JP2005197544A - 結晶化膜の評価方法及びその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の評価装置は、回折光のスペクトル強度から結晶化Si膜における結晶粒の分布の規則性を評価するため、レーザ光が最適エネルギー密度であるか否かを正確に把握することができなかつた。
【解決手段】 レーザ光により結晶化した結晶化Si膜33の表面に、結晶化Si膜33平面からの法線znと入射角αをなす連続光31を入射させる光源41と、この連続光31による結晶化Si膜33の表面からの回折光32を、前記法線znと回折角βをなす位置で受光すると共にスペクトルを示す分光器48とを備える結晶化膜の評価方法において、回折光32のスペクトルの幅及び高さの内の少なくとも1方の数値から結晶化Si膜の良否を判断する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、結晶化膜の評価方法及びその装置に関し、特に、ELA装置により結晶化した結晶化Si膜の膜質の評価方法及びその装置に関するものである。
従来のELA(エキシマレーザアニール)装置により結晶化した結晶化Si膜であるp−Si膜の膜質の評価方法及びその装置として、例えば特許文献1に記載されるものが知られている。
この評価装置は、図2に示すものと同様であり、レーザ光により結晶化した結晶化Si膜33の表面に、結晶化Si膜33平面からの法線znと入射角αをなす連続光31を入射させる光源41と、この連続光31による結晶化Si膜33の表面からの回折光32を、前記法線znと回折角βをなす位置で受光すると共にスペクトルを示す分光器48とを備える結晶化Si膜の評価装置であつて、入射角α及び回折角βの範囲は、共に0°以上90°以下に限定して正反射光35を含まない回折光32を得、回折光32のスペクトル強度から、結晶化Si膜33における結晶粒の分布の規則性を評価することを特徴とする結晶化Si膜の評価装置である。
この評価装置の使用により、結晶化Si膜における結晶粒の配列ないし分布の規則性の評価を簡易に行ない、ひいては、良好なエネルギー密度のレーザ光をSi膜に照射して、均一かつ適正な規則性を有する結晶を基板の全面に形成することができる。
また、回折光(32)のスペクトルのピークを示す波長λを測定し、結晶粒の大きさDを、回折条件式から導かれる次式、
D=λ/(sinα+sinβ)・・・・・(1)
により算出する。
これにより、結晶化Si膜の結晶粒の大きさDが求まるので、更に良質な結晶を基板の全面に形成することが可能になる。
評価装置について更に具体的に説明する。
評価装置は、図2に示すように光源41、レンズ44及び分光器48を有する。光源は、ハロゲンランプによつて得られる連続光110と入射部の光ファイバー42とを有し、所定波長(λ=380〜800nm)の連続光110が入射部の光ファイバー42に導かれ、光ファイバー42の先端から出る光がレンズ44によつて連続スペクトル光31とされ、Si膜33に入射角αにて入射し、Si膜33上で回折角βにて回折した平行光からなる回折光32を生ずる。この回折光32がレンズ44によつて集束され、受光部の光ファイバー45に導かれて分光器48に入り、表示装置46にスペクトルが表示されるので、最大のピーク強度とその波長(λmax)とが得られる。
この評価装置を用い、結晶化Si膜33に、波長λが約380〜800nmの連続スペクトル光110を入射部の光ファイバー42で伝送し、光ファイバー42の出射口から21mmの位置に配置した焦点距離f=21mmの凸レンズ44によつて連続スペクトル光31となし、レンズ44からv=95mmの距離の結晶化Si膜33に、入射角α=45°で連続光31を照射した。
一方、結晶化Si膜33の表面からの回折光32を先の凸レンズ44を透過させ、入射部の光ファイバー42からu=0.2mmの位置にある受光部の光ファイバー45に角度2δで入射させた。
このような条件で分光器48を用いて300〜800nmの波長範囲で測定したスペクトルは、図3に示すようである。この鋭いピークを伴う結果から、結晶粒の配列・分布に適当な規則性があることが分かるので、次に回折条件式D(sinα+sinβ)=n・λ(nは回折光の次数)より導かれるD=n・λ/(sinα+sinβ)なる式から、結晶化Si膜33の結晶粒の大きさDを算出する。
回折光32の次数nは、分光器48での波長測定で422nm(λmax)以外の波長に強いスペクトルが見られなかつたことから、これが1次であり、n=1とする。従つて、結晶粒の大きさDは、
D=λ/(sinα+sinβ)=λ/(2sinα)=422nm/(2×√2/2)=422nm/√2 =298.4nm
となる。
なお、結晶化シリコン膜の作製におけるp−Si膜33の結晶性は、レーザ光(ラインビーム)の照射エネルギー密度に大きく依存し、エネルギー密度が低すぎても、高すぎても良好に得られない。このため、一般的には、レーザ光のエネルギー密度を変えて複数のp−Si膜33を作製し、それらのp−Si膜33をSEM(走査型電子顕微鏡)等で直接観察し、その結果、結晶性の良好なものから最適エネルギー密度を決定し、そのエネルギー密度により、ガラス基板6上のa−Si膜5aの全面を結晶化させる方法が採られている。
特開2003−318240公報
ELAによつて結晶化したp−Si膜(結晶化Si膜)の電子移動度などの品質は、基板上のa−Si膜に照射するレーザ光のエネルギー密度の大小変化によつて生ずる結晶粒のバラツキに依存するが、従来の評価装置によつては、p−Si膜の品質を正確に評価することができなかつた。これは、回折光32のスペクトル強度から、結晶化Si膜33における結晶粒の分布の規則性を評価することに起因し、回折光32のスペクトル強度からは、最適エネルギー密度であるか否かを正確に把握し、薄膜トランジスター(以下、TFTという。)などの生産に使える結晶化膜としての最適範囲のエネルギー密度を良好に与えることができなかつた。
詳述すれば、回折光32のスペクトル強度のピークを示す部分の高さ−照射エネルギー密度の特性は、例えば図4に示すようであり、スペクトルのピーク高さを計測することにより、結晶粒の規則性(周期性)のあるエネルギー密度を評価することはできるが、そのエネルギー密度がTFTなどの生産に使える結晶化膜としての最適範囲のエネルギー密度にあると判断するには、精度が不十分である。
これは、今回の検討の結果から、回折光32のスペクトルの強度は結晶粒界に存在するリッジ(突起38)の高さ(又は表面粗さ)が最も高いときを検出して表示されるものと考えられ、回折光32のスペクトルのピークを示す波長部分のエネルギー密度(図4では約350mJ/cm2)がp−Si膜の品質良好位置と完全に一致するものではない。
なお、図4は、レーザ光の照射エネルギー密度を人為的に変化させて回折光32を得、各回折光32をレンズ44、受光部の光ファイバー45及び分光器48に順次に導き、表示装置46にスペクトルを表示させたときの所定波長の最大のピーク強度をプロットしたものである。縦軸の高さ(R%)は、R%=Is/Iref×100であり、光源41、分光器48などの計測系の変化を無視するための処理である。但し、Is:試料(p−Si膜)からの散乱光の強度であり、Iref:広範囲の波長で散乱する白色の板(今回はテフロン(登録商標)板)の散乱光の強度である。
このことは、結晶粒のリッジ38の高さ−照射エネルギー密度の特性を測定し、図5に示すリッジ38の高さの標準偏差の結果を得たことからも分かつた。図4,図5から、リッジ38の高さが最も高いとき、スペクトルの高さも最大値になることが分かる。
すなわち、本発明者等は、ELA装置により結晶化したp−Si膜がTFTの生産に実用上使える良好な膜かどうかは、回折光のスペクトルより計測した最大強度が得られる波長位置(平均結晶粒の大きさ)とスペクトルの高さのみでは評価できないことも知得した。その理由は、生産に使える良好な膜として重要な点は、結晶粒の大きさのバラツキが小さい膜であることであり、最大強度が得られる波長位置(平均結晶粒の大きさ)とスペクトルの高さからは、粒径のバラツキつまり結晶粒の大きさのバラツキを計測することはできないためである。
また、従来、ELA装置により結晶化したp−Si膜の品質良好範囲となるレーザ光のエネルギー密度の範囲の把握も困難であり、いわゆるELAのプロセスマージンを与えるレーザ光のエネルギー密度の把握も困難であつた。
更に、ELA装置の特性上、レーザ光のエネルギーは常に変動し、この照射エネルギー密度の変動は、結晶粒の大きさに変化を与え、結晶粒の大きさのバラツキが大きくなる原因となる。しかし、ELA装置に固有の照射エネルギー変動を把握する手段は従来存在しなかつた。
特に、スペクトルの最大強度が得られる部分の高さは、図4に示されるようにエネルギー密度の変化に対して凸型になる。このため、例えばスペクトル強度(高さ)が最大の位置から低くなつたとき、照射エネルギー密度が大小どちらの方向に変化したかが分からない。従つて、照射エネルギー密度を適正方向に調整することができない。
本発明は、このような従来の技術的課題に鑑みてなされたもので、その構成は、次の通りである。
請求項1の発明は、レーザ光により結晶化した結晶化Si膜33の表面に、結晶化Si膜33平面からの法線znと入射角αをなす連続光31を入射させる光源41と、この連続光31による結晶化Si膜33の表面からの回折光32を、前記法線znと回折角βをなす位置で受光すると共にスペクトルを示す分光器48とを備える結晶化膜の評価方法において、
前記回折光32のスペクトルの幅及び高さの内の少なくとも1方の数値から結晶化Si膜33の良否を判断することを特徴とする結晶化膜の評価方法である。
請求項2の発明は、レーザ光により結晶化した結晶化Si膜33の表面に、結晶化Si膜33平面からの法線znと入射角αをなす連続光31を入射させる光源41と、この連続光31による結晶化Si膜33の表面からの回折光32を、前記法線znと回折角βをなす位置で受光すると共にスペクトルを示す分光器48とを備える結晶化膜の評価方法において、
前記回折光32のスペクトルの所定位置の幅から、結晶化Si膜33の結晶粒34の大きさの均一性を判断することを特徴とする結晶化膜の評価方法である。
請求項3の発明は、レーザ光により結晶化した結晶化Si膜33の表面に、結晶化Si膜33平面からの法線znと入射角αをなす連続光31を入射させる光源41と、この連続光31による結晶化Si膜33の表面からの回折光32を、前記法線znと回折角βをなす位置で受光すると共にスペクトルを示す分光器48とを備える結晶化膜の評価方法において、
前記回折光32のスペクトルの高さから、結晶化Si膜33の結晶粒界に存在するリッジ38の高さを判断することを特徴とする結晶化膜の評価方法である。
請求項4の発明は、レーザ光により結晶化した結晶化Si膜33の表面に、結晶化Si膜33平面からの法線znと入射角αをなす連続光31を入射させる光源41と、この連続光31による結晶化Si膜33の表面からの回折光32を、前記法線znと回折角βをなす位置で受光すると共にスペクトルを示す分光器48とを備える結晶化膜の評価方法において、
前記結晶化Si膜33に照射するレーザ光の照射エネルギー密度の変化の方向を、結晶化Si膜33からの回折光32のスペクトルの波長位置の変化から判断することを特徴とする結晶化膜の評価方法である。
請求項5の発明は、レーザ光により結晶化した結晶化Si膜33の表面に、結晶化Si膜33平面からの法線znと入射角αをなす連続光31を入射させる光源41と、この連続光31による結晶化Si膜33の表面からの回折光32を、前記法線znと回折角βをなす位置で受光すると共にスペクトルを示す分光器48とを備える結晶化膜の評価方法において、
前記光源41からの連続光31を結晶化Si膜33に入射させる入射部の光ファイバー42と、回折光32を受光して分光器48に導く受光部の光ファイバー45とを備えさせ、全ての光ファイバー42,45の径を200μm以下に設定し、かつ、それぞれ複数本とした受光部の光ファイバー45と入射部の光ファイバー42とを並列に配置し、結晶化膜の評価装置の装置関数を結晶化Si膜33からの回折光32の真のスペクトルがほぼ得られるものにすることを特徴とする結晶化膜の評価方法である。
請求項6の発明は、レーザ光により結晶化した結晶化Si膜33の表面に、結晶化Si膜33平面からの法線znと入射角αをなす連続光31を入射させる光源41と、この連続光31による結晶化Si膜33の表面からの回折光32を、前記法線znと回折角βをなす位置で受光すると共にスペクトルを示す分光器48とを備える結晶化膜の評価装置において、
前記結晶化Si膜33の結晶粒34の大きさの均一性を、結晶化Si膜33からの回折光32のスペクトルの所定位置の幅から判断することを特徴とする結晶化膜の評価装置である。
請求項7の発明は、レーザ光により結晶化した結晶化Si膜33の表面に、結晶化Si膜33平面からの法線znと入射角αをなす連続光31を入射させる光源41と、この連続光31による結晶化Si膜33の表面からの回折光32を、前記法線znと回折角βをなす位置で受光すると共にスペクトルを示す分光器48とを備える結晶化膜の評価装置において、
前記結晶化Si膜33の結晶粒界に存在するリッジ38の高さを、結晶化Si膜33からの回折光32のスペクトルの高さから判断し、リッジ38の高さを所定値以下にすることを特徴とする結晶化膜の評価装置である。
請求項8の発明は、レーザ光により結晶化した結晶化Si膜33の表面に、結晶化Si膜33平面からの法線znと入射角αをなす連続光31を入射させる光源41と、この連続光31による結晶化Si膜33の表面からの回折光32を、前記法線znと回折角βをなす位置で受光すると共にスペクトルを示す分光器48とを備える結晶化膜の評価装置において、
前記光源41からの連続光31を結晶化Si膜33に入射させる入射部の光ファイバー42と、回折光32を受光して分光器48に導く受光部の光ファイバー45とを備えさせ、各光ファイバー42,45の径を200μm以下に設定することを特徴とする結晶化膜の評価装置である。
なお、本発明に係る結晶化膜の評価方法及びその装置は、入射角α及び回折角βの範囲を、共に0°以上90°以下に限定して正反射光35を含まない回折光32を得、回折光32のスペクトル強度のピークを示す波長を求めることを基本としている。
請求項1,2,6によれば、回折光のスペクトルの強度がピークを示す所定波長位置の半値幅などの幅は、結晶粒の大きさのバラツキを表すので、この幅をモニタすることにより、ELAによつて結晶化した結晶化Si膜が結晶粒の大きさのバラツキのない品質良好なものであるのか否かを判断することができる。そして、レーザ光のエネルギー密度を変化させて、この幅を所定値(例えば半値幅:7nm)以下にすることで、p−Si膜の結晶粒の大きさを均一にし、TFTなどの生産に使える品質良好な結晶化膜を作製することができる。
請求項1,3,7によれば、回折光のスペクトルの強度がピークを示す所定波長の高さは、結晶化Si膜の結晶粒界に存在するリッジ38の高さを表すので、この高さをモニタすることにより、ELAによつて結晶化した結晶化Si膜が結晶粒の高さが著しく高くない品質良好なものであるのか否かを判断することができる。そして、レーザ光のエネルギー密度を変化させて、この高さを所定値以下にすることで、全体として厚さの薄いTFTなどの生産に使える品質良好な結晶化膜を作製することができる。
すなわち、結晶化Si膜の結晶粒界に存在するリッジの高さが高いと、結晶化Si膜の上に成膜する膜(例えばSiO2膜)の膜厚:d1が厚くなる。TFTの駆動電圧:Eは、SiO2/p−Si膜の印加する電圧:Vとすれば、E=V/d1のため、EをSi膜の特性等から決まる不変の値として、Vを小さくするために結晶化Si膜の上に成膜する膜厚d1を可及的に小さくしたいという要望がある。従つて、リッジ38は低いほどよい。
請求項4によれば、ELA装置の特性上、レーザ光のエネルギー密度は常に変動する。このエネルギー密度の変動は、結晶粒の大きさを変え、結晶粒の大きさのバラツキが大きくなる原因となる。エネルギー密度が上がると、結晶粒は大きくなる。そこで、結晶化Si膜に照射するレーザ照射エネルギー密度の変化の方向を、結晶化Si膜からの回折光のスペクトルの波長位置(結晶化Si膜の平均結晶粒の大きさ)から判断する。回折光のスペクトルのピークを示す波長λから結晶化Si膜の平均結晶粒の大きさが求まるから、この平均結晶粒の大きさの変化を求めることにより、結晶粒径とほぼ比例して変化するエネルギー密度の変動方向が分かるので、必要に応じてELA装置のエネルギー密度の設定値を調整することができる。これにより、結晶粒の大きさのバラツキが小さい品質良好な結晶化膜を得ることが可能になる。
請求項5によれば、光ファイバー径を200μm以下とし、それぞれ複数本とした受光部の光ファイバーと入射部の光ファイバーとを並列に配置し、結晶化膜の評価装置の装置関数を小さくし、結晶化Si膜からの回折光の真のスペクトルがほぼ得られるようにする。これにより、真のスペクトルを得ながら結晶化Si膜からの回折光のスペクトルの幅、高さ、波長位置の内の1つ以上の数値を得、結晶化膜の正しい評価に資することができる。
請求項8の結晶化膜の評価装置にあつても、前記入射部の光ファイバー42及び受光部の光ファイバー45を、それぞれ複数本を並列に配置して構成し、結晶化膜の評価装置の装置関数を結晶化Si膜33からの回折光32の真のスペクトルがほぼ得られるようにし、請求項5に係る発明と同様の効果を奏することができる。
なお、結晶化Si膜の平均結晶粒34の大きさDを、結晶化Si膜33からの回折光32のスペクトルのピーク強度を示す波長から判断することもできる。平均結晶粒の大きさ(Dmax)は、回折光(32)のスペクトルのピークを示す波長λを測定し、D=λ/(sinα+sinβ)により算出することで求まるから、結晶粒の大きさが良好な結晶化膜を得ることが可能になる。
また、レーザ光が矩形をなすと共に、連続光31をレーザ光の長軸方向から入射させることにより、レーザ光との干渉を防止しながら、レーザ光を照射直後の結晶化膜の評価を行うことが容易になる。
先ず、ガラス基板6上にp−Si膜つまり結晶化Si膜33を製造する方法について図12を参照して説明する。これは、ガラス基板6上の薄いa−Si膜5aに、ラインビーム4を照射することで、a−Si膜5aを結晶化して薄い結晶化Si膜33とするもので、従来例と実質的に異ならない。
すなわち、パルス発振動作のエキシマレーザ光を発生させるレーザ発振器10で生じさせたレーザ光を、アッテネータ11によつてエネルギーを自動設定した後、光学系容器9内に導き、反射ミラー7で方向転換させ、複数本のシリンドリカル・レンズを稜線が平行になるように並べた長軸ホモジナイザー2aと、長軸ホモジナイザー2aと稜線方向が直交する短軸ホモジナイザー2bを通して、強度分布を矩形状に均一化させた後、再度、反射ミラー8で方向転換させ、集光レンズ3を通すことにより、長軸×短軸を約365×0.4mmの方形のラインビーム4に整形し、このラインビーム4をa−Si膜5aを有する基板5に照射している。基板5は、レーザ発振器10と光学系容器9及び照射室を備えるレーザアニール装置の真空又は窒素雰囲気の照射室内に設置されている。
この基板5は、ガラス基板6上に薄いa−Si膜5aを形成したもので、このa−Si膜5aに、ラインビーム4を照射することで、a−Si膜5aを結晶化して薄いポリ・シリコン膜33(p−Si膜)としている。ガラス基板6は大きいもので730×920mmあり、ガラス基板6上のa−Si膜5aの全面を結晶化するために、ラインビーム4の1ショットあたり、例えばラインビーム短軸幅の5〜10%の送りピッチでガラス基板6をラインビーム4の短軸の方向に間欠的に移動させる。短軸幅0.4mmのとき送りピッチは20〜40μmであり、a−Si膜5aに対する1 箇所当たりのレーザ光の照射回数は10〜20回である。
ここで、レーザ光のパルス幅(レーザ光1発の発振時間)は一般に数〜数十ns、発振周波数は数百Hz以下であるため、レーザ光つまりラインビーム4のa−Si膜5aへの照射が数〜数十ns行われた後、数msの比較的長時間の間隔が開いて、再び数〜数十nsの照射が行われている。a−Si膜5aへのレーザ光の1回以上の照射を行うことで、結晶が成長する。この結晶の成長のためには、a−Si膜基板5が冷却(常温)の状態から溶融温度近傍まで上昇するように、レーザ光の照射を実施する必要がある。
このようにして製作するp−Si膜33は、規則性のある結晶粒34を有しているなどの品質の評価を行いながら作製することが望まれる。このために、図1に示すようにp−Si膜33に対して平行光線からなる連続スペクトル光31を入射角αで入射させる。この連続光31は、p−Si膜33の表面に存在するいくつかの突起38(リッジ)において回折現象を生じ、回折光32を発生する。この回折光32は、球面波で形成されるので、所定の回折角βの位置で検出して、結晶粒34の大きさD及び配列・分布の規則性の優劣等を測定・判定する。結晶粒34の大きさDは、突起38で囲まれた1つの平坦部39の大きさである。
ここで、入射角α及び回折角βは、いずれも結晶化Si膜33平面からの法線znとなす角であり、その範囲を、共に0°以上90°以下に限定して正反射光35を含まない回折光32を得る。図1に示すように結晶化Si膜33の平坦部39に連続光31(直径:5〜15mm程度)をあてると、反射の法則に従う角度方向(−α)に正反射光35が進む。一方、数十nm程度の突起38が無数にある結晶化Si膜33の結晶粒界では、入射光(31)は回折して球面波を形成し、この球面波の波面が互いに強めう角度方向つまり回折角βに平面波からなる回折光32を形成する。回折角βは、回折光32の次数をnとし、突起間隔(すなわち結晶粒34の大きさに相当する)をDとした場合、回折条件式D(sinα+sinβ)=nλを満たす角度である。
このような回折光32の検出を正反射光35の方向−αもしくはその近傍で行うと、回折光32のスペクトル強度に比べて正反射光35のスペクトル強度の方が非常に高いため、重畳した二つのスペクトル成分から回折光32のスペクトル成分のみを分離することは困難である。そこで、回折光32のスペクトルのみを精度良く検出するために、α及びβを共に0 °以上90°以下に限定し、正反射光35を含まない回折光32を得るようにする。
従つて、図1に示す正面視で、入射角αで連続光31を入射させるとき、結晶化Si膜33の平面からの法線znに対し、入射光(31)と同一側で回折光32を計測する。
このようにして、スペクトルが連続である連続光31を入射し、p−Si膜33の結晶粒界にあるいくつかの突起38(数十nm)で発生した回折光32を計測することで、入射角α、回折角β及び回折光32のスペクトル波長λは既知の値となり、回折条件式D(sinα+sinβ)=n・λ(nは回折光の次数)より導かれるD=n・λ/(sinα+sinβ)なる式によつて、結晶粒34の大きさDを瞬時に算出することができる。これにより、p−Si膜33の結晶粒34の配列・分布の規則性の優劣及び結晶粒34の大きさDの適否を短時間で評価し、規則性のある結晶粒34を形成し、TFTに最適な大きさDのp−Si膜33を得ることができる。
実際には、図2に示すように、大きさDの結晶粒34を有するp−Si膜33に対して評価装置を配置する。この評価装置により、種々の照射エネルギー密度で結晶化した結晶化Si膜33に対し、エッチング前に結晶化Si膜33の評価を行つた。
評価装置は、光源(41)、レンズ44及び分光器48を有する。光源は、ハロゲンランプ41によつて得られる連続光110と入射部のファイバー42とを有し、所定波長(λ=380〜800nm)の連続光110が入射部の光ファイバー42に導かれ、光ファイバー42の先端から出る光がレンズ44によつて平行光線束からなる連続光31とされ、結晶化Si膜33に入射角αにて入射し、Si膜33上で回折角βにて回折した平行光線束からなる回折光32を生ずる。この回折光32がレンズ44によつて集束され、受光部の光ファイバー45に導かれて分光器48に入り、表示装置46にスペクトルが表示されるので、最大のピーク強度(Imax)が得られる波長(λmax)の部分を知ることができる。
連続スペクトル光31の結晶化Si膜33への照射方向は、照射した矩形をなすラインビーム4の長軸をx方向とし、短軸をy方向として、x方向に相当する方向からとした。短軸y方向は、ラインビーム4のスキャン方向であるので、他部品と干渉を生じ易いためである。
しかして、結晶化Si膜33に、波長λが約380〜800nmの連続スペクトル光110を入射部の光ファイバー42で伝送し、光ファイバー42の出射口から21mmの位置に配置した焦点距離f=21mmの凸レンズ44によつて連続光31となし、レンズ44からv=95mmの距離に保つた結晶化Si膜33に、入射角α=45°で連続光31を照射した。
一方、結晶化Si膜33の表面からの回折光32を先の凸レンズ44を透過させ、入射部の光ファイバー42からu=0.2mmだけ平行に離れた位置にある受光部の光ファイバー45に角度2δで入射させた。ここで、uはvに比べて充分に小さい(0.2/95=0.002=2mrad)ため、回折光32の回折角βを照射した連続光31の入射角αと同じβ=α=45°とみなした。
このような条件で分光器48を用いて測定したスペクトルを、300〜800nmの波長範囲で図3に示す。図3において破線で示す回折光32のスペクトルは、波長422nmにおける鋭いピークがある。他の波長域の連続スペクトルは、照射した連続光31が結晶化Si膜33の表面で乱反射して受光部の光ファイバー45に検出された成分である。参照のため、同様の測定をレーザ照射前のa−Si膜5aに対して行つた場合の結果も同じグラフ上に実線で示した。
この鋭いピークを伴う結果から、結晶粒34の配列・分布に適当な規則性があることが分かるので、次に結晶化Si膜33の結晶粒の大きさDを算出する。先ず、回折光32の次数は、分光器48での波長測定で422nm(λmax)以外の波長に強いスペクトルが見られなかつたことから、これが1次であり、n=1とする。従つて、結晶粒の大きさDは、
D=λ/(sinα+sinβ)=λ/(2sinα)=422nm/(2×√2/2)=422nm/√2 =298.4nm
となる。これは、SEM写真より得られた結果と実質的に同じであつた。
理論的には、入射角αと回折角βの値は異なつても問題ないが、レンズ44が1つで照射する連続光31及び回折光32の検出のための機構構成が簡素になるため、図2に示すような入射角αと回折角βとが事実上同じ角度になる測定装置が望ましい。
このように回折光32のスペクトル強度の強弱から、結晶化Si膜33の結晶粒34の配列・分布の規則性に関する優劣の知見を、簡便にかつ短時間で得ることができる。勿論、D=n・λ/(sinα+sinβ)なる式から、結晶粒34の大きさDを求めることもできる。
すなわち、結晶化Si膜33に連続スペクトル光31を照射し、そこから得られる回折光32のスペクトル強度及び波長より、結晶粒34の配列の規則性と結晶粒34の大きさDを短時間で評価できる。このため、実際のガラス基板6上への結晶化Si膜33の量産中に、結晶化Si膜33の作製時間を延長することなく、常時、基板状態の適否を監視することかできる。
例えば、予め、レーザ光(4)の使用できる照射エネルギー密度範囲内で、結晶化に最適な回折光32のスペクトル強度及び波長を決定しておけば、結晶化Si膜33の形成直後、常に回折光32のスペクトル強度及び波長を監視し、スペクトル強度及び波長を一定に保つようにレーザ光(4)のエネルギー密度を制御することにより、結晶粒34の配列の規則性を一定範囲に保つて結晶化Si膜33を作製することができる。回折光32のスペクトル強度及び波長が変化する原因としては、レーザ発振器10やホモジナイザー2a,2b、反射ミラー7,8及び集光レンズ3からなる光学系の特性が変化した場合がある。勿論、上記式から結晶粒の大きさDを求め、結晶粒の大きさDを一定範囲に保ちながら結晶化Si膜33を作製することもできる。なお、SEMによる結晶化Si膜33の結晶粒の観測から、回折光32のスペクトルの高さが最大よりもわずかに高い照射エネルギー密度(図4,図5では360mJ/cm2)において、結晶粒の規則性が良好のようであることを知得している。
しかして、回折光32のスペクトルのピークを示す高さ−照射エネルギー密度の特性は、例えば図4に示すようであり、スペクトルの高さを計測することにより、結晶粒34の規則性(周期性)のあるエネルギー密度を評価することはできるが、そのエネルギー密度がTFTなどの生産に使える結晶化膜としての最適範囲のエネルギー密度であると判断するには、精度が不十分である。
以上の状況下で、上述した課題を解決するために次の手段を採つた。
先ず、本発明者等は、p−Si膜33の周期性の良否を短時間で評価するために、径の大きな光ファイバー42,45を入射部及び受光部として各1本備える従来と同様の評価装置を使用して、回折格子及びp−Si膜33のスペクトルについて計測した。p−Si膜33の結晶粒34を区画する突起(リッジ38)の間隔が一定である回折格子を計測したところ、図8(a)に示すように回折光32のスペクトルのピーク強度を示す部分(波長:約435nm)の半値幅が14nmであつた。これは、図8(b)に示すTFTなどの結晶化膜の生産に使える品質であることをSEMで確認済のp−Si膜33の回折光32のスペクトル(波長:約475nm)の半値幅:15nmとほぼ同じであつた。なお、光ファイバー径は、0.4mmである。
本発明者等は、図8(a),(b)を比較しスペクトルの半値幅に着目し、両半値幅:14nm、15nmに大きな相違が認められない理由は、光ファイバー42,45の径が大きいため、入射角α及び回折角βの幅(立体角)が大きくなり、多数の突起又はリッジ38からの反射光の影響が大きくなり、従つて、真のスペクトルが得られないところにあるものと考えた。このとき、評価装置の装置関数が大きい。
同時に、図8(a),(b)を比較しスペクトルの半値幅の小さな相違に着目し、結晶粒34の大きさのバラツキは、回折光32のスペクトルのピークを示す部分の半値幅により計測できることにも思い至つた。
すなわち、回折光32のスペクトルのピークを示す波長部分の半値幅は、p−Si膜33の結晶粒の大きさのバラツキによつても異なつてくるが、図1の結晶化膜の評価装置自体がもつ装置関数の相違によつても異なつてくることを見出した。換言すれば、回折光32のスペクトルの半値幅は、図1の結晶化膜の評価装置自体がもつ装置関数とp−Si膜33の結晶粒34の大きさのバラツキとのコンボリューション(畳み込み積分)になる。従つて、TFTなどの結晶化膜の生産に使えるp−Si膜33の作製・評価には、回折光32の真のスペクトルが得られるように評価装置の装置関数を小さくし、また、半値幅を小さくして結晶粒34のバラツキを小さくすることが重要である。
評価装置自体がもつ装置関数について説明する。
本発明者等は、評価装置自体がもつ装置関数の相違は、図1の評価装置の光ファイバー42,45の径が比較的大きな所定大きさを有し、入射角α及び回折角βの値が所定幅(立体角)をもつため、式(1)を満足する波長λが幅をもち、回折光32のスペクトルの幅が広くなることに起因することを知得した。従つて、評価装置の装置関数は光ファイバー42,45の大きさで決まり、装置関数を小さくするためには、ファイバー径を小さく設定すればよい。
Figure 2005197544
表1に示すように、先ず、入射部の光ファイバー42を1本、受光部の光ファイバー45を1本とし、単一の各光ファイバー42,45のコアの径を変化させて計測を行つた。その結果はシングルの欄に記載する通りであり、光ファイバー42,45のコア径が400μm以上では計測できたが、コア径が200μm以下では適当な光量が得られず計測できなかつた。
そこで、適当な光量を得るために、各光ファイバー42,45の数を増加させた。しかし、多くの光ファイバーを円形状に束ねてファイバー内にコアが多数ある状態のものでは、光ファイバー径が大きなものとほぼ同様であり、装置関数が大きくなつた。
このため、光ファイバー42,45の配列に着目し、複数の光ファイバーを直線上に並べて連続光31及び回折光32の入射面と直交配置させたところ、適当な光量を得ながら、装置関数を同径の光ファイバーを円形状に束ねたものよりも十分に小さくすることができた。
具体的には、評価装置の装置関数をp−Si膜33からの回折光32の真のスペクトルが得られるように小さくするため、光ファイバー42,45の径と配置を図6に示す概略断面のようにした。すなわち、受光部の光ファイバー45を直線上に等間隔で3本並べ、入射部の光ファイバー42を受光部の光ファイバーの間に位置させて平行直線上に2本並べた。全ての光ファイバー42,45のコアの径は、0.2mmである。なお、図示の例では保持部材の中に5本の光ファイバー42,45を配置してあるが、保持部材をクラッドによつて形成し、その内部に5本のコアを配置することも可能である。
図6に示す光ファイバー組立体を用いて測定した回折光32のスペクトルを図9に示す。回折格子を計測した場合の半値幅は、図9(a)に示すように4.75mmで、図9(b)に示すp−Si膜33を計測した場合の半値幅W:8.32nmと比較して十分に小さいものになり、相違が明確に得られた。光ファイバー42,45の径や配置を工夫することにより、装置関数を小さくすることができ、p−Si膜33からの回折光32の真のスペクトルの高さ及び幅(例えば半値幅)を明確に評価できるようになつた。
よつて、結晶化膜の評価装置の装置関数を小さくし、p−Si膜33からの回折光32の真のスペクトルを明確に得るためには、各光ファイバー42,45径を200μm以下に設定すると共に、受光部の光ファイバー45及び入射部の光ファイバー42をそれぞれ2本以上とし、受光部の光ファイバー45と入射部の光ファイバー42とを並列配置するとよい。
但し、装置関数を小さくするために光ファイバー42,45の径を小さくし過ぎると光量が適当に確保されなくなるので、その最適値として、図6に示すように光ファイバーの径を200μm、ファイバー数は合計5本にした。受光部の光ファイバー45の数を入射部の光ファイバー42の数よりも多くすることが、分光器48に対する適当な光量の確保のために望ましい。
装置関数をより小さくするためには、ファイバー42,45径を200μmよりも小さくしてファイバー数を合計6本以上に増やし、直線上に配置した受光部の光ファイバー45と直線上に配置した入射部の光ファイバー42とを並列に配置すればよい。
なお、図8(a)(光ファイバー径:0.4mm)と比較して、図9(a)(光ファイバー径:200μm)の最大強度が得られる波長にも若干の相違が生じている。また、図8(a),図9(a)では、回折格子を計測しているため、白色の板の散乱光の強度Irefに比べて試料(p−Si膜)からの散乱光の強度Isの方が相当大きいので、Irefで割つて縦軸の高さ(R%)とせずに、強度(任意単位)としてある。400〜440nm付近のノイズを考慮する必要性に乏しいためである。
次に、半値幅の適否について説明する。
図9に示す結果から分かるようにp−Si膜33からの回折光32のスペクトルの幅(半値幅)を指標として品質を評価することが有益であるため、ELAのラインビーム4(ビームサイズ:365×0.4mm)の照射エネルギー密度を連続的に変化させて作成した後のp−Si膜33に対して連続スペクトル光31を照射し、スペクトルの最大強度が得られる波長部分の半値幅を次々に計測した。その結果を図10に示す。すなわち、図10は、図2の回折光32のスペクトルのピークの強度をImax、波長をλmax、半値幅をWmaxとして、ラインビーム4の各照射位置でELAの照射エネルギー密度(E)を変化させたWmaxと照射エネルギー密度Eとの関係を計測した結果である。図10から分かるように、ELAの照射エネルギー密度の変化に対して半値幅Wmaxは、ラインビーム4の中心Cでの測定結果H1及びラインビーム4の中心Cから165mmだけ離れた位置での測定結果H2のいずれにおいても、凹形変化になつた。
p−Si膜33の結晶粒34の大きさのバラツキの許容範囲は、製品の種類によつても異なるが、図10において、良好に均一な結晶が得られる照射エネルギー密度範囲P3:△Epjを一般に半値幅:Wp<8nmのときとすれば、△Epj=20mJ/cm2(350−330mJ/cm2)となる。また、365×0.4mmのラインビーム4の中心C位置の最小となるエネルギー密度:×印位置と、ラインビーム4の中心Cから165mmだけ長軸方向に離れた位置の半値幅(Wp)の最小となるエネルギー密度:○印位置とを比較すると、その差が5mJ/cm2(340−335mJ/cm2)であつた。ELAのプロセスマージンP3を与えるレーザ光1のエネルギー密度の範囲:△Epjが、電気特性の点から半値幅:Wp<8nm程度であることは、図7を参照して後述する。
半値幅は、エネルギー密度の変化に対して凹形を呈して増減し、回折光32のスペクトルのピーク強度を示す波長部分の半値幅Wmaxの値から、結晶粒34のバラツキが小さい結晶が作製できているか否かを評価できるから、Wmaxが所定の範囲内(△Epjの半値幅)になるように照射エネルギー密度を制御すれば、照射するラインビーム4の特性が変化した場合であつても大形のガラス基板の全体に品質良好な結晶を作製することができる。
ラインビーム4の照射エネルギー密度の制御は、アッテネータ11によつて可能であり、次のように上下調整する。
ラインビーム4のエネルギー密度に変動があつたとき、ELAのプロセスマージンP3を与えるラインビーム4のエネルギー密度の範囲△EPJを逸脱しないように調整することが望まれるが、ラインビーム4のエネルギー密度が正確には把握されていない状態で高さの変化を把握しても、エネルギー密度が大小どちらの方向に変動したかは分からない。回折光32のスペクトルの高さとエネルギー密度との関係は、図4に示すように凸形をなすためである。
このため、式(1)にλmaxを代入して得られる多くの結晶粒34の大きさDの平均結晶粒径(Dmax)とエネルギー密度(E)との関係を測定した。その結果を図11に示す。同図から、エネルギー密度(E)が高くなるにつれて平均結晶粒径Dmaxが大きくなる傾向のあることが分かつた。SEMから得た結果からも同様の傾向がみられた。このことから、平均結晶粒(34)の大きさDmax及びその相対的な変化を把握すれば、ELA装置に固有の照射エネルギー密度の変化の方向を知ることができ、ひいては、最適エネルギー密度(E)への調節方向が分かる。平均結晶粒径(Dmax)は、p−Si膜からの回折光32のスペクトルのピークを示す波長を用いて式(1)により求まるから、p−Si膜33に照射するレーザ照射エネルギーの変化の方向は、p−Si膜33からの回折光32のスペクトルのピークを示す波長から判断することができる。従つて、エネルギー密度の変動方向と逆方向にエネルギー密度を人為的に変化させ、ELAプロセスマージンP3を与えるレーザ光のエネルギー密度の範囲△EPJを逸脱しないように調整することが可能になる。
すなわち、p−Si膜33に照射するレーザ照射エネルギー密度の変化の方向は、平均結晶粒の大きさDmaxの相対的な変化を計測することで分かり、平均結晶粒の大きさDmaxは波長位置から分かるから、p−Si膜33からの回折光32のスペクトルの所定波長位置の相対的な変化からレーザ照射エネルギー密度の変化の方向を判断することがでる。
なお、ここでのELAのプロセスマージンP3は、半値幅:Wp<8nmとなるレーザ光のエネルギー密度の範囲:△Epjとすることができる。これは、図10に示すラインビームの中心Cから165mmのときのプロセスマージンP1:325〜350mJ/cm2、及びラインビームの中心CにおけるプロセスマージンP2 :330〜355mJ/cm2の両者が重なり合う部分をELAプロセスマージンP3を与えるレーザ光のエネルギー密度の範囲:△Epjとしたもので、半値幅:Wp<8nmとすることができる。
TFTの特性は、単位面積当たりの結晶粒34(ひいては結晶粒界)の数などの状態に依存するようであるが、ソース−ドレイン間の結晶粒34の大きさが揃つているほどTFTの特性の偏差が小さいと考えられる。これは、図7に示すTFTの電子移動度と回折光32のスペクトルの最大強度が得られる波長部分の半値幅Wmaxとの関係から分かる。ガラス基板6上の結晶化Si膜33をTFTに加工した後の電気特性のバラツキを計測した結果を示す図7から分かるように、回折光32のスペクトルの半値幅Wmaxが小さいほど、TFT電子移動度の偏差も小さくなつているが、これは結晶粒34の大きさの偏差が小さいため、電気特性のバラツキが小さくなると予測される。少なくとも、スペクトルの半値幅Wmaxが小さく結晶粒径が均一である方が電気特性に優れることが分かる。すなわち、p−Si膜をTFTに使用するためには、回折光32のスペクトルの半値幅Wmaxが小さく結晶粒34の大きさにバラツキがなく、周期性のある結晶粒がp−Si膜に形成されることが最適である。
これにより、p−Si膜33に連続光110を照射し、その回折光32のスペクトルの最大強度が得られる波長部分の半値幅Wmaxの数値を求めることにより、p−Si膜33の良否を判断可能であることが分かる。
また、図9からも分かるように、回折光32のスペクトルの所定位置の幅(半値幅W)は、結晶の大きさDの偏差が大きいほど広くなり、結晶粒の大きさDが回折格子のように一定である場合、スペクトルの幅は狭くなる。これは、ELA装置により結晶化したp−Si膜のような結晶粒の大きさにバラツキがある場合は、各結晶粒の大きさDに幅があり、式(1)を満たす波長λの値にも幅が生ずるため、スペクトルの幅が広くなることから理解できる。
また、p−Si膜33からの回折光32のスペクトルのピーク強度を示す部分の高さは、表面粗さ(結晶粒界に存在するリッジ38高さ)の指標となる。これについても、SEMによる直接観察の結果と符合していた。従つて、p−Si膜33の結晶粒界に存在するリッジ38高さを、p−Si膜33からの回折光32のスペクトルの高さから判断し、リッジ38の高さを所定値以下にすることで、全体として厚さの薄いTFTなどの生産に使える品質良好な結晶化膜を作製することができる。
本発明の1実施の形態に係る結晶化膜の評価装置の原理を示す正面図。 同じく結晶化膜の評価装置を示す正面図。 同じく回折光の強度−波長特性を示すスペクトル線図。 同じく回折光のスペクトル高さ−レーザ光の照射エネルギー密度特性を示す線図。 同じく結晶化Si膜の結晶粒のリッジの高さの標準偏差−レーザ光の照射エネルギー密度特性を示す線図。 同じく光ファイバーの配置を示す概略断面図。 同じくTFTの電子移動度と回折光のスペクトルの最大強度が得られる波長部分の半値幅との関係を示す線図。 比較のために大径の光ファイバーを用いて測定した回折光のスペクトルの強度−波長特性を示す線図であり、図8(a)は回折格子の特性を示し、図8(b)はp−Si膜の特性を示す。 同じく光ファイバー組立体を用いて測定した回折光のスペクトルの強度−波長特性を示す線図であり、図9(a)は回折格子の特性を示し、図9(b)はp−Si膜の特性を示す。 同じくラインビームの各照射位置での半値幅と照射エネルギー密度との関係を示す線図。 同じくp−Si膜の平均結晶粒−エネルギー密度特性を示す線図。 同じく結晶化Si膜の作製装置を示し、(イ)は正面図、(ロ)は右側面図
符号の説明
1:レーザ光
4:ラインビーム(レーザ光)
10:レーザ発振器
31:連続光
32:回折光
33:p−Si膜(結晶化Si膜)
34:結晶粒
38:リッジ(突起)
41:ハロゲンランプ(光源)
42:入射部の光ファイバー(光源)
44:レンズ
45:受光部の光ファイバー
46:表示装置
48:分光器
110:連続光
D:結晶粒の大きさ
P1,P2,P3:プロセスマージン
zn:法線
α:入射角
β:回折角
λ:波長

Claims (8)

  1. レーザ光により結晶化した結晶化Si膜(33)の表面に、結晶化Si膜(33)平面からの法線(zn)と入射角αをなす連続光(31)を入射させる光源(41)と、この連続光(31)による結晶化Si膜(33)の表面からの回折光(32)を、前記法線(zn)と回折角βをなす位置で受光すると共にスペクトルを示す分光器(48)とを備える結晶化膜の評価方法において、
    前記回折光(32)のスペクトルの幅及び高さの内の少なくとも1方の数値から結晶化Si膜(33)の良否を判断することを特徴とする結晶化膜の評価方法。
  2. レーザ光により結晶化した結晶化Si膜(33)の表面に、結晶化Si膜(33)平面からの法線(zn)と入射角αをなす連続光(31)を入射させる光源(41)と、この連続光(31)による結晶化Si膜(33)の表面からの回折光(32)を、前記法線(zn)と回折角βをなす位置で受光すると共にスペクトルを示す分光器(48)とを備える結晶化膜の評価方法において、
    前記回折光(32)のスペクトルの所定位置の幅から、結晶化Si膜(33)の結晶粒(34)の大きさの均一性を判断することを特徴とする結晶化膜の評価方法。
  3. レーザ光により結晶化した結晶化Si膜(33)の表面に、結晶化Si膜(33)平面からの法線(zn)と入射角αをなす連続光(31)を入射させる光源(41)と、この連続光(31)による結晶化Si膜(33)の表面からの回折光(32)を、前記法線(zn)と回折角βをなす位置で受光すると共にスペクトルを示す分光器(48)とを備える結晶化膜の評価方法において、
    前記回折光(32)のスペクトルの高さから、結晶化Si膜(33)の結晶粒界に存在するリッジ(38)の高さを判断することを特徴とする結晶化膜の評価方法。
  4. レーザ光により結晶化した結晶化Si膜(33)の表面に、結晶化Si膜(33)平面からの法線(zn)と入射角αをなす連続光(31)を入射させる光源(41)と、この連続光(31)による結晶化Si膜(33)の表面からの回折光(32)を、前記法線(zn)と回折角βをなす位置で受光すると共にスペクトルを示す分光器(48)とを備える結晶化膜の評価方法において、
    前記結晶化Si膜(33)に照射するレーザ光の照射エネルギー密度の変化の方向を、結晶化Si膜(33)からの回折光(32)のスペクトルの波長位置の変化から判断することを特徴とする結晶化膜の評価方法。
  5. レーザ光により結晶化した結晶化Si膜(33)の表面に、結晶化Si膜(33)平面からの法線(zn)と入射角αをなす連続光(31)を入射させる光源(41)と、この連続光(31)による結晶化Si膜(33)の表面からの回折光(32)を、前記法線(zn)と回折角βをなす位置で受光すると共にスペクトルを示す分光器(48)とを備える結晶化膜の評価方法において、
    前記光源(41)からの連続光(31)を結晶化Si膜(33)に入射させる入射部の光ファイバー(42)と、回折光(32)を受光して分光器(48)に導く受光部の光ファイバー(45)とを備えさせ、全ての光ファイバー(42,45)の径を200μm以下に設定し、かつ、それぞれ複数本とした受光部の光ファイバー(45)と入射部の光ファイバー(42)とを並列に配置し、結晶化膜の評価装置の装置関数を結晶化Si膜(33)からの回折光(32)の真のスペクトルがほぼ得られるものにすることを特徴とする結晶化膜の評価方法。
  6. レーザ光により結晶化した結晶化Si膜(33)の表面に、結晶化Si膜(33)平面からの法線(zn)と入射角αをなす連続光(31)を入射させる光源(41)と、この連続光(31)による結晶化Si膜(33)の表面からの回折光(32)を、前記法線(zn)と回折角βをなす位置で受光すると共にスペクトルを示す分光器(48)とを備える結晶化膜の評価装置において、
    前記結晶化Si膜(33)の結晶粒(34)の大きさの均一性を、結晶化Si膜(33)からの回折光(32)のスペクトルの所定位置の幅から判断することを特徴とする結晶化膜の評価装置。
  7. レーザ光により結晶化した結晶化Si膜(33)の表面に、結晶化Si膜(33)平面からの法線(zn)と入射角αをなす連続光(31)を入射させる光源(41)と、この連続光(31)による結晶化Si膜(33)の表面からの回折光(32)を、前記法線(zn)と回折角βをなす位置で受光すると共にスペクトルを示す分光器(48)とを備える結晶化膜の評価装置において、
    前記結晶化Si膜(33)の結晶粒界に存在するリッジ(38)の高さを、結晶化Si膜(33)からの回折光(32)のスペクトルの高さから判断し、リッジ(38)の高さを所定値以下にすることを特徴とする結晶化膜の評価装置。
  8. レーザ光により結晶化した結晶化Si膜(33)の表面に、結晶化Si膜(33)平面からの法線(zn)と入射角αをなす連続光(31)を入射させる光源(41)と、この連続光(31)による結晶化Si膜(33)の表面からの回折光(32)を、前記法線(zn)と回折角βをなす位置で受光すると共にスペクトルを示す分光器(48)とを備える結晶化膜の評価装置において、
    前記光源(41)からの連続光(31)を結晶化Si膜(33)に入射させる入射部の光ファイバー(42)と、回折光(32)を受光して分光器(48)に導く受光部の光ファイバー(45)とを備えさせ、各光ファイバー(42,45)の径を200μm以下に設定することを特徴とする結晶化膜の評価装置。
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