素子が活性化したか否かを判断する活性化判断手段とを備え、前記活性化判断手段により前記ガスセンサ素子が活性化したと判断された場合に、前記ガス検知手段による汚染状態の検知が開始されることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明のガス検知装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記活性化判断手段は、前記活性化判断期間内で最も期間的に離れた2つのセンサ出力値の傾きを所定のしきい値と比較して、活性化したか否かを判断することを特徴とする。
また、請求項3に係る発明のガス検知装置は、請求項1または2に記載の発明の構成に加え、前記初期活性化待機期間中、汚染検知信号を強制的に出力する汚染検知信号強制出力手段を備えている。
また、請求項4に係る発明のガス検知装置は、請求項1乃至3に記載の発明の構成に加え、前記活性化判断期間の経過後から計時され、所定の活性化待機期間が経過したか否かを判断する活性化待機期間経過判断手段を備え、前記活性化判断手段は、前記活性化待機期間の経過後に、再度、前記ガスセンサ素子が活性化したか否かを判断することを特徴とする。
また、請求項5に係る発明のガス検知装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記ガス検知装置の起動から計時され、少なくとも前記初期活性化待機期間および前記活性化判断期間よりも長い、所定の活性化判断終了期間が経過したか否かを判断する活性化判断終了期間経過判断手段を備え、前記活性化判断終了期間が経過したと前記活性化判断終了期間経過判断手段が判断した場合に、前記ガスセンサ素子が活性化したとみなして、前記ガス検知手段による汚染状態の検知が開始されることを特徴とする。
請求項1に係る発明のガス検知装置では、活性化判断手段によってガスセンサ素子が活性化したか否かの判断を行って、活性化したと判断した場合にガス検知手段による汚染状態の検知を開始させるようにしている。これにより、ガス検知装置の作動が停止された後短期間内に再起動されるなどしてガスセンサ素子の出力が早期に安定化する場合には、それにあわせてガス検知手段を早期に作動させることができ、環境雰囲気の特定ガスによる汚染状態の有無を早期に検知することができる。
また、請求項2に係る発明のガス検知装置では、活性化判断手段によるガスセンサ素子の活性化の判断を、活性化判断期間内で最も期間的に離れた2点におけるセンサ出力値に基づいて行うようにしている。つまり、活性化判断期間内の期間的に近い2点におけるセンサ出力値の傾き(差分)を用いて活性化を判断するようにした場合、センサ出力値が大きく変化したか否かをはっきりと捉えられない傾向にあるため、ガスセンサ素子の活性化を誤判断するおそれがある。一方、請求項2に係る発明のガス検知装置では、活性化判断期間内で最も離れた2点のセンサ出力値の傾き(差分)を用いているので、初期活性化待機期間後におけるセンサ出力値の変化の程度をはっきりと捉えることができ、活性化の判断を正確に行うことができる。
また、ガスセンサ素子の活性化の判断を行っている間はガス検知手段による環境雰囲気の汚染状態の検知を行うことができないが、請求項3に係る発明のガス検知装置では、その間、汚染検知信号を強制的に出力しているので、環境雰囲気が汚染した状態にあるとみなして対策することができ、実際に環境雰囲気が汚染した場合でもその影響を低減することができる。
また、請求項4に係る発明のガス検知装置では、請求項1乃至3に係る発明の効果に加え、初回の活性化判断が行われた際にガスセンサ素子が活性化していないと判断されても、再度、活性化の判断を行うことから、その際にガスセンサ素子が活性化したと判断されれば、ガス検知手段による汚染状態検知を開始させることができる。また、この活性化の判断を繰り返し行えば、ガスセンサ素子が活性化したと判断され次第、ガス検知手段による汚染状態検知を開始させることができる。
また、請求項5に係る発明のガス検知装置では、請求項1乃至4のいずれかに係る発明の効果に加え、活性化判断終了期間を設けたことで、活性化判断手段によりガスセンサ素子が活性化したと判断されなくとも、ガスセンサ素子が活性化するのに十分な期間が経過したならば、ガスセンサ素子が活性化したものとみなすことができるので、ガス検知手段による汚染状態検知を開始させることができる。なお、活性化判断手段によるガスセンサ素子の活性化の判断を2回以上行うことが可能であり、活性化され次第ガス検知手段への移行を行うようにしたガス検知装置においては、活性化判断終了期間を、初期活性化待機期間および活性化判断期間よりも長く設定するとともに、ガス検知装置の起動から計時して最後の活性化判断期間の終了を迎える時点よりも長く設定すればよい。
以下、本発明のガス検知装置の一実施の形態について図面を参照して説明する。まず、図1,図2を参照して、一例としての排気ガス中の特定ガスの濃度変化に応じた制御を行うガス検知装置10を用いたオートベンチレーションシステム100の構成の概略について説明する。図1は、オートベンチレーションシステム100の構成の概略を示す図である。図2は、RAM18の記憶エリアを示す概念図である。
本実施の形態のオートベンチレーションシステム100は、ガスセンサ素子12によって検知される車室外の排気ガス中の特定ガスの濃度に基づいて、自動車の車室内への外気導入(車室外の環境雰囲気を車室内へ導入することをいう。)と、車室内での内気循環(車室内から排出した雰囲気を再度、車室内へ戻し循環させることをいう。)との切り替えを行うシステムである。
図1に示すように、自動車の車室内に接続され、内部にファン27が設けられたダクト25には、外気を導入するための外気導入ダクト23と、内気を循環させるための内気循環ダクト24とが接続されており、フラップ26によっていずれか一方の接続が選択的に遮断されるようになっている。オートベンチレーションシステム100には、フラップ26を回動させるアクチュエータ22と、アクチュエータ22に駆動電圧を印加するフラップ駆動回路21と、車室外の排気ガス中の特定ガスの濃度変化に応じてフラップ開閉信号としての汚染検知信号とクリーンエア信号のいずれかをフラップ駆動回路21に出力するガス検知装置10とが設けられている。
ガス検知装置10では、ガスセンサ素子12と、固有抵抗値Rdの抵抗器11とが直列に接続され、ガスセンサ素子12の一端が接地されている。ガスセンサ素子12としては、排気ガス中のNO等の酸化性ガスに反応し、その濃度に応じて抵抗値Rsが変化する酸化物半導体が使用される。具体的には、ガスセンサ素子12には三酸化タングステン(WO)が使用されており、環境雰囲気中の酸化性ガスの濃度が上昇すると抵抗値Rsが上昇するようになっている。抵抗器11の一端には、電圧Vcc(本実施の形態の例では5V)が印加されるようになっている。
ガスセンサ素子12と抵抗器11との分圧点にはバッファ素子13の入力側が接続されており、ガスセンサ素子12の抵抗値Rsの大きさに基づいて変化する出力電位Vsが、バッファ素子13に入力されるようになっている。抵抗器11の抵抗値Rdは一定であることから、酸化性ガスの濃度が上がりガスセンサ素子12の抵抗値Rsが上昇すると、ガスセンサ素子12の出力、すなわちバッファ素子13に入力される出力電位Vsが大きくなるように構成されている。
バッファ素子13の出力側にはA/D変換器14の入力側が接続されており、バッファ素子13の出力(出力電位Vs)はA/D変換器14に入力されるとデジタル信号化され、センサ出力値G(n)としてA/D変換器14より出力される。そして、A/D変換器14の出力側はワンチップマイコン15の入力側の一つに接続されている。
また、ワンチップマイコン15の出力側の一つには、ガスセンサ素子12の近傍に配置されたヒータ30のオン・オフを行うスイッチング素子31が接続されている。ヒータ30は、ガス検知装置10の使用時にガスセンサ素子12を昇温させることで、ガスセンサ素子12に吸着、付着したガスや水分を解離、蒸発させ、ガスセンサ素子12の抵抗値Rsを早期に活性化させるために使用される。本実施の形態では、ヒータ30は、ガスセンサ素子12とともに同一の絶縁性セラミック基板上に設けている。
なお、センサ出力値G(n)において、nは、順列の整数である。後述するフラップ制御プログラムにおいて、ガス検知装置10の起動時に初期化されて「0」からカウントされる。そして、プログラムが一巡する毎に「1」加算される。また、センサ出力値G(n)の取りうる値は、例えば0〜255となっており、これは、出力電位Vsの取りうる0V〜5Vの値を256分割した場合に対応する数値となっている。
ワンチップマイコン15はCPU17、ROM16、RAM18を備え、ROM16の所定の記憶エリアに、後述するフラップ制御プログラムや、フラップ制御プログラムで使用される変数の初期値やしきい値等が記憶されている。ワンチップマイコン15の出力側の一つにはフラップ駆動回路21が接続されており、CPU17によるフラップ制御プログラムの実行に従って出力されるフラップ開閉信号が、フラップ駆動回路21に入力されるようになっている。また、フラップ駆動回路21にはアクチュエータ22が接続されており、フラップ駆動回路21に入力されるフラップ開閉信号に基づいて、フラップ駆動回路21から駆動電圧が印加されるようになっている。アクチュエータ22としては、例えばステッピングモータやソレノイドなどが使用され、その駆動力によってフラップ26が回動されるようになっている。
なお、図2に示すように、ワンチップマイコン15のRAM18には、フラグ記憶エリア181と、カウンタ記憶エリア182と、変数記憶エリア183と、センサ出力値記憶エリア184と、基準値記憶エリア185とが設けられている。
フラグ記憶エリア181には、後述するフラップ制御プログラムで使用されるフラップ開閉フラグFL、初回活性化判断フラグA0、活性化判断フラグA1、初回汚染ガス検知フラグDEが記憶されている。フラップ開閉フラグFLは、フラップ26の開閉状態を示すフラグであり、「1」であれば「開」を示し、「0」であれば「閉」を示す。なお、「開」とは、車室内の雰囲気が排気ガス(酸化性ガス)により汚染されることがないとして判断されている状態であり、フラップ26により内気循環ダクト24とダクト25との接続が遮断される状態である。このとき、ガス検知装置10からは、フラップ26を開くためのフラップ開閉信号としてクリーンエア信号が出力される。また、「閉」とは、車室内の雰囲気が排気ガスにより汚染される可能性があると判断されている状態であり、フラップ26により外気導入ダクト23とダクト25との接続が遮断される状態である。このとき、ガス検知装置10からは、フラップ26を閉じるためのフラップ開閉信号として汚染検知信号が出力される。
初回活性化判断フラグA0は、活性化判断処理が一度でも行われたか否かを確認する場合に使用されるフラグで、初期状態では「0」が記憶され、一度でも活性化判断処理が行われれば「1」が記憶される。活性化判断フラグA1は、ガスセンサ素子12が活性化されたか否かを判断するために使用されるフラグである。初期状態ではガスセンサ素子12が未だ活性化していない状態を示す「0」が記憶され、活性化判断処理で活性化したと判断されれば「1」が記憶される。初回汚染ガス検知フラグDEは、ガスセンサ素子12が活性化されたとの判断後に汚染ガス検知が行われる場合に、未だ汚染ガス検知が行われていないか否かを判断するために使用されるフラグである。「0」であれば、汚染ガス検知処理が初めて実行される場合を示し、「1」であれば、一度でも汚染ガス検知処理が行われたことを示す。
次に、カウンタ記憶エリア182には、積算時間計測カウンタnと、期間計測カウンタmとが設けられている。積算時間計測カウンタnは、ガス検知装置10が起動されてからの経過時間を計測するために使用される。nは整数値であり、後述するフラップ制御プログラムにて、例えば約0.4秒毎に「1」加算される。ガス検知装置10の起動時(フラップ制御プログラムの実行開始時)に「0」が記憶される。また、期間計測カウンタmは、積算時間計測カウンタnと同様に、フラップ制御プログラムにて、例えば約0.4秒ごとに「1」加算されるカウンタであり、mは整数値をとる。後述するカウント値T0,T1,T2で示される期間を計測するために使用され、計測開始前にリセットされる。
また、変数記憶エリア183は、フラップ制御プログラムで使用される各種変数を記憶するための記憶エリアである。活性化判断期間カウント値T0、初期活性化待機期間カウント値T1、活性化待機期間カウント値T2、および活性化判断終了期間カウント値T3には、積算時間計測カウンタnや期間計測カウンタmでカウントする値(カウント値)の最大値が記憶される。そして、それぞれ、活性化判断期間(T0期間)、初期活性化待機期間(T1期間)、活性化待機期間(T2期間)、および活性化判断終了期間(T3期間)が経過したか否かの判断に使用される。サンプリング開始番号rは、汚染ガス検知処理が初めて実行される場合に、そのときの積算時間計測カウンタnの値が記憶される。そして、排気ガス中の酸化性ガスの検知を行うために必要なサンプリング数が得られたか、その判断を行うために使用される。差分計算用センサ出力値G0は、ガスセンサ素子12が活性化したか否かを判断するための基準となるセンサ出力値G(n)を記憶するために使用される。なお、サンプリングとは、センサ出力値G(n)を1回取得するための一連の処理をいう。
また、センサ出力値記憶エリア184には、積算時間計測カウンタnの値と、そのとき取得されるセンサ出力値G(n)とが対応付けて記憶される。汚染ガス検知処理では9サンプリング前に取得されたセンサ出力値G(n)の値に基づいて、後述する基準値B(n)の計算が行われるが、この計算が各サンプリング毎に行われるため、9つの記憶エリアが設けられている。そして、新たなセンサ出力値G(n)が取得される毎に、nの値の最も小さい記憶エリア、すなわち(n−8,G(n−8))の記憶エリアが(n,G(n))として上書きされる。例えば、11サンプリング目(積算時間計測カウンタnの値が11として記憶されるとき)にセンサ出力値G(11)を取得した場合、nの値の最も小さい記憶エリア(2,G(2))が(11,G(11))で上書きされる。これにより、センサ出力値記憶エリア184に対応付けて記憶される積算時間計測カウンタnの値、およびそのセンサ出力値G(n)は、常に、最新のものから9つ前までに取得されたものに更新される。
基準値記憶エリア185には、積算時間計測カウンタnの値と、センサ出力値G(n)の取得が行われる度に計算される基準値B(n)とが対応付けられて記憶される。前述したように、ガスセンサ素子12は酸化物半導体よりなるため、ガスセンサ素子12の抵抗値Rsが酸化性ガスの濃度変化に関係なく温度や湿度変化に影響されて変化する場合がある。このため、フラップ制御プログラムでは、センサ出力値G(n)と比較するガス検知の基準となる基準値B(n)を定常値とはせず、センサ出力値G(n)にあわせて変動されるように、サンプリング毎に計算を行っている。このため、基準値記憶エリア185には、現在の基準値B(n)と、前回のサンプリング時の基準値B(n−1)とを記憶するための2つの記憶エリアが設けられている。そして、センサ出力値記憶エリア184と同様に、新たな基準値B(n)が計算される毎に、nの値の最も小さい記憶エリア、すなわち(n−1,B(n−1))の記憶エリアが(n,B(n))として上書きされる。
また、RAM18には、図示外の各種記憶エリアが設けられており、後述するフラップ制御プログラムも所定の記憶エリアに読み込まれて実行される。
このような構成のオートベンチレーションシステム100では、ガスセンサ素子12は自動車の車室外に配置される。そして、排気ガス中の酸化性ガスの濃度に応じて抵抗値Rsが変化すると、バッファ素子13に入力される出力電位Vsも変化する。バッファ素子13の出力はA/D変換器14にてセンサ出力値G(n)としてデジタル信号化され、ワンチップマイコン15に入力される。ワンチップマイコン15ではフラップ制御プログラムが実行され、センサ出力値G(n)に基づくフラップ開閉信号(フラップ26を開くクリーンエア信号またはフラップ26を閉じる汚染検知信号)の出力が行われる。
以下、フラップ制御プログラムについて、図3〜図5を参照して説明する。図3は、フラップ制御プログラムのメインルーチンを示す図である。図4は、活性化判断処理のサブルーチンを示す図である。図5は、汚染ガス検知処理のサブルーチンを示す図である。なお、フローチャートの各ステップを「S」と略記する。
フラップ制御プログラムは、ガス検知装置10の起動時にROM16から読み出され、実行される。図3に示すように、フラップ制御プログラムが実行されると、まず、初期化処理が行われる(S10)。初期化処理では、RAM18のフラグ記憶エリア181,カウンタ記憶エリア182,変数記憶エリア183,センサ出力値記憶エリア184,基準値記憶エリア185の各記憶エリアが0クリアされる。次いで、ROM16の所定の記憶エリアより、活性化判断期間カウント値T0,初期活性化待機期間カウント値T1,活性化待機期間カウント値T2,活性化判断終了期間カウント値T3の各カウント値が読み込まれ記憶され、さらに、積算時間計測カウンタnに「1」が記憶される。なお、S10の処理で、フラップ開閉フラグFLに「0」を記憶させて、後述するS30の処理で、汚染検知信号を出力させるCPU17が、本発明における「汚染検知信号強制出力手段」に相当する。
次に、センサ出力値G(n)が取得され、センサ出力値記憶エリア184に、積算時間計測カウンタnの値と対応付けて記憶される(S11)。フラップ制御プログラムが開始されて初回のセンサ出力値G(n)の取得の際には積算時間計測カウンタnの値が「1」であるため、(0,G(0))となっている記憶エリアのいずれかが上書きされる。なお、S11の処理で、取得したセンサ出力値G(n)をセンサ出力値記憶エリア184に記憶するCPU17が、本発明における「センサ出力取得手段」に相当する。また、S10の処理で、センサ出力値記憶エリア184の9つの記憶エリアは、(0,G(0))に0クリアされている。
そして、ガスセンサ素子12がすでに活性化したか否かの判断が行われる(S12)。この処理では活性化判断フラグA1の値が確認されるが、ガスセンサ素子12の活性化前は「A1=0」となっており(S12:NO)、S15に進む。
次いで、初回の活性化判断が終了したか否かの判断が行われる(S15)。すなわち、ガス検知装置10の起動後、一度でもガスセンサ素子12の活性化判断処理が行われたか否かの判断がなされる。この処理では初回活性化判断フラグA0の値が確認されるが、ガスセンサ素子12の活性化判断処理が一度も行われていない場合には「A0=0」となっており(S15:NO)、S16に進む。
S16では、T1期間(例えば、T1期間が20秒であれば、期間計測カウンタmの更新が0.4秒であるため、初期活性化待機期間カウント値T1としては「T1=50」が設定されている。)が経過したか否かの判断が行われる(S16)。期間計測カウンタmの値が初期活性化待機期間カウント値T1未満であれば(S16:NO)、差分計算用センサ出力値G0の値としてG(n)(ここではG(1))が記憶されて(S17)、S30に進む。なお、S16の処理で、T1期間が経過したか否かの判断を行うCPU17が、本発明における「初期活性化待機期間経過判断手段」に相当する。
S30の処理ではフラップ開閉フラグFLの値に基づき、フラップ開閉信号が出力される。S10の初期化処理でフラップ開閉フラグFLには「0」が記憶されているので、フラップ26を閉じるため、ここでは汚染検知信号が出力される。なお、S30の処理で、フラップ開閉フラグFLの値に基づいて汚染検知信号を出力するCPU17が、本発明における「汚染検知信号出力手段」に相当する。
そして、続くS31の処理では1回のサンプリングが約0.4秒毎に行われるようにするため、その時間の調整(すなわち約0.4秒間の待機)が行われる(S31:NO)。サンプリング時間がタイムアップ(すなわち0.4秒間が経過)すれば(S31:YES)、積算時間計測カウンタn、および期間計測カウンタmの値がそれぞれ「1」加算されて、S11に戻る。
S11,S12,S15,S16,S17,S30,S31の処理は繰り返し行われ、その間に、積算時間計測カウンタn、期間計測カウンタm、センサ出力値記憶エリア184の各値、および、差分計算用センサ出力値G0の値が順次更新される。そして、期間計測カウンタmの値が初期活性化待機期間カウント値T1以上になるとT1期間が経過したと判断され(S16:YES)、S18に進む。なお、フラップ開閉フラグFLの値は変化しないため、汚染検知信号は強制的に出力されたままとなる。
S18では、ガスセンサ素子12の活性化の有無を判断するために必要なT0期間(例えば、T0期間が6.4秒であれば、活性化判断期間カウント値T0として「T0=16」が設定されている。)が経過したか否かの判断が行われる(S18)。期間計測カウンタmはT1期間の経過後も継続してカウント値が更新されており、その値が、初期活性化待機期間カウント値T1と活性化判断期間カウント値T0との合計のカウント値(上記例に基づく場合「64」)未満であれば(S18:NO)、S30に進む。
そして、S11,S12,S15,S16,S18,S30,S31の処理が繰り返し行われ、差分計算用センサ出力値G0を除き、前記同様、各値が更新される。期間計測カウンタmが、初期活性化待機期間カウント値T1と活性化判断期間カウント値T0との合計のカウント値以上となれば、T0期間が経過したと判断され(S18:YES)、活性化判断処理のサブルーチンがコールされる(S20)。
図4に示す、活性化判断処理のサブルーチンでは、T0期間におけるセンサ出力値G(n)の傾き(差分)を求めるため、現在のセンサ出力値G(n)から、T0期間経過前のセンサ出力値として記憶されている差分計算用センサ出力値G0の減算が行われる(S40)。計算された差分が、ROM16の所定の記憶エリアに記憶されている、あらかじめ決められたしきい値Kより大きかった場合(S41:NO)、ガスセンサ素子12が未だ活性化していないとして判断されて、そのままメインルーチンに戻る。しかし、差分がしきい値K以下であった場合(S41:YES)、ガスセンサ素子12が活性化したと判断され、活性化判断フラグA1に「1」が記憶されて活性化判断は終了となる(S42)。また、サンプリング開始番号rとして積算時間計測カウンタnの値が記憶される。そしてメインルーチンに戻る。なお、S41の処理で、差分としきい値Kとを比較した結果に基づいて、ガスセンサ素子12が活性化したか否かを判断するCPU17が、本発明における「活性化判断手段」に相当する。
図3に示すメインルーチンでは、S20が終了する際に期間計測カウンタmが0クリアされる。そして、初回の活性化の判断が終了したとして、初回活性化判断フラグA0に「1」が記憶され(S21)、S30に進む。
次回のS15の処理では、「A0=1」であることからS22に進む(S15:YES)。S22では、T3期間(例えば、T3期間が60秒であれば、活性化判断終了期間カウント値T3として「T3=150」が設定されている。)が経過したか否かの判断が行われる(S22)。本実施の形態では、ガス検知装置10の起動開始からT3期間が経過すると、ガスセンサ素子12の活性化の判断が終了していなくともガス検知を開始できるように、T3期間が設けられている。このT3期間は、ヒータ30の加熱によってガスセンサ素子12が活性化するまでにかかる標準の期間を設定することが望ましい。積算時間計測カウンタnの値をもって判断され、その値が活性化判断終了期間カウント値T3未満のうちは(S22:NO)、S23に進む。なお、S22の処理で、T3期間が経過したか否かの判断を行うCPU17が、本発明における「活性化判断終了期間経過判断手段」に相当する。
S23では、S16と同様に、T2期間(例えば、T2期間が20秒であれば、活性化待機期間カウント値T2として「T2=50」が設定されている。)が経過したか否かの判断が行われる(S23)。期間計測カウンタmの値が活性化待機期間カウント値T2未満であれば(S23:NO)、前記同様、差分計算用センサ出力値G0の値としてG(n)が記憶されて(S25)、S30に進む。なお、S23の処理で、T2期間が経過したか否かの判断を行うCPU17が、本発明における「活性化待機期間経過判断手段」に相当する。
S11,S12,S15,S22,S23,S25,S30,S31の処理が繰り返し行われる間に、前記同様、各値の更新が行われる。そして、T3期間の経過前であり、期間計測カウンタmが活性化待機期間カウント値T2以上となれば(S23:YES)、S26に進み、S18と同様に、T0期間の経過を待つためS30に進む(S26:NO)。
以降、S11,S12,S15,S22,S23,S26,S30,S31の処理が繰り返し行われる。そして、前記同様、期間計測カウンタmが、活性化待機期間カウント値T2と活性化判断期間カウント値T0との合計のカウント値以上となれば、T0期間が経過したと判断され(S26:YES)、活性化判断処理のサブルーチンがコールされる(S27)。活性化判断処理のサブルーチン(図4参照)が実行されメインルーチンに戻るとS30に進むが、その際に期間計測カウンタmの値が0クリアされる。このため、ガスセンサ素子12が活性化しておらず、かつ、T3期間が経過しない限り、また最初から、T2期間の経過の判断(S23)、T0期間の経過の判断(S26)、および活性化判断処理(S27)が実行される。
一方、T3期間が経過したと判断されて(S22:YES)、活性化判断が終了した場合には(S28)、活性化判断フラグA1に「1」記憶され、さらに、サンプリング開始番号rとして積算時間計測カウンタnの値が記憶されて、S30に進む。このため、次回以降のS12の処理ではS13に進み(S12:YES)、汚染ガス検知処理のサブルーチンがコールされる(S13)。また、それ以前に、活性化判断処理(図4参照)にてガスセンサ素子12が活性化したと判断された場合も同様に、活性化判断フラグA1に「1」記憶されるため、汚染ガス検知処理のサブルーチンがコールされる(S12:YES、S13)。
図5に示す、汚染ガス検知処理のサブルーチンでは、まず、初回汚染ガス検知フラグDEが参照され、汚染ガス検知処理の実行が初めてか否かが判断される(S50)。初回汚染ガス検知フラグDEの値が「0」であれば初めて汚染ガス検知処理のサブルーチンがコールされたと判断され(S50:YES)、汚染ガス検知処理を実行するための初期設定が行われる。すなわち、差分計算用センサ出力値G0の値として最新のセンサ出力値G(n)が記憶され、また、基準値B(n)の初期値として同様のセンサ出力値G(n)が記憶される(S51)。また、初回汚染ガス検知フラグDEには「1」が記憶される。そして、メインルーチンに戻る。
図3のメインルーチンでは、汚染ガス検知処理のサブルーチン(S13)から戻るとS30に進み、S31,S11,S12を経てまたS13の汚染ガス検知処理のサブルーチンがコールされる。このように、一度ガスセンサ素子12が活性化したと判断された後は、毎回、汚染ガス検知処理のサブルーチンが実行されるようになる。
図5に示す、汚染ガス検知処理のサブルーチンの2回目以降の実行では、初回汚染ガス検知フラグDEが「1」であるため(S50:NO)、S52に進む。S52では、その回に取得されたセンサ出力値G(n)の値が、前回に計算された基準値B(n−1)より大きいか否かについて比較が行われる(S52)。なお、S52の処理が初めて実行された場合には、B(n)の値は、前回、汚染ガス検知処理のサブルーチンが実行された際に、S51の処理で設定されている。
そして、センサ出力値G(n)が基準値B(n−1)より大きい場合(S52:YES)、汚染ガス検知処理が実行されるようになってからセンサ出力値G(n)のサンプリングが9回行われたか否かについての判断が行われる(S53)。この処理では、現在の積算時間計測カウンタnの値がサンプリング開始番号rの値に8を加算した値以上であるか否かによって判断される。センサ出力値G(n)のサンプリングが9回行われる以前は、積算時間計測カウンタnの値がサンプリング開始番号rの値に8を加算した値未満となっており(S53:NO)、サンプリングの都度行われる基準値B(n)の計算に、S51で記憶した差分計算用センサ出力値G0が利用される。すなわち、
B(n)=B(n−1)+K1{G(n)−B(n−1)}−K2{G(n)−G0}
の計算が行われる(S55)。ここで、K1,K2は比例定数であり、0より大きく1より小さい値をとる。初めてS55の処理が実行された場合には、B(n−1)の値は、前回の汚染ガス検知処理の実行時にS51で設定された値となる。
次に、センサ出力値G(n)の値から、計算された基準値B(n)の値が減算され、所定のサンプリング回数内におけるセンサ出力値G(n)の変化量(差分)が求められる(S58)。計算された差分が、ROM16の所定の記憶エリアに記憶されている、あらかじめ決められたしきい値THより大きかった場合(S60:YES)、ガスセンサ素子12が検知した排気ガス中の酸化性ガスの濃度が上昇したと判断される。そして、フラップ26を閉じるための汚染検知信号を出力するために、フラップ開閉フラグFLに「0」が記憶される(S61)。一方、計算された差分がしきい値TH以下であった場合(S60:NO)、ガスセンサ素子12が検知した排気ガス中の酸化性ガスの濃度に大きな上昇がなかったと判断される。この場合、フラップ26を開くためのクリーンエア信号を出力するために、フラップ開閉フラグFLに「1」が記憶される(S62)。なお、S60の処理で、センサ出力値G(n)を用いて算出された差分としきい値THとを比較した結果に基づいてフラップ開閉フラグFLの記憶を行うCPU17が、本発明における「ガス検知手段」に相当する。
そして、図3に示す、メインルーチンに戻ると、S30の処理で、フラップ開閉フラグFLの値に基づいて、フラップ開閉信号(クリーンエア信号または汚染検知信号)がワンチップマイコン15から出力される。S31の処理でサンプリング期間の調整が行われた後、S11に戻りセンサ出力値G(n)の取得が行われ、再度、S13の汚染ガス検知処理のサブルーチンがコールされる。
このようにして、図5に示す、汚染ガス検知処理のサブルーチンが数回繰り返し実行される間に、汚染ガス検知処理が実行されるようになってからのサンプリング回数が9回以上(積算時間計測カウンタnの値がサンプリング開始番号rの値に8を加算した値以上)となれば(S53:YES)、S56に進む。S56では、サンプリングの都度行われる基準値B(n)の計算に、9回前に行われたサンプリング時のセンサ出力値G(n−8)が利用される。すなわち、
B(n)=B(n−1)+K1{G(n)−B(n−1)}−K2{G(n)−G(n−8)}
の計算が行われる(S56)。その後はS58に進み、以降、このサブルーチンが実行される際に行われる基準値B(n)の計算では、G(n)がB(n−1)より大きいと判断されれば、9回前に行われたサンプリング時のセンサ出力値G(n−8)が利用されることとなる。
一方、S52でセンサ出力値G(n)が基準値B(n−1)以下であった場合(S52:NO)、排気ガス中の酸化性ガスの濃度が一定、あるいは減少しているとして、現在のセンサ出力値G(n)が基準値B(n)として設定される。すなわち、
B(n)=G(n)
の計算が行われる(S57)。その後はS58に進む。このようにしてS52〜S57の処理を経て計算される基準値B(n)は、センサ出力値G(n)の値に応じて変化する。
そして、これら基準値B(n)が計算された後は、前述したようにS58以降の処理が行われ、センサ出力値G(n)と基準値B(n)との差分に基づき、フラップ開閉フラグFLの値が設定される。図3に示す、メインルーチンに戻ると、フラップ開閉フラグFLの値に基づいてフラップ開閉信号が出力される。このようにして、ガス検知装置10では、フラップ26の開閉の制御が行われる。
次に、本実施の形態のガス検知装置10の動作について、図6に示す、実施例1、実施例2に基づき検証した。図6は、実施例1,2に基づくガス検知装置10の作動状態を示すタイミングチャートである。なお、タイミングチャートにおける各タイミングを「t」と略記する。
[実施例1]
実施例1は、ガス検知装置10を、前回の起動停止後、あまり時間をおかずに再度起動させた場合について検証を行った例である。図6において、センサ出力値G(n)を実線で示す。まず、ガス検知装置10は、t0タイミングに起動される。ガスセンサ素子12の通電直後はセンサ出力値G(n)が不安定となる。しかし、前回の起動停止後あまり時間が経過していないためガスセンサ素子12はまだ温度が高い状態にあり、ヒータ30に通電後すぐに昇温され、抵抗値Rsが早期に安定化される。このため、t0タイミングより開始されるT1期間(20秒間)の終了するt1タイミングには、センサ出力値G(n)が安定化した状態(変化量が小さく傾きが小さい状態)となっている。
このt0〜t1タイミングまでの間、差分計算用センサ出力値G0の値はサンプリング毎に更新されている。続く活性化判断のためのサンプリングを行うT0期間(6.4秒間)が終了するt2タイミングにおいて、t2タイミングに取得されたセンサ出力値G(n)と、t1タイミングに更新が終了した差分計算用センサ出力値G0との差分が計算される。この差分は、センサ出力値G(n)が既に安定状態にあるため小さい値となり、活性化判断処理(図4参照)においてガスセンサ素子12が活性化したと判断されるため、活性化判断フラグに「1」が記憶される。なお、t2タイミングが経過するまでは、ガスセンサ素子12が活性化していないと判断されるため、フラップ開閉フラグFLには「0」が記憶されるようになっており、汚染検知信号が出力されてフラップ26が閉じられている。
そして、汚染ガス検知処理が開始されても、t2〜t4タイミングの間は、センサ出力値G(n)の変化量が小さいため、フラップ開閉フラグFLには「1」が記憶され、クリーンエア信号が出力されてフラップ26が開かれる。しかし、t5タイミングにおいて、ガスセンサ素子12が酸化性ガスの濃度上昇を検知してセンサ出力値G(n)が上昇すると、そのセンサ出力値G(n)と、t5タイミングより9回前のサンプリングが行われたt3タイミングのセンサ出力値G(n−8)に基づき計算される基準値B(n)との差分が大きくなる。このため、フラップ開閉フラグFLには「0」が記憶されて汚染検知信号が出力されるため、フラップ26が閉じられる。
t6タイミングでは、センサ出力値G(n)の値が既に下降状態となっており、センサ出力値G(n)と基準値B(n)との差分が小さくなって、しきい値THを下回り、フラップ開閉フラグFLに「1」が記憶されてクリーンエア信号が出力されるため、フラップ26が開かれる。なお、t10,t11,t12タイミングにおいても、t4,t5,t6タイミングと同様である。
[実施例2]
実施例2は、ガス検知装置10を、前回の起動停止後、かなり時間が経過してから再度起動させた場合について検証を行った例である。図6において、センサ出力値G(n)を点線で示す。実施例1と同様に、ガス検知装置10はt0タイミングに起動される。前回の起動停止後かなりの時間が経過しているため、ヒータ30の通電後、ガスセンサ素子12が安定した出力を行えるようになるには時間がかかる。このため、t0タイミングより開始されるT1期間(20秒間)の終了するt1タイミングにおいても、センサ出力値G(n)は未だ安定化した状態にはなっていない。
次いで、t1〜t2タイミングにおいて、実施例1と同様に、活性化判断のためのサンプリングを行うT0期間(6.4秒間)の待機が行われる。t2タイミングに取得されたセンサ出力値G(n)と、t1タイミングにおけるセンサ出力値としての差分計算用センサ出力値G0との差分は、センサ出力値G(n)が未だ安定化した状態となっていないため大きい値となる。このため、活性化判断処理(図4参照)において、ガスセンサ素子12は未だ活性化していないと判断されるので、活性化判断フラグは初期値のままの「0」であるので、フラップ26が閉じた状態が継続される。
t4〜t7タイミングでは、T2期間(20秒間)の待機が行われ、その後のt7〜t8タイミングにおいて、t1〜t2タイミングと同様に、活性化判断のためのサンプリングを行うT0期間(6.4秒間)の待機が行われる。そしてこのT0期間中のセンサ出力値の差分が求められ、活性化の判断が行われる。実施例2では、ガス検知装置10の起動後からヒータ30によって加熱されたガスセンサ素子12の出力がt7タイミングにはほぼ安定化するため、t7〜t8タイミングのサンプリング結果に基づき行われる活性化判断では、ガスセンサ素子12が活性化したと判断される。すなわち、実施例1におけるt2タイミング以降と同様の状態となる。
なお、t7〜t8タイミングのサンプリング結果に基づいて活性化判断を行いガスセンサ素子12が活性化していないと判断された場合であっても、ガス検知装置10の起動時(t0タイミング)からt13タイミングまでの期間(T3期間として設定された活性化判断終了期間)が経過すれば、ガスセンサ素子12は活性化されたものとみなされ、活性化判断は終了される。
以上説明したように、ガス検知装置10の起動が時間をおいて行われ、ガスセンサ素子12の温度が例えば外気温まで下がっていた場合、ガス検知装置10を起動させてもガスセンサ素子12が活性化するまで時間がかかる。しかし、ガス検知装置10の起動が、前回の起動終了からあまり時間をおかずに行われた場合にはガスセンサ素子12の温度が高い場合があり、早期に活性化される。そこで、本実施の形態のガス検知装置10では、ガス検知装置10の起動後にガスセンサ素子12が活性化したか否かの判断を行うことで、ガスセンサ素子12が活性化した場合には早期に環境雰囲気の汚染状態の検知を行えるようにした。
また、ガスセンサ素子12が活性化されるのに十分な期間(T3期間)が経過した場合には、活性化の判断を終了して汚染状態の検知を行えるようにした。これにより、活性化判断中にガスセンサ素子12が安定化していないと判断された場合でも、T3期間が経過すればガスセンサ素子12が安定化したとみなして汚染状態の検知を開始することができる。
また、ガス検知装置10の起動時に初期化処理(S10)を行った際に、フラップ開閉フラグFLを「0」に設定することで、ガス検知装置10より汚染検知信号が出力されるようにした。このフラップ開閉フラグFLの値は、ガスセンサ素子12が活性化したと判断、または、みなされてから実行される汚染ガス検知処理が行われなければ「0」のままであるため、ガスセンサ素子12の活性化判断中は、フラップ26が閉じられた状態となる。これにより、汚染ガスの検知が開始される前に排気ガス(酸化性ガス)が車室内に侵入することが防止される。
なお、本発明は上記実施の形態に限られず、各種の変更が可能である。例えば、T0,T1,T2,T3期間はそれぞれ任意の期間を設定してもよい。なお、T3期間は、T1期間およびT0期間と、T2期間およびT0期間との合計の期間よりも長くなるように設定するとよい。このようにすれば、ガスセンサ素子12が活性化したとみなす前に、その活性化判断の機会を複数回設けることができるので、より早期に汚染ガスの検知を開始することが可能となる。また、1回のサンプリングは約0.4秒毎に行われるようにしたが、これに限らず任意の時間毎に行われるようにしてもよい。
さらに、ガスセンサ素子12として、上記実施の形態では酸化性ガスに反応し、酸化性ガスの濃度上昇とともに抵抗値Rsが上昇するタイプの酸化物半導体のガスセンサ素子を用いたが、COやHCなどの還元性ガスに反応し、還元性ガスの濃度上昇とともに抵抗値が低下するタイプの酸化物半導体のガスセンサ素子を用いることもできる。
本発明は、特定ガスの濃度に応じた出力を行うことができる各種のガスセンサ素子を利用したガス検知装置に適応できる。
オートベンチレーションシステム100の構成の概略を示す図である。 RAM18の記憶エリアを示す概念図である。 フラップ制御プログラムのメインルーチンを示す図である。 活性化判断処理のサブルーチンを示す図である。 汚染ガス検知処理のサブルーチンを示す図である。 実施例1,2に基づくガス検知装置10の作動状態を示すタイミングチャートである。
符号の説明
10 ガス検知装置
12 ガスセンサ素子
15 ワンチップマイコン
17 CPU

Claims (5)

  1. 環境雰囲気中の特定ガスの濃度に応じてセンサ抵抗値が変化するガスセンサ素子を用いるガス検知装置であって、
    前記ガスセンサ素子を用いてセンサ出力値を所定サイクル時間毎に取得するセンサ出力取得手段と、
    前記センサ出力取得手段が取得したセンサ出力値を用いて環境雰囲気が汚染状態にあるか否かを検知するガス検知手段と、
    前記ガス検知手段により汚染状態にあると検知された場合に、汚染検知信号を出力する汚染検知信号出力手段と、
    前記ガス検知装置の起動から計時される所定の初期活性化待機期間が経過したか否かを判断する初期活性化待機期間経過判断手段と、
    前記初期活性化待機期間の経過後の所定の活性化判断期間内に、前記センサ出力取得手段により取得される複数のセンサ出力値に基づいて、前記ガスセンサ素子が活性化したか否かを判断する活性化判断手段と
    を備え、
    前記活性化判断手段により前記ガスセンサ素子が活性化したと判断された場合に、前記ガス検知手段による汚染状態の検知が開始されることを特徴とするガス検知装置。
  2. 前記活性化判断手段は、前記活性化判断期間内で最も期間的に離れた2つのセンサ出力値の傾きを所定のしきい値と比較して、活性化したか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載のガス検知装置。
  3. 前記初期活性化待機期間中、汚染検知信号を強制的に出力する汚染検知信号強制出力手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のガス検知装置。
  4. 前記活性化判断期間の経過後から計時され、所定の活性化待機期間が経過したか否かを判断する活性化待機期間経過判断手段を備え、
    前記活性化判断手段は、前記活性化待機期間の経過後に、再度、前記ガスセンサ素子が活性化したか否かを判断することを特徴とする請求項1乃至3に記載のガス検知装置。
  5. 前記ガス検知装置の起動から計時され、少なくとも前記初期活性化待機期間および前記活性化判断期間よりも長い、所定の活性化判断終了期間が経過したか否かを判断する活性化判断終了期間経過判断手段を備え、
    前記活性化判断終了期間が経過したと前記活性化判断終了期間経過判断手段が判断した場合に、前記ガスセンサ素子が活性化したとみなして、前記ガス検知手段による汚染状態の検知が開始されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のガス検知装置。
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