JP2005202329A - 光ファイバーアレイおよびその製造方法 - Google Patents
光ファイバーアレイおよびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005202329A JP2005202329A JP2004011040A JP2004011040A JP2005202329A JP 2005202329 A JP2005202329 A JP 2005202329A JP 2004011040 A JP2004011040 A JP 2004011040A JP 2004011040 A JP2004011040 A JP 2004011040A JP 2005202329 A JP2005202329 A JP 2005202329A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- adhesive
- optical fiber
- groove
- substrate
- fiber array
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Mechanical Coupling Of Light Guides (AREA)
Abstract
【課題】複数の光ファイバーを光装置に接続するための光結合部分として、光ファイバーの心線を位置精度良く並列に並べて光ファイバーアレイを形成することが行われている。
基板に心線を載置すべき複数の平行な溝を形成し、心線を並べて接着し、カバー板で上面を押さえて接着剤を硬化させる。ところが、環境温度の変化によっては、基板と心線の間で接着剤剥がれが発生し、心線の位置ずれが起きるなど光学性能の劣化が生じていた。
【解決手段】基板に設ける溝の断面の上部は、開き角90°のV字形の一部をなしており、下部は基板面に平行な底面を有している。心線は上部斜面に接するよう構成する。心線と溝の壁面で構成される空間に接着剤を入れて硬化させる。接着剤の最大厚さが10μm以下、あるいは平均厚さが5μm以下となるよう構成し、接着剤の粘度が900mPa・sのものを用いることによって、剥がれがほとんど生じない。
【選択図】図1
基板に心線を載置すべき複数の平行な溝を形成し、心線を並べて接着し、カバー板で上面を押さえて接着剤を硬化させる。ところが、環境温度の変化によっては、基板と心線の間で接着剤剥がれが発生し、心線の位置ずれが起きるなど光学性能の劣化が生じていた。
【解決手段】基板に設ける溝の断面の上部は、開き角90°のV字形の一部をなしており、下部は基板面に平行な底面を有している。心線は上部斜面に接するよう構成する。心線と溝の壁面で構成される空間に接着剤を入れて硬化させる。接着剤の最大厚さが10μm以下、あるいは平均厚さが5μm以下となるよう構成し、接着剤の粘度が900mPa・sのものを用いることによって、剥がれがほとんど生じない。
【選択図】図1
Description
本発明は、光通信技術に用いられる光ファイバーアレイの製造技術に関するものである。
光通信の伝送路として用いられる光ファイバーは、通信機器との接続部において、光結合部を構成する必要がある。例えば、複数の光ファイバーを一カ所に集めて光スイッチング回路に接続する場合などでは、複数の光ファイバ心線(以下単に心線と呼ぶ)をアレイ状に高精度に位置合わせして固定することが行われれている。固定方法としては、多くの場合、V字型その他の凹溝を複数並列に形成した基板の各溝に心線を1本ずつ並べて載置し、同様な凹溝を形成したカバーを重ね、心線周囲の隙間に対して端部から流動性のある接着剤を流し込み、なんらかの方法で接着剤を硬化させて光ファイバーアレイを得ている。接着剤の注入後にカバーを重ねる手順の場合もある。
ところが、このような方法で作成した光ファイバーアレイは、他の光素子に光結合させる際や、使用中の経時における温度サイクル等で心線と基板との間に剥がれが発生し、心線の位置ずれを生ずることがあり、光学性能の劣化を招く結果となっていた。
この問題に対処するため、基板に対し心線と被覆層を共に接着剤で固定する方法が提案されている(例えば、特許文献1 参照。)。
特許文献1には、ファイバーリボンと呼ばれる、広幅の保護樹脂層に複数の心線が平行に配列されている光ファイバーアレイの一端において、保護樹脂層を除去した複数の心線を基板上に並べて、粘度200〜2000mPa・sの接着剤を用いて接着する方法が示されている。
この問題に対処するため、基板に対し心線と被覆層を共に接着剤で固定する方法が提案されている(例えば、特許文献1 参照。)。
特許文献1には、ファイバーリボンと呼ばれる、広幅の保護樹脂層に複数の心線が平行に配列されている光ファイバーアレイの一端において、保護樹脂層を除去した複数の心線を基板上に並べて、粘度200〜2000mPa・sの接着剤を用いて接着する方法が示されている。
ところで、接着剤の剥がれとして考えられる原因の一つに、温度変化による接着剤の体積変化がある。光ファイバーアレイを構成する基板と、心線と、接着剤の3要素はそれぞれの強度や線膨張係数等が互いに異なっている。石英ガラスを主材とする心線と、シリコン等で作られる基板は比較的線膨張係数が小さいのに比べ、アクリル系やエポキシ系の合成樹脂材料からなる接着剤は比較的線膨張係数が大きい。このため、接着剤の使用量、特に断面当たりの使用量が多いと、温度変化による体積変化が大きくなり、温度低下時点での収縮により、心線や、基板から接着剤が離れる現象が起きやすくなる。
特許文献1に示される基板のV字形の溝の場合、溝の下部に充填された接着剤は心線から相対的に大きく離れているため、接着力の向上には直接寄与しないにもかかわらず、断面で見た接着剤の体積増加には寄与している。
V字形の溝の壁面にシランカップリング剤処理を施して心線との接着剥がれを防止する提案がある(例えば、特許文献2 参照。)。
この方法はそれなりに効果が期待できる方法ではあるが、実験してみたところでは、溝の構造・条件によってはその違いがはっきり出ない場合もあることが分かった。
特許文献1に示される基板のV字形の溝の場合、溝の下部に充填された接着剤は心線から相対的に大きく離れているため、接着力の向上には直接寄与しないにもかかわらず、断面で見た接着剤の体積増加には寄与している。
V字形の溝の壁面にシランカップリング剤処理を施して心線との接着剥がれを防止する提案がある(例えば、特許文献2 参照。)。
この方法はそれなりに効果が期待できる方法ではあるが、実験してみたところでは、溝の構造・条件によってはその違いがはっきり出ない場合もあることが分かった。
解決しようとする問題点は、断面当たりの接着剤の使用量を減らすことで、温度変化による接着剤の体積変化を低減し、接着剤剥がれの少ない安定した光ファイバーアレイを提供することである。
請求項1に記載の発明は、複数の光ファイバーの心線を載置する当該複数の溝を有する光ファイバーアレイ用の基板であって、各溝の断面形状は、少なくとも上部が前記心線を当接させる開き角略90°の傾斜部を有し、溝の底部が前記心線との間に形成される空間部の最大厚さが10μm以下になるよう構成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、複数の光ファイバーの心線を載置する当該複数の溝を有する光ファイバーアレイ用の基板であって、各溝の断面形状は、少なくとも上部が前記心線を当接させる開き角略90°の傾斜部を有し、溝の底部が前記心線との間に形成される空間部の平均厚さが5μm以下になるよう構成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の光ファイバーアレイの基板を用い、該基板の前記複数の溝にそれぞれ前記心線を載置し、その上にカバー板を載せ、それらを粘度略900mPa・sの接着剤で接着したことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の光ファイバーアレイにおいて、前記カバー板は、前記心線の上部が陥入可能な溝が設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の光ファイバーアレイにおいて、前記カバー板は、平板であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、複数の光ファイバーの心線と、該心線を載置する当該複数の溝を有する基板と、カバー板と、それらを接着する接着剤とによって構成される光ファイバーアレイであって、前記溝の断面形状はほぼ半円の円弧状であり、前記溝の底部が前記心線との間に形成される空間部の最大厚さが10μm以下になるよう構成され、前記接着剤は粘度が略900mPa・sであることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、複数の光ファイバーの心線と、該心線を載置する当該複数の溝を有する基板と、カバー板と、それらを接着する接着剤とによって構成される光ファイバーアレイであって、前記溝の断面形状はほぼ半円の円弧状であり、前記溝の底部が前記心線との間に形成される空間部の平均厚さが5μm以下になるよう構成され、前記接着剤は粘度が略900mPa・sであることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、複数の光ファイバーの心線を載置する当該複数の溝を有する光ファイバーアレイ用の基板であって、各溝の断面形状は、少なくとも上部が前記心線を当接させる開き角略90°の傾斜部を有し、溝の底部が前記心線との間に形成される空間部の平均厚さが5μm以下になるよう構成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の光ファイバーアレイの基板を用い、該基板の前記複数の溝にそれぞれ前記心線を載置し、その上にカバー板を載せ、それらを粘度略900mPa・sの接着剤で接着したことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の光ファイバーアレイにおいて、前記カバー板は、前記心線の上部が陥入可能な溝が設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の光ファイバーアレイにおいて、前記カバー板は、平板であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、複数の光ファイバーの心線と、該心線を載置する当該複数の溝を有する基板と、カバー板と、それらを接着する接着剤とによって構成される光ファイバーアレイであって、前記溝の断面形状はほぼ半円の円弧状であり、前記溝の底部が前記心線との間に形成される空間部の最大厚さが10μm以下になるよう構成され、前記接着剤は粘度が略900mPa・sであることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、複数の光ファイバーの心線と、該心線を載置する当該複数の溝を有する基板と、カバー板と、それらを接着する接着剤とによって構成される光ファイバーアレイであって、前記溝の断面形状はほぼ半円の円弧状であり、前記溝の底部が前記心線との間に形成される空間部の平均厚さが5μm以下になるよう構成され、前記接着剤は粘度が略900mPa・sであることを特徴とする。
本発明によれば、光ファイバーを他の機器に接続するための光結合部を構成する光ファイバーアレイの製造方法において、基板と心線との間の隙間を所定の間隙以下になるよう構成したので、温度変化があっても、接着剤の体積変化が小さいため接着剤剥がれが生じにくく、光結合部としての光学的性能の劣化がほとんどない光ファイバーアレイを得ることができる。
図1は溝の形の違いによる接着剤断面積の違いを説明するための図である。同図(a)は溝の開き角が90°のV字形の溝の場合、同図(b)は同じV字形の溝の底が埋まって平坦になっている場合をそれぞれ示す図である。
同図において符号1は心線、2は基板、3は接着剤、4は溝をそれぞれ示す。
断面がV字形の溝を基板2に形成する場合、基板上面における開口4aの大きさ(幅)は、心線1が溝4の肩部4bに当たらないような大きさにしておく必要がある。なぜなら肩部4bは形状が安定しにくく、心線1の位置決めの精度が出しにくいからである。なるべくなら開口部4aの大きさは、心線1の直径と同程度かそれ以上にしておくのがよい。
同図(b)に示すV字形の底を埋めて平坦にした溝の形は、等脚台形を上下逆さにした形になっているいるので、便宜上台形溝と呼ぶことにする。溝4の深さが浅ければ、心線1が底面4cに接触し、場合によっては心線1が溝4の斜面4dに触れない状態になる可能性がある。その場合、心線1の位置が不安定となり、高精度の位置決めができなくなる。したがって、溝4の底面4cが心線1に触れない程度に溝4の深さを設定する必要がある。すなわち、製造上のばらつきがあっても、基本的には心線1が両側の斜面4dで接触するようにし、最悪の状態でも両斜面4dと底面4cの三点接触になる状態を限界とするように公差を定めておく。
同図において符号1は心線、2は基板、3は接着剤、4は溝をそれぞれ示す。
断面がV字形の溝を基板2に形成する場合、基板上面における開口4aの大きさ(幅)は、心線1が溝4の肩部4bに当たらないような大きさにしておく必要がある。なぜなら肩部4bは形状が安定しにくく、心線1の位置決めの精度が出しにくいからである。なるべくなら開口部4aの大きさは、心線1の直径と同程度かそれ以上にしておくのがよい。
同図(b)に示すV字形の底を埋めて平坦にした溝の形は、等脚台形を上下逆さにした形になっているいるので、便宜上台形溝と呼ぶことにする。溝4の深さが浅ければ、心線1が底面4cに接触し、場合によっては心線1が溝4の斜面4dに触れない状態になる可能性がある。その場合、心線1の位置が不安定となり、高精度の位置決めができなくなる。したがって、溝4の底面4cが心線1に触れない程度に溝4の深さを設定する必要がある。すなわち、製造上のばらつきがあっても、基本的には心線1が両側の斜面4dで接触するようにし、最悪の状態でも両斜面4dと底面4cの三点接触になる状態を限界とするように公差を定めておく。
同図(a)において接着剤3の入る断面積は斜線を施した範囲となる。この範囲の面積は幾何学的に簡単に求めることができる。同図(b)において接着剤3の入る断面積は同様に斜線を施した範囲となる。この範囲は、前述の3点接触の場合なら簡単に面積を求められるが、一般の場合は、溝4の深さが決まらないと面積を求めることはできない。
具体的な例として、使用する心線の直径を誤差無しの125μm、溝4の深さの公差を±3μmとし、マイナス側の公差の限界において3点接触するものと仮定すると、詳細な計算は省略するが、同図(a)における接着剤3の断面積に対する同図(b)における接着剤3の断面積の比は、およそ20.1%から52.8%の範囲になる。言い換えれば接着剤の使用量はおよそ5分の1ないし1.9分の1に減らすことができる。
具体的な例として、使用する心線の直径を誤差無しの125μm、溝4の深さの公差を±3μmとし、マイナス側の公差の限界において3点接触するものと仮定すると、詳細な計算は省略するが、同図(a)における接着剤3の断面積に対する同図(b)における接着剤3の断面積の比は、およそ20.1%から52.8%の範囲になる。言い換えれば接着剤の使用量はおよそ5分の1ないし1.9分の1に減らすことができる。
図2は図1において溝の開き角を60°にした場合の図である。同図(a)はV字形の溝の場合、同図(b)は台形溝の場合をそれぞれ示す図である。
同図において符号は図1に準ずる。
それぞれの溝に対する制約は図1の場合と同様である。この構成で、前述の具体例を適用してみると、同図(a)における接着剤3の断面積に対する同図(b)における接着剤3の断面積の比は、およそ15.7%から31.1%の範囲になる。言い換えれば接着剤の使用量はおよそ6.4分の1ないし3.2分の1に減らすことができる。
同図において符号は図1に準ずる。
それぞれの溝に対する制約は図1の場合と同様である。この構成で、前述の具体例を適用してみると、同図(a)における接着剤3の断面積に対する同図(b)における接着剤3の断面積の比は、およそ15.7%から31.1%の範囲になる。言い換えれば接着剤の使用量はおよそ6.4分の1ないし3.2分の1に減らすことができる。
接着剤3の断面積をその接着剤に接触している心線の円弧の長さで割ると、平均の厚さが得られる。上記の各計算例に当てはめてみると、図1(a)の場合で約8.5μm、同(b)の場合は公差±3μmを考慮すると幅が生じ、約1.7μmないし約4.5μmとなる。また図2(a)の場合で約20.4μm、同(b)の場合で約3.2μmないし約6.4μmとなる。接着剤の絶対量が少なければ、温度変化に対する体積変化も当然小さくなるが、図1、図2のように構造が異なれば、絶対量の比較のみでは剥がれの危険性の比較はできない。体積変化による剥がれの問題を考えるなら、むしろここに示した接着剤の平均厚さの方が一般的な比較をするには妥当な評価尺度と考えられる。平均厚さが小さいほど剥がれの危険性は小さくなると考えて良い。
ここで、接着剤の平均厚さとして表現しているが、この厚さは、溝の形状と心線の直径のみで定まる値なので、溝と心線とで囲まれる空間部の平均厚さでもある。
ここで、接着剤の平均厚さとして表現しているが、この厚さは、溝の形状と心線の直径のみで定まる値なので、溝と心線とで囲まれる空間部の平均厚さでもある。
別の評価尺度として最大厚さというものを考えてみる。最大厚さとは、接着剤の局部的な厚さの最大値、すなわち、心線外周から最も遠い位置の溝の壁部までの距離を言う。温度変化の影響は最大厚さの方向に最も大きな変化として現れるからである。この値は小さいほど良いはずである。
先の計算例に当てはめると、図1(a)の場合で約25.9μm、同図(b)の場合で約5.1μmないし8.8μm、図2(a)の場合で62.5μm、同図(b)の場合で約9.7μmないし13.4μmとなる。
いずれの評価尺度で見ても図1(b)に示した構造の方が、図2(b)に示した構造よりも小さな値を示している。したがって、開き角を特に狭くしなければならない事情がない限り、図1(b)に示した開き角90°の方を採用するのがよい。この条件において、心線の直径の誤差等も見込むと、平均厚さは5μm以下、最大厚さは10μm以下として扱うのが妥当である。
先の計算例に当てはめると、図1(a)の場合で約25.9μm、同図(b)の場合で約5.1μmないし8.8μm、図2(a)の場合で62.5μm、同図(b)の場合で約9.7μmないし13.4μmとなる。
いずれの評価尺度で見ても図1(b)に示した構造の方が、図2(b)に示した構造よりも小さな値を示している。したがって、開き角を特に狭くしなければならない事情がない限り、図1(b)に示した開き角90°の方を採用するのがよい。この条件において、心線の直径の誤差等も見込むと、平均厚さは5μm以下、最大厚さは10μm以下として扱うのが妥当である。
上記の数値例では、計算の簡易化のために溝の深さだけに公差を適用したが、実際には、溝の開き角や心線の直径などもそれぞれ誤差要因はあるので、それらを考慮した場合の上記平均厚さや最大厚さなどの値はもっと幅が広くなると考えられる。
次に、図1(b)に示したような基板に心線を載置して、実際に接着剤を用いてファイバーアレイを作製し、温度変化を与えて剥がれの状態を調べた。
実験に使用した接着剤は市販品で粘度の異なる4種類とした。これらをA、B、C、Dと名付ける。各接着剤の粘度は、公称値と公差があり、それぞれ特有の値が設定されている。本実験においてはそれぞれ公称値にほぼ一致する接着剤を選んで用いた。
実験には、図1(b)に示した形状の8本の台形溝を形成した幅3.7mm、厚さ1.5mm、長さ4.5mmのホウケイ酸ガラスで作った基板と、同材質、同形状のカバー板を用いた。基板とカバー板で8本の心線を挟み、端面から前記接着剤を流し込んで紫外線照射により硬化させた。次に、高温槽にて1.2気圧、105℃、湿度100%の環境に2.5時間曝した。高温槽から取り出し、常温に戻した後、顕微鏡により剥がれの状況を観察した。
この実験では基板と同形のカバー板を用いたが、心線は基板に対して剥がれずに接着できれば実用的には問題ないので、カバー板の方の溝の深さは、基板の溝の深さより深くなっていても、浅くなっていても構わない。極端な例として、カバー板は単なる平板であっても良い。ただ、深さはともかく、心線の上部が少しでもカバー板の面より陥入できる溝があった方が、カバー板の位置を決めやすくはなる。
それぞれの接着剤を使用して得た剥がれに関する評価結果を表1に示す。
実験に使用した接着剤は市販品で粘度の異なる4種類とした。これらをA、B、C、Dと名付ける。各接着剤の粘度は、公称値と公差があり、それぞれ特有の値が設定されている。本実験においてはそれぞれ公称値にほぼ一致する接着剤を選んで用いた。
実験には、図1(b)に示した形状の8本の台形溝を形成した幅3.7mm、厚さ1.5mm、長さ4.5mmのホウケイ酸ガラスで作った基板と、同材質、同形状のカバー板を用いた。基板とカバー板で8本の心線を挟み、端面から前記接着剤を流し込んで紫外線照射により硬化させた。次に、高温槽にて1.2気圧、105℃、湿度100%の環境に2.5時間曝した。高温槽から取り出し、常温に戻した後、顕微鏡により剥がれの状況を観察した。
この実験では基板と同形のカバー板を用いたが、心線は基板に対して剥がれずに接着できれば実用的には問題ないので、カバー板の方の溝の深さは、基板の溝の深さより深くなっていても、浅くなっていても構わない。極端な例として、カバー板は単なる平板であっても良い。ただ、深さはともかく、心線の上部が少しでもカバー板の面より陥入できる溝があった方が、カバー板の位置を決めやすくはなる。
それぞれの接着剤を使用して得た剥がれに関する評価結果を表1に示す。
接着剤Aは粘度が高いため、流し込んだとき気泡ができやすく、その気泡から剥がれが生じやすくなっていた。接着剤Dは流動性が良すぎることによって、硬化する前に一部が外に流出してしまい、部分的に空隙ができ、剥がれの問題をチェックする以前の問題として、十分な接着ができないことが分かった。
接着剤Bはわずかに剥がれらしき様子が観察されたが、実用的に問題が生ずるほどの状態ではなかった。接着剤Cは一部に剥がれが観察され、光学性能の劣化が予想されるが、使用に耐えないほどではなかった。
接着剤Bの粘度の公差は±200mPa・sとなっていた。公差を用いて幅を表現すれば、700〜1100mPa・sとなる。接着剤Cの粘度はこの範囲に入っているが、一応使用可能な評価結果が得られている。したがって、接着剤Bの粘度であれば、公差を含めても一応使用可能な接着剤であるといえる。
接着剤Bはわずかに剥がれらしき様子が観察されたが、実用的に問題が生ずるほどの状態ではなかった。接着剤Cは一部に剥がれが観察され、光学性能の劣化が予想されるが、使用に耐えないほどではなかった。
接着剤Bの粘度の公差は±200mPa・sとなっていた。公差を用いて幅を表現すれば、700〜1100mPa・sとなる。接着剤Cの粘度はこの範囲に入っているが、一応使用可能な評価結果が得られている。したがって、接着剤Bの粘度であれば、公差を含めても一応使用可能な接着剤であるといえる。
接着剤の上記粘度範囲は、前記開き角90°の台形溝に対して最適な粘度であると考えられる。ただし、開き角90°や台形が重要なのではなく、前記評価尺度、すなわち、平均厚さないし最大厚さが重要であって、それらが所定の条件を満たす場合に、上記粘度範囲が有効になるものと考えてよい。逆に言えば、斜面の開き角は特に限定する必要がないとも言える。その代わり、底になる部分の形状を工夫して上記評価尺度が所定の条件になるようにすればよい。
心線を安定に配置するためには少なくとも溝上部にV字状の傾斜面があった方がよい。ただし、製造誤差のことを考えると、開き角が広すぎると、深さ方向(縦方向と呼ぶ)は位置が定まりやすいが、基板面方向(横方向と呼ぶ)は不安定になりやすい。開き角が狭すぎると、横方向の位置は定まりやすいが、縦方向は不安定になりやすい。縦・横とも同程度の安定性を得るためには、斜面が縦・横両方向に対して同じ角度になる傾斜を選ぶと良い。結局、開き角90°というのは最適な角度と言うことができる。
心線を安定に配置するためには少なくとも溝上部にV字状の傾斜面があった方がよい。ただし、製造誤差のことを考えると、開き角が広すぎると、深さ方向(縦方向と呼ぶ)は位置が定まりやすいが、基板面方向(横方向と呼ぶ)は不安定になりやすい。開き角が狭すぎると、横方向の位置は定まりやすいが、縦方向は不安定になりやすい。縦・横とも同程度の安定性を得るためには、斜面が縦・横両方向に対して同じ角度になる傾斜を選ぶと良い。結局、開き角90°というのは最適な角度と言うことができる。
図3は溝の形状の他の実施形態を示す図である。同図(a)は底面も開き角の大きいV字形の例、同図(b)は底面が円弧をなす例をそれぞれ示す図である。
同図(a)に示すように、底面4cを一つの平面ではなく、上部よりも開き角の大きいV字形にしても良い。この場合、公差の下限において、心線が底面4cに接触する条件とすれば、限界においては4点接触の可能性もある。
同図(b)に示すように、底面を円弧とした構成の場合は、公差の下限において心線が底面4cに接触すると接着剤を注入するスペースがなくなるので、公差の下限においても若干の隙間をあけるように構成するのがよい。
詳細な計算は省略するが、図1に示した構造に対して行ったのと同様な条件で計算すると、いずれの構造の場合も、前記両評価尺度において、より小さな値が得られる。逆にその分、他の寸法に対する許容誤差を拡げることもできる。
同図(a)に示すように、底面4cを一つの平面ではなく、上部よりも開き角の大きいV字形にしても良い。この場合、公差の下限において、心線が底面4cに接触する条件とすれば、限界においては4点接触の可能性もある。
同図(b)に示すように、底面を円弧とした構成の場合は、公差の下限において心線が底面4cに接触すると接着剤を注入するスペースがなくなるので、公差の下限においても若干の隙間をあけるように構成するのがよい。
詳細な計算は省略するが、図1に示した構造に対して行ったのと同様な条件で計算すると、いずれの構造の場合も、前記両評価尺度において、より小さな値が得られる。逆にその分、他の寸法に対する許容誤差を拡げることもできる。
図4は溝の形状のさらに他の実施形態を示す図である。同図(a)は斜視図、同図(b)は端部正面図、同図(c)は中央部付近の断面図である。ただし、溝の大きさは誇張して示してある。
心線の直径の精度は基板の精度に比べておよそ1桁高いので、光結合部となるべき端部の溝精度だけ特に高精度に作り込み、その他の部分はやや精度を落として作りやすくしてある。端部の溝は、具体的には、心線の半径のプラス側の公差に相当する半径を下限とするほぼ半円の円弧溝とし、心線に与えられている公差と同程度の公差をその円弧の公差として与える。この程度の公差であれば、光結合部としての精度は守れる。
同図(c)において溝の断面もほぼ半円の円弧になっている。円弧の直径は心線の直径より若干大きめに設定するが、製造誤差を含めても、平均厚さや、最大厚さが前記台形溝で求めた値を超えないように設定しておく。ただし、この溝形状では、V字形の斜面がないので、心線の位置はそれほど明確には定まらない。すなわち、心線が心線の中心の真下で円弧の底面に接する状態もあれば、その位置から少しずれて接する場合、あるいは、心線と円弧溝との間に接着剤が介在している場合などがあり得る。したがって、前記評価尺度を当てはめる場合、心線の位置がずれて最も悪い条件になった場合を想定し、その条件でも上記評価尺度における所定の条件を満足するように設定する。
心線の直径の精度は基板の精度に比べておよそ1桁高いので、光結合部となるべき端部の溝精度だけ特に高精度に作り込み、その他の部分はやや精度を落として作りやすくしてある。端部の溝は、具体的には、心線の半径のプラス側の公差に相当する半径を下限とするほぼ半円の円弧溝とし、心線に与えられている公差と同程度の公差をその円弧の公差として与える。この程度の公差であれば、光結合部としての精度は守れる。
同図(c)において溝の断面もほぼ半円の円弧になっている。円弧の直径は心線の直径より若干大きめに設定するが、製造誤差を含めても、平均厚さや、最大厚さが前記台形溝で求めた値を超えないように設定しておく。ただし、この溝形状では、V字形の斜面がないので、心線の位置はそれほど明確には定まらない。すなわち、心線が心線の中心の真下で円弧の底面に接する状態もあれば、その位置から少しずれて接する場合、あるいは、心線と円弧溝との間に接着剤が介在している場合などがあり得る。したがって、前記評価尺度を当てはめる場合、心線の位置がずれて最も悪い条件になった場合を想定し、その条件でも上記評価尺度における所定の条件を満足するように設定する。
本構成の場合も、カバー板の形状は種々取り得る。
単純な平板の場合、接着剤注入後カバー板の上から圧力をかけながら硬化させる場合が多いので、心線は円弧溝底面とカバー板下面に接触した状態で接着剤が硬化する。この場合は、最大厚さは溝の円弧の半径と心線の半径との差程度とあまり小さくならないが、平均厚さが比較的小さくなる。
カバー板も基板と同形の円弧溝を有する場合、基板とカバー板とで作られる円の内部で心線の位置は不定となる。この場合、平均厚さは前記両半径の差になるが、最大厚さは上記円の直径と心線の直径との差になる。
これらのことを考慮して円弧溝の半径を定める。
光結合部の相手側の機器次第では、精度を下げることもできるが、その場合は同図(b)に示すような端部の形状は省略することもできる。
単純な平板の場合、接着剤注入後カバー板の上から圧力をかけながら硬化させる場合が多いので、心線は円弧溝底面とカバー板下面に接触した状態で接着剤が硬化する。この場合は、最大厚さは溝の円弧の半径と心線の半径との差程度とあまり小さくならないが、平均厚さが比較的小さくなる。
カバー板も基板と同形の円弧溝を有する場合、基板とカバー板とで作られる円の内部で心線の位置は不定となる。この場合、平均厚さは前記両半径の差になるが、最大厚さは上記円の直径と心線の直径との差になる。
これらのことを考慮して円弧溝の半径を定める。
光結合部の相手側の機器次第では、精度を下げることもできるが、その場合は同図(b)に示すような端部の形状は省略することもできる。
1 心線
2 基板
3 接着剤
4 溝
2 基板
3 接着剤
4 溝
Claims (7)
- 複数の光ファイバーの心線を載置する当該複数の溝を有する光ファイバーアレイ用の基板であって、各溝の断面形状は、少なくとも上部が前記心線を当接させる開き角略90°の傾斜部を有し、溝の底部が前記心線との間に形成される空間部の最大厚さが10μm以下になるよう構成されていることを特徴とする光ファイバーアレイの基板。
- 複数の光ファイバーの心線を載置する当該複数の溝を有する光ファイバーアレイ用の基板であって、各溝の断面形状は、少なくとも上部が前記心線を当接させる開き角略90°の傾斜部を有し、溝の底部が前記心線との間に形成される空間部の平均厚さが5μm以下になるよう構成されていることを特徴とする光ファイバーアレイの基板。
- 請求項1または2に記載の光ファイバーアレイの基板を用い、該基板の前記複数の溝にそれぞれ前記心線を載置し、その上にカバー板を載せ、それらを粘度略900mPa・sの接着剤で接着したことを特徴とする光ファイバーアレイ。
- 請求項3に記載の光ファイバーアレイにおいて、前記カバー板は、前記心線の上部が陥入可能な溝が設けられていることを特徴とする光ファイバーアレイ。
- 請求項3に記載の光ファイバーアレイにおいて、前記カバー板は、平板であることを特徴とする光ファイバーアレイ。
- 複数の光ファイバーの心線と、該心線を載置する当該複数の溝を有する基板と、カバー板と、それらを接着する接着剤とによって構成される光ファイバーアレイであって、前記溝の断面形状はほぼ半円の円弧状であり、前記溝の底部が前記心線との間に形成される空間部の最大厚さが10μm以下になるよう構成され、前記接着剤は粘度が略900mPa・sであることを特徴とする光ファイバーアレイ。
- 複数の光ファイバーの心線と、該心線を載置する当該複数の溝を有する基板と、カバー板と、それらを接着する接着剤とによって構成される光ファイバーアレイであって、前記溝の断面形状はほぼ半円の円弧状であり、前記溝の底部が前記心線との間に形成される空間部の平均厚さが5μm以下になるよう構成され、前記接着剤は粘度が略900mPa・sであることを特徴とする光ファイバーアレイ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004011040A JP2005202329A (ja) | 2004-01-19 | 2004-01-19 | 光ファイバーアレイおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004011040A JP2005202329A (ja) | 2004-01-19 | 2004-01-19 | 光ファイバーアレイおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005202329A true JP2005202329A (ja) | 2005-07-28 |
Family
ID=34823591
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004011040A Pending JP2005202329A (ja) | 2004-01-19 | 2004-01-19 | 光ファイバーアレイおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005202329A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008103631A (ja) * | 2006-10-20 | 2008-05-01 | Hamamatsu Photonics Kk | 光学部品 |
JP2012068664A (ja) * | 2011-11-04 | 2012-04-05 | Hamamatsu Photonics Kk | 光学部品 |
CN102608698A (zh) * | 2012-03-20 | 2012-07-25 | 缪建民 | 一种高可靠性的光纤阵列u槽及其制造方法 |
WO2019189620A1 (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-03 | 住友電気工業株式会社 | 光ファイバアレイ |
CN113835162A (zh) * | 2021-09-30 | 2021-12-24 | 杭州润州光电技术有限公司 | 一种续接芯子及其光纤快速连接器 |
-
2004
- 2004-01-19 JP JP2004011040A patent/JP2005202329A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008103631A (ja) * | 2006-10-20 | 2008-05-01 | Hamamatsu Photonics Kk | 光学部品 |
JP2012068664A (ja) * | 2011-11-04 | 2012-04-05 | Hamamatsu Photonics Kk | 光学部品 |
CN102608698A (zh) * | 2012-03-20 | 2012-07-25 | 缪建民 | 一种高可靠性的光纤阵列u槽及其制造方法 |
WO2019189620A1 (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-03 | 住友電気工業株式会社 | 光ファイバアレイ |
CN111727393A (zh) * | 2018-03-29 | 2020-09-29 | 住友电气工业株式会社 | 光纤阵列 |
JPWO2019189620A1 (ja) * | 2018-03-29 | 2021-04-08 | 住友電気工業株式会社 | 光ファイバアレイ |
US11137553B2 (en) | 2018-03-29 | 2021-10-05 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Optical fiber array |
JP7176562B2 (ja) | 2018-03-29 | 2022-11-22 | 住友電気工業株式会社 | 光ファイバアレイ |
CN113835162A (zh) * | 2021-09-30 | 2021-12-24 | 杭州润州光电技术有限公司 | 一种续接芯子及其光纤快速连接器 |
CN113835162B (zh) * | 2021-09-30 | 2023-02-28 | 杭州润州光电技术有限公司 | 一种续接芯子及其光纤快速连接器 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100926395B1 (ko) | 광 도파로 필름과 그 제조 방법, 그것을 포함하는 광 전기혼재 필름 및 전자기기 | |
JP2007147982A (ja) | 光ファイバアレイおよびその製造方法 | |
US9274288B2 (en) | Connector for multilayered optical waveguide | |
JPH09178962A (ja) | 光ファイバアレイおよびその製造法 | |
WO2002082149A1 (en) | Alignment of optical fibres with an optical device | |
JPH11231163A (ja) | 光ファイバコネクタおよびその製造方法 | |
JP2005202329A (ja) | 光ファイバーアレイおよびその製造方法 | |
CN101093263B (zh) | 光波导及其制造方法以及光通信模块 | |
US20020186954A1 (en) | Fiber optic array assembly and method of making the same | |
JP2001343547A (ja) | 光ファイバアレイ | |
JP4504435B2 (ja) | 平面光回路部品及びその作製方法 | |
JP2004020656A (ja) | 光導波路装置および光導波路装置の製造方法 | |
JP4663505B2 (ja) | 光部品 | |
JP2004354947A (ja) | 平面光回路部品及びその作製方法 | |
JP2016001286A (ja) | 光ファイバ接続部品 | |
JP4663716B2 (ja) | 光部品 | |
JP4311990B2 (ja) | 光学部品、製品及び光学部品の製造方法、並びに接着材料 | |
JPWO2002086567A1 (ja) | 光ファイバアレイ | |
JP2000180649A (ja) | レセプタクル型光コネクタおよびその製造方法 | |
JP5254296B2 (ja) | キャピラリ | |
JP2000171656A (ja) | 光ファイバアレイおよびその製造方法 | |
JP2010224246A (ja) | 光基板の製造方法 | |
JP2010078670A (ja) | 高分子光導波路及びその製造方法 | |
JP2016206308A (ja) | 光接続部品 | |
JP2007316548A (ja) | 光ファイバアレイ |