JP2005202332A - 液晶表示素子及び同素子を用いた液晶プロジェクタ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱伝導率の大きいサファイア透光体を用いることなく放熱性を向上させた液晶表示素子及び同素子を用いた液晶プロジェクタ装置を提供する。
【解決手段】透光体を透過させた光を照射して画像を投影する液晶プロジェクタ装置において、光路上に設けたレンズ、偏光子支持基板、若しくは液晶表示素子の駆動基板、対向基板、防塵基板等の透光体の少なくともいずれか一つに複屈折のない透光性酸化物結晶体を用いる。特に、液晶表示素子の入射側に設けた防塵基板に複屈折のない透光性酸化物結晶体を用いる。透光性酸化物結晶体は単結晶MgOまたは単結晶Y2O3とする。透光性酸化物結晶体の少なくとも一方の表面には反射防止膜を設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、液晶表示素子及び同素子を用いた液晶プロジェクタ装置に関するものである。
従来、液晶表示素子に所要の画像を表示させ、この液晶表示素子の一方から光を照射することによって画像を投影する液晶プロジェクタ装置が知られている。
このような液晶プロジェクタ装置では、昨今、画質向上の要求にともなって光源にメタルハライドランプやキセノンランプ等の高出力のランプが使用されており、光の照射にともなって液晶表示素子及び光路上に位置するレンズや偏光板等の透光体が加熱して特性低下が生じることを抑制するために、液晶プロジェクタ装置の内部を冷却する冷却手段が設けられている。
このような冷却手段の一つとして、冷却ファンにより熱を帯びた空気を排気したり、あるいは液晶表示素子等の所要の透光体に冷却風を送気したりして冷却する方法があるが、光源のランプの高出力化にともなって冷却ファンだけの冷却能力では不十分となっていた。
そこで、透光体に熱伝導率の大きい放熱ガラス等を用いることにより放熱性を向上させることが行われており、特に、放熱ガラスとして透光性酸化物結晶体である単結晶のサファイア透光体を用いた場合には、このサファイア透光体の熱伝導率が約42W/m・Kと極めて大きいことによって効率よく冷却可能としている(例えば、特許文献1参照。)。
特許第23091183号公報
しかしながら、サファイア透光体を用いた場合には、サファイア透光体の硬度が高く、光学研磨及び切断等の加工が難しいために、サファイア透光体が一般的な放熱ガラスと比較して高価であるので製造コストが高騰し、液晶表示素子及び同素子を用いた液晶プロジェクタ装置を低価格で提供することが極めて困難となっていた。
しかも、サファイア透光体には複屈折があるために、サファイア透光体を用いる場合には、サファイア透光体を偏光透過軸に合わせて貼着する必要があり、サファイア透光体からなる防塵基板の装着作業に高精度が要求されることによっても、製造コストが高騰することとなっていた。
そこで、本発明者は、サファイア透光体を用いることなく放熱性を向上させるように研究開発を行い、本発明を成すに至ったものである。
本発明の液晶表示素子では、液晶を挟んで対向させた駆動基板と対向基板とに防塵基板を貼着した液晶表示素子において、少なくとも一方の防塵基板に複屈折のない透光性酸化物結晶体を用いた。
また、本発明の液晶プロジェクタ装置では、透光体を透過させた光を照射して画像を投影する液晶プロジェクタ装置において、透光体に複屈折のない透光性酸化物結晶体を用いた。
さらに、以下の点にも特徴を有するものである。すなわち、
(1)透光体は、光路上に設けたレンズ、偏光子支持基板、若しくは液晶表示素子の駆動基板、対向基板、防塵基板の少なくともいずれか一つであること。
(2)透光体は、液晶表示素子の少なくとも入射側に設けた防塵基板であること。
(3)複屈折のない透光性酸化物結晶体の少なくとも一方の面に反射防止膜を設けたこと。
(4)複屈折のない透光性酸化物結晶体を単結晶MgO(マグネシア)または単結晶Y2O3(イットリア)としたこと。
請求項1記載の発明によれば、液晶を挟んで対向させた駆動基板と対向基板とに防塵基板を貼着した液晶表示素子において、少なくとも一方の防塵基板に複屈折のない透光性酸化物結晶体を用いたことによって、放熱性の高い防塵基板を低コストで形成することができるので、サファイア透光体を用いた場合よりも液晶表示素子の製造コストを低減させることができる。しかも、所要の冷却効果を得ることができるので、液晶表示素子の長寿命化を図ることができる。
請求項2記載の発明によれば、透光体を透過させた光を照射して画像を投影する液晶プロジェクタ装置において、透光体に複屈折のない透光性酸化物結晶体を用いたことによって、この透光体の組み付け作業を簡便とすることができ、液晶プロジェクタ装置の製造コストを低減させることができる。
請求項3記載の発明によれば、透光体を、光路上に設けたレンズ、偏光子支持基板、若しくは液晶表示素子の駆動基板、対向基板、防塵基板の少なくともいずれか一つとしたことによって、この透光体の放熱性を向上させることができ、画質劣化を抑制できる。
請求項4記載の発明によれば、透光体を、液晶表示素子の少なくとも入射側に設けた防塵基板としたことによって、液晶表示素子において最も高温となる領域の放熱性を向上させて液晶表示素子を冷却することができ、液晶表示素子を効率よく冷却することができる。
請求項5記載の発明によれば、複屈折のない透光性酸化物結晶体の少なくとも一方の面に反射防止膜を設けたことによって、照射された光の反射による損失を低減させて可視光領域以上の直線透過率を高めることができるとともに、透光性酸化物結晶体の熱膨張等による変質を抑制して、透光性酸化物結晶体の安定化を図ることができる。
請求項6記載の発明によれば、複屈折のない透光性酸化物結晶体を単結晶MgO(以下において単に「MgO」と称する)または単結晶Y2O3(以下において単に「Y2O3」と称する)としたことによって、十分な可視光領域以上の直線透過率を有するとともに高い熱伝導率を有しており、しかも低価格で安定的に入手可能であるので、液晶プロジェクタ装置の製造コストを低減させることができる。
本発明の液晶表示素子及び同素子を用いた液晶プロジェクタ装置では、光が透過する透光体に複屈折のない透光性酸化物結晶体を用いているものである。したがって、この透光体の組み付け作業を簡便とすることができ、液晶プロジェクタ装置の製造コストを低減させることができる。
透光体とは、光路上に設けたレンズ、偏光子支持基板、若しくは液晶表示素子の駆動基板、対向基板、防塵基板等の光を透過させる透明材料であって、これらの少なくともいずれか一つに複屈折のない透光性酸化物結晶体を用いることにより、透光体の放熱性を向上させることができ、画質劣化を抑制できる。
特に、液晶表示素子の少なくとも入射側に設けた防塵基板を、複屈折のない透光性酸化物結晶体で構成した場合には、液晶表示素子において最も高温となる領域の放熱性を向上させて液晶表示素子を冷却することができ、液晶表示素子を効率よく冷却して液晶表示素子の長寿命化を図ることができる。
しかも、複屈折のない透光性酸化物結晶体の少なくとも一方の表面に反射防止膜を設けた場合には、照射された光の反射による損失を低減させて可視光領域以上の直線透過率を高めることができる。
そして、これらを組み合わせることにより、次のような液晶プロジェクタ装置を実現できる。
(1)入射側より、反射防止膜を設けた複屈折のない透光性酸化物結晶体の防塵基板/透光性の対向基板/液晶層/透光性の駆動基板/反射防止膜を設けた複屈折のない透光性酸化物結晶体の防塵基板を順次設けた液晶表示素子の透過型液晶プロジェクタ装置。
(2)入射側より、反射防止膜を設けた複屈折のない透光性酸化物結晶体の防塵基板/透光性の対向基板/液晶層/非透光性の駆動基板を順次設けた液晶表示素子の反射型液晶プロジェクタ装置。
さらに、複屈折のない透光性酸化物結晶体としてMgOまたはY2O3を用いた場合には、次のような構成による高輝度、高精細、高品質の液晶プロジェクタ装置を実現できる。
(1)入射側より、反射防止膜を設けた複屈折のないMgOまたはY2O3からなる防塵基板/石英ガラス又は透明結晶化ガラスからなる対向基板/液晶層/石英ガラスからなる駆動基板/反射防止膜を設けた複屈折のないMgOまたはY2O3からなる防塵基板を順次設けた液晶表示素子の透過型液晶プロジェクタ装置。
(2)入射側より、反射防止膜を設けた複屈折のないMgOまたはY2O3からなる防塵基板/石英ガラス又は透明結晶化ガラスからなる対向基板/液晶層/単結晶Siからなる駆動基板を順次設けた液晶表示素子の反射型液晶プロジェクタ装置。
以下において、図面に基づいて本発明の実施形態を詳説する。
図1は、本実施形態の液晶プロジェクタ装置の概略説明図である。液晶プロジェクタ装置には、光源となるメタルハライドランプやキセノンランプ等の高出力のランプ1と、このランプ1から照射された光をグリーン(Green)光、レッド(Red)光、ブルー(Blue)光に分離するダイクロイックミラー2と、このダイクロイックミラー2で分離された各光の透光・遮光を制御して所要の画像を形成する画像形成部3と、この画像形成部3でそれぞれ形成された画像を合成するダイクロイックプリズム4と、このダイクロイックプリズム4で合成された画像を拡大投射する投射レンズ5とを設け、これらを所要のケーシング内に収容して液晶プロジェクタ装置を構成している。
さらに、ランプ1から照射された光の光路上には、必要に応じて光の単位面積あたりの光量を均一化するインテグレータレンズ6、及びインテグレータレンズ6で均一化された光の偏光をそろえるPS分離合成板7を設けており、必要に応じて光路上に適宜のレンズを設けてもよい。図1中、8は所要の光をそれぞれ屈折させるミラーである。
また、図示していないが、液晶プロジェクタ装置のケーシング内には、ケーシング内の熱を帯びた空気を排気する冷却ファン、またはケーシング内に外気を吸引してケーシング内部を冷却する冷却ファンを設けている。
画像形成部3は、液晶表示素子3aと、この液晶表示素子3aの入射側に設けた入射側偏光板3bと、液晶表示素子3aの出射側に設けた出射側偏光板3cとで構成しており、液晶表示素子3aは、図示していない制御部から入力された制御信号に基づいて液晶による偏光状態を変化させることにより透光・遮光を制御している。
入射側偏光板3b及び出射側偏光板3cは、それぞれ所要の向きに偏光軸を有する偏光子を透明な偏光子支持基板に装着して構成している。
図2は、液晶表示素子3aの断面模式図であり、液晶表示素子3aは、液晶10を挟んで対向させた駆動基板11と対向基板12と、駆動基板11に透明接着剤を介して貼着した駆動基板側防塵基板13と、対向基板12に透明接着剤を介して貼着した対向基板側防塵基板14と、このように駆動基板側防塵基板13、駆動基板11、対向基板12、対向基板側防塵基板14を重合させた重合体を収容する金属製の支持フレーム15とで構成している。
石英ガラス材で構成した駆動基板11には、図示しない所要の回路、画素電極及び液晶配向膜を形成し、必要に応じて液晶配向膜の液晶配向処理を行っている。
また、石英ガラス材や透明結晶化ガラス(日本電気硝子製ネオセラム(登録商標)等)材等で構成した対向基板12には、図示しない共通電極層及び液晶配向膜を形成し、必要に応じて液晶配向膜の液晶配向処理を行っている。
そして、駆動基板11と対向基板12とを所定の間隔で重ね合わせてシールすることにより空セルを形成し、この空セルに液晶を注入して封止した後に、必要に応じて液晶を所要の配向状態とする配向液晶配向熱処理を行って液晶パネルを形成している。
この液晶パネルの駆動基板11にはフレキシブル基板で構成した配線基板16を接続して、この配線基板16を介して図示しない制御部から出力された制御信号を駆動基板11に入力し、この制御信号に基づいて駆動基板11に設けた画素電極と、対向基板12に設けた共通電極層との間に所要の電位を印加して、駆動基板11と対向基板12との間に封入した液晶10の液晶分子を駆動させている。
図2中、17は駆動基板側防塵基板13を駆動基板11に貼着した際に硬化した透明接着剤からなる第1接着層であり、18は対向基板側防塵基板14を対向基板12に貼着した際に硬化した透明接着剤からなる第2接着層である。
上記した液晶プロジェクタ装置において、インテグレータレンズ6、偏光子支持基板、駆動基板11、対向基板12、駆動基板側防塵基板13、対向基板側防塵基板14等の透光体、さらには、ダイクロイックミラー2やミラー8を複屈折のない透光性酸化物結晶体で構成した場合には、サファイア透光体よりも低コストで所定の冷却効率を得ることができる。
複屈折のない透光性酸化物結晶体で構成する透光体は、上記の透光体のうち、冷却することが要求される少なくともいずれか一つであってもよいし、必要であればすべての透光体を複屈折のない透光性酸化物結晶体で構成してもよい。
特に、複屈折のない透光性酸化物結晶体を用いた場合には、サファイア透光体のような複屈折がないので、透光体の所定位置への組み付け作業において複屈折の生起を考慮することなく組み付け作業を行うことができ、液晶プロジェクタ装置の製造コストを低減させることができる。
また、インテグレータレンズ6を複屈折のない透光性酸化物結晶体で構成した場合には、そのインテグレータレンズ6の表面に反射防止膜を設けることによって、光の透過率を向上させるとともに冷却効率を向上させたレンズとすることができる。
さらに、偏光子支持基板を少なくとも一方の表面に反射防止膜を設けた複屈折のない透光性酸化物結晶体で構成した場合には、偏光子支持基板に複屈折がないことによって、フィルム状とした偏光子からなる偏光フィルムを偏光子支持基板に貼着する際にサファイア透光体等のように複屈折を考慮することなく貼着することができ、しかもこのようにして形成した偏光板の放熱性を向上させることができるので、冷却効率を向上させて偏光板としての機能の低下が生じることを抑制できる。
複屈折のない透光性酸化物結晶体としては、具体的には、MgOまたはY2O3が望ましい。すなわち、透光性酸化物結晶体としてMgOまたはY2O3を用いた場合には、十分な可視光領域以上の直線透過率を有するとともに高い熱伝導率を有しており、しかもサファイアよりも低価格で安定的に入手可能であるので、液晶プロジェクタ装置の製造コストを低減させることができる。ちなみに、MgOの熱伝導率は約38.5W/m・K、Y2O3の熱伝導率は約12W/m・Kである。なお、上記したサファイアを含め、熱伝導率の数値は測定サンプルバラツキや測定条件バラツキなどがあるので、常温での測定値の一例を示している。
本実施形態では、駆動基板側防塵基板13及び対向基板側防塵基板14には、平板状に形成した複屈折のないMgO板を用いている。MgO板の形成方法については後述する。
MgO板で構成した駆動基板側防塵基板13及び対向基板側防塵基板14の少なくとも一方の表面には、SiO2膜、TiO2膜、ZrO2膜、MgF2膜等の屈折率の異なる薄膜を1/4波長厚(0.1〜0.3μm)の厚みとして積層することにより反射防止膜19,20を形成している。この反射防止膜19,20の反射率は、波長450〜630nmの範囲において0.8%以下が好ましい。
反射防止膜19,20を形成したことによって、液晶表示素子3aに照射された光の反射による損失を低減させて可視光領域以上の直線透過率を高めることができるとともに、MgO板を反射防止膜19,20で被覆して空気中の水分あるいは炭酸ガス等との接触を遮断することによってMgO板が変質することを抑制し、MgO板の安定化を図ることができる。
特に、MgO板の場合には、反射防止膜19,20の形成課程において真空ベーキングすることによって、MgO板の表面を安定化させることができる。
上記した駆動基板側防塵基板13及び対向基板側防塵基板14を、駆動基板11及び対向基板12にそれぞれ貼着する際に使用する透明接着剤には、ショアA硬度が30以下、望ましくは18〜25のものを使用し、第1接着層17及び第2接着層18の厚みが5〜50μm、望ましくは10〜20μmとなるようにしている。
したがって、熱膨張係数が比較的大きいMgO板からなる駆動基板側防塵基板13及び対向基板側防塵基板14を駆動基板11及び対向基板12にそれぞれ貼着しても液晶ギャップのニュートンリング変動を抑制することができる。
このように反射防止膜及び低ショアA硬度透明接着剤のそれぞれの効果、さらにはそれらの相乗効果により、高輝度、高画質、高信頼性の液晶プロジェクタ装置を実現することができる。
なお、透明接着剤には、紫外線照射硬化型接着剤、低温硬化併用の紫外線照射硬化型接着剤、可視光照射硬化型接着剤、低温硬化併用の可視光照射硬化型接着剤、低温硬化型接着剤等のいずれを用いてもよい。
上記したように、駆動基板側防塵基板13、駆動基板11、対向基板12、対向基板側防塵基板14を重合させた重合体を支持フレーム15に収容する場合には、高熱伝導性モールド樹脂21を用いて重合体を支持フレーム15装着し、収容している。
したがって、駆動基板側防塵基板13及び対向基板側防塵基板14の熱は、冷却ファンで生起した空気流動によって放熱されるとともに、高熱伝導性モールド樹脂21を介して金属製の支持フレーム15に伝えられ、支持フレーム15によって放熱されることにより速やかに冷却することができ、冷却効率を向上させることができる。
しかも、MgO板で構成された駆動基板側防塵基板13及び対向基板側防塵基板14は、高熱伝導性モールド樹脂21によっても被覆されることとなり、空気中の水分あるいは炭酸ガス等との接触をさらに遮断して、MgO板が変質することを抑制し、MgO板の安定化を図ることができる。
上記した実施形態では、駆動基板側防塵基板13と対向基板側防塵基板14の両方に、少なくとも一方の表面に反射防止膜を設けたMgO板を用いているが、液晶表示素子3aにおいて最も高温となる入射側の防塵基板、すなわち対向基板側防塵基板14だけに、少なくとも一方の表面に反射防止膜を設けたMgO板を用い、駆動基板側防塵基板13には、少なくとも一方の表面に反射防止膜を設けた石英ガラス板を用いることによって製造コストの低減を図ってもよい。
すなわち、一般に駆動基板は石英ガラス材を用いて構成されることが多く、熱膨張係数の差による熱ストレスの低減の観点から、駆動基板に貼り合せる防塵基板として、少なくとも一方の表面に反射防止膜を設けた石英ガラスとすることも可能である。
少なくとも入射側の防塵基板に、少なくとも一方の表面に反射防止膜を設けたMgO板を用いることによって、大きな製造コスト増をまねくことなく液晶表示素子3aにおいて最も高温となる領域の放熱性を向上させて液晶表示素子3aを冷却することができ、液晶表示素子3aを効率よく冷却することができる。なお、MgO板の代わりにY2O3を平板状に形成した少なくとも一方の表面に反射防止膜を設けたY2O3板を用いてもよい。
インテグレータレンズ6をMgOで構成した場合には、インテグレータレンズ6の全面に反射防止膜を形成することによって、反射防止膜の形成課程で真空ベーキングによりMgOの表面を安定化させるとともに、インテグレータレンズ6を反射防止膜で被覆して、空気中の水分あるいは炭酸ガス等との接触を遮断し、MgOの変質を抑制できる。
また、偏光子支持基板をMgO板で構成した場合には、偏光子支持基板の一方の面にはフィルム状とした偏光子からなる偏光フィルムを貼着し、他方の面には反射防止膜を形成することによって、偏光子支持基板を偏光フィルムと反射防止膜とで被覆して、空気中の水分あるいは炭酸ガス等との接触を遮断し、MgO板の変質を抑制できる。
最後に、MgO板の形成について詳説する。MgO板は、電融MgO単結晶あるいは焼結MgO単結晶から形成しており、特に、電融MgO単結晶は、アーク熔融法、火炎熔融法、フラックス法、CVD法等の方法で形成することができる。大型の電融MgO単結晶が必要な場合には、アーク熔融法が主に用いられている。
焼結MgO単結晶は立方晶系の結晶構造であり、ミクロンレベルの粒径としたMgO微粉末を化学処理などによりナノレベルの粒径とする超微粉末化処理と高純度化処理とを行い、物理的添加剤を混合して攪拌し、真空ベーキングした後に所定寸法にプレス加工し、1500〜1600℃で4〜5時間の真空焼成を行った後にアニール処理して素材製造を行っている。
その後、所定寸法へのカッティング、研削及び光学研磨加工により、所定寸法の平板状に形成した焼結MgO単結晶の平板を得ることができる。焼結MgO単結晶板は電融MgO単結晶板よりも耐湿性、耐炭酸ガス性が良いので、加工性及び耐久性に優れている。
MgO単結晶はは立方晶系の結晶構造であり、(100)に完全へき開性を有しているので、へき開装置を用いて所定厚みの板状とし、へき開面に存在するステップをラッピングによって平坦化し、さらにポリシングを行って鏡面に仕上げている。鏡面処理を行う場合には、CMP(Chemical Mechanical Polishing)を用いることにより、高能率、高品質の鏡面処理が可能である。
このようにして鏡面処理された平面を有するMgO板を、空気中あるいは酸素雰囲気中で約500℃の温度で熱処理することにより表面改質し、その後、CVD装置によってMgO板の表面に反射防止膜を成膜することにより、防塵基板あるいは偏光子支持基板として好適なMgO板を形成することができる。
特に、反射防止膜の形成前に、CVD装置内において、10-2〜10-3Pa程度の真空状態で、MgO板を150〜300℃程度に加熱して30〜60分程度のベーキングを行うことにより、MgO板の表面をさらに良好に改質することができる。
液晶プロジェクタ装置の概略説明図である。 液晶表示素子の断面模式図である。
符号の説明
1 ランプ
2 ダイクロイックミラー
3 画像形成部
3a 液晶表示素子
3b 入射側偏光板
3c 出射側偏光板
4 ダイクロイックプリズム
5 投射レンズ
6 インテグレータレンズ
7 PS分離合成板
8 ミラー
10 液晶
11 駆動基板
12 対向基板
13 駆動基板側防塵基板
14 対向基板側防塵基板
15 支持フレーム
16 配線基板
17 第1接着層
18 第2接着層
19 反射防止膜
20 反射防止膜
21 高熱伝導性モールド樹脂

Claims (6)

  1. 液晶を挟んで対向させた駆動基板と対向基板とに防塵基板を貼着した液晶表示素子において、
    少なくとも一方の前記防塵基板に複屈折のない透光性酸化物結晶体を用いたことを特徴とする液晶表示素子。
  2. 透光体を透過させた光を照射して画像を投影する液晶プロジェクタ装置において、
    前記透光体に複屈折のない透光性酸化物結晶体を用いたことを特徴とする液晶プロジェクタ装置。
  3. 前記透光体は、光路上に設けたレンズ、偏光子支持基板、若しくは液晶表示素子の駆動基板、対向基板、防塵基板の少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項2記載の液晶プロジェクタ装置。
  4. 前記透光体は、液晶表示素子の少なくとも入射側に設けた防塵基板であることを特徴とする請求項2記載の液晶プロジェクタ装置。
  5. 前記複屈折のない透光性酸化物結晶体の少なくとも一方の表面に反射防止膜を設けたことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の液晶プロジェクタ装置。
  6. 前記複屈折のない透光性酸化物結晶体は、単結晶MgOまたは単結晶Y2O3であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の液晶プロジェクタ装置。
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