JP2005191442A - 電磁波シールド性透明積層体及びその製造方法 - Google Patents

電磁波シールド性透明積層体及びその製造方法 Download PDF

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純一 今泉
Keishiyun Furuzono
圭俊 古園
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一 中村
Hiroaki Takahashi
宏明 高橋
Yukihisa Ishida
恭久 石田
Hiroshi Nomura
宏 野村
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Abstract

【課題】 かかる点に鑑みエッチング液による接着剤表面の変色のないEMIシールドフィルム及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 透明基材、接着剤層及び導電性金属箔からなる積層体の導電性金属箔をケミカルエッチング法によりエッチングすることにより導電性金属箔の幾何学図形を形成する電磁波シールド性積層体の製造法において、上記接着剤層のSP値が19.0(MJ/m1/2以下であることを特徴とした電磁波シールドフィルムの製造方法。
【選択図】 なし


Description

本発明は、電磁波シールド性透明積層体及びその製造方法に関する。更に詳しくはケミカルエッチングプロセス終了後の変色のない電磁波シールド性透明積層体及びそれを製造する方法に関する。
近年のプラズマディスプレイパネル(以下PDPと略す)は、大型化、高解像度化、ハイコントラスト化等の改良がモデル変更毎に実施されている。一方で、PDPはその発光原理から電磁波を放射するという欠点がある。この電磁波は、周辺の電子機器へのノイズ混入の原因となる。欧米では、既に法規制がなされている。また日本では、欧米の法規制をもとにメーカーが自主規制をおこなっている。
これら電磁波の遮蔽方法としては、機器筐体そのものを金属体または、高導電体にしたり回路基板と回路基板の間に金属板を挿入する、ケーブルに金属箔を巻き付ける等の方法がある。
一方、ディスプレイ前面から放射される電磁波は、透明性を低下させることなく遮蔽する必要がある。この両者を高次に実現する手段として電磁波シールド性フィルムが、特許文献1、特許文献2に提案されている。電磁波シールド性フィルムによれば、優れた電磁波遮蔽と透明性を両立することが可能である。
上記の電磁波シールド性フィルムでは、その製造工程として、プラスチックフィルムに接着剤層を介して積層された導電性金属箔をエッチングする工程を含むが、このとき、エッチング液によって接着剤表面が変色してしまうという問題があった。
特許第3,386,743号公報 特許第3,388,682号公報
本発明は、かかる点に鑑みエッチング液による接着剤表面の変色のない電磁波シールド性透明積層体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、次のものに関する。
1. 透明基材、接着剤層及び導電性金属箔からなる積層体の導電性金属箔をケミカルエッチング法によりエッチングすることにより導電性金属箔の幾何学図形を形成する電磁波シールド性透明積層体の製造法において、上記接着剤層のSP値が19.0(MJ/m1/2以下であることを特徴とした電磁波シールド性透明積層体の製造方法。
2. 接着剤層が活性化エネルギー線で硬化可能なものである項1記載の電磁波シールド性透明積層体の製造方法。
3. 活性化エネルギー線が紫外線もしくは電子線である項1及び項2記載の電磁波シールド性透明積層体の製造方法。
4.ケミカルエッチング終了後の接着剤表面のXPSで測定したエッチング液元素存在比が0.5%未満である項1〜3のいずれかに記載の電磁波シールド性透明積層体の製造方法。
5. 項1〜4のいずれかに記載の製造方法により製造された電磁波シールド性透明積層体。
XPSとは、軟X線光電子分光法(X−ray Photoelectronspectroscopy)を意味する。
本発明よれば、エッチング液による着色のない透明性に優れた電磁波シールド性透明積層体を製造することができる。プラズマディスプレイパネル等に好適である。接着剤として活性化エネルギー線で硬化可能な樹脂を用いることによりその製造が容易になる。
本発明に用いるSP値が19.0(MJ/m1/2以下の樹脂を例示すると、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、天然ゴム、ジエン類、ポリエーテル類、ポリエステル類、フェノキシ樹脂等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。必要に応じて2類以上をブレンドすることも可能である。さらに溶媒での希釈、架橋剤、架橋触媒、着色剤、近赤外線吸収剤、カップリング剤等の添加も可能である。SP値は、(1)物理的特性から算出する方法、(2)SP値既知物質との相溶性から実測する方法、(3)物質の化学構造から計算する方法がある。一般には、物質の化学構造式から推算する方法で求められ、なかでも広く知られたFedorsの方法が好ましい。SP値が大きい接着剤は極性が大きいために、エッチング液と親和力が大きくエッチング液中の金属元素が配位しやすくその結果、着色の原因となる。
接着剤を加熱・加圧することによって透明基材と金属箔を接着する場合、接着剤の軟化温度は、取り扱い性から150℃以下が好ましい。80〜120℃であれば更に好ましい。用いる接着剤樹脂系にもよるが、その重量平均分子量は104〜6が好ましい。10未満になると凝集力が低くなり透明基材と金属箔の密着力性が低下する恐れがある。
これらの樹脂のガラス転移点は、50℃以上であることが好ましい。80℃〜120℃であれば更に好ましい。これは、想定されるPDPの使用環境温度で樹脂がゴム状になると、画像劣化を生じる恐れがありこれを防ぐためである。
塗工作業性の観点から、樹脂の25℃における溶液粘度は、1,000〜5,000mPa・sが好ましく、1,500〜2,500mPa・sであればさらに好ましい。また必要に応じて、希釈剤、可塑剤、着色剤、粘着付与剤などを配合することも可能である。
本発明で使用する接着剤は活性化エネルギー線で硬化する樹脂が好ましく、その樹脂系としては前述のアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等をベースポリマとして、ラジカル重合性あるいはカチオン重合性官能基を付与させたものが用いられる。
ラジカル重合製官能基として、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基などが挙げられる。
カチオン重合性官能基としては、グリシジル基が好適に用いられる。
活性エネルギー線が紫外線の場合、光増感剤あるいは光開始剤として、ベンゾフェノン系、アントラキノン系、ベンゾイン系、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、オニウム塩等の公知の材料を使用することが可能である。
本発明で用いる金属箔としては、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、鉄、金、銀、チタンなど、またはこれらの合金も使用することができる。電磁波シールド性、エッチング加工、価格などの観点から、銅、アルミニウムが好ましい。その厚みは、6μm以上が好ましく9〜12μmであれば更に好ましい。
本発明で使用する透明基材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどのポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂、ポリスルホン、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリイミド、(メタ)アクリルなどが挙げられるが限定されるものではない。これらは、2種類以上を共重合したりブレンドしてもかまわない。また、貫層方向に2類以上のものをクラッドすることも可能である。重要なことは、ディスプレイの前面に配置した際に画像劣化を起こさないために均質であることである。また、可視光透過率は70%以上が好ましい。その厚みは、5μm以上が好ましく、25〜200μmであれば更に好ましい。5μm以下になると加工の際の搬送性などのハンドリング性が劣る可能性がある。また200μm以上になると、材料の均質性、可視光透過率が劣り画像劣化の原因になる恐れがあるため好ましくない。
これら、金属箔、透明基材のどちらか一方、または両方に接着剤を塗布する。
これら接着剤を透明基材または、金属箔に塗布・乾燥する方法に限定はない。
次に、接着剤を塗布した透明基材と金属箔とを上記接着剤を介して接着する。この方法に特に限定はないが、プレス法、ロールラミネート法、オートクレーブ法等が挙げられる。接着剤として活性化エネルギー線で硬化する樹脂系を用いた場合には活性化エネルギーを照射して硬化反応を完結させる。
上述のようにして得られた、透明基材と金属箔のクラッド材の金属をエッチングしてメッシュを形成する。その方法としてはエッチング精度、効率を勘案するとマイクロリソグラフ法が好ましい。この方法には、フォトリソグラフ、X線リソグラフ、電子線リソグラフ、イオンビームリソグラフ法などがある。これらの中でもその簡便性、量産性の点からフォトリソグラフ法が最も効率がよい。メッシュを構成するの形状には、限定はない。メッシュを構成する単位のピッチは100〜500μmが好ましく、150〜300μmであれば更に好ましい。また構成単位のラインの幅は、5〜25μmが好ましく、7〜20μmであれば更に好ましい。
このようにして得られた金属メッシュの接着剤層表面にできた凸凹を埋めることによって透明にするためと、金属メッシュを保護する目的から、表面に樹脂層を形成する。樹脂層の形成方法に限定はない。透明化の方法を例示すると、(1)透明基材あるいは透明基材に樹脂層を形成したものを金属メッシュ面に圧着する方法、(2)活性化エネルギー線で硬化可能な樹脂を金属メッシュ表面に塗布し、ついで活性化エネルギー線で硬化する方法等である。
透明基材として、厚さ125μmのポリエチレンテレフタレート(PET、東洋紡績製、A−4100)、金属箔として厚さ10μmの電解銅箔(日本電解(株)製、PBR10A)を選定した。両者にポリエステル系接着剤(東洋紡績製、バイロンUR1350)を均一に塗布した。この接着剤のSP値は18.6(MJ/m1/2である。乾燥後の接着剤厚みは、それぞれ10μmであった。
上述の接着剤付の透明基材と金属箔をロールラミネータを用いてラミネートしクラッド材を得た。ラミネート条件は下記のとおり。
ラミネート温度:130℃ ラミネート圧力:0.5MPa
速度:1m/min
次にこのクラッド材の銅箔を、温度40℃、圧力0.2MPaの塩化第2銅溶液のシャワーによりケミカルエッチングしてエッチングメッシュを得た。ケミカルエッチングの工程は以下のとおりである。銅箔へのドライフィルムレジストラミネート−ガラスマスクを用いてのパターン露光−現像(炭酸ナトリウム水溶液)−エッチング(塩化第2銅、塩酸水溶液)−ドライフィルムレジスト剥離(KOH水溶液)−乾燥。メッシュピッチ:300μm、ライン幅10μmの銅の格子が形成した。
メッシュ面にUV硬化樹脂(ヒタロイドHA7983−AA3、日立化成工業(株)製)を
均一に塗布後、メタルハライドランプで3J/cmの紫外線を照射し電磁波シールド性透明積層体を得た。
クラッド剤用接着剤として、SP値19.0(MJ/m1/2を有するUV硬化型アクリル系接着剤(アデカオプトマーKRX−407−5、旭電化工業(株)製)を厚さ125μmのポリエチレンテレフタレート(PET、東洋紡績製、A−4100)均一に塗布し塗布面と銅箔をロールラミネートし、メタルハライドランプで3J/cmの紫外線を照射した他は実施例1と同様にして電磁波シールド性透明積層体を得た。
クラッド剤用接着剤として、SP値18.8(MJ/m1/2を有するUV硬化型アクリル系接着剤(アデカオプトマーKRX−407−9、旭電化工業(株)製)を厚さ125μmのポリエチレンテレフタレート(PET、東洋紡績製、A−4100)均一に塗布し塗布面と銅箔をロールラミネートし、メタルハライドランプで3J/cmの紫外線を照射した他は実施例2と同様にして電磁波シールド性透明積層体を得た。
(比較例)
クラッド剤用接着剤として、SP値20.4(MJ/m1/2を有するUV硬化型アクリル系接着剤(アデカオプトマーKRX−407−1、旭電化工業(株)製)を厚さ125μmのポリエチレンテレフタレート(PET、東洋紡績製、A−4100)均一に塗布し塗布面と銅箔をロールラミネートし、メタルハライドランプで3J/cmの紫外線を照射した他は実施例2と同様にして電磁波シールド性透明積層体を得た。
前記実施例及び比較例で得られた電磁波シールド性透明積層体の特性を表1に示す。
(Fe元素の表面存在比分析方法)
X線光電子分光分析装置(ESCA5400、アルバックファイ社製)を用い、下記条件で分析した。
光源:Al−kα線、
光電子の検出角度:45度
定量分析のパスエネルギー:35.75eV
(色相測定)
分光測色計(CM−508d、ミノルタ製)を用いてx、yを測定した。
Figure 2005191442


Claims (5)

  1. 透明基材、接着剤層及び導電性金属箔からなる積層体の導電性金属箔をケミカルエッチング法によりエッチングすることにより導電性金属箔の幾何学図形を形成する電磁波シールド性積層体の製造法において、上記接着剤層のSP値が19.0(MJ/m1/2以下であることを特徴とした電磁波シールド性透明積層体の製造方法。
  2. 接着剤層が活性化エネルギー線で硬化可能なものである請求項1記載の電磁波シールド性透明積層体の製造方法。
  3. 活性化エネルギー線が紫外線もしくは電子線である請求項1及び2記載の電磁波シールド性透明積層体の製造方法。
  4. ケミカルエッチング終了後の接着剤表面のXPSで測定したエッチング液元素存在比が0.5%未満である請求項1乃至3記載の電磁波シールド性透明積層体の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により製造された電磁波シールド性透明積層体。


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