JP2001141684A - センサの活性判断方法及び測定ガスの制御方法 - Google Patents

センサの活性判断方法及び測定ガスの制御方法

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JP2001141684A
JP2001141684A JP32776699A JP32776699A JP2001141684A JP 2001141684 A JP2001141684 A JP 2001141684A JP 32776699 A JP32776699 A JP 32776699A JP 32776699 A JP32776699 A JP 32776699A JP 2001141684 A JP2001141684 A JP 2001141684A
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gas sensor
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gas
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JP32776699A
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Toshiya Matsuoka
俊也 松岡
Yuichi Kamiyama
雄一 神山
Tomohisa Goto
智久 後藤
Kazuto Hirai
一人 平井
Yuji Kimoto
祐治 木元
Yasufumi Sato
保史 佐藤
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のセンサを用いて短時間で制御を開始で
きる制御方法を提供する。 【解決手段】 各還元性ガスセンサS1、酸化性ガスセ
ンサS2の活性を、抵抗値が加熱開始後に低下してか
ら、上昇に転じたことに基づき判断する(S10)。還
元性ガスセンサS1が活性した際に(S12:Ye
s)、当該還元性ガスセンサS1からの信号に基づき車
内循環と車外循環との切り替えを開始する(S16)。
酸化性ガスセンサS2が活性した際に(S22:Ye
s)、当該酸化性ガスセンサS2からの信号に基づき切
り替えを開始する(S26)。このため、活性までの時
間が異なる酸化性ガスセンサと還元性ガスセンサとを用
いて、短時間で切り替えを開始することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、センサの活性判
断方法及び当該センサを用いる測定ガスの制御方法に関
し、特に、CO等の還元性ガスセンサ、NOx等の酸化
性ガスセンサ等の検出ガス濃度に応じて抵抗値の変化す
るセンサの活性判断方法、及び、当該酸化性ガスセンサ
及び還元性ガスセンサ等を用いる測定ガスの制御方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両の換気システムにおいては、内気循
環と外気循環とを切り替え得るようになっている。例え
ば、トンネルに入る際に、外気循環から内気循環に切り
替えることより、他の車両から排出された排気ガスが車
内に入り込むことを防ぐことができる。この切り替え
は、手動操作により行われていたが、現在、切り替えを
自動的に行うようにしたシステムがある。
【0003】係る自動換気切り替えシステムにおいて
は、ガスセンサを用いて、外気中のガス濃度を測定し、
濃度の上昇が検出された際に、外気循環から内気循環に
切り替える。一方、濃度の下降が検出された際に、内気
循環から外気循環に切り替える。自動換気切り替えシス
テムにおいて、ガス濃度を測定するガスセンサとして、
ガソリンエンジンから排出されるCO濃度を測定する還
元性ガスセンサと、デーゼルエンジンから排出されるN
Ox濃度を測定する酸化性ガスセンサとを一般的に併用
している。これにより、ガソリンエンジンのみならず、
デーゼルエンジンからの排気ガスをも検出できるように
してある。
【0004】係る自動換気切り替えシステムにおいて
は、内気循環と外気循環との切り替えは、ガス濃度の絶
対値ではなく、ガス濃度の変化に基づき行っている。例
えば、CO、NOx濃度の比較的高い工場地帯を走行し
ている際には、ガス濃度が更に高く成らない限り、外気
循環を行う。一方、高原等のCO、NOx濃度の非常に
低い地帯を走行している際には、ガス濃度が僅かに上昇
しても、外気循環から内気循環に切り替える。即ち、車
両搭乗者は、排ガス濃度の絶対値を感じ取るのではな
く、ガス濃度が変化した際に感じ取るのである。例え
ば、上述した高原等のCO、NOx濃度の非常に低い地
帯を走行している際には、ガス濃度が僅かに上昇して
も、感じ取ることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで、係る還元性ガ
スセンサ及び酸化性ガスセンサは、350℃程度まで加
熱し活性化させてから測定を開始する必要がある。この
ため、従来技術においては、外気温度の変化(例えば、
極寒冷状態での使用)、センサの特性のばらつき等を勘
案し、タイマを用いて、加熱開始後から所定時間経過後
に測定を開始していた。しかしながら、安全率を加えて
タイマを設定すると、測定開始までの時間が長くなり、
車両が走行を開始してからしばらくしないと、上述した
自動換気切り替えシステムを動作させることができなか
った。
【0006】一方、上述したCO濃度を測定する還元性
ガスセンサと比べて、NOx濃度を測定する酸化性ガス
センサは、測定を開始できるようになるまで時間が長く
掛かっている。即ち、該還元性ガスセンサ及び酸化性ガ
スセンサは、素子特性のばらつきが大きいのに加えて、
抵抗値の変化が小さいため、抵抗値の変化を微分してガ
ス濃度の変化を検出している。一般的に、CO濃度を測
定する還元性ガスセンサと比べて、NOx濃度を測定す
る酸化性ガスセンサは、抵抗値の変化分が小さいため
に、定数の大きな微分回路が付加される。かかる定数の
大きな微分回路は、通電を開始してから動作可能になる
までに数十秒を必要とする。このため、従来技術の自動
換気切り替えシステムにおいては、当該酸化性ガスセン
サに合わせてタイマを設定してあり、測定開始までの時
間が長くなって、車両が走行を開始してからしばらくし
ないと、換気切り替えを行うことができなかった。
【0007】請求項1〜5のセンサの活性判断方法は、
上述した課題を解決するためになされたものであり、そ
の目的とするところは、短時間でセンサの使用が可能と
なる活性判断方法を提供することにある。
【0008】請求項6〜10の測定ガスの制御方法は、
上述した課題を解決するためになされたものであり、そ
の目的とするところは、複数のセンサを用いて短時間で
制御を開始できる制御方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために為されたものである。即ち、検出ガス濃度
に応じて抵抗値が変化し、所定温度以上で活性となる検
出素子を有するセンサの活性判断方法であって、該抵抗
値の時間的な変化の方向が加熱開始後に最初に反転した
ことに基づいて前記素子の活性を判断するものである。
【0010】上記の様な検出素子は、所定温度以上で活
性となるので、何らかの方法で活性を判断する必要が有
るが、特にガス濃度に応じて抵抗値が変化する検出素子
の場合、素子が活性になってから検出ガスとの反応によ
って抵抗値の変化が開始するので、活性になる直前の抵
抗値が活性後及び活性前に比べて正又は負のピークを有
する事が知見された。例えば、酸化物半導体において
は、常温において抵抗値が高く、活性温度で抵抗値が低
くなる。そして活性に達すると酸素の吸着(酸化)を開
始して抵抗値が上昇し始めるのである。このため、別途
素子の温度を検出する事無く、素子の抵抗値の変化を検
出するだけで、素子の活性を判断できる。特に、自動車
の自動換気切替えシステムに本センサを用いた場合に
は、元々重要な情報はガス濃度の絶対値ではなく、変化
であるため、上記の様な活性判断は、システムに利用す
るセンサからの情報(ガスの変化の程度)をそのまま活
性判断に利用出来るので、システム構成が簡単になる。
【0011】なお、抵抗値の変化ピークを検出するに
は、抵抗値変化を時間微分した出力を用いる事で、比較
的簡単に変化ピークを検出できるので好ましい。例え
ば、抵抗値変化を微分するには、抵抗値を検出してから
それを微分しても良いが、通常は抵抗値は直接的に検出
できないので、一旦電圧に変換してそれを検出すること
が望ましい。電圧を検出するには単純な比較抵抗の分圧
回路を用いる方法や、コンデンサと組み合わせて、交流
インピーダンス回路を構成し、交流の分圧出力を整流す
る方法でも変換できる。また、電圧値から抵抗値を算出
しなくとも、電圧を直接的に微分して、それを活性判断
やガス濃度の変化として利用することも出来る。その場
合には検出手順の構成が簡単になって望ましい。
【0012】上記の様に電圧値を微分するには、一般的
なオペアンプを用いた微分回路を用いることが望ましい
が、電圧をA/Dコンバータなどでデジタルに変換して
から、数値演算によって電圧微分値を計算することも出
来る。そして、素子をヒータで加熱開始後、最初に電圧
値がピークに達した時点で、電圧微分値はほぼ0になる
ので、それを以って活性判断したとすることができる。
この場合、非活性の状態から活性の状態に至るまでの素
子の抵抗値変化は変曲点を有するカーブになるので、そ
の抵抗微分値は0になる前に負のピークを有する。そこ
で、素子が最初に活性に達したか否かの判断は、その微
分値が負のピークを有してから0になったか否かで判断
する事が出来る。抵抗値を電圧値に変換した場合には、
電圧微分値は抵抗微分値に対応して最初に正又は負のピ
ーク値に有する。ピークの極性は抵抗値を電圧値に変換
する回路構成によって決まる。そして、抵抗微分値が0
になるのに対応して電圧微分値も0になる。なお、抵抗
微分値も電圧微分値も抵抗値及び電圧値がピークとなっ
た時点でその微分値は0になるが、実際には検出分解能
や、ノイズなどの影響で、正確に0を検出することは難
しいので、0を中心として所定の範囲に入った場合に、
素子が活性に達したと判断する事が現実的である。しか
し、所定の範囲は検出回路の検出分解能やノイズレベル
などによって適当に選定し、活性判断に大きな影響を与
えない様に設定することが望ましい。
【0013】なお、上記発明のセンサ素子を利用する分
野として有用な分野には、測定ガス中の検出ガス濃度に
応じて、測定ガスの操作を制御するという技術分野が有
る。特に、検出ガス濃度に対する検出特性が異なり所定
温度以上で活性となる2つ以上の素子、を有するセンサ
で測定ガス中に含まれる検出ガスを検出し、その検出結
果に基づいて該測定ガスを制御する場合には、該素子を
加熱開始後に、各素子の活性を判断し、いずれかの素子
が最初に活性と判断された際に、該活性した素子からの
信号に基づいて測定ガスの制御を開始すると、センサ素
子の活性判断を出来るだけ早くする事が前記測定ガスの
制御を早く開始する事に繋がる。この様な制御に前述の
センサの活性判断方法を用いると、自動車を運転開始し
てから制御を開始するタイミングが早い時点で車室内の
換気制御に車内循環と車外循環の切替えが可能になるの
で、車室内の空気を早い時点で最適な状態、即ち「臭わ
ない状態」に制御する事が出来る。
【0014】自動車の車室内の空気を最適な状態に制御
する上では、車室内の空気中の臭いの元となる各種ガス
の濃度が急変しない様に車室内の空気を制御する事が必
要である。ここで臭いの元となるガスは、当然自動車か
らの排気ガスに含まれているものであるが、その排気ガ
スに含まれるガスとしては大別してCOやHCなどの還
元性ガスと、NOxなどの酸化性ガスがあり、これら2
種類のガスを検知する事で、間接的に臭いの元となるガ
スも検知している事になる。従って、これら両方のガス
に対して何れも同じ方向に(加算的に)出力が生じるよ
うな検出素子が有れば最も望ましいが、通常の検出素子
は一方の検出ガスに対する検出特性が正の場合は、他方
のガスに対する検出特性が負になることが多いので、基
本的に両方の検出ガスが同時に変化するとその変化は相
殺されて検出できない。そこで、一方の検出ガスにのみ
検出特性を有する検出素子を2つ用いて、それぞれの素
子の抵抗値を別々に検出する様にしている。その場合、
酸化性ガス検出素子は活性に達する時間が遅いので、酸
化性ガス検出素子が活性に達してから車室内の空気の換
気制御を開始する様にすると、制御開始までに長い時間
が掛かる。そこで、活性の早い還元性ガス検出素子が活
性に達した段階で、還元性ガス検出素子の信号だけに基
づいて車室内の制御を開始することで、制御を早めるこ
とが望ましい。また、その活性判断には前述の活性判断
方法を用いる事が望ましい。
【0015】なお、検出素子は活性に達した後もしばら
くの間は温度等の周囲環境が安定しないので、活性判断
後所定時間経過してから車室内の空気を制御する様にし
てもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施形態に係
るセンサの活性判断方法及びセンサを用いる制御方法に
ついて図を参照して説明する。図1は第1実施態様に係
るセンサの活性判断方法及び制御方法を用いる空調ユニ
ット90の構成を示している。該空調ユニット90に
は、車内へ空気を送り出すための導気管92と、車外か
ら該空調ユニット90へ空気を導入する外気導入管86
と、車内の空気を導入するための内気導入管88と、該
外気導入管86及び内気導入管88を切り替えるための
循環切り替えダンパ82と、空気を圧送するためのファ
ン94と、該ファン94を回転させるモータ96と、空
気を加熱するためのヒータユニット74と、空気を冷却
するためのエバポレータ76と、該ヒータユニット74
及びエバポレータ76へ送られる空気の量を調整する温
度調整ダンパ84とを備える。
【0017】制御装置80は、信号処理回路12A、1
2Bを介してガスセンサ10により車外の還元性ガス濃
度、酸化性ガス濃度を検出し、いずれかの濃度の上昇を
検出した際に、循環切り替えダンパ82を操作して、車
外から空気を導入する外気導入管86を閉じ、車内の空
気を導入するための内気導入管88を開くことで、車外
からの空気の導入を停止し、空気を車内で循環させる。
一方、制御装置80は、ガス濃度の下降を検出した際
に、循環切り替えダンパ82を操作して、車内の空気を
導入するための内気導入管88を閉じ、車外から空気を
導入する外気導入管86を開き、車外からの空気の導入
を再開する。
【0018】さらに、制御装置80は、図示しない温度
センサによって検出した温度が、予め設定された温度よ
りも高いときには、温度調整ダンパ84を操作して、エ
バポレータ76へ送られる空気の量を増大させ、車内温
度を下げる。反対に、検出した温度が、設定された温度
よりも低いときに、制御装置80は、温度調整ダンパ8
4を操作して、ヒータユニット74へ送られる空気の量
を増大させ、車内温度を高める。
【0019】引き続き、図2を参照してガスセンサ10
及び信号処理回路12A、12Bの構成について説明す
る。ガスセンサ10は、CO等の還元性ガス濃度を測定
する還元性ガスセンサS1と、NOx等の酸化性ガス濃
度を測定する酸化性ガスセンサS2と、還元性ガスセン
サS1及び酸化性ガスセンサS2を350℃程度まで加
熱するヒータHとを図示しないセラミック基板に担持し
てなる。還元性ガスセンサS1及び酸化性ガスセンサS
2は、共に酸化物半導体からなる。
【0020】還元性ガスセンサS1側の信号処理回路1
2Aは、該還元性ガスセンサS1に直列に接続された負
荷抵抗R1と、オペレーションアンプOP1及びコンデ
ンサC1からなる微分回路と、該微分回路にバイアスを
与える抵抗R2,R3,R4からなるバイアス回路とか
ら構成される。電源抵抗を分圧する抵抗R3,R4は、
アース側への電流量を制限するために数KΩに設定され
ている。一方、抵抗R2は、バイアス電位の変化を避け
るため、数MΩに設定されている。
【0021】同様に、酸化性ガスセンサS2側の信号処
理回路12Bは、該酸化性ガスセンサS2に直列に接続
された負荷抵抗R5と、オペレーションアンプOP2及
びコンデンサC2からなる微分回路と、抵抗R6,R
7,R8からなるバイアス回路とから構成される。
【0022】ここで、信号処理回路12A及び信号処理
回路12BのコンデンサC1,C2は共に同じものが用
いられ、また、信号処理回路12Bの抵抗R6は、信号
処理回路12Aの抵抗R2の2〜3倍程度の値に設定さ
れる。結果的に信号処理回路12Aの微分時定数は1〜
2秒程度、信号処理回路12Bの微分時定数は2〜6秒
程度となる。この様に微分回路の時定数に差を設けてあ
るのは、実使用時において、CO等の還元性ガス濃度に
対してNOx等の酸化性ガス濃度が低く、酸化性ガスセ
ンサS2の抵抗の変化量が小さいため、小さな変化分に
基づき正確に酸化性ガス濃度の変化を検出できるように
するためである。
【0023】このため、本実施形態の空調ユニット90
の制御装置80は、両還元性ガスセンサS1、酸化性ガ
スセンサS2が共に測定可能となるまで待たず、いずれ
かのセンサが使用可能となったら、当該センサのみに基
づきガス濃度を検出し、車内循環と車外循環との切り替
えを開始する。
【0024】引き続き、空調ユニット90の制御装置8
0による還元性ガスセンサS1及び酸化性ガスセンサS
2の活性判断について図3〜図8を参照して説明する。
図3は、還元性ガスセンサS1の加熱開始以降の抵抗変
化と、その時に、図2の信号処理回路12Aにおける還
元性ガスセンサS1と抵抗R1で分割して得られる電圧
の変化を示すグラフである。酸化物半導体から成る還元
性ガスセンサS1は、常温で抵抗値が非常に大きく、活
性温度(350℃程度)に達すると抵抗値が10kΩ以
下になる。活性すると、酸素の吸着(酸化)を開始し、
抵抗値が上昇していく。
【0025】図4は、酸化性ガスセンサS2の加熱開始
以降の抵抗変化と、その時に、図2の信号処理回路12
Bにおける還元性ガスセンサS2と抵抗R5で分割して
得られる電圧の変化を示すグラフである。酸化物半導体
から成る酸化性ガスセンサS2は、常温で抵抗値が非常
に大きく、活性温度(350℃程度)に達すると抵抗値
が50kΩ以下になる。その後、酸素の吸着(酸化)を
開始し、抵抗値が上昇していく。この時、図2の信号処
理回路における還元性ガスセンサS1及び酸化性ガスセ
ンサS2と、R1もしくはR5で分割して得られる電圧
は、抵抗の低下に伴って上昇し、逆に抵抗が上昇すると
減少する。
【0026】還元性ガスセンサS1と抵抗R1とで分割
される電圧変化と、該電圧変化を信号処理回路12Aに
て部分処理した値を図5に示す。ここで微分値は、図2
を参照して上述したバイアス回路R3,R4によりバイ
アスされて、微分値はこのバイアス値を中心にプラスお
よびマイナスの値をとる。図5において、電圧の変化の
傾きが最大になっている点aにおいて、微分値のプラス
側のピークとなっている。その後、電圧値のピーク点b
にて微分値は0となり、一旦負の値をとった後、徐々に
0に収束していく。
【0027】酸化性ガスセンサS2と抵抗R5とで分割
される電圧変化と、該電圧変化を信号処理回路12Bに
て部分処理した値を図7に示す。同図において、電圧の
変化の傾きが最大になっている点aにおいて、微分値の
プラス側のピークとなっている。その後、電圧値のピー
ク点bにて微分値は0となり、一旦負の値をとった後、
徐々に0に収束していく。なお、前述のように酸化性ガ
スセンサは還元性ガスセンサに比べて活性するまでの時
間が長いため、微分値の発生が遅くなっている。
【0028】次に、本実施形態の制御装置80による活
性判断について、図8のフローチャートを参照して説明
する。本実施形態の制御装置80は、各還元性ガスセン
サS1、酸化性ガスセンサS2について、信号処理回路
12A、12Bからの信号により図5及び図7を参照し
て上述したように、微分値の正側のピークを検出した
後、0となった際に、活性と判断する。また、0を中心
としたある一定範囲内に微分値が入った際に、活性と判
断してもよい。
【0029】まず、制御装置80は、ヒータHによる加
熱を開始したかを判断する(S52)。ここで、加熱を
開始した際には(S52:Yes)、図5及び図7のプ
ラス側のピークaが発生したかを判断する(S54)。
ここで、プラス側のピークaが発生すると(S54:Y
es)、微分値が0になったかどうかを判断する(S5
6)。ここで、微分値が0になったとすると(S56:
Yes)、当該センサが活性したと判断する(S5
8)。本実施形態の制御装置80は、還元性ガスセンサ
S1及び酸化性ガスセンサS2に対して、それぞれ活性
に達したかを判断する。
【0030】引き続き、該制御装置80による還元性ガ
スセンサS1及び酸化性ガスセンサS2を用いる換気切
り替え制御について、図9のフローチャートを参照して
説明する。
【0031】まず、図9を参照して上述した活性判断を
還元性ガスセンサS1及び酸化性ガスセンサS2に対し
て行う(S10)。そして、還元性ガスセンサS1が活
性したかを判断する(S12)。ここで、還元性ガスセ
ンサS1が先に活性した際には(S12:Yes)、所
定時間T(例えば5秒)経過した後(S14:Ye
s)、当該活性に達した還元性ガスセンサS1にてCO
などの還元性ガス濃度の変化を検出し、図1を参照して
上述した循環切り替えダンパ82を操作による車内循環
と車外循環との切り替えを開始する(S16)。例え
ば、図6中に示すように、タイミングeにて、CO濃度
の上昇が検出された際には、酸化性ガスセンサS2の活
性以前であっても、循環切り替えダンパ82を操作して
車外循環から車内循環へ切り替える。
【0032】制御装置80は、引き続き酸化性ガスセン
サS2が活性したかを判断し(S18)、活性するまで
は(S18:No)、ステップ16へ戻り還元性ガスセ
ンサS1でのダンパ制御を続ける。一方、酸化性ガスセ
ンサS2が活性すると(S20:Yes)、ステップ3
2へ移行し、還元性ガスセンサS1と酸化性ガスセンサ
S2とを併用するダンパ制御を開始する。即ち、還元性
ガスセンサS1又は酸化性ガスセンサS2にてCOなど
の還元性ガス濃度又はNOxガスなどの酸化性ガス濃度
のいずれかの上昇が検出された際には、車内循環に切り
替え、反対に、還元性ガスセンサS1又は酸化性ガスセ
ンサS2にていずれかのガス濃度の下降が検出された際
には、車外からの空気を取り入れる。なお、上記ステッ
プ14にて、活性と判断後に、所定時間T(例えば5
秒)待機したのは、還元性ガスセンサS1の動作が安定
してから切り替え制御を開始するためである。
【0033】一方、上述したステップ12での還元性ガ
スセンサS1活性かの判断がNoとなった場合には、ス
テップ22にて、酸化性ガスセンサS2が先に活性した
かを判断する。ここで、酸化性ガスセンサS2が先に活
性した際には(S22:Yes)、所定時間T(例えば
5秒)経過した後(S24:Yes)、当該活性に達し
た酸化性ガスセンサS2にてNOxなどの酸化性ガス濃
度の変化を検出し、循環切り替えダンパ82を操作によ
る車内循環と車外循環との切り替えを開始する(S2
6)。そして、還元性ガスセンサS1が活性すると(S
30:Yes)、ステップ32へ移行し、還元性ガスセ
ンサS1と酸化性ガスセンサS2とを併用するダンパ制
御を開始する。
【0034】本実施形態の制御装置80では、還元性ガ
スセンサS1又は酸化性ガスセンサS2のいずれかが活
性した際に、当該活性したセンサからの信号に基づき車
内循環と車外循環との切り替えを開始する。このため、
測定を開始できるまでの時間が異なる還元性ガスセンサ
S1と酸化性ガスセンサS2とを用いて、短時間で車内
循環と車外循環との切り替えを開始することができる。
【0035】なお、この実施形態では、還元性ガスセン
サS1と酸化性ガスセンサS2とを用いる例を挙げた
が、本発明のセンサを用いる制御方法は、2種類以上の
測定開始までの時間の異なるセンサを用いて、1つの装
置を制御する際に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る空調ユニットの構
成を示すブロック図である。
【図2】ガスセンサ及び信号処理回路の構成を示す回路
図である。
【図3】還元性ガスセンサの抵抗値の変化を示すグラフ
である。
【図4】酸化性ガスセンサの抵抗値の変化を示すグラフ
である。
【図5】信号処理回路の出力波形を示すグラフである。
【図6】信号処理回路の出力波形のタイミングチャート
である。
【図7】信号処理回路の出力波形を示すグラフである。
【図8】制御回路によるセンサの活性判断を示すフロー
チャートである。
【図9】制御回路によるダンパ制御を示すフローチャー
トである。
【符号の説明】
10 ガスセンサ 12A、12B 信号処理回路 80 制御装置 82 循環切り替えダンパ 90 空調ユニット S1 還元性ガスセンサ S2 酸化性ガスセンサ OP1、OP2 オペレーションアンプ(微分回路) C1,C2 コンデンサ(微分回路)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 智久 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 (72)発明者 平井 一人 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 (72)発明者 木元 祐治 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 (72)発明者 佐藤 保史 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出ガス濃度に応じて抵抗値が変化し、
    所定温度以上で活性となる検出素子を有するセンサの活
    性判断方法であって、 該抵抗値の時間的な変化の方向が加熱開始後に最初に反
    転したことに基づいて前記素子の活性を判断することを
    特徴とするセンサの活性判断方法。
  2. 【請求項2】 前記抵抗値が加熱開始後に最初に低下か
    ら上昇に転じたことに基づいて前記素子の活性を判断す
    ることを特徴とする請求項1記載のセンサの活性判断方
    法。
  3. 【請求項3】 前記抵抗値を時間微分して抵抗微分値と
    し、該抵抗微分値が加熱開始後に最初に負のピークに達
    した後、ほぼ0に達した事に基づいて前記素子の活性を
    判断する事を特徴とする請求項2記載のセンサの活性判
    断方法。
  4. 【請求項4】 前記抵抗値を電圧に変換し、該電圧を時
    間微分して電圧微分値とし、該電圧微分値が加熱開始後
    に最初に正又は負のピークに達した後、ほぼ0に達した
    事に基づいて前記素子の活性を判断する事を特徴とする
    請求項2記載のセンサの活性判断方法。
  5. 【請求項5】 前記電圧微分値が加熱開始後に最初に正
    又は負のピークに達した後、0を中心とするある一定範
    囲内に入った事に基づいて前記素子の活性を判断する事
    を特徴とする請求項4記載のセンサの活性判断方法。
  6. 【請求項6】 検出ガス濃度に対する検出特性が異なり
    所定温度以上で活性となる2つ以上の素子、を有するセ
    ンサで測定ガス中に含まれる検出ガスを検出し、その検
    出結果に基づいて該測定ガスを制御する制御方法であっ
    て、 該素子を加熱開始後に、各素子の活性を判断し、いずれ
    かの素子が最初に活性と判断された際に、該活性した素
    子からの信号に基づいて測定ガスの制御を開始する事を
    特徴とする測定ガスの制御方法。
  7. 【請求項7】 前記素子が検出ガス濃度に応じて抵抗値
    が変化し、所定温度以上で活性となる素子であって、該
    抵抗値の時間的な変化の方向が加熱開始後に最初に反転
    したことに基づいて該素子の活性を判断することを特徴
    とする請求項6記載の測定ガスの制御方法。
  8. 【請求項8】 前記素子が少なくとも、主として酸化性
    ガス濃度に応じて抵抗値が変化する酸化性ガス検出素子
    と、主として還元性ガスに応じて抵抗値が変化する還元
    性ガス検出素子とであり、前記センサが該酸化性ガス検
    出素子と還元性ガス検出素子を用いて、還元性ガス及び
    酸化性ガスを検出するセンサであることを特徴とする請
    求項7記載の測定ガスの制御方法。
  9. 【請求項9】 前記センサからの検出結果に基づいて、
    車室内の換気を車内循環と車外循環との間で切替えるこ
    とを特徴とする請求項8記載の測定ガスの制御方法。
  10. 【請求項10】 前記測定ガスの制御を、前記いずれか
    の素子が最初に活性となった時点から、所定時間経過後
    に開始する事を特徴とする請求項6記載の測定ガスの制
    御方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009192375A (ja) * 2008-02-14 2009-08-27 Toyota Motor Corp ガス濃度検出装置
JP2009229225A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Toyota Motor Corp ガス濃度検出装置
JP2012047535A (ja) * 2010-08-25 2012-03-08 Ngk Spark Plug Co Ltd ガス濃度検出装置

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