JP2005199440A - レーザー記録型感熱記録体 - Google Patents

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JP2005199440A
JP2005199440A JP2004005134A JP2004005134A JP2005199440A JP 2005199440 A JP2005199440 A JP 2005199440A JP 2004005134 A JP2004005134 A JP 2004005134A JP 2004005134 A JP2004005134 A JP 2004005134A JP 2005199440 A JP2005199440 A JP 2005199440A
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純平 夏井
Yoshihide Kimura
義英 木村
Kenji Hirai
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Abstract

【課題】 使用前の用紙保管中における自然光に対する優れた耐光性を兼ね備え、光記録感度等のレーザー記録適性および記録画像のスキャナー読み取り性に優れる良好なコントラストを有するとともに、レーザー記録特有の高精細な文字または画像による追記を不可能とする、改竄等の偽造防止性に優れたレーザー記録型感熱記録体を提供すること。
【解決手段】 支持体上に、少なくともレーザー光を吸収して熱に変換する光吸収材料と無色ないし淡色の塩基性無色染料及び有機顕色剤とを主成分として含有する感熱記録層を設けた感熱記録体において、光吸収剤として下記式(I):
【化1】
Figure 2005199440

(式中、nは1〜4の整数を表し、Xn、YnおよびZnの構造式は下記表1に示す)
【表1】
Figure 2005199440

で示される化合物と退色防止剤とを含有することを特徴とするレーザー記録型感熱記録体。

Description

本発明は、レーザー光の照射により画像が記録されるレーザー記録型感熱記録体に関するものである。
現像や定着を必要としない直接記録方式の中で、電子供与性ロイコ染料と電子受容性顕色剤を発色剤とする感熱記録紙材料は、操作性、保守性が優れていることからファクシミリやプリンターに広く利用されている。しかしながら、この方式は、サーマルヘッドや発熱ICペンを感熱記録体に直接接触させて加熱記録するために、サーマルヘッドや発熱ICペンに発色溶融物質が付着して、カス付着やスティッキング等のトラブルを起こし、記録障害や記録品質を損なうという問題点があった。特に、プロッタープリンターのように記録の流れ方向に連続して線書きする場合、カス付着のトラブルを引き起こさずに連続印字することは事実上不可能である。また、サーマルヘッドによる記録方式では、画像解像度を8本/mm以上に上げることは難しいとされている。
そこで、カス付着、スティッキング等のトラブルを解消し、解像度をさらに向上させる方法として、特許文献1や特許文献2に開示されている近赤外付近の波長のレーザー光による無接触の記録方式が提案されている。
しかし、前述の方法は近赤外線吸収剤を感熱発色層塗料に直接添加し、塗布乾燥して光吸収性の感熱発色層を得るため、良好な発色能を得るためには近赤外付近の波長のレーザー光を吸収し熱に変換する近赤外線吸収剤の添加量を増加させる必要があり、いずれの吸収剤もそれ自身がかなり着色しているため地色が悪くなってしまう。また、地色着色を緩和させるために添加量を減少させた場合、十分な発色濃を得ることができない。対策として、近赤外線吸収剤を感熱発色層とは別の層中に含有させ、積層して使用することが提案されているが、多層構成とすることは操業上不利である。
また、近年の新聞製版システムでは、新聞を印刷するための版であるPS版(Pre-Sensitized plate)を作成するために、現像工程の煩雑さ、廃液や廃ガス、暗所での作業が必要等の問題があるため、従来の印画紙(銀塩フィルム)方式からレーザーで記録できるドライフィルム方式に移行しつつある。そのPS版を作成する工程の中で、校正により誤りが見付かった場合はドライフィルム−切り貼りによる修正−スキャナー読み取り−電子情報化−ドライフィルムと、PS版に至るまでに多くの工程を繰り返さなければならない。ドライフィルムとしては、例えば、感熱層中にレーザー光を吸収して光熱変換を行なう染料と発色材料とを含有する特許文献3記載のレーザー記録型感熱プルーフ等が利用できると考えられる。
しかし、前述したように、従来の記録体媒体の場合、近赤外線吸収剤は着色しているものが多いことから、記録画像は人間が肉眼で読むことは可能なものであっても、地色部(地肌)と画像部とのコントラストに劣りスキャナーなど光学的読み取りの場合には高い精度を得ることは難しく、製版システムにおける印画紙代替のドライフィルムとしては、未だ十分な実用性が得られていない。
特許文献4には、地肌の着色を少なくするために、レーザー光を熱エネルギーに変換することができかつラジカルと反応して無色化する色素と、波長400nm以下の紫外線を照射することによってラジカルを発生する光ラジカル発生剤を感熱記録層に含有し、レーザー光で記録後、無色化して地肌を白色または無色にすることが記載されている。
また一方、宝くじや競馬、競艇等の金券用途に感熱記録紙が使用される機会が増えてきている。これらの用途においては1枚の感熱記録紙が高額の金券になる可能性があるため、追記等による改竄を不可能とする偽造防止技術の確立が要望されている。
しかし、一般的に感熱記録紙は未記録の部分に後から記録可能な追記型記録媒体であるため、容易に他のデータを記録できるという問題を有している。さらにレーザー記録型感熱記録体の場合は特に、従来のサーマルヘッドでは再現できない高精細な文字または画像による記録が可能であるゆえに、改竄されても肉眼では気付きにくいことが懸念される。
そこで、例えば特許文献5には、感熱記録層中にレーザー光を熱エネルギーに変換することのできる色素と発色材料とを含有する光記録媒体において、画像記録を行なった後、特定の波長の光を照射し色素を分解することによって、光熱変換能を失活させ追加記録を困難とすることが記載されている。
特開昭58−209594号公報 特開昭58−94494号公報 特開2000−238436号公報 特開平5−278330号公報 特開平7−172054号公報
特許文献4および5のように、光吸収材料を失活させ消色したり追記録を防止することは知られているが、いずれの場合も発色性能や色素の分解能が十分ではなく、高い記録感度を得るためには相当量の光吸収材料が必要であったり、また、紫外線照射など操作的にも不利な面がある。
また、これらの光吸収材料は光に対する安定性に欠けるため、自然光(蛍光灯などの室内光や太陽光)に暴露された状態で放置した際に徐々に分解され、光熱変換能を失活してしまい印字した時に十分な発色能を得られないなどの実用上の問題がある。
上記の事情から本発明は、使用前の用紙保管中における自然光に対する優れた耐光性を兼ね備え、光記録感度等のレーザー記録適性および記録画像のスキャナー読み取り性に優れる良好なコントラストを有するとともに、レーザー記録特有の高精細な文字または画像による追記を不可能とする、改竄等の偽造防止性に優れたレーザー記録型感熱記録体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、支持体上に、少なくともレーザー光を吸収して熱に変換する光吸収材料と、無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料および電子受容性顕色剤とを主成分として含有する感熱記録層を設けた感熱記録体において、光吸収剤として下記式(I)で示される化合物と退色防止剤とを含有する感熱記録体とすることを見出し本発明に到達した。
Figure 2005199440
(式中、Xn、YnおよびZnの構造式は下記表1に示す)
Figure 2005199440
本発明においては、使用前の用紙保管中における自然光に対する優れた耐光性を兼ね備え、記録感度が高く、特定波長の光照射によって光吸収材料を分解し光熱変換能を失活させることにより、レーザー記録特有の高解像度な画像の追記を不可能にし、なおかつ光吸収材料の可視光域での吸収が無くなることにより、地色部が白色または淡色化してスキャナーによる記録画像の読み取り性に優れた良好なコントラストを有するレーザー記録型感熱記録体が得られる。
さらに、消色剤として下記一般式(II):
Figure 2005199440
(式中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立してアルキル基、アリール基、アリル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シリル基、複素環基、置換アルキル基、置換アリール基、置換アリル基、置換アラルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基または置換シリル基を示し、R、R、RおよびRのうち少なくとも1個は炭素数1〜12のアルキル基;R、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アリル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、複素環基、置換アルキル基、置換アリール基、置換アリル基、置換アラルキル基、置換アルケニル基または置換アルキニル基を示す。)
で示される化合物を含有させることで、光による式(I)で示される化合物の分解を大幅に促進し、容易に光熱変換能の失活による追記・改竄防止、無色化による良好なコントラストを有する感熱記録体を得ることができる。
また、一般式(II)で表される化合物の中でも、特に下記式(III)で示される化合物が、良好な消色能力を有するためより好ましい。
Figure 2005199440
(式中、mは1〜3の整数を表し、Zmの構造式は下記表2に示す)
Figure 2005199440
以上のように、本発明のレーザー記録型感熱記録体は、記録濃度が高く、光吸収材料の使用量が少なくてよいため地色着色を抑えられる。さらに、光照射による光吸収材料の失活によって地色を白色あるいは無色化することができるため、スキャナー読み取り性に優れる良好なコントラストを有するものである。また、自然光に対する優れた耐光性を兼ね備えているため、使用前の用紙保管中に光吸収材料が分解されることなく、安定した光熱変換能を長期間にわたって有したレーザー記録型感熱記録体を得ることができる。
従って、新聞製版等において、印画紙使用に代わる新しいシステムの記録体として利用することもでき、非常に有用である。さらに、レーザーによる追記録が不可能なため、改竄等の偽造防止に優れた特性を有し、金券用途への応用も期待できる。
以下に本発明を具体的に説明する。
本発明で用いられる光吸収材料は、記録源の光を吸収し、吸収した光を熱変換して外部にその熱を放出する物質である。そのため、記録源の光をできるだけ広範囲に吸収して熱変換でき、レーザーの発振波長領域(約760〜1100nm)に等しいか、あるいは近接している赤外線領域の波長を有する光の吸収が特に高いものが、熱変換効率および発生する熱量の点で好ましい。
本発明では特に、光吸収材料として上記式(I)で示される4種の化合物(以下、化合物(I)ということがある)を用いる。化合物(I)は光の吸収能が極めて強く、使用量が少なくても効率良く光熱変換を行なうことができるため、地色を抑えつつ高いコントラストの感熱記録体が得られると考えられる。なおかつ、化合物(I)は、光照射によって分解される特性を有するため、光熱変換能を失活させ追記を不可能にしたり、可視光域での吸収がなくなるため地色が白色または淡色となり、コントラストにさらに優れた感熱記録体が得られる。
化合物(I)を失活させる光としては、感熱記録層を発色させない程度のエネルギーであって、記録に用いられるレーザー波長領域あるいは可視光波長領域のものが好適に用いられる。紫外線領域の波長では少々失活しにくい。失活させる光が記録波長と同じである場合は、装置の装備を単純化しやすく有利であると考えられる。また、光照射と同時に感熱記録層が発色しない程度に加熱(約50℃以下)すると、分解がいっそう促進され効果的である。
また、高い精度のスキャナー読み取り性を実現するためには、600nm以上の波長の光を照射したときの画像部と地色部との反射率の差が60%以上、さらには70%以上であることが好ましく、本発明の感熱記録体は、画像部と地色部とにおいてスキャナーの読み取り主波長での吸収強度の差が大きく、良好なコントラストとなっている。
本発明において使用する消色剤は、光を照射することによって分解しラジカルを発生するものである。その発生したラジカルが、光吸収材料である化合物(I)に効果的に作用し、光熱変換能の失活および消色を促進する役割を担っていると考えられる。
具体的には、上記一般式(II)で示される化合物で表され、その中でも特に上記化合物(III)で示される3種の化合物が、化合物(I)と用いた場合に良好な消色能力を有するためより好ましい。
本発明において使用する退色防止剤は、化合物(I)のような光吸収材料が自然光(蛍光灯などの室内光や太陽光)に暴露された状態で放置した際に徐々に分解されるのを防止したり、消色剤との過剰反応を抑制する作用を有する。つまり、光吸収材料が光熱変換能を失活してしまい印字した時に十分な発色能を得られないなどの実用上の問題を防ぐ役割で使用される。
好ましい退色防止剤としては、耐熱性老化防止剤、金属酸化物および金属石鹸から選ばれた少なくとも1種を用いることができる。本発明に用いられる退色防止剤がこのような退色防止作用を呈する理由は定かでないが、おそらく耐熱性老化防止剤にはフェノール性水酸基、ヒドロキノン基、スルホン基などの極性基が存在し、金属酸化物には表面に塩基性の極性基が存在し、また金属石鹸にはカルボキシル基のようなイオン性の極性基が存在することに起因するものと考えられる。すなわちイオン性の錯体である化合物(I)のような光吸収材料や化合物(III)のような消色剤は、アニオン性の極性基が存在するとイオン対が安定となり、光あるいは熱に対する安定性が増すものと考えられる。従って、上記の耐熱性老化防止剤、金属酸化物および金属石鹸などが、化合物(I)のような光吸収材料あるいは化合物(III)のような消色剤を併用した系に同時に存在した場合、過剰な分解が抑制されるものと考えられる。
上記耐熱性老化防止剤の具体例としては、例えば、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、ヒドロキノンモノエチルエーテルなどのヒドロキノン誘導体系老化防止剤;p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、3,4−ジヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−p−トリルスルホン、没食子酸n−メチル、没食子酸n−エチル、没食子酸n−プロピル、没食子酸ステアリル、没食子酸ラウリル、レゾルシノール、1−オキシ−3−メチル−4−イソプロピルベンゼン、2,6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−sec−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2−(1−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、スチレン化フェノール、アルキル化フェノールなどのアルキル化フェノール系およびフェノール誘導体系老化防止剤;1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2−チオビス(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(混合モノ−およびジ−ノニルフェニル)ホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、ジフェニルモノ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、ジフェニルモノトリデシルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールホスファイトなどの亜リン酸エステル系老化防止剤などが挙げられる。これらの耐熱性老化防止
剤は単独でまたは2種以上の混合物として用いられる。
これらの耐熱性老化防止剤の中では、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、3,4−ジヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−p−トリルスルホン、没食子酸n−メチル、没食子酸n−エチル、没食子酸n−プロピル、没食子酸ステアリル、没食子酸ラウリル、レゾルシノールなどが、透明性、白色性に優れているので好ましい。
退色防止剤としての耐熱性老化防止剤は、用いられる光吸収材料1重量部に対して0.1〜500重量部、好ましくは0.5〜100重量部程度使用される。少なすぎると退色防止性を充分に発現できず、多すぎると発色阻害による感度低下が起こりやすい。
上記金属酸化物の具体例としては、例えば、MgO、Al、SiO、NaO、SiO・MgO、SiO・Al、Al・NaO・CO、MgO・Al・COなどが挙げられ、これらの金属酸化物は単独でまたは2種以上を混合して用いられる。これらの金属酸化物の中では、MgO、MgOとSiOまたはAlとの混合物、NaO、SiO・MgO、SiO・Al、Al・NaO・CO、MgO・Al・COなどが、特に退色防止性に優れたものであるので好ましい。
退色防止剤としての金属酸化物は、用いられる光吸収材料1重量部に対して0.1〜500重量部、好ましくは0.5〜100重量部程度使用される。少なすぎると退色防止性を充分に発現できず、多すぎると発色材料比率低下による感度低下が起こりやすい。
上記金属石鹸の具体例としては、例えば、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸鉛などのステアリン酸塩;ラウリン酸カドミウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸バリウムなどのラウリン酸塩;クロロステアリン酸カルシウム、クロロステアリン酸バリウム、クロロステアリン酸カドミウムなどのクロロステアリン酸塩;2−エチルヘキシル酸バリウム、2−エチルヘキシル酸亜鉛、2−エチルヘキシル酸カドミウム、2−エチルヘキシル酸鉛などの2−エチルヘキシル酸塩;リシノール酸バリウム、リシノール酸亜鉛、リシノール酸カドミウムなどのリシノール酸塩;2PbO・Pb(C1735COO)などの二塩基性ステアリン酸鉛、;サリチル酸鉛、サリチル酸亜鉛、サリチル酸錫、サリチル酸クロムなどのサリチル酸塩;3PbO・Pb(C)HOなどの三塩基性マレイン酸鉛;2PbO・Pb(C)などの二塩基性フタル酸鉛などが挙げられ、これらの金属石鹸は単独でまたは2種以上を混合して用いられる。これらの金属石鹸の中では、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、リシノール酸バリウム、2−エチルヘキシル酸バリウムなどが、白色度などの観点から好ましい。
退色防止剤としての金属石鹸は、用いられる光吸収材料1重量部に対して0.1〜500重量部、好ましくは0.5〜100重量部程度使用される。少なすぎると退色防止性を充分に発現できず、多すぎると発色材料比率低下による感度低下が起こりやすい。
本発明で用いられる電子供与性ロイコ染料としては、各種公知の化合物が使用できる。これらは単独あるいは2種以上を混合することもでき、用途や要求される品質特性によって適宜選択される。具体例を示すと次のような化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1)トリアリールメタン化合物
3,3’−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド<商品名:クリスタルバイオレットラクトン、CVL>、3−(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3,3’−ビス(2−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテニル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド<NIR−Black>、3,3’−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)フタリド<MGL>、3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3’−ビス(4−エチルカルバゾール−3−イル)−3−ジメチルアミノフタリド、3,3’−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド<インドリルレッド>、3,3’−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン<LCV>等。
(2)ジフェニルメタン系化合物
4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンズヒドリンベンジルエーテル、N−ハロフェニル−ロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等。
(3)キサンテン系化合物
ローダミンB−アニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ブチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン<Green−2>、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン<TH−107>、3−ジエチルアミノ−7−(3−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン<Black−100>、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン<ODB>、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン<ODB−2>、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン<S−205>、3−(N−エチル−N−トリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン<PSD−150>、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−(β−エトキシエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−(γ−クロロプロピルアミノ)フルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン<OR−55>、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン等。
(4)チアジン系化合物
ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等。
(5)スピロ系化合物
3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(6’−メトキシベンゾ)スピロピラン等が挙げられる。
(6)ペンタジエン化合物
1,1,5,5−テトラキス(4−ジメチルアミノフェニル)−3−メトキシ−1,4−ペンタジエン、1,1,5,5−テトラキス(4−ジメチルアミノフェニル)−1,4−ペンタジエン等。
上記のロイコ染料のほとんどは、可視光領域の光を吸収し、かつ主に600nm以下の波長の光を吸収するものである。本発明では上記ロイコ染料に加えて、600nm以上、特に600〜700nmの波長に吸収の主波長を有するロイコ染料を使用することにより、スキャナー読み取り性が一層向上し有効である。このようなロイコ染料としては、フルオラン系ロイコ染料及び/またはフタリド系ロイコ染料を用いることが好ましい。フルオラン系ロイコ染料としては、3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−(1’−N−エチル−2’,2’,4’−トリメチルピリジル)−[a]−フルオラン<H−1046>が挙げられる。またフタリド系ロイコ染料としては、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド<GN−2>、3,6,6’−トリス(ジメチルアミノ)スピロ[フルオレン−9,3’−フタリド]<Green−118>、3,3’−ビス(2−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテニル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド<NIR−Black>が挙げられる。
次に、本発明で使用される電子受容性顕色剤としては、活性白土、アタパルジャイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム等の無機酸性物質、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸ノルマルプロピル、4−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、4−ヒドロキシ安息香酸ブチルなどの4−ヒドロキシ安息香酸エステル類、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシフタル酸ジイソプロピル、4−ヒドロキシフタル酸ジベンジル、4−ヒドロキシフタル酸ジヘキシルなどの4−ヒドロキシフタル酸ジエステル類、フタル酸モノベンジルエステル、フタル酸モノシクロヘキシルエステル、フタル酸モノフェニルエステル、フタル酸モノメチルフェニルエステルなどのフタル酸モノエステル類、ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−6−メチルフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ−5−エチル−2−メチルフェニル)スルフィドなどのビスヒドロキシフェニルスルフィド類、3,4−ビスフェノールA、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン<ビスフェノールA>、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン<ビスフェノールF>、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、テトラメチルビスフェノールA、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル)ベンゼン、 1,3−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2’−ビス−(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、1,4−ビス(1−(4−(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)フェニル)エチル)ベンゼンなどのビスフェノール類、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン<D−8>、4−ヒドロキシ−4’−メトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−ノルマルプロポキシジフェニルスルホンなどの4−ヒドロキシフェニルアリールスルホン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン<ビスフェノールS>、テトラメチルビスフェノールS、ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−プロピル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)スルホン、ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2−ヒドロキシフェニル−4’−ヒドロキシフェニルスルホンなどのビスヒドロキシフェニルスルホン類、
国際公開WO97/16420号記載のジフェニルスルホン架橋型化合物、国際公開WO02/081229号あるいは特開2002−301873号公報記載の化合物、4−ヒドロキシベンゼンスルホナート、4−ヒドロキシフェニル−p−トリルスルホナート、4−ヒドロキシフェニル−p−クロロベンゼンスルホナートなどの4−ヒドロキシフェニルアリールスルホナート類、4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸ノルマルプロピル、4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸イソプロピル、4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸ブチルなどの4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸エステル類、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、α,α’−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類、N−ステアリル−p−アミノフェノール、 4−ヒドロキシサリチルアニリド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、n−ブチルビス(ヒドロキシフェニル)アセテート、α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、没食子酸ステアリル、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)サルファイド、p−tert−ブチルフェノール、 p−フェニルフェノール、 p−ベンジルフェノール、1−ナフトール、2−ナフトール等のフェノール性化合物、N,N’−ジ−m−クロロフェニルチオウレア等のチオ尿素化合物、安息香酸、 p−tert−ブチル安息香酸、トリクロロ安息香酸、3−sec−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸、サリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−tert−ブチルサリチル酸、4−(2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ)サリチル酸、4−(3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ)サリチル酸、5−(p−(2−(p−メトキシフェノキシ)エトキシ)クミル)サリチル酸等の芳香族カルボン酸、およびこれら芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属との塩、さらにはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩等の有機酸性物質等が挙げられる。これらは2種以上を混合しても良い。これら中でも特に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン<ビスフェノールS>等のビスヒドロキシフェニルスルホン類、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン等の4−ヒドロキシフェニルアリールスルホン類が好ましい。
通常感熱記録体においては、感度向上を目的として増感剤が使用される。本発明の感熱記録体においても、目的に応じて感熱記録層中に増感剤を添加することができる。以下にその具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではなく、またこれらを2種類以上混合して使用しても良い。
ステアリン酸アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベンズアミド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、N−エイコサン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチロールアマイド、N−メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸−ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸−ジ−p−クロロベンジル、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、p−ベンジルビフェニル、1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン<PMB−2>、トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(2−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタン等が例示される。これらの増感剤は、通常、電子供与性ロイコ染料1重量部に対して0.1〜10重量部が使用される。
また、本発明の感熱記録体には、保存時の安定化のために保存安定剤を使用することができる。該保存安定剤の具体例としては、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4’−ブチリデンビス(2−tertーブチル−5−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−tertーブチル−5−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)などのヒンダードフェノール化合物、4−ベンジロキシ−4’−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、ナトリウム、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート等が挙げられ、これらの保存安定剤は、通常電子供与性ロイコ染料1重量部に対して0.1〜10重量部が使用される。
本発明の感熱記録体において、使用されるバインダーの具体例としては、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、ケイ素変性ポリビニルアルコール、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、エチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、スチレン−アクリル酸共重合体アルカリ塩などの水溶性バインダー、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体などのラテックス類、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、ポリウレタン樹脂などの水分散性バインダーなどが挙げられる。これらのバインダーは、少なくともその一種類が感熱記録層、オーバーコート層、中間層、アンダーコート層、またはバックコート層の全固形量に対して5〜80重量%の範囲で使用される。
また、填料としては、活性白土、クレー、焼成クレー、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミニウムなどの無機填料、尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂などの有機填料などが利用される。
さらに、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどの分散剤、界面活性剤、消泡剤、蛍光増白剤、耐水化剤、滑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などが所望に応じて利用される。
本発明の感熱記録体における支持体としては、上質紙、中質紙、再生紙、コート紙等の紙が主として利用されるが、各種の不織布、プラスチックフィルム、合成紙、金属箔等あるいはこれらを組み合わせた複合シートなどが任意に用いられる。
さらに、保存性を高める目的で高分子物質等のオーバーコート層を感熱記録層上に設けたり、発色感度を高める目的で填料を含有した高分子物質等のアンダーコート層を感熱記録層下に設けることもできる。感熱記録層とオーバーコート層との間に中間層を設けてもよい。
以上述べたような各種材料を用いて、本発明の感熱記録体は従来公知の方法によって製造することができる。感熱記録体の各層用塗液の調製方法については特に限定するものではなく、一般に水を分散媒体とし、光吸収材料、電子供与性ロイコ染料、および電子受容性顕色剤の他、バインダーや必要に応じて添加される填料、滑剤などを混合撹拌して調製される。ロイコ染料および顕色剤は、それぞれ別々に水系でサンドグラインダー、アトライター、ボールミルなどで粉砕、分散した後、混合することによって水系の塗料を得る方法や、ロイコ染料および顕色剤のいずれかをマイクロカプセル化した後に水系の塗料を得る方法などが知られている。ロイコ染料と顕色剤との使用比率は、用いるロイコ染料や顕色剤の種類に応じて適宜選択され特に限定するものではないが、ロイコ染料1重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは0.1〜10重量部程度の顕色剤が使用される。
光吸収材料は、本発明ではロイコ染料1重量部に対して0.1重量部以下のような極めて少ない使用量でも、優れた発色性能を得ることができる。特に0.01〜0.08重量部程度が好適である。感熱記録層全固形分に対しては0.05〜5重量%程度、より好ましくは、0.05〜3重量%使用される。消色剤は、光吸収材料1重量部に対して0.01〜25重量部、好ましくは0.05〜10重量部程度使用される。本発明において光吸収材料は、予め増感剤と分散したり、溶解あるいは溶融混合して用いることにより、光吸収能が高められ効果的である。また、増感剤に分散または混合後、平均粒径3μm以下に微粒化するとより好ましい。増感剤としては、感熱記録層と同じものが使用可能である。
近赤外線吸収剤、消色剤および発色材料(ロイコ染料、顕色剤、増感剤)は平均粒径3μmを越えないように微粒化するのがより好ましい。その理由としては、材料を微粒化すればするだけ、発色した印字部のドット径が光源であるレーザー光のスポット径とほとんど同じで、かつ均一なドット径となり、高画質で鮮明な印字や線描が得られると考えられるからである。
感熱記録体の各層の形成方法については特に限定されず、エアーナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアーブレードコーティング、ロッドブレードコーティング、ショートドウェルコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティング等を適宜選択することができ、例えば感熱記録層用塗液を支持体上に塗布、乾燥した後、さらにオーバーコート層用塗液を感熱記録層上に塗布、乾燥する等の方法で形成される。また、感熱記録層用塗液の塗布量は乾燥重量で2〜12g/m程度、好ましくは3〜10g/m程度、アンダーコート層、中間層またはオーバーコート層用塗液の塗布量は乾燥重量で、0.1〜15g/m程度、好ましくは0.5〜10g/m程度の範囲で調節される。
なお、本発明の感熱記録体は必要に応じて支持体の裏面側にバックコート層を設け、保存性を一層高めることも可能である。更に、各層形成後にスーパーカレンダー掛けなどの平滑化処理等を施すことができる。
また、消色工程の条件としては、画像記録を行なった後に光を全面照射して行なう。この際の照射光の波長は600nmの可視光あるいは800nmの近赤外光が好ましい。さらに、感熱記録層が発色しない程度の熱処理を同時に行なうことで、消色は促進されるためより好ましい。
以下、この発明を具体的な実施例により詳述する。ただし本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、「部」および「%」は、特に断らない限りそれぞれ「重量部」および「重量%」を示す。
[評価試験]
下記実施例1〜18および比較例1〜3より得られたレーザー記録型感熱記録体に、松下電送グラフィックプリンティング製ドライプロッターGX−3700(波長830nm)を用いてレーザー記録を行ない、画像部と地色部の濃度をマクベス濃度計RD−19で測定した。
その後、600nmの可視光ランプで全面照射して光吸収材料を失活させて無色化(消色)し、地色部の濃度をマクベス濃度計RD−19で測定した。
また、スキャナー(読み取り波長630nm)で読み取ったときの読み取り性を、○:良く読み取れる、×:精度が悪い(または読み取れない)で表した。
さらに、無色化を行なった後のレーザー記録型感熱記録体に、再度レーザーで記録した際の偽造防止能力(追記できないものが優れている)を、○:発色せず追記不可能、△:わずかに発色する、×:発色し追記可能で表した。
次に、自然光(蛍光灯などの室内光や太陽光)に暴露された状態で放置した際の用紙保管中における耐光安定性を評価するために、5000ルクスの蛍光灯下に24時間放置した下記実施例1〜18および比較例1〜3より得られたレーザー記録型感熱記録体を、松下電送グラフィックプリンティング製ドライプロッターGX−3700(波長830nm)にてレーザー記録を行なった。画像部の濃度をマクベス濃度計RD−19で測定し、自然光暴露による耐光安定性を、○:良好な発色能を有する、△:わずかに発色する、×:発色せず使用不可能で表した。
[実施例1]
A液(顕色剤分散液)
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン<D−8>
6.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液 20.0部
水 10.0部
上記の組成物の混合液をサンドグラインダーで平均粒子径1ミクロンまで磨砕した。
B液(光吸収材料分散液)
Figure 2005199440
<昭和電工製IR2MF>
0.3部
1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン<PMB−2> 5.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液 10.0部
水 6.0部
上記の組成物の混合液をサンドグラインダーで平均粒子径1ミクロンまで磨砕した。
C液(消色剤分散液)
Figure 2005199440
<昭和電工製P3B>
0.3部
1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン<PMB−2> 5.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液 10.0部
水 6.0部
上記の組成物の混合液をサンドグラインダーで平均粒子径1ミクロンまで磨砕した。
D液(染料分散液)
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン<ODB−2>
3.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液 5.0部
水 2.0部
上記の組成物の混合液をサンドグラインダーで平均粒子径1ミクロンまで磨砕した。
E液(耐熱性老化防止剤分散液)
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 6.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液 20.0部
水 10.0部
上記の組成物の混合液をサンドグラインダーで平均粒子径1ミクロンまで磨砕した。次いで下記の割合で分散液を混合して塗液とした。
A液 40.0部
B液 5.0部
C液 10.0部
D液 10.0部
E液 6.0部
シリカ30%分散液 30.0部
上記塗液を60g/mの紙の片面に塗布量7.0g/mになるように塗布乾燥して、レーザー記録型感熱記録体を作成した。(感熱記録層中、光吸収材料の使用量はロイコ染料1部に対して約0.02部である。)
[実施例2]
実施例1の消色剤を、下記構造式
Figure 2005199440
<昭和電工製BP3B>
に、また耐熱性老化防止剤を3,4−ジヒドロキシフェニル−p−トリルスルホンに変えた以外は、実施例1と全く同様にしてレーザー記録型感熱記録体を作成した。
[実施例3]
実施例1の消色剤を、下記構造式
Figure 2005199440
<昭和電工製N3B>
に、またE液(耐熱性老化防止剤)をMgO20%分散液に変えた以外は、実施例1と全く同様にしてレーザー記録型感熱記録体を作成した。
[実施例4]
実施例1のC液(消色剤)を使わずに、またE液(耐熱性老化防止剤)をステアリン酸亜鉛20%分散液に変えた以外は実施例1と全く同様にしてレーザー記録型感熱記録体を作成した。
[実施例5]
実施例1の光吸収材料を、下記構造式
Figure 2005199440
<昭和電工製IR13F>
に、また退色防止剤をステアリン酸亜鉛20%分散液に変えた以外は、実施例1と全く同様にしてレーザー記録型感熱記録体を作成した。
[実施例6]
実施例2の光吸収材料を、昭和電工製IR13Fに、また退色防止剤を2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン分散液に変えた以外は、実施例2と全く同様にしてレーザー記録型感熱記録体を作成した。
[実施例7]
実施例3の光吸収材料を、昭和電工製IR13Fに、また退色防止剤を3,4−ジヒドロキシフェニル−p−トリルスルホン分散液に変えた以外は、実施例3と全く同様にしてレーザー記録型感熱記録体を作成した。
[実施例8]
実施例4の光吸収材料を、昭和電工製IR13Fに、また退色防止剤をMgO20%分散液に変えた以外は、実施例4と全く同様にしてレーザー記録型感熱記録体を作成した。
[実施例9]
実施例1の光吸収材料を、下記構造式
Figure 2005199440
<昭和電工製IRB>
に、また退色防止剤をMgO20%分散液に変えた以外は、実施例1と全く同様にしてレーザー記録型感熱記録体を作成した。
[実施例10]
実施例2の光吸収材料を、昭和電工製IRBに、また退色防止剤をステアリン酸亜鉛20%分散液に変えた以外は、実施例2と全く同様にしてレーザー記録型感熱記録体を作成した。
[実施例11]
実施例3の光吸収材料を、昭和電工製IRBに、また退色防止剤を2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン分散液に変えた以外は、実施例3と全く同様にしてレーザー記録型感熱記録体を作成した。
[実施例12]
実施例4の光吸収材料を、昭和電工製IRBに、また退色防止剤を3,4−ジヒドロキシフェニル−p−トリルスルホン分散液に変えた以外は、実施例4と全く同様にしてレーザー記録型感熱記録体を作成した。
[実施例13]
実施例1の光吸収材料を、下記構造式
Figure 2005199440
<昭和電工製IRT>
に、また退色防止剤を3,4−ジヒドロキシフェニル−p−トリルスルホン分散液に変えた以外は、実施例1と全く同様にしてレーザー記録型感熱記録体を作成した。
[実施例14]
実施例2の光吸収材料を、昭和電工製IRTに、また退色防止剤をMgO20%分散液に変えた以外は、実施例2と全く同様にしてレーザー記録型感熱記録体を作成した。
[実施例15]
実施例3の光吸収材料を、昭和電工製IRTに、また退色防止剤をステアリン酸亜鉛20%分散液に変えた以外は、実施例3と全く同様にしてレーザー記録型感熱記録体を作成した。
[実施例16]
実施例4の光吸収材料を、昭和電工製IRTに、また退色防止剤を2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン分散液に変えた以外は、実施例4と全く同様にしてレーザー記録型感熱記録体を作成した。
[実施例17]
実施例1のA、B、C、D、E液に加えて、F液を調整した。
F液(600〜700nmの光を吸収するロイコ染料分散液)
3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド<GN−2>
1.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液 5.0部
水 2.0部
上記の組成物の混合液をサンドグラインダーで平均粒子径1ミクロンまで磨砕した。次いで下記の割合で分散液を混合して塗液とした。
A液 40.0部
B液 5.0部
C液 10.0部
D液 10.0部
E液 6.0部
F液 10.0部
シリカ30%分散液 30.0部
上記塗液を60g/mの紙の片面に塗布量7.0g/mになるように塗布乾燥して、レーザー記録型感熱記録体を作成した。
[実施例18]
実施例1で作成し得られたレーザー記録型感熱記録体にレーザー記録を行ない、無色化する際に波長360nmの紫外光ランプを用いた以外は、実施例1と全く同様に試験を行なった。
[比較例1]
実施例1の光吸収材料を、日本化薬製CY−20(シアニン系光吸収材料)に変えた以外は、実施例1と全く同様にしてレーザー記録型感熱記録体を作成した。
[比較例2]
実施例1の光吸収材料を、林原生物化学研究所製NK−6288(シアニン系光吸収材料)に変えた以外は、実施例1と全く同様にしてレーザー記録型感熱記録体を作成した。
[比較例3]
実施例1のE液(耐熱性老化防止剤)を使わずに、それ以外は実施例1と全く同様にしてレーザー記録型感熱記録体を作成した。
以上、実施例および比較例で用いられた光吸収材料と消色剤、退色防止剤を表3に、評価結果を表4に示す。
Figure 2005199440
Figure 2005199440

Claims (4)

  1. 支持体上に、少なくともレーザー光を吸収して熱に変換する光吸収材料と無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料および電子受容性顕色剤とを主成分として含有する感熱記録層を設けた感熱記録体において、光吸収剤として下記式(I)で示される化合物と退色防止剤とを含有することを特徴とするレーザー記録型感熱記録体。
    Figure 2005199440
    (式中、nは1〜4の整数を表し、Xn、YnおよびZnの構造式は下記表1に示す)
    Figure 2005199440
  2. 前記請求項1に記載の感熱記録体において、退色防止剤が耐熱性老化防止剤、金属酸化物、金属石鹸から選ばれた少なくとも1種の化合物であることを特徴とするレーザー記録型感熱記録体。
  3. 前記請求項2に記載の感熱記録体において、消色剤として下記一般式(II):
    Figure 2005199440
    (式中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立してアルキル基、アリール基、アリル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シリル基、複素環基、置換アルキル基、置換アリール基、置換アリル基、置換アラルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基または置換シリル基を示し、R、R、RおよびRのうち少なくとも1個は炭素数1〜12のアルキル基;R、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アリル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、複素環基、置換アルキル基、置換アリール基、置換アリル基、置換アラルキル基、置換アルケニル基または置換アルキニル基を示す。)
    で示される化合物を含有することを特徴とするレーザー記録型感熱記録体。
  4. 前記請求項3に記載の消色剤が、下記式(III):
    Figure 2005199440
    (式中、mは1〜3の整数を表し、Zmの構造式は下記表2に示す)
    Figure 2005199440
    で示される化合物であることを特徴とするレーザー記録型感熱記録体。
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