JP2005197302A - 搬送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱変形、熱膨張するワークを所定の速度で確実に搬送できる搬送装置を提供する。
【解決手段】ワークWの移動経路に沿って、ワークWの一側部および他側部の下面とそれぞれ接触して水平姿勢で回動する複数の横ローラ42を配列する。各横ローラ42の上側に、ワークWの一側部および他側部の上面と接触して垂直姿勢で回動する複数の縦ローラ43をそれぞれ配列する。各縦ローラ43を付勢手段44により横ローラ42側に付勢して、縦ローラ43と横ローラ42とでワークWを挟圧しながら搬送する。各横ローラ42は、駆動歯車49と、ワークWを受けながら回転するワーク受け面部50とを備え、各縦ローラ43は、駆動歯車49と噛合する被動歯車52と、横ローラ42のワーク受け面部50と交差状に対向するワーク挟圧輪部53とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ローラ式の搬送装置に関するものである。
噴流式はんだ付け装置は、プリント配線板の両側端部を保持して搬送する搬送コンベアを備えている。この搬送コンベアは、コンベアフレームの両端にスプロケットを設けてこのスプロケット間に無端状の搬送チェンを巻掛けたものを平行に2条設け、これらの搬送チェンに設けた保持爪間に部品実装基板の両側端部を保持して搬送するものである(例えば、特許文献1参照)。
また、リフローはんだ付け装置は、プリント配線板の両側端部を下側から係止して搬送する搬送コンベアを備えている。この搬送コンベアは、コンベアフレームの両端にスプロケットを設けてこのスプロケット間に無端状の搬送チェンを巻掛けたものを平行に2条設け、これらの搬送チェンから突出されたピン間に部品実装基板の両側端部を係合して搬送するものである(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−119135号公報(第2-3頁、図9-10) 特開平9−214125号公報(第2頁、図5−7)
特許文献1に示された搬送装置は、2条の搬送チェンに設けた保持爪間に部品実装基板を挟込み方式により固定するため、この基板に溶融はんだの熱が加わった際の基板の変形に弱く、基板が脱落するおそれがある。また、基板が両側の保持爪間に完全に咥えられていない状態での搬送は、熱を受けた基板が膨張することで、基板にダメージを与えるおそれがある。
さらに、特許文献2に示された基板を下側からピンにより係止するのみのリフローはんだ付け用の搬送装置では、これを噴流式はんだ付け装置に適用した場合、はんだ槽内のノズルから噴流される溶融はんだのはんだ噴流波により基板に強い力が作用して、基板をピン上に保てなくなり、所定の搬送速度を確保できない問題がある。
また、はんだ付け装置以外の技術分野では、上下にローラ軸を平行に配置したローラ間にワークを挟んで搬送する搬送装置もあるが、はんだ付け装置のようにワーク搬送経路の下側に余裕スペースがない場合には適さない。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、熱変形、熱膨張するワークを所定の速度で確実に搬送できる搬送装置を提供することを目的とするものである。
請求項1記載の発明は、搬送されるワークの移動経路に沿って配列されワークの一側部および他側部の下面とそれぞれ接触して水平姿勢で回動される複数の横ローラと、これらの各横ローラの上側にそれぞれ配列されワークの一側部および他側部の上面と接触して垂直姿勢で回動される複数の縦ローラとを具備した搬送装置であり、前記縦ローラによりワークを前記横ローラに押え付けるようにしたので、ワークが変形した場合でも、前記横ローラと前記縦ローラとでワークの変形を矯正しながら搬送することが可能となるとともに、ワークが熱膨張した場合でも、ワークの熱膨張で生じた横方向の力を前記横ローラと前記縦ローラとの間で吸収しながらワークを搬送することが可能となり、また、下側からワークに強い力が作用しても、前記縦ローラによりワークを前記横ローラに規制しながら適正なレベルで搬送することが可能となり、さらに、前記横ローラは上下方向に場所をとらないので、この横ローラの下側に余裕スペースの少ない場所であっても、前記横ローラと前記縦ローラとによりワークを確実に搬送することが可能となる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の搬送装置において、縦ローラを横ローラ側に付勢して横ローラとの間にワークを挟圧する付勢手段を具備したものであり、前記付勢手段の付勢力により前記縦ローラと前記横ローラとでワークを挟圧しながら搬送するので、これらのローラによる搬送力をワークに確実に伝達することが可能となるとともに、ワークの厚み変化にも対応することが可能となる。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の搬送装置における横ローラが、垂直に設けられた回転駆動軸と、この回転駆動軸の下部に同心状に設けられた駆動歯車と、この駆動歯車より下側に大径に設けられワークを受けながら回転するワーク受け面部とを備え、縦ローラは、前記横ローラの前記駆動歯車と対向する面に形成され噛合する被動歯車と、この被動歯車の外周側に設けられ前記横ローラの前記ワーク受け面部と交差状に対向するワーク挟圧輪部とを備えたものであり、前記横ローラの前記駆動歯車と前記縦ローラの前記被動歯車とを噛合させて同期駆動することで、前記横ローラの前記ワーク受け面部と前記縦ローラの前記ワーク挟圧輪部とを同期駆動して、ワークを確実に搬送することが可能となるとともに、前記横ローラおよび前記縦ローラに一体的に設けた前記駆動歯車および前記被動歯車により、前記ワーク受け面部と前記ワーク挟圧輪部とを連動させるので、構造が簡単になる。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか記載の搬送装置における横ローラおよび縦ローラが、はんだ付け用の溶融はんだを噴流してはんだ噴流波を形成するノズルを有したはんだ槽の上側に配列され、ワークを、はんだ付けされる部品実装基板としたものであり、前記縦ローラにより部品実装基板を前記横ローラに押え付けるようにしたので、部品実装基板が溶融はんだにより加熱されて熱変形した場合でも、前記横ローラと前記縦ローラとで部品実装基板の熱変形を矯正しながら搬送することが可能となるとともに、部品実装基板が熱膨張した場合でも、部品実装基板の熱膨張で生じた横方向の力を前記横ローラと前記縦ローラとの間で吸収しながら部品実装基板を搬送することが可能となり、また、部品実装基板に対し噴流ノズルのはんだ噴流波から強い力が作用しても、前記縦ローラにより部品実装基板を前記横ローラに規制しながら適正なはんだ付けレベルで搬送することが可能となり、さらに、前記横ローラは上下方向に場所をとらないので、この横ローラの下側に余裕スペースをとれないはんだ槽上であっても、前記横ローラと前記縦ローラとにより部品実装基板を確実に搬送することが可能となる。
請求項1記載の発明によれば、縦ローラによりワークを横ローラに押え付けるようにしたので、ワークが変形した場合でも、前記横ローラと前記縦ローラとでワークの変形を矯正しながら搬送できるとともに、ワークが熱膨張した場合でも、ワークの熱膨張で生じた横方向の力を前記横ローラと前記縦ローラとの間で吸収しながらワークを搬送でき、また、下側からワークに強い力が作用しても、前記縦ローラによりワークを前記横ローラに規制しながら適正なレベルで搬送でき、さらに、前記横ローラは上下方向に場所をとらないので、この横ローラの下側に余裕スペースの少ない場所であっても、前記横ローラと前記縦ローラとによりワークを確実に搬送できる。
請求項2記載の発明によれば、付勢手段の付勢力により縦ローラと横ローラとでワークを挟圧しながら搬送するので、これらのローラによる搬送力をワークに確実に伝達できるとともに、ワークの厚み変化にも対応できる。
請求項3記載の発明によれば、横ローラの駆動歯車と縦ローラの被動歯車とを噛合させて同期駆動することで、前記横ローラのワーク受け面部と前記縦ローラのワーク挟圧輪部とを同期駆動して、ワークを確実に搬送できるとともに、前記横ローラおよび前記縦ローラに一体的に設けた前記駆動歯車および前記被動歯車により、前記ワーク受け面部と前記ワーク挟圧輪部とを連動させるので、構造を簡単にできる。
請求項4記載の発明によれば、縦ローラにより部品実装基板を横ローラに押え付けるようにしたので、部品実装基板が溶融はんだにより加熱されて熱変形した場合でも、前記横ローラと前記縦ローラとで部品実装基板の熱変形を矯正しながら搬送できるとともに、部品実装基板が熱膨張した場合でも、部品実装基板の熱膨張で生じた横方向の力を前記横ローラと前記縦ローラとの間で吸収しながら部品実装基板を搬送でき、また、部品実装基板に対し噴流ノズルのはんだ噴流波から強い力が作用しても、前記縦ローラにより部品実装基板を前記横ローラに規制しながら適正なはんだ付けレベルで搬送でき、さらに、前記横ローラは上下方向に場所をとらないので、この横ローラの下側に余裕スペースをとれないはんだ槽上であっても、前記横ローラと前記縦ローラとにより部品実装基板を確実に搬送できる。
以下、本発明を図面に示される一実施の形態を参照して詳細に説明する。
図4および図5は、噴流式はんだ付け装置を示し、装置本体カバー11の内部に、ワークWを予加熱するプリヒータ12と、このプリヒータ12により予加熱されたワークWを、図8に示されるように複数のノズル13,14から噴流されたはんだ噴流波S1,S2によりはんだ付けするはんだ槽15と、このはんだ槽15によりはんだ付けされたワークWを冷却する冷却装置16とが、順次配列されている。
ワークWは、プリント配線基板にリード部品、チップ部品、集積回路部品などを搭載した部品実装基板である。
プリヒータ12は、ヒータおよびファンを内蔵したケーシングの下部にファン駆動モータが取付けられ、ヒータで加熱された熱風が、ケーシングの上面開口に設けられた多孔板を通して上方に供給されるもので、ワーク搬送方向に2組併設されている。
はんだ槽15は、図8に示されるように、はんだ付け用の溶融はんだを噴流してはんだ噴流波S1,S2を形成する1次および2次のノズル13,14を有し、槽内に収容した溶融はんだを電磁誘導ポンプなどによってこれらのノズル13,14に加圧供給することで、これらのノズル13,14の上部開口より噴流される1次および2次のはんだ噴流波S1,S2にワークWを順次接触させてはんだ付けをする。
冷却装置16は、ファンを内蔵したケーシングの下部にファン駆動モータが取付けられ、ファンで発生した冷風により、はんだ付け後のワークWを冷却する。
装置本体カバー11の入口11aからプリヒータ12上には、ワークWを搬送する第1のコンベヤ18が配設され、さらに、はんだ槽15上、冷却装置16上および装置本体カバー11の出口11bにわたって、第1のコンベヤ18から受取ったワークWを搬送する第2のコンベヤ19が配設されている。
この第2のコンベヤ19は、第1のコンベヤ18に対し分割して設けられ、第1のコンベヤ18とは別個の動力源としての可変速モータにより別個のワーク搬送速度で駆動されて、ワークWをはんだ槽15上および冷却装置16上で搬送する。
装置本体カバー11の内部には、これらのプリヒータ12、はんだ槽15、冷却装置16、第1のコンベヤ18、第2のコンベヤ19を制御するためのコントロールボックス21も配置され、また、装置本体カバー11の上部には、ヒンジ部22を中心に上方へ開閉可能な扉板23が設けられている。
図6および図7に示されるように、第1のコンベヤ18は、プリヒータ12の上部に相互に平行に配設された一側および他側のコンベヤフレーム24に沿って、これらのコンベヤフレーム24にそれぞれ軸支された複数のスプロケット25,26,27,28,29,30に巻掛けられた一側および他側の無端チェン31がそれぞれ配設され、これらの無端チェン31から突出されたピン32,32間にワークWの両側部を係止して搬送するチェンコンベヤである。
これらの無端チェン31は、可変速モータ(図示せず)により回動される中間部のスプロケット29により駆動され、隣接する移動可能なスプロケット30によりテンションを調整される。
また、これらの無端チェン31は、コンベヤフレーム24の側面に取付台33を介し取付けられたガイドレール34と、コンベヤフレーム24の上部に取付けられた押え板35との間に、摺動自在に嵌合されている。
図1乃至図3に示されるように、第2のコンベヤ19は、ワークWの両側部を下面と上面とから挟んで回転するローラにより搬送するローラコンベヤである。
すなわち、この第2のコンベヤ19は、はんだ槽15の上側で搬送されるワークWの移動経路に沿って1対のコンベヤフレーム41が配設され、これらのコンベヤフレーム41に沿って、ワークWの一側部および他側部の下面とそれぞれ接触して水平姿勢で回動される複数のローラとしての横ローラ42が配列され、これらの各横ローラ42の上側に、ワークWの一側部および他側部の上面と接触して垂直姿勢で回動される複数のローラとしての縦ローラ43がそれぞれ配列され、これらの縦ローラ43に対して、これらの縦ローラ43を各横ローラ42側に付勢して各横ローラ42との間にワークWを挟圧する付勢手段44が設けられている。
各横ローラ42は、それぞれ、コンベヤフレーム41の垂直穴に軸受部材45を介して回転駆動軸46が回転自在に嵌合され、この回転駆動軸46の下部に、図3に示されるように逆凹形断面のローラ本体47が取付ボルト48により同心状に取付けられ、このローラ本体47の外周面に駆動歯車49が設けられ、この駆動歯車49より下側に、ワークWを受けながら回転するワーク受け面部50が大径に一体形成されている。
また、各縦ローラ43は、それぞれ、円板形のローラ本体51の裏面であって、各横ローラ42の駆動歯車49と対向する環状面に、駆動歯車49と噛合する被動歯車52が放射状に形成され、この被動歯車52の外周側に、横ローラ42のワーク受け面部50と交差状に対向するワーク挟圧輪部53が設けられている。
各横ローラ42および各縦ローラ43を駆動する駆動系は、図1および図3に示されるように、コンベヤフレーム41に沿ってその上側に、図示されない可変速モータにより回動される共通の動力伝達軸54が、軸受部55により回転自在に設けられ、この共通の動力伝達軸54に、複数のベベルギヤ56が所定間隔で嵌着されキー57により一体化され、これらのベベルギヤ56と、各横ローラ42の回転駆動軸46の上端部に嵌着されピン58により一体化されたベベルギヤ59とが噛合されている。
付勢手段44は、コンベヤフレーム41の側面にボルト61によりスプリング中央部の取付板62が固定され、この取付板62から左右部に1対のリーフスプリング63が突出され、これらのリーフスプリング63の先端に軸支板64が一体に形成されたもので、これらの軸支板64によって回転軸65を介し縦ローラ43が回転自在に軸支され、かつ下方へ付勢されている。
このように、縦ローラ43をリーフスプリング63により横ローラ42側に付勢するサスペンション機能を設けるとともに、横ローラ42のローラ本体47の外周面と縦ローラ43の裏面とに、駆動歯車49と被動歯車52とを加工形成し、これらの歯車49,52を噛合させて横ローラ42と縦ローラ43とを同期駆動することで、これらの歯車49,52とワークWとの滑りを防止する。
次に、図示された実施の形態の作用を説明する。
第1のコンベヤ18上にワークWを挿入すると、ワークWは、1対の無端チェン31のピン32上に載せられ、これらの無端チェン31により搬送されながら、プリヒータ12から供給される熱風により予加熱される。
このプリヒータ12により所定温度まで温度上昇したワークWは、第1のコンベヤ18から第2のコンベヤ19に移載され、相対的に下側に配置された横ローラ42に対して、上側に配置された縦ローラ43により押え付けられながら、はんだ槽15上および冷却装置16上を搬送され、はんだ槽15上で1次および2次のノズル13,14より噴流される1次および2次のはんだ噴流波S1,S2によってはんだ付けされ、さらに、冷却装置16上で冷風により強制冷却される。
その際、第2のコンベヤ19は、各横ローラ42の駆動歯車49と各縦ローラ43の被動歯車52とを噛合させて、各横ローラ42のワーク受け面部50と各縦ローラ43のワーク挟圧輪部53とを同期駆動するとともに、サスペンション機能を有するリーフスプリング63の付勢力により、各縦ローラ43のワーク挟圧輪部53によりワークWを横ローラ42のワーク受け面部50に押え付けるようにして挟圧しながら搬送する。
このとき、ワークWが溶融はんだにより加熱されて熱変形、熱膨張した場合でも、横ローラ42と縦ローラ43とでワークWの熱変形を矯正しながら搬送するとともに、ワークWの熱膨張で生じた横方向の力を横ローラ42と縦ローラ43との間で吸収しながら搬送する。
次に、このはんだ付け装置の制御方法を説明する。
プリヒート終了時のワークWの予加熱目標温度を入力するとともに、はんだ付け時間を入力することで、コントロールボックス21が、2つのコンベヤ18,19のワーク搬送速度とプリヒータ12の設定温度とを自動的に算出し実行する。
そして、放射温度計などの図示されない温度センサによりワーク予加熱温度を実測して、各コンベヤ18,19のワーク搬送速度とプリヒータ12の設定温度とを自動的に補正することにより、最適な条件でプリヒートラインを稼働してワークWを予加熱した後、最適な条件ではんだ付けラインを稼働してワークWをはんだ付けし、冷却装置16でワークWを強制冷却する。
その際、コントロールボックス21には、図8に示されるように複数のノズル13,14から噴流される複数のはんだ噴流波S1,S2の総噴流長さ(La+Lb)が予め入力されているので、ワークWの耐熱性からこれらの複数のはんだ噴流波S1,S2に浸漬可能な総はんだ付け時間が入力されると、はんだ槽15および冷却装置16上の第2のコンベヤ19のワーク搬送速度が自動的に設定される。言い換えると、この第2のコンベヤ19の速度制御で、はんだ槽15におけるワークWの溶融はんだ浸漬時間(ディップ時間)および冷却装置16における冷却速度が調整される。
さらに、この第2のコンベヤ19のワーク搬送速度より大きくならない範囲で、プリヒータ12上の第1のコンベヤ18のワーク搬送速度が独立に制御される。その際、プリヒータ12の設定温度を入力するのではなく、プリヒート終了時のワークWの予加熱目標温度を入力することで、温度センサにより検出されたワーク予加熱温度に応じて、第1のコンベヤ18のワーク搬送速度が自動的に制御される。
例えば、ワークWの予加熱目標温度と、検出されたワーク予加熱温度との誤差が大きいほど、第1のコンベヤ18のワーク搬送速度を低速に制御する。
次に、コンベヤ搬送速度の具体的な算出方法を説明する。
(1)総はんだ付け時間tを設定する。
(2)初期設定された1次噴流波の噴流長さLaと2次噴流波の噴流長さLbの合計より第2のコンベヤ19のワーク搬送速度V2=(La+Lb)/tが決定される。
(3)運転開始時は第1のコンベヤ18のワーク搬送速度V1も同速度に設定される。
(4)プリヒータ12によるワークWの予加熱目標温度Tpを設定する。
(5)運転開始時にプリヒータ12の目標値Tsが決定される。
例えば、Ts=To+f(Tp−To)、To:周囲温度、f:関数、
そして、ワーク予加熱温度を実測することで、目標値は随時あるいは任意のタイミングで調整される。
(6)運転中にワークWの予加熱目標温度TpをTp’に変更した場合、プリヒータ12の目標値Tsが変更されるのはもちろん、その増減に応じて前半のワーク搬送速度V1のV1’への迅速な条件変更が実施される。
例えば、Tp’<Tpのときは、前半のワーク搬送速度V1’を後半のワーク搬送速度V2より速くすることはできないので、V1’=V2に設定し、
また、Tp’>Tpのときは、
V1’={(Tp−To)/(Ts−To)}×V2
に設定する。
なお、従来のワーク搬送速度は、オペレータにより設定された数値を目標値とし、この場合、オペレータは経験からその設定値を決定し、その後測定したデータなどにより調整するが、そのワーク搬送速度により生産されるワークWのはんだ付け時間やワーク予加熱温度は実際に測定しない限り把握することは困難である。
次に、この実施の形態の効果を説明する。
はんだ槽15の上側では、総はんだ付け時間tと総噴流長さ(La+Lb)とから第2のコンベヤ19のワーク搬送速度が設定されるので、ワークWの耐熱性を確実に維持でき、また、第2のコンベヤ19のワーク搬送速度より大きくならない範囲で、ワーク予加熱温度に応じて第1のコンベヤ18のワーク搬送速度が制御されるので、ワーク予加熱温度が安定するまで待機する必要がなく、運転開始までの準備時間を短縮できる。
第1のコンベヤ18と第2のコンベヤ19とを分割して別個に駆動することで、パラメータ設定の範囲を拡大でき、特に、はんだ槽15のはんだ噴流波S1,S2中にワークWを浸漬する浸漬時間から切離して、短いプリヒータ領域の中でワークWを予加熱するのに十分な時間を確保できるワーク搬送速度が得られるため、プリヒータ12、はんだ槽15および冷却装置16を有するはんだ付け装置の全長を従来より格段に小型化することができ、製造ラインのタクトおよび生産性の向上も図れる。
プリヒータ12の上側ではワークWに強い力が作用しないので、構造が簡単で安価な無端チェン31を用いた第1のコンベヤ18によりワークWを搬送でき、また、はんだ槽15の上側では、はんだ噴流波S1,S2からワークWに強い力が作用しても、ワークWの両側部の下面と上面とを横ローラ42と縦ローラ43とで挟んで回転する第2のコンベヤ19によりワークWを確実なワーク搬送速度で搬送できる。
特に、リーフスプリング63の付勢力により横ローラ42と縦ローラ43とでワークWを挟圧しながら搬送するので、これらのローラ42,43による搬送力をワークWに確実に伝達できるとともに、ワークWの厚み変化にも対応できる。
また、縦ローラ43によりワークWを横ローラ42に押え付けるようにしたので、ワークWが溶融はんだにより加熱されて熱変形した場合でも、横ローラ42と縦ローラ43とでワークWの熱変形を矯正しながら搬送できるとともに、加熱されたワークWが横方向に熱膨張した場合でも、ワークWの熱膨張で生じた横方向の力を横ローラ42と縦ローラ43との間で吸収しながらワークWを搬送でき、また、噴流ノズル13,14のはんだ噴流波S1,S2からワークWに強い力が作用しても、縦ローラ43によりワークWを横ローラ42に規制しながら適正なはんだ付けレベルで搬送でき、さらに、横ローラ42は上下方向に場所をとらないので、この横ローラ42の下側に余裕スペースをとれないはんだ槽15上であっても、横ローラ42と縦ローラ43とによりワークWを確実に搬送できる。
さらに、横ローラ42の駆動歯車49と縦ローラ43の被動歯車52とを噛合させて同期駆動することで、横ローラ42のワーク受け面部50と縦ローラ43のワーク挟圧輪部53とを同期駆動して、ワークWを確実に搬送できるとともに、横ローラ42および縦ローラ43に一体的に設けられた駆動歯車49および被動歯車52によりワーク受け面部50とワーク挟圧輪部53とを連動させるので、構造を簡単にできる。
本発明に係る搬送装置の一実施の形態を示す断面図である。 図1のII−II線断面図である。 図1のIII−III線断面図である。 同上搬送装置を有するはんだ付け装置の正面図である。 同上はんだ付け装置の平面図である。 同上はんだ付け装置のチェンコンベヤを示す側面図である。 同上はんだ付け装置のチェンコンベヤを示す断面図である。 同上はんだ付け装置のはんだ槽における噴流長さを示す説明図である。
符号の説明
13,14 ノズル
15 はんだ槽
42 横ローラ
43 縦ローラ
44 付勢手段
46 回転駆動軸
49 駆動歯車
50 ワーク受け面部
52 被動歯車
53 ワーク挟圧輪部
W ワーク
S1,S2 はんだ噴流波

Claims (4)

  1. 搬送されるワークの移動経路に沿って配列されワークの一側部および他側部の下面とそれぞれ接触して水平姿勢で回動される複数の横ローラと、
    これらの各横ローラの上側にそれぞれ配列されワークの一側部および他側部の上面と接触して垂直姿勢で回動される複数の縦ローラと
    を具備したことを特徴とする搬送装置。
  2. 縦ローラを横ローラ側に付勢して横ローラとの間にワークを挟圧する付勢手段
    を具備したことを特徴とする請求項1記載の搬送装置。
  3. 横ローラは、
    垂直に設けられた回転駆動軸と、
    この回転駆動軸の下部に同心状に設けられた駆動歯車と、
    この駆動歯車より下側に大径に設けられワークを受けながら回転するワーク受け面部とを備え、
    縦ローラは、
    前記横ローラの前記駆動歯車と対向する面に形成され噛合する被動歯車と、
    この被動歯車の外周側に設けられ前記横ローラの前記ワーク受け面部と交差状に対向するワーク挟圧輪部とを備えた
    ことを特徴とする請求項1または2記載の搬送装置。
  4. 横ローラおよび縦ローラは、はんだ付け用の溶融はんだを噴流してはんだ噴流波を形成するノズルを有したはんだ槽の上側に配列され、
    ワークは、はんだ付けされる部品実装基板である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の搬送装置。
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JP2009196799A (ja) * 2008-02-25 2009-09-03 Tokyo Kakoki Kk 基板材表面処理装置のコンベア
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