JP2005197296A - 発光素子及びその製造方法 - Google Patents

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和徳 萩本
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Abstract


【課題】 成長用基板や加工ダメージ層を化学エッチングにより除去する際に、Ag系金属層に腐食が生ずることを効果的に防止でき、ひいては製造歩留まりが良好で、反射による光取出し効率も高めることができる発光素子。
【解決手段】 化合物半導体よりなる発光層部24の一方の主表面を光取出面とし、該発光層部24の他方の主表面側に素子基板7が結合される。また、素子基板7と発光層部24との間には、Agを主成分として、Au、Pd及びRuからなる第一群副成分の1種以上と、Cu、Ti、Cr、Ta、Ni、Mo、Al及びNbからなる第二群副成分の1種以上とを含有するAg系合金にて構成され、発光層部24からの光を光取出面側に反射させるAg系合金層10が配置される。
【選択図】 図1


Description

この発明は発光素子及びその製造方法に関する。
特開平7−66455号公報 特開平11−191641号公報
発光ダイオードや半導体レーザー等の発光素子に使用される材料及び素子構造は、長年にわたる進歩の結果、素子内部における光電変換効率が理論上の限界に次第に近づきつつある。従って、一層高輝度の素子を得ようとした場合、素子からの光取出し効率が極めて重要となる。例えば、AlGaInP混晶により発光層部が形成された発光素子は、薄いAlGaInP(あるいはGaInP)活性層を、それよりもバンドギャップの大きいn型AlGaInPクラッド層とp型AlGaInPクラッド層とによりサンドイッチ状に挟んだダブルへテロ構造を採用することにより、発光波長が緑色から赤色領域で、かつ高輝度の素子を実現できる。このようなAlGaInPダブルへテロ構造は、AlGaInP混晶がGaAsと格子整合することを利用して、GaAs単結晶基板上にAlGaInP混晶からなる各層をエピタキシャル成長させることにより形成できる。そして、これを発光素子として利用する際には、通常、GaAs単結晶基板をそのまま素子基板として利用することも多い。しかしながら、発光層部を構成するAlGaInP混晶はGaAsよりもバンドギャップが大きいため、発光した光がGaAs基板に吸収されて十分な光取出し効率が得られにくい難点がある。この問題を解決するために、基板と発光素子との間に反射層として、DBR(Distributed Bragg Reflector)層を挿入する方法(例えば特許文献1)が提案されているが、DBR層は積層された半導体層の屈折率の違いを利用するものであるため、限られた角度で入射した光しか反射されず、光取出し効率の大幅な向上は原理的に期待できない。
そこで、成長用のGaAs基板を剥離する一方、補強用の導電性基板を、反射層を兼ねたAu層を介して剥離面に貼り合わせる技術が知られている。このAu層は反射率が高く、また、反射率の入射角依存性が小さい利点がある。しかしながら、反射層としてAu層を用いると、発光層部の波長によっては十分な反射効果が得られず、光取出し効率が思ったほど顕著には向上しない。その理由は、Auは波長670nm以下の可視光域に強い吸収があり、発光層部のピーク発光波長が670nm以下に存在する場合に反射率低下が著しくなるからである。その結果、総発光強度が低下しやすくなるほか、取り出される光のスペクトルが、吸収により本来の発光スペクトルとは異なるものとなり、発光色調の変化も招きやすくなる問題も生ずる。
他方、反射金属層としてAgを使用する発光素子が特許文献2に開示されている。AgはAuに比べて圧倒的に安価であり、しかも可視光の略全波長域(350nm以上700nm)にわたってAuよりも良好な反射率を示し反射率の波長依存性が小さい。その結果、素子の発光波長によらず高い光取出し効率を実現できる利点がある。
しかしながら、Ag層を用いる場合、次のような問題を生ずる懸念がある。まず、発光層部は多数の素子チップの母体となるウェーハの形で成長用基板の上にエピタキシャル成長される。発光層部がAlGaInPの場合はGaAs基板が成長用基板として使用され、発光層部の一方の主表面に成長用基板を残した状態で他方の主表面にAg層を形成し、これに補強用の素子基板(例えばSi基板など)を貼り合わせた後、反対側のGaAs基板を化学エッチングにより除去する必要がある。しかし、このエッチングのときに、貼り合わせに用いているAg層が周縁部からエッチングにより腐食され、腐食浸透によるチップ歩留まりの低下や基板剥離等の不具合を生ずる惧れがある。また、貼り合わせた後のウェーハはダイシングにより素子チップに分離する必要がある。このダイシングにより、切断面となる素子側面部には加工ダメージ層が形成される。該加工ダメージ層に含まれる多数の結晶欠陥は電流リークや散乱の原因となるため、ダイシング後に該加工ダメージ層を化学エッチングにより除去することが行なわれている。しかし、この加工ダメージ層除去用の化学エッチング時にもAg層の腐食が同様に問題となりうる。
本発明の課題は、発光層部に対し、Ag系金属よりなる反射層を介して素子基板が結合された構造を有する発光素子において、成長用基板や加工ダメージ層を化学エッチングにより除去する際に、Ag系金属層に腐食が生ずることを効果的に防止でき、ひいては製造歩留まりが良好で、反射による光取出し効率も高めることができる発光素子とその製造方法とを提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記の課題を解決するために、本発明の発光素子は、発光層部を有した化合物半導体層の第一主表面を光取出面とし、該化合物半導体層の第二主表面側に素子基板が結合されるとともに、該素子基板と化合物半導体層との間に、Agを主成分として、Au、Pd及びRuからなる第一群副成分の1種以上と、Cu、Ti、Cr、Ta、Ni、Mo、Al及びNbからなる第二群副成分の1種以上とを含有するAg系合金にて構成され、発光層部からの光を光取出面側に反射させるAg系合金層を介在させたことを特徴とする。本発明において「主成分」とは、最も質量含有率の高い成分のことをいう。
上記本発明の発光素子は、化合物半導体層において、発光層部の第一主表面側に該発光層部よりも厚い電流拡散層が形成され、該化合物半導体層の側面部がAg系合金層及び素子基板の側面部とともに、化学エッチングの施されたダイシング面とすることができる。
また、本発明の発光素子の製造方法の第一は、上記本発明の発光素子の製造方法であって、
発光層部を有した化合物半導体層の第二主表面と、素子基板の第一主表面との少なくともいずれかに、Agを主成分として、Au、Pd及びRuからなる第一群副成分の1種以上と、Cu、Ti、Cr、Ta、Ni、Mo、Al及びNbからなる第二群副成分の1種以上とを含有するAg系合金にて構成されるAg系合金層を形成するAg系合金層形成工程と、
該Ag系合金層を介して素子基板と化合物半導体層との重ね合わせ体を作り、その状態で該重ね合わせ体を熱処理することにより、素子基板と化合物半導体層とをAg系合金層を介して結合した貼り合わせウェーハを作る貼り合わせ工程と、
該貼り合わせウェーハを発光素子チップにダイシングするダイシング工程と、
発光素子チップにおいてダイシングにより化合物半導体層の側面に生じた加工ダメージ層を、該発光素子チップの側面にAg系合金層を露出させた状態で化学エッチングすることにより除去する加工ダメージ層エッチング工程と、
がこの順序で実施されることを特徴とする。
また、本発明の発光素子においては、発光層部を、GaAsと格子整合するAlGaInP化合物により、第一導電型クラッド層、活性層及び第二導電型クラッド層がこの順序にて積層されたダブルへテロ構造を有するものとして構成することができる。本発明の発光素子の製造方法の第二は、該構成の発光素子を製造するための方法であって、
GaAs基板上に電流拡散層とAlGaInP化合物からなる発光層部とをこの順序で有する化合物半導体層をエピタキシャル成長するエピタキシャル成長工程と、
発光層部を有した化合物半導体層の第二主表面と、素子基板の第一主表面との少なくともいずれかに、Agを主成分として、Au、Pd及びRuからなる第一群副成分の1種以上と、Cu、Ti、Cr、Ta、Ni、Mo、Al及びNbからなる第二群副成分の1種以上とを含有するAg系合金にて構成されるAg系合金層を形成するAg系合金層形成工程と、
該Ag系合金層を介して素子基板と化合物半導体層との重ね合わせ体を作り、その状態で該重ね合わせ体を熱処理することにより、素子基板と化合物半導体層とをAg系合金層を介して結合した貼り合わせウェーハを作る貼り合わせ工程と、
該貼り合わせウェーハの側面にAg系合金層を露出させた状態で、GaAs基板を化学エッチングにより除去する基板除去工程と、
がこの順序で実施される特徴とする。
そして、本発明の発光素子の製造方法の第二においては、さらに、
GaAs基板を除去した後の貼り合わせウェーハを発光素子チップにダイシングするダイシング工程と、
発光素子チップにおいてダイシングにより化合物半導体層の側面に生じた加工ダメージ層を、該発光素子チップの側面にAg系合金層を露出させた状態で化学エッチングすることにより除去する加工ダメージ層エッチング工程と、
をこの順序で実施することができる。
上記本発明の発光素子は、素子基板と化合物半導体層との間に、Agを主成分として、Au、Pd及びRuからなる第一群副成分の1種以上と、Cu、Ti、Cr、Ta、Ni、Mo、Al及びNbからなる第二群副成分の1種以上とを含有するAg系合金にて構成され、発光層部からの光を光取出面側に反射させるAg系合金層を介在させている。Ag系合金層はAu系合金層と比べて圧倒的に安価であり、しかも可視光の略全波長域(360nm以上700nm)に渡って良好な反射率を示すので、反射率の波長依存性が小さい。そして、金属層の全体がAg系金属にて構成されると、Auなどの高価な貴金属を介在させる必要がなくなり、素子全体を安価に構成できる。
また、主成分金属であるAgに対し、Au、Pd及びRuからなる第一群副成分の1種以上と、Cu、Ti、Cr、Ta、Ni、Mo、Al及びNbからなる第二群副成分の1種以上とを添加することにより、Ag系合金層の化学エッチングに対する耐腐食性が格段に改善される。これによる発光素子製造上の効果は、次の2つの異なる発光素子の製造工程にて顕著に発揮される。
(1)化合物半導体層の第一主表面を光取出面として使用する場合、光取出側電極は、光取出領域を確保するため光取出面の一部のみを覆う形で形成される。このため、発光層部の全面に均一に電流を供給できるよう、発光層部と光取出側電極との間に化合物半導体からなる電流拡散層を配置する必要がある。この場合、電流拡散層及び発光層部を有する化合物半導体層にAg系合金層を介して素子基板と化合物半導体層とを貼り合わせ、その貼り合わせウェーハを発光素子チップにダイシングするとともに、そのダイシングにより化合物半導体層の側面に生じた加工ダメージ層を化学エッチングにより除去する。ダイシングにより切り分けられた発光素子チップの側面にはAg系合金層の側面も露出しており、化学エッチングを施すと化合物半導体層の側面だけでなくAg系合金層もエッチングによるアタックを受ける。しかし、本発明においては、上記の副成分を含有するAg系合金層を採用することで、該加工ダメージ層を除去する際の化学エッチングによる腐食を効果的に軽減でき、ひいてはチップからの素子基板の剥離等を生じにくくすることができる。
(2)GaAsと格子整合するAlGaInP化合物によりダブルへテロ構造を有する発光層部を形成する場合、この発光層部は電流拡散層とともにGaAs基板上へのエピタキシャル成長により形成される。具体的には、GaAs基板上に電流拡散層をまず成長し、次いで発光層部を成長する(上面を第二主表面とする)。GaAs基板は最終的には除去しなければならないが、電流拡散層と発光層部との合計厚さ、ひいては素子に組み込まれる化合物半導体層の厚さがそれほど大きくない場合、成長用基板を除去した後では、素子基板貼り合わせのためのハンドリングが困難になる。化合物半導体層の厚さが特に小さい場合(例えば10μm以上30μm以下)は、エッチング液中で成長用基板を除去するに伴い、支えを失った化合物半導体層の機械的強度が極度に小さいために、エッチング反応で発生した泡のアタックを受けて、液中で浮きながら藻屑のごとく粉々に破壊されてしまう問題がある。そこで、GaAs基板を化合物半導体層の第一主表面に残した状態で、上記の副成分を含有するAg系合金層を介して素子基板を貼り合わせて貼り合わせウェーハを作り、その後、GaAs基板を化学エッチングにより除去する工程を採用すれば、貼り合わせ時の化合物半導体層のハンドリングは格段に容易となる。
しかし、貼り合わせウェーハの側面にはAg系合金層の側面が露出しており、GaAs基板を除去する際にAg系合金層もエッチングによるアタックを受ける。本発明においては、そのAg系合金層を上記副成分を含有するAg系合金層で構成することで、GaAs基板を除去する際の化学エッチングによる腐食を効果的に軽減でき、ひいてはAg系合金層への腐食浸透によるチップ歩留まりの低下や基板剥離等を効果的に防止することができる。なお、GaAs基板を除去した後の貼り合わせウェーハは(1)と同様に素子チップにダイシングされるので、加工ダメージ層除去のための化学エッチングが多くの場合必要である。また、上記のAg系合金層の使用により、この加工ダメージ層除去の際の腐食も効果的に抑制できる。
また、本発明で使用するAg系合金は、非貴金属系の第二群副成分を組み合わせることで、貴金属系の第一群副成分の添加量が比較的少量であってもAg系金属の耐腐食性を格段に向上できる。従って、Agよりも高価な第一群副成分の添加量を削減することができ、製造コスト削減に寄与する。また、第一群副成分と第二群副成分との合計含有量も削減でき、Ag含有量を相対的に高めることができるから、合金元素配合による金属層の反射率低下も生じにくい。
具体的には、Ag系合金は、Ag含有量が90質量%以上99.8質量%以下であり、第一群副成分を0.1質量%以上5質量%以下、第二群副成分を0.1質量%以上5質量%以下の範囲にて含有することが望ましい。第一群副成分及び第二群副成分のいずれかが0.1質量%未満では、金属層の耐腐食性を十分に確保できなくなる。また、第一群副成分及び第二群副成分のいずれかが5質量%を超えると、金属層の耐腐食性は却って低下することにつながる。また、Ag含有量が90質量%未満では金属層の耐腐食性が確保できない上、反射率低下の懸念も生ずる。また、Ag含有量が99.8質量%を超えると、第一群副成分及び第二群副成分の含有量の下限値を担保できなくなり、金属層の耐腐食性を確保できなくなる。第一群副成分及び第二群副成分の各含有量は、それぞれ0.9質量%以上3質量%以下とすることがより望ましい。
Ag系合金としては、AgPdCu合金、AgPdTi合金、AgPdCr合金、AgPaTa合金、AgPdMo合金、AgAuCu合金、AgAuTi合金、AgAuCr合金、AgAuTa合金、AgAuMo合金、AgAuNi合金、AgAuAl合金、AgAuNb合金、AgRuCu合金、AgRuTi合金、AgRuCr合金、AgRuAuTa合金、AgRuMo合金、AgRuNi合金、AgRuAl合金及びAgRuNb合金を採用した場合に、上記本発明の効果が特に顕著に発揮される。これらのうちでも、特にAgPdCu合金からなるAgPdCu系合金層を本発明に好適に採用できる。
具体的には、AgPdCu系合金は、Ag含有量が90質量%以上98.2質量%以下であり、Pdを0.9質量%以上5質量%以下、Cuを0.9質量%以上5質量%以下の範囲にて含有することが望ましい。Pdの含有量は、0.9質量%以上1.5質量%以下とすることがより望ましく、Cuの含有量は、0.9質量%以上1.1質量%以下とすることがより望ましい。また、反射率確保の観点からは、Ag含有率がなるべく高いことが有利であり、Pd及びCuを除いた合金の残部(ただし、0.5質量%以下の不可避不純物を除く)をAgにて構成することがより望ましい。
なお、特許文献2には反射金属層をAgPd合金で構成する素子態様が開示されているが、Pdの含有量が10質量%以上30質量%以下と高く、しかもその目的はAgのマイグレーション防止であって本発明と全く異なる。このようにPdの含有量の高いAg合金を用いた場合、エッチングに耐えうる耐食性をAg系合金層に付与することはできないし、反射率低下も避け難くなる。また、高価なPdの含有量が増えることがコスト的に不利であることはいうまでもない。本発明のごとくPd含有量を大幅に削減するためには、Cuの共添加が必須である。また、特許文献2ではAg系合金層が発光素子チップの主表面に露出しており、マイグレーションが生じやすい構成になっているが、本発明ではAgPdCu系合金層を素子基板と発光層部の間でサンドイッチしているのでマイグレーションが本来的に生じにくく、従って、Pdの含有量が5質量%以下と低い値であっても、それほど問題とはならないのである。
図3は、鏡面研磨した種々の金属表面における反射率を示すものであり、プロット点「■」はAgの反射率を、プロット点「△」はAuの反射率を、プロット点「◆」はAlの反射率(比較例)である。また、プロット点「×」はAg−1質量%Pd−1質量%Cu合金である。Ag−1質量%Pd−1質量%Cu合金の反射率は、350nm以上700nm以下(また、それより長波長側の赤外域)、特に、380nm以上700nm以下にて、可視光の反射率が特に良好であり、しかも、Ag単体金属を用いた場合と比較しても、反射率低下をほとんど生じていないことがわかる。
本発明の発光素子は、化合物半導体層と素子基板とを結合する金属層の全体をAg系合金層にて形成することができるが、化合物半導体層と素子基板とを結合する金属層の一部(つまり、反射面を含む部分)をAg系合金層とし、該Ag系合金層と同等又はこれよりも良好な耐食性を持つ補助金属層をさらに有する構成にすることもできる。補助金属層は、例えばAu、Pd、Pt、Ru、Rh、Ir、OsあるいはReなど、Agよりも電気化学的に貴な金属にて構成することもできるし、TiやAlなど、不動態酸化被膜を形成する金属にて構成することもでき、また、これらの層の組み合わせからなる複合層として構成することも可能である。特に、補助金属層を、Ag系合金層と素子基板との間に設けられ、化合物半導体層と素子基板とを貼り合せる、Auを主成分とするAu系金属層を含むものとし、化合物半導体層側と素子基板側とにそれぞれ形成したAu系金属層同士を貼り合わせるようにすれば、Ag系金属層同士を貼り合せる場合と比較して、前述の貼り合わせ工程をより低温で行なうことができ、発光素子の製造が容易となる利点を生ずる。
以下、本発明の実施の形態を添付の図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態である発光素子100を示す概念図である。発光素子100は、素子基板をなすSi基板7の第一主表面上に、Ag系合金層10を介して発光層部24及び電流拡散層20よりなる化合物半導体層50が貼り合わされた構造を有してなる。
発光層部24は、ノンドープ(AlGa1−xIn1−yP(ただし、0≦x≦0.55,0.45≦y≦0.55)混晶からなる活性層5を、第一導電型クラッド層、本実施形態ではp型(AlGa1−zIn1−yP(ただしx<z≦1)からなるp型クラッド層6と、前記第一導電型クラッド層とは異なる第二導電型クラッド層、本実施形態ではn型(AlGa1−zIn1−yP(ただしx<z≦1)からなるn型クラッド層4とにより挟んだ構造を有し、活性層5の組成に応じて、発光波長を、緑色から赤色領域(発光波長(ピーク発光波長)が550nm以上670nm以下)にて調整できる。図1の発光素子100では、光取出側電極9側にp型AlGaInPクラッド層6が配置されており、Ag系合金層10側にn型AlGaInPクラッド層4が配置されている。従って、通電極性は光取出側電極9側が正である。なお、ここでいう「ノンドープ」とは、「ドーパントの積極添加を行なわない」との意味であり、通常の製造工程上、不可避的に混入するドーパント成分の含有(例えば1013〜1016/cm程度を上限とする)をも排除するものではない。
また、発光層部24の第一主表面上には、AlGaAsよりなる電流拡散層20が形成され、その主表面の略中央には該主表面の一部を覆うように、接触抵抗低減用のAuBe合金等からなる接合層9aが形成され、発光層部24に発光駆動電圧を印加するための光取出側電極9(例えばAu電極)が、該接合層9aを覆うように形成されている。光取出側電極9の周囲の領域は発光層部24からの光取出領域をなす。また、Si基板7の第二主表面にはその全体を覆うように金属電極(裏面電極:例えばAu電極である)15が形成されている。金属電極15がAu電極である場合、金属電極15とSi基板7との間にはAuSb接合層16が介挿される。なお、AuSb接合層16に代えてAuSn接合層を用いてもよい。
Si基板7は、Si単結晶インゴットをスライス・研磨して製造されたものであり、その厚みは例えば50μm以上500μm以下である。そして、発光層部24に対し、Ag系合金層10を挟んで貼り合わされている。また、Si基板7とAg系合金層10との間には、基板側Ag系接合層としてAgSb層31(例えばSb:2質量%)が介挿されている。なお、AgSb接合層31に代えてAgSn接合層を用いてもよい。
化合物半導体層50の側面部は、Ag系合金層10及びSi基板7の側面部とともに、化学エッチングが施されたダイシング面とされている。Ag系合金層10を構成するAg系合金は、Ag含有量が90質量%以上98.2質量%以下であり、Pdを0.9質量%以上5質量%以下(望ましくは0.9質量%以上1.5質量%以下)、Cuを0.9質量%以上5質量%以下(望ましくは0.9質量%以上1.1質量%以下)の範囲にて含有する。また、反射率確保の観点から、Pd及びCuを除いた合金の残部(ただし、0.5質量%以下の不可避不純物を除く)は、Agにて構成されている。
Ag系合金層10は、発光層部24(化合物半導体層)側の第一Ag系合金層10aと、Si基板7側のAg系合金層10bとが拡散熱処理により貼り合わされたものとされている。Ag系合金層10は、Agを主成分として、Au、Pd及びRuからなる第一群副成分の1種以上と、Cu、Ti、Cr、Ta、Ni、Mo、Al及びNbからなる第二群副成分の1種以上とを含有するAg系合金からなる。本実施形態では、Ag系合金として、Ag含有量が90質量%以上98.2質量%以下であり、Pdを0.9質量%以上5質量%以下、Cuを0.9質量%以上5質量%以下の範囲にて含有するAgPdCu合金が採用されている。
発光層部24とAg系合金層10との間には、発光層部側Ag系接合層としてAgGeNi接合層32(例えばGe:15質量%、Ni:10質量%)が形成されており、素子の直列抵抗低減に貢献している。AgGeNi接合層32は、Ag系合金層10の主表面上に分散形成され、その形成面積率は1%以上25%以下である。AgGeNi接合層32はAuGeNi接合層(例えばGe:15質量%、Ni:10質量%)で置き換えることもできる。なお、化合物半導体層50と素子基板7との間には、基板側Ag系接合層(図1の実施形態ではAgSb層31)、発光層部側Ag系接合層(図1の実施形態ではAgGeNi接合層32)及びAg系合金層10が金属層40として形成されている。
発光層部24からの光は、光取出面側に直接放射される光に、Ag系合金層10による反射光が重畳される形で取り出される。Au系反射金属層を用いた従来の発光素子は、AlGaInPを用いた発光層部の場合、発光波長が550nm以上670nm以下のとき、Au系反射金属層による吸収が大きくなり、反射率が低下しやすい欠点がある。しかしながら、本実施形態の発光素子100のようにAg系合金層10を用いると、上記のような発光波長の発光層部24を形成した場合も反射率が低下せず、素子の光取出し効率を著しく高めることができる。
なお、Ag系合金層10の厚さは、反射効果を十分に確保するため、80nm以上とすることが望ましい。また、厚さの上限には制限は特にないが、反射効果が飽和するため、コストとの兼ね合いにより適当に定める(例えば1μm以下)。
以下、図1の発光素子100の製造方法について説明する。
まず、図2の工程1に示すように、成長用基板をなすGaAs(単結晶)基板1の主表面に、p型GaAsバッファ層2を例えば0.5μm、AlAsからなる剥離層3を例えば0.5μm、さらにp型AlGaAsよりなる電流拡散層20を例えば5μm、この順序にてエピタキシャル成長させる。また、その後、発光層部24として、1μmのp型AlGaInPクラッド層6、0.6μmのAlGaInP活性層(ノンドープ)5、及び1μmのn型AlGaInPクラッド層4を、この順序にエピタキシャル成長させる。
次に、工程2に示すように、発光層部24の主表面に、AgGeNi接合層32(AuGeNi接合層でもよい)を分散形成する。AgGeNi接合層32を形成後、次に、350℃以上550℃以下の温度域で合金化熱処理を行ない、その後、AgGeNi接合層32を覆うように前述のAgPdCu合金よりなる第一Ag系合金層10aを形成する。発光層部24とAgGeNi接合層32との間には、上記合金化熱処理により合金化層が形成され、直列抵抗が大幅に低減される。他方、工程3に示すように、別途用意したSi基板7(n型)の両方の主表面に基板側接合層となるAgSb接合層31,16(前述の通りAgSn接合層でもよい)を形成し、480℃以上950℃以下の温度域で合金化熱処理を行なう。そして、AgSb接合層31上には同様のAgPdCu合金よりなる第二Ag系合金層10bを、AgSb接合層16上には裏面電極層15(例えばAu系金属よりなるもの)をそれぞれ形成する。以上の工程で各金属層は、スパッタリングあるいは真空蒸着等を用いて行なうことができる。
そして、工程4に示すように、Si基板7の第二Ag系合金層10bを、発光層部24上に形成された第一Ag系合金層10aに重ね合わせて圧迫して、100℃以上840℃未満、例えば120℃にて拡散熱処理することにより、貼り合わせウェーハ50を作る。Si基板7は、第一Ag系合金層10a及び第二Ag系合金層10bを介して発光層部24に貼り合わせられる。また、第一Ag系合金層10aと第二Ag系合金層10bとは一体化し、Ag系合金層10となる。
次に、工程5に進み、上記貼り合わせウェーハ50を、例えば10%フッ酸水溶液からなるエッチング液に浸漬し、バッファ層2と発光層部24との間に形成したAlAs剥離層3を選択的に化学エッチングすることにより、GaAs基板1(発光層部24からの光に対して不透明である)を、発光層部24とこれに接合されたSi基板7との積層体50aから除去する。なお、AlAs剥離層3に代えてAlInPよりなるエッチストップ層を形成しておき、GaAsに対して選択エッチング性を有する第一エッチング液(例えばアンモニア/過酸化水素混合液)を用いてGaAs基板1をGaAsバッファ層2とともにエッチング除去し、次いでAlInPに対して選択エッチング性を有する第二エッチング液(例えば塩酸:Al酸化層除去用にフッ酸を添加してもよい)を用いてエッチストップ層をエッチング除去する工程を採用することもできる。
上記の化学エッチング時には、貼り合わせウェーハ50の全体がエッチング液に浸漬され、GaAs基板1だけでなくAgPdCu合金からなるAg系合金層10の側面もエッチング液によりアタックを受ける。しかし、AgPdCu合金はフッ酸水溶液やアンモニア/過酸化水素混合液などのエッチングに対する耐腐食性が高く、該AgPdCu合金にて構成したAg系合金層10に沿った腐食の浸透や基板剥離といった不具合を効果的に防止できる。
そして、工程6に示すように、GaAs基板1の剥離により露出した電流拡散層20の主表面の一部を覆うように接合層9aと光取出側電極9を形成する。次いで、通常の方法によりダイシングして発光素子チップとし、これを支持体に固着してリード線のワイヤボンディング等を行なった後、樹脂封止をすることにより最終的な発光素子100が得られる。上記のダイシングにより、化合物半導体層50の側面部には加工ダメージ層が形成される。該加工ダメージ層に含まれる多数の結晶欠陥は、発光通電時において電流リークや散乱の原因となるため、該加工ダメージ層を化学エッチングにより除去する。エッチング液としては硫酸−過酸化水素混合液を使用する。該水溶液としては、例えば硫酸:過酸化水素:水の重量配合比率が20:1:1のものを使用でき、液温は30℃以上60℃以下に調整される。そして、ダイシングによりAg系合金層10は素子チップの側面に露出し、この化学エッチングに対してもエッチング液からのアタックを受ける。しかし、AgPdCu合金からなるAg系合金層10は硫酸−過酸化水素混合液に対する耐腐食性も高く、基板剥離などの不具合を効果的に防止できる。
なお、以上の実施形態では、GaAs基板1上に電流拡散層20及び発光層部24の順で積層し、該発光層部24の第二主表面にAg系合金層10を介してSi基板7を貼り合わせていたが、発光層部24と電流拡散層20とからなる化合物半導体層50の上下を反転し(この場合、発光層部24と電流拡散層20との成長順序は入れ換わる)、先にGaAs基板1を除去してから、それにより露出した発光層部24の第二主表面にAg系合金層10を介してSi基板7を貼り合わせることもできる。この場合、GaAs基板1を除去後においても化合物半導体層50のハンドリングが可能となるように、電流拡散層20を一定以上に厚く(例えば50μm以上200μm以下)に形成するか、あるいは電流拡散層20の厚さを小さく留める場合においても、ワックス等を介して補強用の仮支持基板を貼り合わせ、ハンドリング性を確保するようにする。この工程では、GaAs基板1を化学エッチングで除去する際にAg系合金層10は未だ貼り合わされていないので、該工程での腐食は生じ得ない。また、青色系の発光層部としてAlGaInN混晶のダブルへテロ構造を採用することもできるが、この場合の成長用基板はGaAs基板ではなく、例えばサファイア基板であり、その除去はエキシマレーザー照射等によるバッファ層溶解など、物理的手段により行なわれるので、基板除去時の腐食は同様に問題とならない。しかし、いずれの場合も、ダイシング後の加工ダメージ層除去時にはエッチングによる腐食が問題となり、Ag系合金層10の採用によりこの腐食が抑制される効果は同様に達成される。
なお、上記の実施形態では、Ag系合金層10をAgPdCu合金にて構成していたが、AgPdCu合金に変えて、AgPdTi合金、AgPdCr合金、AgPaTa合金、AgPdMo合金、AgAuCu合金、AgAuTi合金、AgAuCr合金、AgAuTa合金、AgAuMo合金、AgAuNi合金、AgAuAl合金、AgAuNb合金、AgRuCu合金、AgRuTi合金、AgRuCr合金、AgRuAuTa合金、AgRuMo合金、AgRuNi合金、AgRuAl合金あるいはAgRuNb合金を採用することもできる。
さらに、発光層部24とSi基板(素子基板)7の貼り合せ面(接合合金化層を除く)をAg系合金層10a,10bとして構成していたが、図4の発光素子200のように、金属層40のうち、反射面を形成する層領域のみをAg系合金層10として構成し、貼り合せ面をAg系合金層よりも電気化学的に貴な金属からなる層、例えばAu系金属層110a、110b(Au含有量が95質量%以上)にて構成することも可能である。該構造は、例えば、発光層部24側にAg系合金層10、Tiからなる拡散阻止層110c及び第一Au系金属層110aをこの順序で形成し、Si基板(素子基板)7側にTiからなる拡散阻止層110d及び第二Au系金属層110bを形成し、第一Au系金属層110aと第二Au系金属層110bとを貼り合わせて得ることができる。拡散阻止層110cは、Ag系合金層10側に第一Au系金属層110aからのAu成分が拡散することを抑制し、ひいてはAg系合金層10の反射率低下を防止するものである。また、拡散阻止層110dは、Si基板7からのSi成分が第二Au系金属層110b側に拡散により湧き上がり、第一Au系金属層110aと第二Au系金属層110bとの貼り合せ面が、湧き上がったSiの酸化により汚染されることを防ぐ目的で配置されるものである。また、結果的にはそのSi成分が第一Au系金属層110aを経てAg系合金層10にまで沸きあがることを防止する機能も有している。なお、室温近傍の比較的低温で第一Au系金属層110aと第二Au系金属層110bとを先に圧着しておき、その後昇温して貼り合わせを行なう場合など、仮にSiが湧き上がっても第一Au系金属層110aと第二Au系金属層110bとの貼り合せ自体に懸念が生じない場合は、拡散阻止層110dを省略することも可能である。
上記の実施形態では、Ag系合金層10、拡散阻止層110c、Au系金属層110a+110b及び拡散阻止層110d、ならびに発光層部側Ag系接合層32及び基板側Ag系接合層31が金属層40を形成している。そして、Ag系合金層10よりも電気化学的に貴な金属(Au系金属層110a+110b)と不動態酸化被膜を形成する金属(Tiよりなる拡散阻止層110c,110d)が補助金属層を形成している。Au系金属層110a+110bの前述のエッチング液に対する耐腐食性は、本発明で採用するAg系合金層10よりもさらに高いので、反射が確保できるのに必要十分な厚さ(例えば80nm以上3μm以下)の範囲で、Ag系合金層10の厚さをAu系金属層110a+110bの厚さよりも小さく設定することが望ましい。
本発明の発光素子の第一実施形態を積層構造にて示す模式図。 本発明の発光素子の製造工程の一例を示す説明図。 種々の金属における反射率を示す図。 本発明の発光素子の第二実施形態を積層構造にて示す模式図。
符号の説明
1 GaAs単結晶基板(発光層成長用基板)
4 n型クラッド層(第二導電型クラッド層)
5 活性層
6 p型クラッド層(第一導電型クラッド層)
7 Si単結晶基板(素子基板)
9 金属電極
10 Ag系合金層(金属層)
40 金属層
110a,110b Au系金属層(補助金属層)
110c,110d 拡散阻止層(補助金属層)
24 発光層部
100,200 発光素子

Claims (12)

  1. 発光層部を有した化合物半導体層の第一主表面を光取出面とし、該化合物半導体層の第二主表面側に素子基板が結合されるとともに、該素子基板と前記化合物半導体層との間に、Agを主成分として、Au、Pd及びRuからなる第一群副成分の1種以上と、Cu、Ti、Cr、Ta、Ni、Mo、Al及びNbからなる第二群副成分の1種以上とを含有するAg系合金にて構成され、前記発光層部からの光を前記光取出面側に反射させるAg系合金層を介在させたことを特徴とする発光素子。
  2. 前記化合物半導体層において、前記発光層部の第一主表面側に該発光層部よりも厚い電流拡散層が形成され、該化合物半導体層の側面部が前記Ag系合金層及び素子基板の側面部とともに、化学エッチングの施されたダイシング面とされていることを特徴とする請求項1記載の発光素子。
  3. 前記発光層部は、GaAsと格子整合するAlGaInP化合物により、第一導電型クラッド層、活性層及び第二導電型クラッド層がこの順序にて積層されたダブルへテロ構造を有するものとして構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発光素子。
  4. 前記Ag系合金は、Ag含有量が90質量%以上99.8質量%以下であり、前記第一群副成分を0.1質量%以上5質量%以下、前記第二群副成分を0.1質量%以上5質量%以下の範囲で含有することを特徴とする請求項1記載の発光素子。
  5. 前記Ag系合金層は、前記Ag系合金がAgPdCu合金であるAgPdCu系合金層とされたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の発光素子。
  6. 前記AgPdCu系合金は、Ag含有量が90質量%以上98.2質量%以下であり、Pdを0.9質量%以上5質量%以下、Cuを0.9質量%以上5質量%以下の範囲にて含有することを特徴とする請求項5記載の発光素子。
  7. 前記AgPdCu系合金は、Pdを0.9質量%以上1.5質量%以下、Cuを0.9質量%以上1.1質量%以下の範囲にて含有し、残部Agよりなることを特徴とする請求項6記載の発光素子。
  8. 前記化合物半導体層と前記素子基板との間に形成される金属層の一部が前記Ag系合金層とされるとともに、該Ag系合金層と同等又はこれよりも良好な耐食性を持つ補助金属層を有することを特徴とする請求項7記載の発光素子。
  9. 前記補助金属層は、前記Ag系合金層と前記素子基板との間に設けられ、前記化合物半導体層と前記素子基板とを貼り合せる、Auを主成分とするAu系金属層を含むことを特徴とする請求項8記載の発光素子。
  10. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法であって、
    前記発光層部を有した前記化合物半導体層の第二主表面と、前記素子基板の第一主表面との少なくともいずれかに、Agを主成分として、Au、Pd及びRuからなる第一群副成分の1種以上と、Cu、Ti、Cr、Ta、Ni、Mo、Al及びNbからなる第二群副成分の1種以上とを含有するAg系合金にて構成されるAg系合金層を形成するAg系合金層形成工程と、
    該Ag系合金層を介して前記素子基板と前記化合物半導体層との重ね合わせ体を作り、その状態で該重ね合わせ体を熱処理することにより、前記素子基板と前記化合物半導体層とを前記Ag系合金層を介して結合した貼り合わせウェーハを作る貼り合わせ工程と、
    該貼り合わせウェーハを発光素子チップにダイシングするダイシング工程と、
    前記発光素子チップにおいて前記ダイシングにより前記化合物半導体層の側面に生じた加工ダメージ層を、該発光素子チップの側面に前記Ag系合金層を露出させた状態で化学エッチングすることにより除去する加工ダメージ層エッチング工程と、
    がこの順序で実施されることを特徴とする発光素子の製造方法。
  11. 請求項3ないし請求項8のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法であって、
    GaAs基板上に前記電流拡散層とAlGaInP化合物からなる前記発光層部とをこの順序で有する前記化合物半導体層をエピタキシャル成長するエピタキシャル成長工程と、
    前記化合物半導体層の第一主表面側に前記GaAs基板を残した状態で、該化合物半導体層の第二主表面と、前記素子基板の第一主表面との少なくともいずれかに、Agを主成分として、Au、Pd及びRuからなる第一群副成分の1種以上と、Cu、Ti、Cr、Ta、Ni、Mo、Al及びNbからなる第二群副成分の1種以上とを含有するAg系合金にて構成されるAg系合金層を形成するAg系合金層形成工程と、
    該Ag系合金層を介して前記素子基板と前記化合物半導体層との重ね合わせ体を作り、その状態で該重ね合わせ体を熱処理することにより、前記素子基板と前記化合物半導体層とを前記Ag系合金層を介して結合した貼り合わせウェーハを作る貼り合わせ工程と、
    該貼り合わせウェーハの側面に前記Ag系合金層を露出させた状態で、前記GaAs基板を化学エッチングにより除去する基板除去工程と、
    がこの順序で実施されることを特徴とする発光素子の製造方法。
  12. 前記GaAs基板を除去した後の前記貼り合わせウェーハを発光素子チップにダイシングするダイシング工程と、
    前記発光素子チップにおいて前記ダイシングにより前記化合物半導体層の側面に生じた加工ダメージ層を、該発光素子チップの側面に前記Ag系合金層を露出させた状態で化学エッチングすることにより除去する加工ダメージ層エッチング工程と、
    がこの順序で実施されることを特徴とする請求項11記載の発光素子の製造方法。
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