JP6453089B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1に記載された電動パワーステアリング装置は、以下のように構成されている。すなわち、操舵トルクセンサにより検出された操舵トルクに応じてステアリングモータによるアシスト量を制御する車両の電動パワーステアリング装置において、車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサと、ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角センサを備える。そして、ヨーレートセンサで検出されるヨーレートがゼロ近傍であり、操舵トルクセンサで検出される操舵トルクが所定値以上で、且つ、操舵角センサで検出される操舵角が所定値以上である場合に、アシスト量を通常時のアシスト量よりも増加する。
本発明は、低廉に車体流れ時の運転者の負担を軽減できる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
また、前記制御手段の前記補正電流設定手段は、前記舵角偏差に基づいて前記補正電流の基本となる基本補正電流を算出するとともに、前記舵角検出手段が検出した前記検出舵角に応じて当該基本補正電流を補正した値を当該補正電流に設定してもよい。
また、前記制御手段の前記補正電流設定手段は、前記舵角偏差に基づいて前記補正電流の基本となる基本補正電流を算出するとともに、前記トルク検出手段が検出した前記操舵トルクに応じて当該基本補正電流を補正した値を当該補正電流に設定してもよい。
また、前記制御手段の前記補正電流設定手段は、前記舵角偏差に基づいて前記補正電流の基本となる基本補正電流を算出するとともに、前記車両の移動速度である車速に応じて当該基本補正電流を補正した値を当該補正電流に設定してもよい。
図1は、実施の形態に係る電動パワーステアリング装置100の概略構成を示す図である。
電動パワーステアリング装置100(以下、単に「ステアリング装置100」と称する場合もある。)は、車両の進行方向を任意に変えるためのかじ取り装置であり、本実施の形態においては車両の一例としての自動車1に適用した構成を例示している。
図2は、制御装置10の概略構成図である。
制御装置10は、電動モータ110に供給する目標電流Itを算出(設定)する目標電流算出部20と、目標電流算出部20が算出した目標電流Itに基づいてフィードバック制御などを行う制御部30とを備えている。
また、制御装置10は、電動モータ110のモータ回転角度θmを算出するモータ回転角度算出部71と、モータ回転角度算出部71にて算出されたモータ回転角度θmに基づいて、モータ回転速度Nmを算出するモータ回転速度算出部72とを備えている。
基本目標電流算出部27、車体流れ補正電流算出部28および目標電流決定部29については後で詳述する。
制御部30は、図3に示すように、電動モータ110の作動を制御するモータ駆動制御部31と、電動モータ110を駆動させるモータ駆動部32と、電動モータ110に実際に流れる実電流Imを検出するモータ電流検出部33とを備えている。
モータ駆動制御部31は、目標電流算出部20にて最終的に決定された目標電流Itと、モータ電流検出部33にて検出された電動モータ110へ供給される実電流Imとの偏差に基づいてフィードバック制御を行うフィードバック(F/B)制御部40と、電動モータ110をPWM駆動するためのPWM(パルス幅変調)信号を生成するPWM信号生成部60とを備えている。
PWM信号生成部60は、フィードバック制御部40からの出力値に基づいて電動モータ110をPWM(パルス幅変調)駆動するためのPWM信号を生成し、生成したPWM信号を出力する。
モータ電流検出部33は、モータ駆動部32に接続されたシャント抵抗の両端に生じる電圧から電動モータ110に流れる実電流Imの値を検出する。
モータ回転速度算出部72(図2参照)は、モータ回転角度算出部71が算出したモータ回転角度θmに基づいて電動モータ110のモータ回転速度Nmを算出する。
図4は、基本目標電流算出部27の概略構成図である。
基本目標電流算出部27は、基本目標電流Itfを設定する上でベースとなるベース電流Ibを算出するベース電流算出部21と、電動モータ110の慣性モーメントを打ち消すためのイナーシャ補償電流Isを算出するイナーシャ補償電流算出部22と、電動モータ110の回転を制限するダンパー補償電流Idを算出するダンパー補償電流算出部23とを備えている。また、基本目標電流算出部27は、ベース電流算出部21、イナーシャ補償電流算出部22、ダンパー補償電流算出部23にて算出された値に基づいて基本目標電流Itfを決定する基本目標電流決定部25を備えている。また、基本目標電流算出部27は、トルクセンサ109にて検出された操舵トルクTの位相を補償する位相補償部26を備えている。
なお、基本目標電流算出部27には、トルク信号Td、車速信号v、モータ回転速度Nmが出力信号に変換されたモータ回転速度信号Nmsなどが入力される。
ベース電流算出部21は、位相補償部26にてトルク信号Tdが位相補償されたトルク信号Tsと、車速センサ170からの車速信号vとに基づいてベース電流Ibを算出する。つまり、ベース電流算出部21は、位相補償された操舵トルクTと、車速Vcとに応じたベース電流Ibを算出する。なお、ベース電流算出部21は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、位相補償された操舵トルクT(トルク信号Ts)および車速Vc(車速信号v)とベース電流Ibとの対応を示す図5に例示した制御マップに、操舵トルクT(トルク信号Ts)および車速Vc(車速信号v)を代入することによりベース電流Ibを算出する。
次に、車体流れ補正電流算出部28について詳述する。
図6は、車体流れ補正電流算出部28の概略構成図である。
車体流れ補正電流算出部28は、車輪速度の左右差から舵角を推定する舵角推定部281と、舵角推定部281が推定した推定舵角θcと、舵角センサ180にて検出された検出舵角θaとの舵角偏差Δθを算出する舵角偏差算出部282とを備えている。
また、車体流れ補正電流算出部28は、舵角偏差算出部282が算出した舵角偏差Δθの複数の値を平均化する平均化部283と、平均化部283が平均化した値に基づいて車体流れ補正電流Irの基本となる基本車体流れ補正電流Irfを算出する基本車体流れ補正電流算出部284とを備えている。
また、車体流れ補正電流算出部28は、トルクセンサ109にて検出された操舵トルクTに応じて基本車体流れ補正電流Irfを補正するためのトルク補正係数Ktを設定するトルク補正係数設定部286を備えている。
また、車体流れ補正電流算出部28は、基本車体流れ補正電流算出部284が算出した基本車体流れ補正電流Irfと、舵角補正係数設定部285が設定した舵角補正係数Kθと、トルク補正係数設定部286が設定したトルク補正係数Ktと、車速補正係数設定部287が設定した車速補正係数Kvcとに基づいて車体流れ補正電流Irを決定する車体流れ補正電流決定部288を備えている。
舵角推定部281は、自動車1の左側に配置された車輪の回転速度と右側に配置された車輪の回転速度との車輪速度差ΔVhを算出する車輪速度差算出部281aと、車輪速度差算出部281aが算出した車輪速度差ΔVhを舵角に換算する舵角換算部281bとを備えている。また、舵角推定部281は、車速センサ170にて検出された車速Vcに応じて舵角換算部281bが換算した換算舵角θeを調整するための車速調整係数Kvaを設定する車速調整係数設定部281cを備えている。また、舵角推定部281は、舵角換算部281bが換算した換算舵角θeと車速調整係数設定部281cが設定した車速調整係数Kvaとを乗算することにより推定舵角θcを算出する推定舵角算出部281dを備えている。
図7は、車速調整係数Kvaと車速Vcとの対応を示す制御マップの概略図である。
車速調整係数設定部281cは、車速センサ170にて検出された車速Vcに基づいて車速調整係数Kvaを設定する。車速調整係数設定部281cは、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、車速調整係数Kvaと車速Vcとの対応を示す図7に例示した制御マップに、車速Vcを代入することにより車速調整係数Kvaを算出する。なお、図7は、運転者によるステアリングホイール101の回転角度が同じでも車速Vcが倍なら車輪速度も倍となることを考慮して作成されている。
以上のように構成された舵角推定部281は、例えば自動車1が傾斜した路面を走行しているときには車体が傾き、自動車1の左側に配置された車輪の回転速度と右側に配置された車輪の回転速度との車輪速度差ΔVhが零ではなくなることに鑑み、車輪速度差ΔVhに相当する舵角を推定する。
舵角偏差算出部282は、舵角センサ180にて検出された検出舵角θaから舵角推定部281にて推定された推定舵角θcを減算することにより舵角偏差Δθを算出する(Δθ=θa−θc)。
平均化部283は、舵角偏差算出部282が予め設定された一定時間ごとに繰り返し実行することにより算出した舵角偏差Δθの現時点から過去N個分の値を平均化する。平均化部283は、FIRフィルタであることを例示することができる。また、Nは100であることを例示することができる。
図8は、舵角偏差Δθと基本車体流れ補正電流Irfとの対応を示す制御マップの概略図である。
基本車体流れ補正電流算出部284は、平均化部283にて平均化された舵角偏差Δθに基づいて基本車体流れ補正電流Irfを算出する。つまり、基本車体流れ補正電流算出部284は、平均化部283にて平均化された舵角偏差Δθに応じた基本車体流れ補正電流Irfを算出する。なお、基本車体流れ補正電流算出部284は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、舵角偏差Δθと基本車体流れ補正電流Irfとの対応を示す図8に例示した制御マップに、平均化部283にて平均化された舵角偏差Δθを代入することにより基本車体流れ補正電流Irfを算出する。
舵角補正係数設定部285は、基本車体流れ補正電流算出部284にて算出された基本車体流れ補正電流Irfに対して検出舵角θaに応じた補正を行うための舵角補正係数Kθを設定する。
図9は、舵角補正係数Kθと検出舵角θaの絶対値|θa|との対応を示す制御マップの概略図である。
舵角補正係数設定部285は、舵角センサ180にて検出された検出舵角θaに基づいて舵角補正係数Kθを設定する。舵角補正係数設定部285は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、舵角補正係数Kθと検出舵角θaとの対応を示す図9に例示した制御マップに、検出舵角θaの絶対値|θa|を代入することにより舵角補正係数Kθを算出する。
トルク補正係数設定部286は、基本車体流れ補正電流算出部284にて算出された基本車体流れ補正電流Irfに対して操舵トルクTに応じた補正を行うためのトルク補正係数Ktを設定する。
図10は、トルク補正係数Ktと操舵トルクTの絶対値|T|との対応を示す制御マップの概略図である。
トルク補正係数設定部286は、トルクセンサ109にて検出された操舵トルクTに基づいてトルク補正係数Ktを設定する。トルク補正係数設定部286は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、トルク補正係数Ktと操舵トルクTの絶対値|T|との対応を示す図10に例示した制御マップに、操舵トルクTの絶対値|T|を代入することによりトルク補正係数Ktを算出する。
車速補正係数設定部287は、基本車体流れ補正電流算出部284にて算出された基本車体流れ補正電流Irfに対して車速Vcに応じた補正を行うための車速補正係数Kvcを設定する。
図11は、車速補正係数Kvcと車速Vcとの対応を示す制御マップの概略図である。
車速補正係数設定部287は、車速センサ170にて検出された車速Vcに基づいて車速補正係数Kvcを設定する。車速補正係数設定部287は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、車速補正係数Kvcと車速Vcとの対応を示す図11に例示した制御マップに、車速Vcを代入することにより車速補正係数Kvcを算出する。図11においては、自動車1が低速、高速の場合に、車体流れ補正電流Irが小さくなるように車速補正係数Kvcは設定されている。
車体流れ補正電流決定部288は、基本車体流れ補正電流算出部284が算出した基本車体流れ補正電流Irfと、舵角補正係数設定部285が設定した舵角補正係数Kθと、トルク補正係数設定部286が設定したトルク補正係数Ktと、車速補正係数設定部287が設定した車速補正係数Kvcとを乗算することにより車体流れ補正電流Irを決定する(Ir=Irf×Kθ×Kt×Kvc)。
また、本実施の形態に係る車体流れ補正電流算出部28においては、舵角補正係数Kθ、トルク補正係数Ktおよび車速補正係数Kvcなどを用いて基本車体流れ補正電流算出部284にて算出された基本車体流れ補正電流Irfを補正して車体流れ補正電流Irを決定する。これにより、運転者が故意に自動車1を旋回させるべくステアリングホイール101を回転させている場面では運転者の操作を阻害しないようにしている。
Claims (6)
- 車両のステアリングホイールの操舵に対する補助力を加える電動モータと、
前記ステアリングホイールの操舵角を検出する舵角検出手段と、
前記車両の左側に配置された左側車輪の回転速度と右側に配置された右側車輪の回転速度との車輪速度差に基づいて推定した推定舵角と、前記舵角検出手段が検出した検出舵角との舵角偏差に基づいて前記電動モータの補助力を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記車輪速度差を舵角に換算するとともに、換算した換算舵角と、前記車両の移動速度である車速に基づいて設定した車速調整係数とを、乗算することにより得た値を前記推定舵角とする
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記ステアリングホイールの操舵トルクを検出するトルク検出手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記トルク検出手段が検出した操舵トルクに基づいて前記電動モータに供給する目標電流の基本となる基本目標電流を設定する基本目標電流設定手段と、前記舵角偏差に基づいて補正電流を設定する補正電流設定手段と、当該基本目標電流設定手段が設定した当該基本目標電流と当該補正電流設定手段が設定した当該補正電流とに基づいて当該目標電流を決定する目標電流決定手段と、を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記制御手段の前記補正電流設定手段は、前記舵角偏差が大きいほど前記補正電流を大きくすることを特徴とする請求項1または2に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記制御手段の前記補正電流設定手段は、前記舵角偏差に基づいて前記補正電流の基本となる基本補正電流を算出するとともに、前記舵角検出手段が検出した前記検出舵角に応じて当該基本補正電流を補正した値を当該補正電流に設定することを特徴とする請求項2または3に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記制御手段の前記補正電流設定手段は、前記舵角偏差に基づいて前記補正電流の基本となる基本補正電流を算出するとともに、前記トルク検出手段が検出した前記操舵トルクに応じて当該基本補正電流を補正した値を当該補正電流に設定することを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記制御手段の前記補正電流設定手段は、前記舵角偏差に基づいて前記補正電流の基本となる基本補正電流を算出するとともに、前記車両の移動速度である車速に応じて当該基本補正電流を補正した値を当該補正電流に設定することを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
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