JP2005194186A - 高品質シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】CZ法によってシリコン単結晶を育成する際に、予めホットゾーン構造毎に育成速度の変更試験を行い、その結果から定められる引上げ速度を用いて引上げを行う製造方法であって、結晶面内に現れるR−OSF(リング状の酸化誘起積層欠陥)の幅が育成された結晶の半径の8%を超えて、Grown−in欠陥が低密度あるいは無い結晶領域で引き上げることを特徴とする高品質シリコン単結晶の製造方法。上記のR−OSFの観察は、例えば、Grown状態の前記シリコン単結晶から加工したウェーハをCu溶液に浸けて、Cuを付着させ、900℃×20minのCuデコレーション熱処理を行ない、X線トポグラフにより行う。
【効果】Grown−in欠陥である赤外散乱体や転位クラスターのない領域を拡大することができるので、デバイス特性に優れた半導体材料を供給できる。
【選択図】図6

Description

本発明は、半導体材料として使用されるシリコン単結晶の製造方法に関し、さらに詳しくは、チョクラルスキー法(以下、CZ法という)によって育成された高品質シリコン単結晶の製造方法に関するものである。
半導体材料に用いられるシリコン単結晶を成長させるには種々の方法があるが、なかでもCZ法が広く採用されている育成方法である。
図1は、通常のCZ法による単結晶の育成に用いられている単結晶育成装置の模式的断面図である。図1に示すように、ルツボ1は有底円筒状の石英製の内層保持容器1aと、この内層保持容器1aの外側に嵌合された同じく有底円筒状の黒鉛製の外層保持容器1bとから構成されている。このような構成からなるルツボ1は、所定の速度で回転する支持軸1cに支持され、ルツボ1の外側にはヒーター2が同心円筒状に配設されている。
このルツボ1の内部には、前記ヒーター2の加熱によって溶融された原料の溶融液3が充填されており、ルツボ1の中心には引き上げ棒あるいはワイヤー等からなる引き上げ軸4が配設されている。この引き上げ軸4の先にはシードチャックおよび種結晶5が取り付けられており、単結晶6を育成するため、この種結晶5を溶融液3の表面に接触させる。さらに引上げ軸4を、支持軸1cによって回転されるルツボ1と反対方向に所定の速度で回転させながら種結晶5を引き上げることによって、種結晶5の先端に溶融液3を凝固させて単結晶6を輻射遮蔽体7に囲繞させつつ成長させていく。
単結晶の育成に際し、最初に結晶を無転位化するために、シード絞りを行う。その後、単結晶のボディ直径を確保するため、ショルダーを形成しボディ直径になったところで肩変えを行ない、ボディ直径を一定にして単結晶本体の育成へ移行する。ボディ直径で所定長さの単結晶を育成すると、無転位の状態で単結晶を溶融液から切り離すためティル絞りを行なう。そののち、溶融液から切り離された単結晶は育成装置外に取り出され、所定の条件で冷却されて、ウェーハに加工される。このように単結晶から加工されたウェーハは、種々のデバイスの基板材料として用いられる。
上述の工程を経て育成された単結晶または加工されたウェーハの面内には、単結晶の引上げ条件によって、リング状の酸化誘起積層欠陥(以下、R−OSF(Oxidation induced Stacking Fault)という)が発生する場合がある。このR−OSFの他に、その面内に数種類の微小欠陥(以下、Grown−in欠陥という)が形成される。このGrown−in欠陥は単結晶の育成時に形成された結晶欠陥であって、その後のウェーハ評価の段階で検出されるものである。
図2は、単結晶育成時の引上げ速度と結晶欠陥の発生位置との一般的な関係を模式的に説明した図である。同図に示すように、R−OSFの発生領域は育成中の引上げ速度(mm/min)の影響を受け、引上げ速度を小さくしていくと、R−OSFが現われる領域が結晶の外周側から内側に収縮していく。言い換えると、高速で単結晶を育成するとR−OSFの内側領域の結晶がウェーハ全体に広がることになり、低速で育成するとR−OSFの外側領域の結晶がウェーハ全体に広がる。
R−OSFの内側領域と外側領域では結晶物性は異なり、検出されるGrown−in欠陥も相違する。R−OSFの内側領域では赤外散乱体(単に、FPDと表現する場合がある)、R−OSFの外側領域では転位クラスターと呼ばれる欠陥が検出される。例えば、R−OSFのリング部をウェーハ面内に発生させると、R−OSFの内側領域では赤外散乱体が、外側領域では転位クラスターが検出されるが、図2に示すように、R−OSFに近接する外領域ではGrown−in欠陥が検出されない無欠陥領域が存在する。
特開平08−330316号公報 特開平07−257991号公報 Journal of Crystal Growth 151、(1995) 273〜277頁
上述の酸化誘起積層欠陥は酸化熱処理時に生ずる格子間型の転位ループであり、デバイスの活性領域となるウェーハ表面に生成、成長した場合にリーク電流の原因となるので、デバイス特性を劣化させる欠陥となる。このため、単結晶の育成時に、ウェーハ面内に発生するR−OSFを制御している。
通常、ウェーハ面内でのR−OSFの発生を減少させるには、R−OSFの発生領域をウェーハの外周部に限定する引上げ条件で単結晶を育成している。ところが、R−OSFの発生領域は、引上げ速度の他に、単結晶育成時の最高温部(融点〜1200℃)の温度領域で決定され、引上げ時の最高温部での熱履歴に影響されることが確認されている。
そのため、R−OSFの発生領域を決定するには、育成される単結晶の引上げ軸方向の最高温部での温度勾配と引上げ速度に留意しなければならない。すなわち、引上げ速度が同一であれば温度勾配を小さくすること、または温度勾配が同一であれば引上げ速度を速くすることが、R−OSFの発生領域をウェーハの外周部に限定することになる。
ウェーハ面内に発生するR−OSFの位置やその幅を確認するには、As−grown状態の単結晶から加工したウェーハをCu溶液に浸けて、Cuを付着させ、900℃×20minのCuデコレーション熱処理を行ない、X線トポグラフによって欠陥分布を観察するのが効果的である。
また、結晶が低酸素濃度である場合にR−OSFの位置やその幅を確認するには、As−grown状態の単結晶から加工したウェーハを熱処理炉内に650℃で投入して、投入後8℃/min以下で昇温して900℃×20時間および1000℃×10時間の熱処理後、X線トポグラフによる酸素析出の状態分布を観察して、リング状の酸素析出量が小さい領域を調べるのが有効である。
最近、デバイス工程の低温化や育成される単結晶の低酸素化にともない、R−OSFによるデバイスへの悪影響が抑えられ、酸化誘起積層欠陥に起因するデバイス特性の劣化はさほど問題にならなくなった。これに対し、Grown−in欠陥のうち赤外散乱体は初期の酸化膜耐圧特性を劣化させる因子であり、また転位クラスターはデバイス特性を著しく劣化させる因子であるから、これらのGrown−in欠陥のウェーハ面内での密度を低減させることがより重要になる。Grown−in欠陥の密度の低い領域は前述のR−OSFに近接する無欠陥領域が相当するが、その領域は限定されており、非常に狭い領域に限られている。
従来から、Grown−in欠陥のウェーハ面内での密度を低減させるため、種々の方法が提案されている。例えば、特許文献1では、単結晶育成時の引上げ速度と結晶内の温度勾配を制御して、転位クラスターを生成させることなく、R−OSFの外側領域のみを結晶全面に拡げる方法が提案されている。しかし、提案の方法では極めて限定された面内の温度勾配と引上げ条件が同時に要求されるので、今後、一層大口径化し、大量生産を要求されるシリコン単結晶の育成において、新たな改善が要求される。
特許文献2および非特許文献1では、単結晶の引上げ軸方向の温度勾配を大きくすることにより、高速引上げ条件でR−OSFを結晶の内側に消滅させることができ、R−OSFの外側領域を結晶全面に生成させる方法が開示されている。しかし、これらで開示された方法では、結晶面内での温度勾配の分布、すなわち、ウェーハ面内における温度分布の均一性や取り込まれる点欠陥の面内での均一化に対する配慮がなされていない。
言い換えると、特許文献2および非特許文献1で開示された方法では、ウェーハ面内におけるGrown−in欠陥を低減化する手段について考慮されておらず、単にR−OSFを内側に収縮させたとしても、ウェーハ面に転位クラスターが観察されるのは従来の結晶と同様である。したがって、開示された方法によっても、Grwon−in欠陥の低密度化に対応したウェーハを加工することができない。
本発明は、上述した従来の結晶欠陥に関する問題に鑑みてなされたものであり、ウェーハ面内にGrown−in欠陥である赤外散乱体や転位クラスターのない領域を拡大して、しかも、育成に際し大口径化、長尺化が図れる高品質シリコン単結晶を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記の課題を解決するため、CZ法による単結晶の育成条件を改善して、ウェーハ面内にR−OSFが発生するものの、R−OSFおよびその外領域に近接して存在する無欠陥領域をウェーハの広い領域に拡大させることに着眼し、種々の検討を加えた。
まず、従来の条件で育成された結晶でのR−OSFの発生位置とその幅に対する転位クラスターの発生状況を調査した。ウェーハ面内におけるR−OSFの発生位置を明確にするため、結晶(ウェーハ)の中心から外周までの距離(半径)をRとし、結晶の半径方向のR−OSFの発生位置をrとして、結晶の中心に発生する場合をr=0で示し、結晶の外周に発生する場合をr=Rで示すこととした。ただし、R−OSFの発生位置は、その内径位置で示すこととする。
図3は、従来の育成条件で育成された8″φの結晶における、R−OSFが発生する半径方向の位置およびR−OSFの幅と転位クラスターの発生状況との関係を模式的に示す図である(横軸のR−OSFの幅は%で示す)。数多くの調査から、従来の育成条件で育成された結晶ではR−OSFの幅はその半径の8%以下であることが明らかになった。
図3では、R−OSFの幅が育成された結晶の半径の8%で、R−OSFの発生位置がr=2/3Rのときには、R−OSFの外側領域には転位クラスターが観察されることを示している。したがって、R−OSFの位置がr=2/3Rより中心側に発生すると、R−OSFの外側領域で転位クラスターが観察される。また、R−OSFの幅が細くなるほど、転位クラスターが観察され易くなることがわかる。
育成された結晶のR−OSFの幅が半径の8%以下の場合に、R−OSFの発生位置を中心側に収縮させることによって、R−OSFの内側領域の赤外散乱体の密度を小さくすることができる。このため、酸化膜の初期耐圧特性(TZDB)を向上させることができるが、R−OSFの外側領域に発生する転位クラスターによって特性劣化が生じるので、デバイス基板材料としては不適となる。
次に、後述するように育成条件を改善して育成された直径6″φおよび8″φの結晶における、R−OSFの発生位置とその幅と転位クラスターの発生状況について調査した。
図4は、改善した育成条件で育成された8″φの結晶における、R−OSFが発生する半径方向の位置およびR−OSFの幅と転位クラスターの発生状況との関係を模式的に示す図である(横軸のR−OSFの幅は%で示す)。改善された育成条件では、R−OSFの幅を大きくすることができるとともに、転位クラスターが発生しない領域も拡大できることがわかる。例えば、図4では、R−OSFの幅が結晶直径の30%になると、R−OSFの発生位置に拘わらず、転位クラスターが発生しないことがわかる。
後述する図6は、実施例1の方法によって育成されたAs−grown状態の結晶におけるR−OSFの面内位置とFPD欠陥の分布密度との関係を示す図である。すなわち、R−OSFの幅が育成結晶の半径の8%を超えて39%程度(直径6″φでR−OSFの幅は30mm)とし、R−OSFの位置を変化させた場合に転位クラスターが発生されなかったウェーハの面内でのFPD密度を示した図である。同図に示すように、R−OSFの幅が大きくなると、R−OSFの発生位置がr=2/3RではFPDが中心部で観察されることもあるが、R−OSFの発生位置をr=1/3Rにすると観察されるFPDは全く無くなる。
後述する図9は、実施例3の方法によって育成されたAs−grown状態の結晶におけるR−OSFの面内位置とFPD欠陥の分布密度との関係を示す図であり、上記の図6と同様に、R−OSFの幅が育成結晶の半径の39%程度(直径8″φでR−OSFの幅は40mm)とし、R−OSFの位置を変化させた場合に転位クラスターが発生されなかったウェーハの面内でのFPD密度を示している。
図9から明らかなように、R−OSFの幅が大きくなると、R−OSFの発生位置によって、R−OSFの内側領域で観察されるFPDが無くなる。このように、R−OSFの幅が大きくなれば、転位クラスターが発生することなく、かつR−OSFの内側領域の赤外散乱体の密度を極めて少なく、さらに条件を付加することによって、赤外散乱体の発生もなくすことができる。
本発明者らの検討によると、ウェーハ面内に転位クラスターおよび赤外散乱体が発生することなく、結晶の面内からGrown−in欠陥を減少あるいは無くすには、R−OSFの幅を大きくするとともに、R−OSFの発生位置が直径の0〜80%の範囲にする必要がある。ここでは、前述の通り、R−OSFの発生位置とは、R−OSFの内径寸法で表す。
したがって、従来の結晶に比べて、R−OSFの発生位置がウェーハ面内の中心側にあるが、R−OSFの幅が大きくなっているので、無欠陥領域が拡大してR−OSFの外側領域には転位クラスターが存在せず、かつR−OSFの内側領域でも赤外散乱体が観察されなくなる。このように、ウェーハ面内の全領域でデバイス特性を劣化させるGrown−in欠陥の発生を抑えることができるので、デバイスの良品率が大きく向上させることができる。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、下記(1)〜(4)の高品質シリコン単結晶を要旨としている。
(1)CZ法によってシリコン単結晶を育成する際に、予めホットゾーン構造毎に育成速度の変更試験を行い、その結果から定められる引上げ速度を用いて引上げを行う製造方法であって、As−grown状態の前記シリコン単結晶から加工したウェーハをCu溶液に浸けて、Cuを付着させ、900℃×20minのCuデコレーション熱処理を行ない、X線トポグラフにて観察する場合に、結晶面内に現れるリング状の酸化誘起積層欠陥の幅が育成された結晶の半径の8%を超えて、かつ前記リング状の酸化誘起積層欠陥の内径が育成された結晶の直径の0〜80%の範囲に含まれ、Grown−in欠陥が低密度あるいは無い結晶領域で引き上げることを特徴とする高品質シリコン単結晶の製造方法である。
(2)CZ法によってシリコン単結晶を育成する際に、予めホットゾーン構造毎に育成速度の変更試験を行い、その結果から定められる引上げ速度を用いて引上げを行う製造方法であって、As−grown状態の前記シリコン単結晶から加工したウェーハを熱処理炉内に650℃で投入して、投入後8℃/min以下で昇温して900℃×20時間および1000℃×10時間の熱処理後、X線トポグラフによる酸素析出の分布観察を行う場合に、結晶面内に現れるリング状の酸化誘起積層欠陥の幅が育成された結晶の半径の8%を超えて、かつ前記リング状の酸化誘起積層欠陥の内径が育成された結晶の直径の0〜80%の範囲に含まれ、Grown−in欠陥が低密度あるいは無い結晶領域で引き上げることを特徴とする高品質シリコン単結晶の製造方法である。
(3)CZ法によってシリコン単結晶を育成する際に、予めホットゾーン構造毎に育成速度の変更試験を行い、その結果から定められる引上げ速度を用いて引上げを行う製造方法であって、As−grown状態の前記シリコン単結晶から加工したウェーハをCu溶液に浸けて、Cuを付着させ、900℃×20minのCuデコレーション熱処理を行ない、X線トポグラフにて観察する場合に、結晶面内に現れるリング状の酸化誘起積層欠陥の幅が育成された結晶の半径の8%を超えて、かつ前記リング状の酸化誘起積層欠陥の内径が育成された結晶の直径の0〜33%の範囲に含まれ、Grown−in欠陥が無い結晶領域で引き上げることを特徴とする高品質シリコン単結晶の製造方法である。
(4)CZ法によってシリコン単結晶を育成する際に、予めホットゾーン構造毎に育成速度の変更試験を行い、その結果から定められる引上げ速度を用いて引上げを行う製造方法であって、As−grown状態の前記シリコン単結晶から加工したウェーハを熱処理炉内に650℃で投入して、投入後8℃/min以下で昇温して900℃×20時間および1000℃×10時間の熱処理後、X線トポグラフによる酸素析出の分布観察を行う場合に、結晶面内に現れるリング状の酸化誘起積層欠陥の幅が育成された結晶の半径の8%を超えて、かつ前記リング状の酸化誘起積層欠陥の内径が育成された結晶の直径の0〜33%の範囲に含まれ、Grown−in欠陥が無い結晶領域で引き上げることを特徴とする高品質シリコン単結晶の製造方法である。
本発明の高品質シリコン単結晶の製造方法において、R−OSFの幅を育成された結晶の半径の8%を超えるように規定しているのは、従来ではR−OSFの幅が8%以下であると、r=2/3Rで転位クラスターが生成していたが、本発明の適用によりR−OSFの幅が8%を超えてr=2/3R以下に収縮しても転位クラスターが出現しなくなるためである。より一層転位クラスターを出現させないようにするためには、R−OSFの幅が15%を超えるのが望ましい。
また、R−OSFの発生位置を育成された結晶の直径の0〜80%の範囲に規定しているのは、この範囲内であれば、Grown−in欠陥を極端に減少させ、あるいは無くすことができるからである。例えば、rの値が小さくなるほどGrown−in欠陥の密度が低くなり、r=1/3R以下になるとGrown−in欠陥は検出されなくなる。したがって、本発明のシリコン単結晶の製造方法では、従来での結晶全体がR−OSFの内側領域になるのに比べ、Grown−in欠陥が検出されなくなることから、上記(3)および(4)では、「Grown−in欠陥の密度が無い」と規定している。
本発明の高品質シリコン単結晶の製造方法によれば、その面内に発生するR−OSFの幅を拡大するとともに、Grown−in欠陥である赤外散乱体や転位クラスターのない領域を拡大することができるので、デバイス特性に優れた半導体材料を供給できる。しかも、本発明の製造方法は結晶の面内に取り込まれる点欠陥の濃度を均一にすることにより育成されるものであるから、そのシリコン単結晶の育成に際し、大口径化、長尺化が図れ、製造コストの低減、育成能率の向上が達成される。
本発明の高品質シリコン単結晶を製造するには、CZ法による育成の際に単結晶の最高温部(融点〜1200℃)の熱履歴を制御し、そのときに結晶の面内に取り込まれる点欠陥の濃度をその面内で均一にすることが必要である。結晶中の点欠陥は空孔と格子間Si原子に分類されるが、特にR−OSFの生成には空孔との関連が強く、面内に生成するR−OSFの位置および幅はある限られた範囲の空孔濃度の部位および領域と一致する。
通常、単結晶の育成時には、結晶の面内での引上げ軸方向での温度勾配が異なっている。具体的には、結晶の外周部になるほど速く低温になるので、外周部ほど温度勾配が大きくなる。その場合に、結晶中に取り込まれた空孔は温度勾配が大きくなると、引上げ軸方向の固液界面側に拡散して消滅する量が大きくなり、結晶中に取り込まれたままの空孔濃度が著しく少なくなる。その結果、引上げ軸方向での温度勾配が異なると、結晶面内に取り込まれる空孔の濃度は均一にならず、結晶の外周部になるに従ってその密度が低下する。したがって、結晶の面内の引上げ軸方向での温度勾配を均一にすることによって、面内の空孔濃度を均一にすることができる。
図5は、結晶の面内に取り込まれた空孔の濃度分布と生成されるR−OSFの幅との関係を模式的に示す図である。図中の縦軸は空孔濃度Cvを、横軸は結晶面内の位置を示している。また、同図の左側は面内の中心から外周部までの空孔濃度のバラツキが大きい場合を、同図の右側は空孔濃度が比較的均一になる場合をそれぞれ示している。R−OSFが発生する領域は、限定された範囲の空孔濃度の部位と一致するのであるから、同図の右側で示すように空孔濃度が面内で均一になる場合には、R−OSFの幅が大きくなる。
前述の通り、従来の結晶における面内でのR−OSFの幅は育成された結晶半径の8%以下に抑えられている。これは、従来の育成条件では、結晶の面内での引上げ軸方向での温度勾配が均一でないため、R−OSFが発生する領域と一致する空孔濃度の範囲が育成結晶の半径の8%の範囲内になっていたからである。
育成条件を改善すること、例えば、単結晶育成装置内のホットゾーンの加熱手段、保温部材等を改善することによって、結晶の面内での引上げ軸方向での温度勾配を均一にして、空孔の取り込み量を面内で均一にする。これにより、R−OSFが生成される空孔濃度の範囲を拡大できるので、これに対応してR−OSFの幅を大きくすることができる。
例えば、前記図1に示すCZ法による育成装置の構成において、ヒーター2の上端を基準としてシリコン融液3表面までの距離(Melt Position)と、輻射遮蔽体7の下端からシリコン融液3表面まで距離(Shield−Melt Gap)の2つのパラメータを調整することによって、CZ炉内に異なる温度分布を持つホットゾーン構造を構成することができる。
また、R−OSFに近接して外領域に存在する無欠陥領域も、面内での空孔の取り込み量を均一にして、無欠陥領域が生成される空孔濃度の範囲を拡大することによって、その領域を拡大することができる。これによって、デバイス特性を劣化させる赤外散乱体や転位クラスターといったGrown−in欠陥が発生しない領域を結晶の面内全域に拡大して、デバイス特性の良好な高品質なウェーハを得ることができる。
本発明のシリコン単結晶を、直径6″φおよび8″φの2寸法で製造し、それぞれに現れるR−OSFの形態および結晶が有する品質特性について調査した。以下、その結果について説明する。
(実施例1)
図1に示す単結晶育成装置を用いて、6″φの単結晶を製造する。ルツボ内に結晶用原料としてシリコンの多結晶60kgを充填し、さらに電気抵抗率が10ΩcmになるようにP型ドーパントとしてボロンを添加する。そして、チャンバー内を10TorrのAr雰囲気にした後、ヒーターのパワーを調整して全ての結晶用原料を溶融する。ルツボ内の溶融液が安定した後、種結晶の下端を溶融液に浸漬し、ルツボおよび引上げ軸を回転させつつ単結晶を引き上げる。
実施例1では、R−OSFおよび無欠陥領域の幅、若しくはFPD密度が育成条件によってどのように変化するかを調査することを目的にしている。このため、結晶面内への空孔の取り込み量が均一になるように、結晶面内の温度分布が従来のものよりも改善したホットゾーンで育成して、結晶の育成速度を徐々に小さくしていく育成速度の変更実験を行った。
そこで、単結晶の育成がシード絞り、ショルダー形成から移行して、ボディへ移ったらヒーターパワーを調整し、当初は引上げ速度を速くして、R−OSFが外周に発生する条件で所定の結晶長を引き上げる。単結晶の引上げ長さが100mmに達した時点で、結晶の引上げ速度を徐々に遅くして、R−OSFおよび無欠陥領域の形態、さらにR−OSFの内側領域に生成されるFPD欠陥の挙動を調査した。
実施例1の方法によって育成されたAs−grown状態の結晶を縦割りにして、Cuを塗布し、900℃で熱処理して各欠陥領域を顕在化した後にX線トポグラフ写真を撮影して、R−OSFの形態を調べた。従来の結晶と比較して、R−OSFの幅および無欠陥領域が大きく拡大しており、面内に円周状に生成されたR−OSFの幅は片側で30mmを目的としたが、最大40mmまで拡大して、両方で80mmになっている部位もあった。すなわち、6″φ結晶の半径の半分以上(52%)がR−OSFの幅に相当する部位もある。また、R−OSFを結晶の中心に発生させて、R−OSFの外側領域が拡大しても無欠陥領域が大きく広がって、転位クラスターが観察されないことも確認した。
図6は、実施例1の方法によって育成されたAs−grown状態の結晶におけるR−OSFの面内位置とFPD欠陥の分布密度との関係を示す図である。ただし、R−OSFの面内位置の観察には、セコエッチングを行った。また、R−OSFの幅は30mmで結晶半径の39%程度とした。同図から明らかなように、面内でのR−OSFの位置がr=2/3Rの場合には、FPD欠陥は結晶の中心部で観察されるが、r=1/3RにするとFPD欠陥は観察されない。したがって、育成条件を調整してR−OSFの幅や面内位置を制御することによって、結晶の面内で赤外散乱体(FPD)や転位クラスターのGrown−in欠陥が観察されない結晶を育成することができる。
図7は、実施例1の方法によって製造された単結晶から加工されたウェーハの初期酸化膜耐圧特性(TZDB)を調査した結果を示した図である。すなわち、R−OSFの幅が30mmで、R−OSFの発生位置をウェーハの中心部から外周部まで変化させたときのR−OSFが存在する位置での平均良品率を示している。同図から、酸化膜厚が25nm、印加条件8M/Vで、R−OSFの位置がr=1/3RでFPD密度が非常に小さい場合には結晶面内のTZDBの良品率は95%以上である。
(実施例2)
実施例2では、実施例1で行った育成速度の変更実験の結果に基づき、直径6″φ結晶のR−OSFの面内位置がr=1/3Rになる引上げ速度で育成を行い、R−OSF、無欠陥領域およびFPD密度が育成条件によってどのように変化するかを調査した。このため、結晶面内への空孔の取り込み量が均一になるように、実施例1の場合と同じホットゾーンで育成を行った。
実施例1と同条件でルツボ内の溶融液を安定させてのち、単結晶の育成がシード絞り、ショルダー形成から移行して、ボディへ移ったらヒーターパワーを調整し、当初は引上げ速度が速く、R−OSFが外周に発生する条件で所定の結晶長を引き上げる。単結晶の引上げ長さが100mmに達した時点で、R−OSFの面内位置がr=1/3Rになる引上げ速度で育成を行い、結晶の部位別にR−OSF、無欠陥領域およびR−OSFの内側領域に生成されるFPD欠陥の挙動について調査した。
実施例2の方法によって育成されたAs−grown状態の単結晶から加工したウェーハに、Cuを塗布し、900℃で熱処理して各欠陥領域を顕在化した後にX線トポグラフ写真を撮影して、R−OSFの形態およびGrown−in欠陥の状況を調査した。生成されたR−OSFの幅が30mmで、R−OSFの内径位置がr=1/3Rであることを確認した。これから、従来の結晶と比較して、R−OSFの幅および無欠陥領域が大きく拡大していることがわかる。
図8は、実施例2の方法によって育成されたAs−grown状態の結晶におけるFPD欠陥の分布密度を示す図である。ただし、R−OSFの面内位置の観察には、セコエッチングを行った。また、R−OSFの幅は30mmで結晶半径の39%程度である。R−OSFの面内位置がr=1/3Rの場合には、FPD欠陥は全く観察されない。同様に、転位クラスターも観察されなかった。
(実施例3)
図1に示す単結晶育成装置を用いて、8″φの単結晶を製造した。ルツボ内に結晶用原料としてシリコンの多結晶120kgを充填し、さらに電気抵抗率が10ΩcmになるようにP型ドーパントとしてボロンを添加する。そして、チャンバー内を10TorrのAr雰囲気にした後、ヒーターのパワーを調整して全ての結晶用原料を溶融する。ルツボ内の溶融液が安定した後、種結晶の下端を溶融液に浸漬し、ルツボおよび引上げ軸を回転させつつ単結晶を引き上げる。
まず、実施例1と同様に、R−OSFおよび無欠陥領域の幅、若しくはFPD密度が育成条件によってどのように変化するかを調査するため、結晶の引上げ速度を徐々小さくしていく育成条件の変更実験を行った。
そこで、単結晶の育成がシード絞り、ショルダー形成から移行して、ボディへ移ったらヒーターパワーを調整し、当初は引上げ速度が速く、R−OSFが外周に発生する条件で所定の結晶長を引き上げる。単結晶の引上げ長さが100mmに達した時点で、結晶の引上げ速度を徐々に小さくして、R−OSFおよび無欠陥領域の形態、さらにR−OSFの内側領域に生成されるFPD欠陥の挙動を調査した。
実施例3の方法によって育成されたAs−grown状態の結晶を縦割りにして、Cuを塗布し、900℃で熱処理して各欠陥領域を顕在化した後にX線トポグラフ写真を撮影して、R−OSFおよび無欠陥領域の形態を観察した。その結果は、前述の実施例1の結果と同様であり、従来の結晶と比較して、R−OSFの幅および無欠陥領域が大きく拡大している。R−OSFの幅は片側で40mmまで拡大しており、両方で80mmになっている。すなわち、8″φ結晶の半径の半分近く(39%)がR−OSF領域となっている。
図9は、実施例3の方法によって育成されたAs−grown状態の結晶におけるR−OSFの面内位置とFPD欠陥の分布密度との関係を示す図である。ただし、R−OSFの面内位置の観察には、セコエッチングを行った。また、R−OSFの幅は40mmで結晶半径の39%程度である。同図から、R−OSFの位置がr=2/5Rの場合には、FPD欠陥は結晶の中心部で観察されるが、r=1/3R以下の場合ではFPD欠陥は観察されないことがわかる。
したがって、育成条件を調整してR−OSFの幅や面内位置を制御することによって、結晶の面内で赤外散乱体(FPD)密度が従来より著しく減少あるいは観察されなくなるとともに、転位クラスターのGrown−in欠陥も観察されない結晶を育成することができる。
図10は、実施例3の方法によって製造された単結晶から加工されたウェーハの初期酸化膜耐圧特性(TZDB)を調査した結果を示した図である。図中では、R−OSFの幅が40mmで、R−OSFの発生位置をウェーハの中心部から外周部まで変化させたときのR−OSFが存在する位置での平均良品率を示している。同図から、酸化膜厚が25nm、印加条件8M/Vで、R−OSFの位置がr=1/3RでFPD密度が非常に小さい場合には結晶面内のTZDBの良品率は95%以上であることがわかる。
(実施例4)
実施例4では、実施例3行った育成速度の変更実験の結果に基づき、直径8″φ結晶のR−OSFの面内位置がr=1/3Rになる引上げ速度で育成を行い、R−OSF、無欠陥領域、およびFPD密度が育成条件によってどのように変化するかを調査する。このため、結晶面内への空孔の取り込み量が均一になるように、実施例3の場合と同様のホットゾーンで育成を行った。
実施例3と同条件でルツボ内の溶融液を安定させてのち、単結晶の育成がシード絞り、ショルダー形成から移行して、ボディへ移ったらヒーターパワーを調整し、当初は引上げ速度が速く、R−OSFが外周に発生する条件で所定の結晶長を引き上げる。単結晶の引上げ長さが100mmに達した時点で、R−OSFの面内位置がr=1/3Rになる引上げ速度で育成長さが1000mmになるまで育成を行い、結晶の部位別にR−OSF、無欠陥領域、およびR−OSFの内側領域に生成されるFPD欠陥の挙動について調査した。
実施例4の方法によって育成されたAs−grown状態の単結晶から加工したウェーハに、Cuを塗布し、900℃で熱処理して各欠陥領域を顕在化した後にX線トポグラフ写真を撮影して、R−OSFの幅が40mmで、R−OSFの内径位置がr=1/3Rになっていることを確認した。前述の実施例3と同様に、従来の結晶と比較して、R−OSFの幅および無欠陥領域が大きく拡大し、転位クラスターが発生していないことがわかる。
図11は、実施例4の方法によって育成されたAs−grown状態の結晶におけるFPD欠陥の分布密度を示す図である。ただし、R−OSFの面内位置の観察には、セコエッチングを行った。R−OSFの幅は40mmで結晶半径の39%程度である。R−OSFの面内位置がr=1/3Rの場合には、FPD欠陥および転位クラスターは全く観察されなかった。
本発明の高品質シリコン単結晶の製造方法によれば、その面内に発生するR−OSFの幅を拡大するとともに、Grown−in欠陥である赤外散乱体や転位クラスターのない領域を拡大することができるので、デバイス特性に優れた半導体材料を供給できる。しかも、本発明の製造方法は結晶の面内に取り込まれる点欠陥の濃度を均一にすることにより育成されるものであるから、そのシリコン単結晶の育成に際し、大口径化、長尺化が図れ、製造コストの低減、育成能率の向上が達成される。このため、半導体用シリコン単結晶の製造手段として、広く適用することができる。
通常のCZ法による単結晶の育成に用いられている単結晶育成装置の模式的断面図である。 単結晶育成時の引上げ速度と結晶欠陥の発生位置との一般的な関係を模式的に説明した図である。 従来の育成条件で育成された8″φの結晶における、R−OSFが発生する半径方向の位置およびR−OSFの幅と転位クラスターの発生状況との関係を模式的に示す図である(横軸のR−OSFの幅は%で示す)。 改善した育成条件で育成された8″φの結晶における、R−OSFが発生する半径方向の位置およびR−OSFの幅と転位クラスターの発生状況との関係を模式的に示す図である(横軸のR−OSFの幅は%で示す)。 結晶の面内に取り込まれた空孔の濃度分布と生成されるR−OSFの幅との関係を模式的に示す図である。 実施例1の方法によって育成されたAs−grown状態の結晶におけるR−OSFの面内位置とFPD欠陥の分布密度との関係を示す図である。 実施例1の方法によって製造された単結晶から加工されたウェーハの初期酸化膜耐圧特性(TZDB)を調査した結果を示した図である。 実施例2の方法によって育成されたAs−grown状態の結晶におけるFPD欠陥の分布密度を示す図である。 実施例3の方法によって育成されたAs−grown状態の結晶におけるR−OSFの面内位置とFPD欠陥の分布密度との関係を示す図である。 実施例3の方法によって製造された単結晶から加工されたウェーハの初期酸化膜耐圧特性(TZDB)を調査した結果を示した図である。 実施例4の方法によって育成されたAs−grown状態の結晶におけるFPD欠陥の分布密度を示す図である。
符号の説明
1:ルツボ、 1a:内層保持容器
1b:外層保持容器、 1c:支持軸
2:ヒーター、 3:溶融液
4:引上げ軸、 5:種結晶
6:単結晶、 7:輻射遮蔽体

Claims (4)

  1. チョクラルスキー法によってシリコン単結晶を育成する際に、予めホットゾーン構造毎に育成速度の変更試験を行い、その結果から定められる引上げ速度を用いて引上げを行う製造方法であって、
    As−grown状態の前記シリコン単結晶から加工したウェーハをCu溶液に浸けて、Cuを付着させ、900℃×20minのCuデコレーション熱処理を行ない、X線トポグラフにて観察する場合に、結晶面内に現れるリング状の酸化誘起積層欠陥の幅が育成された結晶の半径の8%を超えて、かつ前記リング状の酸化誘起積層欠陥の内径が育成された結晶の直径の0〜80%の範囲に含まれ、Grown−in欠陥が低密度あるいは無い結晶領域で引き上げることを特徴とする高品質シリコン単結晶の製造方法。
  2. チョクラルスキー法によってシリコン単結晶を育成する際に、予めホットゾーン構造毎に育成速度の変更試験を行い、その結果から定められる引上げ速度を用いて引上げを行う製造方法であって、
    As−grown状態の前記シリコン単結晶から加工したウェーハを熱処理炉内に650℃で投入して、投入後8℃/min以下で昇温して900℃×20時間および1000℃×10時間の熱処理後、X線トポグラフによる酸素析出の分布観察を行う場合に、結晶面内に現れるリング状の酸化誘起積層欠陥の幅が育成された結晶の半径の8%を超えて、かつ前記リング状の酸化誘起積層欠陥の内径が育成された結晶の直径の0〜80%の範囲に含まれ、Grown−in欠陥が低密度あるいは無い結晶領域で引き上げることを特徴とする高品質シリコン単結晶の製造方法。
  3. チョクラルスキー法によってシリコン単結晶を育成する際に、予めホットゾーン構造毎に育成速度の変更試験を行い、その結果から定められる引上げ速度を用いて引上げを行う製造方法であって、
    As−grown状態の前記シリコン単結晶から加工したウェーハをCu溶液に浸けて、Cuを付着させ、900℃×20minのCuデコレーション熱処理を行ない、X線トポグラフにて観察する場合に、結晶面内に現れるリング状の酸化誘起積層欠陥の幅が育成された結晶の半径の8%を超えて、かつ前記リング状の酸化誘起積層欠陥の内径が育成された結晶の直径の0〜33%の範囲に含まれ、Grown−in欠陥が無い結晶領域で引き上げることを特徴とする高品質シリコン単結晶の製造方法。
  4. チョクラルスキー法によってシリコン単結晶を育成する際に、予めホットゾーン構造毎に育成速度の変更試験を行い、その結果から定められる引上げ速度を用いて引上げを行う製造方法であって、
    As−grown状態の前記シリコン単結晶から加工したウェーハを熱処理炉内に650℃で投入して、投入後8℃/min以下で昇温して900℃×20時間および1000℃×10時間の熱処理後、X線トポグラフによる酸素析出の分布観察を行う場合に、結晶面内に現れるリング状の酸化誘起積層欠陥の幅が育成された結晶の半径の8%を超えて、かつ前記リング状の酸化誘起積層欠陥の内径が育成された結晶の直径の0〜33%の範囲に含まれ、Grown−in欠陥が無い結晶領域で引き上げることを特徴とする高品質シリコン単結晶の製造方法。
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