JP2005011840A - レーザアニール装置およびレーザアニール方法 - Google Patents
レーザアニール装置およびレーザアニール方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005011840A JP2005011840A JP2003170916A JP2003170916A JP2005011840A JP 2005011840 A JP2005011840 A JP 2005011840A JP 2003170916 A JP2003170916 A JP 2003170916A JP 2003170916 A JP2003170916 A JP 2003170916A JP 2005011840 A JP2005011840 A JP 2005011840A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- film thickness
- energy density
- laser
- irradiated
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Recrystallisation Techniques (AREA)
Abstract
【課題】1枚の基板内での膜厚分布に起因するレーザアニール後の多結晶Si膜特性のばらつきを低減することを可能にする。
【解決手段】レーザアニール装置1においては、非晶質Si膜7の平面上において複数に区分された領域毎の膜厚を膜厚測定手段4によって測定し、膜厚測定出力に応答して、制御手段5が、光源2の発振出力または照射光学系3の光量を調整することによって、レーザ光の非晶質Si膜に対する照射エネルギ密度を制御する。したがって、1枚の基板6内において区分された領域毎に最適な照射エネルギ密度でアニール処理することができるので、アニール後の多結晶Si膜の結晶特性を均一化することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】レーザアニール装置1においては、非晶質Si膜7の平面上において複数に区分された領域毎の膜厚を膜厚測定手段4によって測定し、膜厚測定出力に応答して、制御手段5が、光源2の発振出力または照射光学系3の光量を調整することによって、レーザ光の非晶質Si膜に対する照射エネルギ密度を制御する。したがって、1枚の基板6内において区分された領域毎に最適な照射エネルギ密度でアニール処理することができるので、アニール後の多結晶Si膜の結晶特性を均一化することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザアニール装置およびレーザアニール方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザ光は、コヒーレントな光であり、収束性に優れるので、溶接、切断、表面処理など種々の加工分野において利用されている。レーザ光を利用する加工分野の1つに、たとえば基板上に成膜された非晶質シリコン(アモルファスシリコン;a−Siと表すことがある)膜にレーザ光を照射して加熱し、多結晶Si膜を形成するレーザアニーリングがある。このレーザアニーリングは、非晶質Si膜にレーザ光を照射し、Siの加熱溶融と凝固の過程を通じてSi膜を多結晶Si膜にするものである。
【0003】
多結晶Si膜は、たとえば液晶表示装置などに使用されている。液晶表示装置は、ガラスや合成石英などからなる基板上に形成した多結晶Si膜を利用し、多結晶Si膜の上に作製された薄膜トランジスタ(略称TFT)のスイッチングにより、画像を表示させている。しかしながら、基板上に成膜されたSi膜が、非晶質状態であると、トランジスタ能動層を構成するにはキャリア移動度が低く、高速性と高性能とが要求される集積回路への利用が困難である。そこで、Si膜の結晶性を改善するために、基板上に成膜された非晶質Si膜にレーザアニーリング処理を施し、非晶質Si膜を溶融/凝固の過程を通じて結晶化することにより多結晶Si膜を形成する方法が用いられている。
【0004】
このようなレーザーアニールによる溶融結晶化法においては、得られる多結晶Si膜の結晶性が、非晶質Si膜に照射されるレーザ光の照射エネルギ密度に大きく影響を受ける。照射エネルギ密度が低過ぎる場合、充分に結晶成長が進まずに非晶質Si部分が残るので、得られる多結晶Si膜特性は非常に低くなってしまう。また、逆に照射エネルギ密度が高過ぎる場合、非晶質Si膜は微結晶粒と呼ばれる粒径が数〜数十nmの微細結晶の集合体となり、得られる多結晶Si膜特性が低下してしまう。したがって、レーザーアニール法によって非晶質Si膜を結晶化するに際しては、照射エネルギー密度は微結晶化が起こらない範囲で可能な限り高いレベルに設定されることが望ましい。
【0005】
そこでレーザアニール法では、微結晶化が起こらない範囲内で照射エネルギー密度を高いレベルに設定して非晶質Si膜を溶融結晶化させることが指向されている。しかしながら、基板上に形成された非晶質Si膜の膜厚が基板毎に異なるので、同じ照射エネルギー密度で複数の基板上に形成された非晶質Si膜をそれぞれレーザアニール処理して多結晶Si膜を形成すると、得られる多結晶Si膜の特性が基板毎にばらつくという問題がある。
【0006】
このような問題に対しては、微結晶化のしきい値となる照射エネルギ密度を、オペレータによる非晶質Si膜上の予備照射部の目視判断や、ラマン分光測定により得られるラマンスペクトルの半値幅解析に基づく結晶性判断によって、選定するという方法がとられていた。しかしながら、目視判断はオペレータの経験や勘に依存する部分が大きく客観性に乏しいので、オペレータが異なれば選定値が異なるばかりでなく、同じオペレータであっても体調等によって日毎に選定値が異なるなど、判断基準の安定性に欠ける。また、半値幅解析はデータ処理および解析に長時間を必要とするので、まさに処理中の基板に対するレーザアニール処理条件へのリアルタイムフィードバックには不向きであり、レーザアニール処理後の結晶性確認に用いられるに過ぎなかった。
【0007】
このような問題を解決する従来技術の一つに、各基板毎に、成膜工程前に半導体膜にエネルギ光を照射して予備照射部を形成し、半導体膜からの光に基づいて、微結晶化のしきい値を超えないように、該当する基板毎の最適照射エネルギー密度を決定する方法が提案されている(特許文献1参照)。またもう一つの従来技術では、基板上の被アニール膜の膜厚を測定し、その膜厚に応じて基板毎に被アニール膜に照射されるレーザ光の照射エネルギが適正になるように制御する方法が提案されている(特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−114174号公報
【特許文献2】
特開平10−284433号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の特許文献1および特許文献2に開示される従来技術には、以下のような問題がある。半導体デバイスの生産においては、生産効率向上の要請に応えて、半導体薄膜の形成される基板の大型化が進められているので、レーザアニールによって多結晶化処理される非晶質Si膜の形成される基板も大型化され、1枚の基板において非晶質Si膜に生じる膜厚のばらつきも無視し得ないものとなっている。したがって、非晶質Si膜のレーザアニール処理においては、基板毎の厚みのばらつきに起因する結晶化特性のばらつきを抑制するにとどまらず、1枚の基板内における厚みのばらつきに起因する結晶化特性のばらつきを抑制することが強く求められている。
【0010】
前述の特許文献1および特許文献2に開示される従来技術は、基板毎に予備照射部を形成しまた基板毎に膜厚を測定して、基板毎に適正な照射エネルギを決定するに過ぎないものであり、大型基板内に発生する基板内の膜厚変動に対応して最適照射エネルギ密度を決定することができないので、1枚の基板内での膜厚分布に起因するレーザアニール後の多結晶Si膜特性のばらつきを低減することに対しては、全く対応できないという問題がある。
【0011】
本発明の目的は、1枚の基板内での膜厚分布に起因するレーザアニール後の多結晶Si膜特性のばらつきを低減することができるレーザアニール装置およびレーザアニール方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基板上に形成された被照射膜に対してレーザ光を照射してアニール加工を施すレーザアニール装置において、
レーザ光を出射する光源と、
光源から出射されるレーザ光を被照射膜へ導くとともにレーザ光の光量を可変に調整することのできる照射光学系と、
被照射膜をその平面上において複数の領域に区分し、区分された領域毎の膜厚を測定する膜厚測定手段と、
膜厚測定手段の出力に応答し、光源の発振出力または照射光学系の光量を調整することによって、レーザ光の被照射膜に対する照射エネルギ密度を制御する制御手段とを含むことを特徴とするレーザアニール装置である。
【0013】
また本発明は、前記膜厚測定手段は、エリプソメータであることを特徴とする。
【0014】
本発明に従えば、レーザアニール装置は、レーザ光を出射する光源と、光源から出射されるレーザ光を被照射膜へ導くとともにレーザ光の光量を可変に調整することのできる照射光学系と、被照射膜をその平面上において複数の領域に区分し、区分された領域毎の膜厚を測定する膜厚測定手段、好ましくはエリプソメータと、膜厚測定手段の出力に応答し、光源の出力または照射光学系の光量を調整することによって、レーザ光の被照射膜に対する照射エネルギ密度を制御する制御手段とを含んで構成される。このように構成されるレーザアニール装置では、被照射膜であるたとえば非晶質Si膜が形成された基板上の複数の区分領域毎に、非晶質Si膜の膜厚を測定し、測定された膜厚に応じて照射エネルギ密度を制御することができるので、1枚の基板内においてレーザアニール後に形成される多結晶Si膜特性のばらつき低減を実現することができる。
【0015】
また本発明は、前記制御手段は、
被照射膜の膜厚と被照射膜をアニールするための最適照射エネルギ密度との関係が予めストアされる記憶手段を備え、
前記膜厚測定手段の測定出力と記憶手段にストアされる前記関係とに基づいて、レーザ光の被照射膜に対する照射エネルギ密度を制御することを特徴とする。
【0016】
本発明に従えば、制御手段は、記憶手段を備え、記憶手段に予めストアされた被照射膜の膜厚と被照射膜をアニールするための最適照射エネルギ密度との関係を読出し、膜厚測定手段の測定出力と記憶手段にストアされる前記関係とに基づいて、レーザ光の被照射膜に対する照射エネルギ密度を制御する。このことによって、被照射膜であるたとえば非晶質Si膜の区分領域毎に、該区分領域の膜厚に最適な、微結晶化のしきい値を超えない範囲で選定される大きな照射エネルギ密度によってアニール処理することができるので、アニール処理で形成される多結晶Si膜は、高い結晶性を有し、1枚の基板内での結晶特性にばらつきを生じることがない。したがって、このようにして形成される多結晶Si膜を用いてTFT素子を製造するとき、1枚の基板内における採取位置に関らず、また採取される基板に関らず、ばらつきのない高い電気特性を有するTFT素子を得ることが可能になる。
【0017】
また本発明は、基板上に形成された被照射膜に対してレーザ光を照射してアニール加工を施すレーザアニール方法において、
被照射膜をその平面上において複数の領域に区分し、区分された領域毎の膜厚を測定する膜厚測定ステップと、
光源からレーザ光を出射するステップと、
測定された被照射膜の膜厚に応じ、予め定められる被照射膜の膜厚と被照射膜をアニールするための最適照射エネルギ密度との関係に基づいて、最適照射エネルギ密度を選択し、選択された最適照射エネルギ密度になるように光源から出射され被照射膜に照射されるレーザ光の照射エネルギ密度を制御する制御ステップとを含むことを特徴とするレーザアニール方法である。
【0018】
また本発明は、前記膜厚測定ステップにおいて、被照射膜の膜厚がエリプソメータによって測定されることを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、レーザアニール方法は、被照射膜をその平面上において複数の領域に区分し、区分された領域毎の膜厚を測定、好ましくはエリプソメータによって測定する膜厚測定ステップと、光源からレーザ光を出射するステップと、測定された被照射膜の膜厚に応じ、予め定められる被照射膜の膜厚と被照射膜をアニールするための最適照射エネルギ密度との関係に基づいて、最適照射エネルギ密度を選択し、選択された最適照射エネルギ密度になるように光源から出射され被照射膜に照射されるレーザ光の照射エネルギ密度を制御する制御ステップとを含む。このようなレーザアニール方法では、被照射膜であるたとえば非晶質Si膜が形成された基板上の複数の区分領域毎に、非晶質Si膜の膜厚を測定し、測定された膜厚に応じて最適な照射エネルギ密度、すなわち微結晶化のしきい値を超えない範囲で選定される大きな照射エネルギ密度によってアニール処理することができるので、高い結晶性を有し、1枚の基板内での結晶特性にばらつきのない多結晶Si膜を作製することができる。
【0020】
また本発明は、前記膜厚測定ステップは、基板毎に実行されることを特徴とする。
【0021】
本発明に従えば、膜厚測定ステップは基板毎に実行されるので、1枚の基板内ばかりでなく、異なる基板同志においても結晶特性のばらつきがない多結晶Si膜を作製することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態であるレーザアニール装置1の構成を簡略化して示す系統図である。レーザアニール装置1は、レーザ光を出射する光源2と、光源2から出射されるレーザ光を被照射膜へ導くとともにレーザ光の光量を可変に調整することのできる照射光学系3と、被照射膜をその平面上において複数の領域に区分し、区分された領域毎の膜厚を測定する膜厚測定手段4と、膜厚測定手段3の出力に応答し、光源2の発振出力または照射光学系3の光量を調整することによって、レーザ光の被照射膜に対する照射エネルギ密度を制御する制御手段5とを含む。
【0023】
本実施の形態のレーザアニール装置1は、たとえばガラス製の基板6の上に形成された被照射膜である非晶質Si膜7に対して、レーザ光を照射してアニール処理を施すことに用いられる。非晶質Si膜7の形成された基板6は、少なくとも2軸方向に移動可能なX−Yテーブル8上に載置される。X−Yテーブル8には、図示を省略する駆動手段と、駆動手段の動作を制御してテーブル上の基板6を所望の位置に移動させることのできる駆動手段の制御部とが備えられる。非晶質Si膜7の形成された基板6およびX−Yテーブル8は、加工容器である処理チャンバ9の内部空間10に収容される。
【0024】
処理チャンバ9は、たとえば金属製の箱型容器である。処理チャンバ9には、図示を省略する真空ポンプとその配管系および不活性ガスまたは活性ガスの供給源とその配管系が設けられ、真空雰囲気やその他任意のガス雰囲気中で、非晶質Si膜のレーザアニール処理が可能なように構成される。
【0025】
レーザ光を出射する光源2は、本実施の形態では希ガスとハロゲン化物とのエキシマを利用したXeClエキシマレーザを発振するレーザ発振器2である。レーザ発振器2は、前記制御手段5からの制御信号によって、その発振出力が可変なように構成される。
【0026】
照射光学系3は、レーザ発振器2から出射されるレーザ光の光路を曲げて、処理チャンバ9内の非晶質Si膜7へ導く光反射部材と、レーザ光の光量を可変に調整する光量調整部材とを含んで構成される。本実施の形態では、レーザ発振器2から出射されるレーザ光の光量を減衰させることによって、光量を可変に調整する方法を採っているので、図1では、照射光学系3を光量調整機能で代表し、減衰器を表すアッテネータと表記している。照射光学系3に備わる光量調整部材(アッテネータ)には、(a)透過率の異なる複数の部分透過ミラーを備え、この部分ミラーを選択して光路に挿入するもの、(b)ハーフミラーを光路に挿入し、このハーフミラーとレーザ光のビームとの角度を変えるもの、(c)偏光板を光路に挿入し、その偏光軸の方向を変えるものなどのうち、いずれを用いてもよい。
【0027】
膜厚測定手段4は、エリプソメータである。エリプソメータは、白色光源と検出器とを備え、白色光から分光された光を非晶質Si膜7に照射し、非晶質Si膜7から反射される光を反射角度毎に検出し、非晶質Si膜7の膜厚を測定する。
【0028】
制御手段5は、中央処理装置(略称CPU)を備える処理回路であり、たとえばマイクロコンピュータなどによって実現される。また制御手段5は、記憶手段であるメモリ11を備える。メモリ11には、たとえばROMまたはRAMなどの公知のものを用いることができる。
【0029】
メモリ11には、非晶質Si膜の膜厚と、非晶質Si膜をアニールするための最適照射エネルギ密度との関係が予めストアされる。図2は、非晶質Si膜の膜厚と非晶質Si膜をアニールするための最適照射エネルギ密度との関係を例示する図である。本実施の形態では、図2に示すように横軸に非晶質Si膜の膜厚をとり、縦軸に最適照射エネルギ密度をとるマップとして、前記関係が与えられる。
【0030】
図2のようなマップは、以下のようにして求めることができる。基板上に厚みが種々に異なる非晶質Si膜を形成し、厚みが種々に異なる非晶質Si膜に照射エネルギ密度値が種々に異なるレーザ光を照射して、種々の厚みと種々の照射エネルギ密度値との組合せからなる多結晶化Si膜の試料を作製する。作製された多結晶化Si膜の試料を、顕微鏡観察および/またはラマン分光測定して結晶化状態を判別し、各膜厚毎に、微結晶化するしきい値直下のエネルギ密度値を、多結晶化の最適照射エネルギ密度として選定することによってマップが得られる。図2のマップでは、図2中の縦棒(エラーバー)12によって示される範囲が最適照射エネルギ密度である。
【0031】
非晶質Si膜の膜厚と、非晶質Si膜をアニールするための最適照射エネルギ密度との関係は、図2に示すようなマップに限定されることなく、非晶質Si膜の膜厚に対する最適照射エネルギ密度値が、テーブルデータとして与えられてもよい。
【0032】
制御手段5は、膜厚測定手段4による非晶質Si膜の膜厚の測定出力を得たとき、メモリ11にストアされる前記関係を読出し、測定された非晶質Si膜7の膜厚に対応する最適照射エネルギ密度を前記関係から選択決定し、非晶質Si膜7に照射されるレーザ光のエネルギ密度が、選択決定した最適照射エネルギ密度になるように、レーザ発振器2の発振出力または照射光学系3の光量調整部材による光量を制御する。
【0033】
以下本発明の実施の態様であるレーザアニール装置10を用いる非晶質Si膜のレーザアニール方法について説明する。
【0034】
まず非晶質Si膜7を、その平面上において、基板6の寸法に応じて予め定められる複数の領域に区分し、区分された領域毎の膜厚を、膜厚測定手段4であるエリプソメータによって測定する。図3は、非晶質Si膜7の区分領域の状態を示す図である。本実施の形態では、非晶質Si膜7の平面を2行7列からなる14個の領域(A〜O)に区分している。なお区分領域の数は、14個に限定されるものではなく、その他の数であってもよい。区分領域の数は、レーザアニール装置および膜厚測定手段の分解能に基づいて上限が定められるものであり、多結晶Si膜特性の均一性の観点からは、処理時間が許される範囲で大きい区分数を設けることが好ましい。
【0035】
以下膜厚測定手段4であるエリプソメータによる膜厚測定について説明する。まず前述の区分領域A〜Oの2次元平面座標値を、たとえば領域Aの隣接領域を有さない角部を基準位置13として、制御手段5のメモリ11にストアする。このとき、各区分領域A〜O内における膜厚測定位置も、区分領域毎に複数の測定点を同一座標系において予め定め、メモリ11にストアする。1つの区分領域において定められる測定点の数は、特に限定されることはなく、制御手段5の処理能力と膜厚測定精度の要求に応じて適宜選択される。
【0036】
次いで、制御手段5は、メモリ11から各区分領域の測定点座標値を読出し、X−Yテーブル8の制御部に対して、駆動動作制御信号として出力する。同時に制御手段5は、エリプソメータ4に対して膜厚測定動作制御信号を出力し、前述の予め定める測定点がX−Yテーブル8の移動によって所定位置に達したとき、制御手段5からの出力に応答してエリプソメータ4が、非晶質Si膜7の膜厚を測定する。膜厚測定結果は、エリプソメータ4から制御手段5に与えられる。制御手段5では、1つの区分領域で得られた複数点の膜厚測定データを算術平均し、その平均値を、各区分領域の膜厚測定結果としてメモリ11にストアする。
【0037】
さらに制御手段5は、各区分領域の膜厚測定結果をメモリ11から読出し、各区分領域の膜厚測定値に対応する最適照射エネルギ密度を、メモリ11から読出した非晶質Si膜厚と最適照射エネルギ密度との関係を与えるマップから求め、求めた値を各区分領域の最適照射エネルギ密度としてメモリ11にストアする。
【0038】
このようにして、各区分領域の膜厚が測定され、各区分領域の最適エネルギ密度が選択された後、制御手段5がX−Yテーブル8に駆動動作制御信号を出力し、この出力の応答してX−Yテーブル8が動作して、非晶質Si膜7のレーザアニール処理開始位置であるたとえば基準位置13をレーザ光照射位置へ移動させる。
【0039】
次いで、光源2からはレーザ光が出射され、照射光学系3は、レーザ光を非晶質Si膜7の表面へと導く。このとき、制御手段5は、X−Yテーブル8の駆動動作と、最適エネルギ密度の選択結果とを連携させ、区分領域毎に選択された最適照射エネルギ密度になるように、光源2から出射されて非晶質Si膜7の当該区分領域に照射されるレーザ光の照射エネルギ密度を制御する。本実施の形態では、照射エネルギ密度の制御は、前記非晶質Si膜厚と最適照射エネルギ密度との関係に基づいて、照射光学系3の光量調整部材であるアッテネータの開度を、最適照射エネルギ密度になるように調整することによって行なわれる。なおアッテネータの開度と、照射エネルギ密度との関係は、予め計測され、その計測結果がメモリ11にストアされているので、非晶質Si膜厚に応じた最適照射エネルギ密度が選択されたとき、さらに選択された最適照射エネルギ密度に対応するアッテネータの開度が選択され、該選択結果に従い制御手段5によってアッテネータの動作制御が実行される。
【0040】
またレーザアニールされる各区分領域に対する照射位置の移動は、X−Yテーブル8の移動によって行なわれ、この移動は、X−Yテーブル8の制御部に、各区分領域の座標データと、レーザアニール処理の順序すなわち移動順序とを、制御手段5から与えることによって実現される。
【0041】
前述のレーザアニール方法における非晶質Si膜の膜厚測定は、レーザアニールされるべき非晶質Si膜の形成された基板が交換される毎に実行される。したがって、1枚の基板内における多結晶Si膜の結晶特性が均一化されるにとどまらず、異なる基板同志においても多結晶Si膜の結晶特性を均一化することが可能になる。
【0042】
以上に述べたように、本実施の形態では、被照射膜は、非晶質Si膜であるけれども、これに限定されることなく、半導体Siウエハ等の上に形成されたポリSi膜などであってもよい。また光源は、XeClエキシマレーザであるけれども、これに限定されることなく、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザその他のエキシマレーザであってもよい。またアニールされる非晶質Si膜の移動は、基板の載置されるX−Yテーブルを移動させることによって行なわれる構成であるけれども、これに限定されることなく、照射光学系を駆動させてレーザ光のビームを被照射膜上で走査させる構成であってもよい。
【0043】
【発明の効果】
本発明に従えば、レーザアニール装置は、レーザ光を出射する光源と、光源から出射されるレーザ光を被照射膜へ導くとともにレーザ光の光量を可変に調整することのできる照射光学系と、被照射膜をその平面上において複数の領域に区分し、区分された領域毎の膜厚を測定する膜厚測定手段、好ましくはエリプソメータと、膜厚測定手段の出力に応答し、光源の出力または照射光学系の光量を調整することによって、レーザ光の被照射膜に対する照射エネルギ密度を制御する制御手段とを含んで構成される。このように構成されるレーザアニール装置では、被照射膜であるたとえば非晶質Si膜が形成された基板上の複数の区分領域毎に、非晶質Si膜の膜厚を測定し、測定された膜厚に応じて照射エネルギ密度を制御することができるので、1枚の基板内においてレーザアニール後に形成される多結晶Si膜特性のばらつき低減を実現することができる。
【0044】
また本発明によれば、制御手段は、記憶手段を備え、記憶手段に予めストアされた被照射膜の膜厚と被照射膜をアニールするための最適照射エネルギ密度との関係を読出し、膜厚測定手段の測定出力と記憶手段にストアされる前記関係とに基づいて、レーザ光の被照射膜に対する照射エネルギ密度を制御する。このことによって、被照射膜であるたとえば非晶質Si膜の区分領域毎に、該区分領域の膜厚に最適な、微結晶化のしきい値を超えない範囲で選定される大きな照射エネルギ密度によってアニール処理することができるので、アニール処理で形成される多結晶Si膜は、高い結晶性を有し、1枚の基板内での結晶特性にばらつきを生じることがない。したがって、このようにして形成される多結晶Si膜を用いてTFT素子を製造するとき、1枚の基板内における採取位置に関らず、また採取される基板に関らず、ばらつきのない高い電気特性を有するTFT素子を得ることが可能になる。
【0045】
また本発明によれば、レーザアニール方法は、被照射膜をその平面上において複数の領域に区分し、区分された領域毎の膜厚を測定、好ましくはエリプソメータによって測定する膜厚測定ステップと、光源からレーザ光を出射するステップと、測定された被照射膜の膜厚に応じ、予め定められる被照射膜の膜厚と被照射膜をアニールするための最適照射エネルギ密度との関係に基づいて、最適照射エネルギ密度を選択し、選択された最適照射エネルギ密度になるように光源から出射され被照射膜に照射されるレーザ光の照射エネルギ密度を制御する制御ステップとを含む。このようなレーザアニール方法では、被照射膜であるたとえば非晶質Si膜が形成された基板上の複数の区分領域毎に、非晶質Si膜の膜厚を測定し、測定された膜厚に応じて最適な照射エネルギ密度、すなわち微結晶化のしきい値を超えない範囲で選定される大きな照射エネルギ密度によってアニール処理することができるので、高い結晶性を有し、1枚の基板内での結晶特性にばらつきのない多結晶Si膜を作製することができる。
【0046】
また本発明によれば、膜厚測定ステップは基板毎に実行されるので、1枚の基板内ばかりでなく、異なる基板同志においても結晶特性のばらつきがない多結晶Si膜を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態であるレーザアニール装置1の構成を簡略化して示す系統図である。
【図2】非晶質Si膜の膜厚と非晶質Si膜をアニールするための最適照射エネルギ密度との関係を例示する図である。
【図3】非晶質Si膜7の区分領域の状態を示す図である。
【符号の説明】
1 レーザアニール装置
2 光源
3 照射光学系
4 膜厚測定手段
5 制御手段
6 基板
7 非晶質Si膜
8 X−Yテーブル
9 処理チャンバ
10 内部空間
11 メモリ
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザアニール装置およびレーザアニール方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザ光は、コヒーレントな光であり、収束性に優れるので、溶接、切断、表面処理など種々の加工分野において利用されている。レーザ光を利用する加工分野の1つに、たとえば基板上に成膜された非晶質シリコン(アモルファスシリコン;a−Siと表すことがある)膜にレーザ光を照射して加熱し、多結晶Si膜を形成するレーザアニーリングがある。このレーザアニーリングは、非晶質Si膜にレーザ光を照射し、Siの加熱溶融と凝固の過程を通じてSi膜を多結晶Si膜にするものである。
【0003】
多結晶Si膜は、たとえば液晶表示装置などに使用されている。液晶表示装置は、ガラスや合成石英などからなる基板上に形成した多結晶Si膜を利用し、多結晶Si膜の上に作製された薄膜トランジスタ(略称TFT)のスイッチングにより、画像を表示させている。しかしながら、基板上に成膜されたSi膜が、非晶質状態であると、トランジスタ能動層を構成するにはキャリア移動度が低く、高速性と高性能とが要求される集積回路への利用が困難である。そこで、Si膜の結晶性を改善するために、基板上に成膜された非晶質Si膜にレーザアニーリング処理を施し、非晶質Si膜を溶融/凝固の過程を通じて結晶化することにより多結晶Si膜を形成する方法が用いられている。
【0004】
このようなレーザーアニールによる溶融結晶化法においては、得られる多結晶Si膜の結晶性が、非晶質Si膜に照射されるレーザ光の照射エネルギ密度に大きく影響を受ける。照射エネルギ密度が低過ぎる場合、充分に結晶成長が進まずに非晶質Si部分が残るので、得られる多結晶Si膜特性は非常に低くなってしまう。また、逆に照射エネルギ密度が高過ぎる場合、非晶質Si膜は微結晶粒と呼ばれる粒径が数〜数十nmの微細結晶の集合体となり、得られる多結晶Si膜特性が低下してしまう。したがって、レーザーアニール法によって非晶質Si膜を結晶化するに際しては、照射エネルギー密度は微結晶化が起こらない範囲で可能な限り高いレベルに設定されることが望ましい。
【0005】
そこでレーザアニール法では、微結晶化が起こらない範囲内で照射エネルギー密度を高いレベルに設定して非晶質Si膜を溶融結晶化させることが指向されている。しかしながら、基板上に形成された非晶質Si膜の膜厚が基板毎に異なるので、同じ照射エネルギー密度で複数の基板上に形成された非晶質Si膜をそれぞれレーザアニール処理して多結晶Si膜を形成すると、得られる多結晶Si膜の特性が基板毎にばらつくという問題がある。
【0006】
このような問題に対しては、微結晶化のしきい値となる照射エネルギ密度を、オペレータによる非晶質Si膜上の予備照射部の目視判断や、ラマン分光測定により得られるラマンスペクトルの半値幅解析に基づく結晶性判断によって、選定するという方法がとられていた。しかしながら、目視判断はオペレータの経験や勘に依存する部分が大きく客観性に乏しいので、オペレータが異なれば選定値が異なるばかりでなく、同じオペレータであっても体調等によって日毎に選定値が異なるなど、判断基準の安定性に欠ける。また、半値幅解析はデータ処理および解析に長時間を必要とするので、まさに処理中の基板に対するレーザアニール処理条件へのリアルタイムフィードバックには不向きであり、レーザアニール処理後の結晶性確認に用いられるに過ぎなかった。
【0007】
このような問題を解決する従来技術の一つに、各基板毎に、成膜工程前に半導体膜にエネルギ光を照射して予備照射部を形成し、半導体膜からの光に基づいて、微結晶化のしきい値を超えないように、該当する基板毎の最適照射エネルギー密度を決定する方法が提案されている(特許文献1参照)。またもう一つの従来技術では、基板上の被アニール膜の膜厚を測定し、その膜厚に応じて基板毎に被アニール膜に照射されるレーザ光の照射エネルギが適正になるように制御する方法が提案されている(特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−114174号公報
【特許文献2】
特開平10−284433号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の特許文献1および特許文献2に開示される従来技術には、以下のような問題がある。半導体デバイスの生産においては、生産効率向上の要請に応えて、半導体薄膜の形成される基板の大型化が進められているので、レーザアニールによって多結晶化処理される非晶質Si膜の形成される基板も大型化され、1枚の基板において非晶質Si膜に生じる膜厚のばらつきも無視し得ないものとなっている。したがって、非晶質Si膜のレーザアニール処理においては、基板毎の厚みのばらつきに起因する結晶化特性のばらつきを抑制するにとどまらず、1枚の基板内における厚みのばらつきに起因する結晶化特性のばらつきを抑制することが強く求められている。
【0010】
前述の特許文献1および特許文献2に開示される従来技術は、基板毎に予備照射部を形成しまた基板毎に膜厚を測定して、基板毎に適正な照射エネルギを決定するに過ぎないものであり、大型基板内に発生する基板内の膜厚変動に対応して最適照射エネルギ密度を決定することができないので、1枚の基板内での膜厚分布に起因するレーザアニール後の多結晶Si膜特性のばらつきを低減することに対しては、全く対応できないという問題がある。
【0011】
本発明の目的は、1枚の基板内での膜厚分布に起因するレーザアニール後の多結晶Si膜特性のばらつきを低減することができるレーザアニール装置およびレーザアニール方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基板上に形成された被照射膜に対してレーザ光を照射してアニール加工を施すレーザアニール装置において、
レーザ光を出射する光源と、
光源から出射されるレーザ光を被照射膜へ導くとともにレーザ光の光量を可変に調整することのできる照射光学系と、
被照射膜をその平面上において複数の領域に区分し、区分された領域毎の膜厚を測定する膜厚測定手段と、
膜厚測定手段の出力に応答し、光源の発振出力または照射光学系の光量を調整することによって、レーザ光の被照射膜に対する照射エネルギ密度を制御する制御手段とを含むことを特徴とするレーザアニール装置である。
【0013】
また本発明は、前記膜厚測定手段は、エリプソメータであることを特徴とする。
【0014】
本発明に従えば、レーザアニール装置は、レーザ光を出射する光源と、光源から出射されるレーザ光を被照射膜へ導くとともにレーザ光の光量を可変に調整することのできる照射光学系と、被照射膜をその平面上において複数の領域に区分し、区分された領域毎の膜厚を測定する膜厚測定手段、好ましくはエリプソメータと、膜厚測定手段の出力に応答し、光源の出力または照射光学系の光量を調整することによって、レーザ光の被照射膜に対する照射エネルギ密度を制御する制御手段とを含んで構成される。このように構成されるレーザアニール装置では、被照射膜であるたとえば非晶質Si膜が形成された基板上の複数の区分領域毎に、非晶質Si膜の膜厚を測定し、測定された膜厚に応じて照射エネルギ密度を制御することができるので、1枚の基板内においてレーザアニール後に形成される多結晶Si膜特性のばらつき低減を実現することができる。
【0015】
また本発明は、前記制御手段は、
被照射膜の膜厚と被照射膜をアニールするための最適照射エネルギ密度との関係が予めストアされる記憶手段を備え、
前記膜厚測定手段の測定出力と記憶手段にストアされる前記関係とに基づいて、レーザ光の被照射膜に対する照射エネルギ密度を制御することを特徴とする。
【0016】
本発明に従えば、制御手段は、記憶手段を備え、記憶手段に予めストアされた被照射膜の膜厚と被照射膜をアニールするための最適照射エネルギ密度との関係を読出し、膜厚測定手段の測定出力と記憶手段にストアされる前記関係とに基づいて、レーザ光の被照射膜に対する照射エネルギ密度を制御する。このことによって、被照射膜であるたとえば非晶質Si膜の区分領域毎に、該区分領域の膜厚に最適な、微結晶化のしきい値を超えない範囲で選定される大きな照射エネルギ密度によってアニール処理することができるので、アニール処理で形成される多結晶Si膜は、高い結晶性を有し、1枚の基板内での結晶特性にばらつきを生じることがない。したがって、このようにして形成される多結晶Si膜を用いてTFT素子を製造するとき、1枚の基板内における採取位置に関らず、また採取される基板に関らず、ばらつきのない高い電気特性を有するTFT素子を得ることが可能になる。
【0017】
また本発明は、基板上に形成された被照射膜に対してレーザ光を照射してアニール加工を施すレーザアニール方法において、
被照射膜をその平面上において複数の領域に区分し、区分された領域毎の膜厚を測定する膜厚測定ステップと、
光源からレーザ光を出射するステップと、
測定された被照射膜の膜厚に応じ、予め定められる被照射膜の膜厚と被照射膜をアニールするための最適照射エネルギ密度との関係に基づいて、最適照射エネルギ密度を選択し、選択された最適照射エネルギ密度になるように光源から出射され被照射膜に照射されるレーザ光の照射エネルギ密度を制御する制御ステップとを含むことを特徴とするレーザアニール方法である。
【0018】
また本発明は、前記膜厚測定ステップにおいて、被照射膜の膜厚がエリプソメータによって測定されることを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、レーザアニール方法は、被照射膜をその平面上において複数の領域に区分し、区分された領域毎の膜厚を測定、好ましくはエリプソメータによって測定する膜厚測定ステップと、光源からレーザ光を出射するステップと、測定された被照射膜の膜厚に応じ、予め定められる被照射膜の膜厚と被照射膜をアニールするための最適照射エネルギ密度との関係に基づいて、最適照射エネルギ密度を選択し、選択された最適照射エネルギ密度になるように光源から出射され被照射膜に照射されるレーザ光の照射エネルギ密度を制御する制御ステップとを含む。このようなレーザアニール方法では、被照射膜であるたとえば非晶質Si膜が形成された基板上の複数の区分領域毎に、非晶質Si膜の膜厚を測定し、測定された膜厚に応じて最適な照射エネルギ密度、すなわち微結晶化のしきい値を超えない範囲で選定される大きな照射エネルギ密度によってアニール処理することができるので、高い結晶性を有し、1枚の基板内での結晶特性にばらつきのない多結晶Si膜を作製することができる。
【0020】
また本発明は、前記膜厚測定ステップは、基板毎に実行されることを特徴とする。
【0021】
本発明に従えば、膜厚測定ステップは基板毎に実行されるので、1枚の基板内ばかりでなく、異なる基板同志においても結晶特性のばらつきがない多結晶Si膜を作製することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態であるレーザアニール装置1の構成を簡略化して示す系統図である。レーザアニール装置1は、レーザ光を出射する光源2と、光源2から出射されるレーザ光を被照射膜へ導くとともにレーザ光の光量を可変に調整することのできる照射光学系3と、被照射膜をその平面上において複数の領域に区分し、区分された領域毎の膜厚を測定する膜厚測定手段4と、膜厚測定手段3の出力に応答し、光源2の発振出力または照射光学系3の光量を調整することによって、レーザ光の被照射膜に対する照射エネルギ密度を制御する制御手段5とを含む。
【0023】
本実施の形態のレーザアニール装置1は、たとえばガラス製の基板6の上に形成された被照射膜である非晶質Si膜7に対して、レーザ光を照射してアニール処理を施すことに用いられる。非晶質Si膜7の形成された基板6は、少なくとも2軸方向に移動可能なX−Yテーブル8上に載置される。X−Yテーブル8には、図示を省略する駆動手段と、駆動手段の動作を制御してテーブル上の基板6を所望の位置に移動させることのできる駆動手段の制御部とが備えられる。非晶質Si膜7の形成された基板6およびX−Yテーブル8は、加工容器である処理チャンバ9の内部空間10に収容される。
【0024】
処理チャンバ9は、たとえば金属製の箱型容器である。処理チャンバ9には、図示を省略する真空ポンプとその配管系および不活性ガスまたは活性ガスの供給源とその配管系が設けられ、真空雰囲気やその他任意のガス雰囲気中で、非晶質Si膜のレーザアニール処理が可能なように構成される。
【0025】
レーザ光を出射する光源2は、本実施の形態では希ガスとハロゲン化物とのエキシマを利用したXeClエキシマレーザを発振するレーザ発振器2である。レーザ発振器2は、前記制御手段5からの制御信号によって、その発振出力が可変なように構成される。
【0026】
照射光学系3は、レーザ発振器2から出射されるレーザ光の光路を曲げて、処理チャンバ9内の非晶質Si膜7へ導く光反射部材と、レーザ光の光量を可変に調整する光量調整部材とを含んで構成される。本実施の形態では、レーザ発振器2から出射されるレーザ光の光量を減衰させることによって、光量を可変に調整する方法を採っているので、図1では、照射光学系3を光量調整機能で代表し、減衰器を表すアッテネータと表記している。照射光学系3に備わる光量調整部材(アッテネータ)には、(a)透過率の異なる複数の部分透過ミラーを備え、この部分ミラーを選択して光路に挿入するもの、(b)ハーフミラーを光路に挿入し、このハーフミラーとレーザ光のビームとの角度を変えるもの、(c)偏光板を光路に挿入し、その偏光軸の方向を変えるものなどのうち、いずれを用いてもよい。
【0027】
膜厚測定手段4は、エリプソメータである。エリプソメータは、白色光源と検出器とを備え、白色光から分光された光を非晶質Si膜7に照射し、非晶質Si膜7から反射される光を反射角度毎に検出し、非晶質Si膜7の膜厚を測定する。
【0028】
制御手段5は、中央処理装置(略称CPU)を備える処理回路であり、たとえばマイクロコンピュータなどによって実現される。また制御手段5は、記憶手段であるメモリ11を備える。メモリ11には、たとえばROMまたはRAMなどの公知のものを用いることができる。
【0029】
メモリ11には、非晶質Si膜の膜厚と、非晶質Si膜をアニールするための最適照射エネルギ密度との関係が予めストアされる。図2は、非晶質Si膜の膜厚と非晶質Si膜をアニールするための最適照射エネルギ密度との関係を例示する図である。本実施の形態では、図2に示すように横軸に非晶質Si膜の膜厚をとり、縦軸に最適照射エネルギ密度をとるマップとして、前記関係が与えられる。
【0030】
図2のようなマップは、以下のようにして求めることができる。基板上に厚みが種々に異なる非晶質Si膜を形成し、厚みが種々に異なる非晶質Si膜に照射エネルギ密度値が種々に異なるレーザ光を照射して、種々の厚みと種々の照射エネルギ密度値との組合せからなる多結晶化Si膜の試料を作製する。作製された多結晶化Si膜の試料を、顕微鏡観察および/またはラマン分光測定して結晶化状態を判別し、各膜厚毎に、微結晶化するしきい値直下のエネルギ密度値を、多結晶化の最適照射エネルギ密度として選定することによってマップが得られる。図2のマップでは、図2中の縦棒(エラーバー)12によって示される範囲が最適照射エネルギ密度である。
【0031】
非晶質Si膜の膜厚と、非晶質Si膜をアニールするための最適照射エネルギ密度との関係は、図2に示すようなマップに限定されることなく、非晶質Si膜の膜厚に対する最適照射エネルギ密度値が、テーブルデータとして与えられてもよい。
【0032】
制御手段5は、膜厚測定手段4による非晶質Si膜の膜厚の測定出力を得たとき、メモリ11にストアされる前記関係を読出し、測定された非晶質Si膜7の膜厚に対応する最適照射エネルギ密度を前記関係から選択決定し、非晶質Si膜7に照射されるレーザ光のエネルギ密度が、選択決定した最適照射エネルギ密度になるように、レーザ発振器2の発振出力または照射光学系3の光量調整部材による光量を制御する。
【0033】
以下本発明の実施の態様であるレーザアニール装置10を用いる非晶質Si膜のレーザアニール方法について説明する。
【0034】
まず非晶質Si膜7を、その平面上において、基板6の寸法に応じて予め定められる複数の領域に区分し、区分された領域毎の膜厚を、膜厚測定手段4であるエリプソメータによって測定する。図3は、非晶質Si膜7の区分領域の状態を示す図である。本実施の形態では、非晶質Si膜7の平面を2行7列からなる14個の領域(A〜O)に区分している。なお区分領域の数は、14個に限定されるものではなく、その他の数であってもよい。区分領域の数は、レーザアニール装置および膜厚測定手段の分解能に基づいて上限が定められるものであり、多結晶Si膜特性の均一性の観点からは、処理時間が許される範囲で大きい区分数を設けることが好ましい。
【0035】
以下膜厚測定手段4であるエリプソメータによる膜厚測定について説明する。まず前述の区分領域A〜Oの2次元平面座標値を、たとえば領域Aの隣接領域を有さない角部を基準位置13として、制御手段5のメモリ11にストアする。このとき、各区分領域A〜O内における膜厚測定位置も、区分領域毎に複数の測定点を同一座標系において予め定め、メモリ11にストアする。1つの区分領域において定められる測定点の数は、特に限定されることはなく、制御手段5の処理能力と膜厚測定精度の要求に応じて適宜選択される。
【0036】
次いで、制御手段5は、メモリ11から各区分領域の測定点座標値を読出し、X−Yテーブル8の制御部に対して、駆動動作制御信号として出力する。同時に制御手段5は、エリプソメータ4に対して膜厚測定動作制御信号を出力し、前述の予め定める測定点がX−Yテーブル8の移動によって所定位置に達したとき、制御手段5からの出力に応答してエリプソメータ4が、非晶質Si膜7の膜厚を測定する。膜厚測定結果は、エリプソメータ4から制御手段5に与えられる。制御手段5では、1つの区分領域で得られた複数点の膜厚測定データを算術平均し、その平均値を、各区分領域の膜厚測定結果としてメモリ11にストアする。
【0037】
さらに制御手段5は、各区分領域の膜厚測定結果をメモリ11から読出し、各区分領域の膜厚測定値に対応する最適照射エネルギ密度を、メモリ11から読出した非晶質Si膜厚と最適照射エネルギ密度との関係を与えるマップから求め、求めた値を各区分領域の最適照射エネルギ密度としてメモリ11にストアする。
【0038】
このようにして、各区分領域の膜厚が測定され、各区分領域の最適エネルギ密度が選択された後、制御手段5がX−Yテーブル8に駆動動作制御信号を出力し、この出力の応答してX−Yテーブル8が動作して、非晶質Si膜7のレーザアニール処理開始位置であるたとえば基準位置13をレーザ光照射位置へ移動させる。
【0039】
次いで、光源2からはレーザ光が出射され、照射光学系3は、レーザ光を非晶質Si膜7の表面へと導く。このとき、制御手段5は、X−Yテーブル8の駆動動作と、最適エネルギ密度の選択結果とを連携させ、区分領域毎に選択された最適照射エネルギ密度になるように、光源2から出射されて非晶質Si膜7の当該区分領域に照射されるレーザ光の照射エネルギ密度を制御する。本実施の形態では、照射エネルギ密度の制御は、前記非晶質Si膜厚と最適照射エネルギ密度との関係に基づいて、照射光学系3の光量調整部材であるアッテネータの開度を、最適照射エネルギ密度になるように調整することによって行なわれる。なおアッテネータの開度と、照射エネルギ密度との関係は、予め計測され、その計測結果がメモリ11にストアされているので、非晶質Si膜厚に応じた最適照射エネルギ密度が選択されたとき、さらに選択された最適照射エネルギ密度に対応するアッテネータの開度が選択され、該選択結果に従い制御手段5によってアッテネータの動作制御が実行される。
【0040】
またレーザアニールされる各区分領域に対する照射位置の移動は、X−Yテーブル8の移動によって行なわれ、この移動は、X−Yテーブル8の制御部に、各区分領域の座標データと、レーザアニール処理の順序すなわち移動順序とを、制御手段5から与えることによって実現される。
【0041】
前述のレーザアニール方法における非晶質Si膜の膜厚測定は、レーザアニールされるべき非晶質Si膜の形成された基板が交換される毎に実行される。したがって、1枚の基板内における多結晶Si膜の結晶特性が均一化されるにとどまらず、異なる基板同志においても多結晶Si膜の結晶特性を均一化することが可能になる。
【0042】
以上に述べたように、本実施の形態では、被照射膜は、非晶質Si膜であるけれども、これに限定されることなく、半導体Siウエハ等の上に形成されたポリSi膜などであってもよい。また光源は、XeClエキシマレーザであるけれども、これに限定されることなく、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザその他のエキシマレーザであってもよい。またアニールされる非晶質Si膜の移動は、基板の載置されるX−Yテーブルを移動させることによって行なわれる構成であるけれども、これに限定されることなく、照射光学系を駆動させてレーザ光のビームを被照射膜上で走査させる構成であってもよい。
【0043】
【発明の効果】
本発明に従えば、レーザアニール装置は、レーザ光を出射する光源と、光源から出射されるレーザ光を被照射膜へ導くとともにレーザ光の光量を可変に調整することのできる照射光学系と、被照射膜をその平面上において複数の領域に区分し、区分された領域毎の膜厚を測定する膜厚測定手段、好ましくはエリプソメータと、膜厚測定手段の出力に応答し、光源の出力または照射光学系の光量を調整することによって、レーザ光の被照射膜に対する照射エネルギ密度を制御する制御手段とを含んで構成される。このように構成されるレーザアニール装置では、被照射膜であるたとえば非晶質Si膜が形成された基板上の複数の区分領域毎に、非晶質Si膜の膜厚を測定し、測定された膜厚に応じて照射エネルギ密度を制御することができるので、1枚の基板内においてレーザアニール後に形成される多結晶Si膜特性のばらつき低減を実現することができる。
【0044】
また本発明によれば、制御手段は、記憶手段を備え、記憶手段に予めストアされた被照射膜の膜厚と被照射膜をアニールするための最適照射エネルギ密度との関係を読出し、膜厚測定手段の測定出力と記憶手段にストアされる前記関係とに基づいて、レーザ光の被照射膜に対する照射エネルギ密度を制御する。このことによって、被照射膜であるたとえば非晶質Si膜の区分領域毎に、該区分領域の膜厚に最適な、微結晶化のしきい値を超えない範囲で選定される大きな照射エネルギ密度によってアニール処理することができるので、アニール処理で形成される多結晶Si膜は、高い結晶性を有し、1枚の基板内での結晶特性にばらつきを生じることがない。したがって、このようにして形成される多結晶Si膜を用いてTFT素子を製造するとき、1枚の基板内における採取位置に関らず、また採取される基板に関らず、ばらつきのない高い電気特性を有するTFT素子を得ることが可能になる。
【0045】
また本発明によれば、レーザアニール方法は、被照射膜をその平面上において複数の領域に区分し、区分された領域毎の膜厚を測定、好ましくはエリプソメータによって測定する膜厚測定ステップと、光源からレーザ光を出射するステップと、測定された被照射膜の膜厚に応じ、予め定められる被照射膜の膜厚と被照射膜をアニールするための最適照射エネルギ密度との関係に基づいて、最適照射エネルギ密度を選択し、選択された最適照射エネルギ密度になるように光源から出射され被照射膜に照射されるレーザ光の照射エネルギ密度を制御する制御ステップとを含む。このようなレーザアニール方法では、被照射膜であるたとえば非晶質Si膜が形成された基板上の複数の区分領域毎に、非晶質Si膜の膜厚を測定し、測定された膜厚に応じて最適な照射エネルギ密度、すなわち微結晶化のしきい値を超えない範囲で選定される大きな照射エネルギ密度によってアニール処理することができるので、高い結晶性を有し、1枚の基板内での結晶特性にばらつきのない多結晶Si膜を作製することができる。
【0046】
また本発明によれば、膜厚測定ステップは基板毎に実行されるので、1枚の基板内ばかりでなく、異なる基板同志においても結晶特性のばらつきがない多結晶Si膜を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態であるレーザアニール装置1の構成を簡略化して示す系統図である。
【図2】非晶質Si膜の膜厚と非晶質Si膜をアニールするための最適照射エネルギ密度との関係を例示する図である。
【図3】非晶質Si膜7の区分領域の状態を示す図である。
【符号の説明】
1 レーザアニール装置
2 光源
3 照射光学系
4 膜厚測定手段
5 制御手段
6 基板
7 非晶質Si膜
8 X−Yテーブル
9 処理チャンバ
10 内部空間
11 メモリ
Claims (6)
- 基板上に形成された被照射膜に対してレーザ光を照射してアニール加工を施すレーザアニール装置において、
レーザ光を出射する光源と、
光源から出射されるレーザ光を被照射膜へ導くとともにレーザ光の光量を可変に調整することのできる照射光学系と、
被照射膜をその平面上において複数の領域に区分し、区分された領域毎の膜厚を測定する膜厚測定手段と、
膜厚測定手段の出力に応答し、光源の発振出力または照射光学系の光量を調整することによって、レーザ光の被照射膜に対する照射エネルギ密度を制御する制御手段とを含むことを特徴とするレーザアニール装置。 - 前記膜厚測定手段は、
エリプソメータであることを特徴とする請求項1記載のレーザアニール装置。 - 前記制御手段は、
被照射膜の膜厚と被照射膜をアニールするための最適照射エネルギ密度との関係が予めストアされる記憶手段を備え、
前記膜厚測定手段の測定出力と記憶手段にストアされる前記関係とに基づいて、レーザ光の被照射膜に対する照射エネルギ密度を制御することを特徴とする請求項1または2記載のレーザアニール装置。 - 基板上に形成された被照射膜に対してレーザ光を照射してアニール加工を施すレーザアニール方法において、
被照射膜をその平面上において複数の領域に区分し、区分された領域毎の膜厚を測定する膜厚測定ステップと、
光源からレーザ光を出射するステップと、
測定された被照射膜の膜厚に応じ、予め定められる被照射膜の膜厚と被照射膜をアニールするための最適照射エネルギ密度との関係に基づいて、最適照射エネルギ密度を選択し、選択された最適照射エネルギ密度になるように光源から出射され被照射膜に照射されるレーザ光の照射エネルギ密度を制御する制御ステップとを含むことを特徴とするレーザアニール方法。 - 前記膜厚測定ステップにおいて、
被照射膜の膜厚がエリプソメータによって測定されることを特徴とする請求項4記載のレーザアニール方法。 - 前記膜厚測定ステップは、
基板毎に実行されることを特徴とする請求項4または5記載のレーザアニール方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003170916A JP2005011840A (ja) | 2003-06-16 | 2003-06-16 | レーザアニール装置およびレーザアニール方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003170916A JP2005011840A (ja) | 2003-06-16 | 2003-06-16 | レーザアニール装置およびレーザアニール方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005011840A true JP2005011840A (ja) | 2005-01-13 |
Family
ID=34095577
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003170916A Pending JP2005011840A (ja) | 2003-06-16 | 2003-06-16 | レーザアニール装置およびレーザアニール方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005011840A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006300811A (ja) * | 2005-04-22 | 2006-11-02 | Hitachi Displays Ltd | 薄膜の膜厚測定方法、多結晶半導体薄膜の形成方法、半導体デバイスの製造方法、およびその製造装置、並びに画像表示装置の製造方法 |
CN103219230A (zh) * | 2013-04-19 | 2013-07-24 | 京东方科技集团股份有限公司 | 低温多晶硅的制作方法、低温多晶硅薄膜和薄膜晶体管 |
CN107275185A (zh) * | 2017-04-24 | 2017-10-20 | 昆山国显光电有限公司 | 激光退火装置及其退火工艺 |
CN107275198A (zh) * | 2017-05-31 | 2017-10-20 | 昆山国显光电有限公司 | 激光退火方法及激光退火系统 |
CN110993491A (zh) * | 2019-12-19 | 2020-04-10 | 信利(仁寿)高端显示科技有限公司 | 一种准分子激光退火制程oed的自动校正方法 |
US20220052082A1 (en) * | 2020-08-14 | 2022-02-17 | Samsung Display Co., Ltd. | Display device manufacturing apparatus and method |
US11424168B2 (en) | 2020-06-04 | 2022-08-23 | Mitsubishi Electric Corporation | Manufacturing method of semiconductor device and semiconductor manufacturing apparatus involving thickness measurements |
-
2003
- 2003-06-16 JP JP2003170916A patent/JP2005011840A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006300811A (ja) * | 2005-04-22 | 2006-11-02 | Hitachi Displays Ltd | 薄膜の膜厚測定方法、多結晶半導体薄膜の形成方法、半導体デバイスの製造方法、およびその製造装置、並びに画像表示装置の製造方法 |
CN103219230A (zh) * | 2013-04-19 | 2013-07-24 | 京东方科技集团股份有限公司 | 低温多晶硅的制作方法、低温多晶硅薄膜和薄膜晶体管 |
WO2014169601A1 (zh) * | 2013-04-19 | 2014-10-23 | 京东方科技集团股份有限公司 | 低温多晶硅的制作方法、低温多晶硅薄膜和薄膜晶体管 |
US9299808B2 (en) | 2013-04-19 | 2016-03-29 | Boe Technology Group Co., Ltd | Manufacturing method of low temperature polysilicon, low temperature polysilicon film and thin film transistor |
CN107275185A (zh) * | 2017-04-24 | 2017-10-20 | 昆山国显光电有限公司 | 激光退火装置及其退火工艺 |
CN107275198A (zh) * | 2017-05-31 | 2017-10-20 | 昆山国显光电有限公司 | 激光退火方法及激光退火系统 |
CN107275198B (zh) * | 2017-05-31 | 2020-03-10 | 昆山国显光电有限公司 | 激光退火方法及激光退火系统 |
CN110993491A (zh) * | 2019-12-19 | 2020-04-10 | 信利(仁寿)高端显示科技有限公司 | 一种准分子激光退火制程oed的自动校正方法 |
CN110993491B (zh) * | 2019-12-19 | 2023-09-26 | 信利(仁寿)高端显示科技有限公司 | 一种准分子激光退火制程oed的自动校正方法 |
US11424168B2 (en) | 2020-06-04 | 2022-08-23 | Mitsubishi Electric Corporation | Manufacturing method of semiconductor device and semiconductor manufacturing apparatus involving thickness measurements |
US20220052082A1 (en) * | 2020-08-14 | 2022-02-17 | Samsung Display Co., Ltd. | Display device manufacturing apparatus and method |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6210996B1 (en) | Laser illumination system | |
US7193693B2 (en) | Apparatus for manufacturing flat panel display devices | |
CN100364037C (zh) | 半导体装置、退火方法、退火装置和显示装置 | |
US7326623B2 (en) | Method of manufacturing display device | |
US20080213986A1 (en) | Laser annealing method and laser annealing device | |
KR20010029978A (ko) | 반도체 박막의 제조 방법 | |
KR100724648B1 (ko) | 표시 장치의 제조 방법 및 표시 장치의 제조 장치 | |
JPH08195357A (ja) | レーザー照射装置 | |
WO2010056990A1 (en) | Systems and methods for the crystallization of thin films | |
JP2006237525A (ja) | レーザ照射方法及び装置 | |
JPH11102864A (ja) | 多結晶薄膜の製造方法 | |
JP2005011840A (ja) | レーザアニール装置およびレーザアニール方法 | |
JP2005116729A (ja) | レーザ加工装置およびレーザ加工方法 | |
JP5127111B2 (ja) | 半導体基板の製造方法 | |
JP2003243322A (ja) | 半導体装置の作製方法 | |
JP3471485B2 (ja) | 光処理装置および光処理方法 | |
JP2002057105A (ja) | 半導体薄膜製造方法、半導体薄膜製造装置、およびマトリクス回路駆動装置 | |
JP4223470B2 (ja) | ピッチxの決定方法、半導体装置の作製方法 | |
WO2014080728A1 (ja) | レーザ処理方法およびレーザ処理装置 | |
CN101071757A (zh) | 退火方法 | |
KR101411188B1 (ko) | 레이저 어닐 방법 | |
US20210069824A1 (en) | Laser processing apparatus, laser processing method, and method for manufacturing semiconductor apparatus | |
JP2001077022A (ja) | レーザを用いた結晶化膜の作製方法及びレーザ結晶化装置 | |
JPH10294289A (ja) | レーザアニール装置およびその制御方法 | |
Fechner et al. | 300-W XeCl excimer laser annealing and sequential lateral solidification in low-temperature polysilicon technology |