JP2005206990A - 印刷用紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】 嵩高で印刷特性に優れた印刷用紙が得られるようにする。
【解決手段】 原料パルプとして機械パルプを含有する印刷用紙において、前記機械パルプを、加圧ストーングランドパルプ(PGW)を少なくとも10重量%以上含有し、JIS P 8220に準拠した方法によるTAPPI UM 240に基づく機械パルプの結束繊維含有量を、スリット幅0.30mmで0.050重量%以下、スリット幅0.20mmで0.030重量%以下として、嵩高なパルプが得られるようにし、もって抄紙工程で緊度の低い、ポーラスな紙を製造することができるようにする。
【選択図】 なし
【解決手段】 原料パルプとして機械パルプを含有する印刷用紙において、前記機械パルプを、加圧ストーングランドパルプ(PGW)を少なくとも10重量%以上含有し、JIS P 8220に準拠した方法によるTAPPI UM 240に基づく機械パルプの結束繊維含有量を、スリット幅0.30mmで0.050重量%以下、スリット幅0.20mmで0.030重量%以下として、嵩高なパルプが得られるようにし、もって抄紙工程で緊度の低い、ポーラスな紙を製造することができるようにする。
【選択図】 なし
Description
本願発明は、嵩高で印刷特性に優れた印刷用紙に関するものである。
一般に、印刷用の中質紙、更紙は、一定の米坪量で厚みがあり、緊度の小さい即ち嵩高となる特徴をもつ必要がある。
従来、印刷用の中質紙や更紙に使用する機械パルプは、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、脱インキパルプ(DIP)の使用が一般的であるが、そのうち原料配合の30〜40重量%を占めるPGWの原料フリーネスを如何に高くして紙の緊度を下げ、ポーラスにするかにより、量目損率の低減を図ることができる。本来、PGWは、中質紙、微塗工紙、グラビア用紙など印刷適性、ピッキング、ヒートセットラフニングを防止するために原料フリーネスは、30〜90mlC.S.F.と繊維をできるだけ短くして製造されることとなっているが、このような原料フリーネスでは、嵩高な紙を製造する原料には適さない。
ところで、原紙を構成するパルプとしてJIS P 8121によるフリーネスが特定の範囲(例えば、35〜62mlC.S.F.)で且つ緊度が特定の範囲(例えば、0.34〜0.43g/cm3)にある機械パルプを特定の配合比率(例えば、絶乾重量当たり40〜80重量%)で用いるようにしたものが提案されている(特許文献1参照)。
上記特許文献1に開示されている技術においても、原料パルプのJIS P 8121によるフリーネスが35〜62mlC.S.F.の範囲とされているため、嵩高な印刷用紙を製造するのには適していない。
本発明者らは、上記した事情に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、原料パルプ中に含まれる機械パルプが、加圧ストーングランドパルプ(PGW)を所定量以上含有し、JIS P 8220に準拠した方法によるTAPPI UM 240に基づくスリット幅0.30mmでの結束繊維含有量を所定値以下とし且つスリット幅0.20mmでの結束繊維含有量を所定値以下とすることにより、抄紙工程で緊度の低い、ポーラスな紙を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、嵩高で印刷特性に優れた印刷用紙が得られるようにすることを目的としている。
本願発明の印刷用紙は、原料パルプとして機械パルプを含有する印刷用紙において、前記機械パルプが、加圧ストーングランドパルプ(PGW)を少なくとも10重量%以上含有し、JIS P 8220に準拠した方法によるTAPPI UM 240に基づく機械パルプの結束繊維含有量が、スリット幅0.30mmで0.050重量%以下、スリット幅0.20mmで0.030重量%以下であることを特徴としている。
上記のように構成したことにより、嵩高なパルプが得られることとなり、抄紙工程で緊度の低い、ポーラスな紙を製造することができる。なお、機械パルプにおける結束繊維含有量がJIS P 8220に準拠した方法によるTAPPI UM 240に基づくスリット幅0.30mmで0.050重量%を超え且つスリット幅0.20mmで0.030重量%を超えると、嵩高なパルプが得られにくくなり、緊度の低い紙が得られなくなる。
本願発明の印刷用紙において、前記原料パルプ中に、液体もしくは融点が45℃以下で、且つHLB価が7以下である嵩高柔軟剤を原料パルプ比4〜10kg/トン添加して抄紙した場合、何らかの原因により抄紙の乾燥工程で紙面温度が低くなった場合でも十分な嵩高性を示し且つ柔軟性に優れた紙が得られる。
また、本願発明の印刷用紙において、抄紙時には、原料パルプに対して0.01〜1.0重量%のサイズ剤が添加され、該サイズ剤は、パルプスラリーに添加する内面サイジングあるいは抄紙した紙に塗布する表面サイジングすることにより、サイズ剤を併用して抄紙した場合、高いサイズ性を確保することができる。
本願発明の印刷用紙によれば、原料パルプとして機械パルプを含有する印刷用紙において、前記機械パルプを、加圧ストーングランドパルプ(PGW)を少なくとも10重量%以上含有し、JIS P 8220に準拠した方法によるTAPPI UM 240に基づく機械パルプの結束繊維含有量を、スリット幅0.30mmで0.050重量%以下、スリット幅0.20mmで0.030重量%以下としたので、嵩高なパルプが得られることとなり、抄紙工程で緊度の低い、ポーラスな紙を製造することができるという効果がある。
本願発明の印刷用紙において、前記原料パルプ中に、液体もしくは融点が45℃以下で、且つHLB価が7以下である嵩高柔軟剤を原料パルプ比4〜10kg/トン添加して抄紙した場合、何らかの原因により抄紙の乾燥工程で紙面温度が低くなった場合でも十分な嵩高性を示し且つ柔軟性に優れた紙が得られる。
また、本願発明の印刷用紙において、抄紙時には、原料パルプに対して0.01〜1.0重量%のサイズ剤が添加され、該サイズ剤は、パルプスラリーに添加する内面サイジングあるいは抄紙した紙に塗布する表面サイジングすることにより、サイズ剤を併用して抄紙した場合、高いサイズ性を確保することができる。
以下、本願発明を好適な実施の形態について説明する。
この印刷用紙は、印刷用の中質紙あるいは更紙として使用されるものであり、機械パルプが、加圧ストーングランドパルプ(PGW)を少なくとも10重量%以上含有し、JIS P 8220に準拠した方法によるTAPPI UM 240に基づく機械パルプの結束繊維含有量が、スリット幅0.30mmで0.050重量%以下、スリット幅0.20mmで0.030重量%以下であることを特徴としている。
上記のように構成したことにより、嵩高なパルプが得られることとなり、抄紙工程で緊度の低い、ポーラスな紙を製造することができる。なお、機械パルプにおける結束繊維含有量がJIS P 8220に準拠した方法によるTAPPI UM 240に基づくスリット幅0.30mmで0.005重量%を超え且つスリット幅0.20mmで0.030重量%を超えると、嵩高なパルプが得られにくくなり、緊度の低い紙が得られなくなる。ここで、JIS P 8220に準拠した方法によるTAPPI UM 240とは、実験室用フラットスクリーンを用いて機械パルプ中の結束繊維量を測定する方法のことである。
本願発明の印刷用紙において、前記原料パルプ中に、液体もしくは融点が45℃以下で、且つHLB価が7以下である嵩高柔軟剤を原料パルプ比4〜10kg/トン添加して抄紙することもでき、そのようにした場合、何らかの原因により抄紙の乾燥工程で紙面温度が低くなった場合でも十分な嵩高性を示し且つ柔軟性に優れた紙が得られる。
また、本願発明の印刷用紙において、抄紙時には、原料パルプに対して0.01〜1.0重量%のサイズ剤が添加され、該サイズ剤は、パルプスラリーに添加する内面サイジングあるいは抄紙した紙に塗布する表面サイジングすることにより、サイズ剤を併用して抄紙した場合、高いサイズ性を確保することができる。
本願発明に用いられる嵩高柔軟剤とは、分子内に疎水基と親水基とを両方持っているものであって、現在よく知られているものは界面活性剤である。その例として、高級アルコール及び高級脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物などを挙げることができる。紙を嵩高柔軟にすることが可能な薬品であれば特に界面活性剤に限定されることはない。また、脂肪族ポリアミドアミン化合物の中にも嵩高柔軟効果を有するものがあることも知られている。現在、販売されている嵩高柔軟剤としては、BASF社のスルゾールVL、Bayer社のバイボリュームPリキッド、三晶(株)のリアクトペイク(不透明性向上剤)、花王(株)のKB−08T、KB−115といった薬品が挙げられる。嵩高柔軟の機構については明らかでなく、しかも嵩高柔軟剤として上市されている薬品の組成は同一ではないが、いずれにしても抄紙時にパルプ繊維に定着し、パルプ繊維間の結合距離を増すことにより嵩高柔軟性が発現すると考えられている。
嵩高柔軟化のメカニズムとしては、嵩高柔軟剤がドライヤーの熱で融解し繊維表面を覆う結果、繊維自体が疎水化され、繊維間水素結合が阻害されて嵩高柔軟効果が発現すると考えられている。ところが、何らかの原因で乾燥工程の効率が低下して紙面温度が十分に上がらなくなった場合、嵩高柔軟剤が融解しないため被覆性が低下し、繊維が十分に疎水化されず、繊維間水素結合が生成してしまい十分な嵩高柔軟性を示さなくなる。また、嵩高柔軟剤が融解したとしても、紙に十分な熱がかからない場合は、融解する前に繊維間水素結合が生成してしまい、十分な嵩高柔軟効果を示しにくくなる。一般的な抄紙機の乾燥工程における紙面温度は、湿紙の温度が一定になるまでの期間(予熱乾燥期間)で40℃から55℃、それ以降の湿紙の温度は55℃から80℃程度である。また、嵩高柔軟性は、一般にパルプの繊維間結合が形成される前の予熱乾燥期間で効果が発現し始める。
そこで、紙面温度、特に予熱乾燥期間の紙面温度と紙の嵩高柔軟性の関係について検討した結果、少量の熱量で容易に融解することが可能であり、室温で液体であるか若しくは融点が45℃以下である嵩高柔軟剤を使用することにより、繊維表面を効率よく疎水化し、効果的に低密度且つ柔軟性の改善された紙を抄造できることを見いだした。
一般に、高級飽和脂肪酸エステルは常温で固体である場合が多いが、高級不飽和脂肪酸エステルや高級分岐脂肪酸エステルはほとんどが液体であり、また、固体であっても融点が45℃以下である場合が多い。
本願発明に用いられる嵩高柔軟剤として用いられる多価アルコールと高級不飽和脂肪酸及び/または高級分岐脂肪酸とのエステル化合物の具体例としては以下の化合物が挙げられる。
エチレングリコールモノオレエート、エチレングリコールジオレエート、エチレングリコールモノリノレート、エチレングリコールジリノレート、グリセリンジオレエート、グリセリントリオレエート、グリセリンモノリノレート、グリセリンジリノレート、グリセリントリリノレート、プロプレングリコールモノオレエート、プロプレングリコールジオレエート、プロプレングリコールモノリノレート、プロプレングリコールジリノレート、ペンタエリスリトールモノオレエート、ペンタエリスリトールジオレエート、ペンタエリスリトールトリオレエート、ペンタエリスリトールテトラオレエート、ペンタエリスリトールモノリノレート、ペンタエリスリトールジリノレート、ペンタエリスリトールトリリノレート、ペンタエリスリトールテトラリノレート、ソルビタンジオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンテトラオレエート、ソルビタンジリノレート、ソルビタントリリノレート、ソルビタンテトラリノレートなどの高級不飽和脂肪酸エステル。
エチレングリコールモノイソステアレート、エチレングリコールジイソステアレート、グリセリンモノイソステアレート、グリセリンジイソステアレート、グリセリントリイソステアレート、プロピレングリコールモノイソステアレート、プロピレングリコールジイソステアレート、ペンタエリスリトールモノイソステアレート、ペンタエリスリトールジイソステアレート、ペンタエリスリトールトリイソステアレート、ペンタエリスリトールテトライソステアレート、ソルビタンジイソステアレート、ソルビタントリイソステアレート、ソルビタンテトライソステアレートなどの高級分岐脂肪酸エステル。などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、HLB価が高く十分な疎水性を持たない嵩高柔軟剤は、繊維を疎水化することができないため、目的とする嵩高柔軟効果を示さない場合がある。従って、繊維に十分な疎水性を付与するためには、HLB価が7以下である必要がある。但し、あまり疎水性が高すぎると、水に効率的に分散することが難しくなり、繊維に均一に吸着できなくなり、結果的には十分な嵩高柔軟性が得られない場合がある。そこで、疎水性が高い嵩高柔軟剤を使用する際には、水に十分に分散させるために分散性に優れた界面活性剤を併用して均一な乳化液を作ることが重要である。嵩高柔軟剤の中には、自己乳化性を有するものがあるが、疎水性が高い嵩高柔軟剤を使用する際には、嵩高柔軟剤に対する界面活性剤の配合割合は10.0重量%以下とするのが好ましい。
本願発明において、嵩高柔軟剤を乳化するために用いられる界面活性剤の具体例としては以下の化合物が挙げられる。
即ち、ペレックスOT−P(花王(株)製)、デモールEP(花王(株)製)、ディスパーTL(明成化学(株)製)、ゴーセランL−3266(日本合成化学(株)製)、アロンT−40(東亜合成化学(株)製)などのアニオン性界面活性剤、エマルゲンA−60(花王(株)製)、エマルミン50(三洋化成(株)製)などのノニオン性界面活性剤、カチオンDS(三洋化成(株)製)、コータミン86W(花王(株)製)、コータミンD86P(花王(株)製)などのカチオン性界面活性剤などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
嵩高柔軟剤は、パルプ繊維間の結合の阻害要因となるため、一般に紙の強度が低下し、紙の嵩高柔軟性が発現する。しかし、ある一定以上に添加量を増やしてもその効果が頭打ちになってしまう。即ち、原料パルプに対して嵩高柔軟剤を4〜10kg/トンの範囲で添加することが好ましい。また、添加量が多すぎると(例えば、10kg/トンを超えると)、紙の摩擦係数が極端に変化してしまうなど一般紙質への影響が出る場合もある一方、少なすぎると(例えば、4kg/トン未満になると)、嵩高柔軟剤の種類によっては嵩高柔軟効果が十分に発現しない場合がある。上記嵩高柔軟剤の添加場所としては、原料パルプの希薄液が金網上を進む間に濾水されて紙層を形成するまでの抄紙工程であれば、特に限定するものではないが、例えば工場ではレファイナー、マシンチェスト、ヘッドボックスで添加するなど均一に原料パルプにブレンドできる場所が望ましい。
本願発明に用いられるサイズ剤は、ロジン、アルキルケテンダイマー、ゼラチン、ラテックス、アルケニル琥珀酸等からなる中性サイズ剤、エマルジョンサイズ剤等公知のサイズ剤が使用される。
サイズ剤は、パルプ繊維間の結合の阻害要因となるため、一般に紙の強度が低下する傾向が見られる。また、ある一定以上に添加量を増やしてもその効果が頭打ちになることも散見される。そのため、原料パルプに対してサイズ剤を0.01重量%〜1.0重量%の範囲で添加することが好ましく、サイズ剤は、パルプスラリーに添加する内面サイジング、あるいは抄紙した紙に塗布する表面サイジングすることにより添加される。また、添加量が多すぎると(例えば、1.0重量%を超えると)、紙の摩擦係数が極端に変化してしまうなど一般紙質への影響が出る場合もある一方、少なすぎると(例えば、0.01重量%未満になると)、サイズ剤の種類によってはサイズ効果が十分に発現しない場合がある。
本願発明の印刷用紙は、各種パルプから通常の製紙工程によって製造される。原料パルプには、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ等)、古紙パルプなどを単独または任意の割合で混合して使用することができる。なお、紙の原料に用いるパルプに機械パルプ及び/または古紙パルプが含まれた場合でも、本願発明に用いられるサイズ剤は良好なサイズ性を示す。抄紙時のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでも良い。
本願発明の印刷用紙は填料を含有してもよい。填料としては、一般に使用されているものが使用でき、特に限定されるものではないが、例えば、クレー、焼成クレー、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛などの無機填料、尿素ーホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子などの有機填料が、単独または適宜2種類以上を組み合わせて使用される。
本願発明の印刷用紙を得るには、通常の抄紙工程にサイズ剤をそのまま若しくはサイズ剤の乳化液を添加(所謂内添)すればよい。添加する場所は、パルプスラリーと均一に混合できるところであれば特に限定されるものではない。
本願発明においては、サイズ剤を表面塗布することにより、一般に用いられている既存の内添サイズ剤の使用量を減らすだけでなく、内添サイズ剤自体を使用せずとも目的とするサイズ性を得ることができる。しかし、紙の銘柄によっては高いサイズ性が必要なものもあるので、その時には、本願発明においては表面サイズ剤と一般に用いられている既存の内添サイズ剤とを併用してもよい。
併用するサイズ剤としては、アルキルケテンダイマー系化合物、アルケニル無水コハク酸系化合物、スチレンーアクリル系化合物、スチレンーマレイン系化合物、高級脂肪酸系化合物、石油樹脂系サイズ剤やロジン系サイズ剤が挙げられる。
本願発明の印刷用紙を製造する際には、従来から使用されている各種のノニオン性、カチオン性の歩留まり剤、濾水度向上剤、紙力向上剤等の製紙用内添助剤が必要に応じて適宜選択して使用される。
上記製紙用内添助剤としては、例えば、硫酸バンド、塩化アルミニウム、アルミン酸ソーダや、塩基性塩化アルミニウム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム等の塩基性アルミニウム化合物や、水に易分解性のアルミナゾル等の水溶性アルミニウム化合物、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄等の多価金属化合物、シリカゾル等が挙げられる。
その他製紙用助剤として各種澱粉類、ポリアクリルアミド、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド、ポリアミン樹脂、ポリアミン、ポリエチレンイミン、植物ガム、ポリビニールアルコール、ラテックス、ポリエチレンオキサイド、親水性架橋ポリマー粒子分散物及びこれらの誘導体あるいは変成物等の各種化合物が例示できる。
さらに、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添剤を用途に応じて適宜添加することもできる。なお、本願発明の印刷用紙の製造方法は、その抄紙方法が、例えば抄紙pHが4.5付近である酸性抄紙によるものか、あるいは炭酸カルシウム等のアルカリ性填料を主成分として含み、抄紙pHが約6の弱酸性〜約9の弱アルカリ性で行う、所謂中性抄紙によるものか等については特に限定されず、全ての抄紙方法によって得られる紙を対象とする。また、抄紙機も長網抄紙機、ツインワイヤー機、ヤンキー抄紙機等を適宜使用できる。
次に、本願発明を、下記に示す実施例1〜6および比較例1〜5に基づいて詳述する。なお、本願発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
嵩高柔軟剤としてジエチルグリコールモノデシレート(融点−1℃、HLB価=6.0)6.0g/Kgと、分散剤としてペレックスOT−P(花王(株)製)0.1g/Kgを良く混合し、それを1000gの水に添加して、乳化機を用いて回転数10,000rpmにて10分間撹拌を行い嵩高柔軟剤の乳化液を調製した。パルプ分として加圧ストーングランドパルプ(PGW)40重量%、残りにLBKPを使用した。
前記パルプ分に対し、サイズ剤(日本PMC(株)製、AS263)をパルプ当たり0.3重量%添加し、これに前述の嵩高柔軟剤の乳化液を対パルプ当たり1.0重量%となるように添加して紙料を調製した。そして、丸型手すき機を用いて坪量60g/m2となるように抄紙し、4.18Kg/cm2の有効プレス圧にてプレスし、環境試験機(初期紙面温度70℃)を用い、1時間乾燥して印刷用紙を得た。
嵩高柔軟剤としてエチレングリコールモノラウレート(融点−2℃、HLB価=5.0)10.0g/Kgと、分散剤としてデモールEP(花王(株)製)0.2g/Kgを使用して嵩高柔軟剤の乳化液を調製し、サイズ剤(日本NSC(株)製、Cato302)をパルプ当たり1.0重量%添加した。
パルプ分として加圧ストーングランドパルプ(PGW)を10重量%、残りにLBKPを使用した以外は実施例1と同様にして印刷用紙を得た。
嵩高柔軟剤としてアラビトールジオレート(融点25℃、HLB価=4.4)6.0g/Kgと、分散剤としてディスパーTL(明成化学(株)製)0.25g/Kgを使用して嵩高柔軟剤の乳化液を調製し、サイズ剤(ハリマ化成(株)製、nyusize738)をパルプ当たり0.5重量%添加した。
パルプ分として加圧ストーングランドパルプ(PGW)を30重量%、残りにLBKPを使用した以外は実施例1と同様にして印刷用紙を得た。
嵩高柔軟剤としてソルビトールトリラウレート(融点11℃、HLB価=4.9)5.0g/Kgと、分散剤としてカチオンDS(三洋化成(株)製)0.15g/Kgを使用して嵩高柔軟剤の乳化液を調製し、サイズ剤(ハリマ化成(株)製、nyusize738)をパルプ当たり0.5重量%添加した。また、表面サイズ剤としてアルキルケテンダイマーサイズ剤をパルプ当たり0.2重量%サイズプレスにて塗布した以外は実施例1と同様にして印刷用紙を得た。
嵩高柔軟剤としてプロピレングリコールモノパルミテー(融点13℃、HLB価=4.6)4.0g/Kgと、分散剤としてカチオンDS(三洋化成(株)製)0.3g/Kgを使用して嵩高柔軟剤の乳化液を調製し、サイズ剤(日本PMC(株)製、AS263)をパルプ当たり0.01重量%添加した。
パルプ分として加圧ストーングランドパルプ(PGW)を50重量%、残りにLBKPを使用した以外は実施例1と同様にして印刷用紙を得た。
嵩高柔軟剤としてキシリトールモノステアレート(融点41℃、HLB価=5.7)4.0g/Kgと、分散剤としてエマルゲンA−60(花王(株)製)0.1g/Kgを使用して嵩高柔軟剤の乳化液を調製し、サイズ剤(日本PMC(株)製、AS263)をパルプ当たり0.01重量%添加した。
パルプ分として加圧ストーングランドパルプ(PGW)を35重量%、残りにLBKPを使用した以外は実施例1と同様にして印刷用紙を得た。
嵩高柔軟剤としてスタキオースモノオレート(融点37℃、HLB価=14.3)3.0g/Kgと、分散剤としてペレックスOT−P(花王(株)製)0.1g/Kgを良く混合し、それを1000gの水に添加して、乳化機を用いて回転数10,000rpmにて10分間撹拌を行い嵩高柔軟剤の乳化液を調製した。パルプ分として加圧ストーングランドパルプ(PGW)5重量%、残りにLBKPを使用した。
前記パルプ分に対し、サイズ剤(ハリマ化成(株)製、nyusize738)をパルプ当たり0.5重量%添加し、これに前述の嵩高柔軟剤の乳化液を対パルプ当たり1.0重量%となるように添加して紙料を調製した。そして、丸型手すき機を用いて坪量60g/m2となるように抄紙し、4.18Kg/cm2の有効プレス圧にてプレスし、環境試験機(初期紙面温度70℃)を用い、1時間乾燥して印刷用紙を得た。また、表面サイズ剤として、アルキルケテンダイマーサイズ剤をパルプ当たり0.2重量%サイズプレスにて塗布した。
嵩高柔軟剤としてソルビタンモノラウレート(融点−4℃、HLB価=14.0)7.0g/Kgと、分散剤としてデモールEP(花王(株)製)0.2g/Kgを使用して嵩高柔軟剤の乳化液を調製した。サイズ剤(ハリマ化成(株)製、nyusize738)をパルプ当たり0.1重量%添加し、これに前述の嵩高柔軟剤の乳化液を対パルプ当たり1.0重量%となるように添加して紙料を調製した。また、表面サイズ剤として、アルキルケテンダイマーサイズ剤をパルプ当たり0.2重量%サイズプレスにて塗布した。
パルプ分として加圧ストーングランドパルプ(PGW)10重量%、残りにLBKPを使用した以外は実施例1と同様にして印刷用紙を得た。
嵩高柔軟剤としてトリグリセリンセスキオレート(融点12℃、HLB価=7.8)1.0g/Kgと、分散剤としてディスパーTL(明成化学(株)製)0.25g/Kgを使用して嵩高柔軟剤の乳化液を調製し、サイズ剤(ハリマ化成(株)製、nyusize738)をパルプ当たり0.5重量%添加し、これに前述の嵩高柔軟剤の乳化液を対パルプ当たり1.0重量%となるように添加して紙料を調製した。
パルプ分として加圧ストーングランドパルプ(PGW)5重量%、残りにLBKPを使用した以外は実施例1と同様にして印刷用紙を得た。
嵩高柔軟剤としてソルビタンモノステアレート(融点19℃、HLB価=14.3)1.0g/Kgと、分散剤としてカチオンDS(三洋化成(株)製)0.15g/Kgを使用して嵩高柔軟剤の乳化液を調製し、サイズ剤を無添加とし、これに前述の嵩高柔軟剤の乳化液を対パルプ当たり1.0重量%となるように添加して紙料を調製した。
パルプ分として加圧ストーングランドパルプ(PGW)5重量%、残りにLBKPを使用した以外は実施例1と同様にして印刷用紙を得た。
嵩高柔軟剤としてプロピレングリコールセスキパルミ(融点41℃、HLB価=13.7)4.0g/Kgと、分散剤としてカチオンDS(三洋化成(株)製)0.3g/Kgを使用して嵩高柔軟剤の乳化液を調製し、これに前述の嵩高柔軟剤の乳化液を対パルプ当たり1.0重量%となるように添加して紙料を調製した。
パルプ分として加圧ストーングランドパルプ(PGW)0重量%、残りにLBKPを使用し、表面サイズ剤としてアルキルケテンダイマーサイズ剤をパルプ当たり.4重量%サイズプレスにて塗布した以外は実施例1と同様にして印刷用紙を得た。
上記実施例1〜6および比較例1〜5にて製造した印刷用紙について下記の項目を測定して評価した。結果は表1に示した。
1)TAPPI UM 240による機械パルプ結束繊維の含有量は、実験室用フラットスクリーン(スクリーンプレート面の大きさ104cm×28.3cm、スリット幅0.30mmと0.20mmの2種、スリット数880、スリット長さ44mm、フラットスクリーン幅の毎分の回転数150、このフラットスクリーンに装着されているカムには4つの偏心があるため毎分600回の往復振動が生じる。振動幅44mm)を用いて下記計算式にて算出した。
1)TAPPI UM 240による機械パルプ結束繊維の含有量は、実験室用フラットスクリーン(スクリーンプレート面の大きさ104cm×28.3cm、スリット幅0.30mmと0.20mmの2種、スリット数880、スリット長さ44mm、フラットスクリーン幅の毎分の回転数150、このフラットスクリーンに装着されているカムには4つの偏心があるため毎分600回の往復振動が生じる。振動幅44mm)を用いて下記計算式にて算出した。
結束繊維含有量(%)=(B÷A)×100
A:篩い分け前の絶乾重量
B:篩い分け残渣の絶乾重量
2)JIS P 8220の付属書Aに記載された装置(TAPPI標準離解機)にて回転数が3000rpmにて離解が完了するまで、少なくとも30分離解した。
<ステキヒトサイズ度>
JIS P 8122の紙のステキヒトサイズ度試験方法に準拠して測定した結果である。測定単位は秒である。
<緊度>
JIS P 8118の紙及び板紙ー厚さ及び密度の試験方法に準拠して測定した結果である。測定単位はg/cm3である。
<表面強度>
JIS P 8129の紙及び板紙ー紙むけ試験方法ー電気式IGT試験機による加速印刷法に準拠して測定した結果である。測定単位はmm/sである。
<不透明度>
JIS P 8138の紙の不透明度試験方法に準拠して測定した結果である。測定単位は%である。
A:篩い分け前の絶乾重量
B:篩い分け残渣の絶乾重量
2)JIS P 8220の付属書Aに記載された装置(TAPPI標準離解機)にて回転数が3000rpmにて離解が完了するまで、少なくとも30分離解した。
<ステキヒトサイズ度>
JIS P 8122の紙のステキヒトサイズ度試験方法に準拠して測定した結果である。測定単位は秒である。
<緊度>
JIS P 8118の紙及び板紙ー厚さ及び密度の試験方法に準拠して測定した結果である。測定単位はg/cm3である。
<表面強度>
JIS P 8129の紙及び板紙ー紙むけ試験方法ー電気式IGT試験機による加速印刷法に準拠して測定した結果である。測定単位はmm/sである。
<不透明度>
JIS P 8138の紙の不透明度試験方法に準拠して測定した結果である。測定単位は%である。
表1に示す結果によれば、実施例1〜6においては、ステキヒトサイズ度において28秒以上を示し、緊度において0.462g/cm3以下を示し、表面強度において11mm/s以下を示し、不透明度において92.8%以上を示しており、嵩高で印刷特性に優れたものとなっている。これに対して、比較例1および3の場合、PGWの配合量が不足しているため、緊度が大きくなっているとともに、表面強度および不透明度においても劣っている。比較例2の場合、ステキヒトサイズ度が25秒と低くなっている。比較例4の場合、ステキヒトサイズ度が極端に低くなっている。比較例5の場合、緊度が大きくなっているとともに、表面強度および不透明度においても劣っている。
Claims (3)
- 原料パルプとして機械パルプを含有する印刷用紙において、前記機械パルプが、加圧ストーングランドパルプ(PGW)を少なくとも10重量%以上含有し、JIS P 8220に準拠した方法によるTAPPI UM 240に基づく機械パルプの結束繊維含有量が、スリット幅0.30mmで0.050重量%以下、スリット幅0.20mmで0.030重量%以下であることを特徴とする印刷用紙。
- 前記原料パルプ中には、液体もしくは融点が45℃以下で、且つHLB価が7以下である嵩高柔軟剤を原料パルプ比4〜10kg/トン添加して抄紙されたことを特徴とする請求項1記載の印刷用紙。
- 抄紙時には、原料パルプに対して0.01〜1.0重量%のサイズ剤が添加され、該サイズ剤は、パルプスラリーに添加する内面サイジングあるいは抄紙した紙に塗布する表面サイジングすることにより、サイズ剤を併用して抄紙されたことを特徴とする請求項1および2のいずれか一項記載の印刷用紙
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004016659A JP2005206990A (ja) | 2004-01-26 | 2004-01-26 | 印刷用紙 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011042915A (ja) * | 2009-07-21 | 2011-03-03 | Daio Paper Corp | 新聞用紙 |
-
2004
- 2004-01-26 JP JP2004016659A patent/JP2005206990A/ja active Pending
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