JP2005197104A - ヒューズ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シャント抵抗の温度変化に対する抵抗値の変化率を演算等によって考慮せずに、シャント抵抗に流れる電流を計測する。
【解決手段】シャント抵抗である第1の導体205での電圧降下と、この第1の導体205と同一の抵抗温度係数を有する材料の第2の導体2での電圧降下とが、同一の温度変化による抵抗値変化の影響を受けることを利用して、第1の導体205に近接配置して接続した第2の導体2から流れ出る計測用電流を計測する。これにより、第1の導体205に流れる被計測電流を計測する。温度変化に対する抵抗値の変化率を演算等によって考慮しなくても、第1の導体205から流れ出るメイン電流を容易に計測することができる。
【選択図】図3
【解決手段】シャント抵抗である第1の導体205での電圧降下と、この第1の導体205と同一の抵抗温度係数を有する材料の第2の導体2での電圧降下とが、同一の温度変化による抵抗値変化の影響を受けることを利用して、第1の導体205に近接配置して接続した第2の導体2から流れ出る計測用電流を計測する。これにより、第1の導体205に流れる被計測電流を計測する。温度変化に対する抵抗値の変化率を演算等によって考慮しなくても、第1の導体205から流れ出るメイン電流を容易に計測することができる。
【選択図】図3
Description
この発明は、回路に生じる発熱を感知して回路を遮断するヒューズ装置に関する。
例えば自動車等には、回路に生じる発熱を感知して回路を遮断するヒューズ装置が搭載される。このヒューズ装置は、例えば電気接続箱中に組み込んで使用されるもので、例えば図8の如く、バッテリー側に接続されるバッテリ側端子101と、複数の負荷のそれぞれに電源を供給するための電源回路に接続される複数の負荷接続用バスバー102a〜102kとの間に、大電流が流れた場合に溶断すべく導体断面積が狭窄状に形成されたヒューズ素子部分103a〜103kが形成され、この端子101、負荷接続用バスバー102a〜102kの先端部及びヒューズ素子部分103a〜103kが外部に露出するよう、絶縁樹脂等の保護体104によって一体的にユニット化される。複数のヒューズ素子部分103a〜103kは、図9の如く、中継用バスバー105によって共通にバッテリ側端子101に接続されており、また各負荷接続用バスバー102a〜102kと各ヒューズ素子部分103a〜103kとは1対1で直列に接続されている。
そして、このバッテリ側端子101、負荷接続用バスバー102a〜102k、ヒューズ素子部分103a〜103k及び中継用バスバー105は、例えば銅または銅合金からなる一枚の金属板を切り抜き形成して形成されることも行われている。
ところで、自動車に搭載された様々な負荷を駆動するに際して、最近では電流センサで電流を計測し、この計測結果が発電機の制御パラメータ等に使用される。この電流センサの一つの適用例としてシャント式のものがある。かかるシャント式の電流センサは、ホール素子のような磁気センサを用いる電流センサに比べ磁気回路が不要で、バスバーなど自動車用電源の接続箱中の構成要素となる導体をシャント抵抗としてそのまま用いることが可能であるため、全体として小型化が可能である。
そして、電流センサで過電流が計測された場合には、負荷の駆動制御を停止することが可能であり、負荷の駆動制御を停止する場合、各ヒューズ素子部分103a〜103kが溶断する前に過電流を防止できるため便利である。
通常、電流センサとヒューズ素子部分103a〜103kとは、別々の部品として構成されるが、その材料として銅または銅合金等の同一の導体で構成することができ、例えば特許文献1で示されるセンサー付きヒューズエレメントの如く、一体のユニットとして構成することで部品点数の削減が図られ上記電気接続箱の小型化、低コスト化ができる。
上述の特許文献1で使用されるセンサー付きヒューズエレメントを、自動車のように温度変化の激しい場所で用いる場合、薄肉状溶断部であるヒューズ素子部分について、金属の熱的溶断なる物理現象を利用するため、材料となる金属の導体抵抗が大きく変化し、電流測定の精度は大幅に低下する問題があり、せいぜい異常電流を検知することしかできなかった。
そこで、この発明の課題は、シャント抵抗に流れる電流を温度変化に影響されずに容易に電流を計測する機能が付加されたヒューズ装置を提供することにある。
上記課題を解決すべく、請求項1に記載の発明は、回路に生じる発熱を感知して回路を遮断するヒューズ装置であって、大電流が流れた場合に溶断すべく導体断面積が狭窄状に形成されたヒューズ素子部分と、前記ヒューズ素子部分に直列に接続されて被計測電流が流れるシャント抵抗部分を有する第1の導体と、前記第1の導体に対して所定の接続点で電気的に接続される第2の導体とを備え、前記第1の導体と前記第2の導体とが、互いに熱結合するよう近接して配置され、且つ前記接続点以外の部分で互いに絶縁されるものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のヒューズ装置であって、前記第1の導体が金属バーである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のヒューズ装置であって、前記金属バーが、電源経路内で負荷に電源供給を行うためバスバーで兼用されるものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のヒューズ装置であって、前記第2の導体が、プリント配線基板上に形成された配線パターンである。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載のヒューズ装置であって、前記第1の導体において前記接続点から前記被計測電流の流れる方向に一定距離離れた第1の点と前記第2の導体において前記接続点から所定の距離離れた第2の点との電位差を比較する電位差比較装置と、前記電位差比較装置からの信号に基づいて、前記第1の点と前記第2の点の電位が等しくなるまで前記第2の導体に計測用電流を流す電流制御装置と、前記計測用電流に基づいて前記被計測電流を計測する電流計測装置とをさらに備えるものである。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のヒューズ装置であって、前記電流制御装置が、電位差比較装置からの信号に応じて前記第2の導体に流れる前記計測用電流を制御する制御素子である。
請求項7に記載の発明は、請求項5または請求項6に記載のヒューズ装置であって、前記電流計測装置が、前記計測用電流を電圧に変換するための抵抗器と、前記抵抗器の近傍に設けられて、計測用電流によって生じた当該抵抗器の一端の電位を検出する検出回路とを備え、前記抵抗器の他端が、前記検出回路の基準電位となる接地電位に接続されるものである。
請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれかに記載のヒューズ装置であって、前記第1の導体と前記第2の導体とが、同じ抵抗温度係数の材料で構成されたものである。
請求項1に記載の発明によれば、大電流が流れた場合に溶断すべく導体断面積が狭窄状に形成されたヒューズ素子部分と、ヒューズ素子部分に直列に接続されて被計測電流が流れるシャント抵抗としての第1の導体と、第1の導体に対して所定の接続点で電気的に接続される第2の導体とを備えるので、ヒューズ装置において、第2の導体から流れ出る計測用電流を計測することで、第1の導体に流れる被計測電流、即ち、第1の導体から流れ出るメイン電流を容易に計測することができる。したがって、正確な電流計測を行う機能を有したヒューズ装置を提供でき、これらを一体的に取り扱うことができて便利である。
また、第1の導体と第2の導体とが近接配置されることで両導体同士が熱的に結合するので、両導体が同一の温度変化を受けやすくなり、抵抗値変化についての条件をほぼ同一にできる。
さらに、第1の導体と第2の導体とが接続点以外の部分で互いに絶縁されるので、第1の導体と第2の導体とを近接配置する際に、両導体間の予期しない電気的接続を防止できる。
請求項2に記載の発明によれば、例えば被覆電線等に比べて、金属バーの中間の任意の位置から電圧を取り出してその両端電圧を電位差比較装置で計測することが容易である。
請求項3に記載の発明によれば、ジャンクションボックス内等での既存のバスバーを第1の導体等として利用するだけなので、専用のシャント抵抗を追加するよりもサイズが小さくて済む利点があり、さらに、大きなサイズを余儀なくされるホール素子を使用する場合に比べて、ジャンクションボックス全体としての小型化を飛躍的に達成することができる。
請求項4に記載の発明によれば、プリント配線基板上に導体のパターン形成を行うことで、シャント抵抗として小型化のものを実現できる。
請求項5及び請求項6に記載の発明によれば、電位差比較装置、電流制御装置(制御素子)及び電流計測装置により、シャント抵抗を流れる被計測電流を精度良く検出することができる。
請求項7に記載の発明によれば、電流計測装置の抵抗器を電流制御装置等から引き離して検出回路の近傍に設置することが可能であるので、これによって検出回路に至るまでの配線の自由度が向上するとともに、そのための配線が1本で済む。また、電位差比較装置及び電流制御装置等の基準電位と検出回路の基準電位とが異なっていても、抵抗器の基準電位を検出回路と共通にしているので、計測用電流の計測を正確に行うことができる。
請求項8に記載の発明によれば、第1の導体と第2の導体とが、同じ抵抗温度係数の材料で構成されているので、これらの複数の導体が同一の温度変化による抵抗値変化を受ける。このことを利用して、第2の導体等から流れ出る計測用電流を計測することで、第1の導体に流れる被計測電流を容易に計測でき、温度変化に対する抵抗値の変化率を演算等によって考慮しなくても、第1の導体から流れ出るメイン電流を容易に計測することができる。
図1はこの発明の一の実施の形態に係るヒューズ装置を示す外観斜視図、図2は同じくその一部を示す正面図である。
このヒューズ装置は、例えば電気接続箱中に組み込んで使用されるもので、バッテリー側に接続されるバッテリ側端子201と、複数の負荷のそれぞれに電源を供給するための電源回路に接続される複数の負荷接続用バスバー202a,202b及び負荷側端子202cとの間に、大電流が流れた場合に溶断すべく導体断面積が狭窄状に形成されたヒューズ素子部分203a〜203cが形成され、このバッテリ側端子201、負荷接続用バスバー202a,202b、負荷側端子202cの各先端部及びヒューズ素子部分203a〜203cが外部に露出するよう、絶縁樹脂等の保護体204によって一体的にユニット化される。
複数のヒューズ素子部分203a〜203cは、図2の如く、中継用バスバー205によって共通にバッテリ側端子201に接続されており、また各負荷接続用バスバー202a,202b及び負荷側端子202cと各ヒューズ素子部分203a〜203cとは1対1で直列に接続されている。
このバッテリ側端子201、負荷接続用バスバー202a,202b、負荷側端子202c、ヒューズ素子部分203a〜203c及び中継用バスバー205は、例えば銅からなる一枚の金属板を切り抜き形成して形成される。
そして、このヒューズ装置においては、中継用バスバー205を、負荷Mに与える電流計測のためのシャント抵抗として利用する。
この中継用バスバー205の金属材料として例えば銅を使用する場合、この銅の抵抗温度係数は、およそ0.004/℃である。そして、自動車内の回路でシャント抵抗を使用する場合、雰囲気温度が−40℃〜+85℃または+125℃と温度変化の幅が100℃以上と大きい。このように雰囲気温度の温度差が100℃あれば、その抵抗値は1.4倍となる。よって、シャント抵抗としてバスバーを用いて正確な電流値を知るためには、何らかの手段により抵抗値を補正する必要がある。
そこで、このヒューズ装置は、例えば、自動車に搭載される各種の負荷に電源を供給する際に、負荷に与える電流を計測するものであって、シャント抵抗である中継用バスバー205と同じ抵抗温度係数を有する材料(同じ材料を含む)で構成された温度補償用抵抗体を設け、この温度補償用抵抗体をシャント抵抗205に近接して配置すれば、シャント抵抗205と温度補償用抵抗体との温度変化が互いに同等となることを利用して、抵抗値の温度変化の補正を行う。
具体的に、このヒューズ装置は、各種の負荷Mが接続されるなどの複数の電流経路に対して電源電流を分岐供給するためのジャンクションボックス内に装着され、図3及び図4の如く、導体の電圧降下を計測することによって負荷Mに流されるメイン電流(被計測電流)I1を計測するものであって、負荷Mにメイン電流I1を供給するためのシャント抵抗としての第1の導体である中継用バスバー205と、この第1の導体205内の所定の接続点Pcnに接続する温度補償用抵抗体としての第2の導体2と、第1の導体205内において上記の接続点Pcnからメイン電流I1の流れる方向に一定距離だけ離れた点A(第1の点)の電位と第2の導体2内において上記接続点Pcnから所定の距離だけ離れた点B(第2の点)の電位とを比較する電位差比較装置3と、点Bの電位と点Aの電位が等しくなるまで第2の導体2に上記の接続点Pcnから点Bに向かって計測用電流I2を流す電流制御装置4と、この計測用電流I2に基づいてメイン電流I1を計測する電流計測装置5とを備える。尚、図3において、符号202は負荷接続用バスバー202a,202b及び負荷側端子202cのうちのいずれかを例示してその他を図示省略したものであり、また符号203はヒューズ素子部分203a〜203cのうち同図に表示された負荷接続用バスバー202a,202b及び負荷側端子202cに直列に接続されたいずれかを例示してその他を図示省略したものである。さらに負荷Mも、同図に表示された負荷接続用バスバー202a,202b及び負荷側端子202cに直列に接続されたいずれかを例示してその他を図示省略したものである。その他の図面においても、符号202,203,Mと示されている要素について同様である。
第1の導体205は、上述(図1及び図2)のように、バッテリ側端子201、負荷接続用バスバー202a,202b、負荷側端子202c及び狭窄状の各ヒューズ素子部分203a〜203cと同一の金属板が打ち抜き形成されており、このバスバーの材料として例えば銅が使用される。
第2の導体2は、第1の導体205が設置される同一のジャンクションボックスに設置され、例えばその端部が、所定の導体(図示省略)を介して第1の導体205中の所定の接続点Pcnに接続されるもので、第1の導体205と同じ抵抗温度係数を持つ金属材料(例えば銅)が使用される。この第2の導体2は、図1及び図2の如く、所定のプリント配線基板7上に形成されるプリント配線パターンとして実現される。ここで、プリント配線基板7は、ガラスやエポキシ樹脂等を使用した硬質の配線基板の他、フレキシブル配線基板(FPC)を含む。またプリント配線パターンとしては、例えば直線状、蛇行状の他、どのようなパターン形状に形成されても差し支えない。この第2の導体2は、プリント配線基板7の表裏の両面のうち、第1の導体205と同じ面側に形成されても良いし、あるいは第1の導体205と逆の面に形成されてもよく、あるいは両面側からプリント配線基板に挟まれて形成されてもよい。
第2の導体2の抵抗値は、第1の導体205の抵抗値と異なって設定されていても差し支えなく、例えば10,000:1等の所定の比率に設定される。
そして、第1の導体205と第2の導体2の温度に対する変化をほぼ同等とするために、両導体205,2が互いに近接して配置することで、両導体205,2を熱的に結合した状態に設定し、また、両導体205,2の接続点Pcn以外の部分は、絶縁シール等の絶縁部材によって互いに絶縁されている。そして、両導体205,2の抵抗温度係数が上述のように同一とされることで、この両導体205,2の温度変化に対する抵抗値の変化率が同等とされる。これにより、第2の導体2の電流を計測すれば、第1の導体205の温度変化に対する抵抗値の変化率を考慮した計測を行うことができることから、計測時に両導体205,2の温度係数をキャンセルすることができる。
電位差比較装置3は演算増幅器(オペアンプ)であり、図4に示した非反転入力端子が、図3のように第1の導体205における上記接続点Pcnよりも負荷M側の中間点である接続点Aに接続され、図4に示した反転入力端子が、図3のように第2の導体2の点Bに接続され、図4の如く、両入力端子に与えられる電圧の差分が出力端子から出力される。
そして、図3において、接続点Pcnと接続点Aとの離間距離は、この間を流れる電流に対する抵抗値を規定することになるが、通電時に接続点Pcnと接続点Aとの間で所定の電圧降下が生じて電位差比較装置3での電圧検知精度に適応するような抵抗値を有するように、接続点Pcnと接続点Aとの離間距離が設定される。このようにする場合、第1の導体205としてバスバーを採用し、そのバスバーの中間位置を接続点Pcn及び接続点Aとしているので、電位差比較装置3での電圧検知精度に適応するような電圧降下を実現する場合に、その抵抗値を決定するための接続点Pcnと接続点Aとの離間距離の設定を極めて容易に行うことができ便利である。
また、この電位差比較装置3の電源は、基本的には計測電流が流れる元電源+Bから生成すればよいが、この電位差比較装置3の電源電圧及び入力電圧範囲など電位差比較装置3の仕様によって電源回路を構成する必要があるため、元電源+Bの電位から昇圧/降圧を行って、電位差比較装置3の正・負(もしくは正・GND)の電源とすることが望ましい。この昇圧/降圧のための電源回路10としては、例えば図5の如く、昇圧用のチャージポンプ回路8及び降圧用のドロッパ式レギュレータ9を併用して行えばよい。具体的には、チャージポンプ回路8を利用して元電源(+B)より高い電位V+をつくり出し、またドロッパ式レギュレータ9によって、元電源(+B)より低い電位V−をつくり出す。そして、チャージポンプ回路8で昇圧された電位V+とドロッパ式レギュレータ9によって降圧された電位V−との電位差を電源として電位差比較装置3に与えることにより、高価なRail-to-Rail入力の仕様でないオペアンプを使用した電位差比較装置3であっても問題なく動作させることができる。よって、電位差比較装置3として安価なオペアンプを使用することが可能となる。尚、電源回路10として、チャージポンプ回路8及びドロッパ式レギュレータ9を使用する代わりに、昇圧/降圧用のDC/DCコンバータを使用しても差し支えない。
電流制御装置4は、PチャネルFETであって、ソースが第2の導体2の点Bに接続され、ドレインが電流計測装置5に接続される。そして、電流制御装置4のゲートは電位差比較装置3の出力端子に接続されている。即ち、点Bからは、電位差比較装置3の反転入力端子への経路と、電流制御装置4への経路の2経路に分岐した回路が構成されていることになる。
これにより、図3及び図4中の第1の導体205にメイン電流I1が流れた際に生じる第1の導体205での電圧降下によって電位差比較装置3が電流制御装置4のゲート入力を制御し、A点とB点の電圧降下が等しくなるようにB点に電流I2が流れることになる。
電流計測装置5は、図4及び図6の如く、計測用電流I2を電圧に変換するための抵抗器11と、この抵抗器11の一端の電位を計測するA/D変換器(検出回路)12とを備える。そして、図6の如く、抵抗器11はA/D変換器12の近傍に配置され、抵抗器11の他端がA/D変換器12の基準電位(接地レベル)に接続される。尚、A/D変換器12はマイクロコンピュータチップ等に内蔵されたものを使用でき、このA/D変換器12の基準電位は、図6の如く、例えば定電圧レギュレータ13を用いて、元電源(+B)からの電源電圧を降圧して与えるようになっている。
これにより、電流制御装置4から電流計測装置5への配線を1本で済ませてその引き回しの自由度を高めることが可能であり、且つ、基準電位(接地)を一意に設定できるので、各装置間の基準電位の差異による影響を受けないように構成できる。
上記構成のヒューズ装置の動作を説明する。
図1及び図2において、負荷Mが短絡するなど、何らかの過電流がヒューズ素子部分203a〜203cに流れて発熱すると、このヒューズ素子部分203a〜203cが溶断することで電流経路が遮断される。
ただし、この実施形態では、電流センサで過電流が計測された場合には、負荷Mの駆動制御を停止することが可能であり、負荷の駆動制御を停止する場合、各ヒューズ素子部分203a〜203cが溶断する前に過電流を防止できるため便利である。
この場合、バッテリ側端子201がバッテリ(+B)に接続され、負荷接続用バスバー202a,202b及び負荷側端子202cがそれぞれ所定の負荷(図示省略)に接続される。ただし、複数の負荷は、中継用バスバー205から見た場合は全て下流側に共通に接続されるため、これらの複数の負荷を集約して単一の負荷Mとして簡便化して図示すると図3及び図4のようになる。
図3及び図4の如く、バッテリ(+B)からの電源電圧が供給されると、バッテリ側端子201を通じて接続された第1の導体205にメイン電流I1が流れ、このメイン電流I1が負荷接続用バスバー202a,202b及び負荷側端子202cを介して各負荷Mに分配し、負荷Mに供給される。
ここで、第1の導体205にメイン電流I1が流れると、第1の導体205での電圧降下によって、図4の如く、電位差比較装置3の非反転入力端子がローとなる。そうすると、電位差比較装置3の出力端子がローとなり、これがPチャネルFETである電流制御装置4のゲートに与えられ、このゲート入力が制御されることで、電位差比較装置3の動作に基づき図4中のA点とB点の電圧降下が等しくなるように第2の導体2に計測用電流I2が流れる。
この場合、第1の導体205の抵抗値をR1とし、第2の導体2の抵抗値をR2として、「R1×I1=R2×I2」となるように、電位差比較装置3が電流制御装置4を制御する。かかる動作において、電位差比較装置3の各入力端子には電流が流れ込まないので、分流電流としての計測用電流I2は全て電流制御装置4のドレイン電流として電流計測装置5に出力される。
電流計測装置5の抵抗器11に計測用電流I2が流れると、この抵抗器11の一端に生じる電圧がA/D変換器12に与えられ、これにより計測用電流I2を計測することで、メイン電流I1を計測する。
この場合、抵抗器11の抵抗値をRout、抵抗器11の両端電圧をVoutとすると、「Vout=Rout×I2」であり、また「I2=(R1/R2)×I1」であるため、「Vout=Rout×(R1/R2)×I1」である。したがって、メイン電流I1は、A/D変換器12で計測されたVoutに基づいて、「I1=Vout×(R2/R1)/Rout」という式により演算で求めることができる。
ここで、第1の導体205と第2の導体2とは同じ抵抗温度係数の材料で構成されており、また両導体205,2が互いに近接配置されることで両者が熱的に結合された状態に設定されているため、温度変化に対する抵抗値の変化率はほぼ同一である。したがって、第2の導体2から流れ出る計測用電流I2を計測することで、温度変化に対する抵抗値の変化率を演算等によって考慮しなくても、第1の導体205から流れ出るメイン電流I1を計測することができる。
また、電流計測装置5の抵抗器11を電流制御装置4等から引き離してA/D変換器12の近傍に設置しているので、これによってA/D変換器12に至るまでの配線の自由度が向上するとともに、そのための配線が1本で済む。また、電位差比較装置3及び電流制御装置4等の基準電位(接地レベル)とA/D変換器12の基準電位(接地レベル)とが異なっていても、抵抗器11の基準電位(接地レベル)をA/D変換器12と共通にしているので、計測用電流I2の計測を正確に行うことができる。
そして、ヒューズ装置として電流計測の機能を備えたユニットを提供できるため、取り扱いが極めて便利なヒューズ装置を提供できる。
この場合、電流を計測する手段としてシャント抵抗205に代えてホール素子を用いることも考えられるが、このホール素子は大電流を流す導体の大きさに準じて部品サイズが比較的大きくなり、このため小型化の要請に合致しない場合がある。これに対して、この実施形態では、電流経路内にシャント抵抗205を配置し、このシャント抵抗205に流れる電流を計測するので、ヒューズ装置全体の小型化を達成できる。
そして、ジャンクションボックス内の電流を計測する場合に、既存のバスバーをそのままシャント抵抗である第1の導体205として使用し、これにプリント配線パターンとして実現される第2の導体2を設置するだけで電流計測を正確に行うことができるので、大きなサイズを余儀なくされるホール素子を使用する場合に比べて、ジャンクションボックス全体としての小型化を飛躍的に達成することができる。また、ジャンクションボックス内の既存のバスバーを第1の導体205等として利用するだけなので、専用のシャント抵抗を追加するよりもサイズが小さくて済む利点がある。
また、バスバーを第1の導体205とし、そのバスバーの中間位置を接続点Pcn及び接続点Aとしているので、電位差比較装置3での電圧検知精度に適応するような第1の導体205での電圧降下を実現する際に、その抵抗値を決定するための接続点Pcnと接続点Aとの離間距離の設定を極めて容易に行うことができ便利である。特に、例えば被覆電線等の中間位置の両端電圧を計測する場合などに比べると、バスバーは元々金属面が露出している構成となっているため、両端電圧の取り出しが容易であるという利点がある。
尚、上記実施形態では、電流制御装置4としてPチャネルFETを使用していたが、例えばPNPトランジスタであってもよい。
また、第1の導体205と第2の導体2とは、図7のように、絶縁性接着剤49で互いに貼付されることで、互いに近接しつつ絶縁してもよい。また、絶縁性接着剤49でなく、金属酸化膜や絶縁材料を用いることでも同様の効果を得ることができる。
さらに、上記実施形態では、第1の導体205及び第2の導体2として銅を使用する例を説明したが、第1の導体205としてのバスバーの固体としての強度を向上するために、銅と鉄または亜鉛等との合金を使用してもよく、あるいは、その他の材料を使用してもよい。この場合、第2の導体2として第1の導体205と同一の抵抗温度係数の材料を使用すれば、どのような材料を使用しても差し支えないことは勿論である。
さらにまた、上記実施形態では、各ヒューズ素子部分203a〜203cが連結用バスバー205よりも負荷M側に接続されていたが、バッテリ(+B)側に接続されても差し支えない。
203,203a〜203c ヒューズ素子部分
205 第1の導体
2 第2の導体
3 電位差比較装置
4 電流制御装置
5 電流計測装置
6 接続体
8 チャージポンプ回路
9 ドロッパ式レギュレータ
M 負荷
10 電源回路
11 抵抗器
12 A/D変換器
13 レギュレータ
205 第1の導体
2 第2の導体
3 電位差比較装置
4 電流制御装置
5 電流計測装置
6 接続体
8 チャージポンプ回路
9 ドロッパ式レギュレータ
M 負荷
10 電源回路
11 抵抗器
12 A/D変換器
13 レギュレータ
Claims (8)
- 回路に生じる発熱を感知して回路を遮断するヒューズ装置であって、
大電流が流れた場合に溶断すべく導体断面積が狭窄状に形成されたヒューズ素子部分と、
前記ヒューズ素子部分に直列に接続されて被計測電流が流れるシャント抵抗部分を有する第1の導体と、
前記第1の導体に対して所定の接続点で電気的に接続される第2の導体と
を備え、
前記第1の導体と前記第2の導体とが、互いに熱結合するよう近接して配置され、且つ前記接続点以外の部分で互いに絶縁されるヒューズ装置。 - 請求項1に記載のヒューズ装置であって、
前記第1の導体が金属バーであるヒューズ装置。 - 請求項2に記載のヒューズ装置であって、
前記金属バーが、電源経路内で負荷に電源供給を行うためバスバーで兼用されるヒューズ装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載のヒューズ装置であって、
前記第2の導体が、プリント配線基板上に形成された配線パターンである、ヒューズ装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載のヒューズ装置であって、
前記第1の導体において前記接続点から前記被計測電流の流れる方向に一定距離離れた第1の点と前記第2の導体において前記接続点から所定の距離離れた第2の点との電位差を比較する電位差比較装置と、
前記電位差比較装置からの信号に基づいて、前記第1の点と前記第2の点の電位が等しくなるまで前記第2の導体に計測用電流を流す電流制御装置と、
前記計測用電流に基づいて前記被計測電流を計測する電流計測装置と
をさらに備える、ヒューズ装置。 - 請求項5に記載のヒューズ装置であって、
前記電流制御装置が、電位差比較装置からの信号に応じて前記第2の導体に流れる前記計測用電流を制御する制御素子である、ヒューズ装置。 - 請求項5または請求項6に記載のヒューズ装置であって、
前記電流計測装置が、
前記計測用電流を電圧に変換するための抵抗器と、
前記抵抗器の近傍に設けられて、計測用電流によって生じた当該抵抗器の一端の電位を検出する検出回路と
を備え、
前記抵抗器の他端が、前記検出回路の基準電位となる接地電位に接続される、ヒューズ装置。 - 請求項1から請求項7のいずれかに記載のヒューズ装置であって、
前記第1の導体と前記第2の導体とが、同じ抵抗温度係数の材料で構成された、ヒューズ装置。
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- 2004-01-08 JP JP2004002665A patent/JP2005197104A/ja active Pending
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