JP2005202279A - 被転写層の剥離方法、薄膜デバイス装置とその製造方法、アクティブマトリクス基板とその製造方法、及び電気光学装置 - Google Patents

被転写層の剥離方法、薄膜デバイス装置とその製造方法、アクティブマトリクス基板とその製造方法、及び電気光学装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 デバイスへのダメージが少なく、またコスト低減を可能にした被転写層の剥離方法と、これを用いた薄膜デバイス装置の製造方法、さらには薄膜デバイス装置、アクティブマトリクス基板の製造方法、アクティブマトリクス基板、電気光学装置を提供する。【解決手段】 第1基材100上に第1分離層120を形成する工程と、これの上に薄膜デバイス(140)を形成する工程と、薄膜デバイスに第2基材180を接着する工程と、第1分離層120にエネルギー光を照射し、その層内または界面で剥離現象を生じさせ、薄膜デバイス側から第1基材100を剥離し、薄膜デバイスを第2基材180側に転写する工程と、を備えた薄膜デバイス装置の製造方法である。第1分離層120を形成する工程が、シラン系化合物を含む液状材料を第1基材100上に配する工程と、第1基材100上の液状材料を熱処理してアモルファスシリコン膜とする工程と、を有している。
【選択図】 図4

Description

本発明は、被転写層の剥離方法と、この剥離方法を用いた薄膜デバイス装置の製造方法、さらには薄膜デバイス装置、アクティブマトリクス基板の製造方法、アクティブマトリクス基板、電気光学装置に関する。
ディスプレイに用いられる薄膜トランジスタや、センサーに用いられる電気回路などは、通常はガラス基板上に形成されている。これは、デバイス形成には高温での処理や薬液による処理が繰り返し行われるため、基板自身が温度や薬液に対して耐性を持っている必要があるからである。
ところで、近年ではディスプレイの薄厚化が一層求められるようになってきており、将来的には可撓性を有するディスプレイの開発が望まれている。このような要求に応えるためには、前記の薄膜トランジスタなどについて、例えばこれらを樹脂性の基板やフィルムに形成する必要がある。しかしながら、樹脂性の基板やフィルムなどは、一般に耐熱性や耐薬品性に乏しく、したがってこれらの上に直接デバイスを形成することができない。
このような背景から、石英基板上に薄膜トランジスタ等のデバイスを形成し、これを耐熱性や耐薬品性に乏しい樹脂性の基板上に転写する技術が提供されている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、石英基板の上に分離層(剥離層)としてアモルファスシリコンを形成し、その上に各種デバイスを形成する。そして、石英基板の裏面からレーザ光の照射などによる熱処理を行い、このアモルファスシリコン層から水素ガスを発生させるなどによってアモルファスシリコン層を剥離層として機能させ、これにより石英基板から各種デバイスを剥離し、耐熱性や耐薬品性に乏しい他の基板上に転写するようにしている。
特開2000−133809号公報
ところで、前記の技術では、分離層となるアモルファスシリコンをCVD法によって形成しているため、以下の課題がある。
(1)真空装置等の高価な装置が必要となり、したがってイニシャルコストが高くなりことから、生産コストの高騰を招いてしまう。
(2)原料が気体のため取り扱いが難しい。
(3)原料の使用効率が悪く、したがって大量の廃棄物が発生してしまう。
(4)剥離には大きなレーザーエネルギーが必要であり、レーザー装置の維持コストが高い。また、剥離時に大エネルギーのレーザーを照射するために、剥離時にデバイスがダメージを受け、特性が劣化する。
そして、これらの課題が解決されない結果、前記の技術では生産コストが高いといった改善すべき問題が残されている。
また、レーザ光照射による分離(剥離)は、レーザ光をアモルファスシリコンに照射してこれを急激(瞬間的)に加熱し、アモルファスシリコン膜の融解や膜中の水素を脱離(突沸)させることにより、基板との間に空間が生じさせることで行っている。ところが、CVD法で形成されたアモルファスシリコン膜はそこに残留している水素量が少なく、したがって分離(剥離)を可能にするためには高エネルギーでレーザ光を照射する必要がある。しかしながら、高エネルギーでレーザ光を照射するのでは装置コストや維持費が高くなり、コスト的に不利になってしまう。さらに、高エネルギーが必要である点から、レーザの透過性が良い石英基板を用いることが好ましいということも、コスト上不利となっている。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、コスト低減を可能にした被転写層の剥離方法と、この剥離方法を用いた薄膜デバイス装置の製造方法、さらには薄膜デバイス装置、アクティブマトリクス基板の製造方法、アクティブマトリクス基板、電気光学装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明の被転写層の剥離方法は、基材上に分離層を形成する工程と、前記分離層上に被転写層を形成する工程と、前記分離層に基板裏面から光を照射して、前記被転写層から前記基材を剥離する工程と、を備えてなり、前記分離層を形成する工程が、シラン系化合物を含む液状材料を前記基材上に配する工程と、該基材上の液状材料を熱処理してアモルファスシリコン膜とする工程と、を有していることを特徴としている。
この被転写層の剥離方法によれば、分離層が、シラン系化合物を含む液状材料を配し、さらにこれを熱処理することで形成されるアモルファスシリコン膜からなるので、このアモルファスシリコン膜には原料であるシラン化合物中の水素の多くがそのまま残留するようになり、したがって分離層に光を照射した際、低エネルギーでの照射でも分離層から水素が十分に放出され、これにより分離層が剥離層として良好に機能するようになる。よって、光を低エネルギーでの照射で行えることから、装置コストや維持費が比較的安価となり、コスト的に有利となる。また、基材として例えば光の透過率が低い通常のガラス基板を用いることが可能となり、したがってこれからもコスト低減が可能となる。
また、分離層を、シラン系化合物を含む液状材料を用いた液相法で形成するようにしたので、従来のCVD法による気相法に比べて真空装置等の高価な装置が不要になり、原料が液体のため取り扱いが容易になり、さらに液相法であることから原料の使用効率も良好になる。したがって、従来に比べコストの低減化が可能になる。
なお、液相法により形成した分離層(アモルファスシリコン膜)は、CVD法によって形成したアモルファスシリコン膜に比べ、含有する水素量がほぼ同量であっても、光の照射により、後述するように剥離がより容易になる。そのメカニズムは今のところ解明されてはいないものの、以下の2つが考えられる。
(1)液相法でアモルファスシリコン膜を形成した場合、膜中においてシリコン同士の結合が十分でないため、低エネルギーで剥離が起こり易くなる。
(2)アモルファスシリコン膜中に微量残っている溶媒が、膜を脆くしている。
本発明の薄膜デバイス装置の製造方法は、第1基材上に第1分離層を形成する工程と、前記第1分離層上方に薄膜デバイスを形成する工程と、前記薄膜デバイス上方に第2基材を接着する工程と、前記第1分離層に光を照射して、前記薄膜デバイスから前記第1基材を剥離する工程と、を備えてなり、前記第1分離層を形成する工程が、シラン系化合物を含む液状材料を前記第1基材上に配する工程と、該第1基材上の液状材料を熱処理してアモルファスシリコン膜とする工程と、を有していることを特徴としている。
この薄膜デバイス装置の製造方法によれば、前記の被転写層の剥離方法と同様に、第1分離層が、シラン系化合物を含む液状材料を配し、さらにこれを熱処理することで形成されるアモルファスシリコン膜からなるので、該第1分離層に光を照射する際、これを低エネルギーで照射することが可能になる。したがって、装置コストや維持費が比較的安価となり、コスト的に有利となるとともに、光照射による第1分離層上の薄膜デバイスに対する悪影響が防止される。さらに、第1基材として例えば光の透過率が低い通常のガラス基板を用いることが可能となり、したがってこれからもコスト低減が可能となる。
また、第1分離層を、シラン系化合物を含む液状材料を用いた液相法で形成するようにしたので、従来のCVD法による気相法に比べて真空装置等の高価な装置が不要になり、原料が液体のため取り扱いが容易になり、さらに液相法であることから原料の使用効率も良好になり、したがって従来に比べコストの低減化が可能になる。
また、前記薄膜デバイス装置の製造方法においては、前記熱処理を、200℃以上500℃以下で行うのが好ましい。
このようにすれば、シラン系化合物を含む液状材料を良好なアモルファスシリコン膜にすることが可能になるとともに、このアモルファスシリコン膜中に原料のシラン化合物に含まれる水素を十分に残留させることが可能になる。
また、前記薄膜デバイス装置の製造方法においては、前記光がレーザ光であるのが好ましい。
このようにすれば、基材を透過させて第1分離層に光(レーザ光)を照射させるのが容易になり、したがってアモルファスシリコンを良好に発熱させることが可能になることから、第1分離層120に相転移や水素ガスの放出を起こさせ易くなる。
また、前記薄膜デバイス装置の製造方法においては、前記薄膜デバイスの上方に前記第2基材を接着する工程は、シラン系化合物を含む液状材料を該薄膜デバイスの上方に配する工程と、該液状材料を熱処理してアモルファスシリコン膜からなる第2分離層を形成する工程と、該第2分離層に該第2基材を接着する工程と、を含み、前記薄膜デバイスから前記第1基材を剥離する工程の後に、前記第2基材が設けられた前記薄膜デバイスの面と反対の側に第3基材を接着する工程と、前記第2基材を前記薄膜デバイスから剥離する工程と、を有するのが好ましい。
このようにすれば、薄膜デバイスを合計2回転写することになるので、第3基材に転写した状態においては、薄膜デバイスが、第1基材上に形成されたときと同じ積層構造となる。
また、前記薄膜デバイス装置の製造方法においては、前記薄膜デバイスが、薄膜トランジスタであるのが好ましい。
このようにすれば、駆動基板等の各種のアクティブマトリクスの製造が可能になる。
本発明の薄膜デバイス装置は、前記の製造方法によって得られたことを特徴としている。
この薄膜デバイス装置によれば、前記の製造方法によって得られたものであるから、従来に比べコストの低減化がなされたものとなる。
本発明のアクティブマトリクス基板の製造方法は、前記の薄膜デバイス装置の製造方法を用いてなり、前記第1分離層上に薄膜デバイスを形成する工程において、前記第1基材上に、前記薄膜デバイスとして画素スイッチング用の薄膜トランジスタをマトリクス状に形成することを特徴としている。
このアクティブマトリクス基板の製造方法によれば、前記薄膜デバイスとして画素スイッチング用の薄膜トランジスタをマトリクス状に形成するようにしたので、該薄膜トランジスタを第2基材側に転写することにより、この第2基材から前記薄膜トランジスタをマトリクス状に有するアクティブマトリクス基板を製造することが可能になる。
また、前記の薄膜デバイス装置の製造方法を用いてなることから、コストの低減化がなされたものとなる。
また、前記アクティブマトリクス基板の製造方法においては、前記第1分離層上方に薄膜デバイスを形成する工程では、前記第1基材上に前記薄膜トランジスタをマトリクス状に形成するとともに、該薄膜トランジスタのゲートに電気的に接続する走査線、当該薄膜トランジスタのソースに電気的に接続するデータ線、および該薄膜トランジスタのドレインに電気的に接続する画素電極を形成するのが好ましい。
このようにすれば、前記薄膜トランジスタとともに、各種配線や電極も、最終的に製品に搭載される基板に転写することが可能になる。
また、本発明の別のアクティブマトリクス基板の製造方法は、前記の薄膜デバイス装置の製造方法を用いてなり、前記第1分離層上に薄膜デバイスを形成する工程において、前記第1基材上に、前記薄膜デバイスとして駆動回路用の薄膜トランジスタを形成することを特徴としている。
このアクティブマトリクス基板の製造方法によれば、前記薄膜デバイスとして駆動回路用の薄膜トランジスタを形成するようにしたので、該薄膜トランジスタを第2基材側に転写することにより、この第2基材から前記薄膜トランジスタを有する駆動回路を備えたアクティブマトリクス基板を製造することが可能になる。
また、前記の薄膜デバイス装置の製造方法を用いてなることから、コストの低減化がなされたものとなる。
本発明のアクティブマトリクス基板は、前記のアクティブマトリクス基板の製造方法によって得られたことを特徴としている。
このアクティブマトリクス基板によれば、例えば対向基板との間に液晶等の電気光学物質を挟持させることにより、液晶表示装置等の電気光学装置を構成するのに適したものとなる。すなわち、本発明によれば、最終的に製品に搭載される基板として、大型の基板、安価な基板、軽い基板、変形に耐え得る基板、割れない基板を用いることができるので、安価、軽量、耐衝撃性等に優れた液晶表示装置等といった電気光学装置を構成することが可能になる。
本発明の電気光学装置は、前記アクティブマトリクス基板を備えたことを特徴としている。
この電気光学装置によれば、前記アクティブマトリクス基板を備えたことにより、例えば前述した液晶表示装置のように良好なものとなり、さらにはコストの低減化がなされたものとなる。
以下、本発明を図面を参照して詳しく説明する。
[第1の実施形態]
図1ないし図6はいずれも、本発明の第1の実施形態に係る薄膜デバイス装置の製造方法のうち、基材上に薄膜デバイスを形成した後、薄膜デバイスを別の基材に転写するまでの工程を説明するための工程断面図である。
本実施形態の薄膜デバイス装置の製造方法では、まず、図1(a)に示すように、第1基材100上に第1分離層120を形成する。本実施形態において第1基材100としては、光を透過し得る透光性のものを使用する。この場合、光の透過率は10%以上であるのが好ましく、50%以上であるのがより好ましい。透過率が10%未満になると、後述する工程において第1基材100の裏面側からレーザ光等のエネルギー光を照射する際に、光の減衰(ロス)が大きくなってしまうからである。また、第1基材100は、信頼性の高い材料で形成されているのが好ましく、特に、耐熱性に優れた材料で形成されているのが好ましい。その理由は、後述する工程において第1基材100の上に薄膜デバイス層140や中間層142を形成する際に、その種類や形成方法によっては、基板温度が例えば350〜1000℃程度の温度になることがあるからである。すなわち、このような場合でも、第1基材100が耐熱性に優れていれば、第1基材100上に薄膜デバイス層140等を形成する際の温度条件等に対する制約を減らすことができるからである。したがって、第1基材100は、薄膜デバイス層140を形成する際の最高温度をTmaxとしたとき、歪点がTmax以上の材料で形成されているものが好ましい。具体的には、第1基材100の構成材料は、歪点が350℃以上のものが好ましく、さらには500℃以上のものがより好ましい。このようなものとしては、例えば、石英ガラス、コーニング7059、日本電気ガラス製のOA−2等の耐熱性ガラスが挙げられる。
第1基材100の厚さについては、特に限定されないものの、通常は、0.1mm〜5.0mm程度とするのが好ましく、0.5mm〜1.5mm程度とするのがより好ましい。第1基材100の厚さが薄すぎると、強度が低すぎて製造工程中に第1基材100が割れるおそれがある。これに対して、第1基材100として透過率が低いものを用いたにもかかわらず、第1基材100が厚すぎると、後述する工程において第1基材100の裏面側からレーザ光を照射した際、光の減衰が大きくなってしまう。なお、第1基材100の透過率が高い場合には、その厚さは、前記上限値(5.0mm)を超えるものであってもよい。また、光を均一に照射できるように、第1基材100の厚さは、均一であるのが好ましい。
本実施形態において、第1分離層120は、光や熱等といった物理的作用を受けることで第1基材100と薄膜デバイス層140とを分離するものである。この第1分離層120としては、例えば、照射されたエネルギー光を吸収し、その層内および/または界面において剥離(以下、「層内剥離」、「界面剥離」という。)を生じるような性質を有するものを用いることができる。
本発明では、第1分離層120としてアモルファスシリコン膜を形成する。このアモルファスシリコン膜については、膜中に水素を多く含有しているのが好ましい。水素を多く含有していることにより、後述する工程で光が照射された際、水素が急激に加熱されることによって突沸し、ガスとなって放出される度合いが高くなるからである。この光はエネルギー光であり、例えばレーザ光などを用いることができる。
このような第1分離層120を第1基材100上に形成するには、特に本発明においては、液相法を用いることで行う。すなわち、まず、第1分離層120の形成材料として、シラン系化合物を含む液状材料を用意する。シラン系化合物としては、低分子のシラン化合物、およびSiを10個以上有するポリマー化された高次シラン化合物のいずれも使用可能である。なお、高次シラン化合物については、例えば低分子のシラン化合物に紫外線を照射し、重合させることで形成することができる。これらシラン系化合物は、通常はこれに適宜な溶媒が添加されてシラン組成物とされ、これが液状材料として、スピンコート法やスプレーコート法、さらにインクジェット法等の液滴等出法で第1基材100上に配され、成膜される。
使用可能なシラン系化合物として、低分子のシラン化合物としては、例えば、一般式Si(ここで、nは3以上、またmは4以上のそれぞれ独立な整数を示し、Xは水素原子及び/又はハロゲン原子等の置換基を示す。)で表されるシラン化合物が挙げられる。このようなシラン化合物としては、一般式Si2n(ここで、nは3以上の整数を示し、Xは水素原子及び/又はハロゲン原子等の置換基を示す。)で表される環状のシラン化合物や、一般式Si2n−2(ここで、nは4以上の整数を示し、Xは水素原子及び/又はハロゲン原子等の置換基を示す。)で表される環状構造を2個以上有するシラン化合物、分子内に少なくとも一つの環状構造を有する水素化珪素及びそのハロゲン置換体等が挙げられる。
具体的には、1個の環状構造を有するものとして、シクロトリシラン、シクロテトラシラン、シクロペンタシラン、シクロヘキサシラン、シクロヘプタシラン等が挙げられ、2個の環状構造を有するものとして、1、1’−ビシクロブタシラン、1、1’−ビシクロペンタシラン、1、1’−ビシクロヘキサシラン、1、1’−ビシクロヘプタシラン、1、1’−シクロブタシリルシクロペンタシラン、1、1’−シクロブタシリルシクロヘキサシラン、1、1’−シクロブタシリルシクロヘプタシラン、 1、1’−シクロペンタシリルシクロヘキサシラン、1、1’−シクロペンタシリルシクロヘプタシラン、1、1’−シクロヘキサシリルシクロヘプタシラン、スピロ[2、2]ペンタシラン、スピロ[3、3]ヘプタタシラン、スピロ[4、4]ノナシラン、スピロ[4、5]デカシラン、スピロ[4、6]ウンデカシラン、スピロ[5、5]ウンデカシラン、スピロ[5、6]ウンデカシラン、スピロ[6、6]トリデカシラン等が挙げられ、その他にこれらの骨格の水素原子を部分的にSiH基やハロゲン原子に置換したケイ素化合物を挙げることができる。これらは2種以上を混合して使用することもできる。
なお、これら低分子のシラン化合物としては、特にこれを直接用いて液状材料に調製する場合、ハロゲン基等の珪素および水素以外の元素が置換されたものより、ハロゲン等の元素が置換基として導入されていないシラン化合物、例えばn−ペンタシラン、n−ヘキサシラン、n−ヘプタシラン等のシラン化合物を用いるのが、後述するようにこれから得られるアモルファスシリコン膜がより良好のものとなるため、好ましい。
また、これら低分子のシラン化合物を高次シラン化合物の前駆体とし、これに紫外線を照射して高次シラン化合物とし、得られた高次シラン化合物をシラン系化合物として用いる場合には、低分子のシラン化合物として、ハロゲン等の元素が置換基として導入されたものも好適に用いられる。特に、分子内の最低一箇所に環状構造を有する低分子のシラン化合物は、光に対する反応性が極度に高く、光重合が効率よく行えることから、高次シラン化合物の前駆体として良好に用いられる。中でも、シクロテトラシラン、シクロペンタシラン、シクロヘキサシラン、シクロヘプタシラン等のSi2n(式中、nは3以上の整数を示し、Xは水素原子及び/又はハロゲン原子を示す。)で表されるシラン化合物は、以上の理由に加えて合成、精製が容易である利点を有するため特に好ましい。さらに、高次シラン化合物の前駆体としての低分子のシラン化合物としては、ホウ素原子及び/又はリン原子等により変性された変性シラン化合物を用いることもできる。
液状材料に使用可能なシラン系化合物として、高次シラン化合物としては、例えば前記低分子のシラン化合物を前駆体とし、これを溶媒に希釈したシラン組成物に紫外線を照射して光重合させたものが用いられる。このようにして形成する高次シラン化合物としては、その沸点がその分解点よりも高いことが好ましい。このような沸点が分解点よりも高い高次シラン化合物は、前駆体である前記シラン化合物のうちから好ましいシラン化合物を選定したり、照射するUVとして後述の好ましい波長のUV、および照射時間、照射方法、照射エネルギー、および用いる溶媒およびUV照射後の精製方法を適宜選定することにより、容易に得ることができる。
また、このように低分子のシラン化合物から高次シラン化合物を光重合させる場合、得られる高次シラン化合物の分子量分布を、UVの照射時間や照射量、照射方法によってコントロールすることができる。さらに、この高次シラン化合物は、シラン化合物へのUV照射後に、一般的な重合体の精製法であるGPCなどを用いて分離精製することで、任意の分子量の高次シラン化合物を取り出すことができる。また、分子量の異なる高次シラン化合物の間での溶解度の差を利用して精製を行うこともできる。また、分子量の異なる高次シラン化合物の間での、常圧または減圧下での沸点の差を利用して分留による精製を行うこともできる。このようにして、シラン系化合物としての高次シラン化合物の分子量のコントロールを行うことで、より良質のアモルファスシリコン層を得ることができるようになる。
高次シラン化合物は、その分子量が大きくなればなるほど沸点が高くなり、また溶媒に対する溶解度も減少していく。このため、UVの照射条件によっては光重合後の高次シラン化合物が溶媒に溶解しきれずに析出することがあるので、その場合にはマイクロフィルターなどを用いたろ過などによって不溶成分を除去し、高次シランを精製することができる。
シラン化合物の溶液に照射する紫外線(UV)は、該溶液に用いる溶媒を分解しない波長のものが好ましく、具体的には、その波長が250nm以上、特に300nm以上であるのが好ましい。ここで、「溶媒を分解しない波長」とは、紫外線の照射によって溶媒分子中の化学結合が切断されない程度の波長を意味する。前記の波長域のUVを用いることにより、溶媒に起因する炭素原子などの不純物原子が熱処理及び/又は光照射処理後のシリコン層に混入することを防ぐことができ、より特性の良いシリコン層を得ることができるようになる。
UVの照射時間は、所望の分子量分布の高次シランが得られる点で、0.1秒〜120分、特に1〜30分であるのが好ましい。
また、UVの照射方法としては、所望の分子量分布の高次シランが得られる点で、前述したようにシラン化合物を溶媒で希釈してから照射したり、シラン化合物の溶液を撹拌しながら溶液全体に均一にUVの照射を行うのが好ましい。
このようなシラン系化合物、すなわち低分子のシラン化合物や高次シラン化合物を液状材料(シラン組成物)とするには、前述したようにこれに適宜な溶媒を添加する。添加する溶媒として、前記低分子のシラン化合物に添加されるものとしては、このシラン化合物が光重合されたことにより形成された高次シランを溶解し、かつ該化合物と反応しないものであれば特に限定されない。かかる溶媒は、高次シラン化合物の前駆体である前記シラン化合物の溶液を形成するための溶媒としてUV照射前の段階から使用され、通常、室温での蒸気圧が0.001〜200mmHgのものが用いられる。蒸気圧が200mmHgより高いものでは、これを用いて塗膜を形成した際、溶媒が先に蒸発してしまい、良好な塗膜を形成することが困難になるからである。一方、蒸気圧が0.001mmHgより低いものでは、同様に塗膜を形成した際、乾燥が遅くなり、高次シラン化合物の膜中に溶媒が残留し易くなって、後工程の熱処理後に良質のアモルファスシリコン膜が得られ難くなるからである。
また、前記溶媒としては、その常圧での沸点が室温以上であり、高次シランの分解点である250℃〜300℃よりも低いものを用いることが好ましい。高次シランの分解点よりも低い溶媒を用いることにより、塗布後、加熱によって高次シランを分解することなく溶媒のみを選択的に除去することができるため、アモルファスシリコン膜に溶媒が残留するの防止することができ、より良質の膜を得ることができるからである。
本発明における液状材料に使用される溶媒、特にシラン化合物溶液中の溶媒であり、これに紫外線を照射して高次シラン溶液とした後には、この高次シラン溶液中の溶媒となるものとしては、例えばn−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、ジシクロペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、デュレン、インデン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、スクワランなどの炭化水素系溶媒の他、ジプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、さらにプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシドなどの極性溶媒が挙げられる。
これらのうち、高次シラン化合物の溶解性および該溶液の安定性の点で、炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒が好ましく、中でも、炭化水素系溶媒が特に好ましい。これらの溶媒は、単独でも、あるいは2種以上の混合物としても使用することができる。特に炭化水素系溶媒は、高次シランの溶解性を向上させ、後述する熱処理や紫外線照射処理時の高次シランの残留を抑制する観点から好適である。
なお、低分子のシラン化合物を溶媒で希釈した液状材料については、これを直接本発明の液状材料として用い、第1基材100上に配するようにしてもよく、また、これに紫外線を照射して低分子のシラン化合物を高次シラン化合物に光重合し、高次シラン化合物を生成した液状材料を本発明の液状材料として用いてもよい。さらには、低分子のシラン化合物を溶媒で希釈した液状材料を第1基材100上に配し、続いて、後述する熱処理に先立って紫外線照射処理を行い、低分子のシラン化合物を高次シラン化合物に光重合させた後、後述する熱処理を行うようにしてもよい。
また、このようなシラン系化合物を含む液状材料については、前述したように液相法、すなわちスピンコート法やスプレーコート法、さらにインクジェット法等の液滴等出法で第1基材100上に配され、成膜される。ここで、このような液相法を用いて成膜を行うことから、本実施形態では従来のCVD法による気相法に比べて真空装置等の高価な装置が不要になり、塗布材料(原料)が液体のため取り扱いが容易になり、さらに原料の使用効率も良好になる。
そして、必要に応じて紫外線照射を行った後、これを焼成(熱処理)することによりアモルファスシリコン膜とし、このアモルファスシリコン膜を図1(a)に示したように第1分離層120とする。
このようにして焼成(熱処理)すると、得られたアモルファスシリコン膜(第1分離膜120)中には、原料であるシラン系化合物中の水素が例えば10〜40%と多く残留し、したがって後述する工程でこのアモルファスシリコン膜(第1分離膜120)にエネルギー光を照射した際、水素が容易に突沸し、これにより剥離が起こるようになる。すなわち、シラン系化合物として例えば水素のみが側鎖に付いたシラン化合物では、(SiHの組成になっていることから、その約66%が水素となっている。したがって、これを焼成(熱処理)して得られるアモルファスシリコン膜(第1分離膜120)には、CVD法(気相法)で形成した場合に比べ、より多く水素が残留するのである。
焼成(熱処理)については、液状材料から溶媒を除去し、シラン系化合物を分解して良好なアモルファスシリコン膜とすることができれば特に制限されないものの、200℃以上500℃以下とするのが好ましく、さらに300℃以上400℃以下とするのがより好ましい。200℃未満ではアモルファスシリコン膜が良好に形成されにくく、また500℃を越えると膜中に残留する水素が少なくなり過ぎてしまうからである。また、300℃以上400℃以下とすれば、良好なアモルファスシリコン膜にすることができるとともに、このアモルファスシリコン膜中に水素を十分残留させることができるからである。なお、使用する液状材料によっても異なるものの、例えば300℃で20分焼成すると得られるアモルファスシリコン膜中には水素がその約20%残留し、400℃で20分焼成すると得られるアモルファスシリコン膜中には水素がその約6%残留し、500℃で20分焼成すると得られるアモルファスシリコン膜中には水素がその約2%残留する。
このようにして形成する第1分離層120の厚さについては、通常は、1nm〜20μm程度であるのが好ましく、5nm〜2μm程度であるのがより好ましく、5nm〜1μm程度であるのがさらに好ましい。第1分離層120の膜厚が薄すぎると、第1分離層120の均一性が損なわれるため、剥離にムラが生じることがある。また、第1分離層120の膜厚が厚すぎると、第1分離層120に照射するレーザ光等のエネルギー光のパワー(光量/エネルギー密度)を大きくする必要がある。また、第1分離層120の膜厚が厚すぎると、薄膜デバイス層140の側などに残った第1分離層120を除去する作業に時間がかかる。
なお、第1分離層120の膜厚は、できるだけ均一であるのが望ましい。また、第1分離層120は、図1(b)に示すように、下地層122を介して分離層124が形成されるような構造を有していてもかまわない。この場合、下地層122は、基材100からの不純物の混入を防ぐバリア層などの役割を果たす。
次に、図2に示すように、第1分離層120上方に、各種薄膜デバイスを含む薄膜デバイス層140を形成する。この図に示す例では、一点鎖線Kで示す部分を一点鎖線で囲んだ枠内に拡大して示すように、薄膜デバイス層140は、例えば、SiO膜からなる中間層142上に形成されたTFTを含んでいる。中間層142は、例えば、薄膜デバイス層140を物理的または化学的に保護する保護層、絶縁層、導電層、レーザ光の遮光層、マイグレーション防止のバリア層、または反射層として形成される。なお、場合によっては、SiO膜等の中間層142を形成せず、第1分離層120上に直接、薄膜デバイス層140を形成してもよい。また、TFTは、ポリシリコン膜にn型不純物を導入してなるソース・ドレイン領域146、チャネル領域144、ゲート絶縁膜148、ゲート電極150、層間絶縁膜154、およびアルミニウムなどからなるソース・ドレイン電極152を備えている。中間層142としてはSiO膜を使用しているが、Si等のその他の絶縁膜を形成することもできる。ここで用いる中間層142の厚みは、その形成目的や発揮し得る機能の程度に応じて適宜決定されるが、通常は、10nm〜5μm程度であるのが好ましく、40nm〜1μm程度であるのがより好ましい。
図2に示す例では、薄膜デバイス層140は、TFT等の薄膜デバイスを含む層であるが、この薄膜デバイス層140に形成される薄膜デバイスは、TFT以外にも、製造する機器の種類に応じて、例えば、薄膜ダイオード、シリコンのPIN接合からなる光電変換素子(光センサ、太陽電池)、シリコン抵抗素子、その他の薄膜半導体デバイス、各種電極(例:ITO、メサ膜のような透明電極)、スイッチング素子、メモリー、圧電素子等のアクチュエータ、マイクロミラー(ピエゾ薄膜セラミックス)、磁気記録薄膜ヘッド、コイル、インダクター、薄膜高透磁材料およびそれらを組み合わせたマイクロ磁気デバイス、フィルター、反射膜、ダイクロイックミラー等であってもよい。これらいずれの薄膜デバイスも、一般的には比較的高いプロセス温度を経て形成される。したがって、このような薄膜デバイスを形成する場合にも、前記したように、第1基材100としては、そのプロセス温度に耐え得る信頼性の高いものを用いる必要がある。
次に、図3に示すように、薄膜デバイス層140の上(第1基材100とは反対側、さらに具体的には、第1基材100が設けられた薄膜デバイス層の面の反対側)に接着層160を介して第2基材180を接着する。接着層160を構成する接着剤の好適な例としては、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤等の光硬化型接着剤、嫌気硬化型接着剤や水溶性接着剤等の接着剤が挙げられる。この接着剤の組成としては、例えば、エポキシ系、アクリレート系、シリコーン系等、いかなるものでもよい。このような接着層160の形成は、例えば塗布法によりなされる。
接着層160に硬化型接着剤を用いる場合には、例えば薄膜デバイス層140上に接着剤を塗布し、その上に第2基材180を接合した後、接着剤の特性に応じた硬化方法により接着剤を硬化させて薄膜デバイス層140と第2基材180とを接着固定する。
接着層160に光硬化型接着剤を用いた場合には、例えば薄膜デバイス層140上に接着剤を塗布し、その上に第2基材180を接合した後、光透過性の第1基材100の側または光透過性の第2基材180の側のうちの一方の側から接着剤に光を照射することにより、接着剤を硬化させて薄膜デバイス層140と第2基材180とを接着固定する。なお、光透過性の第1基材100の側、および光透過性の第2基材180の側の双方から接着剤に光を照射してもよい。ここで用いる接着剤としては、薄膜デバイス層140に影響を与えにくい紫外線硬化型等の接着剤が望ましい。
接着層160としては水溶性接着剤を用いることもできる。この種の水溶性接着剤としては、例えばケミテック株式会社製のケミシール U−451D(商品名)、株式会社スリーボンド製のスリーボンド3046(商品名)等を挙げることができる。
薄膜デバイス層140の側に接着層160を形成する代わりに、第2基材180の側に接着層160を形成し、この接着層160を介して、薄膜デバイス層140に第2基材180を接着してもよい。第2基材180自体が接着機能を有する場合等には、接着層160の形成を省略してもよい。
第2基材180は、第1基材100と比較して、耐熱性や耐食性等といった特性が劣るものであってもよい。すなわち、本発明では、第1基材100の側に薄膜デバイス層140を形成した後、この薄膜デバイス層140を第2基材180に転写するため、第2基材180には、薄膜デバイス層140を形成する際の温度条件に耐え得ること等といった特性が要求されない。したがって、薄膜デバイス層140の形成の際の最高温度をTmaxとしたとき、転写体140を構成する材料としては、ガラス転移点(Tg)または軟化点がTmax以下のものを用いることができる。例えば、第2基材180は、ガラス転移点(Tg)または軟化点が800℃以下あるいは500℃以下のものを用いることができ、さらには320℃以下のものであってもよい。
第2基材180の機械的特性としては、製造する機器の種類によっては、ある程度の剛性(強度)を有するものが用いられるが、可撓性、弾性を有するものであってもよい。
第2基材180としては、例えば、融点がそれほど高くない安価なガラス基板、シート状の薄い樹脂基板、あるいはかなり厚めの樹脂基板など、製造する機器の種類によって最適なものが用いられる。また、第2基材180は、平板でなく、湾曲しているものであってもよい。
第2基材180として樹脂基板を用いる場合に、それを構成する合成樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよい。例えば、ポリエチレン、ポロプロピレン、エチレン−プレピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリー(4−メチルベンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオ共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプチレンテレフタレート(PBT)、プリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変形ポリフェニレンオキシド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうち1種、または2種以上を積層した積層体を用いることができる。
第2基材180としてプラスチック基板を用いた場合には、大型の第2基材180を一体的に成形することができる。また、第2基材180がプラスチック基板であれば、湾曲面や凹凸を有するもの等、複雑な形状であっても容易に製造することができる。さらに、第2基材180がプラスチック基板であれば、材料コストや製造コストが低く済むという利点もある。それ故、第2基材180がプラスチック基板であれば、大型で安価なデバイス(例えば、液晶表示装置)を製造する際に有利である。
第2基材180としてガラス基板を用いる場合には、それを構成するガラス材としては、例えば、ケイ酸ガラス(石英ガラス)、ケイ酸アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、カリ石灰ガラス、鉛(アルカリ)ガラス、バリウムガラス、ホウケイ酸ガラス等が挙げられる。このうち、ケイ酸ガラス以外のものは、ケイ酸ガラスと比較して融点が低いが、成形や加工等が比較的容易であり、かつ、安価であるので、好ましい。
本実施形態において、第2基材180は、例えば、アクティブマトリクス型液晶表示装置(電気光学装置)のアクティブマトリクス基板を薄膜デバイス装置として構成した場合のように、それ自体が独立してデバイスの基体を構成するものや、例えばカラーフィルタ、電極層、誘電体層、絶縁層、半導体素子のように、デバイスの一部を構成するものであってもよい。
さらに、第2基材180は、金属、セラミックス、石材、木材紙等の物質であってもよいし、ある品物を構成する任意の面上、例えばプリント基板の上などであってもよい。
次に、図4に示すように、基板100の裏面側からエネルギー光を照射する。この工程では、エネルギー光として、例えばレーザ光を用いる。基板100の裏面側から照射されたレーザ光は、第1基材100を透過した後に第1分離層120に到達する。これにより、第1分離層120に層内剥離または界面剥離の一方、あるいは双方が生じる。
したがって、図5に示すように、第1基材100を剥がすように力を加えると、第1基材100を第1分離層120で容易に剥がすことができる。その結果、薄膜デバイス層140を第2基材180の方に転写することができる。この工程において、レーザ光の照射によって第1分離層120において層内剥離や界面剥離が生じる原理は、レーザ光の照射によって第1分離層120を構成する水素含有のアモルファスシリコン膜がポリシリコン膜に相転移するとともに、アモルファスシリコン膜から水素ガスが放出されることによるものである。なお、本発明では前述したようにこのアモルファスシリコン膜(第1分離膜120)を液相法で形成しているので、膜中に残留した水素が比較的多くなっており、したがってシリコン膜の溶融や水素ガスの放出による剥離が容易に起こるようになっている。
第1基材100を剥がした後には、薄膜デバイス層140の側に第1分離層120が残ることがある。このような場合には、図6に示すように、残存している分離層120を、例えば洗浄、エッチング、アッシング、研磨等の方法またはこれらを組み合わせた方法により除去する。また、剥がした第1基材100に第1分離層120の一部が付着している場合にも同様に除去すれば、第1基材100が石英ガラスのような高価な材料、希少な材料で構成されている場合に第1基材100を再利用(リサイクル)することにより、製造コストの低減を図ることができる。
この工程にて照射されるエネルギー光としては、第1分離層120で層内剥離または界面剥離を起こさせるものであればいかなるものでもよく、例えば、紫外線、可視光、赤外線(熱線)等が挙げられる。その中でも、第1分離層120に相転移や水素ガスの放出を起こさせ易いという点ではレーザ光が好ましい。
レーザ光としては、各種気体レーザ、固体レーザ(半導体レーザ)等が挙げられるが、エキシマレーザ、Nd−YAGレーザ、Arレーザ、COレーザ、COレーザ、He−Neレーザ等が好適に用いられ、その中でもエキシマレーザが特に好ましい。このエキシマレーザは、短波長域で高エネルギーを出力するため、極めて短時間で第1分離層120に相転移や水素ガスの放出を生じさせることができる。したがって、レーザ光を照射したとき、第1基材100や第2基材180等に温度上昇をほとんど生じさせることがないので、第1基材100や第2基材180等を劣化あるいは破損させることなく、第1分離層120で剥離することができる。
図7に示すように、本実施形態で用いた第1基材100は、300nm以上の波長に対して透過率が急峻に増大する特性を有する。したがって、このような場合には、300nm以上の波長の光、例えば、Xe−Clエキシマレーザ光(波長308nm)等を照射する。このようにして、第1基材100の裏面側からレーザ光を照射してアモルファスシリコン膜(第1分離層120)をアニールすると、アモルファスシリコン膜(α−Si)は、ポリシリコン膜(Poly−Si)に転移する。ただし、あまりにエネルギー密度の高い光を照射すると、第1分離層120を構成するシリコン膜が損傷して荒れた状態(アブレーション)にまでなってしまい、薄膜デバイス層140を損傷させてしまうおそれがある。一方、エネルギー密度の低いレーザ光の照射では、アモルファスシリコン膜からポリシリコン膜への転移や水素ガスの発生がスムーズに起こらず、第1分離層120での剥離が適正に進まなくなってしまう。したがって、レーザ光の照射に際しては、予めそのエネルギー密度を、アモルファスシリコン膜(第1分離層120)中に残留する水素量等に応じて適宜に決定するのが望ましい。
なお、ここまでの工程が、本発明の被転写層の剥離方法の一実施形態となる。
ここで、第1基材100の裏面側からレーザ光を照射したとき、第1分離層120を透過した照射光が薄膜デバイス層140にまで達して悪影響を及ぼすことが考えられる。その場合の対策としては、例えば、図8に示すように、レーザ光を吸収する第1分離層120上にタンタル(Ta)等の金属膜124を形成する方法がある。この方法によれば、第1分離層120を透過したレーザ光は、金属膜124の界面で完全に反射されるので、それより上層に形成された薄膜デバイス層140に悪影響を与えない。
以上の各工程を経て、薄膜デバイス層140の第2基材180への転写が完了し、図6に示したように第2基材180上に薄膜デバイス層140が転写された薄膜デバイス装置1を製造することができる。また、薄膜デバイス層140が形成された第2基材180を所望の材料上に搭載したものを薄膜デバイス装置としてもよい。
なお、第1基材100から第2基材180に薄膜デバイス層140を転写した後は、必要に応じて、薄膜デバイスに隣接する不要なSiO膜などを除去する。また、第1基材100から第2基材180に薄膜デバイス層140を転写した後、この第2の基板180上で薄膜デバイス層140に対する配線用の導電層や保護膜の形成を行ってもよい。
このように、本実施形態の薄膜デバイス装置1の製造方法では、被剥離物である薄膜デバイス層140自体を直接に剥離するのではなく、薄膜デバイス層140と第1基材100とを第1分離層120で剥がす。このため、薄膜デバイス層140の側から第1基材100を容易、かつ、確実に剥がすことができる。したがって、剥離操作に伴う薄膜デバイス層140へのダメージがなく、信頼性の高い薄膜デバイス装置1を製造することができる。
また、本実施形態では、前述したように第1分離膜120としてのアモルファスシリコン膜を液相法で形成しているので、膜中に残留した水素が比較的多くなり、したがって水素ガスの放出による剥離が容易に起こる。よって、該第1分離層にレーザ光(エネルギー光)を照射する際、これを低エネルギーで照射することができ、したがって装置コストや維持費を比較的安価にし、コストの低減化を図ることができる。また、レーザ光照射による第1分離層120上の薄膜デバイス層140に対する悪影響を防止することができ、これにより薄膜デバイスの特性低下を防止することができる。さらに、第1基材100としてレーザ光の透過率が低い通常のガラス基板を用いることができ、したがってこれからもコスト低減が可能となる。
また、特にシラン系化合物を含む液状材料を用いた液相法で第1分離膜120を形成するようにしたので、従来のCVD法による気相法に比べて真空装置等の高価な装置が不要になり、原料が液体のため取り扱いが容易になり、さらに液相法であることから原料の使用効率も良好になり、したがって従来に比べ格段にコストを低減することができる。
なお、このように液相法で得られたアモルファスシリコン膜(第1分離層120)は、単に膜中に水素が多く残留しているためだけでなく、液相法で形成されたこと自体によってもエネルギー光の照射による剥離が容易になっている。そのメカニズムは今のところ解明されてはいないものの、以下の2つが考えられる。
(1)液相法でアモルファスシリコン膜を形成した場合、膜中においてシリコン同士の結合が十分でないため、低エネルギーで剥離が起こり易くなる。
(2)アモルファスシリコン膜中に微量残っている溶媒が、膜を脆くしている。
[第2の実施形態]
図9ないし図11を参照して、本発明の第2の実施形態を説明する。
本実施形態の薄膜デバイス装置の製造方法が前記第1の実施形態と異なるところは、薄膜デバイス層140を第2基材に転写した後、薄膜デバイス層140を第2基材180から第3基材に再度、転写する点である。したがって、本実施形態でも、第1の実施形態で説明した図1〜図6に示した工程については、これらと略同様に行うので、これらの工程についてはその詳細な説明を省略する。
本実施形態でも、図1(a)に示すように、第1基材100上に、水素を含有するアモルファスシリコン膜からなる第1分離層120を液相法で形成した後、図2に示すように、この第1分離層120上に薄膜デバイス層140を形成する。次に、図3に示すように、薄膜デバイス層140の第1基材100と反対側に第2基材180を接着する。本実施形態では、後述するように、第2基材180も薄膜デバイス層140の側から剥がすので、接着層160に代えて、図9を参照して後述するように、第2基材180を第2分離層160′を介して薄膜デバイス層140に接着する。この第2分離層160′としては、熱溶融性接着剤や水溶性接着剤などの接着剤を用いることができる。以下の説明では、第2分離層160′を熱溶融性接着剤によって形成した例を説明する。次に、図4ないし図6に示すように、第1分離層120にレーザ光などのエネルギー光を照射して第1分離層120で剥離現象を起こさせ、薄膜デバイス層140を第2基材180に転写する。
このようにして薄膜デバイス層140を第2基材180に転写した後に、図9に示すように、薄膜デバイス層140の下面(第2基材180と反対側)に接着層190を介して第3基材200を接着する。この接着層190を構成する接着剤の好適な例としては、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着材、紫外線硬化型接着剤等の光硬化型接着剤、嫌気硬化型接着剤等の各種の硬化型の接着剤が挙げられる。接着剤の組成としては、例えば、エポキシ系、アクリレート系。シリコーン系等、いかなるものでもよい。このような接着層190の形成は、例えば塗布法によりなされる。
接着層190として硬化型接着剤を用いる場合、例えば薄膜デバイス層140の下面に硬化型接着剤を塗布した後、第3基材200を接合し、しかる後に、硬化型接着剤の特性に応じた硬化方法により硬化型接着剤を硬化させて、薄膜デバイス層140と第3基材200とを接着固定する。
接着層190として光硬化型接着剤を用いる場合、好ましくは光透過性の第3基材200の裏面側から光を照射する。接着剤としては、薄膜デバイス層140に影響を与えにくい紫外線硬化型等の接着剤を用いれば、光透過性の第2基材180側から光を照射してもよいし、第2基材180の側および第3基材200の側の双方から光を照射してもよい。なお、第3基材200に接着層190を形成し、その上に薄膜デバイス層140を接着しても良い。また、第3基材200自体が接着機能を有する場合等には、接着層190の形成を省略しても良い。
第3基材200は、第2基材180と同様に、第1基材100と比較して耐熱性や耐食性等といった特性が劣るものであってもよい。すなわち、本実施形態では、第1基材100の側に薄膜デバイス層140を形成した後、この薄膜デバイス層140を第2基材180に転写し、しかる後に第3基材200に転写するため、第2基材180および第3基材200には、薄膜デバイス層140を形成する際の温度条件に耐え得ること等といった特性が要求されないからである。したがって、薄膜デバイス層140の形成の際の最高温度をTmaxとしたとき、第2基材180および第3基材200を構成する材料としては、ガラス転移点(Tg)または軟化点がTmax以下のものを用いることができる。例えば、第2基材180は、ガラス転移点(Tg)または軟化点が800℃以下あるいは500℃以下のものを用いることができ、さらには320℃以下のものであってもよい。
第3基材200の機械的特性としては、製造する機器の種類によっては、ある程度の剛性(強度)を有するものが用いられるが、可撓性、弾性を有するものであってもよい。
第3基材200としては、例えば、融点がそれほど高くない安価なガラス基板、シート状の薄い樹脂基板、あるいはかなり厚めの樹脂基板など、製造する機器の種類によって最適なものが用いられる。また、第3基材200は、平板でなく、湾曲しているものであってもよい。
第3基材200として樹脂基板を用いる場合に、それを構成する合成樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよい。例えば、ポリエチレン、ポロプロピレン、エチレン−プレピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリー(4−メチルベンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオ共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプチレンテレフタレート(PBT)、プリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変形ポリフェニレンオキシド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうち1種、または2種以上を積層した積層体を用いることができる。
第3基材200として樹脂基板を用いた場合には、大型の第3基材200を一体的に成形することができる。また、第3基材200が樹脂基板であれば、湾曲面や凹凸を有するもの等、複雑な形状であっても容易に製造することができる。さらに、第3基材200が樹脂基板であれば、材料コストや製造コストが低く済むという利点もある。それ故、第3基材200が樹脂基板であれば、大型で安価なデバイス(例えば、液晶表示装置)を製造する際に有利である。
第3基材200としてガラス基板を用いる場合には、それを構成するガラス材としては、例えば、ケイ酸ガラス(石英ガラス)、ケイ酸アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、カリ石灰ガラス、鉛(アルカリ)ガラス、バリウムガラス、ホウケイ酸ガラス等が挙げられる。このうち、ケイ酸ガラス以外のものは、ケイ酸ガラスと比較して融点が低いが、成形や加工等が比較的容易であり、かつ、安価であるので、好ましい。
本実施形態において、第3基材200は、例えば、アクティブマトリクス型液晶表示装置(電気光学装置)のアクティブマトリクス基板を構成する場合のように、それ自体独立したデバイスを構成するものや、例えばカラーフィルタ、電極層、誘電体層、絶縁層、半導体素子のように、デバイスの一部を構成するものであってもよい。
さらに、第3基材200は、金属、セラミックス、石材、木材紙等の物質であってもよいし、ある品物を構成する任意の面上、例えばプリント基板の上等であってもよい。
次に、図10に示すように、熱溶融性接着剤からなる第2分離層160′を加熱し、熱溶融させる。この結果、第2分離層160′の接着力が弱まるため、第2基材180を薄膜デバイス層140の側から剥がすことができる、この第2基材180についても、付着した熱溶融性接着剤を除去することで、繰り返し使用することができる。また、第2分離層160′として水溶性接着剤を用いた場合には、少なくとも第2分離層160′を含む領域を純水に浸せばよい。
次に、図11に示すように、薄膜デバイス層140の表面に残る第2分離層160′を除去する。その結果、第3基材200に薄膜デバイス層140が転写された薄膜デバイス装置1を製造することができる。
なお、第1基材100から第2基材180に薄膜デバイス層140を転写した後は、必要に応じて、薄膜デバイスに隣接する不要なSiO膜などを除去する。また、第1基材100から第2基材180に薄膜デバイス層140を転写した後、あるいは第2基材180から第3基材200に薄膜デバイス層140を転写した後、第2基材200あるいは第3基材200上で薄膜デバイス層140に対する配線等の導電層や保護膜の形成等を行ってもよい。
このように、本実施形態の薄膜デバイス装置1の製造方法では、前述したように第1分離膜120としてのアモルファスシリコン膜を液相法で形成しているので、膜中に残留した水素が比較的多くなり、したがって水素ガスの放出による剥離が容易に起こる。よって、該第1分離層にレーザ光(エネルギー光)を照射する際、これを低エネルギーで照射することができ、したがって装置コストや維持費を比較的安価にし、コストの低減化を図ることができる。また、レーザ光照射による第1分離層120上の薄膜デバイス層140に対する悪影響を防止することができ、これにより薄膜デバイスの特性低下を防止することができる。さらに、第1基材100として例えばエネルギー光の透過率が低い通常のガラス基板を用いることができ、したがってこれからもコスト低減が可能となる。
また、特にシラン系化合物を含む液状材料を用いた液相法で第1分離膜120を形成するようにしたので、従来のCVD法による気相法に比べて真空装置等の高価な装置が不要になり、原料が液体のため取り扱いが容易になり、さらに液相法であることから原料の使用効率も良好になり、したがって従来に比べ格段にコストを低減することができる。
さらに、本実施形態では、薄膜デバイス層140を2回転写するので、第3基材200上での薄膜デバイス層140の積層関係(積層構造)が、図2に示したような、第1基材100上に薄膜デバイス層140を形成したときの積層関係(積層構造)と同じになる。
[他の実施形態]
なお、上記の第1および第2の実施の形態のいずれにおいても、プラズマCVD法(425℃)により形成した水素含有のアモルファスシリコン膜を第1分離層120として用いたが、水素を含有しないアモルファスシリコン、あるいは水素を少量だけ含有するアモルファスシリコンを形成した以降、図4および図5に示す剥離工程を行う前の所定の時期に水素イオンを導入したアモルファスシリコン膜を第1分離層120として用いてもよい。
[第1の実施例]
本発明の第1の実施形態の具体例として、図12ないし図22を参照して、第1基材100の側に、CMOS構造のTFT(薄膜デバイス)を含む薄膜デバイス層140を形成し、このデバイス層140を第2基材180に転写した薄膜デバイス装置の製造方法を説明する。図12ないし図22は、この製造方法の工程断面図である。
図12に示すように、本例では、石英基板などの透光性の基板からなる第1基材100上に、水素含有のアモルファスシリコン膜からなる第1分離層120を形成する。
本例ではまず、縦50mm×横50mm×厚さ1.1mmのホウケイ酸ガラス基板(エキシマレーザの透過率:80%)からなる第1基材100を用意した。
また、これとは別に、シクロペンタシラン1gをシクロヘキサン10mlに溶解させた。この溶液に対して、強度200W、波長308nmのエキシマランプ光を3分照射し、シクロペンタシランを高次シラン化合物に光重合させた。
次に、この溶液を、図12に示すように前記ホウケイ酸ガラス基板からなる第1の基材100上に、1000rpmでスピンコート塗布した。続いて、150℃で10分、次に300℃で5分熱処理を行い、アモルファスシリコン膜からなる第1分離層120を形成した。このアモルファスシリコン膜の膜厚は80nmであり、SIMS(secondary ion mass spectroscopy;二次イオン質量分析法)によって水素濃度を測定したところ、Si原子に対して40%の水素が含まれていた。
このようにして水素含有のアモルファスシリコン膜からなる第1の分離層120を形成したら、続いてこの第1分離層120の上に、プラズマCVD法(SiH+Oガス、100℃)により、膜厚が2000nmのSiO膜からなる中間層142を形成する。
次に、中間層142の上に、LPCVD法(Siガス、425℃)により膜厚が50nmアモルファスのシリコン膜143を形成する。このシリコン膜143はTFTの能動層を形成するための半導体膜である。
次に、第1基材100においてシリコン膜143が形成されている側から、波長が308nmのレーザ光を照射し、シリコン膜143にレーザアニールを施す。これにより、シリコン膜143は、再結晶化してアモルファスシリコン膜からポリシリコン膜となる。なお、ここでのレーザ光の照射については、第1分離層120で剥離現象を起こさせるために照射するレーザ光に比較して、エネルギー密度を十分に低くして行う。
次いで、図13に示すように、シリコン膜143をパターニングして、チャネルパターンとしてアイランド144a、144bを形成する。
次いで、図14に示すように、TEOS−CVD法(SiH+Oガス)により、膜厚が1200nmのSiOからなるゲート絶縁膜148を形成する。
次いで、図15に示すように、ポリシリコン膜あるいは金属等からなるゲート電極150a、150bを形成する。
次に、図16に示すように、アイランド144aを覆うようにポリイミド等からなるマスク層170を形成し、この状態で、例えばボロン(B)のイオン注入を行う。これにより、アイランド144bには、ゲート電極150bに対してセルフアライン的にP層172a、172b(ソース・ドレイン領域)が形成される。このボロンイオン注入工程では、例えば、B(5%)+H2(95%)の混合ガスをプラズマ化し、それにより生成されたボロンイオン及び水素イオンを加速して、質量分析器を介さずにイオン導入を行うと、同じ加速電圧であっても、質量の重いボロンイオンは上層側のポリシリコン膜(アイランド144b)に止まる一方で、質量の軽い水素イオンはより深く打ち込まれて、第1分離層120まで到達する。
次いで、図17に示すように、アイランド144bを覆うようにポリイミド等からなるマスク層174を形成し、この状態で、例えば、リン(P)のイオン注入を行う。これによって、アイランド144aには、ゲート電極150aに対してセルフアライン的にn層146a、146b(ソース・ドレイン領域)が形成される。この場合にも、例えばPH(5%)+H(95%)の混合ガスをプラズマ化し、それにより生成されたリンイオン及び水素イオンを加速して、質量分析器を介ざずにイオン導入を行うと、同じ加速電圧であっても、質量の重いリンイオンは、上層側のポリシリコン膜(アイランド144a)に止まる一方で、質量の軽い水素イオンはよ深く打ち込まれて、第1分離層120まで到達する。
次いで、図18に示すように、層間絶縁膜154を形成した後、この層間絶縁膜154を選択的にエッチングしてコンタクトホールを形成した後、ソース・ドレイン電極152a、152b、152c、152dを形成する。このようにして、CMOS構造のTFTを備えた薄膜デバイス層140が形成される。なお、層間絶縁層154上にはさらに保護膜を形成してもよい。
次いで、図19に示すように、CMOS構成のTFTを備える薄膜デバイス層140の上に接着層としてのエポキシ樹脂からなる接着層160を形成した後、この接着層160を介して、薄膜デバイス層140に対して、縦200mm×横300mm×厚さ1.1mmのソーダガラスからなる第2基材180を貼り付ける。次に、接着層160に熱を加えてエポキシ樹脂を硬化させ、第2基材180と薄膜デバイス層140の側とを接着する。なお、接着層160は紫外線硬化型接着剤でもよい。この場合には、第2基材180側から紫外線を照射してポリマーを硬化させる。
次いで、図20に示すように、透光性基板からなる第1基材100の裏面から、例えば、波長が308nmのXe−Clエキシマレーザ光を照射する。照射されたレーザ光は、第1基材100を透過して第1分離層120に到達する。この工程では、第1分離層120に対するエネルギー光の照射を開始した初期の段階では、第1分離層120を構成するシリコン膜に含まれる水素量が多いので、シリコン膜が損傷しないように、例えば150mJ/cmくらいのエネルギー密度の低い光を照射し、このエネルギー光の照射によってシリコン膜から水素ガスが抜けた後は、例えば350mJ/cmくらいのエネルギー密度の高い光を照射する。その結果、第1分離層120を構成する水素含有のアモルファスシリコン膜では、ポリシリコン膜への相転移と、水素ガスの発生が起こり、第1分離層120の層内及び/又は界面において剥離が生じる。
なお、エキシマレーザの照射は、スポットビーム照射とラインビーム照射のいずれをも用いることができる。スポットビーム照射の場合は、例えば、所定の単位領域(例えば8mm×8mm)にスポット照射しこのスポット照射を、各回の照射条件を変え、かつ、照射領域が重ならないようにビーム走査しながら照射していく。また、ラインビーム照射の場合は、例えば、所定の単位領域(例えば、378mm×0.1mmや0.3mmを同じく、各回の照射領域を少しずつ重ねながら、あるいは完全にずらしながらビーム走査していく。
このようにして第1分離層120で剥離現象を起こさせてから、図21に示すように、薄膜デバイス層140の側から第1基材100を剥がす。その結果、薄膜デバイス層140は第2基材180に転写される。
次いで、薄膜デバイス層140の裏面側に残る第1分離層120をエッチングにより除去する。その結果、図22に示すように、CMOS構成のTFTが第2基材180に転写された薄膜デバイス装置1が完成する。
このようにして製造された薄膜デバイス装置1は、例えば、図23(a)に示すように、樹脂等からなるフレキシブル基板182上に搭載される。その結果、薄膜デバイス装置1によって回路が構成されたCPU300、RAM320、入出力回路360、並びにこれらの回路に電源供給するための太陽電池340がフレキシブル基板180上に搭載されたマイクロコンピュータを製造することができる。このように構成したマイクロコンピュータは、フレキシブル基板182上に形成されているため、図23(b)に示すように曲げに強く、また、軽量であるために落下にも強いという利点がある。
[実験例]
本発明の剥離方法、すなわち液相法でアモルファスシリコン膜を形成し、これにエネルギー光を照射して剥離を起こさせる方法と、従来の気相法(CVD法)でアモルファスシリコン膜を形成した場合の方法とを、以下の実験によって比較した。
まず、前記第1の実施例と同様にして、第1基材上にアモルファスシリコン膜(第1分離層120)を厚さ100nmとなるように形成した。そして、以下に示す4通りの条件で焼成処理を行い、残留する水素量が異なる試料を得た。その後、強度300mJ/cmのエキシマレーザ光を照射し、各試料の第1基材に対する剥離率を調べた。
また、比較例として、第1基材上にアモルファスシリコン膜を、プラズマCVD(PECVD)法によって厚さ100nmとなるように形成した。なお、この比較例(プラズマCVD法)においても、その成膜条件を変えることによって残留する水素量(水素含有量)が異なる4種類の試料を得た。その後、前記実施例と同様にして、強度300mJ/cmのエキシマレーザ光を照射し、各試料の第1基材に対する剥離率を調べた。なお、膜中に残存する水素量(水素含有量)については、SIMS(secondary ion mass spectroscopy;二次イオン質量分析法)で測定した。
実施例、比較例で得られた結果を以下に示す。
焼成条件 水素含有量 剥離率
実施例(液相法) 400℃×60分 5% 27%
400℃×30分 10% 42%
400℃×15分 20% 58%
400℃×5分 40% 98%
比較例(気相法) 3% 7%
5% 14%
10% 22%
20% 34%
このように、液相法で形成した分離層(アモルファスシリコン膜)は、気相法(CVD法)で形成したアモルファスシリコン膜に比べ、含有する水素量がほぼ同量であっても、エネルギー光の照射による剥離がより容易に起こるようになる。そのメカニズムは今のところ解明されてはいないものの、以下の2つが考えられる。
(1)液相法でアモルファスシリコン膜を形成した場合、膜中においてシリコン同士の結合が十分でないため、低エネルギーで剥離が起こり易くなる。
(2)アモルファスシリコン膜中に微量残っている溶媒が、膜を脆くしている。
したがって、本発明の被転写層の剥離方法(薄膜デバイス装置の製造方法)は、気相法でアモルファスシリコン膜を形成する従来法に比べ、より剥離を容易にすることにより、デバイスの特性劣化を防ぐことができ、またコストの低減化が図れるなど顕著な効果を奏するものとなる。
[第2の実施例]
本発明の第1の実施形態の具体例として、第1基材100の側に各種のTFTを含む薄膜デバイス層140を形成し、これを第2基材180に転写することにより、液晶表示装置(電気光学装置)用のアクティブマトリクス基板(薄膜デバイス装置)を製造し、さらにこのアクティブマトリクス基板を用いて液晶表示装置を製造する方法を、図24ないし図31を参照して説明する。なお、図24は液晶表示装置の全体構成を示す分解斜視図であり、図25はこの液晶表示装置に用いたアクティブマトリクス基板の構成を示すブロック図であり、図26は本実施形態の液晶表示装置の要部を示す断面図である。
図24において、本実施形態の液晶表示装置10は、アクティブマトリクス基板440と、このアクティブマトリクス基板440に所定の間隔を介して貼り合わされた対向基板480と、この対向基板480とアクティブマトリクス基板440との間に封入された液晶460とから概略構成されている。アクティブマトリクス基板440と対向基板480とは、対向基板480の外周縁に沿って形成されたギャップ材含有のシール材(図示せず)によって所定の間隙を介して貼り合わされ、このシール材の内側領域が液晶460の封入領域とされる。シール材としては、エポキシ樹脂や各種の紫外線硬化樹脂などを用いることができる。ここで、シール材は部分的に途切れているので、対向基板480とアクティブマトリクス基板440とを貼り合わせた後、シール材の内側領域を減圧状態にすれば、シール材の途切れ部分から液晶460を減圧注入でき、液晶460を封入した後は、途切れ部分を封止剤(図示せず)で塞げばよい。
本実施形態において、対向基板480はアクティブマトリクス基板440よりも小さく、アクティブマトリクス基板440の対向基板480の外周縁よりはみ出た領域には、図25を参照して後述する走査線駆動回路700やデータ線駆動回路800等のドライバー部444が形成されている。
また、対向基板480およびアクティブマトリクス基板440の光入射側の面あるいは光出射側には、使用する液晶の種類、すなわち、TN(ツイステッドネマティック)モード、STN(スーパーTN)モード等々の動作モードや、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて偏光板420、500、あるいは位相差フィルムが所定の光軸方向に配置されるように貼られる。さらに、液晶表示装置10が透過型である場合には、アクティブマトリクス基板440の裏側にはバックライト400が配置される。
このように構成した液晶表示装置10に用いたアクティブマトリクス基板440では、図25に示すように、中央領域が実際の表示を行う画素部442であり、その周辺部分が駆動回路部444とされる。画素部442では、アルミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステンなどの金属膜、シリサイド膜、導電性半導体膜などで形成されたデータ線720および走査線730に接続した画素用スイッチングのTFT5がマトリクス状に配列された各画素毎に形成されている。データ線720に対しては、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン、アナログスイッチなどを備えるデータ側駆動回路800が構成されている。走査線730に対しては、シフトレジスタおよびレベルシフタなどを備える走査側駆動回路700が構成されている。
このように構成したアクティブマトリクス基板440において、データ線駆動回路800および走査線駆動回路700のシフトレジスタ等は、N型のTFT6とP型のTFT7とからなるCMOS回路が多段に接続されている。したがって、アクティブマトリクス基板440には、駆動回路用のN型のTFT6、駆動回路用のP型のTFT7、および画素スイッチング用のN型のTFT5からなる3種類のTFTが形成されている。
これらのTFTのうち、駆動回路用のN型のTFT6と駆動回路用のP型のTFT7とは導電型が逆であるだけで、基本的な構成が同一なので、図29には、代表して、N型のTFT6と画素スイッチング用のTFT5のみを示してある。
図26において、画素スイッチング用のTFT5では、画素電極170が液晶を介して対向基板480と対向させる必要があるが、本実施形態では、いずれのTFTも、後述するように、薄膜デバイス層140として第1基材100に形成されたものが、第2基材180に転写されたものであるため、画素電極170は、TFT5の最も上層側にある。そこで、本実施形態では、層間絶縁膜155に開口156、157を形成し、開口157から下方に向かって画素電極170が露出している構造になっている。したがって、薄膜デバイス層140の裏面側に対して液晶460を介して対向基板480が対向する構成であっても、画素電極170と対向基板480に形成した共通電極482との間で液晶460を駆動することができる。なお、図25から分かるように、画素スイッチング用のTFT5において、ゲート電極150は走査線730の一部であり、ソース領域192aに電気的に接続するソース電極152eはデータ線720の一部である。なお、画素電極170は開口156を介してドレイン領域192bに電気的に接続している。
図27ないし図31を参照して、このアクティブマトリクス基板440の製造方法を説明する。なお、図27ないし図31は、前記した第1の実施形態に係る方法を用いてアクティブマトリクス基板440を製造する際の工程断面図である。
本例のアクティブマトリクス基板440の製造方法では、まず、図12ないし図22を参照して説明した方法と同様にして、図27に示すように、第1基材100上に水素含有のアモルファスシリコン膜からなる第1分離層120を液相法で形成する。
次に、第1分離層120の上に中間層142を形成した後、その上に駆動回路用のTFT6および画素スイッチング用のTFT5を形成する。
次いで、図28に示すように、画素スイッチング用のTFT5のドレイン領域192bに相当する部分、および画素スイチング用のTFT5が形成されている領域を除く領域のそれぞれにおいて、層間絶縁膜154、155、ゲート絶縁膜148および中間膜142を選択的にエッチングし、それぞれの領域に開口156、157を同時に形成する。
次に、図29に示すように、画素電極170を形成する。その結果、画素電極170は、開口156をコンタトクトホールとして、ドレイン電極152dを介して画素スイッチング用のTFTのドレイン領域192bに電気的に接続し、かつ、開口157を介して第1分離層120と接するように形成される。ここで、画素電極170をITO膜から形成した場合には液晶表示装置10を透過型で形成でき、画素電極170をアルミニウム等の金属から形成した場合には、液晶表示装置10を反射型で形成できる。
次いで、図30に示すように、接着層160を介して、ソーダガラス基板等といった安価な第2基材180を接着する。
次いで、第1基材100の裏面側からエキシマレーザ光を照射し、第1分離層120で剥離現象を生じさせ、第1基材100を剥がす。このとき、引き剥がしにさほどの力を要しないので、TFT5、6等には機械的ダメージが生じない。また、薄膜デバイス層140の裏面側に残った第1分離層120を除去する。
これにより、図31に示すアクティブマトリクス基板440が完成する。このアクティブマトリクス基板440では、画素電極170が薄膜デバイス層140の裏面側で露出している。したがって、アクティブマトリクス基板440の薄膜デバイス層140の裏面側に配向膜(図示せず)を形成した後、ラビング処理等の配向処理を行い、しかる後に、図24、図26に示すように、薄膜デバイス層140の裏面側と対向するように対向基板480をアクティブマトリクス基板440とシール材(図示せず)によって貼り合わせ、これらの基板間に液晶460を封入する。その結果、アクティブマトリクス基板440と対向基板480との間に液晶460を挟持した液晶表示装置10を製造することができる。
このように、本実施形態の液晶表示装置10に用いるアクティブマトリクス基板440では、耐熱性等に優れた石英基板からなる第1基材100上にTFTを最適な条件で形成した後、この第1基材100から、ソーダガラス基板からなる安価な第2基材180の側に駆動回路用のTFT6や画素スイチング用のTFT4を含む薄膜デバイス層140を転写したものを用いている。このため、TFT5、6の製造時には第1基材100の上で石英基板の耐熱性を十分に行かした温度条件でTFT5、6を形成できるので、トランジスタ特性の優れたTFT5、6を形成することができる。また、液晶表示装置10に実際に搭載されるのは、安価なソーダガラスからなる第2基材180であるため、液晶用表示装置10の低価格化を図ることができる。
[第3の実施例]
本発明の第2の実施形態の具体例として、第1基材100の側にTFTからなる薄膜デバイス層140を形成し、これを第2基材180に転写した後、さらに第3基材200に転写することにより、液晶表示装置(電気光学装置)用のアクティブマトリクス基板440(薄膜デバイス装置)を製造し、さらにこのアクティブマトリクス基板を用いて液晶表示装置を製造する方法を、図32ないし図38を参照して説明する。
なお、図32は本例の液晶表示装置10の要部を示す断面図である。また、本実施形態の液晶表示装置10およびアクイティブマトリクス基板440の基本的な構成は、第2の実施例と同様、図24および図25を参照して説明したとおりであるので、それらの説明については省略する。
図32において、本実施形態の液晶表示装置10は、アクティブマトリクス基板440と、このアクティブマトリクス基板440に所定の間隔を介して貼り合わされた対向基板480と、この対向基板480とアクティブマトリクス基板440との間に封入された液晶460とから概略構成されている。本例でも、アクティブマトリクス基板440には、駆動回路用のN型のTFT、駆動回路用のP型のTFT、および画素スイッチング用のN型のTFTからなる3種類のTFTが形成されているが、図32には、これらのTFTのうち、駆動回路用のN型のTFT6、および画素スイッチング用のTFT5のみを示してある。
本例において、駆動回路用のTFT6および画素スイッチング用のTFT5は、いずれも、後述するように薄膜デバイス層140として第1基材100に形成されたものが、第2基材180に転写された後、第3基材200に転写されたものであるため、各TFT5、6は、第1基材100上に形成したときの積層構造のままとなる。すなわち、画素電極170は、層間絶縁膜155の上層に形成され、対向基板480に形成した共通電極482との間で液晶460を駆動することができる。
図33ないし図38を参照して、このアクティブマトリクス基板440の製造方法を説明する。図33ないし図38は、前記した第2の実施の形態に係る方法を用いてアクティブマトリクス基板440を製造する際の工程断面図である。
本例の液晶表示装置10の製造方法のうち、そのアクティブマトリクス基板の製造方法では、まず、図12ないし図22を参照して説明した方法と同様、図33に示すように、第1基材100上に、水素含有のアモルファスシリコン膜からなる第1分離層120を液相法で形成する。
次に、第1分離層120の上に中間層142を形成した後、その上に駆動回路用のTFT6および画素スイッチング用のTFT5を形成する。
本例でも、画素スイッチング用のTFT5では、図28を参照して説明したように、ゲート電極150は走査線730の一部であり、ソース電極152eはデータ線720の一部である。
次に、画素スイッチング用のTFT5のドレイン領域192bに相当する部分の上層に位置する層間絶縁膜154、155およびゲート絶縁膜148を選択的にエッチングし、開口156を形成する。
次に、図34に示すように、画素電極170を形成する。その結果、画素電極170は、開口156をコンタトクトホールとして、ドレイン電極192bを介して画素スイッチング用のTFT5のドレイン領域192eに電気的に接続する。本例でも、画素電極170をITO膜から形成した場合には液晶表示装置10を透過型で形成でき、画素電極170をアルミニウム等の金属から形成した場合には、液晶表示装置10を反射型で形成できる。
次いで、図35に示すように、熱溶融性接着剤あるいは水溶性の接着剤などからなる第2分離層160′を介して、ソーダガラス基板等といった安価な第2基材180を接着する。
次いで、第1基材100の裏面側からエキシマレーザ光を照射し、第1分離層120で剥離現象を生じさせ、薄膜デバイス層140の側から第1基材100を剥がす。このとき、引き剥がしにさほどの力を要しないので、TFT5、6等には機械的ダメージが生じない。また、図36に示すように、薄膜デバイス層140の裏面側に付着している第1分離層120を除去する。
次に、図37に示すように、薄膜デバイス層140の裏面側に対して接着層190を介して第3基材200を接着する。
次に、第2分離層160′として熱溶融性接着剤を用いた場合にはこの熱溶融性接着剤を加熱し、第2分離層160′で第2基材180を剥離する。水溶性接着剤を用いた場合にはこの水溶性接着剤を水と接触させて、第2分離層160′で第2基材180を剥離する。次に、図38に示すように、薄膜デバイス層140の表面側に付着している第2分離層180を除去する。
その結果、アクティブマトリクス基板440が完成する。次に、図32に示すように、画素電極170の表面および層間絶縁膜155の表面に対して配向膜(図示せず)を形成した後、ラビング処理等の配向処理を行い、しかる後に、薄膜デバイス層140に対向するように対向基板480をアクティブマトリクス基板440とシール材(図示せず)によって貼り合わせ、これらの基板間に液晶460を封入する。その結果、アクティブマトリクス基板440と対向基板480との間に液晶460を挟持した液晶表示装置10を製造することができる。
このように、本実施形態に係る液晶表示装置10に用いたアクティブマトリクス基板440は、耐熱性等に優れた石英基板からなる第1基材100上にTFTを最適な条件で形成した後、この第1基材100から第2基材180への転写を経て、ソーダガラス基板からなる安価な第3基材200の側に、駆動回路用のTFTや画素スイチング用のTFTを含む薄膜デバイス層140を転写したものである。このため、TFTの製造時には第1基材100上で石英基板の耐熱性を十分に行かした温度条件でTFTを形成できるので、トランジスタ特性の優れたTFTを形成することができる。また、液晶表示装置10に実際に搭載されるのは、安価なソーダガラスからなる第3基材200であるため、液晶用表示装置10の低価格化を図ることができる。
さらに、薄膜デバイス層140を2回転写するため、薄膜デバイス層140を第3基材200に転写し終えた状態で、薄膜デバイス層140は、第1基材100にTFTを形成したときの積層構造のままである。それ故、薄膜デバイス層140を形成していく際に、画素電極170の構造などについては、従来の構造のままでよいので、TFTの製造方法については変更する必要がない。
[第4の実施例]
なお、第2の実施例および第3の実施例のいずれにおいても、アクイティブマトリクス基板を構成する要素の全てを第1基材100に形成し、これらの構成要素の全てを第2基材180あるいは第3基材200に一括して転写する方法であったが、アクティブマトリクス基板440を構成する各要素をある程度まとまった単位でそれぞれ別々の第1基材100に形成し、各第1基材100毎に形成した要素をそれぞれ1枚の基材に転写してアクティブマトリクス基板を形成してもよい。
例えば、図25に示すアクティブマトリクス基板440では、各画素の構成は同一であり、かつ、データ線駆動回路800および走査線駆動回路700も同一構造のシフトレジスタを多段に接続してある。そこで、アクティブマトリクス基板440に形成すべき画素部442全体のうち、その一部ずつを何枚もの第1基材100に分けて形成し、各第1基材100からアクティブマトリクス基板440の基材として使用される第2基材180(あるいは第3基材200)に画素を複数ずつ転写してもよい。また、アクティブマトリクス基板440に形成すべき駆動回路の一部を何枚もの第1基材100に形成し、各第1基材100からアクティブマトリクス基板440の基材として使用される第2基材180(あるいは第3基材)に各駆動回路を転写してもよい。
以上説明したように、本発明によれば、また、第1分離層120が、シラン系化合物を含む液状材料を配し、さらにこれを熱処理することで形成されるアモルファスシリコン膜からなるので、該第1分離層120にレーザ光(エネルギー光)を照射する際、これを低エネルギーで照射することができる。したがって、装置コストや維持費が比較的安価となり、コストの低減化を図ることができる。また、レーザ光照射による第1分離層120上の薄膜デバイス層140に対する悪影響を防止することができ、これにより薄膜デバイスの特性低下を防止することができる。さらに、第1基材100としてレーザ光の透過率が低い通常のガラス基板を用いることができ、したがってこれからもコスト低減が可能となる。
また、第1分離層120を、シラン系化合物を含む液状材料を用いた液相法で形成するようにしたので、従来のCVD法による気相法に比べて真空装置等の高価な装置が不要になり、原料が液体のため取り扱いが容易になり、さらに液相法であることから原料の使用効率も良好になり、したがって従来に比べコストの低減化を図ることができる。
また、本発明のアクティブマトリクス基板によれば、例えば対向基板との間に液晶等の電気光学物質を挟持させることにより、液晶表示装置等の電気光学装置を構成するのに適したものとなる。したがって、最終的に製品に搭載される基板として、大型の基板、安価な基板、軽い基板、変形に耐え得る基板、割れない基板を用いることができるので、安価、軽量、耐衝撃性等に優れた液晶表示装置等といった電気光学装置を構成することができる。
本発明の電気光学装置は、前記アクティブマトリクス基板を備えたことにより、例えば前述した液晶表示装置のように良好なものとなり、さらにはコストの低減化がなされたものとなる。
なお、本発明のアクティブマトリクス基板は、液晶表示装置用としてだけでなく、例えば有機EL装置用など各種の電気光学装置のアクティブマトリクス基板として適用可能である。
(a)、(b)は本発明の薄膜デバイス装置の製造方法の工程説明図である。 図1(a)、(b)に続く工程を説明するための工程図である。 図2に続く工程を説明するための工程図である。 図3に続く工程を説明するための工程図である。 図4に続く工程を説明するための工程図である。 図5に続く工程を説明するための工程図である。 第1基材におけるレーザ光の波長とその透過率との関係を示すグラフである。 レーザ光が薄膜デバイス層に及ぼす影響を防止する方法を示す説明図である。 本発明の第2実施形態の、薄膜デバイス装置の製造方法の説明図である。 図9に続く工程を説明するための工程図である。 図10に続く工程を説明するための工程図である。 本発明の第1の実施例を説明するための工程図である。 図12に続く工程を説明するための工程図である。 図13に続く工程を説明するための工程図である。 図14に続く工程を説明するための工程図である。 図15に続く工程を説明するための工程図である。 図16に続く工程を説明するための工程図である。 図17に続く工程を説明するための工程図である。 図18に続く工程を説明するための工程図である。 図19に続く工程を説明するための工程図である。 図20に続く工程を説明するための工程図である。 図21に続く工程を説明するための工程図である。 (a)、(b)は本発明の薄膜デバイス装置の製造方法の説明図である。 本発明に係る液晶表示装置(電気光学装置)の分解斜視図である。 図24の液晶表示装置用アクティブマトリクス基板のブロック図である。 図24の液晶表示装置の要部を示す断面図である。 図26に示すアクティブマトリクス基板の製造方法説明図である。 図27に続く工程を説明するための工程図である。 図28に続く工程を説明するための工程図である。 図29に続く工程を説明するための工程図である。 図30に続く工程を説明するための工程図である。 本発明に係る液晶表示装置(電気光学装置)の要部を示す断面図である。 図32に示すアクティブマトリクス基板の製造方法説明図である。 図33に続く工程を説明するための工程図である。 図34に続く工程を説明するための工程図である。 図35に続く工程を説明するための工程図である。 図36に続く工程を説明するための工程図である。 図37に続く工程を説明するための工程図である。
符号の説明
1…薄膜デバイス装置、5…画素スイッチング用のTFT(薄膜デバイス)、
6…駆動回路用のN型のTFT(薄膜デバイス)、
7…駆動回路用のP型のTFT(薄膜デバイス)、10…液晶表示装置、
100…第1基材、120…第1分離層、124…金属膜、140…薄膜デバイス層、
142…中間層、144…チャネル領域、144a、144b…アイランド、
146…ソース・ドレイン領域、146a、146b…n層(ソース・ドレイン領域)
148…ゲート絶縁膜、150、150a、150b…ゲート電極、
152、152a、152b、152c、152d…ソース・ドレイン電極、
154、155…層間絶縁膜、156、157…開口、160…接着層、
160′…第2分離層、170…画素電極、
172a、172b…P層(ソース・ドレイン領域)、180…第2の基材、
182…フレキシブル基板、190…接着層、192a…ソース領域、
192b…ドレイン領域、200…第3の基材、300…CPU、320…RAM、
340…太陽電池、360…入出力回路、400…バックライト、
420、500…偏光板、440…アクティブマトリクス基板(薄膜デバイス装置)、
442…画素部、444…駆動回路部、460…液晶、480…対向基板、
482…共通電極、700…走査側駆動回路、720…データ線、730…走査線、
800…データ線駆動回路

Claims (12)

  1. 基材上に分離層を形成する工程と、
    前記分離層上に被転写層を形成する工程と、
    前記分離層に光を照射して、前記被転写層から前記基材を剥離する工程と、を備えてなり、
    前記分離層を形成する工程が、シラン系化合物を含む液状材料を前記基材上に配する工程と、該基材上の液状材料を熱処理してアモルファスシリコン膜とする工程と、を有していることを特徴とする被転写層の剥離方法。
  2. 第1基材上に第1分離層を形成する工程と、
    前記第1分離層上方に薄膜デバイスを形成する工程と、
    前記薄膜デバイス上方に第2基材を接着する工程と、
    前記第1分離層に光を照射して、前記薄膜デバイスから前記第1基材を剥離する工程と、を備えてなり、
    前記第1分離層を形成する工程が、シラン系化合物を含む液状材料を前記第1基材上に配する工程と、該第1基材上の液状材料を熱処理してアモルファスシリコン膜とする工程と、を有していることを特徴とする薄膜デバイス装置の製造方法。
  3. 前記熱処理は、200℃以上500℃以下で行うことを特徴とする請求項2記載の薄膜デバイス装置の製造方法。
  4. 前記光がレーザ光であることを特徴とする請求項2又は3記載の薄膜デバイス装置の製造方法。
  5. 前記薄膜デバイスの上方に前記第2基材を接着する工程は、シラン系化合物を含む液状材料を該薄膜デバイスの上方に配する工程と、該液状材料を熱処理してアモルファスシリコン膜からなる第2分離層を形成する工程と、該第2分離層に該第2基材を接着する工程と、を含み、
    前記薄膜デバイスから前記第1基材を剥離する工程の後に、前記第2基材が設けられた前記薄膜デバイスの面と反対の側に第3基材を接着する工程と、
    前記第2基材を前記薄膜デバイスから剥離する工程と、を有することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の薄膜デバイス装置の製造方法。
  6. 前記薄膜デバイスが、薄膜トランジスタであることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の薄膜デバイス装置の製造方法。
  7. 請求項2〜6のいずれか一項に記載の薄膜デバイス装置の製造方法によって得られたことを特徴とする薄膜デバイス装置。
  8. 請求項2〜6のいずれか一項に記載の薄膜デバイス装置の製造方法を用いたアクティブマトリクス基板の製造方法であって、
    前記第1分離層上に薄膜デバイスを形成する工程において、前記第1基材上に、前記薄膜デバイスとして画素スイッチング用の薄膜トランジスタをマトリクス状に形成することを特徴とするアクティブマトリクス基板の製造方法。
  9. 前記第1分離層上方に薄膜デバイスを形成する工程では、前記第1基材上に前記薄膜トランジスタをマトリクス状に形成するとともに、該薄膜トランジスタのゲートに電気的に接続する走査線、当該薄膜トランジスタのソースに電気的に接続するデータ線、および該薄膜トランジスタのドレインに電気的に接続する画素電極を形成することを特徴とする請求項8記載のアクティブマトリクス基板の製造方法。
  10. 請求項2〜6のいずれか一項に記載の薄膜デバイス装置の製造方法を用いたアクティブマトリクス基板の製造方法であって、
    前記第1分離層上に薄膜デバイスを形成する工程において、前記第1基材上に、前記薄膜デバイスとして駆動回路用の薄膜トランジスタを形成することを特徴とするアクティブマトリクス基板の製造方法。
  11. 請求項8〜10のいずれか一項に記載のアクティブマトリクス基板の製造方法によって得られたことを特徴とするアクティブマトリクス基板。
  12. 請求項11に記載のアクティブマトリクス基板を備えたことを特徴とする電気光学装置。
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