JP4466082B2 - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動パワーステアリング装置の制御装置に関し、特に、モータの中性点電位を安定化させるモータ制御を備えた電動パワーステアリング装置の制御装置に関する。
自動車のステアリング装置をモータの回転力で補助力を付勢する電動パワーステアリング装置は、モータの駆動力を減速機を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に補助力を付勢するようになっている。このような電動パワーステアリング装置の構成を図7を参照して説明する。操向ハンドル101の軸102は減速ギア103、ユニバーサルジョイント104a及び104b、ピニオンラック機構105を経て操向車輪のタイロッド106に結合されている。軸102には,操向ハンドル101の操舵トルクを検出するトルクセンサ107が設けられており、操向ハンドル101の操舵力を補助するモータ108が、減速ギア103を介して軸102に連結されている。
このような電動パワーステアリング装置において、モータ108の制御は重要であるが、例えば3相モータの電圧、電流は数1、数2、数3の式に示す関係が成立する。
(数1)
Van=Va−Vn=EMFa+La・(dIa/dt)+Ra・Ia
(数2)
Vbn=Vb−Vn=EMFb+Lb・(dIb/dt)+Rb・Ib
(数3)
Vcn=Vc−Vn=EMFc+Lc・(dIc/dt)+Rc・Ic
ここで、モータの電圧、電流及びモータの巻線のインダクタンス値、抵抗値に関する定義を図8を参照して説明する。Van,Vbn,Vcnはモータの中性点と各相(a相、b相、c相)の端子の間の電圧を示す。Va,Vb,Vc、Vnはアースと各相端子の間の電圧及び中性点の間の電圧、言い換えれば電位を示す。Ia,Ib,Icはモータの各相電流を示す。La,Lb,Lc及びRa,Rb,Rcはモータ巻線の各相インダクタンス値及び抵抗値を示す。
ここで、中性点電位Vnが変動すると各相電圧Van,Vbn,Vcnが変動し、それを誤差として電流制御しなければトルクリップルが大きくなり問題となる。
このような問題に対して、例えば、特許文献1においては、中性点に電源を設ける構成のモータの制御に関し、中性点を安定させる制御方式について開示している。
特開2002−84758号公報
しかし、中性点に電源を設置しない方式のモータ制御で中性点を安定させる制御方式について開示したものはなく、上述したように中性点の電位が不安定であるとモータのトルクリップルが大きくなり好ましくない。さらに、中性点電位を安定されるための制御に特別なセンサを要すると装置のコスト高になったり、特別な制御を行なうとCPUの処理負荷が増大してしまう問題がある。
本発明は上述のような事情から成されたものであり、本発明の目的は、特別なセンサを設置することもなく、制御処理が簡単でCPUなどの負担が少ない制御方式で、中性点に電源が設置されていない多相モータの中性点を安定させてトルクリップルや騒音の少ないモータの制御を可能とすることにより、フィーリングの良いハンドル操作が可能となる電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することにある。
本発明は、車両の操舵系に操舵補助力を付与する多相のモータと、前記モータへの各相の電流指令値を算出する電流指令値算出手段と、前記モータの各相の電流を検出する電流検出手段と、前記電流指令値と検出された前記電流とに基いて各相の電圧指令値を算出する電流制御手段とを備えた電動パワーステアリング装置の制御装置に関するものであり、本発明の上記目的は、前記モータにおいて誘起される逆起電圧値を推定する逆起電圧算出手段を備え、比例積分処理の途中で前記各相の電流指令値から前記各相の電流指令値の平均値を減算し、前記各相の電圧指令値から前記各相の電圧指令値の平均値を減算し、さらに前記各相の逆起電圧値をそれぞれ加算した新たな各相の電圧指令値に基いて制御することによって達成される。また、本発明の上記目的は、前記電流制御手段が、フィードバック制御手段であることによってさらに効果的に達成される。また、本発明の上記目的は、前記電流制御手段が、フィードフォワード制御手段と外乱オブザーバとから構成されることによってさらに効果的に達成される。また、本発明の上記目的は、前記逆起電圧を前記モータの端子電圧及び電流とから推定することによってさらに効果的に達成される。また、本発明の上記目的は、前記逆起電圧を前記モータの角速度及びモータ位置とから推定することによってさらに効果的に達成される。また、本発明の上記目的は、前記モータが、3相モータで結線方式がスター結線又はデルタ結線であることによってさらに効果的に達成される。
モータの中性点電位は各相端子電圧の総和から各相逆起電圧の総和を減じた値の各相の平均値として表わせるので、まず、各相の電圧指令値に対して各相電圧指令値の平均値を補償して、さらに、各相の逆起電圧を補償すれば、中性点電位を安定化することが可能となり、その結果、トルクリップルや騒音の少ないモータ制御を備えたフィーリングの良いハンドル操作が可能な電動パワーステアリング装置の制御装置を提供できる効果がある。
まず、本発明が成立する理論を説明し、その後で本発明の好適な実施例について説明する。
上述したモータの電圧、電流に関する式である数1、数2、数3の式の左辺及び右辺をそれぞれ加算して数4の式が導かれる。
(数4)
Van+Vbn+Vcn
=Va+Vb+Vc−3Vn
=EMFa+La・(dIa/dt)+Ra・Ia+EMFb+Lb・(dIb/dt)+Rb・Ib+EMFc+Lc・(dIc/dt)+Rc・Ic
となる。
ここで、La=Lb=Lc=L、Ra=Rb=Rc=R、Ia+Ib+Ic=0を数4に代入すると、数5及び数6が導かれる。
(数5)
Vn=1/3((Va+Vb+Vc)−(Van+Vbn+Vcn))
(数6)
Vn=1/3((Va+Vb+Vc)−(EMFa+EMFb+EMFc))
となる。
ここで、数6に注目して、中性点電位Vnを一定、例えば、0に安定することを考える。そのためには、各相電圧Va、Vb、Vcを数7のような関係に制御する。
(数7)
Va=Varef+EMFa
Vb=Vbref+EMFb
Vc=Vcref+EMFc
そして、数7を数6に代入すると数8のようになる。
(数8)
Vn=1/3(Varef+Vbref+Vcref)
ここで、中性点電位Vnが0となるためには、(Varef+Vbref+Vcref)=0でなければならない。しかし、各相の電圧指令値Varef,Vbref,Vcrefの総和が0になるには、これはモータの各相のLやRなどのパラメータに経年変化や温度変化によるバラツキが発生していないことが前提となる。実際には、バラツキは存在して、各相の電流制御手段は、この誤差を補正する制御を行なっているため、各相の電圧指令値の総和が0になることはない。よって、数7の関係を維持する制御をしても中性点電位Vnを安定化することはできない。
そこで、各相の電圧指令値の平均値を減じることで中性点電位Vnを安定化することを試みる。具体的には、数9の関係を維持する制御を行なうことになる。
(数9)
Va=Varef+EMFa−1/3(Varef+Vbref+Vcref)
Vb=Vbref+EMFb−1/3(Varef+Vbref+Vcref)
Vc=Vcref+EMFc−1/3(Varef+Vbref+Vcref)
数9を数6に代入すると、例え、(Varef+Vbref+Vcref)=0が成立していなくてもVn=0となり、中性点電位Vnを安定化することができる。
本発明の理論を制御ブロック図に示したものが図1である。トルクセンサ107で検出されたトルク値と車速センサ120で検出された車速値Vsとがトルク指令値演算部122に入力されて、演算の結果、トルク指令値Trefが出力される。トルク指令値Trefを入力として電流指令値算出手段としての電流指令値算出部204にて各相電流指令値が出力される。例えば、3相モータであれば、電流指令値Iaref,Ibref,Icrefが出力される。電流指令算出部204の一例として、d軸、q軸を用いたベクトル制御による電流指令値Idref及びIqrefを2相/3相変換して各相電流指令値Iaref,Ibref,Icrefを算出する電流指令値算出部、或いは矩形波電流による各相電流指令値Iaref,Ibref,Icrefを算出する電流指令値算出部などがある。
モータ108の各相電流Ia,Ib,Icを検出するための電流検出手段としての電流検出器205によって検出された各相の電流Ia,Ib,Icが、前記各相電流指令値Ia,Ib,Icと共に電流制御手段としての電流制御部Aに入力され、各相の電圧指令値Varef,Vbref,Vcrefが出力される。電流制御部Aの具体的な内容は後述する実施例で詳細に説明する。各相の電圧指令値Varef、Vbref,Vcrefが平均値算出部10に入力されて、その平均値Vav=1/3(Varef+Vbref+Vcref)が出力され、減算部12にて各相電圧指令値Varef,Vbref,Vcrefから、平均値Vavがそれぞれ減算される。
一方、逆起電圧算出手段としての逆起電圧算出部20にてモータ108にて誘起される各相の逆起電圧eaf,ebf,ecfが推定され、減算部12の出力である(Varef−Vav),(Vbref−Vav),(Vcref−Vav)に、上述した逆起電圧eaf,ebf,ecfが加算部14にてそれぞれ加算される。そして、加算部14の出力値である新たな各相の電圧指令値(Varef−Vav+eaf),(Vbref−Vav+ebf),(Vcref−Vav+ecf)がPWM制御部210に入力され、インバータ回路211は、PWM制御部210の出力するPWM制御信号に基きPWM制御されてモータ108に電流を供給する。
このような本発明による制御方式の結果、モータの中性点電位を安定化することが可能となり、その結果、トルクリップルの少ないモータ制御が可能となる。以上の説明が本発明の理論的な裏付けである。以下に、本発明の実施例について図を参照して説明する。
本発明の好適な実施例について図2、図3、図4及び図5を参照して説明する。上述した本発明の理論的説明においては、モータの中性点電位Vnは0として説明したが、電動パワーステアリング装置に用いられるモータ制御では、モータの電源であるバッテリー電圧Vbatは、0を中心に正負の値を出力する電源ではなく、正、又は、負の片方だけの値を出力する電源なので、安定化すべき中性点電位Vnは0ではなくVbat/2となるように制御する。
端子電圧Va=Van+Vnの関係より、数9の式に対してVbat/2を加算すれば良い。よって、中性点電位Vnを0ではなくVbat/2に維持するように制御するための理論式は数10となる。
(数10)
Va=Varef+EMFa−1/3(Varef+Vbref+Vcref)+Vbat/2
Vb=Vbref+EMFb−1/3(Varef+Vbref+Vcref)+Vbat/2
Vc=Vcref+EMFc−1/3(Varef+Vbref+Vcref)+Vbat/2
本実施例は、電動パワーステアリング装置のバッテリー電源を考慮した数10の式を満足するように制御する実施例である。また、本実施例では電流制御部Aの実施例としてフィードバック制御を用いた場合について説明する。
まず、モータ108の回転角度θを検出する位置検出器の一例としてのレゾルバ201、及び、レゾルバ201の出力信号を処理するRDC回路などで構成される回転角度検出器202によってモータ108の回転角度θや角速度ωが検出される。そして、電流指令値算出手段としての電流指令値算出部204に、トルク指令値Tref及び回転角度θ、角速度ωが入力され、各相の電流指令値Iaref,Ibref,Icrefが出力される。
本実施例では電流制御手段としての電流制御部Aはフィードバック制御構成となっている。モータ108の各相電流Ia,Ib,Icは、次のようにして検出される。まず、電流検出手段としての電流検出器205−1と205−2によって、電流Ia,Icが検出される。次に、電流Ibは(Ia+Ib+Ic=0)の関係から、加算部205−3と極性反転部205−4とによって電流Ia,Icを入力として、電流Ib=−(Ia+Ic)として算出される。
検出されたモータ108の各相電流Ia,Ib,Icはそれぞれ電流制御部Aの中の減算部150−1,150−2,150−3にフィードバックされ、各相電流指令値Iaref,Ibref,Icrefから電流Ia,Ib,Icをそれぞれ減ずる。減算部150−1,150−2,150−3の出力である偏差(Iaref−Ia)、(Ibref−Ib)、(Icref−Ic)が比例積分制御部(PI制御部)152−1,152−2,152−3にそれぞれ入力され、その結果、各相の電圧指令値Varef,Vbref,Vcrefが出力される。
次に、各相の電圧指令値Varef,Vbref,Vcrefが平均値算出部10に入力され、平均値Vav=1/3(Varef+Vbref+Vcref)が算出される。減算部12−1,12−2,12−3に、各相の電圧指令値Varef,Vbref,Vcref及び平均値Vavがそれぞれ入力され、減算の結果、減算部12−1,12−2,12−3から(Varef−Vav),(Vbref−Vav)、(Vcref−Vav)が出力される。
一方、各相の逆起電圧eaf,ebf,ecfがそれぞれ逆起電圧算出手段としてのa相逆起電圧算出部20−1,b相逆起電圧算出部20−2,c相逆起電圧算出部20−3にて推定される。まず、電圧検出器220−1,220−2,220−3にてa相のモータ端子電圧Va,b相のモータ端子電圧Vb,c相のモータ端子電圧Vcがそれぞれ検出される。そして、a相逆起電圧算出部20−1には電流Ia,及び電圧Vaが入力され、その結果逆起電圧eafが出力される。同じように,b相逆起電圧算出部20−2には電流Ib及び電圧Vbが入力され、その結果逆起電圧ebfが出力され、c相逆起電圧算出部20−3には電流Ic及び電圧Vcが入力され、その結果逆起電圧ecfが出力される。
a相逆起電圧算出部20−1,b相逆起電圧算出部20−2,c相逆起電圧算出部20−3の具体的内容を図3を参照して説明する。モータの電圧、電流の関係を示す式V=EMF+(R+s・L)・Iから算出される。この式を変形してEMF=V−(R+s・L)・Iとして逆起電圧EMFが算出される。具体的には、図3において、a相電流Iaが伝達関数部22−1(その伝達関数=(Ra+s・La)/(s・Tf+1)である。)に入力される。なお、伝達関数の分母は電流検出におけるノイズなどを吸収するためなどのローパスフィルタ(LPF)を意味する。そして、減算部24−1において、モータの端子電圧Vaから伝達関数部22−1の出力が減ぜられることによりa相の逆起電圧eafがeaf=Va−(Ra+s・La)・Ia/(s・Tf+1)として推定される。
同じように、b相逆起電圧ebfは伝達関数部22−2に入力され、その出力とb相端子電圧Vbとが減算部24−2に入力され、逆起電圧ebfが出力される。同じように、c相逆起電圧ecfは伝達関数部22−3に入力され、その出力とc相端子電圧Vcとが減算部24−3に入力され、逆起電圧ecfが出力される。
図3を用いて各相の逆起電圧の推定の具体的手順の一例を説明したので、再び図2の制御ブロック図の説明に戻る。加算部14−1において、減算部12−1の出力である(Varef−Vav)に対してa相逆起電圧算出部20−1の出力である逆起電圧eafが加算され、新たなa相の電圧指令値(Varef−Vav+eaf)が出力される。同じように、b相に関しては、加算部14−2において、減算部14−2の出力である(Vbref−Vav)に対してb相逆起電圧算出部20−2が推定したb相逆起電圧ebfが加算され、b相の新たな電圧指令値(Vbref−Vav+ebf)が出力される。同じように、c相に関しては、加算部14−3において、減算部14−3の出力である(Vcref−Vav)に対してc相逆起電圧算出部20−3が推定したc相逆起電圧ecfが加算され、c相の新たな電圧指令値(Vcref−Vav+ecf)が出力される。
そして、目標中性点電位設定部40が示すバッテリ電圧値の半分であるVbat/2が加算部15−1,15−2,15−3において、新たな各相の電圧指令値である(Varef−Vav+eaf)、(Vbref−Vav+ebf)、(Vcref−Vav+ecf)に加算され、(Varef−Vav+eaf+Vbat/2)、(Vbref−Vav+ebf+Vbat/2)、(Vcref−Vav+ecf+Vbat/2)が出力される。加算部15−1,15−2,15−3のこれらの出力がPWM制御部210に入力され、PWM制御信号に変換されてインバータ回路211はモータ108に電流を供給する。
つまり、PWM制御部210の入力である最終的な新たな各相の電圧指令値は(Varef−Vav+eaf+Vbat/2)、(Vbref−Vav+ebf+Vbat/2)、(Vcref−Vav+ecf+Vbat/2)となり、数10の式が示す値がPWM制御部210に入力される。その結果、モータ108の中性点電位Vnはバッテリ電圧値の半分の値であるVbat/2に維持されるように制御される。つまり、モータ制御において、中性点電位が安定してモータのトルクリップルや騒音が抑えられるように制御される。
以上の説明では、モータの逆起電圧をモータの端子電圧及び電流から算出した実施例について説明したが、逆起電圧はモータ位置としての回転角度θ及びモータの角速度ωから推定することもできる。その実施例を図4を用いて説明する。回転角度検出器202から出力された回転角度θ及び角速度ωがa相逆起電圧算出部30−1に入力される。モータのロータ位置を示す回転角度θによって誘起される逆起電圧は、角速度ω[rad/s]より算出される回転速度N[rpm]=ω×60/2πを1000[rpm]とすれば、モータの特性によって決定されているので、テーブルとして用意した規格化逆起電圧算出部32−1に入力して1000rpmでの規格化逆起電圧eafkを推定できる。次に、1000[rpm]での規格化逆起電圧eafkに対して回転速度N[rpm]を考慮した逆起電圧に修正するため、検出された角速度ωを回転速度Nに換算して、さらに、その回転速度Nの1000[rpm]を基準にした相対速度(N/1000)を乗ずる回転数補正部34−1に先ほどの規格化逆起電圧eafkを入力し、その結果、a相の逆起電圧eaf=eafk×(N/1000)が算出される。
次に、b相の逆起電圧ebfを算出するためには、モータ位置としての回転角度θ及びモータの角速度ωがb相逆起電圧算出部30−2に入力される。b相はa相に対して、その回転角度が120度位相が遅れているので、入力された回転角度θは120°位相を遅らす位相シフト部36−2に入力され、b相の回転角度である回転角度(θ−120)として出力される。その後は、a相と同じように規格化逆起電圧算出部32−2に入力され、その出力ebfkは回転数補正部34−2に入力されてb相逆起電圧ebfとして出力される。c相逆起電圧ecfの算出は、c相の回転角度はa相に対して120°位相が進んでいるので、入力された回転角度θは120°位相を進ます位相シフト部36−3に入力され、c相の回転角度である回転角度(θ+120)として出力される。その後は、a相と同じように規格化逆起電圧算出部32−3に入力され、その出力ecfkは回転数補正部34−3に入力されてc相逆起電圧ecfとして出力される。
各相の逆起電圧が、モータの端子電圧、電流から推定することも可能であり、また、モータの回転角度、角速度からも推定可能である。設置される検出器の性能によって精度や検出速度などを考慮して選択することが可能である。また、逆起電圧は上述した方法以外の方法でも検出可能であり、それらで検出した逆起電圧を用いても本発明に適用可能であることは言うまでもない。
図2の比例積分制御部152を具体的にデジタル処理する場合の実施例の詳細を図5を参照して説明する。図5(A)は図2に示す制御ブロック図をそのままデジタル処理した場合のブロック図である。各相の電圧指令値の平均値を算出して、その平均値を各相の電圧指令値から減ずる手順として、図5(A)では、PI制御部152−1,152−2,152−3の出力である電圧指令値Varef,Vbref、Vcrefをまず算出してから、その後で平均値Vavを加算部10−1及び割り算部10−2を経て算出し、減算部12−1,12−2,12−3において、各相の電圧指令値Varef,Vbref,Vcrefから平均値Vavを減じている。この手順でデジタル処理を実行すると処理の途中でオーバフローを発生したり、値がリミッタに張り付いたりして好ましくない。そこで、図5(B)に示すように、比例積分の処理の途中で平均値を算出して、さらに各相の値から平均値を減ずる処理も比例積分の処理の途中で算出している。
つまり、例えば、a相の減算部154−1、b相の減算部154−2、c相の減算部154−3のそれぞれの出力値の平均値を加算部10−1及び除算部10−2にて実行し、さらに、その直後に減算部12−1,12−2,12−3で減算部154−1,154−2,154−2の出力からその平均値を減ずる処理を実行する。つまり、減算部12−1,12−2,12−3の出力値に関し、図5(A)での減算部12−1,12−2,12−3の出力値と比較して、図5(B)の減算部12−1,12−2,12−3の出力値は、絶対値として小さく、オーバーフローを引起こしたり、リミッタに張り付く可能性が少なくなり、本発明の実施例として図5(B)方の構成が好ましい構成となる。
上述した実施例は電流制御手段としての電流制御部Aがフィードバック制御の場合あるが、本発明は電流制御手段がフィードフォワード制御及び外乱オブザーバとの組み合わせの場合にも適用可能である。図6を参照して、本発明をフィードフォワード制御及び外乱オブザーバとの組み合わせに適用した実施例について説明する。上述したフィードバック制御の実施例と異なる部分は電流制御部Aのみであり、各相の逆起電圧eaf,ebf,ecfの算出手順などはフィードバック制御の実施例と同じなので説明を省略し、異なる電流制御部Aについてのみ詳細に説明する。
各相の電圧指令値Varef,Vbref,Vcrefは各相の電流指令値Iaref,Ibref,Icrefを入力とするフィードフォワード(FF)制御部160−1,160−2,160−3の出力に各相の外乱オブザーバ演算部164−1,164−2,164−3の出力を加算部162−1,162−2,163−3にて加算して求めることができる。
例えば、a相の外乱オブザーバ演算部164−1には、電流検出器205−1で検出された電流Iaと電圧指令値Varefが入力される。電流Iaは外乱オブザーバ演算部164−1の中の伝達関数部167−1に入力される。この伝達関数は(Ra+s・La)/(1+s・Tf)であり、分母の一次遅れ関数は電流検出時のノイズ吸収のためのLPFを表わす。一方、電圧指令値Varefを入力とする伝達関数部165−1の伝達関数は(K/1+s・Tf)である。分母の(1+s・Tf)は伝達関数部167−1の一次遅れと時間遅れのバランスを取るために設けられたものである。伝達関数部165−1の出力と伝達関数部167−1の出力との減算を減算部166−1にて実行し、その出力が外乱オブザーバ演算部164−1の出力Vadisとなる。
同じように、b相の外乱オブザーバ演算部164−2には極性反転部205−4の出力である電流Ibと電圧指令値Vbrefが入力される。a相と同じように伝達関数部167−2及び伝達関数部165−2にそれぞれ入力され、それらの出力は減算部166−2に入力され、減算部166−2の出力は外乱オブザーバ演算部164−2の出力Vbdisとして出力される。
同じように、c相の外乱オブザーバ演算部164−3には電流検出器205−2の出力である電流Icと電圧指令値Vcrefが入力される。a相と同じように伝達関数部167−3及び伝達関数部165−3にそれぞれ入力され、それらの出力は減算部166−3に入力され、減算部166−3の出力は外乱オブザーバ演算部164−3の出力Vcdisとして出力される。
外乱オブザーバ演算部164−1,164−2,164−3の出力である外乱値Vadis,Vbdis,Vcdisと、電流指令値Iaref,Ibref,Icrefを入力とするFF制御部160−1,160−2,160−3の出力とが、加算部162−1,162−2,162−3でそれぞれ加算されて、電圧指令値Varef,Vbref,Vcrefが算出される。
このようにして決定された各相の電圧指令値に対して、それらの平均値Vavを平均値算出部10で算出して、各相電圧指令値から平均値Vavを減算部12−1,12−2,12−3でそれぞれ減算し、その出力に対して各相の逆起電圧eaf,ebf,ecfが加算部14−1,14−2,14−3でそれぞれ加算される。バッテイ電圧を考慮した中性点電位にするための目標中性点電位設定部40が示す目標値Vbat/2を加算部15−1,15−2,15−3でそれぞれ加算して得られた結果である新たな各相の電圧指令値は(Varef−Vav+eaf+Vbat/2)、(Vbref−Vav+ebf+Vbat/2)、(Vcref−Vav+ecf+Vbat/2)となり、数10の式を満たす値となる。
この結果、電流制御部Aがフィードフォワード制御と外乱オブザーバとの組み合わせ構成であっても、本発明の効果であるモータの中性点電位を一定に維持する制御が可能となり、よって、モータのトルクリップルを抑えるモータ制御が可能となる。なお、本発明の適用にあたって、電流制御部Aの構成は上述したフィードバック制御やフィードフォワード制御と外乱オブザーバとの組み合わせにかぎられるものではない。
以上説明したように、本発明を用いれば、特別なセンサを用いることもなく、また、CPUなどの演算処理の負担を特別増加させることもなく、モータの中性点電位を一定に安定化でき、よって、モータのトルクリップルや騒音を抑えるモータ制御が可能となる。
また、中性点は、3相モータの場合、スター結線の場合は存在するが、デルタ結線の場合現実には存在しない。しかし、本発明をデルタ結線のモータ制御に適用しても、デルタ結線の3端子をスター結線の3端子と見なしたデルタ/スター等価変換した場合の仮想の中性点の電位を安定化する効果を発揮し、各相電流の干渉を抑えることができる。従って、現実には中性点の存在しないデルタ結線のモータであってもトルクリップルを抑制できるモータ制御が可能となる。
なお、上述した実施例の説明では3相モータについて説明したが、本発明は3以上の多相モータにも適用可能である。
さらに、本発明を用いれば、モータ制御において中性点電位を安定化してトルクリップルを抑制できるので、モータを用いた電動パワーステアリング装置においては騒音が少なくフィーリングの良いハンドル操作ができる電動パワーステアリング装置の制御装置を提供できる効果を期待できる。
本発明の基本制御ブロック図である。 電流制御がフィードバック制御である場合の実施例である。 モータの端子電圧、電流を用いた逆起電圧算出を示す図である。 モータの回転角度及び角速度を用いた逆起電圧算出を示す図である。 比例積分制御のデジタル処理を示す実施例である。 電流制御がフィードフォワード制御及び外乱オブザーバである場合の実施例である。 電動パワーステアリング装置の構成図である。 モータの電圧、電流、巻線のインダクタンス値及び抵抗値の関係を示す図である。
符号の説明
10 平均値算出部
12 減算部
14 加算部
20 逆起電圧算出部(電圧、電流)
30 逆起電圧算出部(角速度、回転位置)
40 目標中性点電位設定部
15 加算部
204 電流指令値算出部
A 電流制御部
150 減算部
152 比例積分制御部(PI制御部)
160 フィードフォワード制御部(FF制御部)
164 外乱オブザーバ演算部

Claims (6)

  1. 車両の操舵系に操舵補助力を付与する多相のモータと、前記モータへの各相の電流指令値を算出する電流指令値算出手段と、前記モータの各相の電流を検出する電流検出手段と、前記電流指令値と検出された前記電流とに基いて各相の電圧指令値を算出する電流制御手段とを備えた電動パワーステアリング装置の制御装置において、
    前記モータにおいて誘起される逆起電圧値を推定する逆起電圧算出手段を備え、比例積分処理の途中で前記各相の電流指令値から前記各相の電流指令値の平均値を減算し、前記各相の逆起電圧値をそれぞれ加算した新たな各相の電圧指令値に基いて制御することを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
  2. 前記電流制御手段が、フィードバック制御手段である請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  3. 車両の操舵系に操舵補助力を付与する多相のモータと、前記モータへの各相の電流指令値を算出する電流指令値算出手段と、前記モータの各相の電流を検出する電流検出手段と、前記電流指令値と検出された前記電流とに基いて各相の電圧指令値を算出する電流制御手段とを備えた電動パワーステアリング装置の制御装置において、
    前記電流制御手段がフィードフォワード制御手段と外乱オブザーバとから構成され、前記モータにおいて誘起される逆起電圧値を推定する逆起電圧算出手段を備え、前記フィードフォワード制御手段の出力に前記外乱オブザーバ演算部の出力を加算した各相の電圧指令値から前記各相の電圧指令値の平均値を減算し、さらに前記各相の逆起電圧値をそれぞれ加算した新たな各相の電圧指令値に基いて制御することを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
  4. 前記逆起電圧を前記モータの端子電圧及び電流から推定する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  5. 前記逆起電圧を前記モータの角速度及びモータ位置から推定する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  6. 前記モータが、3相モータで結線方式がスター結線又はデルタ結線である請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
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