JP2007189168A - レーザー照射光学系 - Google Patents

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博純 東
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忠 伊藤
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Abstract

【課題】装置の調整が簡便に行うことができ、強度分布が十分に均一化されたレーザー光を照射することが可能なレーザー照射光学系を提供すること。
【解決手段】照射されるレーザー光Lの波長の10〜100倍幅の格子周期を有する2次元回折格子12と、焦点距離が50〜500mmの凹レンズ13と、焦点距離が50〜500mmの凸レンズ14とを備えることを特徴とするレーザー照射光学系。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザー照射光学系に関し、より詳しくは、レーザーアニールやアモルファスシリコンの多結晶化等の熱処理に好適に用いることができるレーザー照射光学系に関する。
レーザー光、特にパルスレーザー光は強度が高く限られた領域に限られた時間の間、熱量を与えることができるため基板内部を加熱せずに表面だけを加熱することができるという特徴を有していることから、材料開発、材料改質におけるレーザーアニール等の表面改質技術に利用されてきた。そして、このような加工の際に照射されるレーザー光の強度分布が不均一では対象物に対して均一な加工を行うことができないことから、レーザー光の強度分布の均一化を図るために種々のレーザー照射光学系が研究されてきている。
例えば、特開2003−330106号公報(特許文献1)には、光源と、前記光源からの入射光の照度を均一化して出射する均一照明手段とを備えており、前記均一照明手段が、前記入射光の角度分布を狭めるとともに、前記入射光の照度分布を均一化する機能を有する回折光学素子を備えているレーザー照射光学系が開示されている。しかしながら、特許文献1に記載のような従来のレーザー照射光学系は、集光又はコリメートのための光学系と1次元の透過型回折格子とを用いたものであり、1方向の回折光を重ね合わせてレーザー光の強度分布の均一化を図るものであったため、十分に強度分布の均一化を図ることができなかった。
また、特開2004−287357号公報(特許文献2)には、照明用のレンズとして蝿の目レンズを用いたレーザー照射光学系が開示されている。しかしながら、特許文献2に記載のような従来のレーザー照射光学系においては、蝿の目レンズの各セグメントに入射した光を一箇所に集めて強度分布の均一化を図っており、各セグメントをより小さくすることでレーザー光の強度分布の均一化が図れることとなるが、セグメントを小さくするとセグメント間の境界において光の吸収や損失によって透過率が低下してしまうという問題があった。そのため、特許文献2に記載のような従来のレーザー照射光学系においては、各セグメントを小さくすることができず、レーザー光の強度分布の均一化が十分に図れなかった。更に、特許文献2に記載のような従来のレーザー照射光学系においては、各セグメントに入射した多くの光を一箇所に集めるためにセグメントの角度アライメントに精度を必要とするため装置の調整に多くの時間がかかっていた。
このように、装置の調整を簡便に行うことができ、強度分布が十分に均一化されたレーザー光を照射することが可能なレーザー照射光学系は未だ得られておらず、特に、比較的ビーム径が小さくレーザー光の中でもビーム内の強度分布が大きいYAGレーザー光の出力強度の減衰を十分に抑えつつレーザー光の強度分布を十分に均一化することが可能なレーザー照射光学系は未だ得られていなかった。
特開2003−330106号公報 特開2004−287357号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、装置の調整を簡便に行うことができ、強度分布が十分に均一化されたレーザー光を照射することが可能なレーザー照射光学系を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、照射されるレーザー光の波長の10〜100倍幅の格子周期を有する2次元回折格子と、所定の凹レンズ及び凸レンズとを備えることにより、装置の調整を簡便に行うことができ、強度分布が十分に均一化されたレーザー光を照射できるレーザー照射光学系が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のレーザー照射光学系は、照射されるレーザー光の波長の10〜100倍幅の格子周期を有する2次元回折格子と、焦点距離が50〜500mmの凹レンズと、焦点距離が50〜500mmの凸レンズとを備えることを特徴とするものである。
また、上記本発明のレーザー照射光学系においては、前記2次元回折格子に形成された格子の溝幅が前記格子周期の10〜90%に相当する長さであることが好ましい。
なお、本発明のレーザー照射光学系によって上記目的が達成される理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、強度分布が不均一なレーザー光は2次元回折格子に入射すると回折し、X方向とY方向のそれぞれに0次光、±1次光、±2次光、±3次光、±n次光と分散する。なお、ここにいうX方向とはレーザー光の入射方向と垂直な第一の方向をいい、Y方向とはレーザー光の入射方向と前記X方向に対して垂直な第二の方向をいう。そして、レーザー光が2次元回折格子に直入射する場合においては、2次元回折格子のX方向とY方向の周期サイズ(格子周期)をそれぞれDX、DYとし、入射するレーザー光の波長をλ、X方向の分散角度をα、Y方向の分散角度をβとすると、n次光に対して下記式:
DXsin(α)=nλ
DYsin(β)=nλ
で表される関係が成り立つ。更に、入射したレーザー光の2次元空間強度分布をf(X,Y)、n次の回折効率をc(n)とすると、2次元回折格子から距離Z離れた位置での強度分布F(X,Y)は、レーザー光の光束の広がりが距離Zに対して分散距離よりも十分に小さいとすると、下記式のように表すことができる。
F(X,Y)=Σ{c(n)f(X+Ztan(arcsin(nλ/DX),Y+Ztan(arcsin(nλ/DY)}
そのため、2次元回折格子により回折して2次元的に分散した光を、焦点距離が50〜500mmの凹レンズを用いて発散角度をさらに広げ、焦点距離が50〜500mmの凸レンズを用いて集光することにより強度分布が十分に均一化されたレーザー光を得ることができるものと推察する。
次に、光源にYAGレーザーを用いて光源から2倍高調波(波長532nm)を照射する場合であって、上記次数nが1の場合について検討する。2次元回折格子の格子周期がレーザーの波長の500倍以上である場合においては、低次の回折光の回折角度は小さいため、数cm〜数10cmの間隔で光学素子(レンズ等)を配置する一般的な光学系ではレーザー光をほとんど分離することができない。また、2次元回折格子の格子周期がレーザーの波長の2倍程度の1μmである場合には、回折角度が0.56radとなり、100mm離れた位置での0次光と回折光とのずれが約56mmになることから、回折光と0次光とを重ね合わせるためには、直径が112mm以上の非常に大きな光学系が必要となる。
これに対して、2次元回折格子の格子周期がレーザーの波長の18.8倍程度の10μmである場合には、回折角度が0.053radとなり、100mm離れた位置での回折光と0次光とのずれは約5.3mmとなる。そのため、格子の幅を10μmとした場合には、100mm離れた位置での回折光のサイズはもとのレーザー光のビームサイズ(直径8mm)に比較的近いものとなる。
そして、本発明者らは、このようなレーザー光の波長と2次元回折格子の格子との関係を検討した結果、レーザー光の波長の10〜100倍幅の格子周期を有する2次元回折格子を用いることで、効率的にレーザー光の強度分布の均一化を図れるようになることを見出した。このような格子周期が照射されるレーザー光の波長の10倍未満では回折光の回折角度が大きくなりすぎて回折した複数のビームを重ね合わせるには、非常に大きな光学系が必要となり、他方、100倍を超えると回折光の回折角度が小さいため、実用的な規模ではレーザー光の均一化が図れない。また、均一化を図ろうとすると格子と凹レンズ、凸レンズ等の光学系までの距離をそれぞれ数メートル以上離す必要があり、得られるレーザー照射光学系のサイズが大きくなり、装置の製造が困難となる。
また、本発明においては、照射されるレーザー光の波長の10〜100倍幅の格子周期を有する2次元回折格子と、焦点距離が50〜500mmの凹レンズと、焦点距離が50〜500mmの凸レンズとによって、レーザー光の強度分布の均一化を行うことが可能であるため、従来のレーザー照射光学系のようにレンズの配置等に複雑な調整を必要とすることがないため、装置の調整が容易に行えるようになる。
本発明によれば、装置の調整を簡便に行うことができ、強度分布が十分に均一化されたレーザー光を照射することが可能なレーザー照射光学系を提供することが可能となる。
そして、本発明のレーザー照射光学系においては、波長域が可視域でガウシアン形状の強度分布を有するYAGレーザーの2倍の高調波のレーザー光についても出力強度の減衰を十分に抑えつつ十分に強度分布の均一化を図ることが可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明及び図面中、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明のレーザー照射光学系の好適な一実施形態を示す摸式図である。図1に示すレーザー照射光学系1は、光源10と、3つの反射板11と、2次元回折格子12と、凹レンズ13と、凸レンズ14とを備えている。
図1に示すレーザー照射光学系1においては、光源10から発せられるレーザー光Lの光路上に第一の反射板11が配置されており、第一の反射板11によって反射されたレーザー光の光路上に第二の反射板11が配置されている。そして、第二の反射板11によって反射されたレーザー光Lの光路上には第三の反射板11が配置されている。
また、第三の反射板11によって反射されたレーザー光Lの光路上に格子面に対してレーザー光Lが垂直に入射するようにして2次元回折格子12が配置されている。更に、2次元回折格子12によって回折され、分散されたレーザー光Lの光路上に前記格子面とレンズ面が平行となるようにして凹レンズ13が配置されている。また、凹レンズ13に入射して発散角度が広げられたレーザー光Lの光路上に凹レンズ13のレンズ面とレンズ面が平行になるようにして凸レンズ14が配置されている。そして、図1に示すように、凸レンズ14によって集光されてレーザー照射光学系1から出射するレーザー光Lが照射される位置にスクリーン2が配置されている。
光源10としては特に制限されず、公知のレーザー装置を適宜用いることができ、例えば、YAGレーザー装置等の固体レーザー装置、エキシマレーザー装置等のガスレーザー装置、色素レーザー装置等の液体レーザー装置を用いることができる。また、反射板11としては特に制限されず、公知の反射板を適宜用いることができる。
2次元回折格子12としては、照射されるレーザー光の波長の10〜100倍幅(より好ましくは15〜30)の格子周期を有する2次元回折格子が用いられる。ここで、2次元回折格子とは、格子を形成させる基板の表面上にほぼ等間隔の平行な溝が縦横それぞれの方向に2次元的にきざまれたものである。また、ここにいう格子周期とは、隣接する2つの溝の中心間の距離をいう。本発明においては、このような2次元回折格子を用いることでレーザー光を2次元的に分散させた後、その回折光を重ね合わせるため、1方向の回折光を重ね合わせる従来のレーザー照射光学系と比較して、より十分にレーザー光の強度分布を均一化させることができる。
また、前記2次元回折格子の格子周期が、照射されるレーザー光の波長の10倍未満では回折光の回折角度が大きくなりすぎて回折した複数のビームを重ね合せるには、非常に大きな光学系が必要となり、他方、100倍を超えると回折光の回折角度が小さいため、実用的な規模ではレーザー光の均一化が図れない。また、均一化を図ろうとすると格子と凹レンズ、凸レンズ等の光学系までの距離をそれぞれ数メートル以上離す必要があり、得られるレーザー照射光学系のサイズが大きくなり、装置の製造が困難となる。
また、前記溝の幅としては、前記格子周期の10〜90%に相当する長さであることが好ましく、15〜40%に相当する長さであることがより好ましい。前記溝の幅が前記下限未満では、回折効率が小さくなり、0次光に対する1次光、2次光の強度比が小さくなるため重ね合せによるレーザー光の均一化が困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、前記下限未満の場合と同様に回折効率が小さくなり、重ね合せによるレーザー光の均一化が困難となる傾向にある。
また、前記溝の深さとしては、均一化するレーザー光の波長の1/10〜10倍に相当する深さであることが好ましく、1/3〜2倍に相当する深さであることがより好ましい。前記溝の深さが前記下限未満では、回折効率が小さくなり、0次光に対する1次光、2次光の強度比が小さくなるため重ね合せによるレーザー光の均一化が困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると溝内での多重散乱、多重反射等による位相やコヒーレンシーの変化により回折効率の低下や散乱角が変化する傾向にある。
このような2次元回折格子12の材質は特に制限されず、例えば、石英ガラス等を用いることができる。更に、2次元回折格子12の製造方法も特に制限されず、例えば、石英基板に上記条件を満たす格子パターンをエッチングすることにより製造する方法等が好適に採用される。また、2次元回折格子12のサイズは特に制限されず、レーザー照射光学系の用途等に応じて適宜設計を変更して用いることができる。
凹レンズ13としては、焦点距離が50〜500mm(より好ましくは100〜300mm)の凹レンズが用いられる。前記焦点距離が前記下限未満では、回折光の広がり角度が大きくなりすぎて重ね合せのための凸レンズの口径サイズを実用的なサイズ以上に大きくする必要があり、他方、前記上限を超えると、回折光に適当な広がりをもたせるのに凸レンズ等の集光光学系との距離を数メートル以上大きく離す必要がある。
また、凸レンズ14としては、焦点距離が50〜500mm(より好ましくは100〜300mm)の凸レンズが用いられる。前記焦点距離が前記下限未満では、凸レンズと均一化した光を照射する材料間の距離が非常に短くなるかもしくは均一化が不十分となり、他方、前記上限を超えると凸レンズによる重ね合せ(均一化)を行うために必要な距離が長くなるため、凸レンズと均一化した光を照射する材料間の距離が長くなって実用的でない。
また、凹レンズ13及び凸レンズ14の材質は特に制限されず、レーザー照射光学系の用途等に応じて石英ガラス材料や樹脂材料等から適宜選択することができる。更に、凹レンズ13及び凸レンズ14のサイズも特に制限されず、レーザー照射光学系の用途等に応じて適宜設計を変更して用いることができる。
また、2次元回折格子12、凹レンズ13、凸レンズ14及びスクリーン2の位置関係(図1における距離x、距離y、距離z等)は、2次元回折格子の格子周期や各レンズの焦点距離等に応じて最適な位置関係となるように適宜変更させることができる。
2次元回折格子12と凹レンズ13との間の距離xとしては、2次元回折格子の格子周期とレーザー光の波長との比率をαとした時に{15/tan(sin−1α)}の1/2〜2倍に相当する長さであることが好ましい。距離xが前記下限未満では、回折格子で回折した1次光、2次光と0次光の分散が不十分となり、ビームの均一化が困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると実用的でない口径の大きい凹レンズが必要となる傾向にある。
また、凹レンズ13と凸レンズ14との間の距離yとしては、凹レンズ13の焦点距離の20〜80%に相当する長さであることが好ましい。距離yが前記下限未満では、凹レンズによる1次光、2次光の分散、広がりが不十分となり、レーザー光の均一化が困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると1次光、2次光が広がり過ぎてレーザー光の均一化を図るために、実用的でない大きな口径の凸レンズが必要となる傾向にある。
さらに、凸レンズ14とスクリーン2との間の距離zとしては、凸レンズ14の焦点距離の20〜80%に相当する長さであることが好ましい。距離zが前記下限未満では、0次光、1次光、2次光の重なりが不十分となり、レーザー光の均一化が図れない傾向にあり、他方、前記上限を超えると、焦点付近(〜100%程度)では処理できる領域が非常に小さくなり、それ以上(120%以上)になるとビームが発散し、不均一となる傾向にある。
このような本実施形態のレーザー照射光学系1によって、光源10から発せられたレーザー光を2次元回折格子12により2次元的に分散させ、凹レンズ13によってその発散角度をさらに広げた後、凸レンズ14によって集光することにより、レーザー光の強度分布を十分に均一化させてスクリーン2上に強度の均一なレーザー光を照射することが可能となる。
以上、本発明のレーザー照射光学系の好適な一実施形態について説明したが、本発明のレーザー照射光学系は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては反射板11を3つ配置させているが、本発明のレーザー照射光学系においては反射板11を配置させなくてもよく、配置させる反射板の個数及び配置する位置等は特に制限されない。
なお、本発明のレーザー照射光学系は、例えば、金属膜の組織改質、欠陥の除去、表面の平滑化等の用途やアモルファスシリコンの多結晶化等の用途に好適に用いることができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示す本発明のレーザー照射光学系の好適なレーザー照射光学系を用い、スクリーンにレーザー光を照射した。
光源10としてはNd:YAGレーザー装置(スペクトラフィジックス社製の商品名「Quanta−RayPRO−290−10」)を用い、2倍の高調波(λ=532)のレーザー光を出射させた。また、反射板11としてはCVI社製のミラーを用いた。
また、2次元回折格子12としては、石英基板上に形成された格子の格子周期が25μmである2次元回折格子を用いた。図2に、実施例1で用いた2次元回折格子に形成された格子パターンの一部の写真を示す。また、図3に、実施例1で用いた2次元回折格子に形成された格子パターンの一部の概略縦断面図を示す。実施例1で用いた2次元回折格子は、図3に示す格子の溝(凹部)の幅aが5μmであり、格子の平面(凸部)の幅bが20μmであり、格子周期Cが25μmであり、溝の深さdが約2μmである。なお、このような2次元回折格子は石英基板をエッチングすることにより製造した。
更に、凹レンズ13としては、直径が40mmであって、焦点距離が200mmの凹レンズを用い、凸レンズ14としては、直径が40mmであって、焦点距離が200mmの凸レンズを用いた。また、2次元回折格子12、凹レンズ13、凸レンズ14及びスクリーン2は、2次元回折格子12と凹レンズ13との間の距離xが40mm、凹レンズ13と凸レンズ14との間の距離yが80mm、凸レンズ14とスクリーンとの間の距離zが80mmとなるような位置にそれぞれを配置させた。
2次元回折格子によって回折させる前のレーザー光の照射パターンの写真を図4に示し、2次元回折格子によって回折させ、凹レンズを透過させた後のレーザー光の照射パターンの写真を図5に示し、スクリーン上に照射されたレーザー光の照射パターンの写真を図6に示す。なお、2次元回折格子によって回折させる前のレーザー光は、YAGレーザー装置から発せられたレーザー光をミラーで3回反射させた後、光源10のレーザー出射口から約10m離れた位置で測定した。
図4と図6との比較からも明らかなように、スクリーン上に照射されたレーザー光の照射パターンは、2次元回折格子によって回折させる前のレーザー光の照射パターンと比べて、中心付近の強度が鈍くなっていることが分かる。このような結果、本発明のレーザー照射光学系(実施例1)により、レーザー光の強度が均一化されていることが確認された。
また、図4からも明らかなように、2次元回折格子によって回折させる前のレーザー光はYAGレーザー装置から発せられたレーザー光をミラーで3回反射させた後の約10m離れた位置で測定しているため、出射口のビームサイズ(φ8mm)と比べると上下左右に広がり、特に左右方向に大きく広がっていた。これは、YAGレーザー装置自体のビームの発散角度がlmradであることとビームの引き回しを左右方向の反射で行っているためである。
次に、2次元回折格子によって回折させる前のレーザー光の強度分布と、スクリーン上に照射されたレーザー光の強度分布とを測定した。このような測定に際しては、縦10mm、横10mmの領域をそれぞれX−Y方向に20分割してレーザー光の強度を測定して、レーザー光の強度の空間分布を求めた。なお、このようなレーザー光の強度分布の測定には、センサーとして浜松ホトニクス社製フォトダイオードを使用した。そして、直径1mm若しくは直径0.5mmのアパーチャーを取付けたX−Yテーブルをパソコンで制御し、X−Yテーブルの位置とセンサーからの出力をパソコンに読み取らせて、均一化したレーザー光の強度分布を評価した。また、センサー及びアパーチャーの制御並びにセンサーからの出力の読み取りはV−Basic(マイクロソフト社製)で作成したソフトを使用し、データ解析にはエクセル(マイクロソフト社製)を用いた。このようにして得られた2次元回折格子によって回折させる前のレーザー光の強度分布のグラフを図7に示し、スクリーン上に照射されたレーザー光の強度分布のグラフを図8に示す。
図7及び図8に示す結果からも明らかなように、2次元回折格子によって回折させる前のレーザー光の強度分布は上下方向にピークを有する急峻な分布が存在し、左右方向には平坦な部分も存在していたが(図7)、スクリーン上に照射されたレーザー光の強度分布は、その分布に若干の凹凸はあるものの殆どの部分の強度が0.06〜0.08の間、すなわち0.07±0.01の値を示していた。このような結果から、本発明のレーザー照射光学系(実施例1)によって、強度比率にすると±15%以内の均一化が図れたことが確認された。
(比較例1)
2次元回折格子12の代わりに、台形溝で溝の幅が0.1μm、溝の深さが0.15μm、格子周期が0.2μmの一次元回折格子を用いた以外は実施例1と同様の構成のレーザー照射光学系を用いてスクリーンにレーザー光を照射した。このようにしてスクリーン上に照射されたレーザー光の強度分布を実施例1と同様にして測定した。得られたスクリーン上に照射されたレーザー光の強度分布のグラフを図9に示す。
図9に示す結果からも明らかなように、1次元回折格子を用いた場合にはレーザー光の強度分布にピークを有する部分が存在し、測定領域内において0.04〜0.1の値の範囲で強度が変化しており、レーザー光を十分に均一化できないことが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、装置の調整が簡便に行うことができ、強度分布が十分に均一化されたレーザー光を照射することが可能なレーザー照射光学系を提供することが可能となる。
したがって、本発明のレーザー照射光学系は、レーザー光の強度分布の均一化という点で特に優れるため、レーザーアニールやアモルファスシリコンの多結晶化等の熱処理に用いるレーザー照射光学系等として特に有用である。
本発明のレーザー照射光学系の好適な一実施形態を示す模式図である 実施例1で用いた2次元回折格子に形成された格子パターンの一部を示す写真である。 実施例1で用いた2次元回折格子に形成された格子パターンの一部を示す概略縦断面図である。 実施例1で測定した、2次元回折格子によって回折させる前のレーザー光の照射パターンを示す写真である。 実施例1で測定した2次元回折格子によって回折させて凹レンズを透過させた後のレーザー光の照射パターンを示す写真である。 実施例1で測定した、スクリーン上に照射されたレーザー光の照射パターンを示す写真である。 実施例1で測定した、2次元回折格子によって回折させる前のレーザー光の強度分布を示すグラフである。 実施例1で測定した、スクリーン上に照射されたレーザー光の強度分布を示すグラフである。 比較例1で測定した、スクリーン上に照射されたレーザー光の強度分布を示すグラフである。
符号の説明
1…レーザー照射光学系、2…スクリーン、10…光源、11…反射板、12…2次元回折格子、13…凹レンズ、14…凸レンズ、L…レーザー光、x…2次元回折格子12と凹レンズ13との間の距離、y…凹レンズ13と凸レンズ14との間の距離、z…凸レンズ14とスクリーン2との間の距離、a…格子の溝(凹部)の幅、b…格子の平面(凸部)の幅、d…格子の深さ、C…格子周期。

Claims (2)

  1. 照射されるレーザー光の波長の10〜100倍幅の格子周期を有する2次元回折格子と、焦点距離が50〜500mmの凹レンズと、焦点距離が50〜500mmの凸レンズとを備えることを特徴とするレーザー照射光学系。
  2. 前記2次元回折格子に形成された格子の溝幅が前記格子周期の10〜90%に相当する長さであることを特徴とする請求項1に記載のレーザー照射光学系。
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