JP2005206847A - エネルギー線遮蔽物含有樹脂のエネルギー線硬化を可能にする新規樹脂硬化方法とその組成物、成形物、及び成形方法 - Google Patents
エネルギー線遮蔽物含有樹脂のエネルギー線硬化を可能にする新規樹脂硬化方法とその組成物、成形物、及び成形方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 エネルギー線を樹脂組成物に照射した際、エネルギー線源からのエネルギーとは別のエネルギーを樹脂内部に自己発生させ、かかるエネルギー若しくはかかるエネルギーとエネルギー線源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
【選択図】 図4
Description
かかる問題点の解決策の代表的な例としては、高UV硬化性樹脂(三菱レイヨン株式会社、活性エネルギー線硬化性組成物、特許文献1参照)やUV・加熱併用硬化型樹脂(旭電化工業株式会社:オプトマーKSシリーズ、日立化成工業株式会社:ラデキュア、東洋紡績:UE樹脂、特許文献2参照)等がある。しかし、高UV硬化性樹脂は、フィラー等によりエネルギー線がブロックされた場合硬化不能に陥るという問題点は依然として残る。またUV照射後加熱するUV・加熱併用型樹脂は、エネルギー線による硬化能力は従来の光硬化樹脂レベルであり、厚肉硬化やフィラー含有硬化の問題点は何等解決されておらず、かかる問題点には光硬化後(表層のみ)に行う加熱による熱硬化で対応しており、かかる問題点を解決できていないのが現状である。
(1)エネルギーを樹脂組成物に付与した際、エネルギー源からのエネルギーとは別のエネルギーを樹脂内部に自己発生させ、かかるエネルギー若しくはかかるエネルギーとエネルギー源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
(2)エネルギーを樹脂組成物に付与した際、エネルギー源からのエネルギーとは別のエネルギーを樹脂内部に自己発生させ、更に発生したエネルギーにより連続的にかかるエネルギーを発生させ、かかるエネルギー若しくはかかるエネルギーとエネルギー源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
(4)エネルギー線を樹脂組成物に照射した際、エネルギー線源からのエネルギーとは別のエネルギーを樹脂内部に自己発生させ、更に発生したエネルギーにより連続的にかかるエネルギーを発生させ、かかるエネルギー若しくはかかるエネルギーとエネルギー線源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
(6)上記(4)に記載されている発生エネルギーとして、樹脂内部に熱エネルギーを自己発生させ、更に発生した熱エネルギーにより連続的に熱エネルギーを発生させ、樹脂組成物中のエネルギー線遮蔽物質の有無に関わらず、かかる熱エネルギー若しくはかかる熱エネルギーとエネルギー線源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
(7)上記(5)に記載されている樹脂内部の自己発生熱エネルギーとしてはエネルギー線により樹脂組成物が硬化する際の硬化反応熱を積極的に発生させ、樹脂組成中のエネルギー線遮蔽性物質の有無に関わらず、かかる反応熱エネルギー若しくはかかる反応熱エネルギーとエネルギー線源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
(9)上記(1)ないし(8)のいずれかに記載されている硬化反応の際、エネルギー源及びエネルギー線源からのエネルギー及びエネルギー線や反応熱によって硬化を起こさせたり硬化反応をしやすくするために、カチオン、ラジカル及びアニオンから選ばれる少なくとも一種を利用することを特徴とする樹脂硬化方法。
(11)上記(1)ないし(10)のいずれかに記載される樹脂硬化方法において、予め樹脂組成物を硬化しない温度範囲で加温することでより硬化しやすくすることを特徴とする樹硬化方法。
(13)上記(1)ないし(12)のいずれかに記載される樹脂硬化方法を可能とする組成物を熱で硬化を開始させるか、熱で硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
(14)上記(12)又は(13)に記載される樹脂硬化方法を可能とする重合開始剤であって、光重合開始剤と光と熱の双方で重合を開始させる光・熱重合開始剤を成分とする2元系以上からなる光重合開始剤。
(16)上記(14)又は(15)に記載されている2元系以上からなる光重合開始剤の少なくとも一種と熱重合開始剤を成分とする2元系以上からなる光重合開始剤。
(17)上記(14)ないし(16)のいずれかに記載されてる2元系以上からなる光重合開始剤で、主にラジカル系又は全てラジカル系からなる光重合開始剤。
(19)上記(14)ないし(16)のいずれかに記載される2元系以上からなる光重合開始剤で、主にカチオン系又は全てカチオン系からなる光重合開始剤。
(22)上記(19)ないし(21)のいずれかに記載されている2元系以上からなる光重合開始剤の少なくとも1種と、熱重合開始剤として化学式 (VIII) 及び(IX)の少なくとも1種を含む2元系以上からなる光重合開始剤。
(25)上記(23)又は(24)に記載されている組成物のうち、必須成分として上記(14)ないし(22)のいずれかに記載されている2元系以上からなる光重合開始剤を含む組成物。
(26)上記(25)に記載されている組成物のうち、必須成分として上記(19)ないし(22)のいずれかに記載されている2元系以上からなる光重合開始剤のいずれかとカチオン系光重合性オリゴマー若しくはカチオン系光重合性モノマーからなる樹脂組成物。
(28)上記(27)に記載されている樹脂組成物のうち、光重合性エポキシオリゴマー若しくは光重合性エポキシモノマーとして光重合性脂環式エポキシオリゴマーや光重合性脂環式エポキシモノマーを用いる樹脂組成物。
(29)上記(28)に記載されている樹脂組成物のうち、光重合性脂環式エポキシモノマーとして3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートを用いた樹脂組成物。
(31)上記(30)に記載されている樹脂組成物のうち、上記(20)ないし(22)のいずれかに記載されている2元系以上からなる光重合開始剤と、上記(26)ないし(29)のいずれかに記載される光重合性樹脂成分からなる樹脂組成物。
(33)上記(23)ないし(32)のいずれかに記載されている組成物に光増感剤、反応性希釈剤及び光鋭感剤の少なくとも1種を加えた組成物。
(34)上記(1)ないし(13)のいずれかに記載された方法によって硬化した硬化生成物。
(35)上記(4)ないし(22)のいずれかに記載されている2元系以上からなる光重合開始剤を含む組成物を成形してなる成形体。
(36)上記(23)ないし(33)のいずれかに記載された組成物を成形してなる成形体。
(38)上記(14)ないし(22)のいずれかに記載されている2元系以上よりなる光重合開始剤を含有する成形材料、繊維強化複合材料、炭素繊維強化複合材料、その他複合材料、接着剤、封止材、ワニス、塗料又はコーティング材、インキ又はトナー。
(39)上記(23)ないし(33)のいずれかに記載されている組成物からなる成形材料、繊維強化複合材料、炭素繊維強化複合材料、その他複合材料、接着剤、封止材、ワニス、塗料又はコーティング材、インキ又はトナー。
(40)上記(1)ないし(13)のいずれかに記載されている樹脂硬化方法を利用し、成形材料、繊維強化複合材料、炭素繊維強化複合材料、その他複合材料の成形物、接着剤、封止材、ワニス、塗料又はコーティング材の硬化物、インキ又はトナーの印刷物を製造する製造方法。
(42)上記(14)ないし(22)のいずれかに記載されている2元系以上よりなる光重合開始剤を含有する組成物を利用し、成形材料、繊維強化複合材料、炭素繊維強化複合材料、その他複合材料の成形物、接着剤、封止材、ワニス、塗料又はコーティング材の硬化物、インキ又はトナーの印刷物を製造する製造方法。
(43)上記(23)ないし(33)のいずれかに記載されている組成物を利用し、成形材料、繊維強化複合材料、炭素繊維強化複合材料,その他複合材料の成形物、接着剤、封止材、ワニス、塗料又はコーティング材の硬化物、インキ又はトナーの印刷物を製造する製造方法。
(44)上記(40)ないし(43)のいずれかに記載されている繊維強化複合材料又は炭素繊維強化複合材料の製造方法において、ハンドレイアップ、スプレーアップ、フィラメントワインディング、テープワインディング、ロールワインディング、引き抜き成形及びロールプレス連続成形の少なくとも1種を利用する製造方法。
(46)上記(45)の製造方法により製造されたプリプレグを積層し、上記(1)ないし(13)のいずれかの硬化方法にて硬化させる繊維強化複合材料の製造方法。
(48)上記(23)ないし(33)のいずれかに記載されている組成物を繊維強化複合材料、建築物、製造物又は製造物の補修箇所に充填するか、或いは上記(45)の製造方法により製造されたプリプレグを繊維強化複合材料、建築物、建造物又は製造物の補修箇所に張り付けた後、上記(1)ないし(13)のいずれかの硬化方法にて硬化させる繊維強化複合材料、建築物、建造物又は製造物の補修方法。
(50)上記(40)ないし(49)のいずれかに記載されている方法において、繊維材料に炭素繊維を用いる方法。
(52)上記(40)ないし(50)のいずれかに記載されている方法において、上記(30)に記載されている組成物よりなる材料を用いる方法。
(53)上記(40)ないし(50)のいずれかに記載されている方法において、上記(31)に記載されている組成物を用いる方法。
(55)上記(37)ないし(39)のいずれかに記載されているもののうち繊維強化複合材料又は炭素繊維強化複合材料。
(56)上記(44)の方法により成形してなる成形物。
(58)上記(57)に記載されているプリプレグを硬化させてなる繊維強化複合材料。(59)上記(23)ないし(33)のいずれかに記載されている組成物を三次元織物に含浸させた後、硬化させてなる繊維強化複合材料。
(60)上記(23)ないし(33)のいずれかに記載されている組成物からなり、繊維強化複合材料、建築物、建造物又は製造物の補修箇所に充填するための補修用材料。
(62)上記(37)ないし(39)のいずれか又は(54)ないし(61)のいずれかに記載されている材料又は成形物において、繊維材料に炭素繊維を用いた材料又は成形物。
(63)上記(37)ないし(39)のいずれか又は(54)ないし(62)のいずれかに記載されている材料又は成形物において、上記(20)ないし(22)のいずれかに記載されている2元系以上よりなる光重合開始剤を組成中に含有している材料又は成形物。
(64)上記(37)ないし(39)のいずれか又は(54)ないし(62)のいずれかに記載されている材料又は成形物において、上記(30)に記載されている組成物よりなる材料又は成形物。
(65)上記(37)ないし(39)のいずれか又は(54)ないし(62)のいずれかに記載されている材料又は成形物において上記(31)に記載されている組成物よりなる材料又は成形物。
一般式(IV)で表される化合物の具体例としては、ビス〔4−(ジメチルスルホニオ)フェニル〕スルフィドビス−ヘキサフルオロホスフェート、ジメチル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。一般式(V)で表される化合物の具体例としてはジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートが挙げられ、一般式(VI)で表される化合物の具体例としてはベンジル−4−(エトキシカルボニルオキシ)フェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートが挙げられ、一般式(VII) で表される化合物の具体例としては4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートが挙げられる。
〔実施例1〕ERL−4221(ユニオンカーバイド(株)製:脂環式エポキシ樹脂;3,4−シクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)100重量部に対し、サンエイドSI−80L(三新化学(株)製:カチオン系光・熱重合開始剤;一般式(II))1.75重量部、DAICAT11(ダイセル化学工業(株)製:カチオン系光重合開始剤;アリール系スルホニウム塩)0.75重量部を配合した。(A)
次に上部以外の周囲を黒紙で覆ったガラス容器(φ40mm×H80mm)にかかる樹脂をガラス容器上端まで注入した。(B)
これにUVを60sec照射した。UV照射条件はUV照射装置:UVL−1500M2(ウシオ電機(株))、ランプ種類:メタルハライドランプ、ランプ強度:120W/cm、ランプ長:125mm、雰囲気・温度・圧力:空気中・室温・大気圧、照射距離:19cmで行った。(C)
UV照射後、数分でガラス容器の樹脂は完全に硬化し、樹脂の肉厚はガラス容器の限界である80mm(測定最大値)であった。
照射距離:25cm以外は実施例1の(C)と同様の条件にてUVを照射した。UV照射後、数分でガラス容器の樹脂は完全に硬化し、樹脂の肉厚はガラス容器の限界である80mm(測定最大値)であった(関連図:図11)。
照射距離:20cm以外は実施例1の(C)と同様の条件にてUVを照射した。UV照射後、数分でガラス容器の樹脂は完全に硬化し、樹脂の肉厚はガラス容器の限界である80mm(測定最大値)であった(関連図:図11)。
照射距離:15cm以外は実施例1の(C)と同様の条件にてUVを照射した。UV照射後、数分でガラス容器の樹脂は完全に硬化し、樹脂の肉厚はガラス容器の限界である80mm(測定最大値)であった(関連図:図11)。
UV照射装置:UVL−3500M2(ウシオ電機(株))、ランプ種類:メタルハライドランプ、ランプ強度:120W/cm、ランプ長:250mm、雰囲気・温度・圧力:空気中・室温・大気圧、照射距離:19cm、照射時間:60secの条件にてサンプルにUVを照射した。(D)
UV照射後、数分でガラス容器の樹脂は完全に硬化し、樹脂の肉厚はガラス容器の限界である80mm(測定最大値)であった。
ランプ強度:200W/cm以外は実施例247の(D)と同様の条件にてUVを照射した。UV照射後、数分でガラス容器の樹脂は完全に硬化し、樹脂の肉厚はガラス容器の限界である80mm(測定最大値)であった。
ランプ強度:280W/cm以外は実施例247の(D)と同様の条件にてUVを照射した。UV照射後、数分でガラス容器の樹脂は完全に硬化し、樹脂の肉厚はガラス容器の限界である80mm(測定最大値)であった。
照射時間:3min、照射距離:15cm以外は実施例1の(C)と同様の条件にてUV照射した。UV照射後、積層板は完全に硬化し、良好なCFRPを得た(関連データ:表5)。
完全に巻き終わった後、円筒積層材に全方向からUVを照射(照射条件は、実施例252と同様の条件)した。UV照射後、積層板は完全に硬化し、良好なフィラメントワインディング製CFRPを得た。
〔新規樹脂硬化機構を可能にする樹脂組成物〕表1〜表3及び表6に記載される実施例1ないし実施例60、実施例259ないし282及び比較例1ないし比較例20の試験結果より新規樹脂硬化機構を備えた本発明の組成物が、エネルギー線硬化性、特に厚肉硬化性に優れていることがわかる。更に、実施例284より、予め本発明の組成物を加温(硬化しない温度範囲)した後にエネルギー線を照射すると硬化により効果的であることがわかる。又、実施例283より2元系以上からなる光開始剤を組成中に含む本発明の組成物は、加熱によっても短時間で硬化することを確認した。
Claims (65)
- エネルギーを樹脂組成物に付与した際、エネルギー源からのエネルギーとは別のエネルギーを樹脂内部に自己発生させ、かかるエネルギー若しくはかかるエネルギーとエネルギー源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
- エネルギーを樹脂組成物に付与した際、エネルギー源からのエネルギーとは別のエネルギーを樹脂内部に自己発生させ、更に発生したエネルギーにより連続的にかかるエネルギーを発生させ、かかるエネルギー若しくはかかるエネルギーとエネルギー源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
- エネルギー線を樹脂組成物に照射した際、エネルギー線源からのエネルギーとは別のエネルギーを樹脂内部に自己発生させ、かかるエネルギー若しくはかかるエネルギーとエネルギー線源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
- エネルギー線を樹脂組成物に照射した際、エネルギー線源からのエネルギーとは別のエネルギーを樹脂内部に自己発生させ、更に発生したエネルギーにより連続的にかかるエネルギーを発生させ、かかるエネルギー若しくはかかるエネルギーとエネルギー線源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
- 請求項3に記載されている発生エネルギーとして、樹脂内部に熱エネルギーを自己発生させ、樹脂組成物中のエネルギー線を遮蔽する遮蔽物質(以下エネルギー線遮蔽物質という)の有無に関わらず、かかる熱エネルギー若しくはかかる熱エネルギーとエネルギー線源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
- 請求項4に記載されている発生エネルギーとして、樹脂内部に熱エネルギーを自己発生させ、更に発生した熱エネルギーにより連続的に熱エネルギーを発生させ、樹脂組成物中のエネルギー線遮蔽物質の有無に関わらず、かかる熱エネルギー若しくはかかる熱エネルギーとエネルギー線源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
- 請求項5に記載されている樹脂内部の自己発生熱エネルギーとしてはエネルギー線により樹脂組成物が硬化する際の硬化反応熱を積極的に発生させ、樹脂組成中のエネルギー線遮蔽性物質の有無に関わらず、かかる反応熱エネルギー若しくはかかる反応熱エネルギーとエネルギー線源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
- 請求項6に記載されている樹脂内部の自己発生熱エネルギーとしてはエネルギー線により樹脂組成物が硬化する際の硬化反応熱を積極的に発生させ、また連続して発生させる熱エネルギーとしては、かかる硬化反応熱により更に連鎖反応的に硬化反応させることで連続して硬化反応熱を発生させ、樹脂組成中のエネルギー線遮蔽性物質の有無に関わらず、かかる反応熱エネルギー若しくはかかる反応熱エネルギーとエネルギー線源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
- 請求項1ないし8のいずれかに記載されている硬化反応の際、エネルギー源及びエネルギー線源からのエネルギー及びエネルギー線や反応熱によって硬化を起こさせたり硬化反応をしやすくするために、カチオン、ラジカル及びアニオンから選ばれる少なくとも一種を利用することを特徴とする樹脂硬化方法。
- 請求項9に記載されている樹脂硬化方法において、エネルギー線を樹脂組成物に照射した際、樹脂内部にカチオンとエネルギー線により樹脂組成物が硬化する際の硬化反応熱を積極的に発生させ、且つカチオンとかかる硬化反応熱により更に連鎖反応的に樹脂組成物を硬化反応させて連続してカチオンと硬化反応熱を発生させ、樹脂組成物中のエネルギー線遮蔽性物質の有無に関わらず、反応熱エネルギー及びカチオン若しくは反応熱エネルギー及びカチオンとエネルギー線源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
- 請求項1ないし10のいずれかに記載される樹脂硬化方法において、予め樹脂組成物を硬化しない温度範囲で加温することでより硬化しやすくすることを特徴とする樹硬化方法。
- 請求項1ないし11のいずれかに記載される樹脂硬化方法に重合開始剤を用いる樹脂硬化方法。
- 請求項1ないし12のいずれかに記載される樹脂硬化方法を可能とする組成物を熱で硬化を開始させるか、熱で硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
- 請求項12又は13に記載される重合開始剤であって、光重合開始剤と光と熱の双方で重合を開始させる光・熱重合開始剤を成分とする2元系以上からなる光重合開始剤。
- 請求項14に記載されている2元系以上からなる光重合開始剤のうち、光・熱重合開始剤として熱に対する重合開始作用が高い光・熱重合開始剤を用いる2元系以上からなる光重合開始剤。
- 請求項14又は15に記載されている2元系以上からなる光重合開始剤の少なくとも一種と熱重合開始剤を成分とする2元系以上からなる光重合開始剤。
- 請求項14ないし16のいずれかに記載されてる2元系以上からなる光重合開始剤で、主にラジカル系又は全てラジカル系からなる光重合開始剤。
- 請求項14ないし16のいずれかに記載される2元系以上からなる光重合開始剤で、主にアニオン系又は全てアニオン系からなる光重合開始剤。
- 請求項14ないし16のいずれかに記載される2元系以上からなる光重合開始剤で、主にカチオン系又は全てカチオン系からなる光重合開始剤。
- 請求項19に記載されている2元系以上からなる光重合開始剤のうち、光重合開始剤にはジアゾニウム塩タイプ、ヨードニウム塩タイプ、ピリジニウム塩タイプ、ホスホニウム塩タイプ、スルホニウム塩タイプ、鉄−アレン化合物タイプ及びスルホン酸エステルタイプの少なくとも1種と、光・熱重合開始剤には下記の一般式(I)、(II)、(III) 、(IV)、(V)、(VI)及び(VII) で示されるスルホニウム塩の少なくとも1種を含む2元系以上からなる光重合開始剤。
(ただしR1 は水素、メチル基、アセチル基、メトキシカルボニル基を、R2 、R3 は独立して水素、ハロゲン、C1 〜C4 のアルキル基のいずれかを、R4 は水素、ハロゲン、メトキシ基を、R5 はC1 〜C4 のアルキル基を示す。Aは、SbF6 、PF6 、AsF6 、BF4 を示す。)
(上式(II)又は (II′) において、R6 は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、メチル基、R7 は水素原子、CH3 CO、CH3 OCO、AはSbF6 、PF6 、BF6 、AsF6 である。)
(上式中、R8 は水素原子、CH3 CO、CH3 OCO、BはSbF6 、PF6 、BF6 、AsF6 、CH3 SO4 を表す。)
〔式(a)において、R9 はC1 〜C18の脂肪族基、R10はC1 〜C18の脂肪族基又はC6 〜C18の置換又は非置換の芳香族基であり、R9 とR10は互いに結合して環を形成してもよい〕で示されるスルホニオ基を表す。
〔式(b)において、R11はC1 〜C18の脂肪族基、R12はC1 〜C18の脂肪族基又はC6 〜C18の置換又非置換の芳香族基であり、R11とR12は互いに結合して環を形成してもよい〕で示されるスルホニオ基であるか、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシ基、C1 〜C18の脂肪族基又はC6 〜C18の置換又は非置換のフェニル基、フェノキシ基又はチオフェノキシ基である。式(IV)において、n、mはそれぞれ独立に1ないし2の整数であり、Zは式MQ1 又はMQ1-1 OH(MはB、P、As又はSbであり、Qはハロゲン原子、lは4又は6の整数である)で示される陰イオンである。
(ただしR13、R14は独立して水素、C1 〜C4 のアルキル基のいずれかを示し、Aは、SbF6 、PF6 、AsF6 を示す。)
(式中R15はエトキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基、クロルメチル基、ジクロルメチル基、トリクロルメチル基、トリフルオロメチル基のいずれかを、R16、R17は独立して水素、ハロゲン、C1 〜C4 のアルキル基のいずれかを、R18は水素、メチル基、メトキシ基、ハロゲンのいずれかを、R18は水素、メチル基、メトキシ基、ハロゲンのいずれかを、R19はC1 〜C4 のアルキル基を示す。AはSbF6 、PF6 、BF4 、AsF6 を示す。)
(ただしQはメトキシカルボニルオキシ基、アセトキシ基、ベンジルオキシカルボニルオキシ基、ジメチルアミノ基を、R20、R21は独立して水素、C1 〜C4 のアルキル基のいずれかを、R22、R23は独立してC1 〜C4 のアルキル基のいずれかを示す。Aは、SbF6 、PF6 、AsF6 、BF4 を示す。) - 請求項20に記載されている2元系以上からなる光重合性開始剤のうち、光重合開始剤にはアリール系スルホニウム塩タイプ、光・熱重合開始剤には一般式(I)、(II)又は(III) 、で示されるスルホニウム塩タイプの少なくとも1種を含む2元系以上からなる光重合開始剤。
- 請求項1ないし13のいずれかに記載されている硬化方法を可能とする組成物であって、エネルギー線をかかる組成物に照射した際、エネルギー線源からのエネルギーとは別のエネルギーをかかる組成物内部に自己発生させるか、若しくは、エネルギー線をかかる組成物に照射した際、エネルギー線源からのエネルギーとは別のエネルギーをかかる組成物内部に自己発生させ、更に発生したエネルギーにより連続的にかかるエネルギーを発生させることのできる組成物。
- 請求項23に記載の組成物のうち、光重合開始剤及び光重合性オリゴマー若しくは光重合性モノマーを含む組成物。
- 請求項23又は24に記載されている組成物のうち、必須成分として請求項14ないし22のいずれかに記載されている2元系以上からなる光重合開始剤を含む組成物。
- 請求項25に記載されている組成物のうち、必須成分として請求項19ないし22のいずれかに記載されている2元系以上からなる光重合開始剤のいずれかとカチオン系光重合性オリゴマー若しくはカチオン系光重合性モノマーからなる樹脂組成物。
- 請求項26に記載されている樹脂組成物のうち、カチオン系光重合オリゴマー若しくはカチオン系光重合性モノマーとして光重合性エポキシオリゴマー若しくは光重合性エポキシモノマーを用いる樹脂組成物。
- 請求項27に記載されている樹脂組成物のうち、光重合性エポキシオリゴマー若しくは光重合性エポキシモノマーとして光重合性脂環式エポキシオリゴマーや光重合性脂環式エポキシモノマーを用いる樹脂組成物。
- 請求項28に記載されている樹脂組成物のうち、光重合性脂環式エポキシモノマーとして3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートを用いた樹脂組成物。
- 請求項25ないし29のいずれかに記載されている組成物のうち、光重合性樹脂成分(光重合性のオリゴマー若しくはモノマー)100重量部に対し、2元系以上からなる光重合開始剤0.5〜6.0重量部を含有し、且つ2元系以上からなる光重合開始剤を構成する光・熱重合開始剤/光重合開始剤の重量比が1〜4である樹脂組成物。
- 請求項30に記載されている樹脂組成物のうち、請求項20ないし22のいずれかに記載されている2元系以上からなる光重合開始剤と、請求項26ないし29のいずれかに記載される光重合性樹脂成分からなる樹脂組成物。
- 請求項23ないし31のいずれかに記載されている組成物がエネルギー線遮蔽性物質、各種フィラー、有機成分の少なくとも1種を含有する組成物。
- 請求項23ないし32のいずれかに記載されている組成物に光増感剤、反応性希釈剤及び光鋭感剤の少なくとも1種を加えた組成物。
- 請求項1ないし13のいずれかに記載された方法によって硬化した硬化生成物。
- 請求項14ないし22のいずれかに記載されている2元系以上からなる光重合開始剤を含む組成物を成形してなる成形体。
- 請求項23ないし33のいずれかに記載された組成物を成形してなる成形体。
- 請求項1ないし13のいずれかに記載されている樹脂硬化方法を可能とする組成物を含有する成形材料、繊維強化複合材料、炭素繊維強化複合材料、その他複合材料、接着剤、封止材、ワニス、塗料又はコーティング材、インキ又はトナー。
- 請求項14ないし22のいずれかに記載されている2元系以上よりなる光重合開始剤を含有する成形材料、繊維強化複合材料、炭素繊維強化複合材料、その他複合材料、接着剤、封止材、ワニス、塗料又はコーティング材、インキ又はトナー。
- 請求項23ないし33のいずれかに記載されている組成物からなる成形材料、繊維強化複合材料、炭素繊維強化複合材料、その他複合材料、接着剤、封止材、ワニス、塗料又はコーティング材、インキ又はトナー。
- 請求項1ないし13のいずれかに記載されている樹脂硬化方法を利用し、成形材料、繊維強化複合材料、炭素繊維強化複合材料、その他複合材料の成形物、接着剤、封止材、ワニス、塗料又はコーティング材の硬化物、インキ又はトナーの印刷物を製造する製造方法。
- 請求項1ないし13のいずれかに記載されている硬化方法を可能にする組成物を利用し、成形材料、繊維強化複合材料、炭素繊維強化複合材料、その他複合材料の成形物、接着剤、封止材、ワニス、塗料又はコーティング材の硬化物、インキ又はトナーの印刷物を製造する製造方法。
- 請求項14ないし22のいずれかに記載されている2元系以上よりなる光重合開始剤を含有する組成物を利用し、成形材料、繊維強化複合材料、炭素繊維強化複合材料、その他複合材料の成形物、接着剤、封止材、ワニス、塗料又はコーティング材の硬化物、インキ又はトナーの印刷物を製造する製造方法。
- 請求項23ないし33のいずれかに記載されている組成物を利用し、成形材料、繊維強化複合材料、炭素繊維強化複合材料,その他複合材料の成形物、接着剤、封止材、ワニス、塗料又はコーティング材の硬化物、インキ又はトナーの印刷物を製造する製造方法。
- 請求項40ないし43のいずれかに記載されている繊維強化複合材料又は炭素繊維強化複合材料の製造方法において、ハンドレイアップ、スプレーアップ、フィラメントワインディング、テープワインディング、ロールワインディング、引き抜き成形及びロールプレス連続成形の少なくとも1種を利用する製造方法。
- 請求項23ないし33のいずれかに記載されている組成物のいずれかを、強化繊維又は強化繊維クロス材に含浸させることを特徴とするプリプレグの製造方法。
- 請求項45の製造方法により製造されたプリプレグを積層し、請求項1ないし13のいずれかの硬化方法にて硬化させる繊維強化複合材料の製造方法。
- 請求項23ないし33のいずれかに記載されている組成物を三次元織物に含浸させた後、請求項1ないし13のいずれかの硬化方法にて硬化させる繊維強化複合材料の製造方法。
- 請求項23ないし33のいずれかに記載されている組成物を繊維強化複合材料、建築物、建造物又は製造物の補修箇所に充填するか、或いは請求項45の製造方法により製造されたプリプレグを繊維強化複合材料、建築物、建造物又は製造物の補修箇所に張り付けた後、請求項1ないし13のいずれかの硬化方法にて硬化させる繊維強化複合材料、建築物、建造物又は製造物の補修方法。
- 請求項45の製造方法により製造されたプリプレグを繊維強化複合材料、建築物、建造物又は製造物の補強箇所に張り付けた後請求項1ないし13の硬化方法のいずれかにて硬化させるか、或いは、請求項23ないし33のいずれかに記載されている組成物を用い、繊維強化複合材料、建築物、建造物又は製造物の補強箇所に強化繊維又はかかるクロス材をスプレーアップ又は刷毛塗りにて張り付け、請求項1ないし13のいずれかの硬化方法にて硬化させる繊維強化複合材料、建築物、建造物又は製造物の補強方法。
- 請求項40ないし49のいずれかに記載されている方法において、繊維材料に炭素繊維を用いる方法。
- 請求項40ないし50のいずれかに記載されている方法において、請求項20ないし22のいずれかに記載されている2元系以上よりなる光重合開始剤を組成中に含有している材料を用いる方法。
- 請求項40ないし50のいずれかに記載されている方法において、請求項30に記載されている組成物よりなる材料を用いる方法。
- 請求項40ないし50のいずれかに記載されている方法において、請求項31に記載されている組成物を用いる方法。
- 請求項40ないし43のいずれかに記載された製造方法によって成形されてなる成形体。
- 請求項37ないし39のいずれかに記載されているもののうち繊維強化複合材料又は炭素繊維強化複合材料。
- 請求項44の方法により成形してなる成形物。
- 請求項45の方法で製造されるプリプレグ。
- 請求項57に記載されているプリプレグを硬化させてなる繊維強化複合材料。
- 請求項23ないし33のいずれかに記載されている組成物を三次元織物に含浸させた後、硬化させてなる繊維強化複合材料。
- 請求項23ないし33のいずれかに記載されている組成物からなり、繊維強化複合材料、建築物、建造物又は製造物の補修箇所に充填するための補修用材料。
- 繊維強化複合材料、建築物、建造物又は製造物又は製造物の補強用材料であって、請求項23ないし33のいずれかに記載されている組成物からなる繊維強化複合材料、建築物、建造物又は製造物の補強用材料。
- 請求項37ないし39のいずれか又は54ないし61のいずれかに記載されている材料又は成形物において、繊維材料に炭素繊維を用いた材料又は成形物。
- 請求項37ないし39のいずれか又は54ないし62のいずれかに記載されている材料又は成形物において、請求項20にないし22のいずれかに記載されている2元系以上よりなる光重合開始剤を組成中に含有している材料又は成形物。
- 請求項37ないし39のいずれか又は54ないし62のいずれかに記載されている材料又は成形物において、請求項30に記載されている組成物よりなる材料又は成形物。
- 請求項37ないし39のいずれか又は54ないし62のいずれかに記載されている材料又は成形物において、請求項31に記載されている組成物よりなる材料又は成形物。
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