JP2005207490A - クラッチケーブルの接続構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 クラッチレリーズフォーク8を手等で回転させて、クラッチの遊びを無くした状態とし、ナット11を締め込む。この時点では、ナット11の円柱状の凸部11aを、クラッチレリーズフォーク8の半円筒状の凹部8bから外し、凸部11aと凹部8bとのかみ合い深さを最小とする。続いて、ナット11の締め込み量が減少する方向へとナット11を回転させ、ナット11の円柱状の凸部11aを、クラッチレリーズフォーク8の半円筒状の凹部8bに嵌り込ませ、凸部11aと凹部8bとのかみ合い深さを最大とする。凸部11aと凹部8bとの最大噛合い深さと最小噛合い深さとの差は、所定のクラッチの遊び量に相当することから、クラッチに所定の遊び量を正確に設定することができる。
【選択図】 図1
Description
また、クラッチの遊び量を調節する際には、ナット7を矢印A方向またはその反対方向に移動させ、インナーケーブル5の遊び、もしくはクラッチの駆動軸10の内部機構に設定された遊びを調整する。(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、クラッチの所定の遊び量の設定作業を、熟練を要することなく迅速かつ高精度に行うことを可能とする点にある。
本発明によれば、前記ナットに形成されかつ前記ナットのネジ軸に対し直交する方向に突出する凸部が、前記クラッチレリーズフォークに形成されかつ前記ナットの凸部に倣った形状を有する凹部から外れるように、クラッチレリーズフォークに対するナットの回転位相を定めてナットの締め込みを完了することで、前記凹凸状係合部の噛合い深さを、最小かみ合い深さ(深さ0)とすることができる。また、前記ナットの凸部が、前記クラッチレリーズフォークの凹部に嵌り込むように、ナットの締め込み量を減少させクラッチレリーズフォークに対するナットの回転位相を変化させることで、凹凸状係合部の噛合い深さを、最大かみ合い深さとすることができる。
本発明によれば、前記ナットの円柱状の凸部が、前記クラッチレリーズフォークの凹部から外れるように、クラッチレリーズフォークに対するナットの回転位相を定めてナットの締め込みを完了することで、前記凹凸状係合部の噛合い深さを、最小かみ合い深さとすることができる。また、前記ナットの円柱状の凸部が、前記クラッチレリーズフォークの半円筒状の凹部に嵌り込むことで、凸部と凹部とは互いの凹凸形状に案内されるようにして完全に噛合い、前記凹凸状係合部の噛合い深さを、最大かみ合い深さとすることができる。
本発明によれば、前記ナットの凸部と前記クラッチレリーズフォークの凹部との位置関係から、前記クラッチレリーズフォークの凹部から円柱状の凸部が外れた状態にあるナットの、クラッチレリーズフォークに対する回転位相を最大45°変更することより、前記ナットの円柱状の凸部が前記クラッチレリーズフォークの凹部に嵌り込み、凹凸状係合部の噛合い深さを、最小噛合い深さと最大噛合い深さとの間で変化させることができる。
図1には、本発明の実施の形態に係るクラッチケーブルの接続構造を概略的に示している。本発明の実施の形態では、クラッチレリーズフォーク8に形成されたケーブル挿通部8c(図1の例では、クラッチレリーズフォーク8は板金部品であり、二股に分かれた一端部8aの間を、インナーケーブル5のケーブル貫通部8cとしている。)に、クラッチケーブル3のインナーケーブル5を貫通させた状態で、インナーケーブル5の他端部5bから雄ねじ6に螺合させたナット11を用いて、クラッチレリーズフォーク8に対するインナーケーブル5の抜け止めと、クラッチの遊び量の調節とを行う構造を採用している。図中、符号Cで示す軸線は、クラッチレリーズフォーク8の回転中心軸(クラッチの駆動軸の軸心)を示している。
なお、本発明の実施の形態では、凹凸状係合部12の最大噛合い深さと最小噛合い深さとの差Bが、所定のクラッチの遊び量に相当するものとして形成されている。また、凹部8bの深さAと、凹凸状係合部12の最大噛合い深さと最小噛合い深さとの差Bとが、同一となっている。
(1)まず、クラッチケーブル3のアウターケーブル4の端部を、ブラケット1に固定する。
(2)続いて、雄ねじ6に予めナット11を浅く捩じ込んでおいたインナーケーブル5を、クラッチレリーズフォーク8の、二股のケーブル挿通部8cに通す。
(3)そして、インナーケーブル5の一端側5aを、インナーケーブルの引張り冶具等を用いて、所定の張力で引張る。
(4)クラッチレリーズフォーク8を、手あるいはバネ等の付勢手段を用いて、矢印A方向に回して、クラッチの遊びを無くした状態とした後、ナット11をさらに捩じ込んで、ナット11をクラッチレリーズフォーク8に当接させる。この際、図2の左図に示すように、ナット11の凸部11aが、クラッチレリーズフォーク8の凹部8bから外れるように、クラッチレリーズフォーク8に対するナット11の回転位相を定めて、ナット8の締め込みを完了する。
(5)そして、図2の左図に示す状態から、ナット11の締め込み量が減少する方向へとナット11を回転させて、クラッチレリーズフォーク8に対するナット11の回転位相を変化させ、図2の右図のごとく、ナット11の凸部11aがクラッチレリーズフォーク8の凹部8bに嵌り込むようにする。
(6)最後に、インナーケーブル5の引張り冶具を外して、クラッチレリーズフォーク8にクラッチケーブル3を接続する作業を完了する。
ここで、本発明の実施の形態では、ナット11の円柱状の凸部11aが、クラッチレリーズフォーク8の半円筒状の凹部8bに嵌り込むことで、凸部11aと凹部8bとは互いの凹凸形状に案内されるようにして完全に噛合い、クラッチレリーズフォーク8は自動的に回転角度を戻して、凹凸状係合部12の噛合い深さを、最大かみ合い深さとすることができる。しかも、凹凸状係合部12の最大噛合い深さと最小噛合い深さとのB差が、所定のクラッチの遊び量に相当するものとして形成されていることから、ナット11を図2の左図から右図の状態へと回転させることのみにより、クラッチに所定の遊び量を正確に設定することができる。
また、ナット11の凸部11aを、例えば60°ピッチで6つ設けた場合には、ナット11はネジピッチの1/12だけクラッチレリーズフォークに対する位置を変化させることで、ナット11の凸部11aがクラッチレリーズフォーク8の凹部8bから外れた状態から、凸部11aがクラッチレリーズフォーク8の凹部8bに嵌り込み、凹凸状係合部12の噛合い深さを、最小噛合い深さから最大噛合い深さの状態へと変化させることができるので、前記誤差を減少させることができる。なお、ナット11の凸部11aの数は、ナット11の大きさや凸部11aの強度、クラッチの遊び量を設定する際の作業性等を考慮して、適切な数を設けることとする。
Claims (4)
- クラッチレリーズフォークに形成されたケーブル挿通部に、クラッチケーブルのインナーケーブルを貫通させた状態で、当該インナーケーブルの端部から螺合させたナットを用いて、クラッチレリーズフォークに対するインナーケーブルの抜け止めと、クラッチの遊び量の調節とを行うクラッチケーブルの接続構造であって、
前記ナットと前記クラッチレリーズフォークとの互いの当接部位に、前記クラッチレリーズフォークに対する前記ナットの回転位相に応じ互いの噛合い深さを変化させる凹凸状係合部が設けられ、かつ、当該凹凸状係合部の最大噛合い深さと最小噛合い深さとの差が、所定のクラッチの遊び量に相当するものとして形成されていることを特徴とするクラッチケーブルの接続構造。 - 前記凹凸状係合部は、前記ナットに形成されかつ前記ナットのネジ軸に対し直交する方向に突出する凸部と、前記クラッチレリーズフォークに形成されかつ前記ナットの凸部に倣った形状を有する凹部とからなることを特徴とする請求項1記載のクラッチケーブルの接続構造。
- 前記ナットの凸部は円柱状に形成され、前記クラッチレリーズフォークの凹部は半円筒状に形成されていることを特徴とする請求項2記載のクラッチケーブルの接続構造。
- 前記凸部は十字に直交して突出するよう設けられ、前記凹部は、前記凸部のうちナットの中心を挟んで配置された2つの凸部を受け止める二箇所に設けられていることを特徴とする請求項2または3記載のクラッチケーブルの接続構造。
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