JP2005193199A - 遮水壁構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】
遮水材層が常に必要な所定の水分を含有し、高い遮水性能を維持することができる遮水壁構造の提供。
【解決手段】
土中に設置された土留め壁内に形成された空隙16に変形追随性を有する遮水材を充填することにより形成された遮水材層17を備えてなる遮水壁構造において、遮水材層17内の水分を維持させるための層状をした遮水材層内水分維持手段により、遮水材層17の上端面を閉鎖する、即ち、内部が遮水材層17の上端面に接する貯水部21を備え、該貯水部21内に乾燥防止用水22を備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主に管理型廃棄物最終処分場の周囲の地中や護岸構造物の内側面に設置し、内外の水の流出入を遮断させるために用いられる遮水壁構造に関する。
一般に廃棄物最終処分場には、有害物質が漏れ出る事がない安定型廃棄物を埋立処分する安定型廃棄物最終処分場、有害物質を含む有害型廃棄物を完全に遮断した状態で埋立処分する遮断型廃棄物最終処分場、及び、前記安定型又は有害型以外の廃棄物である管理型廃棄物を埋立処分する管理型廃棄物最終処分場がある。
従来、上述した管理型廃棄物最終処分場の建設に際し、護岸構造物で囲むか或いは地中を掘削することにより廃棄物投入空間を形成し、その空間内に廃棄物を投入して埋立てるようにしている。
この廃棄物投入空間を形成するための遮水護岸は、内外への水の流出入を極めて小さくする必要があるため、H型鋼矢板等からなる土留め壁の内部に形成された空隙に遮水材を充填して構成された遮水壁構造を有する遮水壁を使用し、高い遮水性能が得られるように構成されている(特許文献1を参照)。
この遮水護岸1は、図11に示すように、海岸等の水底面に支持されて所望空間の周囲を囲む配置に構築し、これによって仕切られた内側を廃棄物投入空間とし、該空間に管理型廃棄物Aを投入して埋立処分するものである。
遮水護岸1は、外側(外洋側)に鋼管矢板を使用した矢板式土留め壁2があり、内側(埋立空間側)に、H型鋼矢板を使用した遮水壁3を有し、外側矢板式土留め壁2と内側の遮水壁3との間には中詰砂4が充填され、両壁2,3の上端間にはタイ材5が張設されている。尚、図中符号4aはモニタリング井戸である。
内側の遮水壁3は、図12に示すように、土中に設置された遮水壁3を構成する土留め壁内に形成された空隙16に変形追随性を有する遮水材を充填して形成された遮水材層17を備えることにより構成され、高い遮水効果が得られるようになっている。
土留め壁は、板状のウエブ6の両縁に板状のフランジ7,7を一体化させた形状の断面H型のH型鋼矢板8,8…を横方向に連続させて水底地盤9地下の不透水層10まで打ち込んで形成されている。
各H型鋼矢板8は、各フランジ7,7の縁部に断面C型の雌継手部11と、これに嵌りあって抜け止めされるように、先端に膨出部を有する雄継手部12とを一体に有する継手13が一体に備えられ、互いに隣り合うH型鋼矢板8,8間において、継手13同士が互いに噛み合わされて横方向に連続されている。
また、この継手13内には、図示していないが、膨張性止水材を付着させておき、これが打ち込み後に吸水して膨張することにより止水されるようになっている。
このようにしてH型鋼矢板8,8…を水平方向に連続させて打設することにより、両フランジ7,7によって、互いに平行配置の一対の側壁体14,15を構成しているとともに、ウエブ6が両側壁体14,15間を連結する壁体間連結材となっている。
即ち、隣り合うH型鋼矢板8,8間において各ウエブ6,6と各フランジ7,7によって囲まれる略方形状をした内部空隙16内、即ち、両フランジ7,7による側壁体14,15及びウエブ6による壁体間連結材により囲まれて形成された土留め壁内の空隙16に変形追随性を有する遮水材を充填して遮水材層17を形成することにより、遮水壁3が構成されている。
特開2003−113608号公報
しかし、上述の如き従来の技術では、遮水材層の表面部が気中に曝された状態にある為、両土留め壁内の空隙に充填される遮水材が所定の水分を含有することにより変形追随性を発揮するようなものの場合、遮水材層内が水分の蒸発等によって乾燥すると、変形追随性を失するとともに、クラック等によって水みちが発生し、遮水性能が低下する可能性があるという問題があった。
そこで本発明は、上述の従来技術の問題を鑑み、遮水材層が常に必要な所定の水分を含有し、高い遮水性能を維持することができる遮水壁構造の提供を目的とする。
上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための請求項1に記載の発明は、土中に設置された土留め壁内に形成された空隙に変形追随性を有する遮水材を充填することにより形成された遮水材層を備えてなる遮水壁構造において、前記遮水材層内の水分を維持させるための層状をした遮水材層内水分維持手段により、前記遮水材層の上端面を閉鎖した遮水壁構造であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成に加え、土留め壁は、側壁用部材を水平方向に連結して構成した一対の側壁体と、両側壁体間を連結する壁体間連結材とを備え、前記両側壁体及び壁体間連結材により囲まれた前記土留め壁内の空隙に遮水材を充填することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1の構成に加え、土留め壁は、側壁用部材を水平方向に連結して構成した側壁体と、隣り合う前記側壁用部材の連結部を跨いで該両側壁用部材間に架け渡したシート状又は板状のカバー部材とを備え、前記側壁体及びカバー部材に囲まれた前記土留め壁内の空隙に遮水材を充填することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1、2又は3の構成に加え、側壁体は、シート状材を一部又は全部に使用したことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3又は4の構成に加え、遮水材層内水分維持手段は、内部が前記遮水材層の上端面と接した貯水部を備え、該貯水部内に乾燥防止用水を備えることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5の構成に加え、貯水部は、側壁用部材を水平方向に連結して構成した一対の側壁体の上端部を外壁とすることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6の構成に加え、遮水壁の上端を覆うコーピングに貯水部内と連通する貫通孔を備えたことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7の構成に加え、貫通孔は、ポーラスコンクリートをもって閉鎖したことを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項5〜7又は8の構成に加え、外洋側の側壁体に接続され、外洋から乾燥防止用水を貯水部内に逆流不能に導入する通水管を備えたことを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項5〜8又は9の構成に加え、壁体間連結材により隔離された各貯水部に亘って通された給水管を備えたことを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項5〜8又は9の構成に加え、壁体間連結材は、該壁体間連結材により隔離された各貯水部内を連通させる連通孔を備えたことを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項5〜8又は9の構成に加え、壁体間連結材は、その上端を側壁体の上端より低く形成したことを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項5〜11又は12の構成に加え、ポリマー系材料、油性材料又はアスファルト系材料等からなり、乾燥防止用水の水面上を覆う蒸発防止層を備えたことを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項1〜3又は4の構成に加え、遮水材層内水分維持手段は、ポリマー系材料、油性材料又はアスファルト系材料等からなり、前記遮水材層の上端面を覆う蒸発防止層からなることを特徴とする。
本発明に係る遮水壁構造は、土中に設置された土留め壁内に形成された空隙に変形追随性を有する遮水材を充填することにより形成された遮水材層を備えたことによって、比較的断面の大きな遮水材充填空間が上下方向に向けて形成されることになり、遮水材の大深度への充填が確実になされて信頼性の高い遮水構造となるとともに、変形追随性を有する遮水材を使用しているために矢板の変形時にも遮水性が保持されることとなり高い遮水効果が得られる。
また、遮水材層内の水分を維持させるための層状をした遮水材層内水分維持手段により、前記遮水材層の上端面を閉鎖したことによって、遮水材層が所定の水分を含有した状態に維持され、高い遮水性能を維持することができる。
側壁体は、シート状材を一部又は全部に使用したことによって、矢板や鋼板、又はプレキャストコンクリート版を使用する場合に比べて低コストとなり、経済性が高くなる。
遮水材層内水分維持手段は、内部が前記遮水材層の上端面と接した貯水部を備え、該貯水部内に乾燥防止用水を備えることによって、好適に遮水材層を所定の水分を含有した状態に維持することができ、高い遮水性能を維持することができる。
貯水部は、両側壁体の上端部を外壁とすることによって、従来の遮水壁構造に、新たな部品を加えることなく、容易に貯水部を設けることができる。
遮水壁の上端を覆うコーピングに貯水部内と連通する貫通孔を備えたことによって、遮水材の補充や定期点検等に使用される管理用として機能するとともに、各貯水部に乾燥防止用水を供給することが可能となる。
貫通孔は、ポーラスコンクリートをもって閉鎖したことによって、遮水壁の上端部を閉鎖した状態でも、雨水等がポーラスコンクリートより浸透して貯水部に乾燥防止用水を得ることができる。
外洋側の側壁体に接続され、外洋から乾燥防止用水を貯水部内に逆流不能に導入する通水管を備えたことによって、ポンプ等の動力を使用しなくとも乾燥防止用水を好適に貯水部に供給することができる。
壁体間連結材により隔離された各貯水部に亘って通された給水管を備えたこと、壁体間連結材に該壁体間連結材により隔離された各貯水部内を連通させる連通孔を備えたこと、或いは、壁体間連結材の上端を側壁体の上端より低く形成したことによって、各貯水部の乾燥防止用水を一括して管理することができ、各部を一定の状態に保つことができる。
ポリマー系材料、油性材料又はアスファルト系材料等からなり、乾燥防止用水の水面上を覆う蒸発防止層を備えたことによって、乾燥防止用水の蒸発による減少を抑え、長期的に常に高い遮水性能を発揮することができる。
遮水材層内水分維持手段は、ポリマー系材料、油性材料又はアスファルト系材料等からなり、前記遮水材層の上端面を覆う蒸発防止層からなることによって、遮水材層内の水分の蒸発を好適に防止することができ、高い遮水性能を維持することができる。
次に、本発明に係る遮水壁構造について説明する。尚、上述の実施例と同一の部分には、同一符号を付して説明を省略する。
この遮水壁3は、図11に示す従来例と同様に、海岸等の水底面に支持されて所望空間の周囲を囲む配置に構築された遮水護岸構造物の内側(埋立空間側)に配置されたものであり、この遮水壁3と、外側(外洋側)の鋼管矢板等を使用した矢板式土留め壁2との間に中詰砂が充填され、両壁の上端間にはタイ材が張設されて遮水護岸構造物が形成される。
この遮水壁3は、土中に設置された遮水壁3を構成する土留め壁内に形成された空隙に変形追随性を有する遮水材を充填して形成された遮水材層17を備えることにより構成され、高い遮水効果が得られるようになっている。
土留め壁は、板状のウエブ6の両縁に板状のフランジ7,7を一体化させた形状の断面H型のH型鋼矢板8,8…を横方向に連続させて水底地盤9地下の不透水層10まで打ち込んで形成されている。
各H型鋼矢板8は、各フランジ7の縁部に断面C型の雌継手部11と、これに嵌りあって抜け止めされるように、先端に膨出部を有する雄継手部12とを一体に有する継手13が一体に備えられ、互いに隣り合うH型鋼矢板8,8間において、継手13,13同士が互いに噛み合わされて横方向に連続されている。
また、この継手13内には、図示していないが、膨張性止水材を付着させておき、これが打ち込み後に吸水して膨張することにより止水されている。
このようにしてH型鋼矢板8,8…を水平方向に連続させて打設することにより、両フランジ7,7によって、互いに平行配置の一対の側壁体14,15を構成しているとともに、ウエブ6が両側壁体14,15間を連結する壁体間連結材となっている。
即ち、隣り合うH型鋼矢板8,8間において各ウエブ6,6と各フランジ7,7によって囲まれる略方形状をした内部空隙16内、即ち、両フランジ7,7による側壁体14,15及びウエブ6による壁体間連結材により囲まれて形成された土留め壁内の空隙16に変形追随性を有する遮水材を充填して遮水材層17を形成することにより、遮水壁3が構成されている。
尚、遮水材は、粘性土を主体とした土質系遮水材を使用し、一定の水分を含有することによって高い変形追随性を発揮するようになっている。
この遮水材層17は、遮水材をH型鋼矢板8の下端から水底地盤9内における所定高さ位置から上端稍下の管理水位WLより高い所定高さまでの間に充填するとともに、遮水材を遮水壁3の上端部に所望の空間を残す位置まで充填することにより形成されている。
H型鋼矢板8の下端部内には、現水底面より深く不透水層10まで遮水材を注入する。
また、この遮水材層17の上端面は、遮水材層17内の水分を維持させるための層状をした遮水材層内水分維持手段により閉鎖されている。
この遮水材層内水分維持手段は、各ウエブ6,6及び各フランジ7,7により囲まれ、各ウエブ6、6及び各フランジ7,7を外壁とし、内部が遮水材層17の上端面と接する貯水部21を備え、該貯水部21内に乾燥防止用水22を備えている。
このように貯水部21内に乾燥防止用水22を備えることによって、遮水材層17は、該遮水材層17内の水分率を常に一定範囲内に維持し、高い変形追随性を発揮することができる状態に保たれる。
従って、この遮水壁3は、経時的な遮水性能の劣化を抑え、既定の遮水性能を維持し続けることができるようになっている。
この遮水壁3の上端部は、コンクリート製のコーピング(笠石)23により覆われている。
このコンクリート製のコーピング23には、その上面に貯水部21と連通する管理用の孔を兼ねた貫通孔24が形成されており、貯水部21内の乾燥防止用水22が不足したような場合には、この貫通孔24より給水を行うことができるようになっている。
尚、この貫通孔24は、図2に示すように、その開口部を多孔質性のポーラスコンクリート25で閉鎖するようにしてもよい。その際、ポーラスコンクリート25に水を浸透させることにより貫通孔24に水を通し、貯水部21に水を供給するようになっている。
上述の実施例では、土留め壁をH型鋼矢板8,8…を使用して構成し、その土留め壁内の空隙に遮水材を充填して遮水壁3を形成した例について説明したが、この他、U型鋼矢板、直線矢板又は鋼管矢板等他の鋼矢板及びこれらの組合せにより土留め壁を構成し、その土留め壁内に形成された空隙に遮水材を充填することにより遮水壁を構成するようにしてもよい。
図3は、U型鋼矢板を使用した土留め壁の内部に形成された空隙に遮水材を充填してなる遮水壁構造の実施例を示している。
この例では遮水壁3を構成する土留め壁の一方の側壁体14を、立て向きのU型鋼矢板30,30…を互い違いの向きにして横方向(水平方向)に連続させて形成している。このU型鋼矢板30は、両縁に雄雌継手31,32を有し、これを互いに嵌合させることによってジグザグ状の側壁体14を形成している。
また、雄雌継手内の空隙に膨張性止水材を付着させておき、これが打ち込み後に吸水して膨脹することにより止水されるようにすることがより好ましい。
遮水壁3を構成する土留め壁の他方の側壁体15は、平板状をしたプレキャストコンクリート板又は鋼板からなる土留め板33,33…によって構成されている。
一方の側壁体14の裏面に、前記U型鋼矢板と一体に設けたI型鋼からなる壁体間連結材34が一定間隔毎に突設されており、その先端の両縁に互いに背中合わせ配置の一対の板状材嵌合溝35,35が立て向きに設けられている。この板状材嵌合溝35,35に土留め板33の両端を嵌合させて上下に多数に設置することにより土留め壁の他方の側壁体15が形成されている。
このようにして構成される両側壁体14,15間に形成された空隙に前述と同じ変形追随性を有する遮水材を充填して遮水材層36を形成するとともに、内部が遮水壁上端部に遮水材層36と接する貯水部を形成し、その貯水部内に乾燥防止用水を備える。
図4は、鋼管矢板40を使用した土留め壁の内部に形成された空隙に遮水材を充填してなる遮水壁構造の一例を示している。
土留め壁は、鋼管矢板40,40を水平方向に連結して形成された側壁体14と、その隣り合う鋼管矢板40,40の連結部を跨いで両鋼管矢板40,40間に架け渡され、両鋼管矢板40,40の連結部を覆うシート状又は鋼板材等の板状のカバー部材43とを備えて構成され、遮水壁は、この土留め壁内に形成された空隙、即ち側壁体14及びカバー部材43に囲まれた空隙に遮水材を充填して遮水材層20を形成することによって構成されている。
そして、この遮水壁構造は、遮水壁の上部に、内部が遮水材層20の上端面と接する貯水部21を形成し、各貯水部21内には乾燥防止用水22を備えるようになっている。
この鋼管矢板40は、周囲の互いに対称な位置に雄雌継手41,42が形成され、これを互いに嵌合させることによって互いに連結している。尚、雌継手42内の空隙には遮水材を充填し、ある程度の不透水性を持たせることがより好ましい。
また、H型鋼等の各壁体間連結材34の両端部間に、嵌合溝35,35を形成しておき、鋼製の枠体にシート状材を張設してなるシート張り板状材を嵌合させて両側壁体14,15を構成させてもよい。
このようにシート状材を使用する構造は、護岸構造物を底部から積み上げて形成する場合により有効であり、矢板や鋼板及びコンクリートプレキャスト版を使用する場合に比べて低コストとなり、経済性が高い。
尚、各実施例において同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
また、上述の実施例では、各貯水部が各壁体間連結材により隔離された例について説明したが、この遮水壁構造では、図5に示すように、各壁体間連結材6(33)によって隔離された各貯水部21,21に亘って通された給水管50を備え、該給水管50を通して各貯水部21に乾燥防止用水22を一括して供給するようにしてもよい。
この給水管50は、遮水壁外部に設置された給水手段(図示せず)に連通され、任意又は連続して水が供給されるようになっており、その外面の所定の個所、即ち各貯水部21,21…に対応した位置に形成された通水孔51より供給された水を貯水部21に放出するようになっている。
また、この遮水壁構造では、図6に示すように、壁体間連結材6(33)の上端を土留め壁の側壁体14,15より低く形成することにより、各貯水部21,21…を連通させるようにしてもよく、図7に示すように、壁体間連結材6(33)に隣り合う貯水部同士を連通する連通孔52を形成することにより各貯水部21,21を連通させるようにしてもよい。
このように各貯水部21,21…を連通させておけば、例えば、図7に示すように、外洋側の側壁体14の外洋の水位より低い位置に通水口53を設け、該通水口53に外洋と連通した通水管54を接続し、外洋より通水管54及び通水口53を通して乾燥防止用水22として海水が供給されるようにすれば、一箇所からの給水で複数の貯水部21,21…に行き渡らせることができる。尚、通水管54には、図示しない逆止弁が介在されており、貯水部から外洋側へ水が逆流するのを防止するようになっている。
尚、図8、図9に示すように、ポリマー系材料、油性材料又はアスファルト系材料等からなる蒸発防止層60を乾燥防止用水22の水面上を覆うように備えるようにしてもよい。このように蒸発防止層60を設けることによって、乾燥防止用水22の蒸発による減少を抑え、長期的に常に高い遮水性能を維持することができる。
この蒸発防止層60は、貯水部21の上端部に固定するようにしてもよく、蒸発防止層が水よりも軽い材質からなる場合には、乾燥防止用水22上に浮かべてもよい。
また、上述の実施例では、遮水材層内水分維持手段が、貯水部を備えたものについて説明したが、図10に示すように、遮水材層内水分維持手段は、ポリマー系材料、油性材料又はアスファルト系材料等からなる蒸発防止層60のみからなるものであってもよい。尚、上述の実施例と同一の部分には同一符号を付して説明を省略する。
このように遮水材層60の上端面を蒸発防止層60によって直接覆うことにより、遮水材層17に含有される水分の蒸発を抑え、長期的に高い遮水性能を維持することができるようになっている。
本発明に係る遮水壁構造は、外洋に面して構築する管理型廃棄物最終処分場に限らず、陸上に同処分場を構築する際にも適用することができるものであり、この場合には、廃棄物投入空間の内面を形成する築堤等の土留め壁として遮水壁を設置するようにしてもよく、また窪地等を処分場とするような場合に、その周囲の地盤を掘削して溝を形成し、該溝内に遮水壁を連続地中壁として構築してもよい。
本発明に係る遮水壁構造の一例を示す部分破断斜視図である。 同上の他の一例を示す縦断面図である。 同上の更に他の例を示す断面図である。 同上の更に他の例を示す部分破断斜視図である。 (a)は本発明に係る遮水壁構造の更に他の実施例を示す平面図、(b)は同縦断面図である。 (a)は同上の更に他の実施例を示す平面図、(b)は同縦断面図である。 (a)は同上の更に他の実施例を示す平面図、(b)は同縦断面図である。 本発明に係る遮水壁構造の更に他の実施例を示す斜視図である。 同上の更に他の実施例を示す斜視図である。 本発明に係る遮水壁構造の更に他の実施例を示す斜視図である。 管理型廃棄物最終処分場の護岸構造物に実施した例を示す断面図である。 図11中の遮水壁構造の一例を示す断面図である。
符号の説明
A 管理型廃棄物
WL 管理水位
1 遮水護岸
2 矢板式土留め壁
3 遮水壁
4 中詰砂
4a モニタリング井戸
5 タイ材
6 ウエブ
7 フランジ
8 H型鋼矢板
9 水底地盤
10 不透水層
11 雌継手部
12 雄継手部
13 継手
14,15 側壁体
16 空隙
17 遮水材層
20 遮水材層
21 貯水部
22 乾燥防止用水
23 コーピング(笠石)
24 貫通孔
25 ポーラスコンクリート
30 U型鋼矢板
31 雄継手
32 雌継手
33 土留め板
34 壁体間連結材
35 板状材嵌合溝
36 遮水材層
40 鋼管矢板
41 雄継手
42 雌継手
43 カバー部材
50 給水管
51 通水孔
52 連通孔
53 通水口
54 通水管
60 蒸発防止層

Claims (14)

  1. 土中に設置された土留め壁内に形成された空隙に変形追随性を有する遮水材を充填することにより形成された遮水材層を備えてなる遮水壁構造において、
    前記遮水材層内の水分を維持させるための層状をした遮水材層内水分維持手段により、前記遮水材層の上端面を閉鎖したことを特徴としてなる遮水壁構造。
  2. 土留め壁は、側壁用部材を水平方向に連結して構成した一対の側壁体と、両側壁体間を連結する壁体間連結材とを備え、前記両側壁体及び壁体間連結材により囲まれた前記土留め壁内の空隙に遮水材を充填する請求項1に記載の遮水壁構造。
  3. 土留め壁は、側壁用部材を水平方向に連結して構成した側壁体と、隣り合う前記側壁用部材の連結部を跨いで該両側壁用部材間に架け渡したシート状又は板状のカバー部材とを備え、前記側壁体及びカバー部材に囲まれた前記土留め壁内の空隙に遮水材を充填する請求項1に記載の遮水壁構造。
  4. 側壁体は、シート状材を一部又は全部に使用した請求項1、2又は3に記載の遮水壁構造。
  5. 遮水材層内水分維持手段は、内部が前記遮水材層の上端面と接した貯水部を備え、該貯水部内に乾燥防止用水を備える請求項1〜3又は4に記載の遮水壁構造。
  6. 貯水部は、側壁用部材を水平方向に連結して構成した一対の側壁体の上端部を外壁とする請求項5に記載の遮水壁構造。
  7. 遮水壁の上端を覆うコーピングに貯水部内と連通する貫通孔を備えた請求項5又は6に記載の遮水壁構造。
  8. 貫通孔は、ポーラスコンクリートをもって閉鎖した請求項7に記載の遮水壁構造。
  9. 外洋側の側壁体に接続され、外洋から乾燥防止用水を貯水部内に逆流不能に導入する通水管を備えた請求項5〜7又は8に記載の遮水壁構造。
  10. 壁体間連結材により隔離された各貯水部に亘って通された給水管を備えた請求項5〜8又は9に記載の遮水壁構造。
  11. 壁体間連結材は、該壁体間連結材により隔離された各貯水部内を連通させる連通孔を備えた請求項5〜8又は9に記載の遮水壁構造。
  12. 壁体間連結材は、その上端を側壁体の上端より低く形成した請求項5〜8又は9に記載の遮水壁構造。
  13. ポリマー系材料、油性材料又はアスファルト系材料等からなり、乾燥防止用水の水面上を覆う蒸発防止層を備えた請求項5〜11又は12に記載の遮水壁構造。
  14. 遮水材層内水分維持手段は、ポリマー系材料、油性材料又はアスファルト系材料等からなり、前記遮水材層の上端面を覆う蒸発防止層からなる請求項1〜3又は4に記載の遮水壁構造。
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