JP2005206847A - エネルギー線遮蔽物含有樹脂のエネルギー線硬化を可能にする新規樹脂硬化方法とその組成物、成形物、及び成形方法 - Google Patents

エネルギー線遮蔽物含有樹脂のエネルギー線硬化を可能にする新規樹脂硬化方法とその組成物、成形物、及び成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 炭素繊維強化複合材(CFRP)のようなエネルギー線の遮蔽性が高い樹脂組成物系に特定の2元系以上からなる光重合開始剤(反応触媒系)を存在さることによりUVを照射するだけで該樹脂組成物を完全に硬化させること。
【解決手段】 エネルギー線を樹脂組成物に照射した際、エネルギー線源からのエネルギーとは別のエネルギーを樹脂内部に自己発生させ、かかるエネルギー若しくはかかるエネルギーとエネルギー線源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
【選択図】 図4

Description

UV(紫外線)、EB(電子線)、赤外線、X線、可視光線、アルゴンやCO2 やエキシマ等のレーザー、太陽光線、放射や輻射等の熱線等のエネルギー線や熱等のエネルギーを用いて樹脂を迅速に硬化させる樹脂硬化方法、またはこの方法による硬化を可能にする重合開始剤や組成物、成形物およびその製造方法、製造装置に関する。特に、エネルギー線が樹脂により減衰若しくは吸収され、硬化作用の低下が著しく深部の硬化が不可能な厚肉樹脂の成形、あるいは強度増加の為炭素繊維や金属繊維やガラス繊維等の充填材(フイラー)または金属質のインサート材等を補強材に用いる樹脂の成形方法であって、結果的にこれら補強材によりエネルギー線が遮蔽される為陰部の硬化が不完全な樹脂の硬化方法、この硬化を可能にする重合開始剤や組成物、成形物及びその製造方法、製造装置に関する。本発明は、エネルギー線の遮蔽性が極めて高い物質(例えばカーボン、炭素繊維(CF)、金属、その他無機フィラー)が内在する樹脂系(例えば炭素繊維強化複合材(CFRP)、カーボン/金属/無機含有樹脂)においても、エネルギー線硬化を可能にする新規樹脂硬化方法とその組成物、成形物、及び製造方法に関する。また、本発明は前述の樹脂硬化方法における新規な樹脂硬化機構を可能にする組成物をマトリクス樹脂とし、かかる樹脂を強化繊維(例えばCF)に含浸させた後、UVに代表されるエネルギー線にて硬化させる繊維強化複合材料(FRP)の製造方法に関する。
近年、UV硬化樹脂に代表されるエネルギー線硬化樹脂は様々な分野・用途に使用されているが、かかる樹脂は一定量以上のエネルギー線が照射された部位のみを硬化するという特徴を有する。一方UVに代表されるエネルギー線は、樹脂を透過する過程で減衰するので樹脂の深部まで到達し難いか、あるいはエネルギー線と同等の波長を吸収する物質等によって減衰や吸収が大きい等の特徴を有する。従って光硬化樹脂は、エネルギー線の到達する表層数μm〜mmのみしか硬化せず、深部は未硬化のため厚肉材への適用が困難か又は不可能という問題や、エネルギー線の透過障害となるフィラー等を含有する樹脂の場合、容易に硬化阻害が発生し硬化不能に陥るという問題を有し、利用範囲もフォトレジスト、コーティング、塗料、接着剤、ワニス等の分野が中心であった。
かかる問題点の解決策の代表的な例としては、高UV硬化性樹脂(三菱レイヨン株式会社、活性エネルギー線硬化性組成物、特許文献1参照)やUV・加熱併用硬化型樹脂(旭電化工業株式会社:オプトマーKSシリーズ、日立化成工業株式会社:ラデキュア、東洋紡績:UE樹脂、特許文献2参照)等がある。しかし、高UV硬化性樹脂は、フィラー等によりエネルギー線がブロックされた場合硬化不能に陥るという問題点は依然として残る。またUV照射後加熱するUV・加熱併用型樹脂は、エネルギー線による硬化能力は従来の光硬化樹脂レベルであり、厚肉硬化やフィラー含有硬化の問題点は何等解決されておらず、かかる問題点には光硬化後(表層のみ)に行う加熱による熱硬化で対応しており、かかる問題点を解決できていないのが現状である。
もし上述のエネルギー線遮蔽性物質を含有したりエネルギー線の減衰、吸収が大きい厚肉の樹脂を迅速に硬化出来る技術が確立できた場合、従来利用分野だけでなく、かかる光硬化樹脂の問題点によりこれまで適用不可能だった様々な他分野への適用が可能であるが、その1つとしてFRP、特にCFRPマトリクス樹脂への適用が挙げられる。従来FRPには種々の加工方法や製造方法が用いられているが、マトリクス樹脂としては熱硬化性あるいは熱可塑性樹脂が大部分を占める。FRP特にCFRPを成形する場合の問題点としては、温度制御が複雑で硬化に長時間を要するため加工コストが高いこと、大型FRPを硬化させる際には大型の加熱炉を必要とすること、常温下で短時間に硬化可能な樹脂の場合は成形に長時間を要する大型FRPに使用できないこと、樹脂粘度の温度変化により樹脂含浸状態が変化し、成形が困難であること、残留溶剤により樹脂硬化時にボイドが発生し成形品の品質が低下すること等がある。
最近、かかる問題点の解決策としてマトリクス樹脂への光硬化樹脂の利用が注目されている。かかるマトリクス樹脂硬化方法の代表的な例としては特にロックタイトコーポレイションのUV硬化と加熱硬化を併用したフィラメントワインディング成形法(ロックタイトコーポレイション、繊維/樹脂組成物及びその調製法、特許文献3参照)を例示することができる。しかし、かかる組成物を用いたFRPの成形法は、樹脂を含浸した未硬化のFRPにUVを照射して表面を硬化並びに内部を極度に増粘(ゲル化)させ、形状並びに含浸状態の保持をある程度可能とさせた後、加熱により完全に硬化させるものである。従って従来の熱可塑性あるいは熱硬化性樹脂による製造方法と比較して樹脂粘度の温度変化が極めて微小で且つ含浸後のハンドリングが容易であるが、完全硬化には加熱硬化過程が必要であるため、加熱硬化に要する光熱費や作業時間等による加工コストの問題や硬化完了に長時間を要する問題、更に大型FRPの成形には大型の加熱炉が必要な点などは未解決である。
特開平8−283388号公報 特公昭61−38023号公報 特表平7−507836号公報 特開平6−157624号公報 特開平7−82283号公報 "Journal of Polymer Science":PartA:"Polymer Chemistry" Vol.29,1675-1680(1991),「高分子」40巻12月号(1991),794-797
そこで本発明者らは上記した従来のエネルギー線硬化樹脂の欠点、及びFRP特にCFRPの欠点に鑑み、エネルギー線遮蔽物含有厚肉樹脂のエネルギー線硬化、及びFRP、特にCFRPのエネルギー線硬化について鋭意研究した結果、本発明に到達したものであり、その目的とするところは、エネルギー線の遮蔽性が極めて高い物質、例えばカーボン、炭素繊維(CF)、金属、その他無機フィラー等を包含する樹脂系、例えば炭素繊維強化複合材(CFRP)、カーボン/金属物/無機物含有樹脂等においても、エネルギー線硬化を可能にする新規樹脂硬化方法とその組成物、成形物、及び成形方法を提供することである。本発明の他の目的は、例えば炭素繊維強化複合材(CFRP)のようなエネルギー線の遮蔽性が高い樹脂組成物に特定の2元系以上からなる光重合開始剤(反応触媒系)を存在させることによりUVやEB等エネルギー線を照射するだけで陰部や深部まで該樹脂組成物を完全に硬化させることにある。
上記の目的は、下記に要約する各発明によって効果的に達成することができる。
(1)エネルギーを樹脂組成物に付与した際、エネルギー源からのエネルギーとは別のエネルギーを樹脂内部に自己発生させ、かかるエネルギー若しくはかかるエネルギーとエネルギー源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
(2)エネルギーを樹脂組成物に付与した際、エネルギー源からのエネルギーとは別のエネルギーを樹脂内部に自己発生させ、更に発生したエネルギーにより連続的にかかるエネルギーを発生させ、かかるエネルギー若しくはかかるエネルギーとエネルギー源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
(3)エネルギー線を樹脂組成物に照射した際、エネルギー線源からのエネルギーとは別のエネルギーを樹脂内部に自己発生させ、かかるエネルギー若しくはかかるエネルギーとエネルギー線源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
(4)エネルギー線を樹脂組成物に照射した際、エネルギー線源からのエネルギーとは別のエネルギーを樹脂内部に自己発生させ、更に発生したエネルギーにより連続的にかかるエネルギーを発生させ、かかるエネルギー若しくはかかるエネルギーとエネルギー線源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
(5)上記(3)に記載されている発生エネルギーとして、樹脂内部に熱エネルギーを自己発生させ、樹脂組成物中のエネルギー線を遮蔽する遮蔽物質(以下エネルギー線遮蔽物質という)の有無に関わらず、かかる熱エネルギー若しくはかかる熱エネルギーとエネルギー線源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
(6)上記(4)に記載されている発生エネルギーとして、樹脂内部に熱エネルギーを自己発生させ、更に発生した熱エネルギーにより連続的に熱エネルギーを発生させ、樹脂組成物中のエネルギー線遮蔽物質の有無に関わらず、かかる熱エネルギー若しくはかかる熱エネルギーとエネルギー線源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
(7)上記(5)に記載されている樹脂内部の自己発生熱エネルギーとしてはエネルギー線により樹脂組成物が硬化する際の硬化反応熱を積極的に発生させ、樹脂組成中のエネルギー線遮蔽性物質の有無に関わらず、かかる反応熱エネルギー若しくはかかる反応熱エネルギーとエネルギー線源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
(8)上記(6)に記載されている樹脂内部の自己発生熱エネルギーとしてはエネルギー線により樹脂組成物が硬化する際の硬化反応熱を積極的に発生させ、また連続して発生させる熱エネルギーとしては、かかる硬化反応熱により更に連鎖反応的に硬化反応させることで連続して硬化反応熱を発生させ、樹脂組成物中のエネルギー線遮蔽性物質の有無に関わらず、かかる反応熱エネルギー若しくはかかる反応熱エネルギーとエネルギー線源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
(9)上記(1)ないし(8)のいずれかに記載されている硬化反応の際、エネルギー源及びエネルギー線源からのエネルギー及びエネルギー線や反応熱によって硬化を起こさせたり硬化反応をしやすくするために、カチオン、ラジカル及びアニオンから選ばれる少なくとも一種を利用することを特徴とする樹脂硬化方法。
(10)上記(9)に記載されている樹脂硬化方法において、エネルギー線を樹脂組成物に照射した際、樹脂内部にカチオンとエネルギー線により樹脂組成物が硬化する際の硬化反応熱を積極的に発生させ、且つカチオンとかかる硬化反応熱により更に連鎖反応的に樹脂組成物を硬化反応させて連続してカチオンと硬化反応熱を発生させ、樹脂組成中のエネルギー線遮蔽性物質の有無に関わらず、反応熱エネルギー及びカチオン若しくは反応熱エネルギー及びカチオンとエネルギー線源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
(11)上記(1)ないし(10)のいずれかに記載される樹脂硬化方法において、予め樹脂組成物を硬化しない温度範囲で加温することでより硬化しやすくすることを特徴とする樹硬化方法。
(12)上記(1)ないし(11)のいずれかに記載される樹脂硬化方法に重合開始剤を用いる樹脂硬化方法。
(13)上記(1)ないし(12)のいずれかに記載される樹脂硬化方法を可能とする組成物を熱で硬化を開始させるか、熱で硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
(14)上記(12)又は(13)に記載される樹脂硬化方法を可能とする重合開始剤であって、光重合開始剤と光と熱の双方で重合を開始させる光・熱重合開始剤を成分とする2元系以上からなる光重合開始剤。
(15)上記(14)に記載されている2元系以上からなる光重合開始剤のうち、光・熱重合開始剤として熱に対する重合開始作用が高い光・熱重合開始剤を用いる2元系以上からなる光重合開始剤。
(16)上記(14)又は(15)に記載されている2元系以上からなる光重合開始剤の少なくとも一種と熱重合開始剤を成分とする2元系以上からなる光重合開始剤。
(17)上記(14)ないし(16)のいずれかに記載されてる2元系以上からなる光重合開始剤で、主にラジカル系又は全てラジカル系からなる光重合開始剤。
(18)上記(14)ないし(16)のいずれかに記載される2元系以上からなる光重合開始剤で、主にアニオン系又は全てアニオン系からなる光重合開始剤。
(19)上記(14)ないし(16)のいずれかに記載される2元系以上からなる光重合開始剤で、主にカチオン系又は全てカチオン系からなる光重合開始剤。
(20)上記(19)に記載されている2元系以上からなる光重合開始剤のうち、光重合開始剤にはジアゾニウム塩タイプ、ヨードニウム塩タイプ、ピリジニウム塩タイプ、ホスホニウム塩タイプ、スルホニウム塩タイプ、鉄−アレン化合物タイプ及びスルホン酸エステルタイプの少なくとも1種と、光・熱重合開始剤には下記の一般式(I)、(II)、(III) 、(IV)、(V)、(VI)及び(VII) で示されるスルホニウム塩の少なくとも1種を含む2元系以上からなる光重合開始剤。
Figure 2005206847
(ただしR1 は水素、メチル基、アセチル基、メトキシカルボニル基を、R2 、R3 は独立して水素、ハロゲン、C1 〜C4 のアルキル基のいずれかを、R4 は水素、ハロゲン、メトキシ基を、R5 はC1 〜C4 のアルキル基を示す。Aは、SbF6 、PF6 、AsF6 、BF4 を示す。)
Figure 2005206847
(上式(II)又は (II′) において、R6 は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、メチル基、R7 は水素原子、CH3 CO、CH3 OCO、AはSbF6 、PF6 、BF6 、AsF6 である。)
Figure 2005206847
(上式中、R8 は水素原子、CH3 CO、CH3 OCO、BはSbF6 、PF6 、BF6 、AsF6 、CH3 SO4 を表す。)
Figure 2005206847
〔式(a)において、R9 はC1 〜C18の脂肪族基、R10はC1 〜C18の脂肪族基又はC6 〜C18の置換又は非置換の芳香族基であり、R9 とR10は互いに結合して環を形成してもよい〕で示されるスルホニオ基を表す。
Figure 2005206847
〔式(b)において、R11はC1 〜C18の脂肪族基、R12はC1 〜C18の脂肪族基又はC6 〜C18の置換又非置換の芳香族基であり、R11とR12は互いに結合して環を形成してもよい〕で示されるスルホニオ基であるか、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシ基、C1 〜C18の脂肪族基又はC6 〜C18の置換又は非置換のフェニル基、フェノキシ基又はチオフェノキシ基である。式(IV)において、n、mはそれぞれ独立に1ないし2の整数であり、Zは式MQ1 又はMQ1-1 OH(MはB、P、As又はSbであり、Qはハロゲン原子、lは4又は6の整数である)で示される陰イオンである。
Figure 2005206847
(ただしR13、R14は独立して水素、C1 〜C4 のアルキル基のいずれかを示し、Aは、SbF6 、PF6 、AsF6 を示す。)
Figure 2005206847
(式中R15はエトキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基、クロルメチル基、ジクロルメチル基、トリクロルメチル基、トリフルオロメチル基のいずれかを、R16、R17は独立して水素、ハロゲン、C1 〜C4 のアルキル基のいずれかを、R18は水素、メチル基、メトキシ基、ハロゲンのいずれかを、R19は水素、メチル基、メトキシ基、ハロゲンのいずれかを、R19はC1 〜C4 のアルキル基を示す。AはSbF6 、PF6 、BF4 、AsF6 を示す。)
Figure 2005206847
(ただしQはメトキシカルボニルオキシ基、アセトキシ基、ベンジルオキシカルボニルオキシ基、ジメチルアミノ基を、R20、R21は独立して水素、C1 〜C4 のアルキル基のいずれかを、R22、R23は独立してC1 〜C4 のアルキル基のいずれかを示す。Aは、SbF6 、PF6 、AsF6 、BF4 を示す。)
(21)上記(20)に記載されている2元系以上からなる光重合開始剤のうち、光重合開始剤にはアリール系スルホニウム塩タイプ、光・熱重合開始剤には一般式(I)、(II)又は(III) 、で示されるスルホニウム塩タイプの少なくとも1種を含む2元系以上からなる光重合開始剤。
(22)上記(19)ないし(21)のいずれかに記載されている2元系以上からなる光重合開始剤の少なくとも1種と、熱重合開始剤として化学式 (VIII) 及び(IX)の少なくとも1種を含む2元系以上からなる光重合開始剤。
Figure 2005206847

(23)上記(1)ないし(13)のいずれかに記載されている硬化方法を可能とする組成物であって、エネルギー線をかかる組成物に照射した際、エネルギー線源からのエネルギーとは別のエネルギーをかかる組成物内部に自己発生させるか、若しくは、エネルギー線をかかる組成物に照射した際、エネルギー線源からのエネルギーとは別のエネルギーをかかる組成物内部に自己発生させ、更に発生したエネルギーにより連続的にかかるエネルギーを発生させることのできる組成物。
(24)上記(23)に記載の組成物のうち、光重合開始剤及び光重合性オリゴマー若しくは光重合性モノマーを含む組成物。
(25)上記(23)又は(24)に記載されている組成物のうち、必須成分として上記(14)ないし(22)のいずれかに記載されている2元系以上からなる光重合開始剤を含む組成物。
(26)上記(25)に記載されている組成物のうち、必須成分として上記(19)ないし(22)のいずれかに記載されている2元系以上からなる光重合開始剤のいずれかとカチオン系光重合性オリゴマー若しくはカチオン系光重合性モノマーからなる樹脂組成物。
(27)上記(26)に記載されている樹脂組成物のうち、カチオン系光重合オリゴマー若しくはカチオン系光重合性モノマーとして光重合性エポキシオリゴマー若しくは光重合性エポキシモノマーを用いる樹脂組成物。
(28)上記(27)に記載されている樹脂組成物のうち、光重合性エポキシオリゴマー若しくは光重合性エポキシモノマーとして光重合性脂環式エポキシオリゴマーや光重合性脂環式エポキシモノマーを用いる樹脂組成物。
(29)上記(28)に記載されている樹脂組成物のうち、光重合性脂環式エポキシモノマーとして3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートを用いた樹脂組成物。
(30)上記(25)ないし(29)のいずれかに記載されている組成物のうち、光重合性樹脂成分(光重合性のオリゴマー若しくはモノマー)100重量部に対し、2元系以上からなる光重合開始剤0.5〜6.0重量部を含有し、且つ2元系以上からなる光重合開始剤を構成する光・熱重合開始剤/光重合開始剤の重量比が1〜4である樹脂組成物。
(31)上記(30)に記載されている樹脂組成物のうち、上記(20)ないし(22)のいずれかに記載されている2元系以上からなる光重合開始剤と、上記(26)ないし(29)のいずれかに記載される光重合性樹脂成分からなる樹脂組成物。
(32)上記(23)ないし(31)のいずれかに記載されている組成物がエネルギー線遮蔽性物質、各種フィラー、有機成分の少なくとも1種を含有する組成物。
(33)上記(23)ないし(32)のいずれかに記載されている組成物に光増感剤、反応性希釈剤及び光鋭感剤の少なくとも1種を加えた組成物。
(34)上記(1)ないし(13)のいずれかに記載された方法によって硬化した硬化生成物。
(35)上記(4)ないし(22)のいずれかに記載されている2元系以上からなる光重合開始剤を含む組成物を成形してなる成形体。
(36)上記(23)ないし(33)のいずれかに記載された組成物を成形してなる成形体。
(37)上記(1)ないし(13)のいずれかに記載されている樹脂硬化方法を可能とする組成物を含有する成形材料、繊維強化複合材料、炭素繊維強化複合材料、その他複合材料、接着剤、封止材、ワニス、塗料又はコーティング材、インキ又はトナー。
(38)上記(14)ないし(22)のいずれかに記載されている2元系以上よりなる光重合開始剤を含有する成形材料、繊維強化複合材料、炭素繊維強化複合材料、その他複合材料、接着剤、封止材、ワニス、塗料又はコーティング材、インキ又はトナー。
(39)上記(23)ないし(33)のいずれかに記載されている組成物からなる成形材料、繊維強化複合材料、炭素繊維強化複合材料、その他複合材料、接着剤、封止材、ワニス、塗料又はコーティング材、インキ又はトナー。
(40)上記(1)ないし(13)のいずれかに記載されている樹脂硬化方法を利用し、成形材料、繊維強化複合材料、炭素繊維強化複合材料、その他複合材料の成形物、接着剤、封止材、ワニス、塗料又はコーティング材の硬化物、インキ又はトナーの印刷物を製造する製造方法。
(41)上記(1)ないし(13)のいずれかに記載されている硬化方法を可能にする組成物を利用し、成形材料、繊維強化複合材料、炭素繊維強化複合材料、その他複合材料の成形物、接着剤、封止材、ワニス、塗料又はコーティング材の硬化物、インキ又はトナーの印刷物を製造する製造方法。
(42)上記(14)ないし(22)のいずれかに記載されている2元系以上よりなる光重合開始剤を含有する組成物を利用し、成形材料、繊維強化複合材料、炭素繊維強化複合材料、その他複合材料の成形物、接着剤、封止材、ワニス、塗料又はコーティング材の硬化物、インキ又はトナーの印刷物を製造する製造方法。
(43)上記(23)ないし(33)のいずれかに記載されている組成物を利用し、成形材料、繊維強化複合材料、炭素繊維強化複合材料,その他複合材料の成形物、接着剤、封止材、ワニス、塗料又はコーティング材の硬化物、インキ又はトナーの印刷物を製造する製造方法。
(44)上記(40)ないし(43)のいずれかに記載されている繊維強化複合材料又は炭素繊維強化複合材料の製造方法において、ハンドレイアップ、スプレーアップ、フィラメントワインディング、テープワインディング、ロールワインディング、引き抜き成形及びロールプレス連続成形の少なくとも1種を利用する製造方法。
(45)上記(23)ないし(33)のいずれかに記載されている組成物のいずれかを、強化繊維又は強化繊維クロス材に含浸させることを特徴とするプリプレグの製造方法。
(46)上記(45)の製造方法により製造されたプリプレグを積層し、上記(1)ないし(13)のいずれかの硬化方法にて硬化させる繊維強化複合材料の製造方法。
(47)上記(23)ないし(33)のいずれかに記載されている組成物を三次元織物に含浸させた後、上記(1)ないし(13)のいずれかの硬化方法にて硬化させる繊維強化複合材料の製造方法。
(48)上記(23)ないし(33)のいずれかに記載されている組成物を繊維強化複合材料、建築物、製造物又は製造物の補修箇所に充填するか、或いは上記(45)の製造方法により製造されたプリプレグを繊維強化複合材料、建築物、建造物又は製造物の補修箇所に張り付けた後、上記(1)ないし(13)のいずれかの硬化方法にて硬化させる繊維強化複合材料、建築物、建造物又は製造物の補修方法。
(49)上記(45)の製造方法により製造されたプリプレグを繊維強化複合材料、建築物、建造物又は製造物の補強箇所に張り付けた後上記(1)ないし(13)の硬化方法のいずれかにて硬化させるか、或いは、上記(23)ないし(33)のいずれかに記載されている組成物を用い、繊維強化複合材料、建築物、建造物又は製造物の補強箇所に強化繊維又はかかるクロス材をスプレーアップ又は刷毛塗りにて張り付け、上記(1)ないし(13)のいずれかの硬化方法にて硬化させる繊維強化複合材料、建築物、建造物又は製造物の補強方法。
(50)上記(40)ないし(49)のいずれかに記載されている方法において、繊維材料に炭素繊維を用いる方法。
(51)上記(40)ないし(50)のいずれかに記載されている方法において、上記(20)ないし(22)のいずれかに記載されている2元系以上よりなる光重合開始剤を組成中に含有している材料を用いる方法。
(52)上記(40)ないし(50)のいずれかに記載されている方法において、上記(30)に記載されている組成物よりなる材料を用いる方法。
(53)上記(40)ないし(50)のいずれかに記載されている方法において、上記(31)に記載されている組成物を用いる方法。
(54)上記(40)ないし(43)のいずれかに記載された製造方法によって成形されてなる成形体。
(55)上記(37)ないし(39)のいずれかに記載されているもののうち繊維強化複合材料又は炭素繊維強化複合材料。
(56)上記(44)の方法により成形してなる成形物。
(57)上記(45)の方法で製造されるプリプレグ。
(58)上記(57)に記載されているプリプレグを硬化させてなる繊維強化複合材料。(59)上記(23)ないし(33)のいずれかに記載されている組成物を三次元織物に含浸させた後、硬化させてなる繊維強化複合材料。
(60)上記(23)ないし(33)のいずれかに記載されている組成物からなり、繊維強化複合材料、建築物、建造物又は製造物の補修箇所に充填するための補修用材料。
(61)繊維強化複合材料、建築物、建造物又は製造物又は製造物の補強用材料であって、上記(23)ないし(33)のいずれかに記載されている組成物からなる繊維強化複合材料、建築物、建造物又は製造物の補強用材料。
(62)上記(37)ないし(39)のいずれか又は(54)ないし(61)のいずれかに記載されている材料又は成形物において、繊維材料に炭素繊維を用いた材料又は成形物。
(63)上記(37)ないし(39)のいずれか又は(54)ないし(62)のいずれかに記載されている材料又は成形物において、上記(20)ないし(22)のいずれかに記載されている2元系以上よりなる光重合開始剤を組成中に含有している材料又は成形物。
(64)上記(37)ないし(39)のいずれか又は(54)ないし(62)のいずれかに記載されている材料又は成形物において、上記(30)に記載されている組成物よりなる材料又は成形物。
(65)上記(37)ないし(39)のいずれか又は(54)ないし(62)のいずれかに記載されている材料又は成形物において上記(31)に記載されている組成物よりなる材料又は成形物。
上記の本発明の方法において、特に(1)〜(13)の方法でエネルギー、例えば熱エネルギーを樹脂内部に自己発生させ、または該発生したエネルギーによって連続してエネルギーを発生させて樹脂組成物の硬化を可能とするためには、具体的には重合反応触媒として光重合開始剤と光・熱重合開始剤を用いる少なくとも2元系の光重合開始剤系(反応触媒系)が上記硬化方法を可能にする。
すなわち本発明は更に要約すると、CFRP及びエネルギー線遮蔽性物質厚肉樹脂のエネルギー線硬化を可能にする新規樹脂硬化機構とかかる硬化機構を可能にする2元系以上からなる光重合開始剤系(反応触媒系)とそれを含む組成物をを特徴とし、特に光重合開始剤にジアゾニウム塩タイプ、ヨードニウム塩タイプ、ピリジニウム塩タイプ、ホスホニウム塩タイプ、スルホニウム塩タイプ、鉄−アレン化合物タイプ、スルホン酸エステルタイプの少なくとも1種と、光・熱重合開始剤には一般式(I)ないし (VII)で示されるスルホニウム塩の少なくとも1種を含む2元系以上からなる光重合開始剤(反応触媒系)を好ましくは用いるものである。更に光重合開始剤にアリール系スルホニウム塩タイプ(トリアリールスルホニウム塩)、光・熱重合開始剤に一般式 (I)、 (II)、(III)、で示されるスルホニウム塩の少なくとも1種を含む2元系以上からなる光重合開始剤(反応触媒系)を用いるのが好ましい。
又、これら2元系以上からなる光重合開始剤に化学式(VIII)、(IX)に代表される熱重合開始剤を加えて用いてもよい。更に本発明は、特定された2元系以上からなる光重合開始剤系の組成比率、新規樹脂硬化機構を可能にする樹脂組成物及び樹脂組成比及び成形物、かかる硬化機構及び樹脂組成物の利用方法、かかる樹脂をマトリクス樹脂としたFRP製造方法及び樹脂組成物及び成形物に関するものである。
本発明者らはまず、エネルギー線遮蔽性物質含有樹脂やかかる厚肉樹脂、かかる応用例であるFRPやCFRPのエネルギー線硬化が不可能なのは、UVに代表されるエネルギーが (1)物質(樹脂)を透過する際に減衰する(図1)、 (2)同波長を吸収する物質によって容易に遮蔽される(図2)という特徴を有するためであることと、UV硬化樹脂に代表されるエネルギー線硬化樹脂は (3)一定量以上のエネルギー線が透過した部位のみ硬化する(図3)という特徴を有するためであることに着目し、且つ (1)と (2)は原理原則に基づく変更困難な事象であることを考慮した上で、硬化に必要なエネルギーの確保、硬化に必要なエネルギーが遮蔽されることの回避、エネルギー線未透過部位の硬化が可能な新規樹脂硬化機構について鋭意研究した結果、エネルギー線を樹脂組成物に照射、又はエネルギーを樹脂組成物に付与した際、樹脂内部に別のエネルギーを自己発生させ、かかるエネルギー若しくはかかるエネルギーとエネルギー線源、又はエネルギー源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させる新規な樹脂硬化機構を明らかにすると共に、この機構に基づく樹脂硬化方法を開発した。
図1はUVランプからのエネルギー線が樹脂組成物を透過する際にUVエネルギーの強度が次第に減衰する状態を矢印の中の濃淡(図には波形で表現した)で示している。図2では、カーボンクロス材のようなエネルギー線遮蔽性物質が存在するためUVエネルギーが簡単に遮断される。図3(a)及び(b)は、それぞれUVエネルギーを液状樹脂に透過させる場合に一定量以上のエネルギー線が透過した部位のみが硬化する様子(図の右下がり斜線部分)を示している。(b)はカーボンクロス材のようなエネルギー線遮蔽物質が存在する場合で硬化が遮蔽物質でさえぎられていることを示す。ここでエネルギー線としては紫外線のほか電子線、X線、赤外線、太陽光線、可視光線、レーザー(エキシマレーザー、O2 レーザー等)、熱線(放射や輻射等)等が挙げられる。又、付与するエネルギーとしては光や電磁波の他に熱等でもよい。
これを基本に更に鋭意研究し、自己発生エネルギーの連続的な発生、自己発生エネルギーとして熱エネルギーの適用、熱エネルギーの連続的な発生、熱エネルギーとして硬化反応熱(硬化発熱)の適用、カチオン、ラジカル、アニオンの利用、予熱による硬化性の向上、重合開始剤の利用等を見出し、エネルギー線を樹脂組成物に照射した際、樹脂内部にカチオンと硬化反応熱(硬化発熱)を積極的に発生させ、且つカチオンと硬化反応熱により更に連鎖反応的に樹脂を硬化反応させて、連続的にカチオンと硬化反応熱(硬化発熱)を発生させ、樹脂組成中のエネルギー線性遮蔽物質の有無に関わらず、反応熱エネルギー若しくは反応熱エネルギーとエネルギー線源からのエネルギーにより樹脂組成物が硬化する新規樹脂硬化機構(図4)、及びかかる樹脂硬化方法を開発した。
図4(a)、(b)は本発明による樹脂硬化機構(光+硬化反応熱及びカチオン硬化システム)を説明するための模式図でエネルギー線を樹脂組成物に照射した際、樹脂内部にカチオンと硬化反応熱を積極的に発生させ、且つカチオンと硬化反応熱により更に連鎖的反応に樹脂を硬化反応させる状態を示している。(a)は初期の状態、(b)は最下層の樹脂組成物まで反応熱硬化が進行している状態を示している。いずれの場合も硬化反応はカーボンクロス材の有無に関わらず進行している。又、本例では重合において硬化反応熱とともにカチオンを利用しているが、樹脂の重合を担うものとして、周知のように、本発明においてもラジカル、アニオンの利用が可能である。更に本発明の硬化機構は光や電磁波等のエネルギーの他に例えば熱等でも同様の硬化を可能とする。
この度開発したこれら新規樹脂硬化機構は、従来技術の代表である高UV硬化性樹脂やUV・加熱併用硬化型樹脂の樹脂硬化機構(図5、図6)とも大きく異なっており、この相違に起因して本発明の新規樹脂硬化機構には、フィラー含有物の硬化不良やエネルギー線照射後の加熱の必要性という従来技術の欠点は存在しない。図5(a)、(b)は、従来の高UV硬化性樹脂の樹脂硬化機構を示すもので、(a)のようにエネルギー線遮蔽物質が存在しない場合は、硬化膜厚が厚くとれるという利点はあるが該遮蔽物質があると、(b)に示されるように硬化反応は進行しない。
図6(a)、(b)は、従来のUV・加熱併用硬化型樹脂の樹脂硬化機構を示すもので、(b)のUVエネルギー照射による硬化ではエネルギー線遮蔽物質の存在により硬化が進行しないので(下の図の場合)、(a)のようにエネルギー線照射後に加熱を併用して硬化を進行させる必要がある。カーボンクロス材のようなエネルギー線遮蔽物質が存在する場合は、加熱無しでは従来のUV硬化の有する問題点を解消することができない。(a)、(b)いずれの場合も、上の図が該遮蔽物が存在しない場合を、下の図が存在する場合を示している。
次に本発明者らは上記の新規樹脂硬化機構及びかかる樹脂硬化方法を可能とする重合反応開始剤について鋭意研究した結果、光重合開始剤と光及び熱の双方で重合を開始させる光・熱重合開始剤を用いる少なくとも2元系の光重合開始剤系(反応触媒系)が本発明の目的の達成に有用であるとの知見を得た。
ここで光重合開始剤として、例えば、下記表Aに示すようなジアゾニウム塩タイプの化合物、表Bに示すようなヨードニウム塩タイプの化合物、下記一般式
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に示されるようなピリジニウム塩タイプの化合物、特許文献4及び5に示されるようなホスホニウム塩タイプの化合物、下記表Cに示されるようなスルホニウム塩タイプの化合物(後述の実施例表1参照)、表1に示される開始剤(9) (本明細書において開始剤及びオリゴマーの番号は( )付き数字で示すが、表及び図中では丸囲み数字で表示)のような鉄−アレン化合物タイプの化合物及びスルホン酸エステルタイプの化合物の少なくとも1種と、光・熱重合開始剤として、一般式(I)ないし(VII) で示されるスルホニウム塩の少なくとも1種を組合せるのが好ましい。
Figure 2005206847
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更にラジカル光開始剤としては次の表D及び表Eに示されるものが用いられる。
Figure 2005206847
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一般式(I)ないし(III) で表される化合物の具体例としては、後述の実施例で用いている光重合開始剤(1) 〜(3) 等が挙げられる(非特許文献1参照)。
一般式(IV)で表される化合物の具体例としては、ビス〔4−(ジメチルスルホニオ)フェニル〕スルフィドビス−ヘキサフルオロホスフェート、ジメチル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。一般式(V)で表される化合物の具体例としてはジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートが挙げられ、一般式(VI)で表される化合物の具体例としてはベンジル−4−(エトキシカルボニルオキシ)フェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートが挙げられ、一般式(VII) で表される化合物の具体例としては4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートが挙げられる。
更に別の組合せとしては、光重合開始剤に表Cに示されるようなアリール系スルホニウム塩タイプの化合物(トリアリールスルホニウム塩、例えば表1の光開始剤(6) )の少なくとも1種と光・熱重合開始剤に上記のような一般式(I)ないし(III) で示されるスルホニウム塩の少なくとも1種を含む2元系以上からなる光重合開始剤系(反応触媒系)が好ましい例として挙げられる。
更に本発明者らは、上記の研究を更に進めた結果、光・熱重合開始剤として熱に対する触媒作用が高い光・熱重合開始剤、例えば前記一般式(I)ないし(III) で表される化合物(表1の光開始剤(1) 〜(3) )の使用が好ましく、また、熱重合開始剤としては、例えば、化学式(VIII)で表されるれるプレニル・テトラメチレンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート及び化学式 (IX) で表される2−ブチニルテトラメチレンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートの使用が好ましいことを発見した。
最後に上記した新規な樹脂硬化機構及びかかる樹脂硬化方法を可能にする樹脂組成物についても同様に鋭意研究した結果、次の知見を得た。すなわち、2元系以上からなる光重合開始剤と光重合性オリゴマーや光重合性モノマーからなる樹脂組成物、及びかかる成形物が有用であることが判明した。特に、カチオン系光重合性オリゴマーやカチオン系光重合性モノマー又は光重合性エポキシオリゴマーや光重合性エポキシモノマーの適用が好ましい。この種の光重合性オリゴマーの例としては脂環式エポキシ、グリシジルエーテル型エポキシ、エポキシ化ポリオレフィン、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステルアクリレート、ビニルエーテル化合物等が挙げられ、光重合性モノマーの例としてはエポキシモノマー、アクリルモノマー、ビニルエーテル、環状エーテル等が挙げられる。なかでも光重合性脂環式エポキシオリゴマーや光重合性脂環式エポキシモノマーが好ましく、光重合性脂環式オリゴマーとしては、特に3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートが好ましい。
特に光重合開始剤として、表Cに示されるようなアリール系スルホニウム塩タイプ(トリアリールスルホニウム塩、例えば表1の光開始剤(6) )の少なくとも1種と光・熱重合開始剤として前述のような一般式(I)ないし(III) で示されるスルホニウム塩の少なくとも1種とを含む少なくとも2元系以上からなる光重合開始剤系と例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートのような光重合性エポキシモノマーもしくはオリゴマーの少なくとも1種からなる樹脂組成物及びそれより得られる成形物が好ましい。
本発明において上記樹脂組成物の好ましい組成比は光重合性樹脂成分(光重合性のオリゴマーやモノマー)100重量部に対し、2元系以上からなる光重合開始剤系(反応触媒系)成分が0.5〜6.0重量部、好ましくは1.5〜3.5重量部で、且つ光重合開始剤系成分を構成する光・熱重合開始剤/光重合開始剤の重量比が1〜4、好ましくは1.3〜2.8である。2元系以上からなる光重合開始剤の割合が0.5重量部未満ではその効果が殆どなく、全体に対する量が少ないためそのものが機能しにくく、また、6.0重量部を超えても光硬化機能そのものは変わらない。光・熱重合開始剤/光重合開始剤の重量比が1より小さいと、硬化初期の発熱が得にくく、本発明の特徴である硬化機能が発揮しにくいため樹脂表面のみの硬化となり、また、4を超えると硬化特性、特にその発熱特性が異常に高まるため急激な発熱硬化により樹脂が発泡するという問題が生じる。(関連データ:表3,図9及び表4,図10)。
更には、上記の樹脂組成物に硬化可能な範囲で添加することのできる添加剤としては、エネルギー線遮蔽性物質〔例えば炭素及び炭素繊維(短繊維、長繊維、連続繊維、カーボンクロス等)、無機フィラー、金属粉等〕及び各種フィラー、有機成分、光増感剤、反応性希釈剤、光鋭感剤等慣用される添加剤を1種以上添加することができる。
更に本発明者らは、FRP特にCFRPを製造する際、高加工コストの原因として(長時間の)加熱硬化工程が挙げられること、装置・設備の小型化できないのは大型FRPの硬化には大型加熱炉が必要であること、短時間硬化樹脂を大型FRPに使用できないのは硬化開始時間を任意にコントロールできないためであること、含浸状態の保持が難しく成形が困難であるのは製造過程での加熱により樹脂粘度が変化するためであること、品質低下の要因であるボイドの発生は残留溶剤に起因することに着目して、加熱工程が不要で、短時間で硬化し、樹脂硬化開始時間を任意にコントロールでき、溶媒を必要としないFRP特にCFRPの製造方法について鋭意研究した結果、本発明のかかる樹脂組成物をマトリクス樹脂として用いてこれを繊維に含浸させた後、本発明の新規樹脂硬化機構、及び樹脂硬化方法を利用して、UVに代表されるエネルギー線によりFRP及びCFRPを硬化させるFRP及びCFRPの製造方法、及びかかる製造物を開発した。なお本発明で製造物とは建築物、構造物以外の人工的に製造可能な物で本発明の適用範囲内の物をいう。
従来技術の代表であるUV硬化と加熱硬化を併用したフィラメントワインディング成形法では、UV硬化は表面の硬化と内部の増粘のみに関与し、結局全体の硬化は従来同様加熱により硬化させる。従って、従来技術は加熱硬化過程に関係する加工コストや作業時間等の様々な問題点や、大型FRPの成形時の大型加熱炉の必要性等の問題点は未解決のままであるが、本発明のかかるFRP及びCFRP製造方法にはかかる問題点は存在しない。
また、本発明を用いたFRPは、強化繊維として炭素繊維、ガラス繊維、有機繊維など通常のFRPの強化繊維として使用されているものはいずれの繊維も使用することができるし、繊維の形態も一方向に揃えたもの及び織物及び編み物などいかなる形態のものであっても差し支えない。さらに炭素繊維とガラス繊維あるいは炭素繊維とこれらのハイブリットでも良く、特に制限されるものではない。更にFRPの成形方法(図7及び図8)として通常のFRP成形方法を含めたハンドレイアップ、スプレーアップ、フィラメントワインディング、テープワインディング、ロールワインディング、引き抜き成形、ロールプレス連続成形等の成形方法が可能である。
以下本発明を実施例により更に詳細に説明するが限定を意図するものではない。
〔実施例1〕ERL−4221(ユニオンカーバイド(株)製:脂環式エポキシ樹脂;3,4−シクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)100重量部に対し、サンエイドSI−80L(三新化学(株)製:カチオン系光・熱重合開始剤;一般式(II))1.75重量部、DAICAT11(ダイセル化学工業(株)製:カチオン系光重合開始剤;アリール系スルホニウム塩)0.75重量部を配合した。(A)
次に上部以外の周囲を黒紙で覆ったガラス容器(φ40mm×H80mm)にかかる樹脂をガラス容器上端まで注入した。(B)
これにUVを60sec照射した。UV照射条件はUV照射装置:UVL−1500M2(ウシオ電機(株))、ランプ種類:メタルハライドランプ、ランプ強度:120W/cm、ランプ長:125mm、雰囲気・温度・圧力:空気中・室温・大気圧、照射距離:19cmで行った。(C)
UV照射後、数分でガラス容器の樹脂は完全に硬化し、樹脂の肉厚はガラス容器の限界である80mm(測定最大値)であった。
〔実施例2ないし実施例245及び比較例1ないし比較例187〕表1に示す樹脂組成物を用い、表2及び表3に示す組成比で試験を行う以外は実施例1と同様の条件にて試験した。試験結果は表2及び表3並びに表4と図9の結果となった。また、硬化発熱による樹脂温測定データは図10の結果となった。
Figure 2005206847
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〔実施例246〕実施例1の(A)と同様の樹脂組成物を調製し、(B)と同様の方法にてサンプルを準備した。
照射距離:25cm以外は実施例1の(C)と同様の条件にてUVを照射した。UV照射後、数分でガラス容器の樹脂は完全に硬化し、樹脂の肉厚はガラス容器の限界である80mm(測定最大値)であった(関連図:図11)。
〔実施例247〕実施例1の(A)と同様の樹脂組成物を調製し、(B)と同様の方法にてサンプルを準備した。
照射距離:20cm以外は実施例1の(C)と同様の条件にてUVを照射した。UV照射後、数分でガラス容器の樹脂は完全に硬化し、樹脂の肉厚はガラス容器の限界である80mm(測定最大値)であった(関連図:図11)。
〔実施例248〕実施例1の(A)と同様の樹脂組成物を調製し、(B)と同様の方法にてサンプルを準備した。
照射距離:15cm以外は実施例1の(C)と同様の条件にてUVを照射した。UV照射後、数分でガラス容器の樹脂は完全に硬化し、樹脂の肉厚はガラス容器の限界である80mm(測定最大値)であった(関連図:図11)。
〔実施例249〕実施例1の(A)と同様の樹脂組成物を調製し、(B)と同様の方法にてサンプルを準備した。
UV照射装置:UVL−3500M2(ウシオ電機(株))、ランプ種類:メタルハライドランプ、ランプ強度:120W/cm、ランプ長:250mm、雰囲気・温度・圧力:空気中・室温・大気圧、照射距離:19cm、照射時間:60secの条件にてサンプルにUVを照射した。(D)
UV照射後、数分でガラス容器の樹脂は完全に硬化し、樹脂の肉厚はガラス容器の限界である80mm(測定最大値)であった。
〔実施例250〕実施例1の(A)と同様の樹脂組成物を調製し、(B)と同様の方法にてサンプルを準備した。
ランプ強度:200W/cm以外は実施例247の(D)と同様の条件にてUVを照射した。UV照射後、数分でガラス容器の樹脂は完全に硬化し、樹脂の肉厚はガラス容器の限界である80mm(測定最大値)であった。
〔実施例251〕実施例1の(A)と同様の樹脂組成物を調製し、(B)と同様の方法にてサンプルを準備した。
ランプ強度:280W/cm以外は実施例247の(D)と同様の条件にてUVを照射した。UV照射後、数分でガラス容器の樹脂は完全に硬化し、樹脂の肉厚はガラス容器の限界である80mm(測定最大値)であった。
〔実施例252〕実施例1の(A)と同様の樹脂組成物を調製したものをマトリクス樹脂とし、これを18cm×18のCFクロスに含浸させてプリプレグを作製した。(E)このプリプレグを40枚積層(約8mm)しバグフィルムを介してガラス板に挟んだ後上から重りをかけ、プリプレグ積層サンプルを作製した(図12)。(E)
照射時間:3min、照射距離:15cm以外は実施例1の(C)と同様の条件にてUV照射した。UV照射後、積層板は完全に硬化し、良好なCFRPを得た(関連データ:表5)。
Figure 2005206847
〔実施例253〕強化繊維に18×18のGFクロスを含浸させた以外は、実施例252の(E)と同様にしてプリプレグ積層サンプルを作製した(積層厚さ:約8mm)。実施例252と同様の条件にてUVを照射した。UV照射後、積層板は完全に硬化し、良好なGFRPを得た(関連データ:表5)。
〔実施例254〕プリプレグを100枚積層(約20mm)する以外は、実施例252の(E)と同様にしてプリプレグ積層サンプルを作製した。実施例252と同様の条件にてUVを照射した。UV照射後、積層板は完全に硬化し、良好なCFRPを得た。
〔実施例255〕マトリクス樹脂に実施例13の樹脂組成物を用いる以外は、実施例252の(E)と同様にしてプリプレグ積層サンプルを作製した。実施例252と同様の条件にてUVを照射した。UV照射後、積層板は完全に硬化し、良好なCFRPを得た。
〔実施例256〕実施例252の(E)と同様にしてプリプレグ積層サンプルを作製した。エネルギー線として電子線(EB)を用いた。照射条件は、照射装置:ライナック(ハイボルテージアルコ(株)、ビームエネルギー:10MeV、スキャン周波数:4Hz、パルス繰り返し数:60Hz、スキャン幅:20cm、パルス幅:4μsec、放射線量:50kGyで照射した。UV照射後、積層板は完全に硬化し、良好なCFRPを得た。
〔実施例257〕実施例252の(E)と同様の方法にてマトリクス樹脂を作製し、これを炭素繊維に含浸させた後、巻き付け速度30cm/secにて巻き取って(フィラメントワインディング法)によりCFRP製の円筒積層材を成形(板厚3mm)した(F)
完全に巻き終わった後、円筒積層材に全方向からUVを照射(照射条件は、実施例252と同様の条件)した。UV照射後、積層板は完全に硬化し、良好なフィラメントワインディング製CFRPを得た。
〔実施例258〕強化繊維にガラス繊維を用いる以外は実施例257の(F)と同様の方法にてGFRP製の円筒積層材を成形(板厚3mm)した。完全に巻き終わった後、円筒積層材に全方向からUVを照射(照射条件は、実施例252と同様の条件)した。UV照射後、積層板は完全に硬化し、良好なフィラメントワインディング製GFRPを得た。
〔実施例259〕セロキサイド2021P(オリゴマー(1) 、ダイセル化学工業(株)製:脂環式エポキシ樹脂;3,4−シクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)100重量部に対し、サンエイドS1−80L(光開始剤(2) 、三新化学(株)製:カチオン系光・熱重合開始剤;一般式(II))1.50重量部、DAICAT11(光開始剤(6) 、ダイセル化学工業(株)製:カチオン系光重合開始剤;アリール系スルホニウム塩)0.50重量部、4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルフォニオ〕フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート(光開始剤[13])0.50重量部、2−ブチニルテトラメチレンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(光開始剤[15]:一般式(IX))0.50重量部を配合した樹脂組成物で試験を行う以外は実施例1と同様の条件にて試験した。UV照射後、数分でガラス容器の樹脂は完全に硬化し、樹脂の肉厚はガラス容器の限界である80mm(測定最大値)であった。
〔実施例260〕セロキサイド2021P(オリゴマー(1) 、ダイセル化学工業(株)製:脂環式エポキシ樹脂;3,4−シクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)100重量部に対し、サンエイドSI−80L(光開始剤(2) 、三新化学(株)製:カチオン系光・熱重合開始剤;一般式(II))1.50重量部、DAICAT11(光開始剤(6) 、ダイセル化学工業(株)製:カチオン系光重合開始剤;アリール系スルホニウム塩)1.00重量部、プレニルテトラメチレンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(光開始剤[14]:一般式(VIII))0.50重量部を配合した樹脂組成物で試験を行う以外は実施例1と同様の条件にて試験した。UV照射後、数分でガラス容器の樹脂は完全に硬化し、樹脂の肉厚はガラス容器の限界である80mm(測定最大値)であった。
〔比較例188ないし比較例190〕樹脂組成物として比較例1の組成物を用いる以外は、全て実施例246ないし実施例248の方法にて試験した。UV照射後の樹脂の肉厚は1mm程度で内部は未硬化であった。(関連図:図11)。
〔比較例191〕比較例1の樹脂組成物をマトリクス樹脂に用いる以外は、実施例252の(E)と同様にしてプリプレグ積層サンプルを作製した。実施例252と同様の条件にてUVを照射した。UV照射後のCFRPは、照射面1層目の表層の部分しか硬化せず、樹脂内部は完全に未硬化であった。
〔比較例192〕比較例1の樹脂組成物をマトリクス樹脂に用いる以外は、実施例253と同様にしてプリプレグ積層サンプルを作製した。実施例252と同様の条件にてUVを照射した。UV照射後のGFRPは、照射面2ないし3層目部分までしか硬化せず、樹脂内部は完全に未硬化であった。
〔実施例261ないし実施例282〕表1に示す樹脂組成物を用い、表6に示す樹脂組成比(表2につづく)で試験を行う以外は実施例1と同様の条件で試験した。試験結果は表6に示すとおりとなった。
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〔実施例283〕実施例1の(A)と同様の樹脂組成物を調製し、(B)と同様の方法にてサンプルを準備した。準備したサンプルにエネルギー線を照射するのではなく、150℃に保持したオーブンに入れ加熱した。加熱開始より十分弱でガラス容器の樹脂は完全に硬化し、樹脂の肉厚はガラス容器の限界である80mm(測定最大値)であった。
〔実施例284〕実施例1の(A)と同様の樹脂組成物を調製し、(B)と同様の方法にてサンプルを準備した。準備したサンプルを硬化が開始しない温度範囲(本実施例では60℃)に温度調節したオーブンに入れて、樹脂温度がオーブン内雰囲気温度と同等になるまで保持した。その後サンプルをオーブンより取り出し、実施例1と同様の条件にて試験した。UV照射後、数分(実施例1より短時間)でガラス容器の樹脂は完全に硬化し、樹脂の肉厚はガラス容器の限界である80mm(測定最大値)であった。
〔発明の効果〕
〔新規樹脂硬化機構を可能にする樹脂組成物〕表1〜表3及び表6に記載される実施例1ないし実施例60、実施例259ないし282及び比較例1ないし比較例20の試験結果より新規樹脂硬化機構を備えた本発明の組成物が、エネルギー線硬化性、特に厚肉硬化性に優れていることがわかる。更に、実施例284より、予め本発明の組成物を加温(硬化しない温度範囲)した後にエネルギー線を照射すると硬化により効果的であることがわかる。又、実施例283より2元系以上からなる光開始剤を組成中に含む本発明の組成物は、加熱によっても短時間で硬化することを確認した。
〔新規樹脂硬化機構を可能にする2元系以上からなる光重合開始剤系とその適正比率〕表1〜表3及び図9に記載されている実施例1ないし実施例245及び比較例1ないし比較例187の試験結果から、新規樹脂硬化機構を可能にする2元系以上からなる光重合開始剤系の有効性とその適正比率が明らかである。
〔新規樹脂硬化機構の検証〕実施例1ないし実施例245及び比較例1ないし比較例187の結果のうち、表4に記載される組成物のエネルギー線照射時の樹脂の硬化発熱による樹脂温度上昇曲線を図10に示す。また実施例246ないし実施例248及び比較例188ないし比較例190のエネルギー線照射時の樹脂の硬化発熱による樹脂温度上昇曲線を図11に示す。図10、11より本発明樹脂組成は、エネルギー線源からのエネルギーとは別のエネルギー、本事例であれば硬化反応熱(硬化発熱)による熱エネルギーを樹脂内部に自己発生させ、硬化反応による熱エネルギーとエネルギー線源からのエネルギーにより樹脂組成物が硬化する、新規樹脂硬化機構によるものであることが明らかである。また、実施例246ないし実施例251の試験結果から、本発明である新規樹脂硬化機構はエネルギー線の照射条件が変化しても有効であることが確認できる。
〔CFRP(エネルギー線遮蔽性物質含有厚肉樹脂)及びGFRP硬化性の検証〕実施例252ないし実施例258及び比較例191ないし比較例192の結果から、本発明である新規樹脂硬化機構及びこれを可能にする2元系以上よりなる光重合開始剤系並び樹脂組成物が、従来光硬化樹脂ではなしえなかったCFRP(エネルギー線遮蔽性物質含有厚肉樹脂)の光硬化(エネルギー線硬化)及びGFRP等の光硬化(エネルギー線硬化)を実現していることは明らかである。また、実施例256から、本発明である新規樹脂硬化機構及びこれを可能にする2元系以上よりなる光重合開始剤系並び樹脂組成物と、本発明を用いたFRP(CFRP)製造方法はFRP(CFRP)のEB硬化にも適用可能であることが確認できる。さらに、実施例257から本発明によるFRP(CFRP)製造方法はレイアップ法だけでなく他のFRP製造方法、例えばフィラメントワインディング法等にも応用可能であることは明らかである。
〔本発明により製造したCFRP及びGFRP成形物〕実施例252ないし実施例253で製造したCFRPとGFRPの基礎物性値を測定し、表5に示す。表5より良好なサンプルであることがわかる。
本発明の硬化方法、そのための組成物、成形物及び成形方法は、繊維又は充填材のUV遮蔽性の有無や長さ、大きさ、形状に関係なく有効であり、利用分野も複合材の他に接着剤や封止材、ワニス、塗料、コーティング材、インキ、トナー等の分野に適用可能である。
樹脂組成物を透過するUVエネルギーの減衰の状態を示す模式図。 カーボンクロス材を含む樹脂組成物を透過するUVエネルギーの減衰の状態を示す模式図。 図1及び図2における樹脂組成物のUV硬化状態を示す模式図。 本発明に係る樹脂硬化機構(光+硬化反応熱及びカチオン硬化システム)を説明するための模式図。 高UV硬化性樹脂の硬化モデルの説明図。 従来法におけるUV・加熱併用硬化性樹脂の硬化モデルの説明図。 FRP成形方法の例を示す工程図で (1)レイアップ法を示す。 FRP成形方法の例を示す工程図で (2)引き抜き法、 (3)フィラメント・テープ・ロール/ワィンディング成形法、 (4)ロールプレス連続成形法を示す。 本発明における光開始剤系の適正比率範囲を示すグラフ。 本発明におけるUV照射60秒後の経過時間と樹脂温度との関係を示すグラフ。 本発明におけるUV照射距離とUV照射60秒後の樹脂温度との関係を示すグラフ。 本発明によりプリプレグ積層サンプルを作製する状況を示す説明図。

Claims (65)

  1. エネルギーを樹脂組成物に付与した際、エネルギー源からのエネルギーとは別のエネルギーを樹脂内部に自己発生させ、かかるエネルギー若しくはかかるエネルギーとエネルギー源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
  2. エネルギーを樹脂組成物に付与した際、エネルギー源からのエネルギーとは別のエネルギーを樹脂内部に自己発生させ、更に発生したエネルギーにより連続的にかかるエネルギーを発生させ、かかるエネルギー若しくはかかるエネルギーとエネルギー源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
  3. エネルギー線を樹脂組成物に照射した際、エネルギー線源からのエネルギーとは別のエネルギーを樹脂内部に自己発生させ、かかるエネルギー若しくはかかるエネルギーとエネルギー線源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
  4. エネルギー線を樹脂組成物に照射した際、エネルギー線源からのエネルギーとは別のエネルギーを樹脂内部に自己発生させ、更に発生したエネルギーにより連続的にかかるエネルギーを発生させ、かかるエネルギー若しくはかかるエネルギーとエネルギー線源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
  5. 請求項3に記載されている発生エネルギーとして、樹脂内部に熱エネルギーを自己発生させ、樹脂組成物中のエネルギー線を遮蔽する遮蔽物質(以下エネルギー線遮蔽物質という)の有無に関わらず、かかる熱エネルギー若しくはかかる熱エネルギーとエネルギー線源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
  6. 請求項4に記載されている発生エネルギーとして、樹脂内部に熱エネルギーを自己発生させ、更に発生した熱エネルギーにより連続的に熱エネルギーを発生させ、樹脂組成物中のエネルギー線遮蔽物質の有無に関わらず、かかる熱エネルギー若しくはかかる熱エネルギーとエネルギー線源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
  7. 請求項5に記載されている樹脂内部の自己発生熱エネルギーとしてはエネルギー線により樹脂組成物が硬化する際の硬化反応熱を積極的に発生させ、樹脂組成中のエネルギー線遮蔽性物質の有無に関わらず、かかる反応熱エネルギー若しくはかかる反応熱エネルギーとエネルギー線源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
  8. 請求項6に記載されている樹脂内部の自己発生熱エネルギーとしてはエネルギー線により樹脂組成物が硬化する際の硬化反応熱を積極的に発生させ、また連続して発生させる熱エネルギーとしては、かかる硬化反応熱により更に連鎖反応的に硬化反応させることで連続して硬化反応熱を発生させ、樹脂組成中のエネルギー線遮蔽性物質の有無に関わらず、かかる反応熱エネルギー若しくはかかる反応熱エネルギーとエネルギー線源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載されている硬化反応の際、エネルギー源及びエネルギー線源からのエネルギー及びエネルギー線や反応熱によって硬化を起こさせたり硬化反応をしやすくするために、カチオン、ラジカル及びアニオンから選ばれる少なくとも一種を利用することを特徴とする樹脂硬化方法。
  10. 請求項9に記載されている樹脂硬化方法において、エネルギー線を樹脂組成物に照射した際、樹脂内部にカチオンとエネルギー線により樹脂組成物が硬化する際の硬化反応熱を積極的に発生させ、且つカチオンとかかる硬化反応熱により更に連鎖反応的に樹脂組成物を硬化反応させて連続してカチオンと硬化反応熱を発生させ、樹脂組成物中のエネルギー線遮蔽性物質の有無に関わらず、反応熱エネルギー及びカチオン若しくは反応熱エネルギー及びカチオンとエネルギー線源からのエネルギーにより樹脂組成物を硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載される樹脂硬化方法において、予め樹脂組成物を硬化しない温度範囲で加温することでより硬化しやすくすることを特徴とする樹硬化方法。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載される樹脂硬化方法に重合開始剤を用いる樹脂硬化方法。
  13. 請求項1ないし12のいずれかに記載される樹脂硬化方法を可能とする組成物を熱で硬化を開始させるか、熱で硬化させることを特徴とする樹脂硬化方法。
  14. 請求項12又は13に記載される重合開始剤であって、光重合開始剤と光と熱の双方で重合を開始させる光・熱重合開始剤を成分とする2元系以上からなる光重合開始剤。
  15. 請求項14に記載されている2元系以上からなる光重合開始剤のうち、光・熱重合開始剤として熱に対する重合開始作用が高い光・熱重合開始剤を用いる2元系以上からなる光重合開始剤。
  16. 請求項14又は15に記載されている2元系以上からなる光重合開始剤の少なくとも一種と熱重合開始剤を成分とする2元系以上からなる光重合開始剤。
  17. 請求項14ないし16のいずれかに記載されてる2元系以上からなる光重合開始剤で、主にラジカル系又は全てラジカル系からなる光重合開始剤。
  18. 請求項14ないし16のいずれかに記載される2元系以上からなる光重合開始剤で、主にアニオン系又は全てアニオン系からなる光重合開始剤。
  19. 請求項14ないし16のいずれかに記載される2元系以上からなる光重合開始剤で、主にカチオン系又は全てカチオン系からなる光重合開始剤。
  20. 請求項19に記載されている2元系以上からなる光重合開始剤のうち、光重合開始剤にはジアゾニウム塩タイプ、ヨードニウム塩タイプ、ピリジニウム塩タイプ、ホスホニウム塩タイプ、スルホニウム塩タイプ、鉄−アレン化合物タイプ及びスルホン酸エステルタイプの少なくとも1種と、光・熱重合開始剤には下記の一般式(I)、(II)、(III) 、(IV)、(V)、(VI)及び(VII) で示されるスルホニウム塩の少なくとも1種を含む2元系以上からなる光重合開始剤。
    Figure 2005206847

    (ただしR1 は水素、メチル基、アセチル基、メトキシカルボニル基を、R2 、R3 は独立して水素、ハロゲン、C1 〜C4 のアルキル基のいずれかを、R4 は水素、ハロゲン、メトキシ基を、R5 はC1 〜C4 のアルキル基を示す。Aは、SbF6 、PF6 、AsF6 、BF4 を示す。)
    Figure 2005206847

    (上式(II)又は (II′) において、R6 は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、メチル基、R7 は水素原子、CH3 CO、CH3 OCO、AはSbF6 、PF6 、BF6 、AsF6 である。)
    Figure 2005206847

    (上式中、R8 は水素原子、CH3 CO、CH3 OCO、BはSbF6 、PF6 、BF6 、AsF6 、CH3 SO4 を表す。)
    Figure 2005206847

    〔式(a)において、R9 はC1 〜C18の脂肪族基、R10はC1 〜C18の脂肪族基又はC6 〜C18の置換又は非置換の芳香族基であり、R9 とR10は互いに結合して環を形成してもよい〕で示されるスルホニオ基を表す。
    Figure 2005206847

    〔式(b)において、R11はC1 〜C18の脂肪族基、R12はC1 〜C18の脂肪族基又はC6 〜C18の置換又非置換の芳香族基であり、R11とR12は互いに結合して環を形成してもよい〕で示されるスルホニオ基であるか、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシ基、C1 〜C18の脂肪族基又はC6 〜C18の置換又は非置換のフェニル基、フェノキシ基又はチオフェノキシ基である。式(IV)において、n、mはそれぞれ独立に1ないし2の整数であり、Zは式MQ1 又はMQ1-1 OH(MはB、P、As又はSbであり、Qはハロゲン原子、lは4又は6の整数である)で示される陰イオンである。
    Figure 2005206847

    (ただしR13、R14は独立して水素、C1 〜C4 のアルキル基のいずれかを示し、Aは、SbF6 、PF6 、AsF6 を示す。)
    Figure 2005206847

    (式中R15はエトキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基、クロルメチル基、ジクロルメチル基、トリクロルメチル基、トリフルオロメチル基のいずれかを、R16、R17は独立して水素、ハロゲン、C1 〜C4 のアルキル基のいずれかを、R18は水素、メチル基、メトキシ基、ハロゲンのいずれかを、R18は水素、メチル基、メトキシ基、ハロゲンのいずれかを、R19はC1 〜C4 のアルキル基を示す。AはSbF6 、PF6 、BF4 、AsF6 を示す。)
    Figure 2005206847

    (ただしQはメトキシカルボニルオキシ基、アセトキシ基、ベンジルオキシカルボニルオキシ基、ジメチルアミノ基を、R20、R21は独立して水素、C1 〜C4 のアルキル基のいずれかを、R22、R23は独立してC1 〜C4 のアルキル基のいずれかを示す。Aは、SbF6 、PF6 、AsF6 、BF4 を示す。)
  21. 請求項20に記載されている2元系以上からなる光重合性開始剤のうち、光重合開始剤にはアリール系スルホニウム塩タイプ、光・熱重合開始剤には一般式(I)、(II)又は(III) 、で示されるスルホニウム塩タイプの少なくとも1種を含む2元系以上からなる光重合開始剤。
  22. 請求項19ないし21のいずれかに記載されている2元系以上からなる光重合開始剤の少なくとも1種と、熱重合開始剤として化学式 (VIII) 及び(IX)の少なくとも1種を含む2元系以上からなる光重合開始剤。
    Figure 2005206847
  23. 請求項1ないし13のいずれかに記載されている硬化方法を可能とする組成物であって、エネルギー線をかかる組成物に照射した際、エネルギー線源からのエネルギーとは別のエネルギーをかかる組成物内部に自己発生させるか、若しくは、エネルギー線をかかる組成物に照射した際、エネルギー線源からのエネルギーとは別のエネルギーをかかる組成物内部に自己発生させ、更に発生したエネルギーにより連続的にかかるエネルギーを発生させることのできる組成物。
  24. 請求項23に記載の組成物のうち、光重合開始剤及び光重合性オリゴマー若しくは光重合性モノマーを含む組成物。
  25. 請求項23又は24に記載されている組成物のうち、必須成分として請求項14ないし22のいずれかに記載されている2元系以上からなる光重合開始剤を含む組成物。
  26. 請求項25に記載されている組成物のうち、必須成分として請求項19ないし22のいずれかに記載されている2元系以上からなる光重合開始剤のいずれかとカチオン系光重合性オリゴマー若しくはカチオン系光重合性モノマーからなる樹脂組成物。
  27. 請求項26に記載されている樹脂組成物のうち、カチオン系光重合オリゴマー若しくはカチオン系光重合性モノマーとして光重合性エポキシオリゴマー若しくは光重合性エポキシモノマーを用いる樹脂組成物。
  28. 請求項27に記載されている樹脂組成物のうち、光重合性エポキシオリゴマー若しくは光重合性エポキシモノマーとして光重合性脂環式エポキシオリゴマーや光重合性脂環式エポキシモノマーを用いる樹脂組成物。
  29. 請求項28に記載されている樹脂組成物のうち、光重合性脂環式エポキシモノマーとして3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートを用いた樹脂組成物。
  30. 請求項25ないし29のいずれかに記載されている組成物のうち、光重合性樹脂成分(光重合性のオリゴマー若しくはモノマー)100重量部に対し、2元系以上からなる光重合開始剤0.5〜6.0重量部を含有し、且つ2元系以上からなる光重合開始剤を構成する光・熱重合開始剤/光重合開始剤の重量比が1〜4である樹脂組成物。
  31. 請求項30に記載されている樹脂組成物のうち、請求項20ないし22のいずれかに記載されている2元系以上からなる光重合開始剤と、請求項26ないし29のいずれかに記載される光重合性樹脂成分からなる樹脂組成物。
  32. 請求項23ないし31のいずれかに記載されている組成物がエネルギー線遮蔽性物質、各種フィラー、有機成分の少なくとも1種を含有する組成物。
  33. 請求項23ないし32のいずれかに記載されている組成物に光増感剤、反応性希釈剤及び光鋭感剤の少なくとも1種を加えた組成物。
  34. 請求項1ないし13のいずれかに記載された方法によって硬化した硬化生成物。
  35. 請求項14ないし22のいずれかに記載されている2元系以上からなる光重合開始剤を含む組成物を成形してなる成形体。
  36. 請求項23ないし33のいずれかに記載された組成物を成形してなる成形体。
  37. 請求項1ないし13のいずれかに記載されている樹脂硬化方法を可能とする組成物を含有する成形材料、繊維強化複合材料、炭素繊維強化複合材料、その他複合材料、接着剤、封止材、ワニス、塗料又はコーティング材、インキ又はトナー。
  38. 請求項14ないし22のいずれかに記載されている2元系以上よりなる光重合開始剤を含有する成形材料、繊維強化複合材料、炭素繊維強化複合材料、その他複合材料、接着剤、封止材、ワニス、塗料又はコーティング材、インキ又はトナー。
  39. 請求項23ないし33のいずれかに記載されている組成物からなる成形材料、繊維強化複合材料、炭素繊維強化複合材料、その他複合材料、接着剤、封止材、ワニス、塗料又はコーティング材、インキ又はトナー。
  40. 請求項1ないし13のいずれかに記載されている樹脂硬化方法を利用し、成形材料、繊維強化複合材料、炭素繊維強化複合材料、その他複合材料の成形物、接着剤、封止材、ワニス、塗料又はコーティング材の硬化物、インキ又はトナーの印刷物を製造する製造方法。
  41. 請求項1ないし13のいずれかに記載されている硬化方法を可能にする組成物を利用し、成形材料、繊維強化複合材料、炭素繊維強化複合材料、その他複合材料の成形物、接着剤、封止材、ワニス、塗料又はコーティング材の硬化物、インキ又はトナーの印刷物を製造する製造方法。
  42. 請求項14ないし22のいずれかに記載されている2元系以上よりなる光重合開始剤を含有する組成物を利用し、成形材料、繊維強化複合材料、炭素繊維強化複合材料、その他複合材料の成形物、接着剤、封止材、ワニス、塗料又はコーティング材の硬化物、インキ又はトナーの印刷物を製造する製造方法。
  43. 請求項23ないし33のいずれかに記載されている組成物を利用し、成形材料、繊維強化複合材料、炭素繊維強化複合材料,その他複合材料の成形物、接着剤、封止材、ワニス、塗料又はコーティング材の硬化物、インキ又はトナーの印刷物を製造する製造方法。
  44. 請求項40ないし43のいずれかに記載されている繊維強化複合材料又は炭素繊維強化複合材料の製造方法において、ハンドレイアップ、スプレーアップ、フィラメントワインディング、テープワインディング、ロールワインディング、引き抜き成形及びロールプレス連続成形の少なくとも1種を利用する製造方法。
  45. 請求項23ないし33のいずれかに記載されている組成物のいずれかを、強化繊維又は強化繊維クロス材に含浸させることを特徴とするプリプレグの製造方法。
  46. 請求項45の製造方法により製造されたプリプレグを積層し、請求項1ないし13のいずれかの硬化方法にて硬化させる繊維強化複合材料の製造方法。
  47. 請求項23ないし33のいずれかに記載されている組成物を三次元織物に含浸させた後、請求項1ないし13のいずれかの硬化方法にて硬化させる繊維強化複合材料の製造方法。
  48. 請求項23ないし33のいずれかに記載されている組成物を繊維強化複合材料、建築物、建造物又は製造物の補修箇所に充填するか、或いは請求項45の製造方法により製造されたプリプレグを繊維強化複合材料、建築物、建造物又は製造物の補修箇所に張り付けた後、請求項1ないし13のいずれかの硬化方法にて硬化させる繊維強化複合材料、建築物、建造物又は製造物の補修方法。
  49. 請求項45の製造方法により製造されたプリプレグを繊維強化複合材料、建築物、建造物又は製造物の補強箇所に張り付けた後請求項1ないし13の硬化方法のいずれかにて硬化させるか、或いは、請求項23ないし33のいずれかに記載されている組成物を用い、繊維強化複合材料、建築物、建造物又は製造物の補強箇所に強化繊維又はかかるクロス材をスプレーアップ又は刷毛塗りにて張り付け、請求項1ないし13のいずれかの硬化方法にて硬化させる繊維強化複合材料、建築物、建造物又は製造物の補強方法。
  50. 請求項40ないし49のいずれかに記載されている方法において、繊維材料に炭素繊維を用いる方法。
  51. 請求項40ないし50のいずれかに記載されている方法において、請求項20ないし22のいずれかに記載されている2元系以上よりなる光重合開始剤を組成中に含有している材料を用いる方法。
  52. 請求項40ないし50のいずれかに記載されている方法において、請求項30に記載されている組成物よりなる材料を用いる方法。
  53. 請求項40ないし50のいずれかに記載されている方法において、請求項31に記載されている組成物を用いる方法。
  54. 請求項40ないし43のいずれかに記載された製造方法によって成形されてなる成形体。
  55. 請求項37ないし39のいずれかに記載されているもののうち繊維強化複合材料又は炭素繊維強化複合材料。
  56. 請求項44の方法により成形してなる成形物。
  57. 請求項45の方法で製造されるプリプレグ。
  58. 請求項57に記載されているプリプレグを硬化させてなる繊維強化複合材料。
  59. 請求項23ないし33のいずれかに記載されている組成物を三次元織物に含浸させた後、硬化させてなる繊維強化複合材料。
  60. 請求項23ないし33のいずれかに記載されている組成物からなり、繊維強化複合材料、建築物、建造物又は製造物の補修箇所に充填するための補修用材料。
  61. 繊維強化複合材料、建築物、建造物又は製造物又は製造物の補強用材料であって、請求項23ないし33のいずれかに記載されている組成物からなる繊維強化複合材料、建築物、建造物又は製造物の補強用材料。
  62. 請求項37ないし39のいずれか又は54ないし61のいずれかに記載されている材料又は成形物において、繊維材料に炭素繊維を用いた材料又は成形物。
  63. 請求項37ないし39のいずれか又は54ないし62のいずれかに記載されている材料又は成形物において、請求項20にないし22のいずれかに記載されている2元系以上よりなる光重合開始剤を組成中に含有している材料又は成形物。
  64. 請求項37ないし39のいずれか又は54ないし62のいずれかに記載されている材料又は成形物において、請求項30に記載されている組成物よりなる材料又は成形物。
  65. 請求項37ないし39のいずれか又は54ないし62のいずれかに記載されている材料又は成形物において、請求項31に記載されている組成物よりなる材料又は成形物。
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