JP2005198452A - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電動パワーステアリング装置に用いる3相モータの制御に対して、各相毎のパラメータ変化に対応し、且つ、各相毎の制御系に制御偏差が残存しない安定した電動パワーステアリング装置の制御装置を提供する。
【解決手段】3相モータに発生する逆起電圧を各相毎に算出して、各相の制御系に対して補償すれば、2相の電流制御を実行すれば、残りの1相の電流制御が自動的に実行されるので、各相個別の制御をしながら制御偏差の残らない安定した制御の解を得ることができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置の制御装置に関し、特に、制御系の安定を重視した電動パワーステアリング装置の制御装置に関する。
自動車のステアリング装置をモータの回転力で補助負荷付勢する電動パワーステアリング装置は、モータの駆動力を減速機を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に補助負荷付勢するようになっている。このような電動パワーステアリング装置の簡単な構成を図7を参照して説明する。操向ハンドル101の軸102は減速ギア103、ユニバーサルジョイント104a及び104b、ピニオンラック機構105を経て操向車輪のタイロッド106に結合されている。軸102には,操向ハンドル101の操舵トルクを検出するトルクセンサ107が設けられており、操向ハンドル101の操舵力を補助するモータ108が、減速ギア103を介して軸102に連結されている。
電動パワーステアリング装置にとって、モータ108の制御は非常に重要であり、ハンドル操作や車速などに応じてモータ108を制御する必要がある。例えば、図8は、特許文献1で開示されているように、従来から良く知られているベクトル制御を用いたモータ108の制御ブロック図である。
この制御ブロック図について説明すると、トルクセンサ107から検出される操舵トルクTrに基いてトルク指令値演算手段であるトルク指令値演算部220において演算されたトルク指令値Tref、モータ108の電気角である回転角度θおよび角速度ωが電流指令値演算手段である電流指令値演算部204に入力される。電流指令値演算部204はq軸成分の電流指令値Iqrefとd軸成分の電流指令値Idrefを算出するが、通常、電流指令値Iqrefはトルク指令値Trefに比例して、電流指令値Idrefは0である(通常はIdref=0である)。一方、モータ108の回転角度θを検出するために角度検出器が設置されており、角度検出器としてエンコーダやホールセンサなどもあるが、ここではレゾルバ201とする。レゾルバ201から出力する信号は直ちに回転角度θを示していないので、演算処理をするための位置検出回路202が必要であり、レゾルバ201に対してはRDC回路などが用いられる。位置検出回路202から出力される回転角度θが微分演算部203に入力されると角速度ωが算出される。この回転角度θおよび角速度ωは後述する制御において利用される。
本制御ブロック図はフィードバック制御を例として用いており、前述した電流指令値IqrefおよびIdrefに対してモータ108の実際のモータ電流Ia,Ib,Icを検出してフィードバックして制御する必要がある。具体的には、電流検出器205−1,205−2,205−3において、モータ電流Ia,Ib,Icが検出され、ベクトル制御のために3相/2相変換部206でモータ電流Iq、Idに変換される。この変換に、前述したモータの回転角度θが利用される。次に、モータ電流Iq,Idは減算部207−1,207−2にそれぞれフィードバックされ、減算部207−1で電流指令値Iqrefとモータ電流Iqとの偏差ΔIqが算出され、減算部207−2で電流指令値Idref(通常はIdref=0である)とモータ電流Idとの偏差ΔIdが算出される。
これらの偏差を無くすように比例積分(PI)演算部208に入力され、電圧指令値Vd,Vqが出力される。そして実際のモータ108は3相の電流を供給する必要があるので、電圧指令値Vd,Vqは2相/3相変換部209で3相の電圧指令値、Va,Vb,Vcに変換される。PWM制御部210は電圧指令値Va,Vb,Vc、或いは、PWMデュティー値Va,Vb,Vcに基いてPWM制御信号を発生し、インバータ回路211はこのPWM制御信号に基きモータ108に電流を供給して電流指令値IqrefおよびIdrefとの偏差が無くなるようにモータ電流Ia、Ib,Icを供給する。
しかし、このような3相モータの制御において、制御対象である3相のモータ電流Ia,Ib,Icを制御系の中で、一度d、q軸であるId,Iqに変換して制御量を決定し、その後再び3相に戻すという制御システムをとっている。そのため、3相の内、一部の相のみで発生した変化、例えば、モータの巻線抵抗の温度変化による抵抗値の変化が各相によって異なる場合、上述した制御システムでは、d、q軸の値に変換されたときに、各相の変化量が混合されて、各相に独自に対応した制御が不可能となり、その結果、電流制御の誤差となり、その誤差を収束することができなくなって定常誤差が残存するという問題がある。
また、電動パワーステアリング装置の制御において、3相モータをd、q軸に変換する形式を取らずに、特許文献2のように3相個別に電流制御を実行する制御システムも存在する。しかし、制御対象がモータ電流であるIa,Ib,Icの3つの制御量に対して、満足すべき条件が、各相の電流制御の他に、3相電流の総和は零である、即ち、Ia+Ib+Ic=0という合計4条件が存在するため、誤差が蓄積されて制御系が不安定になる問題がある。
特開2001−18822号公報 特開2000−118424号公報
上述したように、3相モータをd、q軸変換を用いるベクトル制御で制御すると、例えば、3相モータの巻線のインダクタンス値や抵抗値の各相毎の公差、或いは温度変化による抵抗値の変化量の各相毎のバラツキに対して各相独自の制御ができず電流制御の定常誤差として残存する課題がある。また、3相個別の電流制御では、制御量が3つであるのに対して、満足すべき条件が4つあるため、誤差が蓄積され制御系が不安定となる課題がある。
本発明は上述のような事情から成されたものであり、本発明の目的は、3相モータの制御において、各相毎の制御量のバラツキに対しても各相毎に誤差を残存させない安定したモータ制御ができる電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することにある。
本発明は、車両の操舵系に3相モータによる操舵補助力を付与するようにした電動パワーステアリング装置の制御装置に関するものであり、本発明の上記目的は、前記3相モータの各相の逆起電圧e1,e2,e3を算出する3つの各相逆起電圧算出手段と、2つの各相電流制御手段とを備え、前記2つの電流制御手段の出力である指令値ref1,ref2から残りの1相の指令値ref3を算出し、前記指令値ref1,ref2,ref3に前記逆起電圧e1,e2,e3をそれぞれ加算することによって達成される。また、本発明の上記目的は、前記3相モータの電流を検出する電流検出手段は、前記各相電流制御手段が設けられた相に設置することによってさらに効果的に達成される。また、本発明の上記目的は、前記各相逆起電圧算出手段は、前記3相モータの各相端子電圧及び各相電流に基いて前記各相の逆起電圧e1、e2、e3を算出することによってさらに効果的に達成される。また、本発明の上記目的は、前記各相逆起電圧算出手段は、前記3相モータの回転角度及び角速度に基いて前記各相の逆起電圧e1、e2、e3を算出することによってさらに効果的に達成される。
本発明によれば、3相モータに発生する逆起電圧を各相個別に補償することを前提にして2相の電流制御を実行するので、残りの1相の電流制御が一義的に決定され、その結果、制御系として安定な各相個別の電流制御が可能となり、また、各相個別の制御量のバラツキを各相毎に補償できるので各相毎の偏差を無くすことができる電動パワーステアリング装置の制御装置を提供できる効果がある。
本発明の原理を先に説明して、その後で本発明の実施例について説明する。
まず、3相モータの各相における電圧、電流の関係は図1のような関係にあり、式で表わすと数1のように表わすことができる。以下の説明で、モータの電圧として相電圧Va,Vb,Vcを検出する例について説明するが、電圧が線間電圧Vab,Vbc,Vcaであっても成立する。なお、モータの巻線抵抗Ra、Rb,RcおよびインダクタンスLa,Lb,Lcはモータの特性から求めることができる。これらの値とモータの各相逆起電圧ea,eb,ecの関係は数1の式になる。
(数1)
Va=ea+(Ra+s・La)・Ia
Vb=eb+(Rb+s・Lb)・Ib
Vc=ec+(Rc+s・Lc)・Ic
ここで、sはラプラス演算子で、ここでは微分演算(d/dt)を表わしている。
ここで、一般的に、La=Lb=Lc=L、及び、Ra=Rb=Rc=Rである。よって、数1の式は数2の式のように表わすことができる。
(数2)
Va=ea+(R+s・L)・Ia
Vb=eb+(R+s・L)・Ib
Vc=ec+(R+s・L)・Ic
これら3式を加算すると数3の式のように表わすことができる。
(数3)
Va+Vb+Vc=(ea+eb+ec)+R(Ia+Ib+Ic)+s・L(Ia+Ib+Ic)
ここで、モータ電流の総和(Ia+Ib+Ic)=0を数3に代入すると、数4の式になる。
(数4)
Va+Vb+Vc=(ea+eb+ec)
ここで、モータに誘起される各相逆起電圧ea、eb、ecに対して推定した逆起電圧eaf、ebf、ecfを補償する。モータの発生する各相逆起電圧ea、eb、ecとそれらを補償する各相逆起電圧eaf、ebf、ecfを制御ブロック図として表現すると図2のごとく表現できる。各相の電流指令値Irefに対する電流制御として、図2の例では、各相の検出電流Imをフィードバックして電流指令値との偏差を算出した後で比例積分制御する電流制御となっている。モータをモータモデルで表現すると、伝達関数(1/(R+L・s))と逆起電圧ea,eb,ecとして表現できる。図2の例では、電流制御の後で逆起電圧eaf、ebf、ecfを補償している。
図2の逆起電圧補償を数4に加味すると、数4は数5の式になる。
(数5)
Va+Vb+Vc+(eaf+ebf+ecf)=(ea+eb+ec)
或いは
Va+Vb+Vc=(ea−eaf)+(eb−ebf)+(ec−ecf)
逆起電圧補償が正しく実行されるなら、ea=eaf、eb=ebf、ec=ecfであるから、数5は数6となる。
(数6)
Va+Vb+Vc=0+0+0=0
よって、相電圧Va、Vb、Vcの関係は数7として表現できる。
(数7)
Vb=−Va−Vc
数7の意味するところは、相電圧Vbは、逆起電圧が正しく補償されていれば、相電圧VaとVcから一義的に決定される。そして、相電圧Va、Vb、Vcは電圧指令値を示し、b相の電圧指令値Vbは、他の2相の電圧指令値、即ち、a相の電圧指令値Vaとc相の電圧指令値Vcとから一義的に決定される。
以上が本発明の原理の説明である。以下本発明の実施例について説明する。
本発明の実施例について図3を参照して説明する。
3相モータ108の制御において、まず、トルク指令値Tref,回転角度θ或いは角速度ωなどを入力として電流指令値演算部204において、電流指令値Iaref,Icrefの2相の電流指令値を演算し出力している。そして、a相電流指令値Iaref及びc相電流指令値Icrefをそれぞれを入力とする各相電流制御手段としての電流制御部10−1及び電流制御部10−2の2個の電流制御手段が配されている。この実施例では、電流制御手段として、a相とc相の電流制御手段を用いたが、a相とb相、或いはb相とc相の組み合わせであっても良い。
電流制御手段10−1は減算部12−1と比例積分制御部(PI制御部)14−1とから構成され、電流指令値Iarefとa相の電流検出手段である電流検出器205−1で検出されたモータの実測電流Iaとが減算部12−1に入力され、その偏差ΔIaが算出され、偏差ΔIaはPI制御部14−1に入力され、指令値ref1に相当する電圧指令値Vanが出力される。同じように、電流制御手段10−2は減算部12−2とPI制御部14−2とから構成され、電流指令値Icrefとc相の電流検出手段である電流検出器205−2で検出されたモータの実測電流Icとが減算部12−2に入力され、その偏差ΔIcが算出され、偏差ΔIcはPI制御部14−2に入力され、指令値ref2に相当する電圧指令値Vcnが出力される。なお、a相の電流検出器205−1とc相の電流検出器205−1は、a相の電流制御手段10−1とc相の電流制御手段10−2と同じ相に対応するように配されている。次に、指令値ref3に相当する電圧指令値Vbnはa相の電圧指令値Vanとc相の電圧指令値Vcnとが加算部30−1に入力された後に、その出力を極性反転部32−1に入力することにより、極性反転部32−1の出力として算出される。
次に、各電圧指令値Van,Vbn,Vcnと、補償すべき逆起電圧e1,e3,e2にそれぞれ相当するa相の逆起電圧eaf,b相の逆起電圧ebf,c相の逆起電圧ecfとが、それぞれ加算部34−1,34−2,34−3で加算され、加算部34−1,34−2,34−3の出力としてデュティー値となる最終的な電圧指令値Varef=Van+eaf、電圧指令値Vbref=Vbn+ebf、電圧指令値Vcref=Vcn+ecfが出力される。なお、逆起電圧eaf,ebf,ecfの算出する各相逆起電圧算出手段としてのa相逆起電圧算出部20−1,b相逆起電圧算出部20−2,c相逆起電圧算出部20−3については後で図を参照して詳細に説明する。
最後に、電圧指令値Varef,Vbref,VcrefがPWM制御部210に入力され、a相、b相、c相のPWM制御信号がインバータ回路211に入力され、インバータ回路211はモータ108に各相のモータ電流Ia,Ib,Icを供給する。
補償すべき逆起電圧eaf,ebf,ecfの詳細な算出手順を図3と図4を参照して説明する。まず、b相モータ電流Ibは関係式(Ia+Ib+Ic=0)を利用して検出する。具体的には、図3において、電流検出器205−1及び電流検出器205−2でそれぞれ検出されたa相モータ電流Ia及びc相モータ電流Icが加算部30−2に入力された後で、その出力が極性反転部32−2に入力され、出力としてIb=−(Ia+Ic)として検出される。一方、モータ108の各相端子電圧である各相電圧Va,Vb、Vcは電圧検出器40−1,40−2,40−3でそれぞれ検出される。
逆起電圧eaf,ebf,ecfが、上述したモータ電圧Va,Vb,Vc及びモータ電流Ia,Ib,Icを用いて算出される手順を図4を参照して説明する。各相逆起電圧算出手段としてのa相逆起電圧算出部20−1,b相逆起電圧算出部20−2,c相逆起電圧算出部20−3は数1又は数2の式の検出原理に基づいて構成されたものである。例えば、a相の逆起電圧算出部20−1は、伝達関数部22−1と減算部24−1とで構成され、モータの各相電流の一つである電流Iaは伝達関数部22−1に入力され、モータ電圧Vaは減算部24−2に入力される。伝達関数部22−1の出力であるIa・(Ra+s・La)/(1+s・Tf)と各相端子電圧の一つである電圧Vaが減算部24−1に入力され、減算部24−1の出力として逆起電圧eaf=Va−Ia・(Ra+s・La)/(1+s・Tf)が出力される。なお、伝達関数部22−1の分母の(1+s・Tf)は、数1や数2の式には存在しないが、これは電流検出器やAD変換器のローパスフィルター(LPF)を表わしたものである。
同様にして、b相の逆起電圧算出部20−2は、伝達関数部22−2と減算部24−2とで構成され、モータの各相電流の一つである電流Ibは伝達関数部22−2に入力され、モータ電圧Vbは減算部24−2に入力される。伝達関数部22−2の出力であるIb・(Rb+s・Lb)/(1+s・Tf)と各相端子電圧の一つである電圧Vbが減算部24−2に入力され、減算部24−2の出力として逆起電圧ebf=Vb−Ib・(Rb+s・Lb)/(1+s・Tf)が出力される。
c相の逆起電圧算出部20−3は、伝達関数部22−3と減算部24−3とで構成され、モータの各相電流の一つである電流Icは伝達関数部22−3に入力され、各相端子電圧の一つである電圧Vcは減算部24−3に入力される。伝達関数部22−3の出力であるIc・(Rc+s・Lc)/(1+s・Tf)とモータ電圧Vaが減算部24−1に入力され、減算部24−1の出力として逆起電圧ecf=Vc−Ic・(Rc+s・Lc)/(1+s・Tf)が出力される。
なお、各相のモータ巻線のインダクタンス値及び抵抗値は等しく、La=Lb=Lc=L及びRa=Rb=Rc=Rである。よって、数1は数2に変換できる。このようにして検出された逆起電圧eaf,ebf,ecfは、加算部34−1,34−2,34−3において、電圧指令値Van,Vbn,Vcnとそれぞれ加算され、電圧指令値Varef,Vbref,Vcrefが出力される。
図3及び図4の実施例の構成と上述した本発明の理論とを比較すると、加算部34−1,34−2,34−3において逆起電圧eaf,ebf,ecfが補償されることにより、数5の式が実行され、その結果、数6、即ち、数7の式が成立する。よって、数7の式が成立することにより、加算部30−1及び極性反転部32−1において、電圧指令値VbnをVbn=−(Van+Vcn)の関係から導くことができる。つまり、図3及び図4の実施例において、各相の逆起電圧eaf,ebf,ecfを補償することを前提にして、2相の電流制御部、即ちa相の電流制御部10−1及びc相の電流制御部10−2の出力である電圧指令値VanとVcnから残りの相であるb相のVbnを算出している。
実施例1では、逆起電圧eaf,ebf,ecfをモータの端子電圧Va,Vb,Vc及びモータ電流Ia,Ib,Icを用いて算出したが、逆起電圧eaf,ebf,ecfは、モータの回転角度及び角速度を用いても算出することができる。逆起電圧eaf,ebf,ecfは、モータの回転角度及び角速度を用いても算出する実施例について図5及び図6を参照して以下説明する。
図5の構成で図3に示す実施例1の構成と異なる構成の部分は、各相の逆起電圧eaf,ebf,ecfを算出する各相逆起電圧算出手段としてのa相逆起電圧算出部50−1、b相逆起電圧算出部50−2、c相逆起電圧算出部50−3の部分が異なっている。つまり、a相逆起電圧算出部50−1、b相逆起電圧算出部50−2、c相逆起電圧算出部50−3は、回転角度検出部202で検出されたモータ108の回転角度θ及び角速度ωを入力として各相逆起電圧eaf,ebf,ecfをそれぞれ算出している。そして、a相逆起電圧算出部50−1、b相逆起電圧算出部50−2、c相逆起電圧算出部50−3から出力された各相逆起電圧eaf,ebf,ecfは、加算部34−1,34−2,34−3において電圧指令値Van,Vbn,Vcnにそれぞれ加算され、電圧指令値Varef,Vbref,Vcrefが算出される。図5に示す実施例2の構成及び動作は各相の逆起電圧算出部50−1,50−2,50−3を除いて、図3に示す実施例1の構成及び動作と同じである。
次に、a相逆起電圧算出部50−1、b相逆起電圧算出部50−2、c相逆起電圧算出部50−3の内部詳細について図6を参照して説明する。a相逆起電圧算出部50−1には回転角度θ及び角速度ωが入力される。回転角度θはa相逆起電圧算出部50−1に入力されると、まず規格化逆起電圧算出部52−1に入力され、1000rpmにおける回転角度θによる規格化逆起電圧ekaを算出する。ここで、規格化逆起電圧算出部52−1は、回転角度θに対する1000rpm相当で誘起される逆起電圧値ekaがテーブルとして準備されている。次に、規格化逆起電圧ekaは角速度ωとともに回転数補正部54−1に入力される。回転数補正部54−1において、現在の回転数を意味する角速度ω[rad/s]をrpm換算したN[rpm](ただし、N=ω*60/2π)の規格化逆起電圧の基準回転数1000rpmに対する比率である(N/1000)を算出し、その比率を規格逆起電圧ekに乗じてa相逆起電圧eafを算出して回転数補正部54−1の出力、即ちa相逆起電圧算出部50−1の出力として算出する。
b相逆起電圧算出部50−2にも回転角度θと角速度ωが入力されるが、回転角度θは規格化逆起電圧算出部52−2に入力する前に、まず位相シフト部56−2に入力され、a相に対して120度遅れた位相であるb相の回転角度(θ−120)を算出しb相の回転角度を規格化逆起電圧算出部52−2に入力され、角速度ωは回転数補正部54−2に入力される。そして、規格化逆起電圧算出部52−2及び回転数補正部54−2はa相の規格化逆起電圧算出部52−1及び回転数補正部54−1と同じ構成なので回転角度(θ−120)と角速度ωを基に同じ動作を実行してb相逆起電圧ebfを出力する。
c相逆起電圧算出部50−3にも回転角度θと角速度ωが入力されるが、規格化逆起電圧算出部52−3に入力する前に、まず位相シフト部56−3に入力され、a相に対して120度進んだ位相であるc相の回転角度(θ+120)を算出する。次に、c相の回転角度(θ+120)は規格化逆起電圧算出部52−3に、角速度ωは回転数補正部54−3にそれぞれ入力され、同じようにc相逆起電圧ecfを出力する。
以上説明した回転角度及び角速度を用いても各相の逆起電圧eaf,ebf,ecfを算出する可能であり、図5の制御ブロックにおいて、これらを用いても本発明の効果を期待できる。
以上説明したように、本発明を用いれば、3相の逆起電圧補償と2相の電流制御と関係式(Ia+Ib+Ic=0)を用いて、3相の電圧指令値Van,Vbn、Vcnを算出すれば、3つの条件式に対して3つのパラメータVan,Vbn,Vcnを算出することになるので、各相個別のパラメータ変化に対応しながら、各相の制御系に制御偏差が残存することのない安定した制御系の解を得ることができる安定した電動パワーステアリング装置の制御が可能となる。
なお、以上の説明では、3相モータに関して、電流検出手段や電流制御手段をa相およびc相に設置したが、2相の組み合わせは、a相とb相、或いは、b相とc相の組み合わせであっても同じ効果を期待できる。また、モータの相電圧の代わりに線間電圧を用いて逆起電圧を算出しても同じ効果を期待できる。また、電流制御手段として、フィードバック制御の場合について説明したが、フィードバック制御の他にフィードフォワード制御と外乱オブザーバとの組み合わせ構成の制御などを用いても同じ効果を得られる。
また、本発明をハードウエアを用いて構成してもソフトウエアを用いて構成しても同じ効果を得られることは言うまでもない。
モータの巻線のインダクタンス、抵抗および逆起電圧とモータ電圧、電流の関係を示す説明図である。 本発明における逆起電圧補償の意義を説明するための制御ブロック図である。 本発明の実施例1の制御ブロック図である。 モータの電圧及び電流を用いて逆起電圧を算出するための詳細な制御ブロック図である。 本発明の実施例2の制御ブロック図である。 モータの回転角度及び角速度を用いて逆起電圧を算出するための詳細な制御ブロック図である。 電動パワーステアリング装置の構成図である。 従来の電動パワーステアリング装置の制御ブロック図である。
符号の説明
10−1,10−2 電流制御部
12−1,12−2 減算部
14−1,14−2 比例積分制御部(PI制御部)
20−1,20−2,20−3 逆起電圧算出部
22−1,22−2,22−3 伝達関数部
24−1,24−2,24−3 減算部
30−1,30−2 加算部
32−1,32−2 極性反転部
34−1,34−2,34−3 加算部
50−1、50−2、50−3 逆起電圧算出部
52−1、52−2、52−3 規格化逆起電圧算出
54−1,54−2,54−3 回転数補正
56−2,56−3 位相シフト部

Claims (4)

  1. 車両の操舵系に3相モータによる操舵補助力を付与するようにした電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記3相モータの各相の逆起電圧e1,e2,e3を算出する3つの各相逆起電圧算出手段と、2つの各相電流制御手段とを備え、前記2つの電流制御手段の出力である指令値ref1、ref2から残りの1相の指令値ref3を算出し、前記指令値ref1、ref2、ref3に前記逆起電圧e1、e2、e3をそれぞれ加算することを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
  2. 前記3相モータの電流を検出する電流検出手段は、前記各相電流制御手段が設けられた相に設置する請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  3. 前記各相逆起電圧算出手段は、前記3相モータの各相端子電圧及び各相電流に基いて前記各相の逆起電圧e1、e2、e3を算出する請求項1又は請求項2に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  4. 前記各相逆起電圧算出手段は、前記3相モータの回転角度及び角速度に基いて前記各相の逆起電圧e1、e2、e3を算出する請求項1又は請求項2に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
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