JP4663716B2 - 光部品 - Google Patents

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Description

本発明は、基板とリッドの間の光ファイバを接着剤で固定した光部品に関する。
インターネットの爆発的な普及に伴う通信トラフィックの増大を支えているのが光ファイバによる光通信技術である。特に、昨今のブロードバンド化の進展に伴い、FTTHアクセス網を用いた音楽や映像の送受信およびリアルタイム通信が実現されている。
このような光ファイバを用いた通信には、光ファイバと光デバイスを接続するためのインタフェースが必要となる。通常、光ファイバは、並列に複数本ならべて被覆されたテープファイバの形態で取り扱われており、ファイバとデバイスとの接続にはV溝を有する基板に光ファイバを配置し、リッドにより固定した光ファイバアレイのような光部品が用いられている。この光ファイバアレイには、例えば平面光回路(PLC)などの光デバイスとの正確な光学的アライメントが求められ、その接続部には使用に耐え得る強度を持たせなければならない。
図36は、このような光部品の一例を示している。図36に示すように、光部品100は、V溝基板20とリッド10を用いて、光ファイバ2または光ファイバアレイ3をPLC1に接続する構造を備えている。この場合、光ファイバまたは光ファイバアレイは、V溝基板とリッドの間に挟まれ、接着剤で固定されている。また、図37は、このような光部品の別の一例を示す側面図である。図に示すように、光部品200は、V溝が形成されたシリコンベンチ20とリッド10を用いて、光ファイバ2をPLC1に接続する構造を備えている。この場合も、光ファイバは、シリコンベンチとリッドの間に挟まれ、接着剤で固定されている。このような光部品の従来の構造は、例えば特許文献1に記載されている。
しかしながら、従来の構造では、温度変化や湿度変化などの外的要因により、リッドと光ファイバの間、光ファイバと基板の間、リッドと基板の間で剥離が生じることがある。この剥離は、光ファイバと光デバイスとの接続部における位置ずれや剥離、場合によっては光学的な断線を生じさせ、光学特性を損なわせる原因となっていた。
このような光部品に対し、実際に信頼性試験、特に高温高湿下での加速試験を行うと、剥離現象が顕著に現れ、被着体と接着剤の界面剥離にとどまらず、凝集破壊やそれらが同時に起こる混合破壊などが発生する。
また、このようなリッドと基板の剥離を生じさせないように、基板の接着面を粗化することにより、粗化した接着面での接着強度を強化する方法が知られている(特許文献2)。しかしながら、光部品の小型化の要請により、基板の接着面がさらに小さくなると、接着面を粗化しても基板とリッドとの間で十分な接着強度が得られない場合がある。さらに、高集積・高密度の光部品においては、作製時のダイシングにおける傷や欠けなどによって基板およびリッドの機械的強度が低下するという問題があった。
特開平7−209547号公報 特開平11−142673号公報
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、接着剤による接着部の破壊的な剥離を防止し、より信頼性の高い光部品を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、本願発明の一実施形態によれば、光ファイバを基板とリッドとの間で挟み、接着剤で固定した光部品において、前記接着剤の接着力が不均一に分布し、それによって外的ストレスによる接着剤の内部応力が緩和されるようにする。
また、本願発明の一実施形態によれば、上記の光部品において、接着剤の接着力は、接着剤に添加物を添加することによって不均一にすることができる。
また、本願発明の一実施形態によれば、上記の光部品において、接着剤の接着力は、基板およびリッドの少なくとも一方の接着面に有機物または無機物を付着させることによって不均一にすることができる。
また、本願発明の一実施形態によれば、上記の光部品において、接着剤の接着力は、基板およびリッドの少なくとも一方の接着面を表面処理によって改質することによって不均一にすることができる。
また、本願発明の一実施形態よれば、上記の光部品において、接着剤の接着力は、基板およびリッドの少なくとも一方の接着面に凹凸を設けることによって不均一にすることができる。
また、本願発明の一実施形態によれば、上記の光部品において、接着剤の接着力は、基板およびリッドの少なくとも一方の接着面を粗化することによって不均一にすることができる。
図1は、V溝基板とリッドとの間に、通常の量のシランカップリング剤を添加した接着剤を充填した状態を示す断面図である。 図2は、V溝基板とリッドとの間に、通常の量よりも少ないシランカップリング剤を添加した接着剤を充填した状態を示す断面図である。 図3は、V溝基板とリッドとの間に、通常の量よりも多くのシランカップリング剤を添加した接着剤を充填した状態を示す断面図である。 図4Aは、V溝基板の接着面にシランカップリング剤を円形のパタンで塗布した状態を示す斜視図である。 図4Bは、リッドの接着面にシランカップリング剤を円形のパタンで塗布した状態を示す斜視図である。 図5は、図4AのV溝基板と図4Bのリッドとの間に光ファイバを固定し、接着剤を充填した状態を示す断面図である。 図6Aは、接着面に感光性樹脂を所望のパタンで作製するときの感光性樹脂を塗布する工程を示す図である。 図6Bは、接着面に感光性樹脂を所望のパタンで作製するときのマスクで露光する工程を示す図である。 図6Cは、接着面に感光性樹脂を所望のパタンで作製するときのパタンを現像する工程を示す図である。 図7Aは、接着面に所望のパタンでプラズマ処理する施すときのレジストを塗布する工程を示す図である。 図7Bは、接着面に所望のパタンでプラズマ処理する施すときのマスクで露光する工程を示す図である。 図7Cは、接着面に所望のパタンでプラズマ処理する施すときのパタンを現像する工程を示す図である。 図7Dは、接着面に所望のパタンでプラズマ処理する施すときのプラズマ処理を施す工程を示す図である。 図7Eは、接着面に所望のパタンでプラズマ処理する施すときのレジストを除去する工程を示す図である。 図8Aは、接着面に所望のパタンで凹凸を形成するときのレジストを塗布する工程を示す図である。 図8Bは、接着面に所望のパタンで凹凸を形成するときのマスクで露光する工程を示す図である。 図8Cは、接着面に所望のパタンで凹凸を形成するときのパタンを現像する工程を示す図である。 図8Dは、接着面に所望のパタンで凹凸を形成するときのイオンミリングを施す工程を示す図である。 図8Eは、接着面に所望のパタンで凹凸を形成するときのレジストを除去する工程を示す図である。 図9Aは、リッドの接着面に形成された格子状パタンの凹凸を示す平面図である。 図9Bは、V溝基板の接着面に形成された格子状パタンの凹凸を示す平面図である。 図10Aは、リッドの接着面に形成された格子点パタンの凹凸を示す平面図である。 図10Bは、V溝基板の接着面に形成された格子点パタンの凹凸を示す平面図である。 図11は、V溝基板およびリッドの接着面に形成された凹凸の凹部の深さに対する高温高湿試験後の基板およびリッドの接着強度の関係を示す図である。 図12は、接着面に凹凸を形成したV溝基板とリッドとの間に、光ファイバアレイを固定して接着剤を充填した状態を示す断面図である。 図13は、光ファイバアレイと接する接着面以外に凹凸を形成したV溝基板とリッドとの間に、光ファイバアレイを固定して接着剤を充填した状態を示す断面図である。 図14は、ダイシングソーでV溝基板またはリッドの接着面に細かな溝を形成する工程を示す断面図である。 図15Aは、ダイシングソーで接着面に細かな溝を形成したリッドを示す平面図である。 図15Bは、ダイシングソーで接着面に細かな溝を形成したV溝基板を示す平面図である。 図16Aは、接着面に複数の方向に溝を形成したリッドを示す平面図である。 図16Bは、接着面に複数の方向に溝を形成したV溝基板を示す平面図である。 図17Aは、ナノインプリント技術を用いて凹凸を作製するときに基板を昇温して軟化させ、金型を押し付ける工程を示す図である。 図17Bは、ナノインプリント技術を用いて凹凸を作製するときに金型を押し付けて、基板にV溝と凹凸を同時に形成する工程を示す図である。 図18は、接着面を粗化した基板とリッドとの間に、光ファイバアレイを固定して接着剤を充填した状態を示す断面図である。 図19は、表面粗さRaに対する高温高湿試験後の基板およびリッドの接着強度の関係を示す図である。 図20Aは、接着面にスクライバーやダイヤモンドカッター等によりランダムな細線を数多く作製したリッドを示す平面図である。 図20Bは、接着面にスクライバーやダイヤモンドカッター等によりランダムな細線を数多く作製したV溝基板を示す平面図である。 図21Aは、接着面にスクライバーやダイヤモンドカッター等により複数の方向にランダムに細線を作製したリッドを示す平面図である。 図21Bは、接着面にスクライバーやダイヤモンドカッター等により複数の方向にランダムに細線を作製したV溝基板を示す平面図である。 図22は、基板とリッドの両方の側面に固定部材を接着した光部品の斜視図である。 図23は、基板とリッドの一方の側面に固定部材を接着した光部品の斜視図である。 図24は、基板とリッドの一方の側面に固定部材を接着し、他方の側のリッドと基板の接着面積を大きくした光部品の斜視図である。 図25は、基板とリッドの剥離の生じやすい箇所に選択的に複数の固定部材を接着した光部品の斜視図である。 図26は、基板の側面全体にわたって固定部材を接着した光部品の斜視図である。 図27は、基板とリッドの側面に半円柱状の固定部材を接着した光部品の斜視図である。 図28は、基板とリッドの側面に台形状の固定部材を接着した光部品の斜視図である。 図29は、基板とリッドの側面および基板の底面にコの字型の固定部材を装着した光部品の斜視図である。 図30は、基板とリッドの側面およびリッドの上面にコの字型の固定部材を装着した光部品の斜視図である。 図31は、基板とリッドの側面およびリッドの上面に、ファイバ芯線を覆うようにコの字型の固定部材を装着した光部品の斜視図である。 図32は、基板とリッドの一方の側面、基板の底面およびリッドの上面にコの字型の固定部材を装着した光部品の斜視図である。 図33は、基板とリッドの一方の側面、基板の底面の一部およびリッドの一部にコの字型の固定部材を装着した光部品の断面図である。 図34は、基板とリッドに、四面の全てを覆うようにロの字型の固定部材を装着した光部品の斜視図である。 図35Aは、基板上のV溝の外側にある平面部の幅について説明するための光部品の平面図である。 図35Bは、図35Aの線XXXVBにおけるテープファイバの断面図である。 図35Cは、図35Aの線XXXVCにおける基板とリッドの断面図である。 図36は、光部品の一例を示す斜視図である。 図37は、光部品の別の一例を示す斜視図である。
光ファイバを基板とリッドの間に挟み、接着剤で固定した光部品の構造では、上述したように、信頼性試験を行うと剥離や破壊が生じることがある。しかし、基板とリッドの平板同士を接着剤で張り合わせた場合にはこのような剥離現象は生じない。そのため、光部品の構成部品(基板、光ファイバ、リッド)間の剥離現象は、単にそれらの接着面の接着力が弱いことによって生じるのではなく、接着剤が硬化収縮する際に生じる内在応力が深く関係していると考えられる。すなわち、接着剤の硬化時には接着剤の樹脂が収縮しているにも拘わらず、基板とリッドの間隔は光ファイバがスペーサになってその距離がほとんど変わらず、V溝の周辺やリッドの接着面の外周付近に接着剤の内在応力が集中することで剥離が発生し、進行すると考えられる。この剥離によって、基板とリッドの間でファイバを把持または固定できなくなり、ファイバが位置ずれを起こし、光部品の光学的特性が劣化することになる。
本発明では、基板およびリッドが接着剤と接する面に接着剤との接着強度が弱い部位を意図的に作製し、内在応力が発生したときにその部位が部分的に剥離するようにすることで、内在応力を吸収または緩和する。これによって、基板とリッドの接着強度が維持され、破壊的な剥離が防止される。従来技術では、破壊的な剥離はもちろん、部分的な剥離も生じさせないように工夫されてきた。本発明では、反対に、部分的な剥離を積極的に誘発し、基板、リッドおよび光ファイバ間の破壊的な剥離の発生を防止する。
接着剤の接着力に変化をつけるために、本発明では、接着剤に添加剤を加えたり、基板およびリッドの接着面に化学的な処理または物理的な加工を行ったりすることができる。接着剤の樹脂中の内在応力を緩和することが目的であるため、接着力の変化のパタンは、接着剤の重合分子よりも大きくする必要がある。しかし、接着力の変化のパタンが大きすぎると、接着面積が減少し、基板、リッドおよび光ファイバの全体的な接着強度が低下する。このことから、実際的な変化パタンの間隔は、0.1μm〜100μmであることが望ましい。
接着剤の接着力が弱い部位の全体に占める割合が小さいと、内在応力の緩和効果が小さく、接着強度を維持する効果が小さくなる。逆に、その割合が大きいと、接着剤と被着体との実効的な接着面積が減少するので、応力緩和による接着強度を維持する効果よりも接着剤による接着力の低下の方が問題となる。このことから、実際的な接着力の弱い部分の割合は、5%〜50%であることが望ましい。
この割合は、基板またはリッドがガラスのように透明な材質の場合、顕微鏡で目視して確認することができる。具体的には、接着剤との接着力が弱い部位は、気泡または剥離の状態として観察することができる。しかし、通常の状態では、気泡または剥離の状態として現れないことがあるので、その場合には、高温高湿の加速試験などで外的ストレスを短時間かけることによって、気泡または剥離を顕在化させて観察することができる。
また、基板、光ファイバおよびリッドの接着部では、光ファイバに沿って応力が集中しているので、この部分に意図的に気泡または剥離を生じさせることが重要である。接着剤の層が数μm〜数十μmの場合、経験的に気泡または剥離がファイバから5mm以内の領域でファイバに沿って分布していることが望ましい。
以下、図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態について説明する。
本発明の第1の実施例では、接着剤中に添加剤を加えることで、基板とリッドの接着面に接着剤の接着力の不均一な領域を作ることができる。具体的には、添加剤として、シランカップリング剤を用いることができる。シランカップリング剤は、通常、接着力の向上のために用いられている。これは、無機系の材料にシランカップリング剤が水素結合や脱水反応により共有結合し、さらにシランカップリング剤と有機材料が水素結合や分子間力で接着したり、化学反応により共有結合したりすることで強固な接着が得られる。通常、接着剤にシランカップリング剤を添加する場合、シランカップリング剤が基板とリッドの接着面に均一に付着するように量を調整して加える。この様子を図1に示す。図1は、シランカップリング剤40を添加した接着剤30を基板20とリッド10との間に充填した状態を示している。理想的には、図1に示すように、基板20およびリッド10の接着面に機能性シランの分子層が1層だけ均一に付着する量に調整する。
しかし、本発明では、分子層が1層だけ均一に付着する添加量ではなく、添加量をより少なくすることで、シランカップリング剤が付着しない領域を作る。この様子を図2に示す。図2は、本発明の一実施形態にしたがってシランカップリング剤40を通常よりも少なく調整した接着剤30を基板20とリッド10との間に充填した状態を示している。このように調整することで、シランカップリング剤40が付着しない接着面の部分は接着剤との接着力が弱く、内在応力に対して部分的な剥離を起こし易くなる。理想的な添加量に対して5%〜50%の添加量とすることで、望ましい応力緩和効果を得ることができる。
また、シランカップリング剤の量を理想的な添加量よりも多くすることでも同様の効果を得ることができる。この様子を図3に示す。図3は、本発明の一実施形態にしたがってシランカップリング剤40の量を通常よりも多く調整した接着剤30を基板20とリッド10との間に充填した状態を示している。このようにシランカップリング剤の量が多くなると、シランカップリング剤の分子同士の結合が起こる。この結合は、一般に接着剤の分子同士の結合よりも弱い。したがって、シランカップリング剤の分子同士の結合した部分は、内在応力に対して部分的な剥離を起こし易くなる。
本実施例では、添加剤としてシランカップリング剤を例に説明したが、他の適当な添加剤を加えることで同様の結果を得ることができる。通常、添加剤は接着剤の粘度を調整する目的などで使用されるが、本発明では、接着剤の接着強度を不均一にするために用いる。したがって、この目的を達成するための添加剤であれば何でもよく、例えばシリカ、クオーツ、プラスチック、ウッド、メタル、グラファイト、カーボンナノチューブなどを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
添加剤によって生じる部分的な剥離または接着強度の弱い部分の総面積は、基板またはリッドの接着面の面積の5%〜50%であることが望ましい。また、剥離または接着強度の弱い部分はファイバからの距離が5mm以内の部分でファイバに沿って存在することが望ましい。
本発明の第2の実施例では、基板およびリッドの接着面に化学的な表面処理を施すことで、基板とリッドの接着面に接着剤の接着力の不均一な領域を作ることができる。具体的には、基板とリッドの接着面にインクジェット方式でシランカップリング剤を塗布して、3μm間隔の円形のパタンを形成する。この様子を図4AおよびBに示す。図4AおよびBは、基板20およびリッド10の接着面にシランカップリング剤42を円形のパタンで塗布した状態をそれぞれ示している。また、図5は、シランカップリング剤42を円形のパタンで塗布した基板20とリッド10との間で光ファイバ2をV溝21に搭載し、接着剤30を充填した状態を示している。
ガラスやシリコンなどの基板またはリッドの表面にシランカップリング剤を塗布し、乾燥させると、シランカップリング剤の塗布された部分は、接着剤との濡れ性や相溶性が改良され、さらに表面と接着剤とが共有結合や水素結合することで強固な接着面となる。一方、シランカップリング剤が塗布されていない部分は、このようなメカニズムが働かず、剥離が生じやすい状態となる。これにより、表面処理の行われていない部分は、剥離が生じやすく応力を吸収または緩和し、表面処理の行われた部分は剥離しにくい状態となり、結果として高温高湿などの外的ストレスに対して破壊的な剥離を防ぎ、光ファイバの位置ずれ、ピッチずれ、断線を効果的に防止することができる。
なお、接着面の塗布パタンは、円形である必要はなく、楕円、三角形、多角形、または任意の不定形とすることができる。パタンの大きさも接着強度に所望の変化をつけられる大きさにすることができる。また、上記の実施形態では、シランカップリング剤の塗布する間隔を3μmとしたが、シランカップリング剤が塗布されていない部分(接着剤の接着強度が弱くなる部分)の間隔が、上述したように、0.1μm〜100μmの範囲であればよく、1μm〜10μmであることが好ましい。この間隔が1μmを下回ると、シランカップリング剤を塗布するパタンが微細となり、作製上、困難となる。また、10μmを超えると、接着剤の層内で十分な応力緩和が行われないことになる。
また、シランカップリング剤が塗布されていない部分の総面積は、リッドまたは基板の接着面の5%〜50%であることが望ましい。この塗布されていない部分は、この部品を高温高湿の加速試験(例えば130℃90%RH)に1時間かけることで塗布されていない部分に剥離が生じ、その部分の面積を目視で評価することができる。また、剥離または接着力の弱い部分はファイバからの距離が5mm以内でファイバに沿って存在することが望ましい。
上記の実施形態では、塗布剤にシランカップリング剤を使用した場合を例に説明したが、接着力に変化をつけられる材料であれば何でもよく、シラザン(例えばヘキサメチルジシラザン)、光ファイバの接着に使用する接着剤以外の有機物(エポキシ、アクリル、ポリイミド、シリコーン、PMMA、PC、BCB、ウレタンなど)を塗布しても同様の効果が得られるが、これらに限定されるものではない。また、シランカップリング剤のように接着力を向上させる材料でなくてもよく、フッ素含有樹脂のように逆に接着力を下げる材料を用いて、塗布した部分を剥離させやすくするようにしてもよい。接着力を変化させる材料は、有機物でなくても、例えば金属などの無機物を用いて、蒸着してリフトオフすることにより接着面に上記のようなパタンを形成してもよい。例えば、Auを用いると、Au表面は接着剤の濡れ性が悪く、接着力の弱い部分となる。
上記の実施形態では、インクジェット方式を用いて有機材料を塗布したが、所望の材料を塗布することができる方式であれば何でもよく、霧吹き、超音波、バブリングなどによりミストを発生させ、ミスト雰囲気の気体に接着面を晒して付着させるミスト噴霧方式、感光性樹脂を塗布し、パタン露光して現像する方式を用いることができるが、これらに限定されるものではない。図6AからCに、感光性樹脂を塗布し、パタン露光して現像する工程の一例を示す。先ず、図6Aに示すように、リッド10(または基板20)に感光性樹脂50を塗布する。次に、図6Bに示すように、所望のパタンを有するマスク60を用いて感光性樹脂50を露光する。最後に、図6Cに示すように、露光した感光性樹脂50を現像処理して所望のパタンを得る。これにより、リッドまたは基板の接着面に感光性樹脂50を所望のパタンで付着させることができる。
さらに、本発明の一実施形態では、接着面に樹脂を塗布しなくても、接着面の濡れ性に変化をもたせればよいので、例えば接着面を所望のパタンでプラズマ処理してもよい。図7AからEに、このようなプラズマ処理の一例を示す。先ず、図7Aに示すように、リッド10(または基板20)にレジスト52を塗布する。次に、図7Bに示すように、所望のパタンを有するマスク60を用いてレジスト52を露光する。次に、図7Cに示すように、露光したレジスト52を現像処理して所望のパタンを得る。次に、図7Dに示すように、レジストパタンを有するリッド10をプラズマに晒す。最後に、図7Eに示すように、レジストパタンを除去し、プラズマ処理された部分54を有するリッド10を得る。これにより、プラズマ処理された部分54と、そうでない部分では接着剤30の濡れ性が異なるので、接着面に不均一な接着力を持たせることができる。
本発明の第3の実施例では、基板およびリッドの接着面に物理的な処理を施すことで、V溝基板とリッドの接着面に接着剤の接着力の不均一な領域を作ることができる。具体的には、ウェハ状のガラスやシリコンを基板およびリッドとして、レジストを塗布し、パタン露光し、現像してイオンミリングを行うことで物理的なパタンを形成することができる。図8AからEに、このような工程の一例を示す。先ず、図8Aに示すように、リッド10(または基板20)にレジスト52を塗布する。次に、図8Bに示すように、所望のパタンを有するマスク60を用いてレジスト52を露光する。次に、図8Cに示すように、露光したレジスト52を現像処理して所望のパタンを得る。次に、図8Dに示すように、レジストパタンを有するリッド10をArイオンミリングによりエッチングする。最後に、図8Eに示すように、レジストパタンを除去し、エッチングにより凸凹12が形成されたリッド10を得る。
リッド10およびV溝基板20の凸凹12のパタンは、図9AおよびBにそれぞれ示すように、例えば間隔1μmの格子状パタンとしたり、図10AおよびBにそれぞれ示すように、格子点パタンとしたりすることができる。これにより、凹部と凸部で接着剤の接着力が異なるので、接着面に不均一な接着力を持たせることができる。
図11に、このようにして作製したリッドおよび基板について、凹部の深さに対する高温高湿試験後の基板およびリッドの接着強度の関係を示す。この図より、凹部の深さが0.1μm以下では効果がないことがわかる。また、凹部の深さが10μmを超えるとV溝の精度や光ファイバを実装した際のファイバのピッチ精度の確保が困難になる。したがって、エッチングの深さは、0.1μm〜10μmであることが望ましい。また、接着層の厚みと硬化収縮率によってエッチングの深さを調整することができる。例えば、接着層の厚みが20μmの場合、適切なエッチングの深さは0.5μm〜5μmであり、さらに1〜2μmであることが望ましい。
このような凹凸を有するV溝基板20およびリッド10を用いてファイバアレイを固定した光部品の断面図を図12に示す。エッチング等により作製した凹部では、接着剤の硬化収縮率が大きく、剥離が生じやすくなる。温度変化または湿度変化に対して、この部分に剥離が生じ、内在応力が緩和される。これによって、上記の実施例の場合と同様に、V溝基板とリッドとの破壊的な剥離を防ぎ、光ファイバの位置ずれや断線を防止することができる。ただし、エッチング後、残渣が発生したり、表面荒れが起こったりして実効的な接着面積が増える場合や、アンカー効果の発生などにより、接着強度の向上要因が発生した場合には、凹部により接着強度が必ずしも低下する訳ではなく、硬化収縮とそれらの効果がトレードオフされたり、逆転されたりすることがある。
エッチングにより作製した凹部の総面積は、基板とリッドの接着面の面積の5%〜50%であることが望ましい。これらの部分は、濡れ性の悪い材料の場合、凹部内部に気泡が残る状態となり、硬化時に応力緩和効果が得られる。また、濡れ性が良く、凹部内部まで接着剤が浸透する場合は、接着剤が硬化収縮することで応力緩和効果が得られる。硬化収縮時に剥離が生じていなくても、外的ストレスがかかった段階で剥離が生じれば同様の効果が得られることは言うまでもない。
凹凸のあるリッド10で光ファイバを押さえる場合、リッドの凹凸12が大きいと、ファイバ2の適切な固定を妨げることがある。そのため、図13に示すように、ファイバが接する接着面には凹凸を設けないようにしてもよい。
本実施例では、エッチングの方法として、Arのイオンミリングによる方法を挙げたが、酸またはアルカリによるウェットエッチングや反応性イオンエッチング(RIE)によって作製しても同様の効果が得られる。また、エッチング以外に、図14に示すように、ダイシングソー70で細かな溝を作製しても良い。これにより、図15A(または図15B)に示すように、リッド10(または基板20)の接着面に細かな溝13を数多く作製することができ、エッチングの場合と同様の効果を得ることができる。作製する溝は、図16AおよびBに示すように、複数の方向に溝14を形成することで、より高い応力緩和効果を得ることができる。いずれの場合でも、溝または凹凸をファイバから5mm内の範囲で、ファイバに沿った方向に形成することが望ましい。
V溝基板およびリッドが熱加工の可能な材料の場合、ナノインプリント技術を用いて凹凸を作製することもできる。図17AおよびBに、このような技術を用いて凹凸を作製する工程を示す。図17Aに示すように、例えばガラスやプラスチックのような材料からなる基板20を昇温して軟化させ、金型80を基板に押し付ける。これにより、図17Bにより、基板20の接着面に所望の凹凸12が得られる。また、図に示すように、基板20のV溝21の作製と同じ工程で凹凸12を作製すれば、工程数の削減および作製時間の短縮が可能となる。
本実施例の他の実施形態として、基板およびリッドの接着面を物理的に粗化することで、V溝基板とリッドの接着面に接着剤の接着強度の不均一な領域を作ることができる。具体的には、V溝基板およびリッドの接着面を#200番で粗研磨する。図18は、このようにして接着面を粗化した基板20およびリッド10の間に光ファイバ2を固定し、接着剤30を充填した状態を示している。図18のようなランダムな窪み15により、接着力に変化を持たせ、部分的な剥離を発生させて、外的ストレスによる内在応力を緩和させることができる。この実施形態では、上述したパタン間隔やエッチング量ではなく、JISで定義されている表面粗さRaによって接着面を特徴付けることができる。この表面粗さRaが1〜5μmとなるように粗研磨を行うことにより、適切な応力緩和効果を得ることができ、さらに表面粗さが1〜2μmとなるように粗研磨を行うことが望ましい。
図19に、この表面粗さRaに対する高温高湿試験後の基板とリッドの接着強度の関係を示す。図19からわかるように、表面粗さRaが1μmを超える領域で十分な接着強度が維持されている。しかし、表面粗さRaが5μmを超えると光ファイバの安定的な固定に支障をきたし、位置ずれやピッチずれが生じる可能性がある。したがって、表面粗さRaの範囲は、1μm〜5μmが適当である。
ここで注意すべきことは、V溝基板またはリッドと接着剤との接着力が弱くなるような窪みを作製することが重要であり、この窪み部分によって接着剤の応力緩和が起こり、外的ストレスに対して全体の接着強度が維持されることである。したがって、表面粗さRaが1μm〜5μmの範囲内にあればどんな表面でも効果が得られるというわけではない。例えば、高さが10μmの突起が10μm間隔で並んでおり、その他の部分が平面状であるような表面では、アンカー効果や接着面積の増加による接着強度の向上は得られるものの、接着強度の弱い部分が生じにくいので接着剤の内在応力の緩和効果は低く、外的ストレスに対して接着強度を維持できる程度も低くなる。
このため、図11で使用した凹部の深さに代えて、JISで定義されている十点平均粗さRzで接着面を特徴付けるようにしてもよい。この十点平均粗さRzは、基板とリッド間の接着層の厚さをtとして、0.25≦Rz/t≦2.5とするのが望ましい。これは、tが20μmのとき、十点平均粗さRzは5μm〜50μmとなる。この場合、十点平均粗さRzが5μmを下回ると、凹部での部分的な剥離が生じにくく、応力緩和効果が低い。また、Rzが50μmを超えると、光ファイバを実装するときの位置ずれやピッチずれが生じやすくなる。なお、表面の凹凸によって、光ファイバの位置ずれやピッチずれが問題となる場合は、光ファイバが接するリッドの表面については粗研磨を行わないようにしてもよい。
接着面を粗化する方法は、基板またはリッドを直接粗研磨してもよいし、一旦鏡面研磨した後、ブラスト等によって粗化してもよい。また、図20AおよびBにそれぞれ示すように、V溝基板20およびリッド10の接着面に、研磨ではなく、スクライバーやダイヤモンドカッター等により、ランダムな細線16を数多く作製しても同様の効果が得られる。また、図21AおよびBに示すように、接着面に、複数の方向にランダムに細線17を作製してもよい。
上記のいずれの場合でも、接着面を粗化した基板およびリッドの接着剤との接着力の弱い部分の総面積は、基板とリッドの接着面積の5%〜50%とするのが望ましい。接着強度の弱い部分は、接着剤の硬化時に部分的な剥離または気泡として目視することができる。剥離または気泡として現れないときは、高温高湿試験などの外的ストレスに短時間晒すことで、剥離または気泡を顕在化させ、目視することができる。また、こうした接着強度の弱い部分は、ファイバからの距離が5mm以内でファイバに沿って存在することが望ましい。
上記の各実施形態による光ファイバアレイ実装部品を作製し、高温高湿の加速試験を行ったところ、従来の光ファイバアレイ実装部品と比較して、接着部の破壊的な剥離が抑制され、高い接着強度を維持できることが確認された。また、本発明の光ファイバアレイ実装部品を用いた光デバイスを高温高湿の加速試験にかけたところ、従来よりも高い信頼性が得られ、本発明の有効性を確認した。
光部品の小型化が進むと、V溝を有する基板の接着面の面積が減少し、リッドとの接着力が低下する。また、小型の光部品の作製において、ダイシングなどの加工により、光部品の基板やリッドに傷や欠けが生じ、光部品の機械的強度が低下する。そこで、本発明の第4の実施例では、基板とリッドを固定部材でサポートすることにより、光ファイバを把持する基板とリッド間の接着強度を増強し、光部品の機械的強度を補強することができる。
図22に、本発明の第4の実施例による光部品の構造を示す。この光部品は、V溝を有する基板20と、V溝に芯線が配置された光ファイバアレイ3と、芯線をV溝に固定するように基板に搭載されたリッド10と、基板とリッドの両側面に接着された固定部材90とを備えている。固定部材を接着することで、V溝基板とリッドの接着強度を高めることができる。さらに、基板とリッドの側面を固定部材でサポートすることにより、光部品の機械的強度を補強することができる。ここで、溝としてV溝を例に説明したが、ファイバを正確に固定できるものであれば、U字型の溝でもコの字型の溝でもよく、溝の形状を限定するものではない。
図22では、基板とリッドの両側面に固定部材90が接着されているが、十分な強度が得られる場合は、図23に示すように、片側のみ固定部材90を接着するようにしてもよい。この場合、光部品をより小型化することができる。
また、リッドの左右で接着強度に差が生じる場合には、図24に示すように、固定部材90を接着する側に対して、固定部材を接着しない側における基板とリッドの接着面の面積を大きくしてもよい。このように調整することで、左右の接着強度のバランスを取ることができる。
また、外的ストレスによるリッドの剥離は、リッドのテープファイバ側の端部またはその反対側の端部で生じやすい。そのため、図25に示すように、剥離の生じやすい箇所に、選択的に複数の固定部材91を配置するようにしてもよい。
また、ファイバの芯線部分には、ファイバ保護剤を塗布することが一般的である。そのため、図26に示すように、リッドと基板の両方に接着し、さらに基板の側面全体にわたって固定部材92を接着することにより、保護剤の流れ出しを防止することができる。
上記の実施形態は、板状の固定部材に関するものであったが、光部品のパッケージの形状に合わせて、任意の形状とすることができる。例えば、光部品のパッケージが円筒状の場合には、図27に示すように、半円柱状の固定部材93を使用することができる。同様に、パッケージ内に斜めに実装するような場合には、図28に示すように、台形状の固定部材94を使用することができる。以上のように、固定部材の形状は、パッケージの形態や実装方法によって任意に変更することができる。
また、基板とリッドの両側に個別の固定部材を使用する代わりに、図29に示すように、例えばコの字型の一体の固定部材95を使用することができる。これにより、実装上の部品点数を減らすことができる。この場合、図29のように、基板側から固定部材95を装着してもよいし、図30のように、リッド側から固定部材95を装着してもよい。特に、ファイバを保護する必要がある場合には、図31に示すように、リッド側から装着して、ファイバ芯線を覆うような形状の固定部材96を使用することが好ましい。
さらに、図32に示すように、光部品の側面、基板の下面およびリッドの上面の三方を覆うような形状の固定部材97を使用することもできる。この場合、リッドの剥離に対して機械的に補強することができる。ここで、図33に示すように、リッドとV溝基板にコの字型の固定部材が直接触れている必要はなく、この間隙には、例えば接着剤30を充填することができる。また、図33に示すように、コの字型の固定部材は、リッドの上面および基板の底面の全体を覆っている必要はなく、リッドおよび基板の一部に装着されていればよい。
図29から図33に示すようなコの字型の固定部材は、ガラスやシリコンなどの部材を、例えば削り出すことによって作製することもできるが、プラスチックや金属を用いて成型加工などにより作製するとより簡単である。また、上記の実施形態では、コの字型の固定部材を例に挙げて説明したが、形状はファイバアレイ部品を三方から固定するものであればよく、その形状はコの字型に限定されない。
さらに、図34に示すように、基板とリッドの四面の全てを覆うようにロの字型の形状98とすることもできる。これにより、図29から図33に関して説明した効果を一度に得ることができる。
上記の実施形態においては、基板とリッドを固定部材により補強することで、基板とリッドの接着強度を維持しつつ、より小型の光部品を提供することができる。しかし、光部品にテープファイバを使用している場合、光部品の幅がテープファイバの幅よりも小さくなることがある。これは、光部品を1つずつ組み立てる場合には問題とならないが、複数のV溝群が作製された基板に複数のテープファイバを実装し、複数の光部品をまとめて組み立て、その後にダイシング等により切り分ける場合には、ダイシング工程において問題となることがある。
図35Aにファイバアレイ光部品の上面図を示し、図35Bに線XXXVBにおけるテープファイバの断面図を示し、図35Cに線XXXVCにおける基板とリッドの部分の断面図を示す。図に示すように、基板上のV溝の外側にある平面部の幅x(図35C)は、テープファイバの被覆の厚さd(図35B)よりも大きく取る必要があり、さらには2d以上であることが望ましい。また、V溝基板のV溝のある部分の幅W(図35C)に対してx≦Wであれば、固定部材を使用することなく十分な接着強度を持たせることが可能である。
上記の実施形態において、固定部材を備えた光部品に温度耐性を持たせるため、固定部材の熱膨張係数は、基板またはリッドの少なくともどちらか一方と同じであるか、さらには同じ材質であることが好ましい。例えば、V溝基板がシリコンであり、リッドが石英ガラスの場合、固定部材はシリコンや石英ガラス製とすることが好ましい。
固定部材を光部品に接着剤で固定する場合、信頼性の観点から、基板とリッドの接着に使用した接着剤と同じものを使用することが好ましい。同じ接着剤を使用すると、光部品を組み立てる際、基板とリッドの接着工程において、固定部材の接着を同時に実施できるという利点もある。
また、固定部材と基板およびリッドとの接着面の少なくとも一方を粗化すると、接着面積を実質的に増大することができ、より高い接着効果を得ることができる。粗化は、表面荒さRaで50nmから10μmとするとより効果的である。
固定部材の材質は、補強を施す光部品に応じてガラス、シリコン、プラスチック、金属などを用いることができる。また、基板、リッドおよび固定部材の少なくとも1つにUV透過性を有する材料を用いると、組立の際にUV硬化樹脂を用いることができ、組立工程の時間を短縮することができる。
上記の実施例に基づいて、従来よりも小型のファイバアレイ光部品を作製し、高温高湿による加速試験を行ったところ、従来と同様の信頼性を確保することができた。本実施例による光部品の構造を採用することにより、光ファイバとの接続部の信頼性を確保しつつ、光部品の小型化が可能となる。
以上、本発明について、具体的にいくつかの実施形態について説明したが、本発明の原理を適用できる多くの実施可能な形態に鑑みて、ここに記載した実施形態は、単に例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。ここに例示した実施形態は、本発明の趣旨から逸脱することなくその構成と詳細を変更することができる。さらに、説明のための構成要素および手順は、本発明の趣旨から逸脱することなく変更、補足、またはその順序を変えてもよい。

Claims (26)

  1. 光ファイバを基板とリッドとの間で挟み、接着剤で固定した光部品において、
    光ファイバの周辺において前記接着剤に気泡または剥離を有することによって、温度変化または湿度変化により生じる破壊的な剥離を防止するようにしたことを特徴とする光部品。
  2. 請求項1に記載の光部品において、
    前記光ファイバから5mm以内の領域に気泡または剥離を有することを特徴とする光部品。
  3. 請求項1または2に記載の光部品において、
    前記基板および前記リッドの少なくとも一方の接着面に気泡または剥離を有することを特徴とする光部品。
  4. 請求項1乃至に記載の光部品において、
    前記接着剤に添加物が添加されたことを特徴とする光部品。
  5. 請求項1乃至に記載の光部品において、
    前記基板および前記リッドの少なくとも一方の接着面に有機物または無機物のパタンを付着させることを特徴とする光部品。
  6. 請求項に記載の光部品において、
    前記有機物または無機物を0.1μm〜100μmの周期で付着させることを特徴とする光部品。
  7. 請求項またはに記載の光部品において、
    前記有機物は、シランカップリング剤またはフッ素含有樹脂であることを特徴とする光部品。
  8. 請求項またはに記載の光部品において、
    前記無機物は、金属であることを特徴とする光部品。
  9. 請求項1乃至に記載の光部品において、
    前記基板および前記リッドの少なくとも一方の接着面にプラズマ処理によって改質されたパタンを形成することを特徴とする光部品。
  10. 請求項1乃至に記載の光部品において、
    前記基板および前記リッドの少なくとも一方の接着面に凹凸を設けたことを特徴とする光部品。
  11. 請求項10に記載の光部品において、
    前記凹凸の深さは、0.1μm〜10μmであることを特徴とする光部品。
  12. 請求項10に記載の光部品において、
    前記凹凸の深さdおよび前記接着剤の層の厚さtは、0.01≦d/t≦0.2であることを特徴とする光部品。
  13. 請求項1に記載の光部品において、
    前記基板および前記リッドの少なくとも一方の接着面を粗化することを特徴とする光部品。
  14. 請求項13に記載の光部品において、
    前記粗化された接着面の表面粗さRaは、1μm〜5μmであることを特徴とする光部品。
  15. 請求項13に記載の光部品において、
    前記粗化された接着面の十点平均粗さRzおよび前記接着剤の層の厚さtは、0.25≦Rz/t≦2.5であることを特徴とする光部品。
  16. 請求項1乃至15に記載の光部品において、
    前記基板および前記リッドの少なくとも一方は、ガラス、シリコンまたはプラスチックであることを特徴とする光部品。
  17. 請求項1乃至16に記載の光部品において、
    前記基板と前記リッドの側面の少なくとも一方に、固定部材を接着したことを特徴とする光部品。
  18. 請求項1乃至16に記載の光部品において、
    前記基板と前記リッドの側面の少なくとも一方を含む3面を覆うように、固定部材を装着したことを特徴とする光部品。
  19. 請求項17に記載の光部品において、
    前記固定部材は、平板であることを特徴とする光部品。
  20. 請求項17または18に記載の光部品において、
    前記基板と前記リッドとの接着面の幅xは、前記光ファイバの被覆の厚さをd、基板の溝部分の幅をWとしたときに、d≦x≦Wとなることを特徴とする光部品。
  21. 請求項17または18に記載の光部品において、
    前記固定部材の熱膨張係数は、前記基板または前記リッドの一方と同じであることを特徴とする光部品。
  22. 請求項17または18に記載の光部品において、
    前記固定部材の材質は、前記基板または前記リッドの一方と同じであることを特徴とする光部品。
  23. 請求項17または18に記載の光部品において、
    前記固定部材と前記基板およびリッドとは、接着剤で接着されており、前記接着剤は前記基板とリッドとの間の接着剤と同じであることを特徴とする光部品。
  24. 請求項17または18に記載の光部品において、
    前記固定部材と前記基板およびリッドとは、接着剤で接着されており、その接着面の少なくとも1つが粗化されていることを特徴とする光部品。
  25. 請求項17または18に記載の光部品において、
    前記固定部材は、ガラス、シリコン、プラスチックまたは金属であることを特徴とする光部品。
  26. 請求項17または18に記載の光部品において、
    前記固定部材、基板およびリッドの間の接着面には、紫外線硬化接着剤が使用され、その接着面の少なくとも一方は紫外線透過性を有することを特徴とする光部品。
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