JP2005199619A - 段付穴形成用ドリル - Google Patents

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Abstract

【課題】 硬脆材料を研削して段付穴を形成する際に、段付穴の内面を高い精度の平滑面として形成できるとともに、段付穴の内面に滑らかなR面を形成できる段付穴形成用ドリルを提供すること。
【解決手段】 ダイヤモンド砥石部2は、円筒側面砥石部2aと、円筒正面砥石部2bと、この円筒正面砥石部2bの先端に形成されテーパ面5を有する突状砥石部4とから成り、円筒側面砥石部2aと円筒正面砥石部2bとの境界である第1段部α、及び円筒正面砥石部2bと突状砥石部4との境界である第2段部βには、所定の曲率のR面が形成されており、シャンク3の軸心、及びダイヤモンド砥石部2の内部には流体が供給される空洞6が形成され、この空洞6に連通する縦方向の切溝7、8が少なくとも第1段部α、及び第2段部βを横断するように形成されている。
【選択図】 図6

Description

本発明は、ガラス等の硬脆材料に穴開け加工を施すためのダイヤモンドドリルに関する。
従来、硬脆材料に穴を開ける工具としては、鋼製のシャンクの先端に取り付けたダイヤモンド砥石部を回転させながら硬脆材料に接触させることで穴を開けるダイヤモンドドリルがあり、この種のドリルには、軸心貫通穴を有するダイヤモンドコアドリルまたはノンコアドリルなどがある。
近年、半導体の高集積化や電気製品の精密化が進んでおり、これら半導体や電気製品の製造において、ガラスや半導体等の硬脆材料を研削する際に、その加工面に微粉末(パーティクル)が存在すると、半導体や各種電気製品に悪影響を及ぼすことになるため、製造上の歩留まりを減らすために高精度の研削加工が要求される。特に、硬脆材料を研削して内面に段部が形成された複雑な形状の段付穴の加工を施す場合があり、その際に段付穴の段部が高い精度の平滑面を要求されるとともに、滑らかな角部(例えばR面)の加工が要求される。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、硬脆材料を研削して段付穴を形成する際に、段付穴の内面を高い精度の平滑面として形成できるとともに、段付穴の内面に滑らかな角部(R面)を形成できる段付穴形成用ドリルを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の段付穴形成用ドリルは、回転軸として作用するシャンクの先端にダイヤモンド砥石部を備えたダイヤモンドドリルであって、前記ダイヤモンド砥石部は、円筒側面砥石部と、円筒正面砥石部と、該円筒正面砥石部の先端に形成されテーパ面を有する突状砥石部とから成り、前記円筒側面砥石部と前記円筒正面砥石部との境界である第1段部、及び前記円筒正面砥石部と前記突状砥石部との境界である第2段部には、所定の曲率のR面が形成されており、前記シャンクの軸心、及び前記ダイヤモンド砥石部の内部には流体が供給される空洞が形成され、該空洞に連通する縦方向の切溝が少なくとも前記第1段部、及び前記第2段部を横断するように形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、段付穴の形成時において、円筒側面砥石部と円筒正面砥石部との境界である第1段部、及び円筒正面砥石部と突状砥石部との境界である第2段部のR面形成工程で、シャンクの軸心、及びダイヤモンド砥石部の内部に形成された空洞に供給された流体は、ダイヤモンド砥石部の第1段部、及び第2段部を縦方向に横断するように形成されている切溝から常時これら第1段部、第2段部に排出されることになり、硬脆材料の研削の際に発生する切粉及びダイヤモンド砥粉を洗い流すことができ、パーティクルの存在しない滑らかなR面を有する段付穴の形成が可能となる。また段付穴形成時に、所定の位置で研削加工を止めても、後洗浄することない段付穴を得ることができる。
本発明の請求項2に記載の段付穴形成用ドリルは、請求項1に記載のノンコアドリル形式の段付穴形成用ドリルであって、前記切溝が前記ダイヤモンド砥石部の回転中心軸から外れて形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、硬脆材料を研削して穴を形成する際に、段付穴形成用ドリルの回転の中心にある硬脆材料を削り残すことなく、穴の中心まで研削することができる。
本発明の請求項3に記載の段付穴形成用ドリルは、請求項1に記載のコア取り形式の段付穴形成用ドリルであって、前記空洞が前記シャンク及び前記ダイヤモンド砥石部の軸心を貫通していることを特徴としている。
この特徴によれば、硬脆材料を研削して貫通穴を形成する際に、研削の必要のない貫通穴の中心を残して研削できるようになり、硬脆材料の研削量を減らせるので研削速度を向上させることができる。
本発明の実施例を以下に説明する。
本発明の第1実施例に係る段付穴形成用ドリルについて説明すると、先ず図1は、本発明の第1実施例における段付穴形成用ドリルを示す斜視図であり、図2は、ダイヤモンド砥石部の先端を示す正面図であり、図3は、段付穴形成用ドリルを示す側面図であり、図4は、図3におけるA−A断面図である。
図1の符号1は、本発明の適用された第1実施例における段付穴形成用ドリルであり、この段付穴形成用ドリル1は、先端面と外周面にダイヤモンドを着装したダイヤモンド砥石部2と、回転軸として作用する鋼製のシャンク3とで構成されている。
ダイヤモンド砥石部2は、メタルボンド砥石あるいは電着砥石として製作される。メタルボンド砥石は長寿命の特徴はあるが、砥石形状がやや複雑なため成形工費がかさむ。これに対して、電着砥石は所定形状を高精度に製作することが容易である。
ダイヤモンド砥石部2は略円筒形状を成し、特に図3に示すように、ダイヤモンド砥石部2の先端面の中央部が先方に突出されて載頭円錐形状を成す突状砥石部4が設けられている。この突状砥石部4の外周面は、先端に向って突状砥石部4の直径が小さくなるようにテーパ面5が形成されている。また、略円筒形状を成すダイヤモンド砥石部2の外周面が円筒側面砥石部2aを構成し、ダイヤモンド砥石部2の先端面が円筒正面砥石部2bを構成している。
図4にはこの段付穴形成用ドリル1の断面図が示され、シャンク3の軸心及びダイヤモンド砥石部2の内部には、空洞6が形成されており、この空洞6に連通する縦方向(軸方向)の切溝としてのスリット7、8が突状砥石部4の先端から円筒側面砥石部2aにかけて形成されている。
図2に示すように、ダイヤモンド砥石部2のスリット7、8は、図2中における縦方向のスリット7と横方向のスリット8が十字状になるようにダイヤモンド砥石部2に切り込みが入れられて形成されており、横方向のスリット8が縦方向のスリット7よりも幅が広くなるように形成されている。また、これら2本のスリット7、8はダイヤモンド砥石部2の中心軸から外れるように設けられており、このスリット7、8によってダイヤモンド砥石部2及び突状砥石部4が4分割されている。
段付穴形成用ドリル1を用いて硬脆材料としての板ガラス9が研削される工程について図5から図7を用いて詳述すると、図5は、ダイヤモンド砥石部2が板ガラス9に当接したときの側断面図であり、図6は、ダイヤモンド砥石部2が板ガラス9を研削しているときの拡大側断面図であり、図7は、ダイヤモンド砥石部2によって形成された段付穴10の側断面図である。
図5に示すように、板ガラス9の研削される面の反対側の面には、既に段付穴10’が形成されている。段付穴形成用ドリル1を用いて硬脆材料である板ガラス9を研削するときには、先ず回転する段付穴形成用ドリル1の突状砥石部4の先端が板ガラス9に当接し、面積の小さい突状砥石部4の先端が最初に板ガラス9に当接されて研削されることで、押圧力が突状砥石部4の先端に集中するようになるので板ガラス9が研削され易くなっている。
図6に示すように、段付穴形成用ドリル1はシャンク3の軸心を中心に回転しつつ、シャンク3の軸心に所定の偏心運動が与えられ、段付穴形成用ドリル1と板ガラス9とに相対的な偏心運動を伴って研削が進行するため、段付穴10の直径は、ダイヤモンド砥石部2の直径よりも若干大きくなるように形成される。このように段付穴形成用ドリル1を偏心運動させながら研削することで、段付穴10の内周面にクラック等を生じさせることなく穴開け加工を施すことができる。
更に、ダイヤモンド砥石部2について図6を用いて詳述すると、ダイヤモンド砥石部2の前述した円筒側面砥石部2aと円筒正面砥石部2bの境界である第1段部αには、外側に湾曲する所定の曲率を有するR面が形成されているとともに、円筒正面砥石部2bと突状砥石部4のテーパ面5の境界である第2段部βにも、内側に湾曲する所定の曲率を有するR面が形成されている。またダイヤモンド砥石部2に形成されたスリット7、8はR面が形成された境界である第1段部α、及び第2段部βを縦方向(軸方向)に横断するように設けられている。
ダイヤモンド砥石部2にR面が形成された境界である第1段部α、及び第2段部βが設けられていることにより、段付穴10を形成する際に、段付穴10の内面に滑らかなR面10a及びR面10bを有する段付穴10を形成できるとともに、円筒側面砥石部2aと、円筒正面砥石部2bと、突状砥石部4のテーパ面5によって、段付穴10の内面を高い精度の平滑面として形成できるようになっている。
尚、突状砥石部4がテーパ面5を有することで、段付穴形成用ドリル1が上方から押圧されて板ガラス9に当接した際に、突状砥石部4のテーパ面5にも押圧力が加わるので、押圧されながら当接されるダイヤモンド砥石部2の先端面の表面積(円筒正面砥石部2bと突状砥石部4を合わせた表面積)を大きくさせることができ、段付穴形成用ドリル1の研削効率が向上するようになる。
図6に示すように、板ガラス9を研削して段付穴10の形成する際に、段付穴形成用ドリル1におけるシャンク3の軸心、及びダイヤモンド砥石部2の内部に形成されている空洞6内に上方から流体としての水を供給すると、ダイヤモンド砥石部2に形成されたスリット7、8から水が流出されながら研削されるようになる。
そして、円筒側面砥石部2aと円筒正面砥石部2bとの境界である第1段部α、及び円筒正面砥石部2bと突状砥石部4との境界である第2段部βのR面10a、10b形成工程において、空洞6に供給された水は、ダイヤモンド砥石部2の第1段部α、及び第2段部βを縦方向(軸方向)に横断するように形成されているスリット7、8から常時これら第1段部α、第2段部βに排出されることになり、板ガラス9の研削の際に発生する切粉及びダイヤモンド砥粉を洗い流すことができ、パーティクルの存在しない滑らかなR面10a、10bを有する段付穴10を形成することが可能となっている。
また、水流が過大な抵抗を受けることなく段付穴形成用ドリル1の外部に排出されるようになっており、水流が段付穴10のR面10a、10bの研削加工を妨げることなく、かつ段付穴10形成時に、所定の位置で研削加工を止めても、後洗浄することない段付穴10を得ることが可能である。
更に図6に示すように、スリット7、8が段付穴形成用ドリル1の回転の中心軸から外れるように形成されていることで、板ガラス9を研削して段付穴10を形成する際に、段付穴形成用ドリル1の回転の中心にある板ガラス9を削り残すことなく、段付穴10の中心まで研削することができる。このような軸心にコアが形成されていないドリル(ノンコアドリル)は、貫通させない穴を形成するときに使用すると有効である。
図7に示すように、段付穴形成用ドリル1によって形成された段付穴10の内面には、段付穴10の中心軸に向って突出される環状突出部10cが形成される。この環状突出部10cの内径は段付穴10の開口部付近の内径より小さくなっており、このような穴の途中で極端に穴の内径が変化する(小さくなる)穴を本実施例において段付穴と称する。
そして図7に示すように、ダイヤモンド砥石部2に載頭円錐形状をしている突状砥石部4が設けられていることによって、ダイヤモンド砥石部2の全体の形状が、板ガラス9に形成される段付穴10の形状とほぼ同じ形状となるので、板ガラス9の研削加工が実施し易くなっている。
次に、第2実施例に係る段付穴形成用ドリル11につき、図8から図12を参照して説明する。
図8は、本発明の第2実施例における段付穴形成用ドリル11を示す斜視図であり、図9は、第2実施例におけるダイヤモンド砥石部12の先端を示す正面図であり、図10は、第2実施例における段付穴形成用ドリル11を示す側面図であり、図11は、図10におけるB−B断面図である。
図8に示すように、段付穴形成用ドリル11は、ダイヤモンド砥石部12とシャンク13とで構成されており、ダイヤモンド砥石部12は略円筒形状を成し、図10に示すように、ダイヤモンド砥石部12の先端面の中央部が先方に突出されて載頭円錐形状を成す突状砥石部14が設けられている。この突状砥石部14の外周面は、先端に向って突状砥石部14の直径が小さくなるようにテーパ面15が形成されている。
図11に示すように、シャンク13の軸心及びダイヤモンド砥石部12の軸心には、空洞16が形成され、コア取り形式の段付穴形成用ドリル11になっている。この空洞16には、研削の際に発生する切粉及びダイヤモンド砥粉を洗い流すための流体としての水が供給されるようになっている。ダイヤモンド砥石部12の軸心を貫通する空洞16が形成されていることで、この段付穴形成用ドリル11は、硬脆材料としての板ガラス17に貫通穴18を形成する際に、研削の必要のない貫通穴18の中心を残して研削できるコアドリルとして使用することができる。
図9に示すように、ダイヤモンド砥石部12には切溝としてのスリット19が形成されており、このスリット19はダイヤモンド砥石部12の軸心の空洞16に交差されていて、スリット19によってダイヤモンド砥石部12及び突状砥石部14が2分割されている。
段付穴形成用ドリル11を用いて硬脆材料としての板ガラス17が研削される工程について図12を用いて詳述すると、図12(a)は、ダイヤモンド砥石部12が板ガラス17を研削しているときの側断面図であり、図12(b)は、段付穴形成用ドリル11によって形成された貫通穴18の側断面図である。
図12(a)に示すように、段付穴形成用ドリル11を用いて硬脆材料である板ガラス17が研削されるときには、ダイヤモンド砥石部12の軸心を貫通する空洞16が形成されているため、板ガラス17には、ダイヤモンド砥石部12の空洞16に位置する部分が削り残されて非研削残部20が形成されながら研削される。
そして図12(b)に示すように、段付穴形成用ドリル11が貫通して貫通穴18が形成されると、非研削残部20は下方に落下する。板ガラス17における貫通穴18の外周のみを研削し、研削の必要のない貫通穴18の中心を残して研削することで、貫通穴18を形成するときに研削しなければならない板ガラス17の研削量を減らせるので研削速度を向上させることができる。
本発明の段付穴形成用ドリル11は、段付穴のみならず本実施例のように貫通穴18を形成する際にも用いることができる。その際にダイヤモンド砥石部12の先端に突状砥石部14が形成されていることで、ダイヤモンド砥石部12が押圧されながら板ガラス17に接触されるダイヤモンド砥石部12の先端の表面積が大きくなり、ダイヤモンド砥石部12が1回転されるときの板ガラス17の研削量を増やすことができるので、板ガラス17の研削時間を短縮することができる。
次に、第3実施例に係る段付穴形成用ドリルにつき、図13から図18を参照して説明する。
図13は、本発明の第3実施例における段付穴形成用ドリル21を示す斜視図であり、図14は、本発明の第3実施例におけるダイヤモンド砥石部22の先端を示す正面図であり、図15は、本発明の第3実施例における段付穴形成用ドリル21を示す側面図であり、図16は、図15におけるC−C断面図である。
図13に示すように、段付穴形成用ドリル21は、ダイヤモンド砥石部22とシャンク23とで構成されており、ダイヤモンド砥石部22は略円筒形状を成し、図15に示すように、ダイヤモンド砥石部22の先端面の中央部が先方に突出されて載頭円錐形状を成す突状砥石部24が形成されている。この突状砥石部24の外周面は、先端に向って突状砥石部24の直径が小さくなるようにテーパ面25が形成されている。
そして図16に示すように、シャンク23の軸心及びダイヤモンド砥石部22の軸心には空洞26が形成され、コア取り形式の段付穴形成用ドリル21になっている。この空洞26には研削の際に発生する切粉及びダイヤモンド砥粉を洗い流すための流体としての水が供給されるようになっている。ダイヤモンド砥石部22の軸心を貫通する空洞26が形成されていることで、この段付穴形成用ドリル21は、硬脆材料としての板ガラス29に段付穴30を形成する際に、研削の必要のない段付穴30の中心を残して研削できるコアドリルとして使用することができる。
図14に示すように、ダイヤモンド砥石部22には、図14中における縦方向の切溝としてのスリット27と横方向の切溝としてのスリット28が形成されており、このスリット27、28はダイヤモンド砥石部22の軸心の空洞26に交差されていて、2本のスリット27、28によってダイヤモンド砥石部22及び突状砥石部24が4分割されている。
段付穴形成用ドリル21を用いて硬脆材料としての板ガラス29が研削される工程について図17から図18を用いて詳述すると、図17は、本発明の第3実施例におけるダイヤモンド砥石部22が板ガラス29を研削しているときの側断面図であり、図18は、図17におけるD−D断面図である。
段付穴形成用ドリル21の偏心運動について図17及び図18を用いて詳述すると、図17に示すように、段付穴形成用ドリル21のダイヤモンド砥石部22を硬脆材料である板ガラス29に形成された段付穴30周面に当接させ、当接部が段付穴30の内周面の全周に及ぶように段付穴形成用ドリル21を偏心軸(段付穴形成用ドリル21の中心軸であって、段付穴30の中心軸より偏心した所定位置にある)のまわりに回転させながらドリルと板ガラス29とに相対的な偏心運動を与える。
段付穴形成用ドリル21と板ガラス29の間に相対的な偏心運動を与える手段としては、板ガラス29を静止して、モータ(図示略)の回転軸を段付穴30の中心軸と一致させ、偏心軸上の連結部材(図示略)と回転軸とをクランクピン(図示略)等により連結し、段付穴形成用ドリル21を段付穴30の中心軸のまわりでモータ(図示略)により回転させる方法がある。
これを図18により説明すると、ダイヤモンド砥石部22の外周面を段付穴30の周辺に当接させてa方向に回転させながら、当接部が段付穴30の内周面の全周に及ぶようにダイヤモンド砥石部22をb方向に、回転させるように、段付穴形成用ドリル21を遊星回転運動させればよい。
段付穴形成用ドリル21を偏心運動させながら研削することで、ダイヤモンド砥石部22の外周面と段付穴30の内面との間に所定間隔の間隙dが形成される。この間隙dが形成されることで、ダイヤモンド砥石部22の外周面と段付穴30の内面との間に発生する摩擦を減らすことができるのでスムーズに段付穴形成用ドリル21を回転させることができるようになる。
板ガラス29を研削する際に、段付穴形成用ドリル21の内部に形成されている空洞26に上方から水を供給すると、ダイヤモンド砥石部22のスリット27、28から水が流出されながら研削されるようになる。そのため、研削の際に発生する切粉及びダイヤモンド砥粉を洗い流すことができるようになっている。
また、スリット27、28がダイヤモンド砥石部22の先端面から外周面にかけて形成されていることで、流体が過大な抵抗を受けることなく段付穴形成用ドリル21の外部に排出され、段付穴30の内周面とダイヤモンド砥石部22の外周面との間の間隙dを通って、ほとんど抵抗を受けることなく板ガラス29の外部に流れ出るようになっている。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、上記実施例では、内面に滑らかな平滑面を有する段付穴の研削加工のために段付穴形成用ドリルを使用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、内面に微細な凹凸(ざらつき)を有する段付穴の研削加工にも用いることができる。
また、上記実施例では、円筒正面砥石部の中心部が先方に突出されて突状砥石部が形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、突状砥石部が円筒正面砥石部の中心部からずれて形成されていたり、突状砥石部が複数形成されていたり、突状砥石部が多段の段部を有する形状をしていてもよい。
更に、上記実施例では、ダイヤモンド砥石部及び突状砥石部がスリットによって、2分割又は4分割されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、5分割や6分割、もしくはそれ以上分割してもよく、より多くのスリットを設けて分割することで空洞内から流出される流体の量を増やすことができる。
尚、上記実施例では、段付穴形成用ドリルで研削される硬脆材料として板ガラスを用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、セラミックや陶器や石材やコンクリートなどのその他の硬脆材料の研削にも用いることができる。
また、上記実施例では、段付穴が形成される対象として板ガラスを用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、段付穴が形成される対象として、例えば、照明器具等に用いられるガラスで構成された御碗型の反射鏡などがあり、このような反射鏡に電球を挿設させるためのセンターホールを形成する際に、このセンターホールを段付穴形状に加工する場合がある。本発明の段付穴形成用ドリルは、このような照明器具の反射鏡のセンターホールを形成する際にも使用できる。
従来のドリルを用いて上記実施例のような段付穴を形成するためには、形成される段付穴の段部の内径よりも小さい直径のドリルを用いてドリルの回転を複雑に制御することで段付穴を形成する必要があり、従来のドリルでは、小さい直径のドリルで大きな内径の段付穴を形成しなければならないので、ドリルの研削効率が悪く、研削加工に時間がかかっていた。しかしながら本発明の段付穴形成用ドリルでは、ダイヤモンド砥石部の全体の形状が段付穴の形状とほぼ同じ形状になっていることで、段付穴の内径とダイヤモンド砥石部の直径をほぼ同じにすることができるようになり、ダイヤモンド砥石部の外面をより広い面積で段付穴の内面に接触させることができ、研削効率を向上させることができるとともに、容易に段付穴の研削加工を実施できるようになっている。
本発明の第1実施例における段付穴形成用ドリルを示す斜視図である。 第1実施例におけるダイヤモンド砥石部の先端を示す正面図である。 第1実施例における段付穴形成用ドリルを示す側面図である。 図3におけるA−A断面図である。 ダイヤモンド砥石部が板ガラスに当接したときの側断面図である。 ダイヤモンド砥石部が板ガラスを研削しているときの拡大側断面図である。 ダイヤモンド砥石部によって形成された段付穴の側断面図である。 本発明の第2実施例における段付穴形成用ドリルを示す斜視図である。 第2実施例におけるダイヤモンド砥石部の先端を示す正面図である。 第2実施例における段付穴形成用ドリルを示す側面図である。 図10におけるB−B断面図である。 (a)は、ダイヤモンド砥石部が板ガラスを研削しているときの側断面図であり、(b)は、段付穴形成用ドリルによって形成された貫通穴の側断面図である。 本発明の第3実施例における段付穴形成用ドリルを示す斜視図である。 本発明の第3実施例におけるダイヤモンド砥石部の先端を示す正面図である。 本発明の第3実施例における段付穴形成用ドリルを示す側面図である。 図15におけるC−C断面図である。 本発明の第3実施例におけるダイヤモンド砥石部が板ガラスを研削しているときの側断面図である。 図17におけるD−D断面図である。
符号の説明
1 段付穴形成用ドリル
2 ダイヤモンド砥石部
2a 円筒側面砥石部
2b 円筒正面砥石部
3 シャンク
4 突状砥石部
5 テーパ面
6 空洞
7、8 スリット
9 板ガラス
10 段付穴
10a、10b R面
10c 環状突出部
11 段付穴形成用ドリル
12 ダイヤモンド砥石部
13 シャンク
14 突状砥石部
15 テーパ面
16 空洞
17 板ガラス
18 貫通穴
19 スリット
20 非研削残部
21 段付穴形成用ドリル
22 ダイヤモンド砥石部
23 シャンク
24 突状砥石部
25 テーパ面
26 空洞
27、28 スリット
29 板ガラス
30 段付穴
d 間隙
α 第1段部
β 第2段部

Claims (3)

  1. 回転軸として作用するシャンクの先端にダイヤモンド砥石部を備えたダイヤモンドドリルであって、前記ダイヤモンド砥石部は、円筒側面砥石部と、円筒正面砥石部と、該円筒正面砥石部の先端に形成されテーパ面を有する突状砥石部とから成り、前記円筒側面砥石部と前記円筒正面砥石部との境界である第1段部、及び前記円筒正面砥石部と前記突状砥石部との境界である第2段部には、所定の曲率のR面が形成されており、前記シャンクの軸心、及び前記ダイヤモンド砥石部の内部には流体が供給される空洞が形成され、該空洞に連通する縦方向の切溝が少なくとも前記第1段部、及び前記第2段部を横断するように形成されていることを特徴とする段付穴形成用ドリル。
  2. 前記切溝が前記ダイヤモンド砥石部の回転中心軸から外れて形成されている請求項1に記載の段付穴形成用ドリル。
  3. 前記空洞が前記シャンク及び前記ダイヤモンド砥石部の軸心を貫通している請求項1に記載の段付穴形成用ドリル。
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