JP2005197086A - 燃料電池用ガスケット - Google Patents

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Abstract

【課題】弾性ガスケットどうしの当接による優れたシール機能を、ガスケットどうしが多少位置ズレしても確実に得られるようにして、シール機能の信頼性を向上させる。
【解決手段】セルを構成する複数の板状体のうちの対向するセパレータ2どうしの間に介装される燃料電池用ガスケット13において、対向するセパレータ2のうちの一方に接着されるゴム製の第1ガスケット13Aと、他方に接着されるゴム製の第2ガスケット13Bとから成るとともに、これらセパレータ2が互いに接近する方向に締付けられた所定の組付け状態においては、第1及び第2ガスケット13A,13Bどうしが互いに圧縮変形して押圧接触させる。第1及び第2ガスケット13A,13Bにおける押圧接触する先端面15aを、押圧方向に対して互いに同方向に傾いた傾斜面に構成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、燃料電池用ガスケットに係り、詳しくは、セルを構成する複数の板状体のうちの対向するものどうしの間に介装される燃料電池用ガスケットに関するものである。
固体高分子型燃料電池は、平板状の電極構造体の両側にセパレータが積層されたものが一つのセル、即ち単位セルとなり、複数の単位セルを積層して燃料電池のスタックとして構成されている。電極構造体は、正極側の電極触媒層(カソード)と、負極側の電極触媒層(アノード)との間に高分子の電解質膜(高分子電極膜)が挟まれ、各電極触媒層の外側にガス拡散層が配置された積層体である。セパレータは電子伝達機能を有する材料から成るもので、電極構造体への対向面にはガス通路が形成され、少なくとも一方のセパレータの表面には冷媒通路が形成されている。
これら通路はいずれも溝状であって、ガス通路には燃料ガスである水素ガスと酸素や空気等の酸化剤ガスが夫々独立して流され、冷媒通路には水或いはエチレングリコール等の冷媒が流される。セパレータは、各ガス通路間の突起部がガス拡散層に接触する状態で電極構造体に積層される。そして、それらガスがセル外に漏れ出ることを防止するためのガスケットが装備されている。即ち、セパレータや電解質膜等の、セルを構成すべく積層配備される板状体は、それらの周囲において対向する板状体との間にガスケットを介装させてシールすることが行われている。このように対向する板状体どうしの間にガスケットを有したもの、例えば、セパレータと電解質膜との間にガスケットを介装させたものとしては、特許文献1において開示されたものが知られている。
一般に、弾性材製のガスケットを用いたシール構造は、一対の板状体間にガスケットを挟み込んで押圧することにより、ガスケットを弾性変形させて板状体に密着させるようになる。この場合、両方の板状体に密着させてシールさせる構造か、或いは、ガスケットを一方の板状体に接着剤等を用いて固着させておき、他方の板状体に密着させる構造かのどちからが適宜に用いられる。つまり、いずれにせよ、少なくとも一方の板状体に押付けての弾性変形により、ガスケットと板状体とを密着させてシールすることになる。
そして、シール性を良くするには、ガスケットの押圧力を強くするか、ゴム等のガスケット材料の弾性係数(バネ定数)を下げ、かつ、弾性変形量を大きくするかして密着性を向上させる手段が採られるが、いずれにしてもより強くガスケットを押圧することに変わりはない。しかしながら、燃料電池用として用いられる電解質膜等の板状体は、その厚さが薄く、また材料面からも、強度・剛性に富むものではないため、押圧力を強くすると板状体が曲ったり変形することがあるとともに、カーボン材製のものでは折損するおそれもあるため、むやみに押圧力を増すことは困難である。
そこで、特許文献2や3において開示されたように、弾性材から成るガスケットどうしを当接させる構造として、小さいバネ定数で豊富な弾性変位量を得ることにより、あまり押圧力を強くすることないようにしながら良好なシール性が得られる手段が開発された。特許文献2のものにおいては、山形の突出部どうしを当接させる構造であり、特許文献3のものにおいては、一方のガスケットの断面形状を凸状にし、他方のガスケットの断面形状を凹状として、互いに嵌合させる構造のものを開示している。
特開平8−185874号公報 特開2002−42834号公報 特開2003−157867号公報
弾性材からなるガスケットどうしを当接することにより、同材質によってなじみが良いとともに、押圧力に対する各ガスケットの総変形量を、ガスケットを剛体に当接させる場合に比べて約2倍にでき、両ガスケットどうしを密着させるに要する押圧荷重は略半分で済む。つまり、ガスケットを装備することに起因して板状体に曲げ方向の荷重が作用することが軽減され、板状体が曲り変形するとか折れるといった不都合が生じないようにしながら、確実なシール性能が得られるようになった。
この場合、ガスケットどうしは正しく対向配置されるように設定されるのであるが、寸法誤差等によって位置ズレすることがあり、必ずしも正確に対向配置されないこともある。このようにガスケットどうしが位置ズレすると、前述の従来技術のものでは、ガスケットどうしが横にずれてうまく当接できず、当接力が弱いとか隙間が生じる等、所期したシール機能が得られない不都合が予測される。
また、前記特許文献3において開示された凹凸の嵌合構造によるものでは、ガスケットどうしの極めて微細な位置ズレであれば、ガスケットが弾性材から成ること、及び凹凸構造であることとによって姿勢矯正作用が生じ、ガスケットどうしが嵌合できるように思われる。しかしながら、明確な位置ズレには追従し切れず、やはり所期のシール機能が期待できない。
以上のように、ガスケットどうしを当接させる構造においても、シール性を向上させることには改善の余地が残されている。そこで、本発明の目的は、対向配置された板状体間に装備される燃料電池用ガスケットによるシール構造を見直すことにより、ガスケットどうしの当接による優れたシール機能を、ガスケットどうしが多少位置ズレすることがあっても、確実に得られるようにして、シール機能の信頼性を向上させる点にある。
請求項1の構成は、セルを構成する複数の板状体のうちの対向するものどうしの間に介装される燃料電池用ガスケットにおいて、
前記対向する板状体のうちの一方の板状体に固着される弾性材製の第1ガスケットと、他方の板状体に固着される弾性材製の第2ガスケットとから成り、これら板状体が互いに接近する方向に締付けられた所定の組付け状態においては、前記第1及び第2ガスケットどうしが互いに圧縮変形を伴って押圧接触するとともに、前記第1及び第2ガスケットにおける押圧接触する部分が、押圧方向に対して互いに同方向に傾いた傾斜面に構成されていることを特徴とする。
請求項2の構成は、請求項1において、
前記第1ガスケットの傾斜面の幅方向で中間部に、第2ガスケットに向って突出する凸部を形成し、かつ、前記第2ガスケットの傾斜面には、前記凸部の嵌り込みを許容する凹部が形成されていることを特徴とする。
請求項3の構成は、請求項1において、
前記第1及び第2ガスケットの夫々の傾斜面における幅方向で中間部には、互いに対向する状態で凹部が形成されていることを特徴とする。
請求項4の構成は、セルを構成する複数の板状体のうちの対向するものどうしの間に介装される燃料電池用ガスケットおいて、
前記対向する板状体のうちの一方の板状体に固着される弾性材製の第1ガスケットと、他方の板状体に固着される弾性材製の第2ガスケットとから成り、これら板状体が互いに接近する方向に締付けられた所定の組付け状態においては、前記第1及び第2ガスケットどうしが互いに圧縮変形を伴って押圧接触するとともに、
第1ガスケットの断面形状を、ガスケット幅方向の中間部が第2ガスケットに向って突出する凸形に設定し、かつ、第2ガスケットの断面形状を、前記第1ガスケットの嵌り込みを許容する凹形に設定するとともに、前記第2ガスケットには、これと前記第1ガスケットとの間に空間部を形成すべく、さらに凹入した溝部が形成されていることを特徴とする。
請求項5の構成は、請求項4において、
前記第1ガスケットの断面形状が、左右に傾斜面を有した先尖り形状に設定され、前記第2ガスケットの断面形状が、先尖り形状の第1ガスケットが嵌合する奥窄まり形状に形成されていることを特徴とする。
請求項1の構成においては、第1及び第2ガスケットは、圧縮方向(上下方向)だけでなく、せん断方向(横方向)にも押圧付勢されるので、これら双方の方向への弾性変形によって、より少ない荷重で確実なシール性が得られるようになる。加えて、傾斜面どうしが当接することにより、圧縮方向に過剰な押圧力が作用すると、各ガスケットはせん断方向に曲がり変形して適切な押圧力に調節されるようになり、両ガスケットどうしが位置ズレしても、有効なシール機能を得ることができる。このように、ガスケットどうしが多少位置ズレすることがあっても、ガスケットどうしの当接による優れたシール機能が確実に得られ、信頼性が向上する燃料電池用ガスケットを提供できる。
請求項2の構成においては、凹部と凸部とが嵌り合うことで、第1及び第2ガスケットどうしの接触面が、単なる平面ではなく、入り組んだ形状となることから、両ガスケットの密着性が良くなって、シール性が改善されるようになる。また、凸部と凹部との嵌合部分の存在により、両ガスケットどうしの多少の位置ズレを矯正して、夫々の傾斜面どうしを正対させた状態で、各ガスケットどうしを押圧できるようになり、この点からもシール性の向上が可能である。
請求項3の構成においては、傾斜面の幅方向で中間に形成された凹部により、突出長さの長い嵩高部と突出長さの短い嵩低部とが形成されて、嵩低部に比べて曲り変形し易い嵩高部どうしが、互いに逆方向にせん断方向の押圧力が作用し、両ガスケットどうしを近接させる方向への圧縮応力が緩和されるようになる。そして、嵩高部と嵩低部とが横外方に変位する(開花変位する)ことから、ガスケットどうしの接触面積が横方向に拡大されるので、両ガスケットどうしに位置ズレがあっても、その位置ズレを吸収して良好なシール性を維持することが可能である。
請求項4の構成においては、第2ガスケットには、空間部の存在によって左右一対で、かつ、互いに逆方向に傾く傾斜面を有する押圧突起部が形成され、それら双方の押圧突起部は曲げ変形し易い形状となっており、圧縮方向だけでなく、せん断方向にも押圧されてシール性が向上する。つまり、第1ガスケットと第2ガスケットとは、先端部は非接触であり、その両サイドの傾斜面のみで押圧接触する形状に設定されている。しかも、それら左右の押圧突起部は互いに逆方向のせん断力が作用するので、第1ガスケットと第2ガスケットとが、正しく正対する位置に矯正される「自動調芯作用」が発揮され、両ガスケットどうしの横方向への位置ズレを吸収可能となる利点がある。
請求項5の構成においては、先尖り状の第1ガスケットと奥窄まり状の第2ガスケットどうしが互いに嵌合する構造により、組付け状態ではこれら両ガスケットどうしが嵌合される状態に当接される姿勢矯正作用が生じ、両ガスケット間に多少の位置ズレがあっても両ガスケットどうしが横方向にズレてしまうことが無く、この点からも、良好なシール性が維持される。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に、自動車に搭載される燃料電池の概略の全体斜視図が、図2に燃料電池の端部構造を示す部分側面図が、図3にはセパレータのガスケットを示す平面図が、そして、図4には燃料電池の組付け前と後におけるガスケットの状況を示す断面図が夫々示されている。また、図5〜図7には、種々のガスケットの断面形状が示されている。尚、図3における仮想線17は、水やガス等の流体用通路の構成されている場所を示している。
燃料電池Eは、図1、図2に示すように、一対のセパレータ2間に積層構成される単位セル1を、所期の電圧を得るべく多数重ね合わせてセルスタックを形成し、そのセルスタックを、一対のインシュレータ3の間に配置し、さらにその両外側に配置した一対の圧力プレート4で挟み込むことによって構成されている。両端の圧力プレート4どうしは、これらに亘って架設される複数の長ボルト5及びナット6による締付機構によって互いに接近する方向に押圧されており、それによって、多数のセル1、多数のセパレータ2、及び一対のインシュレータ3を挟持固定して一体化することにより、組付け状態とされている。
セル1は、板状体であるカーボン製の燃料極(アノード)7と、板状体であるカーボン製の空気極(カソード)8とを、固体高分子型で板状体である電解質膜(イオン交換膜とも言う)9を介して対向配置して成る三層構造のものに構成されている。板状体であるセパレータ2もカーボンの成形品であり、その表裏の各面には溝状のガス流路(図示省略)が刻設されている。つまり、三層構造で成る一つのセル1は、一対のセパレータ2の間にサンドイッチされたような構成となっている。
この燃料電池Eには、これを積層方向に貫通する状態で、ガスや生成水等の流体通路であるマニホールド10が形成されている。即ち、この例では燃料電池Eとしての左右夫々に三つのマニホールド10が上下に並べて配列されており、各エンドプレート4には、マニホールド10を図示しない所定の配管構造に接続するための取出し筒11が装備されている。そして、セパレータ2や電解質膜9等には、各マニホールド10や、これに連通すべくセパレータ2等に刻設されたガス流路(図示省略)に対してシールするためのセル用ガスケット12、及びセパレータ用ガスケット13が装備されている。
セル用ガスケット12は、図2に示すように、単位セル1を挟持するセパレータと電解質膜9との間に介装されている。つまり、セパレータ2と電解質膜9との外郭形状は、燃料極7と空気極8のそれよりも幾分大きく設定されており、各セパレータ2の外周部と電解質膜9の外周部とは、燃料極7又は空気極8を介して対向配置される構造となっており、セル用ガスケットは、燃料極7や空気極8の外側において電解質膜9の外郭形状に沿った略矩形で環状のものに形成されている。
実施例1によるセパレータ用ガスケット(燃料電池用ガスケットの一例)13は、図2〜図4に示すように、隣合うセパレータ2どうしの間をシールする環状のものであり、6箇所のマニホールド(開口)10の周囲に対しても環状にシールする部分も有した形状(図3参照)に形成されている。即ち、セパレータ用ガスケット13は、一方のセパレータ(対向する板状体のうちの一方の板状体の一例)2に接着によって固着されるゴム(弾性材の一例)製の第1ガスケット13Aと、他方のセパレータ(他方の板状体の一例)2に接着によって固着されるゴム(弾性材の一例)製の第2ガスケット13Bとから成るとともに、これらセパレータ2が互いに接近する方向に複数の長ボルト5及びナット6によって締付けられた所定の組付け状態においては、第1及び第2ガスケット13A,13Bどうしが互いに圧縮変形を伴って押圧接触する構成[図4(b)参照]とされている。
第1及び第2ガスケット13A,13Bは互いに反対向きとなった同部品で構成されており、図4(a)に示すように、組付け前の自由状態では、第1及び第2ガスケット夫々の断面形状は、セパレータ2に対する広い接着面を有した幅広なベース部14と、ガスケット幅方向の中間部が相手方ガスケットに向って突出するビード部15とを有した山形に設定されている。そして、各ビード部15の先端面(「押圧接触する部分」の一例)15aは、これら両ガスケット13A,13Bどうしが押圧される方向に対して互いに同方向に傾いた傾斜面に構成されている。
そして、所定の組付け状態においては、図4(b)に示すように、第1及び第2ガスケット13A,13Bは、互いの先端面15aが当接してそれらビード部15どうしが押圧接触するように設定されている。セパレータ2の外周部には、第1ガスケット13A又は第2ガスケット13Bを収容するための薄肉段差部2aが形成されており、その薄肉段差部2aに接着剤(図示省略)を用いてベース部14が接着されている。
つまり、第1及び第2ガスケット13A,13Bは、平面視で重なる位置関係となるように配置設定されており、図4(a)に示す締付け前の状態では、夫々の先端面15aどうしが接触しており、長ボルト5及びナット6を規定トルクで締付けて、隣合うセパレータ2どうしが互いに当接する所定の組付け状態では、図4(b)に示すように、各ビード部15が、上下方向には大きく圧縮弾性変形され、かつ、左右方向(横方向であり、ビード部15に対するせん断方向)には小さく倒れ弾性変形し、比較的広い幅をもって両ガスケット13A,13Bどうしが密着する状態がもたらされる。
図4(b)に示す締付状態では、第1及び第2ガスケット13A,13Bは、圧縮方向(上下方向)だけでなく、せん断方向(横方向)にも押圧付勢されるので、これら双方の方向への弾性変形によって、より少ない荷重で確実なシール性が得られるようになる。加えて、先端面15aが傾斜面であることにより、圧縮方向に過剰な押圧力が作用すると、ビード部15がせん断方向に曲がり変形して適切な押圧力に調節されるという、自動圧力調節機能が生じる利点がある。
第1及び第2ガスケット13A,13Bの相対位置が、各先端面15aどうしが互いに近付く状態となる横方向に位置ズレした場合では、各ビード部15が、前述のせん断方向へ曲がり変形して、適切な押圧力による好適なシール機能が発揮されるようになる。また、第1及び第2ガスケット13A,13Bの相対位置が、各先端面15aどうしが互いに離れる状態となる横方向に位置ズレした場合では、両ガスケット13A,13Bの豊富な弾性変位量により、十分に弾性変形されて有効なシール性が確保できる。このように、先端面15aを傾斜させることにより、両ガスケット13A,13Bどうしが位置ズレしても、有効なシール機能を得ることができる。
尚、燃料電池Eを所定の組付け状態とすべく、長ボルト5とナット6とを規定の締付けトルクで締付けた際の第1及び第2ガスケット13A,13Bの押圧力は、ゴムどうしが分子レベルで融合して一体化してしまわない程度で極力強めの値に設定されているのが望ましい。従って、締付けを解除しての分解時に、両ガスケット13A,13Bが引っ付いて取れない、という不都合は生じないように設定されている。
このように、セパレータ用ガスケット13を、互いにゴムどうし(弾性材どうし)の第1、第2ガスケット13A,13Bが当接する構成としてあるので、次のような作用効果もある。例えば、第2ガスケット13Bに代えて、剛性のある厚板鋼板等の板状体とした場合には、確実なシール作用を得るために、剛性に富む板状体と第1ガスケットとを隙間無く密着させるには、第1ガスケットの弾性変形のみに頼ることになるので、第1ガスケット13Aの圧縮変形量を大きく設定しなければならないこととなる。従って、強い押圧荷重が必要になる。
そこで、弾性材で成る第1、第2ガスケット13A,13Bどうしを当接させる構造とすれば、同材質によってなじみが良いとともに、押圧力に対する各ガスケットの総変形量は、前述の第1ガスケットのみに頼る場合の2倍になるから、両ガスケット13Aどうしを密着させるに要する押圧荷重は半分で済むことになる。従って、ガスケットを装備するが故にセパレータ2等の板状体に作用する曲げ方向の荷重が軽減されるので、板状体が曲り変形するとか折れるといった不都合が生じないようにしながら、確実なシール性能が得られる燃料電池用ガスケットを実現できた。また、それによって、燃料電池として組付けるための締付荷重も大きく低減できる利点もある。
また、剛性に富む板状体とガスケットとを当接させる構造では、密着性を良くするために板状体の表面を鏡面とする等、精度の高い仕上げ加工が必要となるが、ガスケットどうしを当接させる構造では、ガスケットは接着等によって板状体に固着されるので、板状体の固着対象面は粗面で良く、コストの掛かる高い仕上げ精度は不要となる点でも好都合である。
実施例2によるセパレータ用ガスケット13は、図5に示すように、第1ガスケット13Aの傾斜面である先端面15aの幅方向で中間部に、第2ガスケット13Bに向って突出する断面略三角形状の凸部21を形成し、かつ、第2ガスケット13Bの傾斜面である先端面15aには、凸部21の嵌り込みを許容する断面略三角形状の凹部22が形成されたものである。つまり、実施例1によるガスケット構造に、互いに嵌合する凹凸部22,21が追加されたものである。
このように、ビード部15の幅方向で中間部において、先端面15aに互いに嵌合する凹凸部22,21を形成した構造では、その凹凸部22,21が嵌り合うことで、第1及び第2ガスケット13A,13Bどうしの接触面が、単なる平面ではなく、入り組んだ形状となることから、よりシール性が改善される。また、凸部21と凹部22との嵌合部分の存在により、両ガスケット13A,13Bどうしの多少の位置ズレを矯正して、夫々の先端面15aどうしを正対させた状態で、各ビード部15どうしを押圧できるようになり、この点からもシール性の向上が可能である。
実施例3によるセパレータ用ガスケット13は、図6に示すように、第1及び第2ガスケット13A,13Bの夫々の傾斜面である先端面15aにおける幅方向で中間部に、互いに対向する状態で断面略三角形状の凹部23が形成されたものである。つまり、実施例1によるガスケット構造において、各先端面15aに凹部23が追加されたものであり、それによって各ビード部15の断面は、嵩高部15nと嵩低部15tとによる長短の二股形状とされている。
この実施例3による構造では、先端面15aの傾斜により、嵩低部15tに比べて曲り変形し易い嵩高部15nどうしが、互いに逆方向に明確に作用するせん断方向の押圧力によって横方向に容易に曲り、締付方向(図6における上下方向)への圧縮応力が緩和されるようになる。加えて、嵩高部が横外側方に曲ることで、ガスケットどうしの接触面積が横方向に拡大されるので、両ガスケット13A,13Bどうしの位置ズレを吸収して、良好なシール性を維持することも可能でになる。
実施例4によるセパレータ用ガスケット13は、図7に示すように、第1ガスケット13Aの断面形状を、ガスケット幅方向の中間部が第2ガスケット13Bに向って突出する凸形に設定し、かつ、第2ガスケット13Bの断面形状を、第1ガスケット13Aの嵌り込みを許容する凹形に設定するとともに、第2ガスケット13Bには、これと第1ガスケット13Aとの間に空間部sを形成すべく、さらに凹入した溝部24が形成されたものである。
つまり、第1ガスケット13Aのビード部15の断面形状が、左右に傾斜面15bを有した先尖り形状に設定され、第2ガスケット13Bの断面形状は、先尖り形状の第1ガスケット13Aが嵌合する奥窄まり形状に形成されている。これにより、第2ガスケット13Bのビード部15には、空間部sを挟んで左右一対の押圧突起部15pが形成された形状となっている。
この実施例4による構造では、第1ガスケット13Aと第2ガスケット13Bとは、空間部Sの存在により、各ビード部15どうしは、先端部は非接触であって両サイドの傾斜面15bのみで押圧接触することとなり、傾斜によって締付方向の力は、その締付方向と横方向とに分散されるので、平な面どうしで接触する場合に比べて、締付方向の反力を軽減しながらも十分なシール性を発揮することが可能である。
加えて、ビード部15どうしが互いに嵌合することによる姿勢矯正作用が生じ、多少の位置ズレがあってもビード部15どうしが横方向にズレてしまうことが無く、良好なシール性が維持される。そして、空間部sの存在によって生じる左右一対で、かつ、互いに逆方向に傾く先端面(傾斜面)15aを有する押圧突起部15pが、曲げ変形し易い形状となっており、圧縮方向だけでなく、せん断方向にも押圧されてシール性が向上する。
しかも、左右の押圧突起部15pには互いに逆方向のせん断力が作用するので、第1ガスケット13Aのビード部15と、第2ガスケット13Bのビード部15とが、正しく正対する位置に矯正される「自動調芯作用」が明確に発揮され、両ガスケット13A,13Bどうしの横方向への位置ズレを吸収可能となる利点がある。
燃料電池の概略構造を示す全体斜視図 燃料電池の端部構造を示す側面図 セパレータの平面図 セパレータ用ガスケットの組付け前(a)と後(b)とを示す要部の断面図(実施例1) セパレータ用ガスケットの構造を示す用部の断面図(実施例2) セパレータ用ガスケットの構造を示す用部の断面図(実施例3) セパレータ用ガスケットの構造を示す用部の断面図(実施例4)
符号の説明
2 板状体(セパレータ)
13A 第1ガスケット
13B 第2ガスケット
15 ビード部
15a 傾斜面
15b 傾斜面
15n 嵩高部
15p 押圧突起部
15t 嵩低部
21 凸部
22 凹部
23 凹部
24 溝部
s 空間部

Claims (5)

  1. セルを構成する複数の板状体のうちの対向するものどうしの間に介装される燃料電池用ガスケットであって、
    前記対向する板状体のうちの一方の板状体に固着される弾性材製の第1ガスケットと、他方の板状体に固着される弾性材製の第2ガスケットとから成り、これら板状体が互いに接近する方向に締付けられた所定の組付け状態においては、前記第1及び第2ガスケットどうしが互いに圧縮変形を伴って押圧接触するとともに、前記第1及び第2ガスケットにおける押圧接触する部分が、押圧方向に対して互いに同方向に傾いた傾斜面に構成されている燃料電池用ガスケット。
  2. 請求項1において、
    前記第1ガスケットの傾斜面の幅方向で中間部に、第2ガスケットに向って突出する凸部を形成し、かつ、前記第2ガスケットの傾斜面には、前記凸部の嵌り込みを許容する凹部が形成されている燃料電池用ガスケット。
  3. 請求項1において、
    前記第1及び第2ガスケットの夫々の傾斜面における幅方向で中間部には、互いに対向する状態で凹部が形成されている燃料電池用ガスケット。
  4. セルを構成する複数の板状体のうちの対向するものどうしの間に介装される燃料電池用ガスケットであって、
    前記対向する板状体のうちの一方の板状体に固着される弾性材製の第1ガスケットと、他方の板状体に固着される弾性材製の第2ガスケットとから成り、これら板状体が互いに接近する方向に締付けられた所定の組付け状態においては、前記第1及び第2ガスケットどうしが互いに圧縮変形を伴って押圧接触するとともに、
    第1ガスケットの断面形状を、ガスケット幅方向の中間部が第2ガスケットに向って突出する凸形に設定し、かつ、第2ガスケットの断面形状を、前記第1ガスケットの嵌り込みを許容する凹形に設定するとともに、前記第2ガスケットには、これと前記第1ガスケットとの間に空間部を形成すべく、さらに凹入した溝部が形成されている燃料電池用ガスケット。
  5. 請求項4において、
    前記第1ガスケットの断面形状が、左右に傾斜面を有した先尖り形状に設定され、前記第2ガスケットの断面形状が、先尖り形状の第1ガスケットが嵌合する奥窄まり形状に形成されている燃料電池用ガスケット。
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