JP2005207012A - 自動水栓装置及び感知センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 1つの感知センサのみによって、複数の液体(特に湯水)の吐出を制御可能な自動水栓装置を提供する。
【解決手段】 複数の液体を吐出する複数の吐出ノズルと手洗い空間内の被感知物体の有無を感知する1つの感知センサとを有し、前記複数の吐出ノズルからの前記複数の液体の吐出の開始及び停止を自動的に行う自動水栓装置を、前記感知センサが、受光手段と記憶手段と制御手段とを有し、前記複数の吐出ノズルが、前記複数の液体の吐出の開始及び停止の切替動作を実行する吐出駆動部を各々有し、前記吐出駆動部が、前記制御手段からの信号に応じて前記切替動作を行うように構成する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、自動水栓装置に関し、特に使用者の手の有無または挙動を感知して、自動的に吐出または停止動作を行う自動水栓装置及びそれに使用される感知センサに関する。
従来、洗面器等に取り付けられる水栓の一形態として、同水栓内に使用者の手の挙動を感知する感知センサを取り付けたものがある。このような水栓は、一般的に、先端部付近に略真下方向に開口する吐出口と取り付け基部近傍に設けられた感知センサとを有する。この水栓装置として、例えば図1に示すように、立面壁部2と手洗い平面部3と下部収納部4とを有し、手洗い平面部3上には、手洗い水を回収及び排出する手洗いボウル5と、下部収納部4内部に収納されている石鹸液タンク、給水タンク及び消毒液タンクにそれぞれバルブを介して接続された石鹸液吐出ノズル6a、水吐出ノズル6b及び消毒液吐出ノズル6cを備え、使用者が手を近づけた時に各ノズルに対応するバルブ開放指令を発する感知センサ7a、7b、7cが各ノズルに設けられた手洗い装置1が公知である。このような構成によって、使用者は、石鹸液による手の洗浄、水による濯ぎ及び消毒液による殺菌消毒の動作を装置に触れることなく行うことができる。
しかしながら、上述のような手洗い装置の場合、例えば図2に示すように、1つの洗面台に3つのノズルを配する際に、使用者の利便性や排水のしやすさ等を考慮して洗面台の排水口の近傍上方に3つの吐出口が位置するような配置となることが多い。このとき、使用者が手や腕を入念に、例えば肘から指先に向けての下腕部を洗おうとする場合に、3つのノズルそれぞれに設けられた感知センサが排水口すなわち使用者の腕のある方向に向けられているため、それぞれのセンサ領域A1、A2、A3が重複する領域が存在することとなり、例えば、石鹸の付いた腕を水で濯いでいる間に誤感知して再び石鹸液が吐出されてしまう等の誤動作が生じてしまう場合があった。
このような問題については、例えば特許文献1に見られるように、湯水及び他の液体を個別に吐出する複数の吐出口と、該複数の吐出口の各々に設けられて手の接近を感知する感知センサと、排水口を設けられた手洗いボウルとを有し、各吐出口のうち湯水吐出口からの吐出を優先させる湯水優先吐出手段をさらに含むことを特徴とする自動手洗い装置を用いることによって、湯水以外の他の液体の誤吐出を防止し、容易かつ効率的に手洗いを実行することが可能となる。
特開平2002−309636号公報
特許文献1に開示された自動手洗い装置は、液体石鹸吐出ノズル6a、湯水吐出ノズル6b及び消毒液吐出ノズル6cが立面壁部2から突出するように配置されている以外は、図1に示す手洗い装置1とほぼ同様の構成となっている。特に、特許文献1は、湯水優先吐出手段として、3つのノズルのうち湯水吐出ノズル6bを他のノズルより手洗いボウル5側へ突出させる配置による自動手洗い装置を開示している。このような構成は、立面壁部2と湯水吐出ノズル6bとの間に他のノズルより手洗いボウル側に位置する十分な空間が確保し、湯水吐出ノズル6bの吐出口直下において下腕部を略水平に濯ぐような場合でも、他のノズルに設けられた感知センサの感知領域に侵入することなく液体石鹸等の誤吐出を防止するものである。
しかしながら、特許文献1に開示された自動手洗い装置は、3つの吐出ノズルのうち湯水吐出ノズル6bを他のノズルより手洗いボウル側に突出させるため、湯水吐出ノズルのみ手洗いボウルからの高さ方向または立面壁部からの奥行き方向に長くなり、構成が大型化してしまうという問題点があった。また、3つのノズルにそれぞれ独立して感知センサが設けられているため誤動作が生じやすく、これを防止するための構成が煩雑になってしまうという問題点があった。さらに、湯水及び他の液体の自動吐出及び停止については開示されているものの、湯水の切り替え又は湯水の温度調整については何ら記載されていない。
そこで本発明は、1つの感知センサのみによって、複数の液体(特に湯水)の吐出を制御可能な自動水栓装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、1つの感知センサのみによって、湯水の切り替え及び湯水の温度調整が可能である自動水栓装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明は、請求項1記載のように、複数の液体を吐出する複数の吐出ノズルと手洗い空間内の被感知物体の有無を感知する1つの感知センサとを有し、前記複数の吐出ノズルからの前記複数の液体の吐出の開始及び停止を自動的に行う自動水栓装置であって、前記感知センサが、一対のラインセンサによって同一平面上の異なる位置から被感知物体を撮像して出力データを出力する受光手段と、前記一対のラインセンサの基線方向に沿って設けられかつ前記複数の液体の各々に対応する複数の感知領域を特定する前記ラインセンサの基準データを記憶する記憶手段と、前記出力データを前記基準データと比較し、前記被感知物体が前記複数の感知領域のいずれに位置しているかを判別し、判別結果に応じた信号を出力する制御手段とを有し、前記複数の吐出ノズルが、前記複数の液体の吐出の開始及び停止の切替動作を実行する吐出駆動部を各々有し、前記吐出駆動部が、前記制御手段からの前記信号に応じて前記切替動作を行うように構成される。このような構成によれば、複数の領域を識別可能なマルチパッシブ測距装置を含む感知センサを用いて、これら複数の領域に使用者の手を感知すると、その領域に応じた出力指令を発するため、1つの感知センサのみによって、複数の液体(特に湯水)の吐出を制御可能な自動水栓装置を提供することが可能である。
請求項1記載の自動水栓装置は、例えば請求項2記載のように、前記基準データが、前記基線方向に直交する方向に沿って設けられた複数の感知領域を特定する基準データを更に含むように構成することもできる。
請求項2記載の自動水栓装置は、例えば請求項3記載のように、前記制御手段は、前記出力データを用いて前記受光手段と前記被感知物体との距離を算出し、当該距離から前記被感知物体が位置する感知領域を判別するように構成することもできる。
請求項1記載の自動水栓装置は、例えば請求項4記載のように、前記制御手段が、前記一対のラインセンサによって撮像された前記被検知物体のコントラストから前記被検知物体の合焦位置を算出し、前記合焦位置に基づいて前記感知領域を判別するように構成することもできる。
請求項1から4のいずれか1つに記載の自動水栓装置は、例えば請求項5記載のように、前記制御手段が、前記被感知物体が前記感知領域のいずれかに位置している場合に当該感知領域に対応する液体の吐出を開始する信号を出力し、前記被感知物体が前記感知領域から外れた場合はすべての液体の吐出を停止する信号を出力するように構成することもできる。
また、本発明は、請求項6記載のように、水又は湯を吐出する1本の吐出ノズルと手洗い空間内の被感知物体の有無を感知する1つの感知センサとを有し、前記吐出ノズルからの前記水又は湯の吐出の開始及び停止を自動的に行う自動水栓装置であって、前記感知センサが、一対のラインセンサによって同一平面上の異なる位置から被感知物体を撮像して出力データを出力する受光手段と、前記一対のラインセンサの基線方向に沿って設けられかつ前記水又は湯の各々に対応する2つの感知領域を特定する前記ラインセンサの基準データを記憶する記憶手段と、前記出力データを前記基準データと比較し、前記被感知物体が前記感知領域のいずれに位置しているかを判別し、判別結果に応じた信号を出力する制御手段とを有し、前記吐出ノズルが、前記水又は湯の吐出の開始及び停止の切替動作を実行する吐出駆動部を有し、前記吐出駆動部が、前記制御手段からの前記信号に応じて前記切替動作を行うように構成される。このような構成によれば、複数の領域を識別可能なマルチパッシブ測距装置を含む感知センサを用いて、これら複数の領域に使用者の手を感知すると、その領域に応じた出力指令を発するため、1つの感知センサのみによって、例えば水と湯の吐出を1つの吐出ノズルで制御可能な自動水栓装置を提供することが可能である。
請求項6記載の自動水栓装置は、例えば請求項7記載のように、前記基準データが、前記基線方向に直交する方向に沿って設けられた複数の感知領域を特定する基準データを更に含むように構成することもできる。
請求項7記載の自動水栓装置は、例えば請求項8記載のように、前記制御手段が、前記出力データを用いて前記受光手段と前記被感知物体との距離を算出し、当該距離から前記被感知物体が位置する感知領域を判別するように構成することもできる。
請求項6記載の自動水栓装置は、例えば請求項9記載のように、前記制御手段が、前記一対のラインセンサによって撮像された前記被検知物体のコントラストから前記被検知物体の合焦位置を算出し、前記合焦位置に基づいて前記感知領域を判別するように構成することもできる。
請求項6から9のいずれか1つに記載の自動水栓装置が、例えば請求項10記載のように、前記制御手段が、前記被感知物体が前記感知領域のいずれかに最初に感知されたときに当該感知領域に対応する液体の吐出を開始する信号を出力し、前記被感知物体が再び同一の領域で感知されたときに前記液体の吐出を停止する信号を出力するように構成することもできる。
請求項6から10のいずれか1つに記載の自動水栓装置は、例えば請求項11のように、前記制御手段が、経過時間を積算するタイマー機能をさらに有し、前記吐出駆動部に吐出を開始する信号を出力した後から所定時間経過後に吐出を停止する信号を出力するように構成することもできる。
請求項6から11のいずれか1つに記載の自動水栓装置は、例えば請求項12記載のように、前記感知センサの前記受光手段が、前記手洗い空間の外部に前記感知領域を有するように設けられているように構成することもできる。
また、本発明は、請求項13記載のように、温水を吐出する1本の吐出ノズルと前記温水の温度を調整する水温調整部と手洗い空間内の被感知物体の有無を感知する1つの感知センサとを有し、前記吐出ノズルからの前記温水の吐出の開始及び停止を自動的に行う自動水栓装置であって、前記感知センサが、一対のラインセンサによって同一平面上の異なる位置から被感知物体を撮像して出力データを出力する受光手段と、前記一対のラインセンサの基線方向に沿って設けられた複数の感知領域を特定する前記ラインセンサの基準データを記憶する記憶手段と、前記出力データを前記基準データと比較し、前記被感知物体が前記複数の感知領域のいずれに位置しているかを判別し、判別結果に応じた信号を出力する制御手段とを有し、前記複数の感知領域が、それぞれ複数の温水の温度に対応づけられており、前記水温調整部が、前記制御手段からの信号に応じて前記温水の温度を所定温度に調整し、前記吐出ノズルが、前記温水の吐出の開始及び停止の切替動作を実行する吐出駆動部を有し、前記吐出駆動部が、前記制御手段からの前記信号に応じて前記切替動作を行うように構成される。このような構成によれば、複数の領域を識別可能なマルチパッシブ測距装置を含む感知センサを用いて、これら複数の領域に使用者の手を感知すると、その領域に応じた出力指令を発するため、前記複数の領域に例えば温水の温度を関連づけてその領域を感知した場合に温水の温度を関連した温度に調整する指令を発することによって、1つの感知センサのみを用いて、吐出される温水の温度を制御可能な自動水栓装置を提供することが可能である。
請求項13記載の自動水栓装置は、例えば請求項14記載のように、前記基準データが、前記基線方向に直交する方向に沿って設けられた複数の感知領域を特定する基準データを更に含むように構成することもできる。
請求項14記載の自動水栓装置は、例えば請求項15記載のように、前記制御手段が、前記出力データを用いて前記受光手段と前記被感知物体との距離を算出し、当該距離から前記被感知物体が位置する感知領域を判別するように構成することもできる。
請求項13から15のいずれか1つに記載の自動水栓装置は、例えば請求項16記載のように、前記水温調整部が、水及び湯をそれぞれ独立して取り入れ、前記制御手段からの前記信号に基づいて前記水及び湯の混合比を調整することによって、前記温水の温度を前記所定温度に調整するように構成することもできる。
請求項13から16のいずれか1つに記載の自動水栓装置は、例えば請求項17記載のように、前記制御手段が、前記被検知物体が前記複数の感知領域のうちの複数の領域にわたって検知された場合に、前記複数の領域にそれぞれ対応づけられた温度の平均値を算出し、前記平均値に応じた信号を前記水温調整部に出力するように構成することもできる。
請求項13から17のいずれか1つに記載の自動水栓装置は、例えば請求項18記載のように、前記制御手段が、前記被感知物体が前記感知領域のいずれかに位置している場合に、前記水温調整部に対して当該感知領域に対応する温度への水温調整の信号を出力してその後前記吐出駆動部に前記温水の吐出を開始する信号を出力し、前記被感知物体が前記感知領域から外れた場合は前記温水の吐出を停止する信号を出力するように構成することもできる。
また、本発明は、請求項19記載のように、被感知物体の有無を感知し、互いに種類または温度の異なる複数の液体の吐出の開始及び停止を行う吐出装置を制御する感知センサであって、一対のラインセンサによって同一平面上の異なる位置から被感知物体を撮像して出力データを出力する受光手段と、前記一対のラインセンサの基線方向に沿って設けられかつ前記複数の液体の各々に対応する複数の感知領域を特定する前記ラインセンサの基準データを記憶する記憶手段と、前記出力データを前記基準データと比較し、前記被感知物体が前記複数の感知領域のいずれに位置しているかを判別し、判別結果に応じた信号を出力する制御手段とを有し、前記制御手段からの前記信号に応じて、前記吐出装置の前記吐出の開始及び停止の切替動作を行うように構成される。このような構成によれば、複数の領域に使用者の手を感知すると、その領域に応じた出力指令を発するため、この領域に応じた種類または温度の液体の吐出を制御可能な感知センサを提供することが可能である。
請求項20記載の感知センサは、例えば請求項19記載のように、前記基準データが、前記基線方向に直交する方向に沿って設けられた複数の感知領域を特定する基準データを更に含むように構成することもできる。
請求項21記載の感知センサは、例えば請求項20記載のように、前記制御手段が、前記出力データを用いて前記受光手段と前記被感知物体との距離を算出し、当該距離から前記被感知物体が位置する感知領域を判別するように構成することもできる。
請求項22記載の感知センサは、例えば請求項19記載のように、前記制御手段が、前記一対のラインセンサによって撮像された前記被検知物体のコントラストから前記被検知物体の合焦位置を算出し、前記合焦位置に基づいて前記感知領域を判別するように構成することもできる。
請求項23記載の感知センサは、例えば請求項19から22のいずれか1つに記載のように、前記制御手段が、前記被感知物体が前記感知領域のいずれかに位置している場合に当該感知領域に対応する液体の吐出を開始する信号を出力し、前記被感知物体が前記感知領域から外れた場合はすべての液体の吐出を停止する信号を出力するように構成することもできる。
本発明によれば、複数の領域を識別可能なマルチパッシブ測距装置を含む感知センサを用いて、これら複数の領域に使用者の手を感知すると、その領域に応じた出力指令を発するため、1つの感知センサのみによって、複数の液体(特に湯水)の吐出を制御可能な自動水栓装置を実現できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
まず、本発明による実施例1について図面を用いて詳細に説明する。図3は、本実施例1による自動水栓装置11の構成を示す斜視図である。自動水栓装置11は、立面壁部12と手洗い平面部13と下部収納部14とを有している。手洗い平面部13上には、手洗い水を回収及び排出する手洗いボウル15と、水吐出ノズル16a、液体石鹸吐出ノズル6b及び湯吐出ノズル6cとが設けられている。3つのノズルのうち中央に位置する液体石鹸吐出ノズルの取り付け基部には、マルチパッシブ測距装置21が設けられている。下部収納部14には、前面に観音開き式の開閉扉18が設けられており、下部収納部14内部には、後述する感知センサの制御部及び吐出される液体の供給配管等が収納されている。
図4は、本実施例1による自動水栓装置11におけるマルチパッシブ測距装置21とその視野の関係を示す平面図である。上述のように、測距装置21は液体石鹸吐出ノズル16bの取り付け基部の手洗いボウル15側の面に設けられ、手洗い平面部13と平行な平面上に視野を有する。図4に示すように、測距装置21の視野のうち、斜線で示された部分を感知センサのオン領域と定義し、水吐出ノズル16aの吐出口近傍のオン領域をDL、液体石鹸吐出ノズル16bの吐出口近傍のオン領域をDC、湯吐出ノズル16cの吐出口近傍のオン領域をDRと設定する。
図5は、本実施例1で用いられる感知センサ20の構成を示すブロック図である。感知センサ20は、マルチパッシブ測距装置21と、制御部22と、メモリ23と駆動指令出力部24とで構成されている。測距装置21の詳細な構成及び動作については後述する。制御部22は、測距装置21からの出力データを受信し、相互データ通信等が可能に電気的接続されているメモリ23からプログラム等を読み込み実行して、上述のオン領域にある物体の有無を判別するとともに、その物体のまでの距離を算出する。メモリ23は、上述の制御部22で動作するプログラム等の他に、感知判断を行う複数の領域についてその基準となるラインセンサの出力データを予め記憶しており、感知された物体に対して算出された位置データとの比較の際に、制御部22とデータの相互通信を行う。また、メモリ23は、制御部22から出力されたデータを一時格納する機能も有する。また、駆動指令出力部24は、図4で示された水吐出ノズル16a、液体石鹸吐出ノズル16b及び湯吐出ノズル16cへの液体の吐出及び停止動作を行う水吐出駆動部25a、液体石鹸吐出駆動部25b及び湯吐出駆動部25cとそれぞれ接続されており、制御部22からの指令に基づいて、感知センサ20外部の各駆動部25a、25b、25cに駆動オンまたはオフに対応する信号を出力する。ここで、吐出ノズル16a、16b、16c及び駆動部25a、25b、25cより吐出装置が構成される。
図6は、本実施例1による自動水栓装置11の内部に組み込まれた配管及び配線の系統図である。自動水栓装置11の内部には、水源26a及び液体石鹸タンク26bが設けられている。水源26aからの水は、供給配管29を経て水吐出駆動部25aに供給される。水吐出駆動部25aは、感知センサ20の駆動指令出力部からの指令に基づいて、供給された水の吐出及び停止を制御する、例えばソレノイドバルブ等である。水吐出駆動部25aから供給された水は、供給配管29を経て水吐出ノズル16aの吐出口から吐出される。また、水源26aからの水は、供給配管29を経て加熱用電源Vが接続された加熱給湯器27にも供給される。加熱給湯器27は、電気による加熱によって所望の温度の湯を供給配管29を通して湯吐出駆動部25cに供給する。湯吐出駆動部25cは、水吐出駆動部25aと同様に、感知センサ20の駆動指令出力部からの指令に基づいて、供給された湯の吐出及び停止を制御する、例えばソレノイドバルブ等である。湯吐出駆動部25cから供給された湯は、供給配管29を経て湯吐出ノズル16cの吐出口から吐出される。同様に、液体石鹸タンクは供給配管29を介して液体石鹸吐出駆動部25bに液体石鹸を供給する。液体石鹸吐出駆動部25bは、感知センサ20の駆動指令出力部24からの指令に基づいて、供給された液体石鹸の吐出及び停止を制御する、例えばソレノイドバルブ等である。液体石鹸吐出駆動部25bから供給された液体石鹸は、供給配管29を経て液体石鹸吐出ノズル16bの吐出口から吐出される。
図7は、図5及び図6に示されたマルチパッシブ測距装置21の内部の構成及び感知領域との関係を示す図である。測距装置21は、集光レンズで構成されたレンズ31a、31bと、ラインセンサ32a、32bと、出力部33とを有する。レンズ31a、31bは、これらの中心を結ぶ基線方向に基線長X0だけ離れてそれぞれの光軸が平行となるように配置され、ラインセンサ32a、32bは、それぞれレンズから同一焦点距離fだけ離れた位置にレンズの基線方向に設けられる。出力部33は、ラインセンサ32a、32bを構成する画素すなわち受光素子からアナログ信号を取り出し、これをa側画素データ列、b側画素データ列として制御部22へ出力する。
続いて、本実施例1の測距装置21の受光からデータ出力までの基本動作を説明する。図7に示すように、まず2つの光学系のうち一方を領域側レンズと定義する(本実施例1の場合はレンズ31a)。ここで、レンズ31a、31bから基線長X0より十分に長い任意の距離L1及びL2だけ離れた領域に、それぞれ幅WL、WC、WRのオン領域DL、DC、DRを定義する。このとき、例えば領域DL、DC、DRの距離L1における像は、レンズ31aを介してラインセンサ32a上に画素領域dL、dC、dRとして、それぞれ左右反対に結像する。一方、レンズ31bを介して同領域DL、DC、DRを撮像すると、ラインセンサ32b上の所定の画素領域内に左右反対に結像する。出力部33は、結像したラインセンサ32a、32b上の画素数をアナログデータとして制御部22に出力する。このデータは、出力される毎にメモリ23に一時記憶される。
図8は、領域側レンズ31aを介して図7の領域DL、DC、DRが結像したラインセンサ32aの一例を示している。本実施例1のラインセンサ32aは、ライン状に整列された画素を含む画素列が、No.1〜No.162まで配置されている。ここで上述のように、図7の領域DL、DC、DRが結像したラインセンサの画素領域をそれぞれdL、dC、dRとすると、それぞれの領域に含まれる画素列番号は、dLがNo.55〜70、dCがNo.71〜86、dRがNo.87〜102となる。このとき、それぞれの領域に含まれる画素列数は、領域DL、DC、DRの幅の比(WL:WC:WR)と比例するが、本実施例1では、WL、WC、WRは等しいとして、すべて同数の画素列が含まれている。
続いて、本実施例1の測距装置21による測距方法の原理について説明する。図9は、測距装置21のレンズ31a、31b及びラインセンサ32a、32bと被感知物体Oとの関係を示している。まず、レンズ31a及び31bは、距離L0だけ離れた被感知物体Oの像α1、α2を受光し、ラインセンサ32a、32bで結像した物体Oの像をライン状の画素がアナログデータとして出力する。上述のように、このとき出力される領域側レンズ31aからのa側画素データ列と測距用レンズ31bからのb側画素データ列とに基づいて、2つのラインセンサ上の像の中心位置からの距離によって2つのラインセンサ間の像の位相差ΔXを算出する。ここでΔXは、図9のXa、Xbを用いて算出される。続いて、図9に示すように、距離L0が基線長X0に対して十分大きいため、三角形の相似の関係からL0:X0=f:ΔXが成り立つ。この式を展開し、測距装置21の基線長X0、レンズの焦点距離f、及び上述のように算出した位相差ΔXから距離L0を算出する。この方法は、本実施例1による感知センサ20の制御部22が実行する距離算出処理として用いられる。
次に、本実施例1の感知センサ20による物体の判別方法の一例について図面を用いて説明する。図10は、図7に示された出力部33から出力されたラインセンサ32aの画素領域(画素列番号)とセンサ出力との関係を示しており、図10(a)は被感知物体を感知していない場合、図10(b)は被感知物体を感知した場合のデータを模式的に示している。本実施例1の感知センサ20が被感知物体を感知していない場合、測距装置21は例えば感知センサ20の製造時に予め設定された任意の基準位置の測定を行っている。すなわち、図10(a)に示すように、測距装置21の領域側光学系は、すべてのセンサ領域でほぼ一定値を出力する。これに対して、感知センサ20が、例えば図7中の領域DCの延長線上に何らかの被感知物体を感知した場合は、図10(b)に示すように、センサ領域dC内で大きな出力値を出力する。このとき、被感知物体を感知したかどうかを判断するために、センサ出力値に閾値となる任意の誤差幅を設ける。このようにすることによって、閾値の幅を外れた出力値、特に閾値を大きく越える出力値を認識した場合に、制御部22は被感知物体を感知したと判断できる。
次に、図11に、本実施例1による感知センサ20の制御部22が実行する自動液体吐出ルーチンのフローチャートを示す。まず、制御部22は、測距装置21の出力部33を介してラインセンサ32aのデータ列を入力する(ステップS101)。次に、制御部22は、入力したデータ列から閾値を外れたデータがあるかどうかを判別する(ステップS102)。ステップS102において閾値を外れたデータがない場合、制御部22は、自動水栓装置11が現在何らかの液体を吐出中かどうかを判別する(ステップS103)。ステップS103において現在吐出駆動中でない、すなわちすべての液体が停止中であると判別した場合、そのままルーチンを終了する。これに対して、ステップS103において現在吐出駆動中であると判別した場合、全ての駆動部に対して駆動指令出力部24を介して停止指令出力を発して(ステップS104)、ルーチンを終了する。この一連の動作によって、所定の領域に物体が感知されない、すなわち使用者の手等が所定の領域内にない場合は、すべてのノズルからの吐出が停止する。
一方、ステップS102において閾値を外れたデータがあると判別した場合は、制御部22は、入力したデータ列内の閾値を外れたセンサ領域の画素列番号を抽出する(ステップS105)。続いて、制御部22は、自動水栓装置11が現在何らかの液体を吐出中かどうかを判別する(ステップS106)。ステップS106において現在吐出駆動中でない、すなわちすべての液体が停止中であると判別した場合、吐出駆動選択ルーチン(ステップS109)へと進む。この一連の動作によって、使用者が最初に手を感知領域に差し伸べた状態に応じて所望の吐出を行うことができる。これに対して、ステップS106において現在吐出駆動中であると判別した場合、現在吐出中であるノズルに対応する領域が、今回検出したオン領域と同一かどうかを判別する(ステップS107)。ステップS107において現在吐出中のノズルに対応する領域が今回検出したオン領域と異なる場合、現在吐出中のノズルに対応する駆動部に駆動を停止する指令を発し(ステップS108)、吐出駆動選択ルーチン(ステップS110)へと進む。この一連の動作によって、使用者が駆動中に手を別のオン領域に移動させた場合、自動水栓装置11は、それまで吐出していたノズルからの吐出を停止し、新たに手が置かれた領域での吐出開始を選択することができる。これに対して、ステップS107において現在吐出中のノズルに対応する領域が今回検出したオン領域と同一の場合、使用者の手が現在吐出中の領域に存在すると判別して、そのままルーチンを終了するすなわち吐出状態を維持する。
次に、本実施例1の自動液体吐出ルーチン内で動作する吐出駆動選択ルーチンについて説明する。図12に、吐出駆動選択ルーチンのフローチャートを示す。吐出駆動選択ルーチンでは、まず制御部22は、メインの自動液体吐出ルーチンで抽出された画素列番号を含む領域がセンサ領域dLかどうかを判別する(ステップS121)。ステップS121において、抽出された画素列番号を含む領域が領域dLであると判別した場合、制御部22は、領域DLに対するオン駆動指令を駆動指令出力部24に発し(ステップS122)、ルーチンを終了する。駆動指令出力部14は、上述のように、この制御部22からの指令に基づいて、感知センサ20の外部の各々の駆動部に駆動信号を出力する。これら一連の動作によって、図4に示される領域DLに対応するオン駆動すなわち水の吐出が実行される。
ステップS121において上述の画素列番号を含む領域がセンサ領域dLでないと判別した場合、制御部22は、抽出された画素列番号を含む領域が領域dCかどうかを判別する(ステップS123)。ステップS123においてオン領域が領域dCであると判別した場合、制御部22は、領域DCに対するオン駆動指令を駆動指令出力部24に発し(ステップS124)、ルーチンを終了する。これら一連の動作によって、図4に示される領域DCに対応するオン駆動すなわち液体石鹸の吐出が実行される。
同様に、ステップS123において、抽出された画素列番号を含む領域がセンサ領域dCでないと判別した場合、制御部22は、抽出された画素列番号を含む領域が領域dRかどうかを判別する(ステップS125)。ステップS125においてオン領域が領域dRであると判別した場合、制御部22は、領域DRに対するオン駆動指令を駆動指令出力部24に発し(ステップS126)、ルーチンを終了する。これら一連の動作によって、図4に示される領域DRに対応するオン駆動すなわち湯の吐出が実行される。また、ステップS125において、上述の画素列番号に含まれるオン領域がセンサ領域dRでないと判別した場合は、閾値を外れた画素列番号はオン領域になかった(測定エラーである)と判別して、そのままルーチンを終了する。
次に、本実施例1の自動水栓装置11の動作の変形例について図面を用いて説明する。図13は、図7に示された感知センサ20の出力部33から出力されたラインセンサ32aの画素領域(画素列番号)と上述の距離算出処理によってセンサ出力から算出される測距装置21から被感知物体までの距離との関係を示しており、図13(a)は被感知物体を感知していない場合、図13(b)は被感知物体を感知した場合を模式的に示している。本実施例1の感知センサ20が被感知物体を感知していない場合、測距装置21は例えば感知センサ20の製造時に予め設定された任意の基準位置の測距を行っている。すなわち、図13(a)に示すように、測距装置21の領域側光学系は、すべてのセンサ領域でほぼ一定の測距データを出力する。これに対して、感知センサ20が、例えば図7中の領域DC内に例えば使用者の手等の被感知物体を感知した場合、図13(b)に示すように、センサ領域dC内で大きな測距データの変化を出力する。このとき、被感知物体がオン領域DC内に存在するかどうかは、センサ領域dC内で出力データが図7の斜線で示される距離L1からL2までの斜線範囲に入るかどうかによって判断する。このようにすることによって、ラインセンサの出力が所定の閾値の幅を外れた出力値を認識した場合、すなわちセンサ出力値に基づいて算出される測距データが定常時の基準距離から大きく外れた場合、制御部22は、視野内に被感知物体を感知したと判断し、さらに上述の測距データが所定の距離範囲(例えばL1からL2)内に存在する場合、制御部22は、図7のオン領域に物体を感知したと判断できる。
次に、上述の変形例において感知センサ20の制御部22が実行する動作について説明する。上述の変形例において、図11に示される自動液体吐出ルーチンの動作については共通の動作である。そこで、ここでは吐出判別を行う吐出駆動選択ルーチンについて説明する。図14に、上述の変形例において制御部22が実行する吐出駆動選択ルーチンのフローチャートを示す。まず、制御部22は、メインの自動液体吐出ルーチンで抽出された画素列番号を含む領域がセンサ領域dLかどうかを判別する(ステップS141)。ステップS141において抽出された画素列番号を含む領域が領域dLであると判別した場合、制御部22は、距離算出処理を実行する(ステップS142)。この距離算出処理とは、本実施例1では、図9を用いて説明した方法によって実行されるが、任意の方法を用い得る。ステップS142によって被感知物体までの距離が算出されると、制御部22は、距離算出の基準位置となった画素列番号と算出された距離とに基づいて、感知された物体が領域DLの範囲内にあるかどうかを判別する(ステップS143)。ここで、本実施例1による感知センサ20のメモリ23には、上述のように、オン領域のそれぞれの画素列番号に対する距離の最小値(例えば図7のL1)及び最大値(例えば図7のL2)のデータが予め記憶されており、ステップS143での判別は、算出された距離がこの最小値と最大値との間の範囲にあるかどうかで判別する。ステップS143において算出された距離が領域DLの範囲内であると判別した場合、制御部22は、領域DLに対するオン駆動指令を駆動指令出力部24に発し(ステップS144)、ルーチンを終了する。駆動指令出力部24は、上述のように、この制御部22からの指令に基づいて、感知センサ20の外部の各々の駆動部に駆動信号を出力する。これら一連の動作によって、図4に示される領域DLに対応するオン駆動すなわち水の吐出が実行される。これに対して、ステップS143において算出された距離が領域DL内にないと判別した場合は、被感知物体がセンサ領域dL内のオフ領域に存在する(オン領域には存在しない)として、そのままルーチンを終了する(ステップS145)。
ステップS141において、抽出された画素列番号を含む領域がセンサ領域dLでないと判別した場合、制御部22は、抽出された画素列番号を含む領域が領域dCかどうかを判別する(ステップS146)。ステップS146において抽出された画素列番号を含む領域が領域dCであると判別した場合、制御部22は、上述のステップS142と同様の距離算出処理を実行する(ステップS147)。ステップS147によって被感知物体までの距離が算出されると、制御部22は、距離算出の基準位置となった画素列番号と算出された距離とに基づいて、ステップS143の場合と同様に、感知された物体が領域DCの範囲内にあるかどうかを判別する(ステップS148)。ステップS148において算出された距離が領域DCの範囲内であると判別した場合、制御部22は、領域DCに対するオン駆動指令を駆動指令出力部24に発し(ステップS149)、ルーチンを終了する。これら一連の動作によって、図4に示される領域DCに対応するオン駆動すなわち液体石鹸の吐出が実行される。これに対して、ステップS148において算出された距離が領域DC内にないと判別した場合は、被感知物体がセンサ領域dC内のオフ領域に存在するとして、そのままルーチンを終了する(ステップS150)。
同様に、ステップS146において、抽出された画素列番号を含む領域がセンサ領域dCでないと判別した場合、制御部22は、抽出された画素列番号を含む領域が領域dRかどうかを判別する(ステップS151)。ステップS151において抽出された画素列番号を含む領域が領域dRであると判別した場合、制御部22は、上述のステップS142と同様の距離算出処理を実行する(ステップS152)。ステップS152によって被感知物体までの距離が算出されると、制御部22は、距離算出の基準位置となった画素列番号と算出された距離とに基づいて、ステップS143の場合と同様に、感知された物体が領域DRの範囲内にあるかどうかを判別する(ステップS153)。ステップS153において算出された距離が領域DRの範囲内であると判別した場合、制御部22は、領域DRに対するオン駆動指令を駆動指令出力部24に発し(ステップS154)、ルーチンを終了する。これら一連の動作によって、図4に示される領域DRに対応するオン駆動すなわち湯の吐出が実行される。これに対して、ステップS153において算出された距離が領域DR内にないと判別した場合は、被感知物体がセンサ領域dR内のオフ領域に存在するとして、そのままルーチンを終了する(ステップS155)。また、ステップS151において、抽出された画素列番号を含む領域がセンサ領域dRでないと判別した場合は、閾値を外れた画素列番号はオン領域になかった(測定エラーである)と判別して、そのままルーチンを終了する。上記の変形例においては、感知された物体が所定のオン領域内にあるかどうかの判別を算出された距離を用いて行うため、感知された物体のより正確な位置を把握することが可能であり、さらに所定のオン領域を限定することによって感知センサの誤感知及び自動水栓装置の誤動作を防止することが可能となる。
以上のような構成及び動作とすることによって、本実施例1による自動水栓装置11は、図4に示すように、それぞれのノズル駆動のオン領域を設定してその基準となるラインセンサの出力データを予め記憶しておき、測距した物体の出力データと比較して基準データの所定範囲から外れた場合に、物体がオン領域内に存在するかどうかを判別して、物体がオン領域内にある場合にその領域に応じたオン駆動信号の出力を行う感知センサ20を用いているため、1つの感知センサのみによって、複数の液体の吐出を制御することが可能である。
また、本実施例1による自動水栓装置11は、複数の領域にまたがる物体の検知による誤動作を避けるために、図15(a)に示すように、感知センサ20が感知する3つのオン領域の間に中立領域DNを設けるように構成してもよい。中立領域DNは、この領域内に物体を感知しても何も動作をしないと設定された領域であり、例えば、図8に示されたラインセンサ32aのオン領域の画素列番号の範囲に中立領域dNを設けることによって設定することが可能である。このような構成を用いることによって、図15(b)に示すように、センサ出力がセンサ領域dCを逸脱して誤差幅を超えるような場合においても、中立領域DNでは制御部22が動作の指令を行わないため、オン領域DCに対応する駆動動作のみを指令することとなり、複数のオン領域に対する誤動作を避けることができる。
次に、本発明による実施例2について図面を用いて詳細に説明する。図4は、本実施例2による自動水栓装置11におけるマルチパッシブ測距装置21とその視野の関係を示す平面図である。本実施例2では、自動水栓装置11の全体の構成は図3に示されたものとほぼ同一のものを用いるが、手洗い平面部13の横方向略中央部に、湯水共用の湯水吐出ノズル16dが設けられており、その先端が手洗いボウル15の略中央部に設けられた排出口の方向に向けられている。測距装置21は立面壁部12の所定の高さに設けられ、手洗いボウル側に視野を有する。図16に示すように、測距装置21の視野のうち、湯水吐出ノズル16dの吐出口より立面壁部12側の斜線で示された部分を感知センサ20のオン領域と定義し、このオン領域を2つに分けて左側を水吐出用のオン領域D1、右側を湯吐出用のオン領域D2と設定する。
図17は、本実施例2で用いられる感知センサ20の構成を示すブロック図である。感知センサ20は、実施例1と同様に、マルチパッシブ測距装置21と、制御部22と、メモリ23と駆動指令出力部24とで構成されている。測距装置21の構成及び動作は実施例1で用いたものと同一のものとして、以下ではその説明を省略する。制御部22は、実施例1のものと同様に、測距装置21からの出力データを受信し、相互データ通信等が可能に電気的接続されているメモリ23からプログラム等を読み込み実行して、上述のオン領域にある物体の有無を判別するとともに、その物体のまでの距離を算出する。メモリ23は、上述の制御部22で動作するプログラム等の他に、感知判断を行う複数の領域についてその基準となるラインセンサの出力データを予め記憶しており、感知された物体に対して算出された位置データとの比較の際に、制御部22とデータの相互通信を行う。また、メモリ23は、制御部22から出力されたデータを一時格納する機能も有する。また、駆動指令出力部24は、図16で示された湯水吐出ノズル16dへの吐出及び停止動作を行う水吐出駆動部25a及び湯吐出駆動部25cとそれぞれ接続されており、制御部22からの指令に基づいて、感知センサ20外部の各駆動部25a、25cに駆動オンまたはオフに対応する信号を出力する。
図18は、本実施例2による自動水栓装置11の内部に組み込まれた配管及び配線の系統図である。自動水栓装置11の内部には水源26aが設けられている。水源26aからの水は、供給配管29を経て水吐出駆動部25aに供給される。水吐出駆動部25aは、感知センサ20の駆動指令出力部からの指令に基づいて、供給された水の吐出及び停止を制御する、例えばソレノイドバルブ等である。水吐出駆動部25aから供給された水は、供給配管29を経て湯水吐出ノズル16dの吐出口から吐出される。また、水源26aからの水は、供給配管29を経て加熱用電源Vが接続された加熱給湯器27にも供給される。加熱給湯器27は、電気による加熱によって所望の温度の湯を供給配管29を通して湯吐出駆動部25cに供給する。湯吐出駆動部25cは、水吐出駆動部25aと同様に、感知センサ20の駆動指令出力部24からの指令に基づいて、供給された湯の吐出及び停止を制御する、例えばソレノイドバルブ等である。湯吐出駆動部25cから供給された湯は、供給配管29を経て湯水吐出ノズル16dの吐出口から吐出される。
次に、本実施例2の感知センサ20による物体の判別方法の一例について図面を用いて説明する。図19は、測距装置21の出力部33から出力されたラインセンサ32aの画素領域(画素列番号)とセンサ出力との関係を示しており、図19(a)は被感知物体を感知していない場合、図19(b)は被感知物体を感知した場合のデータを模式的に示している。本実施例2の感知センサ20が被感知物体を感知していない場合、測距装置21は例えば感知センサ20の製造時に予め設定された任意の基準位置の測距を行っている。すなわち、図19(a)に示すように、測距装置21の領域側光学系は、すべてのセンサ領域でほぼ一定値を出力する。これに対して、感知センサ20が、例えば図16中の領域D1の延長線上に何らかの被感知物体を感知した場合は、図19(b)に示すように、センサ領域d1内で大きな出力値を出力する。このとき、被感知物体を感知したかどうかを判断するために、センサ出力値に閾値となる任意の誤差幅を設ける。このようにすることによって、閾値の幅を外れた出力値、特に閾値を大きく越える出力値を認識した場合に、制御部22は被感知物体を感知したと判断できる。
次に、図20に、本実施例2による感知センサ20の制御部22が実行する自動湯水吐出ルーチンのフローチャートを示す。まず、制御部22は、測距装置21の出力部33を介してラインセンサ32aのデータ列を入力する(ステップS201)。次に、制御部22は、入力したデータ列から閾値を外れたデータがあるかどうかを判別する(ステップS202)。ステップS202において閾値を外れたデータがない場合、制御部22は、自動水栓装置11の動作の現状維持指令を発し(ステップS203)、ルーチンを終了する。ここで、本ルーチンにおける現状維持とは、自動水栓装置11が吐出中の場合は吐出を維持し、停止中の場合は停止状態を継続することを意味する。
一方、ステップS202において閾値を外れたデータがあると判別した場合は、制御部22は、入力したデータ列内の閾値を外れたセンサ領域の画素列番号を抽出する(ステップS204)。続いて、制御部22は、自動水栓装置11が現在水又は湯を吐出中かどうかを判別する(ステップS205)。ステップS205において現在吐出駆動中でない、すなわちノズルの駆動が停止中であると判別した場合、吐出駆動選択ルーチン(ステップS209)へと進む。吐出駆動選択ルーチンの動作については後述する。この一連の動作によって、使用者が最初に手を感知領域に差し伸べた状態に応じて所望の吐出を開始させることができる。これに対して、ステップS205において現在吐出駆動中であると判別した場合、現在吐出中である駆動部に対応する領域が、今回検出したオン領域と同一かどうかを判別する(ステップS206)。ステップS206において現在吐出中の駆動部に対応する領域が今回検出したオン領域と同一の場合、現在吐出中の駆動部に駆動を停止する指令を発し(ステップS207)、ルーチンを終了する。この一連の動作によって、使用者が最初に所望の水又は湯の吐出を開始させた後に、吐出駆動中に手を同一のオン領域に再度指しかざした場合、自動水栓装置11は、それまで吐出していた水又は湯の吐出を停止させる停止スイッチの動作を実行することができる。これに対して、ステップS206において現在吐出中のノズルに対応する領域が今回検出したオン領域と異なる場合、使用者の手が誤って別のオン領域に指しかざされたと判別して、現状維持指令を発し(ステップS208)、そのままルーチンを終了する。
図20に示された自動湯水吐出ルーチンによって、本実施例2による自動水栓装置11は、水又は湯のいずれかを自動で吐出開始及び停止させることができる。すなわち、例えば使用者が最初に水を吐出させたい場合、図16に示す領域D1に1度手をかざすことによって、図20に示される自動湯水吐出ルーチンのステップS201からステップS205を経て吐出駆動選択ルーチンに進むことで、水の吐出駆動を開始させることができる。その後、使用者が領域D1から手を離すと、ステップS201からステップS203の動作を繰り返し、現状を維持するすなわち自動水栓装置11は水の吐出を維持する。続いて、使用者が再び領域D1に手をかざすと、ステップS201からステップS205及びS206を経てステップS207の停止指令出力動作を実行し、水の吐出を停止させることができる。また水の吐出中に、使用者が湯のオン領域すなわち図16に示す領域D2に手をかざしたときは、使用者が誤って領域D2に手をかざした又は何らかの物体が領域D2を横切ったと判断して、水の吐出をそのまま維持する。このとき、領域D2に手をかざした場合にも、水の停止指令を出力するように構成してもよい。
また、本実施例2による自動水栓装置11は、上記のように使用者が再度同一領域に手をかざすのではなく、吐出開始から所定時間経過後に自動的に吐出を停止するように構成することもできる。図21に、感知センサ20の制御部22が実行する自動湯水吐出ルーチンの変形例のフローチャートを示す。まず、制御部22は、測距装置21の出力部33を介してラインセンサ32aのデータ列を入力する(ステップS211)。次に、制御部22は、入力したデータ列から閾値を外れたデータがあるかどうかを判別する(ステップS212)。ステップS212において閾値を外れたデータがない場合、制御部22は、自動水栓装置11の動作の現状維持指令を発し(ステップS213)、ルーチンを終了する。ここで、本ルーチンにおける現状維持とは、図20に示されたルーチンの場合と同様に、自動水栓装置11が吐出中の場合は吐出を維持し、停止中の場合は停止状態を継続することを意味する。
一方、ステップS212において閾値を外れたデータがあると判別した場合は、制御部22は、入力したデータ列内の閾値を外れたセンサ領域の画素列番号を抽出する(ステップS214)。続いて、制御部22は、自動水栓装置11が現在水又は湯を吐出中かどうかを判別する(ステップS215)。ステップS215において現在吐出駆動中でない、すなわちノズルの駆動が停止中であると判別した場合、吐出駆動選択ルーチン(ステップS219)へと進む。吐出駆動選択ルーチンの動作については後述する。吐出駆動選択ルーチンを経て水又は湯の吐出が開始されると、制御部22は、吐出開始から所定時間が経過したかどうかの繰り返し判別を行う(ステップS216)。ステップS216において所定時間が経過したと判断すると、制御部22は、現在吐出中の駆動部に停止指令出力を行い(ステップS217)、ルーチンを終了する。この一連の動作によって、使用者が最初に手を感知領域に差し伸べた状態に応じて所望の吐出を開始させ、その後所定の時間が経過するまで待機した後、吐出を停止させることができる。これに対して、ステップS215において現在吐出駆動中であると判別した場合、現状維持指令を発し(ステップS218)、ステップS216の時間判定動作を継続させる。
図21に示された自動湯水吐出ルーチンによって、本実施例2による自動水栓装置11は、水又は湯のいずれかを自動で吐出開始させ、かつ所定時間経過後に吐出停止させることができる。すなわち、例えば使用者が最初に水を吐出させたい場合、図16に示す領域D1に1度手をかざすことによって、図21に示される自動湯水吐出ルーチンのステップS211からステップS215を経て吐出駆動選択ルーチンに進むことで、水の吐出駆動を開始させることができる。その後所定時間が経過すると、ステップS217の停止指令出力動作を実行し、水の吐出を停止させることができる。
次に、本実施例2の自動湯水吐出ルーチン内で動作する吐出駆動選択ルーチンについて説明する。図22に、吐出駆動選択ルーチンのフローチャートを示す。吐出駆動選択ルーチンでは、まず制御部22は、メインの自動湯水吐出ルーチンで抽出された画素列番号を含む領域がセンサ領域d1かどうかを判別する(ステップS221)。ステップS221において、抽出された画素列番号を含む領域が領域d1であると判別した場合、制御部22は、領域D1に対するオン駆動指令を駆動指令出力部24に発し(ステップS222)、ルーチンを終了する。駆動指令出力部24は、上述のように、この制御部22からの指令に基づいて、感知センサ20の外部の各々の駆動部に駆動信号を出力する。これら一連の動作によって、図16に示される領域D1に対応するオン駆動すなわち水の吐出が実行される。
ステップS221において上述の画素列番号を含む領域がセンサ領域d1でないと判別した場合、制御部22は、抽出された画素列番号を含む領域が領域d2かどうかを判別する(ステップS223)。ステップS223においてオン領域が領域d2であると判別した場合、制御部22は、領域D2に対するオン駆動指令を駆動指令出力部24に発し(ステップS224)、ルーチンを終了する。これら一連の動作によって、図16に示される領域D2に対応するオン駆動すなわち湯の吐出が実行される。また、ステップS223において、上述の画素列番号に含まれるオン領域がセンサ領域d2でないと判別した場合は、閾値を外れた画素列番号はオン領域になかった(測定エラーである)と判別して、そのままルーチンを終了する。
次に、本実施例2の自動湯水吐出ルーチン内で動作する吐出駆動選択ルーチンの動作の変形例について説明する。図23に、本実施例2の変形例において制御部22が実行する吐出駆動選択ルーチンのフローチャートを示す。まず、制御部22は、メインの自動湯水吐出ルーチンで抽出された画素列番号を含む領域がセンサ領域d1かどうかを判別する(ステップS241)。ステップS241において抽出された画素列番号を含む領域が領域d1であると判別した場合、制御部22は、距離算出処理を実行する(ステップS242)。この距離算出処理とは、本実施例2では、図9を用いて説明した方法によって実行されるが、任意の方法を用い得る。ステップS242によって被感知物体までの距離が算出されると、制御部22は、距離算出の基準位置となった画素列番号と算出された距離とに基づいて、感知された物体が領域D1の範囲内にあるかどうかを判別する(ステップS243)。ここで、本実施例2による感知センサ20のメモリ23には、実施例1のものと同様に、オン領域のそれぞれの画素列番号に対する距離の最小値及び最大値のデータが予め記憶されており、ステップS243での判別は、算出された距離がこの最小値と最大値との間の範囲にあるかどうかで判別する。ステップS243において算出された距離が領域D1の範囲内であると判別した場合、制御部22は、領域D1に対するオン駆動指令すなわち水の吐出駆動指令を駆動指令出力部24に発し(ステップS244)、ルーチンを終了する。駆動指令出力部24は、上述のように、この制御部22からの指令に基づいて、感知センサ20の外部の各々の駆動部に駆動信号を出力する。これら一連の動作によって、図16に示される領域D1に対応するオン駆動すなわち水の吐出が実行される。これに対して、ステップS243において算出された距離が領域D1内にないと判別した場合は、被感知物体がセンサ領域d1内のオフ領域に存在する(オン領域には存在しない)として、そのままルーチンを終了する。
ステップS241において、抽出された画素列番号を含む領域がセンサ領域d1でないと判別した場合、制御部22は、抽出された画素列番号を含む領域が領域d2かどうかを判別する(ステップS245)。ステップS245において抽出された画素列番号を含む領域が領域d2であると判別した場合、制御部22は、上述のステップS242と同様の距離算出処理を実行する(ステップS246)。ステップS246によって被感知物体までの距離が算出されると、制御部22は、距離算出の基準位置となった画素列番号と算出された距離とに基づいて、ステップS243の場合と同様に、感知された物体が領域D2の範囲内にあるかどうかを判別する(ステップS247)。ステップS247において算出された距離が領域D2の範囲内であると判別した場合、制御部22は、領域D2に対するオン駆動指令すなわち湯の吐出駆動指令を駆動指令出力部24に発し(ステップS248)、ルーチンを終了する。これら一連の動作によって、図16に示される領域D2に対応するオン駆動すなわち湯の吐出が実行される。これに対して、ステップS247において算出された距離が領域D2内にないと判別した場合は、被感知物体がセンサ領域d2内のオフ領域に存在するとして、そのままルーチンを終了する。また、ステップS245において、抽出された画素列番号を含む領域がセンサ領域d2でないと判別した場合は、閾値を外れた画素列番号はオン領域になかった(測定エラーである)と判別して、そのままルーチンを終了する。上記の変形例においては、感知された物体が所定のオン領域内にあるかどうかの判別を算出された距離を用いて行うため、感知された物体のより正確な位置を把握することが可能であり、さらに所定のオン領域を限定することによって感知センサの誤感知及び自動水栓装置の誤動作を防止することが可能となる。
以上のような構成及び動作とすることによって、本実施例2による自動水栓装置11は、図16に示すように、水及び湯それぞれの駆動部のオン領域を設定してその基準となるラインセンサの出力データを予め記憶しておき、測距した物体の出力データと比較して基準データの所定範囲から外れた場合に、物体が対応するオン領域内に存在するかどうかを判別して、物体がオン領域内にある場合にその領域に応じたオン駆動信号の出力を行う感知センサ20を用いているため、1つの感知センサ及び1つの吐出ノズルのみを用いて、水及び湯の吐出を切り替えて制御することが可能である。
また、本実施例2による自動水栓装置11は、図24に示すように、感知センサ20の測距装置21を湯水吐出ノズル16dの上面又は手洗い平面部13上に上向きに視野を有するように配置してもよい。このような構成を用いることによって、湯水吐出ノズル16dが感知センサ20のオン領域に干渉することなく、使用者の手をかざす位置も自動水栓装置11から離れて明確となるため、感知センサ20はより明確に自動吐出スイッチとして機能することが可能である。
次に、本発明による実施例3について図面を用いて詳細に説明する。図25は、本実施例3による自動水栓装置11におけるマルチパッシブ測距装置21とその視野の関係を示す平面図である。本実施例3では、自動水栓装置11の全体の構成は図3に示されたものとほぼ同一のものを用いるが、手洗い平面部13の横方向略中央部に、所定の温度の温水を吐出する温水吐出ノズル16eが設けられており、その先端が手洗いボウル15の略中央部に設けられた排出口の方向に向けられている。測距装置21は、温水吐出ノズル16eの取り付け基部の手洗いボウル15側の面に設けられ、手洗い平面部13と平行な平面上に視野を有する。ここで、図25に示すように、測距装置21の視野のうち、斜線で示された部分を感知センサのオン領域と定義する。さらにオン領域を5分割して、図中左側から領域D(1)、D(2)、D(3)、D(4)、D(5)と設定する。
図26は、本実施例3で用いられる感知センサ20の構成を示すブロック図である。感知センサ20は、実施例1と同様に、マルチパッシブ測距装置21と、制御部22と、メモリ23と駆動指令出力部24とで構成されている。測距装置21の構成及び動作は実施例1で用いたものと同一のものとして、以下ではその説明を省略する。制御部22は、実施例1のものと同様に、測距装置21からの出力データを受信し、相互データ通信等が可能に電気的接続されているメモリ23からプログラム等を読み込み実行して、上述のオン領域にある物体の有無を判別するとともに、その物体のまでの距離を算出する。メモリ23は、上述の制御部22で動作するプログラム等の他に、感知判断を行う複数の領域についてその基準となるラインセンサの出力データを予め記憶しており、感知された物体に対して算出された位置データとの比較の際に、制御部22とデータの相互通信を行う。また、メモリ23は、制御部22から出力されたデータを一時格納する機能も有する。また、駆動指令出力部24は、図25で示された温水吐出ノズル16eへの吐出及び停止動作を行う吐出駆動部25e及び吐出駆動部25eに供給される前の温水の温度を調整する水温調整部28とそれぞれ接続されており、制御部22からの指令に基づいて、感知センサ20外部の吐出駆動部25eに対して駆動オンまたはオフに対応する信号を出力し、水温調整部28に対して所望の水温に調整するための駆動信号を出力する。
図27は、本実施例3による自動水栓装置11の内部に組み込まれた配管及び配線の系統図である。自動水栓装置11の内部には水源26aが設けられている。水源26aからの水は、供給配管29を経て水温調整部28に供給される。また、水源26aからの水は、供給配管29を経て加熱用電源Vが接続された加熱給湯器27にも供給される。加熱給湯器27は、電気による加熱によって所望の温度の湯を供給配管29を通して水温調整部28に供給する。水温調整部28は、上述のように、水源26aからの水と加熱給湯器27からの湯を駆動指令出力部24からの信号に基づいて所望の温度に混合し、供給配管29を介して吐出駆動部25eに供給する。吐出駆動部25eは、感知センサ20の駆動指令出力部24からの指令に基づいて、供給された温水の吐出及び停止を制御する、例えばソレノイドバルブ等である。吐出駆動部25eから供給された温水は、供給配管29を経て温水吐出ノズル16eの吐出口から吐出される。
次に、本実施例3の自動水栓装置11に用いられる水温調整部28の一例を図面とともに説明する。図28は、図27の配管図で示された水温調整部28の詳細を示す断面図である。水温調整部28のハウジング41内部には、図27に示す水源26aからの水が供給される水流入部42aと、加熱給湯器27からの湯が供給される湯流入部43aと、混合された温水を外部に供給する温水流出部44とが設けられ、それぞれ供給配管29を介して外部と接続されている。水流入部42a及び湯流入部43aには、それぞれ水側ポート42b、湯側ポート43bが連続的に形成されている。水側ポート42bと湯側ポート43bとの間には、双方のポートの方向に移動可能な仕切り板45が設けられており、水側ポート42bに流入した水と湯側ポート43bに流入した湯は直接混合されないようになっている。また、仕切り板45は、双方のポートの方向すなわち図示上左右方向に移動することによって、水または湯を完全に遮断する又は任意の混合比に調整することができる。温水流出部44は、湯側ポート43bと結合されており、ポート側の断面に対して外部への流出口側の断面がやや小さい2段の断面形状を有する。また温水流出部44には、温水流出部44の断面と嵌合する3段断面を有しかつ温水流出部44と摺動自在なピストン46aが設けられており、湯側ポート43bと温水流出部44の流出口とは直接結合されないようになっている。温水流出部44とピストン46aは、摺動する領域内部に空隙を有し、これによってピストン46aは図示上左右方向に移動可能となる。また、ピストン46aは仕切り板45と結合されており、仕切り板45及びピストン46aの一部には、水側ポート42b側から貫通する流路と湯側ポート43b側から貫通する流路とからなる混合流路46cが設けられており、水側ポート42bからの水と湯側ポート43bからの湯が、混合流路46c内で混合されて温水流出部44へと流出する。一方、仕切り板45に対してピストン46aの反対側には、仕切り板45と結合された端部と反対側の端部に雄ねじを切られたピストン46bが結合されており、仕切り板45、ピストン46a及びピストン46bは、一体となってピストン46a、46bの軸方向(図示上左右方向)に移動する。ピストン46bの仕切り板側と反対側の端部近傍には、ピストン46bに設けられた雄ねじと噛合する雌ねじ部材47とが設けられており、雌ねじ部材47は、雌ねじ駆動部48と結合されている。雌ねじ駆動部48は、例えば電流値を角度に変換できるステッピングモータ等であり、図27に示す駆動指令出力部24からの信号に応じて正逆回転することによって、ピストン46bの位置すなわち仕切り板45の位置を制御する。
続いて、水温調整部28の動作について説明する。図28に示すように、水温調整部28の水流入部42a及び湯流入部43aには、水源26aから供給される水流F1、加熱給湯器27から供給される湯流F2がそれぞれ流入する。水流F1及び湯流F2は、それぞれ水側ポート42b、湯側ポート43bに流入した後、ピストン46aに設けられた混合流路46cを通って混合され、温水流出部44から吐出駆動部25eに供給される。このとき、水流と湯流の混合比は、仕切り板45を図28の左右方向に移動させて水側ポート42b及び湯側ポート43bの容積を任意に変化させることによって、所望の比率に調整可能となる。つまり、駆動指令出力部24からの信号に応じて雌ねじ駆動部48が雌ねじ部材47を回転させると、これと噛合するピストン46bには図示上左右方向の直線運動として伝達されるため、ピストン46bと結合されている仕切り板45は、駆動指令出力部24からの信号に応じて図示上左右方向に移動し、水側ポート42bと湯側ポート43bとの容積比を変化させる。ここで、雌ねじ駆動部48にステッピングモータを用いた場合、モータの回転角度又は回転量と仕切り板45の軸方向位置、及びモータの回転角度又は回転量と駆動信号との関係を予めデータとしてメモリ23に記憶しておくことによって、正確に仕切り板45の位置を制御することが可能となり、さらには追加の温度センサ等を用いて温度調整のフィードバックをする必要がないため、水温調整部全体の構成を簡略化できる。
次に、本実施例3の感知センサ20による物体の判別方法の一例について図面を用いて説明する。図29(a)は、図25で示されたオン領域と各々の領域に対応づけられた温度との関係を示している。また図29(b)、(c)は、測距装置21の出力部33から出力されたラインセンサ32aの画素領域(画素列番号)とセンサ出力との関係を示しており、図29(b)は被感知物体を感知していない場合、図29(c)は被感知物体を感知した場合のデータを模式的に示している。図29(a)に示すように、本実施例3による自動水栓装置11の感知センサ20のオン領域は、D(1)〜D(5)の5領域に分割されており、この5つのオン領域それぞれに、T(1)〜T(5)の温度が、領域の代表値として設定されている。ここで、一例として、T(1)=10.0℃、T(2)=17.5℃、T(3)=25.0℃、T(4)=32.5℃、T(5)=40.0℃とする。また、本実施例3の感知センサ20が被感知物体を感知していない場合、測距装置21は例えば感知センサ20の製造時に予め設定された任意の基準位置の測距を行っている。すなわち、図29(b)に示すように、測距装置21の領域側光学系は、すべてのセンサ領域でほぼ一定値を出力する。これに対して、感知センサ20が、例えば図25中の領域D(2)及びD(3)の延長線上に何らかの被感知物体を感知した場合は、図29(c)に示すように、センサ領域d(2)及びd(3)内で大きな出力値を出力する。このとき、被感知物体を感知したかどうかを判断するために、センサ出力値に閾値となる任意の誤差幅を設ける。このようにすることによって、閾値の幅を外れた出力値、特に閾値を大きく越える出力値を認識した場合に、制御部22は被感知物体を感知したと判断できる。
次に、図30に、本実施例3による感知センサ20の制御部22が実行する自動温水吐出ルーチンのフローチャートを示す。まず、制御部22は、測距装置21の出力部33を介してラインセンサ32aのデータ列を入力する(ステップS301)。次に、制御部22は、入力したデータ列から閾値を外れたデータがあるかどうかを判別する(ステップS302)。ステップS302において閾値を外れたデータがない場合、制御部22は、自動水栓装置11が現在吐出中駆動中かどうかを判別する(ステップS303)。ステップS303において現在吐出駆動中でない、すなわちノズルの駆動が停止中であると判別した場合、そのままルーチンを終了する。これに対して、ステップS303において現在吐出駆動中であると判断した場合、制御部22は、駆動指令出力部24から吐出駆動部25eに対して吐出停止指令を発し(ステップS304)、ルーチンを終了する。この一連の動作によって、感知センサ20が使用者の手等の物体を感知していない場合、吐出が停止中のときはそのまま維持し、吐出中のときは吐出を自動的に停止させることができる。
一方、ステップS302において閾値を外れたデータがあると判別した場合は、制御部22は、自動水栓装置11が現在吐出駆動中かどうかを判別する(ステップS305)。ステップS305において現在吐出駆動中であると判別した場合、制御部22は、現状を維持する指令を発し(ステップS306)、ルーチンを終了する。ここで、本ルーチンにおける現状維持とは、自動水栓装置11が吐出中の場合は吐出を維持する、すなわち設定された温度の温水の吐出を継続することを意味する。この一連の動作によって、自動水栓装置11の吐出中に感知センサ20が使用者の手を感知した場合でも、感知した領域に関係なく最初に設定された温度の温水の吐出を維持することができる。これに対して、ステップS305において現在吐出駆動中でない、すなわちノズルの駆動が停止中であると判別した場合、入力したデータ列内の閾値を外れたセンサ領域の画素列番号を抽出し(ステップS307)、吐出駆動選択ルーチン(ステップS308)へと進む。吐出駆動選択ルーチンの動作については後述する。この一連の動作によって、使用者が最初に手を感知領域に差し伸べた状態に応じて所望の吐出を開始させることができる。吐出駆動選択ルーチンの動作が終了すると、そのまま本ルーチンを終了する。
次に、本実施例3の自動温水吐出ルーチン内で動作する吐出駆動選択ルーチンについて説明する。図31に、吐出駆動選択ルーチンのフローチャートを示す。吐出駆動選択ルーチンでは、まず制御部22は、領域番号をカウントするための変数nを初期化(n=0に)する(ステップS321)。ここで変数nは正の整数とする。続いて、制御部22は、変数nに1加える(ステップS322)。次に、制御部22は、変数nがnmaxであるかどうか判別する(ステップS323)。ここで、nmaxは図25で示されたオン領域の分割数より1だけ大きい整数であり、本実施例3では6である。ステップS323において変数nがnmaxであると判別された場合、そのままルーチンを終了する。これに対して、ステップS323において変数nがnmaxでないと判別された場合、メインの自動温水吐出ルーチンで抽出された画素列番号を含む領域がセンサ領域d(n)かどうかを判別する(ステップS324)。例えば、n=1の場合、ステップS324では、抽出された画素列番号を含む領域が領域d(1)であるかどうかを判別することになる。ステップS324において、抽出された画素列番号を含む領域が、ある特定のオン領域、例えば領域d(1)であると判別した場合、制御部22は、駆動指令出力部24から領域D(1)に対応する温度T(1)の水温調整指令を水温調整部27に発し(ステップS325)、続いて駆動指令出力部24から吐出駆動部25eにオン駆動指令を発して(ステップS326)、ルーチンを終了する。これに対して、ステップS324において、抽出された画素列番号を含む領域であると判別されなかった場合、ステップS322に戻って変数nにさらに1を加えて次の領域に対する判別を実行し、抽出された画素列番号を含む領域が特定されるまでステップS322からステップS324までの動作を繰り返す。これら一連の動作によって、図25に示されるオン領域D(1)〜D(5)に対応するラインセンサからの出力を判別し、判別されたオン領域D(n)に対応する温度T(n)への温度調整を水温調整部27に発した後、吐出駆動部25eにオン駆動指令を発する、すなわち所望の温度の温水の吐出が実行される。
次に、本実施例3の自動温水吐出ルーチン内で動作する吐出駆動選択ルーチンの動作の第1の変形例について説明する。図32に、本実施例3の第1の変形例において制御部22が実行する吐出駆動選択ルーチンのフローチャートを示す。まず制御部22は、領域番号をカウントするための変数nを初期化(n=0に)する(ステップS341)。ここで変数nは正の整数とする。続いて、制御部22は、変数nに1加える(ステップS342)。次に、制御部22は、変数nがnmaxであるかどうか判別する(ステップS343)。ここで、nmaxは図25で示されたオン領域の分割数より1だけ大きい整数であり、本実施例3では6である。ステップS343において変数nがnmaxであると判別された場合、そのままルーチンを終了する。これに対して、ステップS343において変数nがnmaxでないと判別された場合、メインの自動温水吐出ルーチンで抽出された画素列番号を含む領域がセンサ領域d(n)かどうかを判別する(ステップS344)。例えば、n=1の場合、ステップS344では、抽出された画素列番号を含む領域が領域d(1)であるかどうかを判別することになる。ステップS344において、抽出された画素列番号を含む領域が、ある特定のオン領域、例えば領域d(1)であると判別した場合、制御部22は、距離算出処理を実行する(ステップS345)。この距離算出処理とは、本実施例3では、図9を用いて説明した方法によって実行されるが、任意の方法を用い得る。これに対して、ステップS344において、抽出された画素列番号を含む領域であると判別されなかった場合、ステップS342に戻って変数nにさらに1を加えて次の領域に対する判別を実行し、抽出された画素列番号を含む領域が特定されるまでステップS342からステップS344までの動作を繰り返す。
ステップS345によって被感知物体までの距離が算出されると、制御部22は、距離算出の基準位置となった画素列番号と算出された距離とに基づいて、感知された物体がステップS344で判別した領域D(n)の範囲内にあるかどうかを判別する(ステップS346)。すなわち、例えば、n=1の場合、ステップS346では、感知された物体が領域D(1)の範囲内にあるかどうかを判別することになる。ここで、本実施例3による感知センサ20のメモリ23には、実施例1のものと同様に、オン領域のそれぞれの画素列番号に対する距離の最小値及び最大値のデータが予め記憶されており、ステップS346での判別は、算出された距離がこの最小値と最大値との間の範囲にあるかどうかで判別する。ステップS346において算出された距離が領域D(n)の範囲内であると判別した場合、例えばn=1のとき、制御部22は、駆動指令出力部24から領域D(1)に対応する温度T(1)の水温調整指令を水温調整部27に発し(ステップS347)、続いて駆動指令出力部24から吐出駆動部25eにオン駆動指令を発して(ステップS348)、ルーチンを終了する。これに対して、ステップS346において、感知された物体がステップS344で判別した領域D(n)の範囲内にないと判別された場合、ステップS322に戻って変数nにさらに1を加えて次の領域に対する判別を実行し、抽出された画素列番号を含む領域が特定されかつ感知された物体がその特定した領域の範囲内にあると判別されるまでステップS342からステップS346までの動作を繰り返す。これら一連の動作によって、図25に示されるオン領域D(1)〜D(5)に対応するラインセンサからの出力を判別し、判別されたオン領域D(n)に対応する温度T(n)への温度調整を水温調整部27に発した後、吐出駆動部25eにオン駆動指令を発する、すなわち所望の温水の吐出が実行される。上記の変形例においては、感知された物体が所定のオン領域内にあるかどうかの判別を算出された距離を用いて行うため、感知された物体のより正確な位置を把握することが可能であり、さらに所定のオン領域を限定することによって感知センサの誤感知及び自動水栓装置の誤動作を防止することが可能となる。
次に、本実施例3の自動温水吐出ルーチン内で動作する吐出駆動選択ルーチンの動作の第2の変形例について説明する。図33に、本実施例3の第2の変形例において制御部22が実行する吐出駆動選択ルーチンのフローチャートを示す。まず制御部22は、領域番号をカウントするための変数n、感知した領域数をカウントするための変数i及び平均温度を換算するための変数TSを初期化(n=0、i=0、TS=0に)する(ステップS361)。ここで変数n及びiは正の整数とする。続いて、制御部22は、変数nに1加える(ステップS362)。次に、制御部22は、メインの自動温水吐出ルーチンで抽出された画素列番号を含む領域がセンサ領域d(n)かどうかを判別する(ステップS363)。例えば、n=1の場合、ステップS363では、抽出された画素列番号を含む領域が領域d(1)であるかどうかを判別することになる。この場合、領域d(1)ではないと判別した場合は、ステップS362に戻って変数nに1を加え、再びステップS363の判別を実施する動作を繰り返す。これに対して、ステップS363において、抽出された画素列番号を含む領域が、ある特定のオン領域、例えば領域d(1)であると判別した場合、制御部22は、変数TSに当該オン領域D(1)に対応する温度値T(1)を加えて(TS=TS+T(1)とする)、変数TSを更新する(ステップS364)。続いて、制御部22は、変数iに1加える(ステップS365)。この動作は、後のステップで温度の平均値を算出するために、ステップS364における変数TSの更新回数すなわち感知されたオン領域の数を積算するものである。次に、制御部22は、変数nがnmaxであるかどうか判別する(ステップS366)。ここで、nmaxは図25で示されたオン領域の分割数より1だけ大きい整数であり、本実施例3では6である。ステップS366において変数nがnmaxでないと判別された場合、ステップS362に戻って変数nにさらに1を加えて次の領域に対する判別を実行し、すべての領域についての判別が終了するまで、すなわち変数nがnmaxとなるまでステップS362からステップS366までの動作を繰り返す。このとき、ステップS363において複数のオン領域が抽出された画素列番号を含むと判別された場合は、変数TSは複数回積算されることになる。
一方、ステップS366において変数nがnmaxであると判別された場合、制御部22は、積算された変数TS及びiから平均温度Tout(つまりTout=TS/i)を算出する(ステップS367)。続いて、制御部22は、駆動指令出力部24から温度Toutに対応する水温調整指令を水温調整部27に発する(ステップS347)。ここで、上述のように、水温調整部27は、所定温度に対応する温度調整のための仕切り板位置すなわち雌ねじ駆動部の回転量のデータを予めメモリ23に記憶しているため、ステップS367で算出された温度Toutを容易に設定することができる。ステップS368の動作が終了すると、制御部22は、駆動指令出力部24から吐出駆動部25eにオン駆動指令を発して(ステップS369)、ルーチンを終了する。これら一連の動作によって、図25に示されるオン領域D(1)〜D(5)に対応するラインセンサからの出力を判別し、例えば、複数のオン領域に使用者の手等の物体が感知された場合、それらの領域を特定するとともに、対応する複数の温度の平均値を算出し、この温度の平均値に応じた駆動指令出力を水温調整部27及び吐出駆動部25eに発するため、複数のオン領域に対する中間または平均温度についての自動吐出が可能となる。
次に、本実施例3の自動温水吐出ルーチン内で動作する吐出駆動選択ルーチンの動作の第3の変形例について説明する。図34に、本実施例3の第3の変形例において制御部22が実行する吐出駆動選択ルーチンのフローチャートを示す。まず制御部22は、領域番号をカウントするための変数n、感知した領域数をカウントするための変数i及び平均温度を換算するための変数TSを初期化(n=0、i=0、TS=0に)する(ステップS381)。ここで変数n及びiは正の整数とする。続いて、制御部22は、変数nに1加える(ステップS382)。次に、制御部22は、メインの自動温水吐出ルーチンで抽出された画素列番号を含む領域がセンサ領域d(n)かどうかを判別する(ステップS383)。例えば、n=1の場合、ステップS383では、抽出された画素列番号を含む領域が領域d(1)であるかどうかを判別することになる。この場合、領域d(1)ではないと判別した場合は、ステップS382に戻って変数nに1を加え、再びステップS383の判別を実施する動作を繰り返す。これに対して、ステップS383において、抽出された画素列番号を含む領域が、ある特定のオン領域、例えば領域d(1)であると判別した場合、制御部22は、距離算出処理を実行する(ステップS384)。この距離算出処理とは、本実施例3では、図9を用いて説明した方法によって実行されるが、任意の方法を用い得る。ステップS384によって被感知物体までの距離が算出されると、制御部22は、距離算出の基準位置となった画素列番号と算出された距離とに基づいて、感知された物体がステップS383で判別した領域D(n)の範囲内にあるかどうかを判別する(ステップS385)。すなわち、例えば、n=1の場合、ステップS385では、感知された物体が領域D(1)の範囲内にあるかどうかを判別することになる。ここで、本実施例3による感知センサ20のメモリ23には、実施例1のものと同様に、オン領域のそれぞれの画素列番号に対する距離の最小値及び最大値のデータが予め記憶されており、ステップS385での判別は、算出された距離がこの最小値と最大値との間の範囲にあるかどうかで判別する。ステップS385において、感知された物体がステップS383で判別した領域D(n)の範囲内にないと判別された場合、ステップS382に戻って変数nにさらに1を加えて次の領域に対する判別を実行し、抽出された画素列番号を含む領域が特定されかつ感知された物体がその特定した領域の範囲内にあると判別されるまでステップS382からステップS385までの動作を繰り返す。これに対して、ステップS385において算出された距離が領域D(n)の範囲内であると判別した場合、例えば変数n=1のとき、変数TSに当該オン領域D(1)に対応する温度値T(1)を加えて(TS=TS+T(1)とする)、変数TSを更新する(ステップS386)。続いて、制御部22は、変数iに1加える(ステップS387)。この動作は、後のステップで温度の平均値を算出するために、ステップS386における変数TSの更新回数すなわち感知されたオン領域の数を積算するものである。次に、制御部22は、変数nがnmaxであるかどうか判別する(ステップS388)。ここで、nmaxは図25で示されたオン領域の分割数より1だけ大きい整数であり、本実施例3では6である。ステップS388において変数nがnmaxでないと判別された場合、ステップS382に戻って変数nにさらに1を加えて次の領域に対する判別を実行し、すべての領域についての判別が終了するまで、すなわち変数nがnmaxとなるまでステップS382からステップS388までの動作を繰り返す。このとき、ステップS385において複数のオン領域が抽出された画素列番号を含むと判別された場合は、変数TSは複数回積算されることになる。
一方、ステップS388において変数nがnmaxであると判別された場合、制御部22は、積算された変数TS及びiから平均温度Tout(つまりTout=TS/i)を算出する(ステップS389)。続いて、制御部22は、駆動指令出力部24から温度Toutに対応する水温調整指令を水温調整部27に発する(ステップS390)。ここで、上述のように、水温調整部27は、所定温度に対応する温度調整のための仕切り板位置すなわち雌ねじ駆動部の回転量のデータを予めメモリ23に記憶しているため、ステップS389で算出された温度Toutを容易に設定することができる。ステップS390の動作が終了すると、制御部22は、駆動指令出力部24から吐出駆動部25eにオン駆動指令を発して(ステップS391)、ルーチンを終了する。これら一連の動作によって、図25に示されるオン領域D(1)〜D(5)に対応するラインセンサからの出力を判別し、例えば、複数のオン領域に使用者の手等の物体が感知された場合、それらの領域を特定するとともに、対応する複数の温度の平均値を算出し、この温度の平均値に応じた駆動指令出力を水温調整部27及び吐出駆動部25eに発するため、複数のオン領域に対する中間または平均温度についての自動吐出が可能となる。上記の変形例においては、感知された物体が所定のオン領域内にあるかどうかの判別を算出された距離を用いて行うため、感知された物体のより正確な位置を把握することが可能であり、さらに所定のオン領域を限定することによって感知センサの誤感知及び自動水栓装置の誤動作を防止することが可能となる。
以上のような構成及び動作とすることによって、本実施例3による自動水栓装置11は、図25及び図29に示すように、感知センサ20のオン領域を所定の数だけ分割しそれぞれの領域に対応する温度を設定して、その基準となるラインセンサの出力データを予め記憶しておき、測距した物体の出力データと比較して基準データの所定範囲から外れた場合に、物体が対応するオン領域内に存在するかどうかを判別して、物体がオン領域内にある場合にその領域に応じた温度の水温調整を行ってから吐出駆動信号の出力を行うため、1つの感知センサ及び1つの吐出ノズルのみを用いて、所望の温度の温水の吐出を制御することが可能である。
また、本実施例3による自動水栓装置11は、図33及び図34に示すように、感知センサ20の複数のオン領域にまたがって物体を感知した場合に、それら複数のオン領域に対応する温度の平均値を算出して、その温度の平均値に応じた水温調整を行ってから吐出駆動信号の出力を行うため、設定された温度の中間温度等の所望の温度での温水の吐出を制御することが可能である。
以上の実施例から、本発明による自動水栓装置の構成を用いれば、複数の領域を識別可能なマルチパッシブ測距装置を含む感知センサを用いて、これら複数の領域に使用者の手を感知すると、その領域に応じた出力指令を発するため、1つの感知センサのみによって、複数の液体(特に湯水)の吐出を制御可能となる。
また、本発明による自動水栓装置は、感知センサのメモリに上述のオン領域に対する複数の基準データ範囲すなわち複数のセンサからの距離データ範囲を記憶しておくことによって、感知センサのマルチパッシブ測距装置の基線方向及び光軸方向について2次元のオン領域を設定することが可能である。このような構成によって、オン領域が隣り合う範囲を狭くすることが可能となり、感知センサによる誤感知を防止することができる。
さらに、本発明による自動水栓装置は、感知センサのマルチパッシブ測距装置が有するコントラスト重心位置算出機能を用いて、被感知物体のラインセンサからの出力データから物体のコントラスト重心すなわち最適な合焦位置及び距離を算出し、この重心位置に基づいて感知判別を行うように構成してもよい。このような構成によって、例えば使用者の手等の被感知物体が複数のオン領域にまたがって感知された場合でも、その物体の重心位置を特定し感知判別することによって、複数のオン領域での誤感知を防止することできる。なお、コントラスト重心位置の求め方については、公知技術(例えば、特開平8−75985号参照)であるため、本発明ではその説明を省略する。
また、各実施例において、複数の液体は、湯水及び液体石鹸に限らず、適宜変更可能である。また、水を加熱する手段は電気に限定されず、ガス等を用いても良い。また、本発明において、感知センサが感知する被感知物体は人の手に限るものではない。
以上、説明した実施例は、本発明を実施するための最良の形態の一つにすぎず、本発明はその趣旨を逸脱しない限り種々変化及び変形して実施可能である。
従来技術における自動手洗い装置の代表的な構成を示す斜視図である。 従来技術における自動手洗い装置の吐出ノズルとセンサのセンシング範囲との代表的な配置を示す平面図である。 本発明の実施例1における自動水栓装置の構成を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施例1における自動水栓装置の吐出ノズルと感知センサの感知領域との関係を示す平面図である。 本発明の実施例1における感知センサの構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1における自動水栓装置の内部に組み込まれた配管及び配線の系統図である。 図5に示す測距装置の詳細及び本発明による感知領域との関係を示す図である。 図7に示す領域側ラインセンサの詳細及び感知領域とラインセンサ上に設けられた画素列番号との関係を示す図である。 本実施例1における感知センサが実行する測距方法を説明するための図である。 本実施例1における感知センサの領域側ラインセンサのセンサ領域(画素列番号)とセンサ出力との関係を示しており、図10(a)は被感知物体を感知していない場合、図10(b)は被感知物体を感知した場合を模式的に示す図である。 本実施例1における感知センサの制御部が実行する自動液体吐出ルーチンのフローチャートである。 本実施例1における図11に示す自動液体吐出ルーチン内で実行される吐出駆動選択ルーチンのフローチャートである。 本実施例1の第1の変形例である感知センサの領域側ラインセンサのセンサ領域(画素列番号)と被感知物体の感知センサまでの距離との関係を示しており、図13(a)は被感知物体を感知していない場合、図13(b)は被感知物体を感知した場合を模式的に示す図である。 本実施例1の第1の変形例である図11に示す自動液体吐出ルーチン内で実行される吐出駆動選択ルーチンのフローチャートである。 本実施例1の第2の変形例を示しており、図15(a)は自動水栓装置の吐出ノズルと感知センサのセンシング領域との関係の変形例を示す平面図であり、図15(b)は感知センサの領域側ラインセンサのセンサ領域(画素列番号)とセンサ出力との関係を示す図である。 本発明の実施例2における自動水栓装置の吐出ノズルと感知センサの感知領域との関係を示す平面図である。 本発明の実施例2における感知センサの構成を示すブロック図である。 本発明の実施例2における自動水栓装置の内部に組み込まれた配管及び配線の系統図である。 本実施例2における感知センサの領域側ラインセンサのセンサ領域(画素列番号)とセンサ出力との関係を示しており、図19(a)は被感知物体を感知していない場合、図19(b)は被感知物体を感知した場合を模式的に示す図である。 本実施例2における感知センサの制御部が実行する自動湯水吐出ルーチンのフローチャートである。 本実施例2の第1の変形例である感知センサの制御部が実行する自動湯水吐出ルーチンのフローチャートである。 本実施例2における図20及び図21に示す自動湯水吐出ルーチン内で実行される吐出駆動選択ルーチンのフローチャートである。 本実施例2の第2の変形例である図20及び図21に示す自動湯水吐出ルーチン内で実行される吐出駆動選択ルーチンのフローチャートである。 本実施例2の第3の変形例である自動水栓装置の感知センサの配置を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施例3における自動水栓装置の吐出ノズルと感知センサの感知領域との関係を示す平面図である。 本発明の実施例3における感知センサの構成を示すブロック図である。 本発明の実施例3における自動水栓装置の内部に組み込まれた配管及び配線の系統図である。 図27で示す水温調整部の詳細を説明するための断面図である。 本実施例3における感知センサの感知領域と温度との関係及び感知センサの領域側ラインセンサのセンサ領域(画素列番号)とセンサ出力との関係を示しており、図19(a)はオン領域とこれに対応する温度との関係を示す図であり、図19(b)はラインセンサのセンサ領域とセンサ出力との関係における被感知物体を感知していない場合、図19(c)は被感知物体を感知した場合を模式的に示す図である。 本実施例3における感知センサの制御部が実行する自動温水吐出ルーチンのフローチャートである。 本実施例3における図30に示す自動温水吐出ルーチン内で実行される吐出駆動選択ルーチンのフローチャートである。 本実施例3の第1の変形例である図30に示す自動温水吐出ルーチン内で実行される吐出駆動選択ルーチンのフローチャートである。 本実施例3の第2の変形例である図30に示す自動温水吐出ルーチン内で実行される吐出駆動選択ルーチンのフローチャートである。 本実施例3の第3の変形例である図30に示す自動温水吐出ルーチン内で実行される吐出駆動選択ルーチンのフローチャートである。
符号の説明
11 自動水栓装置
15 手洗いボウル
16a、16b、16c、16d、16e 各実施例における吐出ノズル
20 感知センサ
21 マルチパッシブ測距装置
22 制御部
23 メモリ
24 駆動指令出力部
25a、25b、25c、25d、25e 各実施例における吐出駆動部
27 加熱給湯器
28 水温調整部
31a、31b レンズ
32a、32b ラインセンサ
33 出力部
L1、L2 距離
DL、DC、DR、D1、D2、D3、D(n) オン領域
dL、dC、dR、d1、d2、d3、d(n) センサ領域
T(n) オン領域に対応する温度
Tout 算出された平均温度

Claims (23)

  1. 複数の液体を吐出する複数の吐出ノズルと手洗い空間内の被感知物体の有無を感知する1つの感知センサとを有し、前記複数の吐出ノズルからの前記複数の液体の吐出の開始及び停止を自動的に行う自動水栓装置であって、
    前記感知センサは、一対のラインセンサによって同一平面上の異なる位置から被感知物体を撮像して出力データを出力する受光手段と、前記一対のラインセンサの基線方向に沿って設けられかつ前記複数の液体の各々に対応する複数の感知領域を特定する前記ラインセンサの基準データを記憶する記憶手段と、前記出力データを前記基準データと比較し、前記被感知物体が前記複数の感知領域のいずれに位置しているかを判別し、判別結果に応じた信号を出力する制御手段とを有し、
    前記複数の吐出ノズルは、前記複数の液体の吐出の開始及び停止の切替動作を実行する吐出駆動部を各々有し、
    前記吐出駆動部は、前記制御手段からの前記信号に応じて前記切替動作を行うことを特徴とする自動水栓装置。
  2. 前記基準データは、前記基線方向に直交する方向に沿って設けられた複数の感知領域を特定する基準データを更に含むことを特徴とする請求項1記載の自動水栓装置。
  3. 前記制御手段は、前記出力データを用いて前記受光手段と前記被感知物体との距離を算出し、当該距離から前記被感知物体が位置する感知領域を判別することを特徴とする請求項2記載の自動水栓装置。
  4. 前記制御手段は、前記一対のラインセンサによって撮像された前記被検知物体のコントラストから前記被検知物体の合焦位置を算出し、前記合焦位置に基づいて前記感知領域を判別することを特徴とする請求項1記載の自動水栓装置。
  5. 前記制御手段は、前記被感知物体が前記感知領域のいずれかに位置している場合に当該感知領域に対応する液体の吐出を開始する信号を出力し、前記被感知物体が前記感知領域から外れた場合はすべての液体の吐出を停止する信号を出力することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の自動水栓装置。
  6. 水又は湯を吐出する1本の吐出ノズルと手洗い空間内の被感知物体の有無を感知する1つの感知センサとを有し、前記吐出ノズルからの前記水又は湯の吐出の開始及び停止を自動的に行う自動水栓装置であって、
    前記感知センサは、一対のラインセンサによって同一平面上の異なる位置から被感知物体を撮像して出力データを出力する受光手段と、前記一対のラインセンサの基線方向に沿って設けられかつ前記水又は湯の各々に対応する2つの感知領域を特定する前記ラインセンサの基準データを記憶する記憶手段と、前記出力データを前記基準データと比較し、前記被感知物体が前記感知領域のいずれに位置しているかを判別し、判別結果に応じた信号を出力する制御手段とを有し、
    前記吐出ノズルは、前記水又は湯の吐出の開始及び停止の切替動作を実行する吐出駆動部を有し、
    前記吐出駆動部は、前記制御手段からの前記信号に応じて前記切替動作を行うことを特徴とする自動水栓装置。
  7. 前記基準データは、前記基線方向に直交する方向に沿って設けられた複数の感知領域を特定する基準データを更に含むことを特徴とする請求項6記載の自動水栓装置。
  8. 前記制御手段は、前記出力データを用いて前記受光手段と前記被感知物体との距離を算出し、当該距離から前記被感知物体が位置する感知領域を判別することを特徴とする請求項7記載の自動水栓装置。
  9. 前記制御手段は、前記一対のラインセンサによって撮像された前記被検知物体のコントラストから前記被検知物体の合焦位置を算出し、前記合焦位置に基づいて前記感知領域を判別することを特徴とする請求項6記載の自動水栓装置。
  10. 前記制御手段は、前記被感知物体が前記感知領域のいずれかに最初に感知されたときに当該感知領域に対応する液体の吐出を開始する信号を出力し、前記被感知物体が再び同一の領域で感知されたときに前記液体の吐出を停止する信号を出力することを特徴とする請求項6から9のいずれか1つに記載の自動水栓装置。
  11. 前記制御手段は、経過時間を積算するタイマー機能をさらに有し、前記吐出駆動部に吐出を開始する信号を出力した後から所定時間経過後に吐出を停止する信号を出力することを特徴とする請求項6から10のいずれか1つに記載の自動水栓装置。
  12. 前記感知センサの前記受光手段が、前記手洗い空間の外部に前記感知領域を有するように設けられていることを特徴とする請求項6から11のいずれか1つに記載の自動水栓装置。
  13. 温水を吐出する1本の吐出ノズルと前記温水の温度を調整する水温調整部と手洗い空間内の被感知物体の有無を感知する1つの感知センサとを有し、前記吐出ノズルからの前記温水の吐出の開始及び停止を自動的に行う自動水栓装置であって、
    前記感知センサは、一対のラインセンサによって同一平面上の異なる位置から被感知物体を撮像して出力データを出力する受光手段と、前記一対のラインセンサの基線方向に沿って設けられた複数の感知領域を特定する前記ラインセンサの基準データを記憶する記憶手段と、前記出力データを前記基準データと比較し、前記被感知物体が前記複数の感知領域のいずれに位置しているかを判別し、判別結果に応じた信号を出力する制御手段とを有し、
    前記複数の感知領域は、それぞれ複数の温水の温度に対応づけられており、
    前記水温調整部は、前記制御手段からの信号に応じて前記温水の温度を所定温度に調整し、
    前記吐出ノズルは、前記温水の吐出の開始及び停止の切替動作を実行する吐出駆動部を有し、
    前記吐出駆動部は、前記制御手段からの前記信号に応じて前記切替動作を行うことを特徴とする自動水栓装置。
  14. 前記基準データは、前記基線方向に直交する方向に沿って設けられた複数の感知領域を特定する基準データを更に含むことを特徴とする請求項13記載の自動水栓装置。
  15. 前記制御手段は、前記出力データを用いて前記受光手段と前記被感知物体との距離を算出し、当該距離から前記被感知物体が位置する感知領域を判別することを特徴とする請求項14記載の自動水栓装置。
  16. 前記水温調整部は、水及び湯をそれぞれ独立して取り入れ、前記制御手段からの前記信号に基づいて前記水及び湯の混合比を調整することによって、前記温水の温度を前記所定温度に調整することを特徴とする請求項13から15のいずれか1つに記載の自動水栓装置。
  17. 前記制御手段は、前記被検知物体が前記複数の感知領域のうちの複数の領域にわたって検知された場合に、前記複数の領域にそれぞれ対応づけられた温度の平均値を算出し、前記平均値に応じた信号を前記水温調整部に出力することを特徴とする請求項13から16のいずれか1つに記載の自動水栓装置。
  18. 前記制御手段は、前記被感知物体が前記感知領域のいずれかに位置している場合に、前記水温調整部に対して当該感知領域に対応する温度への水温調整の信号を出力してその後前記吐出駆動部に前記温水の吐出を開始する信号を出力し、前記被感知物体が前記感知領域から外れた場合は前記温水の吐出を停止する信号を出力することを特徴とする請求項13から17のいずれか1つに記載の自動水栓装置。
  19. 被感知物体の有無を感知し、互いに種類または温度の異なる複数の液体の吐出の開始及び停止を行う吐出装置を制御する感知センサであって、
    一対のラインセンサによって同一平面上の異なる位置から被感知物体を撮像して出力データを出力する受光手段と、
    前記一対のラインセンサの基線方向に沿って設けられかつ前記複数の液体の各々に対応する複数の感知領域を特定する前記ラインセンサの基準データを記憶する記憶手段と、
    前記出力データを前記基準データと比較し、前記被感知物体が前記複数の感知領域のいずれに位置しているかを判別し、判別結果に応じた信号を出力する制御手段とを有し、
    前記制御手段からの前記信号に応じて、前記吐出装置の前記吐出の開始及び停止の切替動作を行うことを特徴とする感知センサ。
  20. 前記基準データは、前記基線方向に直交する方向に沿って設けられた複数の感知領域を特定する基準データを更に含むことを特徴とする請求項19記載の感知センサ。
  21. 前記制御手段は、前記出力データを用いて前記受光手段と前記被感知物体との距離を算出し、当該距離から前記被感知物体が位置する感知領域を判別することを特徴とする請求項20記載の感知センサ。
  22. 前記制御手段は、前記一対のラインセンサによって撮像された前記被検知物体のコントラストから前記被検知物体の合焦位置を算出し、前記合焦位置に基づいて前記感知領域を判別することを特徴とする請求項19記載の感知センサ。
  23. 前記制御手段は、前記被感知物体が前記感知領域のいずれかに位置している場合に当該感知領域に対応する液体の吐出を開始する信号を出力し、前記被感知物体が前記感知領域から外れた場合はすべての液体の吐出を停止する信号を出力することを特徴とする請求項19から22のいずれか1つに記載の感知センサ。

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