JP7391711B2 - 給水装置 - Google Patents

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Description

本開示は給水装置に関するものである。
特許文献1には、2つのラインセンサによって複数の液体の吐出を制御する自動水栓装置が開示されている。
特開2005-207012号公報
しかし、鉢面が湾曲して滑らかに仕上げられている場合、鉢面からの反射光が集光され、ラインセンサでこの光を受光すると強いピークを検出する可能性があり、鉢面からの反射光を物体からの反射光であると誤判定してしまうおそれがある。このため、特許文献1のような構成の場合、鉢面からの反射光と物体からの反射光とを見分けるための判定処理を行う必要がある。しかし、このような判定処理を常に実行することは、消費電力が大きくなる要因であるため、より電力を抑えて鉢面からの反射光と物体からの反射光とを判定する手法の確立が望まれている。
本開示は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであって、誤判定を抑え、且つ消費電力を抑えた給水装置を提供することを解決すべき課題としている。
本開示の一つ目の給水装置は、物体を検知して吐水する給水装置であって、水栓と、吐水領域に向けて光を照射する発光部と、所定方向に配置された複数の受光素子を有し、前記吐水領域に位置する物体から反射した反射光を受光する受光部と、前記発光部が発光した発光状態における前記受光部から出力されたデータに基づいて、前記反射光の重心が移動したか否かを判定し、前記反射光の重心が移動しないと判別した場合、前記反射光が鏡面反射光であるか否かを判定する演算部と、前記反射光が前記鏡面反射光であると前記演算部が判別した場合、発光部からの発光の強さを弱くする制御部と、を備えている。
本開示の二つ目の給水装置は、物体を検知して吐水する給水装置であって、水栓と、吐水領域に向けて光を照射する発光部と、所定方向に配置された複数の受光素子を有し、前記吐水領域に位置する物体から反射した反射光を受光する受光部と、前記発光部が発光した発光状態における前記受光部から出力されたデータに基づいて、前記反射光の重心が移動したか否かを判定し、前記反射光の重心が移動しないと判別した場合、前記反射光の光量が変化したか否かを判定する演算部と、前記光量が変化していないと前記演算部が判別した場合、発光部からの発光の強さを弱くする制御部と、を備えている。
図1は、実施形態1の給水装置を備えた洗面台を示す斜視断面図である。 図2は、図1におけるA-A断面図である。 図3は、実施形態1における、ラインセンサを示す斜視図である。 図4は、第1撮像動作及び第2撮像動作のいずれかに応じた受光波形の一例である。 図5は、距離を利用した検知原理を説明する説明図である。 図6は、鉢面で反射光が発生する様子を示す説明図である。 図7は、鉢面からの反射光AからCが合成される様子を示す説明図である。 図8は、合成反射光の重心の受光量の位置が検知エリア内に属していることを示す説明図である。 図9は、合成反射光、白色試験片、及び人体表面を模擬した試験片によって得られた受光波形の比較を示すグラフである。 図10は、合成反射光、拡散反射光、及び鏡面反射光を正規化した受光波形の比較を示すグラフである。 図11は、鏡面判定処理の第1判定処理の説明図である。 図12は、鏡面判定処理の第2判定処理の説明図である。 図13は、鏡面判定処理の第3判定処理の説明図である。 図14は、受光量が移動することによって受光波形が変化した状態を示すグラフである。 図15は、実施形態1の給水装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図16は、実施形態1の給水装置における、発光部、重心移動判定処理、重心移動判定処理の判定結果、鏡面判定処理、及び鏡面判定処理の判定結果の状態の変化の一例を示すタイムチャートである。 図17は、受光量の大きさが変動することによって受光波形が変化した状態を示すグラフである。 図18は、実施形態2の給水装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図19は、実施形態2の給水装置における、発光部、重心移動判定処理、重心移動判定処理の判定結果、鏡面判定処理、鏡面判定処理の判定結果、光量変動判定処理、及び光量変動判定処理の判定結果の状態の変化の一例を示すタイムチャートである。 図20は、実施形態3の給水装置の動作の一例を示すフローチャートである。
<実施形態1>
図1に、実施形態1に係る給水装置が設けられた洗面台15を示す。洗面台15は、カウンタ155に、下方に向けて窪んで形成された鉢151が設けられている。鉢151の底部には、排水口152が開口して形成されている。
[給水装置の構成]
給水装置は、図1、2に示すように、吐水管16、水栓である電磁弁11、発光部25、受光部26、制御部3、及び演算部4を備えている。吐水管16は、カウンタ155の上面156に立設された略円柱状の胴部160と、この胴部160の台座をなす基部161と、を有している。胴部160は、鉢151側に傾けた状態で基部161に支持されている。鉢151側に面する胴部160の側面には、略円筒形の吐水部162が取り付けられ、その先端には、吐水口168が開口している。この吐水部162の上側に当たる胴部160の側面には、後述するセンサユニット2の検知面を形成するフィルタ板165が設けられている。フィルタ板165は、例えば、赤外領域の光を選択的に透過する合成樹脂で形成されている。電磁弁11は、吐水管16に給水する給水路12に設けられている。電磁弁11は、後述する制御部3によって開閉の制御がなされる。
センサユニット2は、図2に示すように、吐水管16に組み込まれている。センサユニット2は、発光部25であるLED素子251及び受光部26であるラインセンサ261を筐体21に収容された形態とされ、制御部3から供給される電力に基づいて動作する。発光部25は、赤外光を発するLED素子251と投光レンズ255とを有している。受光部26は、ラインセンサ261と集光レンズ265とを有している。発光部25と受光部26とは、遮光性を有した隔壁211を挟んで水平方向に並んで配置されている。
LED素子251は、発光素子本体250が透明な合成樹脂254によって封止されている。発光部25は、遮光性を有するケース252によってLED素子251が覆われている。ケース252には、縦方向(鉛直方向)のスリット253が形成されている。スリット253は、発光素子本体250から発する光の水平方向への拡がりが抑制された縦方向に延びるスリット光を吐水領域に向けて照射することができる。ここでいう吐水領域とは、吐水管16から吐水された水が通過し得る空間である。
ラインセンサ261は、図3に示すように、受光した量を電気的な物理量(例えば、電圧値)に変換する受光素子である画素260が直線状(すなわち、一次元)に配列されて形成されている。ラインセンサ261は、有効画素として64個の画素260を含んでいる。ラインセンサ261では、これら64個の画素260によって受光エリア263が形成されている。ラインセンサ261は、図示しない電子シャッターを備えており、電子シャッターによって各画素260の受光(露光)時間を調整することができる。ラインセンサ261は、受光する動作を実行する毎に撮像データを出力する。本実施形態における撮像データは、例えば、受光量を表す256階調の画素値(電圧値)が各画素260の並ぶ順に配列された1次元のデジタルデータである。
受光エリア263の長手方向は、発光部25と受光部26とが並ぶ方向(図2における左右方向)に一致するようにされている。つまり、受光部26は、所定方向に配置された複数の画素260を有している。センサユニット2は、ラインセンサ261の受光エリア263によって鉢151の内周面である鉢面150(図1参照)が位置する領域からの光が受光できるように、吐水管16に組み込まれている。つまり、ラインセンサ261が撮像できる範囲内に鉢面150が位置する。ラインセンサ261と鉢面150との間に手等の物体がない状態であれば、ラインセンサ261は物体からの反射光を受光することはない。ラインセンサ261と鉢面150との間に手等の物体がある状態であれば、ラインセンサ261は物体からの反射光を受光する。つまり、受光部26は、画素260が吐水領域に位置する物体から反射した反射光を受光するのである。
制御部3は、商用電源(図示せず)から電力が供給されることによって動作する。制御部3は、センサユニット2のLED素子251及びラインセンサ261や、電磁弁11の開閉の動作を制御する。制御部3は、例えばマイクロコンピュータを主体として構成されており、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)などのメモリ、A/D変換器等を有して電気基板に実装された形態にされている(図示せず。)。
制御部3は、LED素子251及びラインセンサ261の制御や、ラインセンサ261から撮像データ(各画素260の受光量の分布を表す受光波形)を読み出す機能を備えている。制御部3は、LED素子251の発光及びラインセンサ261の受光が行われる撮像動作を制御する。制御部3は、動作期間と非動作期間が交互に現れる間欠動作が行われるようにラインセンサ261の動作を制御する。制御部3は、前回の動作期間が終了してから所定時間(例えば、500ms。)が経過するまでラインセンサ261への電源供給を停止して非動作期間を設け、所定時間が経過したときに電源供給を再開して動作期間を設定する。制御部3による撮像動作としては、LED素子251の発光時間が40μsの第1撮像動作と、160μsの第2撮像動作と、がある。第1撮像動作及び第2撮像動作におけるLED素子251に印加される電圧は同様である。LED素子251が発光する時間は、第1撮像動作よりも第2撮像動作の方が長く(すなわち、電圧を印加する時間が長い)LED素子251における消費電力が大きい。第1撮像動作よりも第2撮像動作におけるLED素子251の発光する強さが強い。ここでいうLED素子251が発光する光の強さは、発光時間を長くしたり、LED素子251に流す電流や印加する電圧を大きくしたりすることによって強くなり、発光時間を短くしたり、LED素子251に流す電流や印加する電圧を小さくしたりすることによって弱くなる。LED素子251の発光する強さは、LED素子251における消費電力の大きさに対応している。
本実施形態では、1回の撮像動作の中で、LED素子251が発光した発光状態に同期したラインセンサ261の露光(受光)と、LED素子251が発光しない無発光状態に同期したラインセンサ261の露光(受光)と、が連続的に実行される。これら2度のラインセンサ261における受光時の撮像データの差分が、演算部4によって画素260毎の受光量L(x)として求められる。つまり、受光量L(x)は撮像データに基づくデータである。画素260毎の受光量L(x)が分布する受光波形は、周囲からの光(すなわち、LED素子251による発光以外の光)の影響が除かれて、主としてLED素子251において生じた光に起因した物体からの反射光の成分によって構成されたものである。
演算部4は、鏡面判定処理、エリア判定処理、及び重心移動判定処理等を実行し得る機能を備えている。演算部4は、例えばマイクロコンピュータを主体として構成されており、CPUなどの演算装置、ROM又はRAMなどのメモリ、A/D変換器等を有して電気基板に実装された形態にされている。演算部4は、制御部3と信号線Sを介して接続されており、制御部3を介してラインセンサ261からの撮像データを得て、この撮像データに基づいて、鏡面判定処理、エリア判定処理、及び重心移動判定処理を行う。演算部4は、鏡面判定処理、エリア判定処理、及び重心移動判定処理が実行された結果に基づいて、動作モードを後述する通常モード、及び省エネモードのいずれかに切り替えたり、物体を検知したことを示す検知信号を信号線Sを介して制御部3に向けて出力したりする。
[物体からの反射光の重心の位置を特定する方法について]
図4に示す受光波形は、各画素260の受光量L(x)を明示したものである。図4において、横軸xは、画素番号(所定方向に配置された各画素260の位置)を示し、縦軸yは、画素番号xの画素260における受光量L(x)(画素値)を示している。先ず、図4に示す受光波形を構成する画素260毎の受光量L(x)を積算して、すべての画素260(すなわち、64画素)の受光量L(x)の総和SLを求める。次に、受光エリア263の左端の画素(すなわち画素番号x=1)から順番に各画素260の受光量L(x)を積算して、積算された積算値が総和SLの半分の大きさに到達したかを判定する。そして、積算された積算値が総和SLの半分の大きさに到達したときの画素番号x=n(図4における黒丸が示す位置)の画素260の位置を物体からの反射光の重心として定義する。
[検知エリアについて]
検知エリアDは、センサユニット2を利用した三角測量の原理に基づいて設定されている。具体的には、洗面台15におけるセンサユニット2、鉢面150、物体である使用者の手の位置関係は、図5に示すように模式的に表現できる。LED素子251で生じた光のうち、物体Bによって反射した反射光がラインセンサ261に入射する際、ラインセンサ261から物体Bまでの距離Hに応じてその入射位置が変化する。具体的には、距離Hが短くなるほどラインセンサ261に入射する物体からの反射光の入射位置が図5における上側に向い、距離Hが長くなるほど下側に向かうことになる。物体からの反射光の入射位置に対応する受光量L(x)の重心の位置は、距離Hが短くなるほど画素番号xが小さくなる方向に移動し、距離Hが長くなるほど画素番号xが大きくなる方向に移動する。このように、ラインセンサ261に対する物体からの反射光の入射位置は、ラインセンサ261から物体Bまでの距離Hに対応しており、距離Hの大きさを表す指標として用いることができる。図4に示す検知エリアDは、吐水領域に対応するように受光エリア263内に設定されたエリアである。つまり、物体からの反射光の重心の位置に対応する画素260の受光量L(x)(以下、重心の受光量L(x)ともいう)の位置が検知エリアD内に属するときは、物体Bが吐水領域に位置することに対応し、重心の受光量L(x)の位置が検知エリアDよりも大きい画素番号xの位置に属するときは、物体Bが非吐水領域に位置することに対応している。
[鉢面からの反射光について]
ここで、鉢面150からの反射光について説明する。鉢151が陶器製の場合、鉢面150は、図6に示すように、表面をなす釉薬面150Yと、素地面150Sとの2層構造を有することになる。釉薬面150Yは、滑らかに形成され鏡面に近く反射率が高いため、照射された光を反射して鏡面反射光を生じる反射面として作用する。素地面150Sは、面性状が荒く反射率が低いので拡散した反射光を生じる反射面として作用する。
センサユニット2の真正面では、上記の2層構造の鉢面150に対して直交するようにLED素子251からの光が入射する。鉢面150に対して直交するように入射するLED素子251の光の大部分は、釉薬面150Yを透過して素地面150Sに到達し、拡散反射光Cとしてセンサユニット2に返ってくる。LED素子251からの光はスリット光である。しかし、この光は、左右方向にもある程度の拡がりを有している。このため、鉢面150に照射されるLED素子251からの光の中には、鉢面150に対して斜めに入射する光が含まれている。特に、発光部25と受光部26とが並ぶ方向において発光部25を挟み受光部26に対して反対側に照射される光については、鉢面150に対する入射角が一層小さくなり易い。このように鉢面150に対して光が斜めに入射すると、釉薬面150Yで鏡面反射が発生する可能性が高くなる。さらに、鉢面150が窪んで湾曲している場合、複数箇所で鏡面反射光A、B等が同時に発生し易い。
鉢面150において上記のような反射が発生すると、図7に示すように、鏡面反射光A、Bや拡散反射光Cなど同時発生した反射光が合成されて合成反射光となり受光部26に入射する。図8は、鉢面150の距離で生じた拡散反射光の受光波形(破線)と、図7の合成反射光の受光波形(実線)と、を対比したグラフである。図8に示すように、合成反射光の受光波形(実線)の受光量L(x)は、いずれの反射光(すなわち、鏡面反射光、拡散反射光)の受光量L(x)が大きいかによって重心位置が変動し、検知エリアD内に重心の受光量L(x)の位置がずれ込んでしまうことがある。合成反射光の受光波形(実線)の重心の受光量L(x)の位置が検知エリアD内にずれ込んだ場合、合成反射光の受光波形を物体からの反射光であると誤判定するおそれがある。
[鏡面判定処理について]
鏡面判定処理は、鉢面150による合成反射光(図7参照)を含め、鏡面反射光を確実に判定するための処理である。鏡面判定処理は、第1撮像動作、及び第2撮像動作によって得られた受光波形を利用して実行される。鏡面判定処理について説明するため、先ず、図9を参照し、拡散反射光による受光波形(▲プロット、◆プロット)と、鉢面150による合成反射光(図7参照)の受光波形(■プロット)と、の比較を説明する。▲プロットの受光波形は、白色の試験片を吐水領域内に配置したときに実測されたものである。◆プロットの受光波形は、拡散反射面である人体表面を模擬した試験片を吐水領域内に配置したときに実測されたものである。■プロットの受光波形は、鉢面150による合成反射光であり、演算部4において誤判定する可能性があるものである。
白色の試験片による拡散反射光の受光波形(▲プロット)と、合成反射光の受光波形(■プロット)とは、最大の受光量L(x)の大きさが似ている。一方、人体表面を模擬した試験片によって得られた受光波形(◆プロット)は、最大の受光量L(x)が小さく、そのままでは、合成反射光の受光波形との対比が容易でない。◆プロットの受光波形と、■プロットの受光波形と、を最大の受光量L(x)に基づいて正規化すると、受光量比率を縦軸に規定した図10に示すような受光波形が得られる。図10において、■プロットの合成反射光の受光波形を実線によって示し、◆プロットの拡散反射光の受光波形を破線によって示すと共に、対比のため、洗面台15に用いられる金具(図示せず)等による鏡面反射光の受光波形を一点鎖線で示している。
鏡面判定処理は、図10における一点鎖線の受光波形を鏡面反射光であると判別するための第1判定処理及び第2判定処理と、実線の合成反射光の受光波形(図7の合成反射光)を鏡面反射光であると判別するための第3判定処理と、を有している。第1判定処理は、洗面台15の金具等の鏡面反射光と、人体表面からの拡散反射光と、を最大の受光量L(x)の大きさで正規化したときに顕著に現れる傾斜勾配βの違いを利用して鏡面反射光であるか否かを判定する処理である。図10に示すように、人体等の検知対象からの拡散反射光はブロード(なだらか)な波形となる一方、鉢面150や金具等による鏡面反射光は急峻でシャープな傾斜勾配が大きい波形となっている。
第1判定処理では、図11に示すように、最大の受光量L(x)の大きさに向かう立ち上りの傾斜勾配に閾値αを設け、受光波形の傾斜勾配βが閾値αよりも大きいときに鏡面反射光と判定される。この処理によれば、図10における、傾斜勾配βが大きい一点鎖線の受光波形を鏡面反射光として判定可能である。一方、実線で示す合成反射光は、破線の拡散反射光と傾斜勾配βが似ているため、第1判定処理では鏡面反射光との判別ができないおそれがある。
第2判定処理は、図12に示すように、受光波形のうち、最大の受光量L(x)の大きさの50%の位置の波形幅(半値幅)Wによって受光波形の形状を定量化し、半値幅Wに関する閾値判断によって鏡面反射光であるか否かを判定する処理である。第2判定処理では、所定の閾値よりも半値幅Wが小さいとき、鏡面反射光として判定される。第2判定処理は、図10における半値幅Wが小さい一点鎖線の受光波形を鏡面反射光として判別することができる。一方、図10における合成反射光(実線)は、一点鎖線の受光波形よりも半値幅Wが大きく、拡散反射光(破線)の半値幅Wに近づいている。このため、第2判定処理では、図10における合成反射光が鏡面反射光であるとの判別ができないおそれがある。
第3判定処理は、図13に示すように、最大の受光量L(x)の大きさを中心とした局所領域における尖度を定量化して鏡面反射光であるか否かを判定する処理である。本実施形態では、最大の受光量L(x)の位置を中心とした局所領域である所定の画素範囲内において、最大の受光量L(x)の大きさの90%から100%の受光量範囲に属する画素数Nにより尖度を定量化している。第3判定処理は、画素数Nが所定の閾値以上である場合に鏡面反射光ではないと判別し、所定の閾値未満である場合に鏡面反射光であると判別する。図10における合成反射光(実線)は、一点鎖線の鏡面反射光と同様、上記の受光量範囲に属する画素数Nが少ない。第3判定処理は、合成反射光と拡散反射光との区別をすることができ、実線の合成反射光を確実に鏡面反射光であると判別することができる。
[エリア判定処理について]
エリア判定処理は、第1撮像動作、及び第2撮像動作によって得られた受光波形を利用して実行される。物体からの反射光の重心の位置が検知エリアD(図4参照)(所定範囲)内に属するか否かの判定を行う。具体的には、重心の受光量L(x)の位置が受光エリア263内に設定された検知エリアD内に属するか否かの判定を行う。
[重心移動判定処理について]
重心移動判定処理は、第1撮像動作、及び第2撮像動作によって得られた受光波形を利用して実行される。重心移動判定処理は、図14に示すように、物体からの反射光の重心の位置の移動量Mが、所定の移動量以上(例えば、5画素以上)移動したか否かを判定する処理である。演算部4は、複数回(例えば、連続する過去5回)における物体からの反射光の重心の位置の平均値を演算し得る構成とされている。重心移動判定処理において、演算部4は、複数回における物体からの反射光の重心の位置の平均値と、最も新しい(すなわち、現在の)物体からの反射光の重心の位置とによって移動量Mを算出し、こうして得られた移動量Mが所定の移動量以上であるか否かを判定するのである。移動量Mが所定の移動量以上であることは、反射光の重心の位置が移動したことに対応し、移動量Mが所定の移動量未満であることは、反射光の重心の位置が移動していないことに対応する。
[給水装置の動作について]
実施形態1の給水装置の動作の一例について、図15、16等を参照しつつ説明する。
給水装置は、図15に示すフローチャートを実行するにあたり、エリア判定処理、重心移動判定処理、及び鏡面判定処理等を実行し、これらの処理の結果に基づいて、動作モードを省エネモードと通常モードとに切り替え、動作モードの状態に基づいて電磁弁11を開閉する。通常モードは、鏡面判定処理、及び第2撮像動作を実行するモードである。省エネモードは、鏡面判定処理を実行せず、且つ第1撮像動作を実行するモードである。つまり、省エネモードは、通常モードに比べて制御部3や演算部4における演算を省き、制御部3や演算部4における消費電力を抑える(すなわち、省エネルギー化する)ことができる。動作モードは、例えば、省エネモードのときにハイレベルに設定され、通常モードのときにローレベルに設定される引数を設けておき、この引数に基づいて動作モードの状態を判定することが考えられる。
図15のフローチャートは、動作モードが省エネモード、及び通常モードのいずれかの状態で処理が実行される。図15のフローチャートは、演算部4において所定の周期で繰り返して実行される。先ず、制御部3がLED素子251の発光パターンに同期して第1撮像動作(省エネモードの場合)、及び第2撮像動作(通常モードの場合)のいずれかを実行した後、演算部4は、ステップS1において、エリア判定処理を実行する。演算部4は、ステップS1において、重心の受光量L(x)の位置が検知エリアD内に属さない(ステップS1におけるNo)と判別すると、ステップS9に移行して、動作モードを省エネモードに切り替える。
演算部4は、ステップS1において、重心の受光量L(x)の位置が検知エリアD内に属する(ステップS1におけるYes)と判別すると、ステップS2に移行して、動作モードが省エネモードか否かを判定する。演算部4は、ステップS2において省エネモードである(ステップS2においてYes)と判別すると、ステップS7に移行して重心移動判定処理を実行する。演算部4は、ステップS7において、物体からの反射光の重心の移動量Mが所定の移動量以上でない(ステップS7におけるNo)と判別すると処理を終了して、ステップS1に移行して処理を繰り返す。演算部4は、ステップS7において、物体からの反射光の重心の移動量Mが所定の移動量以上である(ステップS7におけるYes)と判別すると、ステップS8に移行して、動作モードを省エネモードから通常モードに変更する。演算部4が、撮像データに基づく受光量L(x)に基づいて、重心の受光量L(x)が検知エリアD内に属すると判別し、重心の受光量L(x)の位置が移動したと判別した場合、演算部4が動作モードを通常モードに変更することによって、制御部3は、発光部25の発光の強さを強くする(すなわち、発光部25を第2撮像動作させる)のである。
演算部4は、ステップS2において通常モードである(ステップS2においてNo)と判別すると、ステップS3に移行して重心移動判定処理を実行する。演算部4は、ステップS3において、物体からの反射光の重心の移動量Mが所定の移動量未満(ステップS3におけるNo)であると判別すると、ステップS4に移行して鏡面判定処理を実行する。つまり、演算部4は、ステップS3において反射光の重心が移動しないと判別した場合、反射光が鏡面反射光であるか否かを判定するのである。
演算部4は、ステップS4において、鏡面からの反射光である(ステップS4におけるYes)と判別すると、ステップS5に移行する。演算部4は、ステップS5において、ステップS4においてYesの判別が連続してn回なされた(ステップS5におけるYes)と判別すると、ステップS6に移行して、動作モードを通常モードから省エネモードに変更して処理を終了し、ステップS1に移行して処理を繰り返す。演算部4は、ステップS3においてYes、ステップS4においてNo、及びステップS5においてNoのいずれかと判別されると、処理を終了し、ステップS1に移行して処理を繰り返す。反射光が鏡面反射光であると演算部4が判別した場合、演算部4が動作モードを省エネモードに変更することによって、制御部3は、発光部25からの発光の強さを弱くする(すなわち、発光部25を第1撮像動作させる)。
[通常モードのときのフローチャートの流れ]
演算部4は、通常モードのときに吐水領域内に物体を検知したとき、ステップS1においてYes、ステップS2においてNoとの判別をし、ステップS3に移行する。ステップS3においてYesと判別された場合、移動する物体が吐水領域内に位置することを意味するため、この物体を発光部25における強い発光(第2撮像動作)によって強く照らした状態を維持し、吐水すべき物体であるか否かを判定し易い状態を維持するために通常モードが維持される。これに対して、ステップS3においてNoと判別した場合、移動しない物体が吐水領域内に位置する、すなわち、鏡面反射光を受光していると考えられるため、演算部4は、ステップS4に移行する。そして、演算部4は、ステップS4においてYes、ステップS5においてYesと判別すると、鏡面反射光を受光していると確定し、ステップS6において動作モードを通常モードから省エネモードに変更する。つまり、演算部4は、通常モードのときに吐水領域内に物体を検知したとき、吐水すべき物体を検知した場合に通常モードを維持し、鏡面反射光を受光している場合に省エネモードに変更するのである。動作モードが通常モードの場合、ステップS3において物体からの反射光の重心の移動量Mが所定の移動量未満(ステップS3におけるNo)である場合のみ鏡面判定処理が実行されることになる。このため、動作モードが通常モードであっても鏡面判定処理を常に実行しなくても済み、演算部4は、消費電力をより抑えることができる。
[省エネモードのときのフローチャートの流れ]
省エネモードのときに吐水領域内に物体を検知したとき、演算部4は、ステップS1においてYes、ステップS2においてYesとの判別をし、ステップS7に移行する。ステップS7においてYesと判別された場合、移動する物体が吐水領域内に位置することを意味するため、この物体を発光部25における強い発光(第2撮像動作)によってより強く照らし、吐水すべき物体であるか否かを判定し易くするために、動作モードが省エネモードから通常モードに変更される。これに対して、ステップS7においてNoと判別された場合、移動しない物体が吐水領域内に位置する、すなわち、鏡面反射光を受光しているため、省エネモードが維持される。つまり、演算部4は、省エネモードのときに吐水領域内に物体を検知したとき、吐水すべき物体を検知した場合に通常モードに変更し、鏡面反射光を受光している場合に省エネモードを維持するのである。
このときの発光部25、重心判定処理、重心判定処理の計算結果、鏡面判定、鏡面判定の計算結果の状態の変化を図16に示す。図16に示すように、時刻T1以降、LED素子251の素子は、160μsの発光時間(第2撮像動作)で周期的に発光を繰り返す。時刻T1において、演算部4は、重心移動判定処理が実行され、移動有りと判別する。時刻T1において、鏡面判定処理は実行されない。この動作は、ステップS3においてYesと判別することに対応している。
時刻T2以降、演算部4は、重心移動判定処理において移動無しとの判別を繰り返す。時刻T2以降、演算部4は、鏡面判定処理を繰り返してn回実行すると共に、鏡面判定処理においてYesの判別をn回繰り返す。そして、時刻T3に到達する。時刻T4において、LED素子251(発光部25)の発光時間は、160μsから40μsに変更される。この動作は、ステップS4においてYesとの判別がn回繰り返された後、ステップS6に移行し、次の周期に図16のフローチャートが繰り返されることに対応している。時刻T4以降、鏡面判定処理は実行されない。この動作は、次の周期に実行される図16のフローチャートにおいて、ステップS2においてYesと判別され、ステップS7においてNoとの判別が繰り返されることに対応している。
時刻T5において、演算部4は、再び重心移動判定処理において移動有りとの判別をする。この動作は、ステップS2においてYesと判別され、ステップS7においてYesと判別されステップS8において通常モードに変更されることに対応している。時刻T5において、鏡面判定処理は実行されない。
時刻T6以降、LED素子251(発光部25)の発光時間は、40μsから160μsに変更され、鏡面判定処理が繰り返される。この動作は、ステップS8が実行された後、図16のフローチャートが次の周期で再び実行され、ステップS2においてNo、ステップS3においてNo、ステップS4においてYesと判別される動作が繰り返されることに対応している。
上記のように構成された実施形態によれば、以下の効果を奏する。
実施形態1の給水装置は物体を検知して吐水する。この給水装置は電磁弁11と、吐水領域に向けて光を照射する発光部25と、所定方向に配置された複数の画素260を有し、吐水領域に位置する物体から反射した反射光を受光する受光部26と、発光部25が発光した発光状態における受光部26から出力された撮像データに基づく受光量L(x)に基づいて、重心の受光量L(x)の位置が移動したか否かを判定し、重心の受光量L(x)の位置が移動しないと判別した場合、反射光が鏡面反射光であるか否かを判定する演算部4と、反射光が鏡面反射光であると演算部4が判別した場合、発光部25からの発光の強さを弱くする制御部3とを備える。
この構成によれば、この給水装置は、重心の受光量L(x)の位置が移動しない場合に鏡面反射光であるか判定する。これによって、この給水装置は、鏡面反射光であるかの判定を重心の受光量L(x)の位置が移動しない場合に行うため、鏡面反射光に起因する誤判定を抑えるだけでなく、常に鏡面反射光の判定を行わずに済むため、消費電力を抑え易い。ここでいう鏡面反射光とは、鉢の表面や鉢に溜めた水の水面で反射した光である。ここでいう反射光の重心とは、反射光の最も明るい部分(重心の受光量L(x)の位置)を含む領域である。
演算部4が撮像データに基づく受光量L(x)に基づいて、重心の受光量L(x)が検知エリアD(所定範囲)内に属すると判別した場合、制御部3は、重心の受光量L(x)の位置が移動したと演算部4が判別した場合、発光部25の発光の強さを強くする。この構成によれば、給水装置は、重心の受光量L(x)の位置が移動したと演算部4が判別した場合、発光部25の発光を強くすることによって、物体の検知を正確に行うことができる。
<実施形態2>
実施形態2の給水装置は、演算部4において、光量変動判定処理を実行する点が実施形態1と相違する。実施形態1と同一の構成は同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
実施形態2の給水装置は、実施形態1の給水装置の機能を全て含み、実施形態1において説明した制御を全て実施し得る。
実施形態2の給水装置の演算部4は、鏡面判定処理、エリア判定処理、及び重心移動判定処理等に加えて、光量変動判定処理を実行し得る機能を備えている。光量変動判定処理は、第1撮像動作、及び第2撮像動作によって得られた受光波形を利用して実行される。光量変動判定処理は、重心の受光量L(x)の大きさが、所定の変動量以上変動したか否かを判定する処理である。演算部4は、複数回(例えば、連続する過去5回)における重心の受光量L(x)の大きさの平均値を演算し得る構成とされている。光量変動判定処理において、演算部4は、複数回における重心の受光量L(x)の大きさの平均値と、最も新しい(すなわち、現在の)重心の受光量L(x)の大きさとによって受光量L(x)の変動量Fを算出し、こうして得られた変動量Fが所定の変動量以上であるか否かを判定するのである(図17参照。)。変動量Fが所定の変動量以上であることは、反射光の光量が変化したことに対応し、変動量Fが所定の変動量未満であることは、反射光の光量が変化していないことに対応する。ここでいう反射光の光量とは、重心の受光量L(x)の大きさである。
[給水装置の動作について]
実施形態2の給水装置の動作の一例を示すフローチャートを図18に示す。図18に示すフローチャートにおいて、演算部4は、ステップS4、ステップS5、及びステップS6のいずれかを実行した後、ステップS10に移行して光量変動判定処理を実行する。つまり、演算部4は、ステップS3において反射光の重心が移動したか否かを判定し、反射光の重心が移動しない(ステップS3におけるNo)と判別した場合、ステップS10において反射光の光量が変化したか否かを判定するのである。演算部4は、ステップ10において、重心の受光量L(x)の変動量Fが所定の変動量未満(ステップS10におけるNo)であると判別すると、ステップS11に移行する。演算部4は、ステップS11において、ステップS10においてYesの判別が連続してm回なされた(ステップS11におけるYes)と判別すると、ステップS12に移行して、動作モードを通常モードから省エネモードに変更する。演算部4は、ステップS10、ステップS11、及びステップS12のいずれかが実行された後処理を終了して、ステップS1に移行して処理を繰り返す。そして、反射光の光量が変化していないと演算部4が判別した場合、演算部4が動作モードを省エネモードに変更することによって、制御部3は、発光部25からの発光の強さを弱くする(すなわち、発光部25を第1撮像動作させる)のである。
実施形態2の給水装置は、鏡面判定処理の後に光量変動判定処理を実行することによって、鏡面反射光ではないと判別された受光波形において重心の受光量L(x)の大きさが変動しない場合であっても動作モードを省エネモードにすることができる。このような状況は、例えば、吐水領域内に箱等の動かない物体を配置した場合に起こり得る。
このときの発光部25、重心移動判定処理、重心移動判定処理の判定結果、鏡面判定処理、鏡面判定処理の判定結果、光量変動判定処理、及び光量変動判定処理の判定結果の状態の変化を図19に示す。図19に示すように、時刻T11以降、LED素子251は、160μsの発光時間(第2撮像動作)で周期的に発光を繰り返す。時刻T11において、演算部4は、重心移動判定処理において移動有りとの判別をする。時刻T11において、鏡面判定処理及び光量変動判定処理は実行されない。この動作は、図18におけるステップS3においてYesと判別することに対応している。
時刻T12以降、演算部4は、重心移動判定処理において移動無しとの判別を繰り返す。時刻T12以降、演算部4は、鏡面判定処理を繰り返してn回実行すると共に、鏡面判定処理においてYesとの判別をn回繰り返す。これと共に、時刻T12以降、演算部4は、光量変動判定処理を繰り返してm回実行すると共に、光量変動判定処理において変動無しとの判別をm回繰り返す。そして、時刻T13に到達する。この動作は、図18におけるステップS4においてYesとの判別がn回繰り返されること、及びステップS10においてNoとの判別がm回繰り返されることに対応している。
時刻T14において、LED素子251(発光部25)の発光時間は、160μsから40μsに変更される。この動作は、ステップS4においてYesとの判別がn回繰り返された後、ステップS6に移行、及びステップS10においてNoとの判別がm回繰り返された後、ステップS12に移行した後、次の周期に図18のフローチャートが繰り返されることに対応している。時刻T14以降、鏡面判定処理及び光量変動判定処理は実行されない。この動作は、次の周期に実行される図18のフローチャートにおいて、ステップS2においてYesと判別され、ステップS7においてNoとの判別が繰り返されることに対応している。
実施形態2の給水装置は、物体を検知して吐水する。この給水装置は電磁弁11と、吐水領域に向けて光を照射する発光部25と、所定方向に配置された複数の画素260を有し、吐水領域に位置する物体から反射した反射光を受光する受光部26と、発光部25が発光した発光状態における受光部26から出力される撮像データに基づく受光量L(x)に基づいて、重心の受光量L(x)の位置が移動したか否かを判定し、重心の受光量L(x)の位置が移動しないと判別した場合、反射光の光量が変化したか否かを判定する演算部4と、光量が変化していないと演算部4が判別した場合、発光部25からの発光の強さを弱くする制御部3とを備える。
この構成によれば、この給水装置は、重心の受光量L(x)の位置が移動していない場合に反射光の光量の変化を判定する。これによって、この給水装置は、反射光の光量の変化の判定を重心の受光量L(x)の位置が移動しない場合に行うため、反射光の光量の変化に起因する誤判定を抑えるだけでなく、常に反射光の光量の変化の判定を行わずに済むため、消費電力を抑え易い。ここでいう反射光の光量とは、重心の受光量L(x)の大きさである。
<実施形態3>
実施形態3の給水装置は、エリア判定処理において、重心の受光量L(x)の位置が検知エリアD内に属していないと判別された場合に重心移動判定処理を実行する点が実施形態1、2と相違する。実施形態1と同一の構成は同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
実施形態3の給水装置は、実施形態1の給水装置の機能を全て含み、実施形態1において説明した制御を全て実施し得る。
[給水装置の動作について]
実施形態3の給水装置の動作の一例を示すフローチャートを図20に示す。演算部4は、図20に示すフローチャートにおけるステップS1おいて、重心の受光量L(x)の位置が検知エリアD内に属さない(ステップS1におけるNo)(すなわち、重心の受光量L(x)の位置が検知エリアD外に属する)と判別すると、ステップS20に移行して、重心移動判定処理を実行する。演算部4は、ステップS20において、物体からの反射光の重心の移動量Mが所定の移動量未満(ステップS20におけるNo)であると判別すると、ステップS22に移行して、動作モードを省エネモードに設定する。演算部4は、ステップS20において、物体からの反射光の重心の移動量Mが所定の移動量以上(ステップS20におけるYes)である(すなわち、反射光の重心が移動した)と判別すると、ステップS21に移行して、動作モードを通常モードに設定する。これによって、制御部3は、発光部25の発光の強さを強くする(すなわち、発光部25を第2撮像動作させる)のである。演算部4は、ステップS21、及びステップS22のいずれかを実行した後処理を終了し、ステップS1に移行して処理を繰り返す。
ステップS20の重心移動判定処理は、物体が吐水領域に位置しないと想定される場合に実行される。これに対して、ステップS7の重心移動判定処理は、物体が吐水領域内に位置すると想定される場合に実行される。このため、吐水の応答性を向上させるために、ステップS7は、ステップS20に比べて、動作モードを省エネモードから通常モードに直ちに変更することが好ましい。したがって、ステップS7において、物体からの反射光の重心の移動量Mと比較される所定の移動量(第1判定閾値)の大きさは、ステップS20において、物体からの反射光の重心の移動量Mと比較される所定の移動量(第2判定閾値)よりも小さく設定することが好ましい。これによって、ステップS7は、ステップS20に比べて、重心の受光量L(x)の位置が移動したと判別し易くなる。つまり、重心の受光量L(x)の位置が検知エリアD内に属すると判別した場合における重心の受光量L(x)の位置が移動したか否かを判定する際の第1判定閾値よりも、重心の受光量L(x)の位置が検知エリアD外に属すると判別した場合における重心の受光量L(x)の位置が移動したか否かを判定する際の第2判定閾値のほうが大きいのである。
実施形態3の給水装置は、重心の受光量L(x)の位置が検知エリアD内に属さない状態のときに重心移動判定処理を実行することによって、吐水領域外に位置する物体が吐水領域内に進入することに備えて動作モードを通常モードにしておくことができる。これによって、この給水装置は、物体が吐水領域内に進入しても、直ちに物体を発光部25における発光によって強く照らすことができ、物体の検知を良好にすることができる。
演算部4が、撮像データに基づく受光量L(x)に基づいて、重心の受光量L(x)の位置が検知エリアD(所定範囲)外に属すると判別した場合、制御部3は、重心の受光量L(x)の位置が移動したと演算部4が判別した場合、発光部25の発光の強さを強くする。この構成によれば、この給水装置は、重心の受光量L(x)が検知エリアD外に属すると判別した段階で重心の受光量L(x)に位置の移動を判定する。そして、発光部25が発光する光の強さを予め強くしておく。これによって、重心の受光量L(x)の位置が検知エリアD(所定範囲)内に移動することに備えることができる。
この給水装置は、重心の受光量L(x)の位置が検知エリアD(所定範囲)内に属すると判別した場合における重心の受光量L(x)の位置が移動したか否かを判定する際の第1判定閾値よりも、重心の受光量L(x)の位置が検知エリアD(所定範囲)外に属すると判別した場合における重心の受光量L(x)が移動したか否かを判定する際の第2判定閾値のほうが大きい。この構成によれば、重心の受光量L(x)の位置に応じて重心の受光量L(x)の位置が移動したか否かを判定する際に用いる閾値を異ならせることによって、発光部25の発光を強くする制御をきめ細かく行うことができる。
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態1から3に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
(1)実施形態1では、重心の受光量L(x)の位置を各画素の値を積算することによって求めている。これに限らず、各画素における最も画素値が大きい画素を反射光の重心として用いてもよい。この場合、積算して重心の位置を求める方法に比べて演算部における消費電力を抑えることができる。
(2)実施形態1では、第1撮像動作においてLED素子の発光時間が40μsであり、第2撮像動作においてLED素子の発光時間が160μsとされている。しかし、LED素子の発光時間はこれに限られない。
(3)実施形態1では、重心移動判定処理において、重心の受光量L(x)の位置の移動量が、5画素以上移動したか否かを判定することを例示している。しかし、判定に用いる画素の数はこれに限られない。
(4)実施形態1では、受光部としてラインセンサが用いられている。これに限らず、受光部として、所定方向に並べられた複数のフォトダイオードを用いてもよい。
(5)実施形態1では、発光部としてLED素子が用いられている。これに限らず、発光部として、半導体レーザー素子を用いてもよい。
(6)実施形態1では、演算部が、連続する過去5回における物体からの反射光の重心の位置の平均値を演算し得る構成とされている。しかし、平均値を演算する際に用いる過去のデータの数はこれに限らない。
(7)実施形態2では、鏡面判定処理がYesの判別を繰り返してn回カウントし、光量変動判定処理において変動無しとの判別を繰り返してm回カウントしている。鏡面判定処理がYesの判別を繰り返す回数、及び光量変動判定処理において変動無しとの判別を繰り返す回数は同じであっても良く、異なっていても良い。
(8)実施形態2の構成及び実施形態3の構成を両方含めた実施形態であってもよい。
(9)実施形態1では、通常モードにおいて鏡面判定処理、及び第2撮像動作を実行し、省エネモードにおいて鏡面判定処理を実行せず、第1撮像動作を実行している。これに限らず、通常モードにおいて鏡面判定処理、及び第2撮像動作のいずれかを実行してもよく、省エネモードにおいて鏡面判定処理を実行しない、及び第1撮像動作を実行する、のいずれかを選択してもよい。
(10)実施形態1では、ラインセンサへの電源供給を停止する非動作期間を500msとしている。しかし、非動作期間の時間はこれに限らない。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されない。
3…制御部、4…演算部、11…電磁弁(水栓)、25…発光部、26…受光部

Claims (5)

  1. 物体を検知して吐水する給水装置であって、
    水栓と、
    吐水領域に向けて光を照射する発光部と、
    所定方向に配置された複数の受光素子を有し、前記吐水領域に位置する物体から反射した反射光を受光する受光部と、
    前記発光部が発光した発光状態における前記受光部から出力されたデータに基づいて、前記反射光の重心が移動したか否かを判定し、前記反射光の重心が移動しないと判別した場合、前記反射光が鏡面反射光であるか否かを判定する演算部と、
    前記反射光が前記鏡面反射光であると前記演算部が判別した場合、前記発光部からの発光の強さを弱くする制御部と、
    を備える給水装置。
  2. 物体を検知して吐水する給水装置であって、
    水栓と、
    吐水領域に向けて光を照射する発光部と、
    所定方向に配置された複数の受光素子を有し、前記吐水領域に位置する物体から反射した反射光を受光する受光部と、
    前記発光部が発光した発光状態における前記受光部から出力されたデータに基づいて、前記反射光の重心が移動したか否かを判定し、前記反射光の重心が移動しないと判別した場合、前記反射光の光量が変化したか否かを判定する演算部と、
    前記光量が変化していないと前記演算部が判別した場合、前記発光部からの発光の強さを弱くする制御部と、
    を備える給水装置。
  3. 前記演算部が、前記データに基づいて、前記反射光の重心が所定範囲内に属すると判別した場合、
    前記制御部は、前記反射光の重心が移動したと前記演算部が判別した場合、前記発光部の発光の強さを強くする請求項1から請求項2までのいずれか1項に記載の給水装置。
  4. 前記演算部が、前記データに基づいて、前記反射光の重心が前記所定範囲外に属すると判別した場合、
    前記制御部は、前記反射光の重心が移動したと前記演算部が判別した場合、前記発光部の発光の強さを強くする請求項3に記載の給水装置。
  5. 前記反射光の重心が所定範囲内に属すると判別した場合における前記反射光の重心が移動したか否かを判定する際の第1判定閾値よりも、前記反射光の重心が所定範囲外に属すると判別した場合における前記反射光の重心が移動したか否かを判定する際の第2判定閾値のほうが大きい請求項4に記載の給水装置。
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