JP2008078050A - 燃料電池用金属セパレータ、および燃料電池スタック - Google Patents

燃料電池用金属セパレータ、および燃料電池スタック Download PDF

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伸史 大江
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章 藤木
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崇 古屋
Masanori Iwamoto
雅則 岩本
Nobuaki Akutsu
伸明 阿久津
Takamasa Kaneko
隆昌 金子
Takeharu Kuramochi
竹晴 倉持
Kanekatsu Sekine
謙克 関根
Yasue Tanaka
安栄 田中
Koji Inomata
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Abstract

【課題】シール性能を高め得る燃料電池用金属セパレータ、および燃料電池スタックを提供する。
【解決手段】燃料電池用金属セパレータ30は、金属製基材41と、金属製基材に設けられ流路溝42が形成された流路部43と、金属製基材の外周縁に設けられ流路部に対して屈曲した屈曲部44と、を有している。屈曲部は、スタック時に隣り合う他の屈曲部と接触する。この燃料電池用金属セパレータを含む燃料電池スタック1は、接触し合う屈曲部同士の間を密閉する密閉手段50を有している。
【選択図】図5

Description

本発明は、燃料電池用金属セパレータ、および燃料電池スタックに関する。
燃料電池スタックのセパレータとして、金属製の基材を適用した金属セパレータが使用されている(特許文献1参照)。燃料電池用金属セパレータは、金属製基材としての例えばステンレス鋼をプレス成形することにより、形成されている。特許文献1に開示されている燃料電池用金属セパレータは、断面が皿形状を有している。
特開2003−317743号公報
しかしながら、金属製基材の板厚は薄肉であるので、燃料電池用金属セパレータの全体にソリが生じたり、燃料電池用金属セパレータの外周部分にウネリが生じたりすることがあり、その際には矯正が必要となる。ソリやウネリなどの歪みが生じた燃料電池用金属セパレータは、矯正が十分でないと、燃料電池スタックを構成したときに、シール性能の低下を招いてしまう。
本発明の目的は、シール性能を高め得る燃料電池用金属セパレータ、および燃料電池スタックを提供することにある。
上記目的を達成する請求項1に記載の本発明は、金属製基材と、
前記金属製基材に設けられ流路が形成された流路部と、
前記金属製基材の外周縁に設けられ前記流路部に対して屈曲した屈曲部と、を有し、
前記屈曲部は、スタック時に隣り合う他の屈曲部と接触してなる燃料電池用金属セパレータである。
また、上記目的を達成する請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の燃料電池用金属セパレータを含む燃料電池スタックであって、
接触し合う前記屈曲部同士の間を密閉する密閉手段を有してなる燃料電池スタックである。
本発明によれば、シール性能を高め得る燃料電池用金属セパレータ、および燃料電池スタックを提供できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、理解を容易にするために、図面には各構成要素が誇張して示されている。
図1は、燃料電池用金属セパレータを用いて構成した燃料電池スタック1を示す斜視図、図2は、燃料電池スタック1の積層構造の一部を示す要部拡大断面図、図3(A)は、本発明の実施の形態に係る燃料電池用金属セパレータを示す斜視図、図3(B)は、対比例に係る燃料電池用金属セパレータを示す斜視図である。図4は、図3(A)の4−4線に沿う断面図である。
図1を参照して、燃料電池スタック1は、燃料ガス(水素)と酸化剤ガス(酸素)との反応により起電力を生じる単セル2を所定数だけ積層した積層体3を有している。積層体3の両端のそれぞれに、集電板4、絶縁板5およびエンドプレート6を配置し、これらを、タイロッドボルト7により締結することによって、燃料電池スタック1を構成する。燃料電池スタック1内部において燃料ガス、酸化剤ガス、および冷却水のそれぞれを流通させるために、一方のエンドプレート6に、燃料ガス導入口8、燃料ガス排出口9、酸化剤ガス導入口10、酸化剤ガス排出口11、冷却水導入口12、および冷却水排出口13を形成している。
図2を参照して、単セル2は、膜電極接合体20と、膜電極接合体20の両面のそれぞれに配置される燃料電池用金属セパレータ30(以下、単に「金属セパレータ30」ともいう)とから構成されている。
膜電極接合体20は、固体高分子電解質膜21と、固体高分子電解質膜21の両面のうち一方の面に設けられる燃料極22と、固体高分子電解質膜21の他方の面に設けられる空気極23とを有し、固体高分子電解質膜21を、その両側から、燃料極22と空気極23とによって挟み込んだ積層構造を有している。固体高分子電解質膜21としては、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体膜(商品名;ナフイオン1128(登録商標)、デュポン株式会社)などを使用することができる。燃料極22および空気極23のそれぞれは、触媒層およびガス拡散層を含んでいる。
金属セパレータ30は、流路溝を形成するために、凹凸形状を有している。膜電極接合体20の両面のそれぞれに金属セパレータ30を配置することにより、燃料ガスを流通させるための燃料ガス流路31、酸化剤ガスを流通させるための酸化剤ガス流路32、および冷却水を流通させるための冷却水流路33を形成している。燃料ガスは、燃料ガス導入口8から導入され、金属セパレータ30の燃料ガス流路31を流れ、燃料ガス排出口9から排出される。酸化剤ガスは、酸化剤ガス導入口10から導入され、金属セパレータ30の酸化剤ガス流路32を流れ、酸化剤ガス排出口11から排出される。冷却水は、冷却水導入口12から導入され、金属セパレータ30の冷却水流路33を流れ、冷却水排出口13から排出される。
金属セパレータ30の板厚は、薄肉(例えば、0.2mm以下)である。このように金属セパレータ30を薄肉に形成する理由は、電気抵抗をできるだけ小さくし、燃料電池の性能評価の1つの指標である出力密度(「起電力/単位容積」と定義される)を高めるためである。
図3(A)および図4を参照して、本実施形態に係る金属セパレータ30は、金属製基材41と、金属製基材41に設けられ流路溝42が形成された流路部43と、金属製基材41の外周縁に設けられ流路部43に対して屈曲した屈曲部44と、を有している。一の金属セパレータ30における屈曲部44は、スタック時に隣り合う金属セパレータ30における他の屈曲部44と接触する。金属製基材41としては、例えば、ステンレス鋼が用いられる。なお、図3(A)中符号45、46、47は、それぞれ、金属製基材41を貫通して形成され、燃料ガス、酸化剤ガス、冷却水を流すためのマニホールド穴を示している。
図3(B)を参照して、金属製基材41の板厚が薄肉であることから、屈曲部44を形成しない対比例にあっては、金属セパレータ30aの全体にソリが生じたり、金属セパレータ30aの外周部分にウネリが生じたりすることがあり、その際には矯正が必要となる。ソリやウネリなどの歪みが生じた金属セパレータ30aは、矯正が十分でないと、燃料電池スタックを構成したときに、シール性能が低下する。
このような不具合の発生を抑えるため、本実施形態では、金属セパレータ30のそれぞれに関して、金属製基材41の外周縁に、相互に接触する屈曲部44を設けてある。流路部43および屈曲部44は、プレス装置によるプレス加工によって形成される。流路部43をプレス加工により形成した後に、屈曲部44がプレス加工により形成される。ソリやウネリなどの生じていた歪みは、屈曲部44を形成するためのプレス加工の際に矯正される。なお、流路部43および屈曲部44の両者をプレス加工により同時に形成してもよい。
屈曲部44を設けることにより、金属セパレータ30の剛性が得られ、ソリやウネリなどの歪みがなくなる。したがって、金属セパレータ30を用いて燃料電池スタック1を構成する場合に、シール性能を高めることができる。しかも、スタック時に隣り合う屈曲部44同士が接触するため、屈曲部44をスタック時の位置決め部材として使用することができ、燃料電池スタック1を容易に組み立てることができる。また、屈曲部44同士が接触するため、スタック後に、燃料電池スタック1の構成要素に位置ズレが生じることを防止できる。
シール性能を高めるために、本実施形態の燃料電池スタック1は、上述した金属セパレータ30を含む燃料電池スタック1であって、接触し合う屈曲部44同士の間を密閉する密閉手段50を有している。密閉手段50によって、燃料極22側の金属セパレータ30と空気極23側の金属セパレータ30との間のシール性ないし気密性を確保することができる。
図5(A)(B)および図6(A)(B)は、密閉手段50の構成例を示す図である。
図5(A)を参照して、密閉手段50は、接触し合う屈曲部44同士を金属セパレータ30外部から樹脂材料によりモールドしてなる樹脂モールド部51から構成されている。
図5(B)を参照して、密閉手段50は、接触し合う屈曲部44のそれぞれに連続する部位同士の間の空隙Sに配置されるシール部材52から構成されている。シール部材52は、ゴムなどの弾性体から形成される。
図6(A)を参照して、密閉手段50は、接触し合う屈曲部44同士の間に配置されるシール部材53から構成されている。この場合のシール部材53は、フィルム状であることが好ましく、接着剤などを塗布することによって形成される
図6(B)を参照して、密閉手段50は、接触し合う屈曲部44同士を溶接により接合してなる接合部54から構成されている。接合部54は、溶接に限られるものではなく、かしめによって接合してもよい。
上述した種々の密閉手段50は単独で用いても良いし、組み合わせて用いても良い。シール性能がより一層高まるからである。例えば、図6(A)に示したように屈曲部44同士の間にシール部材53を配置したうえに、かしめによる接合部を形成してもよい。
燃料電池用金属セパレータを用いて構成した燃料電池スタックを示す斜視図である。 燃料電池スタックの積層構造の一部を示す要部拡大断面図である。 図3(A)は、本発明の実施の形態に係る燃料電池用金属セパレータを示す斜視図、図3(B)は、対比例に係る燃料電池用金属セパレータを示す斜視図である。 図3(A)の4−4線に沿う断面図である。 図5(A)(B)は、燃料電池スタックにおける密閉手段の構成例を示す図である。 図6(A)(B)は、燃料電池スタックにおける密閉手段の構成例を示す図である。
符号の説明
1 燃料電池スタック、
20 膜電極接合体、
30 燃料電池用金属セパレータ、
41 金属製基材、
42 流路溝、
43 流路部、
44 屈曲部、
50 密閉手段、
51 樹脂モールド部、
52、53 シール部材、
54 接合部、
S 空隙。

Claims (6)

  1. 金属製基材と、
    前記金属製基材に設けられ流路溝が形成された流路部と、
    前記金属製基材の外周縁に設けられ前記流路部に対して屈曲した屈曲部と、を有し、
    前記屈曲部は、スタック時に隣り合う他の屈曲部と接触してなる燃料電池用金属セパレータ。
  2. 請求項1に記載の燃料電池用金属セパレータを含む燃料電池スタックであって、
    接触し合う前記屈曲部同士の間を密閉する密閉手段を有してなる燃料電池スタック。
  3. 前記密閉手段は、接触し合う前記屈曲部同士を前記燃料電池用金属セパレータ外部から樹脂材料によりモールドしてなる樹脂モールド部から構成されていることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池スタック。
  4. 前記密閉手段は、接触し合う前記屈曲部のそれぞれに連続する部位同士の間の空隙に配置されるシール部材から構成されていることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池スタック。
  5. 前記密閉手段は、接触し合う前記屈曲部同士の間に配置されるシール部材から構成されていることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池スタック。
  6. 前記密閉手段は、接触し合う前記屈曲部同士を溶接またはかしめにより接合してなる接合部から構成されていることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池スタック。
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