JP2005201001A - 自動ロック式通船ゲート - Google Patents
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Abstract
船舶の推進力だけで解錠できるようにして、作業員の安全性の向上を図る。極めて簡単かつ安価な通船ゲートとする。特に、ヒンジ部材を用いることにより、他の部材への荷重負担を軽減し、船舶の乾舷の高さ方向のバラつきに対応させやすくする。また、シビアな製作精度を要求されないヒンジ方式として製作効率を高める。
【解決手段】
船舶保護材が取り付けられていて船舶がこの船舶保護材を押したとき扉体に対して垂直方向に回転させ得るヒンジ部材を備える。このヒンジ部材の下端に可撓性の押上部材の片方を取り付ける。被固定側となる扉体にまで延び出ていてこの扉体と係脱させ得る可倒式のロック部材に押上ピンを係合させる。前記押上部材の途中をこの押上ピンに係合させる。
【選択図】 図4
Description
この通船ゲートBは、従来、図8及び図9に示すように、流木止め設備Aの途中にフロート1により半水没状に支持される枠体2を配置し、該枠体2に取り付けた扉支持金具2b’に扉体3を支持させ、それを片開き又は観音開きさせ得るようにしたものである。
このような押上部材を用いることにより、簡単な機構でロック部材の係合を自動的に解いて自動的に解錠でき、通船後自動的に施錠、ロックできるのみならず、構造もシンプルで製作効率も良い。
この場合には、開扉された扉体を自動的に閉扉する手段により、開扉された扉体は自動的に閉扉される。そして、この閉扉に応じてロック部材が被固定側となる扉体に自動的に係合し、自動的に施錠、ロックできる。
この場合には、テーパー型ヒンジにより枠体に取り付けられている扉体が、このヒンジの枢軸に取り付けられている圧縮ばねの圧縮力とねじりばねのねじり力により、テーパー型ヒンジの枢軸を中心にして自動的に閉まる。従って、開扉された扉体を自動的に閉扉することができる。
この場合には、通常のヒンジにより枠体に取り付けられている扉体が、このヒンジの枢軸に取り付けられている圧縮ばねの圧縮力とねじりばねのねじり力と補助的に扉体から吊り下げられているウエイトの重みにより、通常用いられるヒンジの枢軸を中心にして自動的に閉まる。従って、開扉された扉体を自動的に閉扉することができる。
観音開き式の扉に適用する場合には、二枚の扉体のうちの一方をもう一方の扉体に固定できればよいから、この場合には、二枚の扉体のうちいずれか一方に、相手側の扉体にまで延び出ていてこれと係脱させ得る可倒式のロック部材を設け、前記二枚の扉体のうち少なくともいずれか一方に、通船時において船舶が船舶保護材を押したとき前記ロック部材と係合して相手側の扉体に対するロック部材の係合を自動的に解き、通船後の閉扉時において相手側の扉体に前記ロック部材を自動的に係合させる自動ロック手段を設けておけばよい。
流木止め設備Aは、図1に示すように、貯水池やダム湖等の取水口の前方に設置されるものであり、その途中には通船ゲートBが設けられている。
図2、図3に、本発明の通船ゲートBの概要を示す。なお、図7〜図9に示す従来のものと根本的に異なる所は船舶の推進力だけで解錠して再び施錠できるか否かの点のみであるから、それ以外で両者共通するものについては同じ図面符号を付すこととする。
両扉体3,3のうちの一方の扉体(図2、図3、図4(c)の右側の扉体)には、相手側の扉体(図2、図3、図4(c)の左側の扉体)にまで延び出ていてこれと係脱させ得る可倒式のロック部材5が軸を中心として回動し得るように取り付けられている。このロック部材5は両扉体3,3にそれぞれ形成されている溝3c,3cに嵌合させることができるものであって、これが相手側の扉体3の溝3cに嵌合すると、その扉体3をロックすることになる。そして、両扉体3,3のうちの一方の扉体(図2、図3、図4(c)の右側の扉体)に形成されている溝3cの直下には、ロック部材5と係合させ得る押上ピン5aが上下移動可能に配置されている。
また、両ヒンジ部材6,6の下端には、図4(a)、(b)に示すように、可撓性を有する1つの押上部材8の両端がそれぞれ取り付けられており、この押上部材8の途中である撓んでいる部分を前記押上ピン5aの下端に取り付けられているローラ9に係合させてある。
可撓性を有する押上部材8として、例えば、ワイヤロープ、チェンなど少なくとも可撓性を有していて、この片側がヒンジ部材6の回転により引っ張られたとき撓んでいる部分が水平状ないしそれに近い状態に伸びて最下点が上昇する形式のものを挙げることができる。
このような方法で船舶保護材7がヒンジ部材6に取り付けられていると、締結具7aを締め付けたり緩めるだけで、ヒンジ部材6に対する船舶保護材7の上下方向の取付位置を容易に調整できるので、船舶の乾舷により適応させ易い。特に、本通船ゲートの設置現場においてもその調整を容易に行うことができるので、極めて有利である。
すると、図4(a)の実線ならびに図4(b)の鎖線で示すように撓んでいた押上部材8が、図4(b)の実線で示すようにほぼ水平状ないしそれに近い状態に伸び、あるいは、図5(a)に示すように折曲していた押上部材8aが、図5(b)に示すようにほぼ水平状ないしそれに近い状態に伸び、いずれの場合もその最下点が上昇し、それに伴って押上ピン5aの下端に取り付けられているローラ9を介して、あるいは、押上部材8aが直接機能し、いずれの場合も押上ピン5aが図4(c)の実線で示すように押し上げられ、これと係合しているロック部材5を押し上げる。
従って、今まで左側の扉体3の溝3cに嵌まっていたロック部材5が、図4(c)の実線で示すように、左側の扉体3の溝3cから外れ(右側の扉体3の溝3cでは、その浅い所に嵌まったままである)、少なくとも被固定側となる扉体3(図2、図3、図4(c)の左側に現れる)に対するロック部材5の係合が自動的に解け、船舶Cの推進力だけで自動的に解錠することができる。そして、船舶Cの推進力でその扉体3,3を開扉することができる。
従って、押上ピン5aは自重により下がり、これに押し上げられていたロック部材5も図4(c)に示すように自重により左側の扉体3の溝3cに落ちて係合せしめられ(右側の扉体3の溝3cでは、その深い所に位置する)、自動的に施錠、ロックすることができる。
二枚の扉体3,3を開扉するに当っては、船舶Cの推進力だけで解錠することができるから、作業員の安全性の向上を図ることができるのみならず、利便性が大幅に向上する。また、電動機等扉体を自動的に開扉するための高価な機器を備えていないから、そのような機器を備えたものに比べて安価となる。
例えば、船舶Cが接触することにより自動的にロックを解除するための機構として、水平状にスライドするアームを用い、それにより押上ピン5aを押し上げる方式を採用した場合には、船舶Cの乾舷が高さ方向において異なると、前記アームの作用点が軸線上から遠くなり、正常にスライドさせにくいのみならず、アームに無理な力が掛かる。
これに対して、ヒンジ部材6を用いて船舶Cの接触によりそれを垂直方向に回転させる方式を採用した場合には、船舶Cが船舶保護材7を押す位置が高さ方向において多少異なっても、回動させるべきヒンジ部材6の動きに与える影響は少なく、機能が安定するので、それだけ有利である。
例えば、船舶Cが接触することにより自動的にロックを解除するための機構として、水平状にスライドするアームを用い、それにより押上ピン5aを押し上げる方式を採用した場合には、アームが精密にスライドするようにするために製作時極めて高い精度が要求されるため、それだけ製造コストが掛かるのみならず、納期にも悪影響を及ぼしていた。
これに対して、ヒンジ部材6を用いて船舶Cの接触によりそれを垂直方向に回転させる方式を採用した場合には、上述したような高精度を要求されることはないから、それだけコストダウンを図ることができるだけでなく、納期短縮につながる。
これに対して、ヒンジ部材6を用いた場合には、変形も起こりにくいから、想定できない衝撃によりたとえ変形しても自動開閉機能の停止に直結する可能性は少ない。
この装置の最も簡単な機構は、図3及び従来例を示す図9に示すように、扉体3から吊り下げられているウエイト12を用いる場合である。すなわち、左右二枚の扉体3,3の下方にそれらに対応させてワイヤ取付金具13,13を取り付け、これによりウエイト12を吊り下げるためのワイヤロープ14を左右二枚の扉体3,3にそれぞれ定着するとともに、各ワイヤロープ14,14の途中を前記枠体2にそれぞれ取り付けたガイドローラ15,15に掛架し、各ワイヤロープ14,14の下端に、ウエイト12,12を取り付ける。本実施形態の場合も従来例を示す図9の場合も、ウエイト12を取り付ける方式は同じである。従って、同じ部材については同じ図面符号で示してある。
左右二枚の扉体3,3を押し開いて船舶Cが通過すると、ウエイト12の重みによって左右二枚の扉体3,3を自動的に閉じることができる。この場合には、扉体から吊り下げられているウエイトの重みのみの極めて簡単な機構で、開扉された扉体を自動的に閉扉することができる。
左右二枚の扉体3,3を押し開いて船舶Cが通過すると、各ウエイト12a,12aの重みによって左右二枚の扉体3,3を自動的に閉じることができる。左右二枚の扉体3,3が閉じると、図7の鎖線の位置にあった両ウエイト12a,12aは図7の実線の位置に戻る。
開閉部分における被固定側と開閉部分における固定側との位置関係を逆にしても良く、その場合には、ロック部材5を設ける位置と、前記溝3cを設ける位置とを逆にすれば良い。
Claims (8)
- フロートにより半水没状に支持される枠体を有し、この枠体に開閉自在の扉体を取り付けた通船ゲートにおいて、開閉部分における固定側に、被固定側となる扉体にまで延び出ていてこの扉体と係脱させ得る可倒式のロック部材を備え、前記固定側となる扉体には、通船時において船舶が船舶保護材を押したとき前記ロック部材と係合して被固定側となる扉体に対するロック部材の係合を自動的に解き、通船後の閉扉時において被固定側となる扉体に前記ロック部材を自動的に係合させる自動ロック手段を備えた自動ロック式通船ゲートであって、前記自動ロック手段が、前記船舶保護材が取り付けられていて船舶がこの船舶保護材を押したとき扉体に対して垂直方向に回転させ得るヒンジ部材と、このヒンジ部材の下端に片方が取り付けられている可撓性を有しあるいは折曲可能な押上部材と、前記ロック部材に係合する押上ピンとからなり、前記押上部材の途中を前記押上ピンに係合させたことを特徴とする自動ロック式通船ゲート。
- 押上部材が、ワイヤロープ、チェン、ヒンジ結合された2本の作動杆など少なくとも可撓性を有しあるいは折曲可能であって、この片側がヒンジ部材の回転により引っ張られたとき撓んでいる部分あるいは折曲している部分が水平状に伸びて最下点が上昇するものであることを特徴とする請求項1記載の自動ロック式通船ゲート。
- ヒンジ部材に対する船舶保護材の上下方向の取付位置を調整可能ならしめたことを特徴とする請求項1又は2記載の自動ロック式通船ゲート。
- 開扉された扉体を自動的に閉扉する手段を備え、この手段による閉扉に応じてロック部材を被固定側となる扉体に自動的に係合させて施錠し得るようになっていることを特徴とする請求項1又は2記載の自動ロック式通船ゲート。
- 開扉された扉体を自動的に閉扉する手段が、扉体から吊り下げられているウエイトのみで構成されることを特徴とする請求項4記載の自動ロック式通船ゲート。
- 開扉された扉体を自動的に閉扉する手段が、枠体に扉体を開閉自在に取り付けるためのテーパー型ヒンジと、このヒンジの枢軸に取り付けられている圧縮ばねとねじりばねとで構成されることを特徴とする請求項4記載の自動ロック式通船ゲート。
- 開扉された扉体を自動的に閉扉する手段が、枠体に扉体を開閉自在に取り付けるために通常用いられるヒンジの枢軸に取り付けられている圧縮ばねとねじりばねと補助的に扉体から吊り下げられているウエイトとで構成されることを特徴とする請求項4記載の自動ロック式通船ゲート。
- 開扉された扉体を自動的に閉扉する手段が、扉体から枠体内に延び出させたワイヤロープを枠体内で掛架する動滑車とこれに取り付けられているウエイトとで構成されることを特徴とする請求項4記載の自動ロック式通船ゲート。
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