JP2005198528A - 免疫賦活食品 - Google Patents

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照海 高岡
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Abstract

【課題】
培地、菌糸体、子実体の少なくとも1つを乾燥、粉砕した加工物と、約71wt%の食物繊維を含む稲若葉加工物とを混合して食品に加工することにより、抗ガン作用と、食物繊維による腸のぜん動運動の活発化に基づく腸内環境の改善作用との充分な相乗効果を得ることができると共に、熱水抽出物を用いることなく培地、菌糸体、子実体の少なくとも1つを乾燥、粉砕して加工するので、成分の廃棄がなく、これらに含まれている成分をそのまま摂取することができる免疫賦活食品の提供を目的とする。
【解決手段】
菌類を発生させる培地4と、培地4にて発生した菌糸体と、子実体とのうちの少なくとも1つを乾燥n2、粉砕n3した加工物1と、稲若葉加工物2とが混合n11されたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、免疫賦活作用および抗腫瘍作用(いわゆる抗ガン作用)を有するような免疫賦活食品に関する。
従来、上述例の免疫賦活食品としては次のようなものがある。
すなわち、ケール加工物(ケールおよびその乾燥粉末、ケールの細片化物およびその乾燥粉末、ケール搾汁およびその乾燥粉末、ケールのエキスおよびその乾燥粉末などの総称)と、免疫賦活作用を有する成分が含有された素材としての菌類(アガリクス、霊芝、マイタケ、シイタケ、マツタケ、エノキタケおよび冬虫夏草のうち少なくとも1つ)とを含む免疫賦活食品である(特許文献1参照)。
この従来の免疫賦活食品においては次のような問題点があった。
すなわち、上述の菌類、例えばシイタケ、マツタケ、アガリクスは主として熱水抽出物が用いられている。つまり、粉砕したシイタケまたはマツタケまたはアガリクスを一旦乾燥させ、乾燥物に適量の蒸留水を加え、所定時間攪拌しながら加熱して熱水抽出した熱水抽出物を用いているので、この場合には、免疫賦活作用を有する成分の大半が廃棄されることになる。
また、ケール加工物と菌類とを含む免疫賦活食品であるから、菌類による抗ガン作用と、ケール加工物に含まれる食物繊維の作用とにより、ある程度の相乗効果が期待できるものの、ケール加工物中の食物繊維は最大でもせいぜい約30wt%であって、充分な相乗効果が期待できない問題点があった。
特開2002−209552号公報
そこで、この発明は、培地、菌糸体、子実体の少なくとも1つを乾燥、粉砕した加工物と、約71wt%の食物繊維を含む稲若葉加工物とを混合して食品に加工することにより、抗ガン作用と、食物繊維による腸のぜん動運動の活発化に基づく腸内環境の改善作用との充分な相乗効果を得ることができると共に、熱水抽出物を用いることなく培地、菌糸体、子実体の少なくとも1つを乾燥、粉砕して加工するので、成分の廃棄がなく、これらに含まれている成分をそのまま摂取することができる免疫賦活食品の提供を目的とする。
この発明による免疫賦活食品は、菌類を発生させる培地と、培地にて発生した菌糸体と、子実体とのうちの少なくとも1つを乾燥、粉砕した加工物と、稲若葉加工物とが混合されたものである。
上記構成によれば、稲若葉およびその加工物は約71wt%の食物繊維つまりケールの2倍以上の食物繊維を含むので、腸のぜん動運動の活発化により腸内環境の改善を図ることができ、このような稲若葉加工物の腸内環境の改善作用と、培地、菌糸体、子実体の少なくとも1つによる抗ガン作用との充分な相乗効果を得ることができる。
また、熱水抽出物を用いることなく、培地、菌糸体、子実体の少なくとも1つを乾燥、粉砕して食品と成すので、これらに含まれている成分の廃棄がなく、含まれている成分をそのまま摂取することができる。
つまり、培地、菌糸体、子実体に含まれている成分のうち免疫賦活作用を奏する成分はβグルカンのみではなく、多糖体や蛋白多糖体も免疫賦活作用を奏することが認められていて、上記構成により、これらに含まれる成分をそのまま摂取することができる。
この発明の一実施態様においては、上記培地はケール、ケールのしぼり粕、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉、発芽玄米の少なくとも1つの可食物を用いて形成されたものである。
上記構成によれば、培地を上述の可食物にて形成したので、培地そのものが菌糸体、子実体にとって望ましい濃度の栄養を有し、菌糸体および子実体の確実な発生が確保でき、また培地を食品に加工することが可能となる。
この発明の一実施態様においては、上記培地、菌糸体および子実体の全てを用いるものである。
上記構成によれば、培地(菌床)それ自体を含む菌糸体、子実体の全てを用いるので、高い栄養分を摂取することができる。つまり、培地である菌床の栄養分、特にビタミンB1、ビタミンB12は子実体の可食部を収穫した後の方が高い数値を示し、さらに抗腫瘍効果が認められているβグルガンの含量は子実体に対して菌糸体のほうが2.5〜3.5倍高くなる。
特に、培地として発芽玄米を用いる場合には、この発芽玄米に含まれている免疫賦活成分アラビノキシラン(詳しくはアラビノキシラン誘導体、可溶性の繊維で免疫賦活作用を有する)は菌糸体の作用により、さらに向上する。
この発明の一実施態様においては、上記菌類はハナビラタケ、ヤマブシタケ、トンビマイタケ、メシマコブ、タモギタケ、カバノアナタケの少なくとも1つに設定されたものである。
上記構成によれば、ハナビラタケ、ヤマブシタケ、トンビマイタケ、メシマコブ、タモギタケ、カバノアナタケは他のアガリクスなどの菌類に対してβグルカン含有量が多い(ハナビラタケで43.6%、ヤマブシタケで32.4%、トンビマイタケで25.6%、メシマコブで21.1%、タモギタケで17.1%、カバノアナタケで12.3%)ので、優れた免疫賦活作用および抗腫瘍作用を奏する。
この発明の一実施態様においては、上記稲若葉加工物は予め遠赤外線の照射によりγ−アミノ酪酸が富化されたものである。
上記構成によれば、上述の稲若葉に対して遠赤外線を照射することで、稲若葉に含まれているグルタミン酸(glutamic acid,タンパク質構成アミノ酸)がγ‐アミノ酪酸(いわゆるGABA)に変わり、γ‐アミノ酪酸が富化される。
γ‐アミノ酪酸は化学式HNCHCHCHCOHで示され、血圧上昇抑制作用、精神安定作用、腎機能改善作用、肝機能改善作用、肥満防止作用、口臭や体臭などの消臭効果等があることが認められている。
この発明の一実施態様においては、上記稲若葉加工物を構成する稲若葉は有機栽培されたものである。
上記構成によれば、農薬および化学肥料を一切用いない有機の肥料のみで栽培されているので、慣行栽培された稲若葉に対してガン抑制成分としてのサリチル酸が5倍以上となり、かつ安全な免疫賦活食品を得ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記培地、菌糸体、子実体の少なくとも1つと、稲若葉加工物とは0.5〜100ミクロンの超微粉末に粉砕されたものである。
上記構成によれば、培地、菌糸体、子実体の少なくとも1つの加工物と、稲若葉加工物との双方を0.5〜100μの超微粉末に粉砕したので、両者の混合時に固まりになることなく、均一に混合することができるうえ、体内に吸収されやすくなる。
この発明によれば、培地、菌糸体、子実体の少なくとも1つを乾燥、粉砕した加工物と、約71wt%の食物繊維を含む稲若葉加工物とを混合して食品に加工したので、抗ガン作用と、食物繊維による腸のぜん動運動の活発化に基づく腸内環境の改善作用との充分な相乗効果を得ることができると共に、熱水抽出物を用いることなく培地、菌糸体、子実体の少なくとも1つを乾燥、粉砕して加工するので、成分の廃棄がなく、これらに含まれている成分をそのまま摂取することができる効果がある。
抗ガン作用と、食物繊維による腸のぜん動運動の活発化に基づく腸内環境の改善作用との充分な相乗効果を得ることができ、かつ成分の廃棄がなく、これらに含まれている成分をそのまま摂取し得るという目的を、培地、菌糸体、子実体の少なくとも1つを乾燥、粉砕した加工物と、稲若葉加工物とを混合して食品に加工する構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は免疫賦活食品をその製造工程の順に示し、この実施例では図1に示す菌類加工物1と、稲若葉加工物2とを混合して、免疫賦活食品3を製造する。
上述の菌類としては、βグルカン含有量が43.6%のハナビラタケ、32.4%のヤマブシタケ、25.6%のトンビマイタケ、21.1%のメシマコブ、17.1%のタモギタケ、12.3%のカバノアナタケ、の少なくとも1つを用いるが、βグルカン含有量は多い程、望ましく、βグルカン含有量が40%以上のハナビラタケが最も望ましい。
菌類を成長させるためには培地4(図1、図2参照)が必要であり、この培地(菌床)4は次の手段によって作製されることが望ましいので、免疫賦活食品の説明に先立って、まず培地4の作製方法について説明する。
(培地の作製方法)
まず、ケール、ケールのしぼり粕、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉、発芽玄米(何れも可食物)の少なくとも1つとして、無農薬、無化学肥料による有機の肥料のみで栽培されたケール6(図2参照)の生葉と、発芽玄米5(図2参照)とを準備する。
ここで、準備した上述の可食物は比較的強い抗菌作用を有するので、この抗菌作用を低減して、培地4として望ましい状態つまり抗菌作用を弱めて菌類の発生を良好ならしめると共に、可食物の栄養価をそのままの状態に保つことを目的として、該可食物には釜茹等の低温加熱または蒸気にて蒸す処理が施されるが、蒸気による蒸し処理が望ましい。
次にケール6と発芽玄米5のうちの有機ケールの生葉に対して遠赤外線を20〜60秒間の範囲で照射して、γ‐アミノ酪酸を富化する。なおケールの生葉は必要に応じて適宜長さにスライスしてもよい。
次にケールの生葉の水分が6〜8wt%になるように1次乾燥する。
次にケールの生葉に再度遠赤外線を照射して、ケールの生葉に含有する水分が約3wt%前後になるように2次乾燥する。これらの乾燥処理により、ケールのγ‐アミノ酪酸は100g中650mgを確保することができる。
一方、発芽玄米5としては、無農薬で化学肥料を一切使用しない有機栽培されたもので、かつ遠赤外線の照射によりγ‐アミノ酪酸が富化された発芽玄米を用い、この発芽玄米に対する遠赤外線の照射時間も20〜60秒の範囲に設定すると、照射時間が範囲外のものに対してγ‐アミノ酪酸の含量が最大となり、白米に対して約16倍となる。
特に、玄米を発芽させて発芽玄米5と成すことにより、リンが供給され、リン酸酵素が働いて、フィチン酸がリン酸とイノシトールとに分解され、蛋白質はアミノ酸に、脂肪は必須脂肪酸に、澱粉は糖に、ミネラルはアミノ酸と結びついた形に変わり、菌類いわゆるキノコや身体に対しても吸収されやすくなり、かつ亜鉛などのミネラル類やビタミンが数倍に増える。
また発芽玄米5は脂質代謝を正常化する働きのあるイノシトール、抗ガン作用が認められているIP6(いわゆるフィチン酸)、自律神経障害を緩和する働きのあるγ‐オリザノール、腸内環境を整える作用を有する食物繊維、コレステロールを低下させ血液を正常な状態にする作用をもったトコトリエノール、強い抗酸化作用のあるフェルラ酸などの重要な栄養素を含んでいる。
このような発芽玄米5を準備した後に、図2に示すように、この発芽玄米5と上述の各処理を経たケール6とを混合して培地4を作る。
発芽玄米5と上記各処理が完了したケール6との混合割合(重量比率)は発芽玄米:ケールで9:1〜1:9の範囲、例えば9:1、8:2、7:3、6:4、5:5、4:6、3:7、2:8、1:9、または、これらの中間割合に設定することができ、栽培すべき菌類の種類に対応して任意の割合に選定する。
このようにして作製された培地4つまり菌床は菌類いわゆるキノコの培地として最適となり、かつ副成分や栄養分を別途添加することなく、キノコにとって好濃度の栄養をもつことになる。また、培地4の各種の栄養分は菌類に吸収される。
以上が培地4つまり菌床の作製工程である。なお、培地4の水分は60〜90wt%に設定する。また、この培地4は多量の略粒形状の発芽玄米5を有するので、充分高い空隙率を有し、酸素量が多いので、キノコ栽培時における菌糸体7(図2参照)の接触面積の増大、換言すれば菌糸体成長の拡大を図ることができる。
なお、上述の培地4は望ましい1つの例であって、これに限定されるものではない。
(菌類の発生)
次に、上述の培地4を用いて図2に示す菌類の菌糸体7および子実体8を発生させる(菌類発生工程n1)。
すなわち、培地4に、まず種菌を接種し、菌糸体7を成長させ、この菌糸体7の成長を継続して蔓延増殖させた後に、菌掻きを行い芽出し処理を施すと子実体8を得ることができた。この子実体8は培地4に発芽玄米5のみならずケール6を混合したので、順調かつ確実な発育が可能となり、子実体8は均質かつ発育度の高いものとなった。
(菌類加工物の製造)
この実施例の免疫賦活食品3は、上述の培地4にて成長させた菌類すなわち、ハナビラタケ、ヤマブシタケ、トンビマイタケ、メシマコブ、タモギタケ、カバノアナタケ、の少なくとも1つの菌類および/または培地4を用いて製造するものであって、以下、免疫賦活食品3について、その製造工程に従って詳述する。
図1に示す乾燥工程n2で、培地4、菌糸体7、子実体8の少なくとも1つ、望ましくは全てを用いて、この培地4および/または菌類に対して遠赤外線を照射して、その水分が3wt%前後になるまで乾燥処理する。上述の菌類はグルタミン酸および/またはその塩を含有するので、乾燥処理において遠赤青汁を適度に照射すると、γ−アミノ酪酸および必須アミノ酸の高化を図ることができる。
次に、粉砕工程n3で、乾燥処理後培地4および/または菌類を粉砕により微粉末とし、細胞膜を粉砕した0.5μ〜80μと成した菌類加工物1(この実施例では培地4、菌糸体7、子実体8の少なくとも1つ、望ましくは全ての加工物を菌類加工物と称している)を形成する。細胞膜破砕処理により体内に吸収されやすい状態となる。粉砕装置としてはミル等の粉砕手段を用いることができる。
一方、図1に示す稲若葉加工物2を形成するために、無農薬、無化学肥料による有機の肥料のみで栽培された稲若葉9を準備する。
この稲若葉9については草丈約20cm〜約50cmで、出穂前の若葉の段階で刈取ったものを用いる。
稲若葉加工物2を形成する場合には、先ずスライス工程n4で、採取した稲若葉9を約0.5cm〜約10cmの葉片にスライスする。
次に一次遠赤外線処理による富化工程(詳しくはγ−アミノ酪酸及び必須アミノ酸の富化工程)n5で、所定大に切断された葉片に対して遠赤外線を約0.5分(約30秒)〜約2.5分の所定短時間の範囲内で照射する。遠赤外線の照射時間が約2.5分を超過すると、必須アミノ酸の合成量が減少する。
上述の葉片に遠赤外線を可及的万遍なく略均一に照射すると、葉片に含まれているグルタミン酸がγ−アミノ酪酸(いわゆるGABA)に変わるので、このγ−アミノ酪酸の富化、倍加、増大を図ることができると共に、遠赤外線照射により必須アミノ酸の合成が促進される。
次に洗浄工程n6で、富化処理後の葉片を水または水に対して殺菌剤としてのクエン酸を加えた溶液を用いて洗浄処理する。
次に殺菌工程n7で、洗浄後の葉片を殺菌する。この殺菌処理には、次亜塩素酸ソーダを混入した適宜濃度の殺菌水に浸して行なう。薬剤としては蒸気の他にクエン酸や、高度サラシ粉等からなる適宜の弱酸性機能水生成用薬剤等を用い、殺菌水に所定時間浸した後に、水洗いを行なう。
次に予備乾燥工程n8で、殺菌後の葉片を予備乾燥室に入れて、予備乾燥し、残りの水分が約5wt%〜約8wt%になるように乾燥する。
次に二次赤外線処理工程n9で、予備乾燥後の葉片を遠赤外線乾燥室に入れて、遠赤外線を略均一に照射し、乾燥処理により水分を除去し、残りの水分が約2wt%〜約3wt%になるように乾燥する。
上述の富化工程n5による一次遠赤外線照射処理と、工程n9の二次遠赤外線照射処理との相乗効果により、緑色保持しているγ−アミノ酪酸の含有率がさらに高められる。
次に粉砕工程n10で、稲若葉9をその粒径が約0.5μm〜約80μmになるように微粉砕して、稲若葉加工物2を形成する。
上述の各工程n7,n8間または工程n8,n9間または工程n9,n10間の何れかにおいて稲若葉9の葉片を発酵させる場合と、発酵させない場合との態様がある。
稲若葉9の葉片を発酵させる場合には、納豆菌、酵母菌、乳酸菌を単独または複数混合して、稲若葉9の葉片に加えて、この葉片を発酵させる。
この発酵処理により、稲若葉9が有するたんぱく質などが分解し、これらの高分子化合物が低分子化される(アミノ酸量が増加する)ので、摂取時における身体への吸収力が向上する。この場合も前工程において、蒸気による蒸し処理又は釜茹等の低温加熱処理等を行い、発酵の促進のため抗菌作用の減退を図ることとしてもよい。
一方、発酵させない場合であっても、稲若葉9の繊維は単一方向の繊維であって、水に溶けやすい性質を有している。
菌類加工物1それ自体が仮に水に溶けにくくても、単一方向の繊維を有し、かつ水に溶けやすい非発酵の稲若葉加工物2を菌類加工物1と混合(後述する工程n11参照)することにより、全体として水に溶けやすくなり、また顆粒に加工する場合と異なって微粉末状に加工(各工程n3,n10参照)するので、高温の熱が加えられることがなく、栄養価の劣化もない。
図1に示す工程n4〜n10を経て製造された稲若葉加工物2を、アミノ酸自動分析器を用いて測定した結果(GABA含量)を、次の[表1]に示す。なお[表1]中の時間は工程n5における遠赤外線の照射時間である。
Figure 2005198528
この[表1]により遠赤外線処理で稲若葉9中のGABA含量が増大していることが明白である。
上述のGABAの含量は処理前の19mgから46〜59mgに増大し、緑色が一段と濃くなり、しかも、タンパク質、脂質、糖質、繊維、食物繊維、カルシウム、リン、鉄、マグネシウム、亜鉛、総カロチン、サイアミン(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、総アスコルピン酸(ビタミンC)、総トコフェロール(ビタミンE)、メチルメチオニンスルホニウム塩(ビタミンU)、スーパーオキシド消去活性、総クロロフィル等の成分はほとんどそのまま維持されていることが判明した。
一方、図1に示す上程n4〜n10を経て製造された稲若葉加工物2の必須アミノ酸量を生体液分析法により測定した結果を次の[表2]に示す。なお、実施例品1では工程n5の遠赤外線照射時間を約30秒に設定し、実施例品2では約40秒に設定し、実施例品3では約2.5分に設定し、比較例品では遠赤外線を一切照射しないものである。
Figure 2005198528
ここに、Thrはスレオニン(又はトレオニン)、Valはバリン、Metはメチオニン、Ileはイソロイシン、Leuはロイシン、Pheはフェニルアラニン、Hisはヒスチジン、Lysはリジン(又はリシン)、Trpはトリプトファンの略であり、His以外の8種類は必須アミノ酸である。またHiSは体内で合成されるものの、急速な発育をする幼児期に欠かせないアミノ酸(非必須アミノ酸)であり、上記[表2]から明らかなように、遠赤青汁一切照射しない比較例品に対して、実施例品1〜3は必須アミノ酸のそれぞれ及び総量が共に大幅に増加していることが判明した。
(免疫賦活食品の製造)
次に、図1に示す工程図の混合工程n11で、菌類加工物1と稲若葉加工物2とを所定割合にて均一に混合し、免疫賦活食品3を形成する。
なお、菌類加工物1と稲若葉加工物2との混合割合(重量比率)は用途に応じて菌類加工物:稲若葉加工物で9:1〜1:9の範囲、例えば9:1、8:2、7:3、6:4、5:5、4:6、3:7、2:8、1:9、または、これらの中間割合に設定することができ、菌類加工物1の混合割合が多い程、抗ガン作用が増大し、稲若葉加工物2が多い程、腸内環境の改善作用が増大する。
なお、培地4、菌糸体7、子実体8の粉砕、稲若葉9の粉砕については、同一の粉砕装置を用いて同時に粉砕すべく構成してもよい。
上述の免疫賦活食品3の形態は任意であり、粉末状の免疫賦活食品3と成す場合には、混合された状態のまま取出し、顆粒状、ハードカプセル、ソフトカプセル、粒状の免疫賦活食品3と成す場合には成形機(図示せず)を用いて所定の形状と成す。
また粉末状のものを分包製品と成してもよく、またはレトルト食品化してもよく、さらには各種の飲食品に配合して飲食に供するように成してもよい。
このように、上記実施例の免疫賦活食品は、菌類を発生させる培地4と、培地4にて発生した菌糸体7と、子実体8とのうちの少なくとも1つを乾燥、粉砕した加工物1と、稲若葉加工物2とが混合されたものである。
この構成によれば、稲若葉9およびその加工物2は約71wt%の食物繊維つまりケールの2倍以上の食物繊維を含むので、腸のぜん動運動の活発化により腸内環境の改善を図ることができ、このような稲若葉加工物2の腸内環境の改善作用と、培地4、菌糸体7、子実体8の少なくとも1つによる抗ガン作用との充分な相乗効果を得ることができる。
また、熱水抽出物を用いることなく、培地4、菌糸体7、子実体8の少なくとも1つを乾燥、粉砕して食品3と成すので、これらに含まれている成分の廃棄がなく、含まれている成分をそのまま摂取することができる。
つまり、培地4、菌糸体7、子実体8に含まれている成分のうち免疫賦活作用を奏する成分はβグルカンのみではなく、多糖体や蛋白多糖体も免疫賦活作用を奏することが認められていて、上記構成により、これらに含まれる成分をそのまま摂取することができる。
さらに、上記培地4はケール、ケールのしぼり粕、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉、発芽玄米の少なくとも1つの可食物を用いて形成されたものである。
この構成によれば、培地4を上述の可食物にて形成したので、培地4そのものが菌糸体7、子実体8にとって望ましい濃度の栄養を有し、菌糸体7および子実体8の確実な発生が確保でき、また培地4を食品に加工することが可能となる。
しかも、上記培地4、菌糸体7および子実体8の全てを用いるものであるから、培地4および菌類に無駄がなく、免疫賦活食品3の製産性が向上することは勿論、
培地4(菌床)それ自体を含む菌糸体7、子実体8の全てを用いるので、高い栄養分を摂取することができる。つまり、培地4である菌床の栄養分、特にビタミンB1、ビタミンB12は子実体8の可食部を収穫した後の方が高い数値を示し、さらに抗腫瘍効果が認められているβグルガンの含量は子実体8に対して菌糸体7のほうが2.5〜3.5倍高くなる。
特に、培地4として発芽玄米5を用いる場合には、この発芽玄米5に含まれている免疫賦活成分アラビノキシラン(詳しくはアラビノキシラン誘導体、可溶性の繊維で免疫賦活作用を有する)は菌糸体7の作用により、さらに向上する。
また、上記菌類はハナビラタケ、ヤマブシタケ、トンビマイタケ、メシマコブ、タモギタケ、カバノアナタケの少なくとも1つに設定されたものである。
この構成によれば、ハナビラタケ、ヤマブシタケ、トンビマイタケ、メシマコブ、タモギタケ、カバノアナタケは他のアガリクスなどの菌類に対してβグルカン含有量が多い(ハナビラタケで43.6%、ヤマブシタケで32.4%、トンビマイタケで25.6%、メシマコブで21.1%、タモギタケで17.1%、カバノアタケで12.3%)ので、優れた免疫賦活作用および抗腫瘍作用を奏する。
さらに、上記稲若葉加工物2は予め遠赤外線の照射によりγ−アミノ酪酸が富化されたものである。
この構成によれば、上述の稲若葉9に対して遠赤外線を照射することで、稲若葉9に含まれているグルタミン酸(glutamic acid,タンパク質構成アミノ酸)がγ‐アミノ酪酸(いわゆるGABA)に変わり、γ‐アミノ酪酸が富化される。
γ‐アミノ酪酸は化学式HNCHCHCHCOHで示され、血圧上昇抑制作用、精神安定作用、腎機能改善作用、肝機能改善作用、肥満防止作用、口臭や体臭などの消臭効果等があることが認められている。
加えて、上記稲若葉加工物2を構成する稲若葉9は有機栽培されたものである。
この構成によれば、農薬および化学肥料を一切用いない有機の肥料のみで栽培されているので、慣行栽培された稲若葉に対してガン抑制成分としてのサリチル酸が5倍以上となり、かつ安全な免疫賦活食品を得ることができる。
また、上記培地4、菌糸体7、子実体8の少なくとも1つと、稲若葉加工物2とは0.5〜100ミクロンの超微粉末に粉砕されたものである。
この構成によれば、培地4、菌糸体7、子実体8の少なくとも1つの加工物1と、稲若葉加工物2との双方を0.5〜100μの超微粉末に粉砕したので、両者の混合時に固まりになることなく、均一に混合することができるうえ、体内に吸収されやすくなる。
本発明の免疫賦活食品をその製造工程順に示す工程図。 培地および菌類の説明図。
符号の説明
1…菌類加工物(加工物)
2…稲若葉加工物
3…免疫賦活食品
4…培地
7…菌糸体
8…子実体
9…稲若葉

Claims (7)

  1. 菌類を発生させる培地と、培地にて発生した菌糸体と、子実体とのうちの少なくとも1つを乾燥、粉砕した加工物と、稲若葉加工物とが混合された
    免疫賦活食品。
  2. 上記培地はケール、ケールのしぼり粕、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉、発芽玄米の少なくとも1つの可食物を用いて形成された
    請求項1記載の免疫賦活食品。
  3. 上記培地、菌糸体および子実体の全てを用いる
    請求項1または2記載の免疫賦活食品。
  4. 上記菌類はハナビラタケ、ヤマブシタケ、トンビマイタケ、メシマコブ、タモギタケ、カバノアナタケの少なくとも1つに設定された
    請求項1〜3の何れか1に記載の免疫賦活食品。
  5. 上記稲若葉加工物は予め遠赤外線の照射によりγ−アミノ酪酸が富化された
    請求項1〜4の何れか1に記載の免疫賦活食品。
  6. 上記稲若葉加工物を構成する稲若葉は有機栽培された
    請求項1〜5の何れか1に記載の免疫賦活食品。
  7. 上記培地、菌糸体、子実体の少なくとも1つと、稲若葉加工物とは0.5〜100ミクロンの超微粉末に粉砕された
    請求項1〜6の何れか1に記載の免疫賦活食品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008273846A (ja) * 2007-04-25 2008-11-13 Yukito Akiyama ウイルス又は病原菌由来の不活化抗原に対するアジュバント、及び分泌型IgA抗体誘導剤
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