JP2005191168A - 基板処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱電対は保護管の下部の開口から押し込むようにして保護管内に上向きで挿入され、又、熱電対は屈曲しやすい性質を持っているため、保護管内での前記熱電対は曲がった状態で保持される。この曲がり具合は挿入する度に異なり温度計測の位置が異る問題がある。
【解決手段】基板を収容し処理する空間を形成する反応管と、前記基板を加熱する加熱手段と、前記反応管内の温度を検出する温度検出手段と、前記反応管内で前記温度検出手段を保護する保護管とを有する基板処理装置であって、前記温度検出手段は、複数の温度検出部材からなり、前記温度検出部材は、温度検出部2と前記温度検出部2に接続される配線3とを含み、前記配線3を連結部材55に設けた複数の穴を通して束ね、前記連結部材55を前記温度検出部材の長手方向に所定の間隔で配置するようにしたので、温度検出手段は纏まった状態で保護管内に挿入される。
【選択図】図2

Description

本発明は、基板に所望の処理を行う装置、例えばシリコンウェーハ等の半導体基板に薄膜
の生成、不純物の拡散、エッチング等所要の処理を行い半導体デバイスを製造する半導体
製造装置に関するものである。
反応管内に配置された基板に所望の処理を行う処理室構造の一例として、図1に示すよう
なものがある。図1に示されるような処理室201は、例えば炭化珪素や石英からなる反
応管203と、前記反応管203の下端開口を気密に蓋するシールキャップ219などか
ら形成される。処理室201内には複数の基板200が水平方向に多段に載置され、図示
しないヒータにより基板200が加熱された後、処理室201内に処理ガスが供給され、
基板200に所要の処理が施されるようになっている。
このような処理室構造を有する基板処理装置では、処理室201内の温度を多点計測す
るために、複数の熱電対1(温度検出部材)からなる温度検出手段を反応管203の長手
方向に所定の距離間隔で配置するようになっている。また、前記熱電対1は、反応管20
3の壁を貫通し反応管203内に立設された、例えば炭化珪素や石英などからなる保護管
34内に収容され、処理ガスによる腐食から保護されるようになっている。従って、前記
貫通部分の保護管34は曲がった状態になっている。
また、図7に示すように、前記熱電対1は、温度検出部2と、前記温度検出部2に接続
される複数の配線3を有しており、前記配線3同士の接触を防止するため、前記配線3を
例えばアルミナなどの絶縁部材5からなる絶縁手段4にて覆うようにしている。
前記絶縁手段4は、例えば2つの穴60を有する複数の絶縁部材5を有し、前記穴60
に配線3を挿入して前記絶縁部材5を数珠繋ぎにした様な構成になっている。従って、前
記絶縁手段4により絶縁された熱電対1は、屈曲しやすい性質を持っているため、前記保
護管34が曲がっていても、熱電対1を容易に前記保護管34内に挿入できる。
しかしながら、複数の熱電対1からなる温度検出手段を1つの保護管34内に挿入し、
処理室内の雰囲気を多点計測しようとした場合、前記保護管34の径を大きくする必要が
ある。又、前記処理室201にて基板処理を行う場合、前記処理室201の内壁(処理ガ
スが接触する所)には副生成物が付着し、前記副生成物がパーティクルとなる前に、前記
副生成物を洗浄除去する必要がある。前記洗浄の対象は、処理室201内の処理ガスに接
触する部分、例えば、反応管203、シールキャップ219、保護管34などであり、洗
浄はこれらの部品を、基板処理装置から取り外した状態で行う。保護管34を洗浄する場
合は、前記保護管34内に設けられる熱電対1を取り外してから行う。従って、これらの
部品を洗浄した後、再度基板処理装置を組立る際、保護管34内に熱電対1を挿入する必
要がある。熱電対1は保護管34の下部の開口から押し込むようにして保護管34内に上
向きで挿入され、又、熱電対1は屈曲しやすい性質を持っているため、図8に示すように
、保護管34内での前記熱電対1は曲がった状態で保持されることとなる。しかし、この
曲がり具合は洗浄前後で異なるため、温度計測の位置が洗浄前の位置と異なってしまうと
いう問題がある。
この問題を解決するために、図9に示すように、1つの保護管34に1つの熱電対1を挿
入する様にし、反応管203内に複数の保護管34を立設させるようにすることで、前記
保護管34の径を小さくし、前記保護管34内で熱電対1が動ける空間を狭くして、前記
保護管34内での曲がり具合を制限するという方法も考えられる。しかしながら、保護管
34の径を小さくすると、保護管34を洗浄する際、保護管34内に入り込んだ洗浄液は
、水の表面張力の影響により容易に排出されないため、前記反応管203を乾燥させる時
間が増大し、その結果、装置メンテナンス時間が増大してしまうという問題がある。また
、洗浄液に含まれるフッ酸等の危険な薬品が保護管34内に残留すると、基板処理装置の
組立時の危険性が増すという問題もある。
本発明は斯かる実情に鑑み、保護管34から熱電対1を取り外し、再度、保護管34内に
熱電対1を挿入する場合であっても、保護管34内で電極の位置が異ならないようにする
ものである。
本発明は、基板を収容し処理する空間を形成する反応管と、前記基板を加熱する加熱手段
と、前記反応管内の温度を検出する温度検出手段と、前記反応管内で前記温度検出手段を
保護する保護管とを有する基板処理装置であって、前記温度検出手段は、複数の温度検出
部材からなり、前記温度検出部材は、温度検出部と前記温度検出部に接続される配線とを
含み、前記配線を連結部材に設けた複数の穴を通して束ね、前記連結部材を前記温度検出
部材の長手方向に所定の間隔で配置したことを特徴とする基板処理装置に係わるものであ
る。
本発明によれば、基板を収容し処理する空間を形成する反応管と、前記基板を加熱する加
熱手段と、前記反応管内の温度を検出する温度検出手段と、前記反応管内で前記温度検出
手段を保護する保護管とを有する基板処理装置であって、前記温度検出手段は、複数の温
度検出部材からなり、前記温度検出部材は、温度検出部と前記温度検出部に接続される配
線とを含み、前記配線を連結部材に設けた複数の穴を通して束ね、前記連結部材を前記温
度検出部材の長手方向に所定の間隔で配置するようにしたので、前記配線は纏まった状態
で保護管内に挿入され、保護管内で温度検出部材が容易に曲がり、温度検出部の位置が異
なることを防止するものである。
図4において本発明が適用される基板処理装置の一例である半導体製造装置についての
概略を説明する。
筐体101内部の前面側には、図示しない外部搬送装置との間で基板収納容器としての
カセット100の授受を行う保持具授受部材としてのカセットステージ105が設けられ
、該カセットステージ105の後側には昇降手段としてのカセットエレベータ115が設
けられ、該カセットエレベータ115には搬送手段としてのカセット移載機114が取り
つけられている。前記カセットエレベータ115の後側には、前記カセット100の載置
手段としてのカセット棚109が設けられ、該カセット棚109はスライドステージ12
2上に横行可能に設けられている。又、前記カセット棚の上方には前記カセット100の
載置手段としてのバッファカセット棚110が設けられている。更に、前記バッファカセ
ット棚110の後側にはクリーンユニット118が設けられ、クリーンエアを前記筐体1
01の内部を流通させるように構成されている。
前記筐体101の後部上方には、処理炉202が設けられ該処理炉202の下側には、
半円筒形状の気密室としてのロードロック室102が仕切弁としてのゲートバルブ244
により連接され、該ロードロック室102の前面には前記カセット棚109と対向する位
置に仕切手段としてのロードロックドア123が設けられている。前記ロードロック室1
02内には、基板としてのウエハ200を水平姿勢で多段に保持する基板保持手段として
のボート217を、前記処理炉202に昇降させる昇降手段としてのボートエレベータ1
21が内設され、該ボートエレベータ121には蓋体としてのシールキャップ219が取
りつけられ該ボート217を垂直に支持している。前記ロードロック室102と前記カセ
ット棚109との間には図示しない昇降手段としての移載エレベータが設けられ、該移載
エレベータには搬送手段としてのウエハ移載機112が取りつけられている。
以下、基板処理装置における一連の動作を説明する。図示しない外部搬送装置から搬送
された前記カセット100は、前記カセットステージ105に載置され、該カセットステ
ージ105で該カセット100の姿勢を90°変換され、更に、前記カセットエレベータ
115の昇降動作、横行動作及び、前記カセット移載機114の進退動作の協働により前
記カセット棚109又は、前記バッファカセット棚110に搬送される。
前記ウエハ移載機112により前記カセット棚109から前記ボート217へ前記ウエ
ハ200が移載される。前記ウエハ200を移載する準備として、前記ボート217が前
記ボートエレベータ121により降下され、前記ゲートバルブ244により前記処理炉2
02が閉塞され、更に前記ロードロック室102の内部に前記パージノズル234から窒
素ガス等のパージガスが導入される。前記ロードロック室102が大気圧に復圧された後
、前記ロードロックドア123が開かれる。
前記水平スライド機構122は前記カセット棚109を水平移動させ、移載の対象とな
る前記カセット100を前記ウェハ移載機112に対峙する様に位置決めする。前記ウェ
ハ移載機は昇降動作、回転動作の協働により前記ウェハ200を前記カセット100より
前記ボート217へと移載する。前記ウェハ200の移載はいくつかの前記カセット10
0に対して行われ、前記ボート217へ所定枚数ウェハの移載が完了した後、前記ロード
ロックドア123が閉じられ、前記ロードロック室102が真空引きされる。
真空引きが完了後に前記ガスパージノズル234よりガスが導入され、前記ロードロッ
ク室102内部が大気圧に復圧されると前記ゲートバルブ244が開かれ、前記ボートエ
レベータ121により前記ボート217が前記処理炉202内に装入され、該ゲートバル
ブ244が閉じられる。尚、真空引き完了後に前記ロードロック102内部を大気圧に復
圧させず大気圧未満の状態で前記ボート217を前記処理炉202内に装入しても良い。
前記処理炉202内で前記ウェハ200に所定の処理が為された後、前記ゲートバルブ2
44が開かれ、前記ボートエレベータ121により前記ボート217が引き出され更に、
前記ロードロック室102内部を大気圧に復圧させた後に前記ロードロックドア123が
開かれる。
処理後の前記ウェハ200は上記した作動の逆の手順により前記ボート217から前記
カセット棚109を経て前記カセットステージ105に移載され、図示しない外部搬送装
置により搬出される。
前記カセット移載機114等の搬送動作は、搬送制御手段124により制御される。
次に、本発明の実施の形態にて行った、ウエハ等の基板へのプロセス処理例としてCV
D法の中の1つであるALD法を用いた成膜処理について、簡単に説明する。
ALD法は、ある成膜条件(温度、時間等)の下で、成膜に用いる2種類(またはそれ
以上)の原料となるガスを1種類ずつ交互に基板上に供給し、1原子層単位で吸着させ、
表面反応を利用して成膜を行う手法である。
即ち、利用する化学反応は、例えばSiN(窒化珪素)膜形成の場合ALD法ではDC
S(SiH2Cl2、ジクロルシラン)とNH3(アンモニア)を用いて300〜600
℃の低温で高品質の成膜が可能である。また、ガス供給は、複数種類の反応性ガスを1種
類ずつ交互に供給する。そして、膜厚制御は、反応性ガス供給のサイクル数で制御する。
(例えば、成膜速度が1Å/サイクルとすると、20Åの膜を形成する場合、処理を20
サイクル行う。)
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図5は、本実施の形態にかかる縦型の基板処理炉の概略構成図であり、処理炉部分を縦
断面で示し、図6は本実施の形態にかかる縦型の基板処理炉の概略構成図であり、処理炉
部分を横断面で示す。加熱手段であるヒータ207の内側に、基板であるウエハ200を
処理する反応容器として反応管203が設けられ、この反応管203の下端開口は蓋体で
あるシールキャップ219により気密部材であるOリング220を介して気密に閉塞され
、少なくとも、このヒータ207、反応管203、及びシールキャップ219により処理
炉202を形成している。シールキャップ219にはキャップ218を介して基板保持手
段であるボート217が立設され、前記キャップ218はボートを保持する保持体となっ
ている。そして、ボート217は処理炉202に挿入される。ボート217にはバッチ処
理される複数のウエハ200が水平姿勢で管軸方向に多段に積載される。前記ヒータ20
7は処理炉202に挿入されたウエハ200を所定の温度に加熱する。
そして、処理炉202へは複数種類、ここでは2種類のガスを供給する供給管としての
2本のガス供給管232a、232bが設けられる。ここでは第1のガス供給管232a
からは流量制御手段である第1のマスフローコントローラ241a及び開閉弁である第1
のバルブ243aを介し、更に後述する処理炉202内に形成されたバッファ室237を
介して処理炉202に反応ガスが供給され、第2のガス供給管232bからは流量制御手
段である第2のマスフローコントローラ241b、開閉弁である第2のバルブ243b、
ガス溜め247、及び開閉弁である第3のバルブ243cを介し、更に後述するガス供給
部249を介して処理炉202に反応ガスが供給されている。
処理炉202はガスを排気する排気管であるガス排気管231により第4のバルブ24
3dを介して排気手段である真空ポンプ246に接続され、真空排気されるようになって
いる。尚、この第4のバルブ243dは弁を開閉して処理炉202の真空排気・真空排気
停止ができ、更に弁開度を調節して圧力調整可能になっている開閉弁である。
処理炉202を構成している反応管203の内壁とウエハ200との間における円弧状
の空間には、反応管203の下部より上部の内壁にウエハ200の積載方向に沿って、ガ
ス分散空間であるバッファ室237が設けられており、そのバッファ室237のウエハ2
00と隣接する壁の端部にはガスを供給する供給孔である第1のガス供給孔248aが設
けられている。この第1のガス供給孔248aは反応管203の中心へ向けて開口してい
る。この第1のガス供給孔248aは、下部から上部にわたって同じ圧力のガスを供給で
きるよう前記ガス供給口248aに面積差が設けられており、また、それぞれの開口ピッ
チは同一とされている。
そしてバッファ室237の第1のガス供給孔248aが設けられた端部と反対側の端部
には、ノズル233が、やはり反応管203の下部より上部にわたりウエハ200の積載
方向に沿って配設されている。そしてノズル233には複数のガスを供給する供給孔であ
る第2のガス供給孔248bが設けられている。この第2のガス供給孔248bの開口面
積は、バッファ室237と処理炉202の差圧が小さい場合には、上流側から下流側まで
同一の開口面積で同一の開口ピッチとすると良いが、差圧が大きい場合には上流側から下
流側に向かって開口面積を大きくするか、開口ピッチを小さくすると良い。
本発明において、第2のガス供給孔248bの開口面積や開口ピッチを上流側から下流
にかけて調節することで、まず、第2の各ガス供給孔248bよりガスの流速の差はある
が、流量はほぼ同量であるガスを噴出させる。そしてこの各第2のガス供給孔248bか
ら噴出するガスをバッファ室237に噴出させて一旦導入し、前記ガスの流速差の均一化
を行うこととした。
すなわち、バッファ室237において、各第2のガス供給孔248bより噴出したガス
はバッファ室237で各ガスの粒子速度が緩和された後、第1のガス供給孔248aより
処理炉202に噴出する。この間に、各第2のガス供給孔248bより噴出したガスは、
各第1のガス供給孔248aより噴出する際には、均一な流量と流速とを有するガスとす
ることができた。
さらに、バッファ室237に、細長い構造を有する第1の電極である第1の棒状電極2
69及び第2の電極である第2の棒状電極270が上部より下部にわたって電極を保護す
る保護管である電極保護管275に保護されて配設され、この第1の棒状電極269又は
第2の棒状電極270のいずれか一方は整合器272を介して高周波電源273に接続さ
れ、他方は基準電位であるアースに接続されている。この結果、第1の棒状電極269及
び第2の棒状電極270間のプラズマ生成領域224にプラズマが生成される。
この電極保護管275は、第1の棒状電極269及び第2の棒状電極270のそれぞれ
をバッファ室237の雰囲気と隔離した状態でバッファ室237に挿入できる構造となっ
ている。ここで、電極保護管275の内部は外気(大気)と同一雰囲気であると、電極保
護管275にそれぞれ挿入された第1の棒状電極269及び第2の棒状電極270はヒー
タ207の加熱で酸化されてしまう。そこで、電極保護管275の内部は窒素などの不活
性ガスを充填あるいはパージし、酸素濃度を充分低く抑えて第1の棒状電極269又は第
2の棒状電極270の酸化を防止するための不活性ガスパージ機構が設けられる。
さらに、第1のガス供給孔248aの位置より、反応管203の内周を120°程度回
った内壁に、ガス供給部249が設けられている。このガス供給部249は、ALD法に
よる成膜においてウエハ200へ、複数種類のガスを1種類ずつ交互に供給する際に、バ
ッファ室237とガス供給種を分担する供給部である。
このガス供給部249もバッファ室237と同様にウエハと隣接する位置に同一ピッチ
でガスを供給する供給孔である第3のガス供給孔248cを有し、下部では第2のガス供
給管232bが接続されている。
第3のガス供給孔248cの開口面積はバッファ室237と処理炉202の差圧が小さ
い場合には、上流側から下流側まで同一の開口面積で同一の開口ピッチとすると良いが、
差圧が大きい場合には上流側から下流側に向かって開口面積を大きくするか開口ピッチを
小さくすると良い。
反応管203内の中央部には複数枚のウエハ200を多段に同一間隔で載置するボート
217が設けられており、このボート217は図中省略のボートエレベータ機構により反
応管203に出入りできるようになっている。また処理の均一性を向上する為にボート2
17を回転するための回転手段であるボート回転機構267が設けてあり、ボート回転機
構267を回転することにより、キャップ218に保持されたボート217を回転するよ
うになっている。
制御手段であるコントローラ121は、第1、第2のマスフローコントローラ241a
、241b、第1〜第4のバルブ243a、243b、243c、243d、ヒータ20
7、真空ポンプ246、ボート回転機構267、図中省略のボート昇降機構、高周波電源
273、整合器272に接続されており、第1、第2のマスフローコントローラ241a
、241bの流量調整、第1〜第3のバルブ243a、243b、243cの開閉動作、
第4のバルブ243dの開閉及び圧力調整動作、ヒータ207温度調節、真空ポンプ24
6の起動・停止、ボート回転機構267の回転速度調節、ボート昇降機構の昇降動作制御
、高周波電源273の電力供給制御、整合器272によるインピーダンス制御が行われる
次にALD法による成膜例について、DCS及びNH3ガスを用いてSiN膜を成膜す
る例で説明する。
まず成膜しようとするウエハ200をボート217に装填し、処理炉202に搬入する
。搬入後、次の3つのステップを順次実行する。
[ステップ1]
ステップ1では、プラズマ励起の必要なNH3ガスと、プラズマ励起の必要のないDC
Sガスとを併行して流す。まず第1のガス供給管232aに設けた第1のバルブ243a
、及びガス排気管231に設けた第4のバルブ243dを共に開けて、第1のガス供給管
232aから第1のマスフローコントローラ243aにより流量調整されたNH3ガスを
ノズル233の第2のガス供給孔248bからバッファ室237へ噴出し、第1の棒状電
極269及び第2の棒状電極270間に高周波電源273から整合器272を介して高周
波電力を印加してNH3をプラズマ:励起し、活性種として処理炉202に供給しつつガ
ス排気管231から排気する。NH3ガスをプラズマ励起することにより活性種として流
すときは、第4のバルブ243dを適正に調整して処理炉202内圧力を10〜100P
aとする。第1のマスフローコントローラ241aで制御するNH3の供給流量は100
0〜10000sccmである。NH3をプラズマ励起することにより得られた活性種に
ウエハ200を晒す時間は2〜120秒間である。このときのヒータ207温度はウエハ
が300〜600℃になるよう設定してある。NH3は反応温度が高いため、上記ウエハ
温度では反応しないので、プラズマ励起することにより活性種としてから流すようにして
おり、このためウエハ温度は設定した低い温度範囲のままで行える。
このNH3をプラズマ励起することにより活性種として供給しているとき、第2のガス
供給管232bの上流側の第2のバルブ243bを開け、下流側の第3のバルブ243c
を閉めて、DCSも流すようにする。これにより第2、第3のバルブ243b、243c
間に設けたガス溜め247にDCSを溜める。このとき、処理炉202内に流しているガ
スはNH3をプラズマ励起することにより得られた活性種であり、DCSは存在しない。
したがって、NH3は気相反応を起こすことはなく、プラズマにより励起され活性種とな
ったNH3はウエハ200上の下地膜と表面反応する。
[ステップ2]
ステップ2では、第1のガス供給管232aの第1のバルブ243aを閉めて、NH3
の供給を止めるが、引続きガス溜め247へ供給を継続する。ガス溜め247に所定圧、
所定量のDCSが溜まったら上流側の第2のバルブ243bも閉めて、ガス溜め247に
DCSを閉じ込めておく。また、ガス排気管231の第4のバルブ243dは開いたまま
にし真空ポンプ246により、処理炉202を20Pa以下に排気し、残留NH3を処理
炉202から排除する。また、この時にはN2等の不活性ガスを処理炉202に供給する
と、更に残留NH3を排除する効果が高まる。ガス溜め247内には、圧力が20000
Pa以上になるようにDCSを溜める。また、ガス溜め247と処理炉202との間のコ
ンダクタンスが1.5×10−3m3/s以上になるように装置を構成する。また、反応
管203容積とこれに対する必要なガス溜め247の容積との比として考えると、反応管
203容積100l(リットル)の場合においては、100〜300ccであることが好
ましく、容積比としてはガス溜め247は反応室容積の1/1000〜3/1000倍と
することが好ましい。
[ステップ3]
ステップ3では、処理炉202の排気が終わったらガス排気管231の第4のバルブ2
43dを閉じて排気を止める。第2のガス供給管232bの下流側の第3のバルブ243
cを開く。これによりガス溜め247に溜められたDCSが処理炉202に一気に供給さ
れる。このときガス排気管231の第4のバルブ243dが閉じられているので、処理炉
202内の圧力は急激に上昇して約931Pa(7Torr)まで昇圧される。DCSを
供給するための時間は2〜4秒設定し、その後上昇した圧力雰囲気中に晒す時間を2〜4
秒に設定し、合計6秒とした。このときのウエハ温度はNH3の供給時と同じく、300
〜600℃である。DCSの供給により、下地膜上のNH3とDCSとが表面反応して、
ウエハ200上にSiN膜が成膜される。成膜後、第3のバルブ243cを閉じ、第4の
バルブ243dを開けて処理炉202を真空排気し、残留するDCSの成膜に寄与した後
のガスを排除する。また、この時にはN2等の不活性ガスを処理炉202に供給すると、
更に残留するDCSの成膜に寄与した後のガスを処理炉202から排除する効果が高まる
。また第2のバルブ243bを開いてガス溜め247へのDCSの供給を開始する。
上記ステップ1〜3を1サイクルとし、このサイクルを複数回繰り返すことによりウエ
ハ上に所定膜厚のSiN膜を成膜する。
ALD装置では、ガスは下地膜表面に吸着する。このガスの吸着量は、ガスの圧力、及
びガスの暴露時間に比例する。よって、希望する一定量のガスを、短時間で吸着させるた
めには、ガスの圧力を短時間で大きくする必要がある。この点で、本実施の形態では、第
4のバルブ243dを閉めたうえで、ガス溜め247内に溜めたDCSを瞬間的に供給し
ているので、処理炉202内のDCSの圧力を急激に上げることができ、希望する一定量
のガスを瞬間的に吸着させることができる。
また、本実施の形態では、ガス溜め247にDCSを溜めている間に、ALD法で必要
なステップであるNH3ガスをプラズマ励起することにより活性種として供給、及び処理
炉202の排気をしているので、DCSを溜めるための特別なステップを必要としない。
また、処理炉202内を排気してNH3ガスを除去しているからDCSを流すので、両者
はウエハ200に向かう途中で反応しない。供給されたDCSは、ウエハ200に吸着し
ているNH3とのみ有効に反応させることができる。
次に本発明が適用される温度検出手段について説明する。図1に示すように、例えば熱
電対1からなる温度検出部材は処理ガスによる腐食を防止するために、例えば炭化珪素や
石英により形成された保護管34に挿入された状態で、反応管203内に立設される。前
記保護管34は反応管203の側面壁を貫通するように設けられているので、前記貫通部
分は曲がった状態になっている。
また、処理室内の温度を多点計測し、ヒータ207の出力を微調整する場合は、複数の
熱電対1を纏めて温度検出手段とし、前記温度検出手段を前記保護管34内に挿入して、
熱電対1が前記反応管203の長手方向に所定の距離間隔で配置されるようにしている。
前記熱電対1は、温度検出部2と、前記温度検出部2に接続される複数の配線3を有して
おり、前記配線3同士の接触を防止するため、前記配線3を例えばアルミナなどの絶縁部
材50からなる絶縁手段40にて覆うようにしている。
前記絶縁手段40は、1つの温度検出部2に接続される配線3の数に等しい数の穴60
を有する複数の第1の絶縁部材50を有し、前記穴60に配線3を挿入して前記第1の絶
縁部材50を数珠繋ぎにした様な構成になっている。また、前記絶縁手段40は、保護管
34内に存在する配線3を全て挿入できる数の穴68を有する第2の絶縁部材55(連結
部材とも呼ぶ)をも有しており、熱電対1の配線3を挿入し数珠繋ぎのように繋げた複数
の第1の絶縁部材50に対して、所定数毎に(即ち、反応管203の長手方向に所定の距
離間隔で)前記第2の絶縁部材55を混入させる様にしているので、熱電対1の配線3間
の接触を防止しながら、複数の熱電対1がばらばらにならないよう纏めている(束ねてい
る)。
本発明の一実施例を図2、図3を参照しながら、さらに詳細に説明すると、熱電対1は
、1つの温度検出部2に対し、2本の配線3を有している。絶縁手段40は、第1の絶縁
部材50と第2の絶縁部材55とを有し、例えばアルミナなどの絶縁物質から製作される
。第1の絶縁部材50は、2つの穴60を有する略円柱状の形状をしており、前記穴60
に前記配線3を挿入し、第1の絶縁部材50を数珠繋ぎのように繋げている。また、3つ
の熱電対1が第1の絶縁部材50により数珠繋ぎのように保護されており、複数の熱電対
1を纏めるように2つの第2の絶縁部材55が前記数珠繋ぎの一部に挿入されている。a
に示す位置にある第2の絶縁部材55は、2つの熱電対1を纏めるために4つの穴68が
設けられおり、bに示す位置にある第2の絶縁部材55は、3つの熱電対1を纏めるため
に6つの穴68が設けられている。
第一の絶縁部材50による数珠繋ぎの中に第2の絶縁部材55を混入し複数の熱電対1
を纏めると(即ち、温度検出手段は)、配線3同士の自由度が減少するため、屈曲性が減
少する。従って、第2の絶縁部材55の数を多くすればするほど、温度検出手段の屈曲性
が減少するので、前記保護管34内で熱電対1が屈曲することを防止できる。しかしなが
ら、前述したように、前記保護管34の貫通部は曲がった状態になっているので、温度検
出手段の屈曲性を減少させすぎると、保護管34内に熱電対1を挿入することが困難にな
る。従って、温度検出手段の屈曲性を減少させすぎない適度な間隔にて第2の絶縁部材5
5を挿入する必要がある。例えば、本発明の実施例においては、この間隔は20cm毎で
ある。
上述のように、本発明においては、熱電対1に接続される複数の配線3間の接触を防止
する第一の絶縁部材50と、複数の熱電対1間の配線3の接触を防止し、前記複数の熱電
対1を纏める第2の絶縁部材55を有し、前記第一の絶縁部材50の所定個数毎に前記第
2の絶縁部材55を混入する様な絶縁手段40にて前記熱電対1の配線3間の接触を防止
するようにしたので、前記熱電対1は屈曲性が減少しすぎず、ある程度の屈曲性を有した
状態になり、保護管34に屈曲部分があったとしても、熱電対1を容易に挿入でき、又、
径の広い保護管34を使用したとしても、前記保護管34内で熱電対1が屈曲し、熱電対
1を保護管34に挿入するたびに、熱電対1の挿入位置が変わることはない。
以上に説明した本発明の構成により、保護管34は径の大きなものを使用できるので、前
記保護管34を洗浄液で洗浄する場合であっても、前記保護管34内の残留洗浄液を容易
に除去でき、メンテナンス時間の増大を防止できる。尚、本発明においは、反応管の側壁
から保護管が挿入されるようになっているが、これに限定されない。即ち、反応管の下に
マニホールドを設け、前記マニホールドに処理ガス供給用のガスノズルや排気管を接続し
、前記マニホールドの下端開口部をシールキャップにて閉塞するような処理室構造であっ
て、前記マニホールドの側壁を貫通するようにして保護管が処理室内に立設するものでも
良い。又、本発明の保護管は処理室内に設けられるものを例に説明したが、これに限定さ
れない。即ち、熱電対を保護する保護管であって、前記保護管内に熱電対を挿入する際は
、下方から挿入して支持されるようなものであり、前記保護管内で熱電対が屈曲する虞の
あるものであれば、本発明は適用できる。
処理室構造の一例 本発明の実施の形態を示す熱電対の概略図である。 本発明の実施の形態を示す熱電対の概略拡大図である。 本発明が適用される半導体製造装置の概略図 本発明が適用される反応炉の断面を示す図(縦断面図) 本発明が適用される反応炉の断面を示す図(横断面図) 従来の熱電対を示す図 従来の保護管を用いた場合の熱電対の形状を示す図(1) 従来の保護管を用いた場合の熱電対の形状を示す図(2)
符号の説明
1 熱電対
2 温度検出部
3 配線
4 絶縁手段
5 絶縁部材
34 保護管
40 絶縁手段
50 第1の絶縁部材
55 第2の絶縁部材
60 穴
200 ウエハ(基板)
201 処理室
217 ボート
203 反応管
207 ヒータ

Claims (1)

  1. 基板を収容し処理する空間を形成する反応管と、
    前記基板を加熱する加熱手段と、
    前記反応管内の温度を検出する温度検出手段と、
    前記反応管内で前記温度検出手段を保護する保護管と
    を有する基板処理装置であって、
    前記温度検出手段は、複数の温度検出部材からなり、
    前記温度検出部材は、温度検出部と前記温度検出部に接続される配線とを含み、
    前記配線を連結部材に設けた複数の穴を通して束ね、前記連結部材を前記温度検出部材の
    長手方向に所定の間隔で配置したこと
    を特徴とする基板処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013164341A (ja) * 2012-02-10 2013-08-22 Tokyo Electron Ltd 温度センサ及び熱処理装置
JP2015163850A (ja) * 2014-02-28 2015-09-10 株式会社東芝 温度検出装置及び半導体製造装置

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