JP2013226935A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ステアリングホイールに操舵補助力を与える電動モータと、ステアリングホイールの操舵トルクに基づいて電動モータに供給する目標電流を決定する目標電流決定部25と、目標電流決定部25が決定した仮の目標電流ITAを、電動モータに発生する逆起電圧分の電流である補正電流を用いて補正する補正部27とを備え、補正部27は、電動モータの回転速度に基づいて補正電流を調整する。
【選択図】図3
Description
この電動パワーステアリング装置の電動モータの駆動は、制御装置にて制御される。制御装置は、電動モータの駆動を制御するために、先ず、操舵トルクや車速などに応じて電動モータに供給する目標電流を設定する。例えば、特許文献1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置は、トルクセンサからのトルク信号τと車速センサからの車速信号vとを入力し、これらの値に基づいて電流指令値を設定する。
本発明は、逆起電圧に起因して電動モータに実際に供給される電流が変動し、電動モータが振動することをより精度高く抑制することができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
また、前記補正手段は、前記決定手段が決定した前記目標電流を補正する補正値のベースとなるベース補正値を決定するベース補正値決定部と、前記電動モータの回転速度に基づいて当該ベース補正値決定部が決定した当該ベース補正値を調整する補正値調整係数を決定する調整係数決定部と、当該ベース補正値と当該補正値調整係数とを乗算することにより前記補正電流を決定する補正電流決定部とを有しているとよい。
図1は、実施の形態に係る電動パワーステアリング装置100の概略構成を示す図である。
電動パワーステアリング装置100(以下、単に「ステアリング装置100」と称する場合もある。)は、乗り物の進行方向を任意に変えるためのかじ取り装置であり、本実施の形態においては自動車に適用した構成を例示している。
そして、ステアリング装置100は、電動モータ110の作動を制御する制御装置10を備えている。制御装置10には、上述したトルクセンサ109の出力値、自動車の移動速度である車速Vcを検出する車速センサ170の出力値が入力される。
図2は、ステアリング装置100の制御装置10の概略構成図である。
制御装置10は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等からなる算術論理演算回路である。
制御装置10には、上述したトルクセンサ109にて検出された操舵トルクTが出力信号に変換されたトルク信号Tdと、車速センサ170にて検出された車速Vcが出力信号に変換された車速信号vなどが入力される。
そして、制御装置10は、トルク信号Tdに基づいて目標補助トルクを算出し、この目標補助トルクを電動モータ110が供給するのに必要となる目標電流ITFを算出する目標電流算出部20と、目標電流算出部20が算出した目標電流ITFに基づいてフィードバック制御などを行う制御部30とを有している。
図3は、目標電流算出部20の概略構成図である。
目標電流算出部20は、目標電流を設定する上で基準となるベース電流を算出するベース電流算出部21と、電動モータ110の慣性モーメントを打ち消すための電流を算出するイナーシャ補償電流算出部22と、モータの回転を制限する電流を算出するダンパー補償電流算出部23とを備えている。また、目標電流算出部20は、ベース電流算出部21、イナーシャ補償電流算出部22、ダンパー補償電流算出部23にて算出された値に基づいて仮の目標電流ITAを決定する目標電流決定部25と、目標電流決定部25が決定した仮の目標電流ITAを、電動モータ110に生じる逆起電圧の影響を考慮して補正する補正部27とを備えている。
補正部27は、後で詳述するが、目標電流決定部25が算出した目標電流ITAを補正し、補正後の値を最終的な目標電流である最終目標電流ITFと決定して、出力する。
図4は、制御部30の概略構成図である。
制御部30は、電動モータ110の作動を制御するモータ駆動制御部31と、電動モータ110を駆動させるモータ駆動部32と、電動モータ110に実際に流れる実電流Imを検出するモータ電流検出部33とを有している。
モータ駆動制御部31は、目標電流算出部20にて最終的に決定された目標電流ITFと、モータ電流検出部33にて検出された電動モータ110へ供給される実電流Imとの偏差に基づいてフィードバック制御を行うフィードバック(F/B)制御部40と、電動モータ110をPWM駆動するためのPWM(パルス幅変調)信号を生成するPWM信号生成部60とを有している。
PWM信号生成部60は、フィードバック制御部40からの出力値に基づいて電動モータ110をPWM(パルス幅変調)駆動するためのPWM信号を生成し、生成したPWM信号60aを出力する。
モータ電流検出部33は、モータ駆動部32に接続されたシャント抵抗の両端に生じる電圧から電動モータ110に流れる実電流Imの値を検出する。
電動モータ110が回転駆動すると逆起電圧が発生するので、この逆起電圧により印加電圧の一部が相殺され、逆起電圧の分、電動モータ110に流れる電流が小さくなる。
図5は、電動モータ110に供給する目標電流ITFと、電動モータ110に実際に流れる実電流Imとの差を示す図である。図5(a)は目標電流ITFを、図5(b)は逆起電圧分の電流を、図5(c)は実電流Imを示している。
電動モータ110に発生する逆起電圧の影響により、電動モータ110には、図5(b)に示すような、電気角に応じた逆起電圧分の電流が流れようとする。それゆえ、電動モータ110に供給する目標電流ITFが、図5(a)に示すように、電動モータ110の電気角によらず一定であったとしても、逆起電圧分の電流の変動に応じて変動し、図5(c)に示すように変動する電流が流れる。
そして、電動モータ110に発生する逆起電圧は電動モータ110の回転速度が高速になるのに比例して大きくなることに鑑み、電動モータ110の逆起電圧に基づく補正を電動モータ110の回転速度に応じて調整する。つまり、目標電流決定部25が決定した目標電流ITAが同じであるとしても、電動モータ110の回転速度が低い場合には高い場合よりも、目標電流決定部25が決定した目標電流ITAを補正する量を少なくする。
補正部27は、目標電流決定部25が決定した目標電流ITAに基づいて、この目標電流ITAを補正する補正電流の一例としての補正値のベースとなるベース補正値ΔIbを決定するベース補正値決定部271と、ベース補正値決定部271が決定したベース補正値ΔIbを調整する係数である補正値調整係数αを決定する調整係数決定部272と、を有している。また、補正部27は、ベース補正値決定部271が決定したベース補正値ΔIbと、調整係数決定部272が決定した補正値調整係数αとを乗算することにより最終的な補正値(補正電流)である最終補正値ΔIfを決定する最終補正値決定部273と、目標電流決定部25が決定した目標電流ITAと最終補正値決定部273が決定した最終補正値ΔIfとを加算することにより最終的な目標電流である最終目標電流ITFを決定する最終目標電流決定部274と、を有している。
図6(a)は、逆起電圧分の電流が図5(b)に示す位相で変動すると仮定した場合のベース補正値ΔIbの位相を示す図である。
ベース補正値決定部271は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、目標電流ITAおよび電動モータ110の電気角度と、ベース補正値ΔIbとの対応を示すマップに、目標電流ITA(目標電流決定部25からの出力値)と電動モータ110の電気角度θとを代入することによりベース補正値ΔIbを算出する。
調整係数決定部272は、電動モータ110の回転速度に基づいて補正値調整係数αを決定する。調整係数決定部272は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、図7に示すような相対関係の、電動モータ110の回転速度と補正値調整係数αとの対応を示すマップに、電動モータ110の回転速度(回転速度信号Nms)を代入することにより補正値調整係数αを算出する。
また、ベース補正値決定部271がベース補正値ΔIbを算出するのに用いるマップは、電動モータ110の回転速度がNm0であるときの、目標電流ITAおよび電動モータ110の電気角度θとベース補正値ΔIbとの相対関係に基づいて作成されている。
図6(b)は、ベース補正値ΔIbが図6(a)に示す位相で変動すると仮定した場合の最終補正値ΔIf(最終補正電流)の位相を例示する図である。
図6(c)は、最終補正値ΔIf(最終補正電流)が図6(b)に示す位相で変動すると仮定した場合の最終目標電流ITFの位相を例示する図である。
Claims (3)
- ステアリングホイールに操舵補助力を与える電動モータと、
前記ステアリングホイールの操舵トルクに基づいて前記電動モータに供給する目標電流を決定する決定手段と、
前記決定手段が決定した前記目標電流を、前記電動モータに発生する逆起電圧分の電流である補正電流を用いて補正する補正手段と、
を備え、
前記補正手段は、前記電動モータの回転速度に基づいて前記補正電流を調整することを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記補正手段は、前記電動モータの回転速度が小さいほど前記補正電流を小さくすることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記補正手段は、前記決定手段が決定した前記目標電流を補正する補正値のベースとなるベース補正値を決定するベース補正値決定部と、前記電動モータの回転速度に基づいて当該ベース補正値決定部が決定した当該ベース補正値を調整する補正値調整係数を決定する調整係数決定部と、当該ベース補正値と当該補正値調整係数とを乗算することにより前記補正電流を決定する補正電流決定部とを有していることを特徴とする請求項1または2に記載の電動パワーステアリング装置。
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