JP2005191047A - 積層型圧電素子および噴射装置 - Google Patents

積層型圧電素子および噴射装置 Download PDF

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幸喜 芦田
Takeshi Okamura
健 岡村
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Abstract

【課題】印加する電気エネルギーを小さくし、応答速度を速くするとともに、絶縁破壊を防止でき、信頼性に優れた積層型圧電素子およびそれを用いた噴射装置を提供する。
【解決手段】矩形状の圧電体層1と、該圧電体層1を狭持する前記圧電体層1と同じ形状の導体層2とが交互に積層された圧電積層体3の側面に外部電極5を具備してなる積層型圧電素子において、前記圧電体層1を介して対向し合う前記導体層の重なり合う面積Aが90%以上であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層型圧電素子および噴射装置に関し、特に、導体層を有し同時焼成型の積層型圧電アクチュエータ、圧電トランス、インクジェット用プリンターヘッド等に適する積層型圧電素子および噴射装置に関するものである。
従来より、導体層と圧電体層とを交互に積層して構成された積層型圧電素子が開発され、積層型の圧電アクチュエータ、圧電トランス、インクジェト用プリンターヘッド等に応用されている。このような積層型圧電素子は、図5に示すように、複数の圧電体101と複数の導体層102とを交互に積層してなる圧電積層体103の対向する側面において、導体層102の端部に1層おきに絶縁部104を形成し、絶縁体104を形成していない内部電極102の端部を同一の外部電極105に接続して構成されている。そして、これに外部電極105を形成することによって圧電体層101が有する逆圧電効果を利用する素子を形成できるというものである(例えば、特許文献1、2)。
特開2002−293625号 特開2002−299710号
しかしながら、上記特許文献1および2に記載された積層型圧電素子を構成する導体層102は、圧電体層101の周縁部において、外部電極105との接続端を除き絶縁用の非導体形成領域が形成されていることから、導体層102の有効な占有面積が狭くなっている。さらに、このような導体層102が交互に積層され構成されると、圧電特性を発現する有効領域は、例えば、圧電体層101を狭持する導体層102の上下面の面積を乗じたものとなることから、圧電体層101の面積に対して有効領域が極めて狭くなり、その分、圧電体層101の厚みを薄くして積層数を多くする必要があった。
通常、圧電アクチュエータのような積層型圧電素子は、例えば、これを用いる噴射装置などの容積の制限から、最大厚みに制限が設けられており、所望とする圧電特性との関係で、圧電特性を満足するように圧電体層101の厚みを薄くする方法も試されている。しかしながら、このような場合には静電容量が大きくなるために印加する電気エネルギーが大きくなり、応答速度が遅くなるとともに、圧電体層101の薄さにより絶縁破壊しやすいという問題があった。
従って、本発明は、印加する電気エネルギーを小さくし、応答速度を速くするとともに、絶縁破壊を防止でき、信頼性に優れた積層型圧電素子およびそれを用いた噴射装置を提供することを目的とする。
本発明の積層型圧電素子は、矩形状の圧電体層と、該圧電体層を狭持する前記圧電体層と同じ形状の導体層とが交互に積層された圧電積層体の側面に外部電極を具備してなる積層型圧電素子において、前記圧電体層を介して対向し合う前記導体層の重なり合う面積が90%以上であることを特徴とする。
このような構成によれば、圧電体層1層当たりの圧電特性に寄与する導体層の有効面積を大きくすることにより、圧電体層の厚みを薄くすることが無く、このため圧電体層の静電容量を抑えることができ、これにより印加する電気エネルギーを小さくでき、応答速度を速くできる。
また、圧電体層の厚みを必要以上に薄層化することがなく、これにより圧電体層の絶縁破壊を防止でき、信頼性に優れた積層型圧電素子を形成できる。
上記積層型圧電素子では、導体層の少なくとも1角の領域に絶縁部が設けられていることを特徴とする。つまり、本発明の積層型圧電素子を構成する導体層は、例えば、矩形状の導体層の角部の1箇所のみに導体層を形成しない領域を設けるものであり、導体層をこのような形状とした点で導体面積を大きくできる。
上記積層型圧電素子では、導体層の絶縁部が、積層方向に1層おきに設けられていることを特徴とする。即ち、本発明の積層型圧電素子では、極性の異なる導体層が積層方向に交互に積層されているために、各圧電体層の圧電特性を効果的に引き出すことができる。
上記積層型圧電素子では、導体層が圧電積層体の側面に露出するとともに、該導体層を覆う保護層が形成されていることを特徴とする。即ち、本発明によれば、導体層が圧電積層体の側面に露出するほどに大きな面積に形成されているために1層あたりの導体層の有効面積を最大限にできる。
上記積層型圧電素子では、導体層の厚みが5μm以下であることを特徴とする。導体層の厚みを薄くすることにより、その分、圧電体層の厚みを厚くでき、これにより、さらに印加する電気エネルギーを小さくでき、応答速度を速くできる。また、圧電体層の厚みを必要以上に薄層化することがないために圧電体層の絶縁破壊をさらに防止できる。
上記積層型圧電素子では、圧電体層の厚みが50μm以上であることを特徴とする。つまり、本発明の圧電体層厚みを50μm以上とすることにより、上記印加する電気エネルギーの低減と単位時間あたりの変位量の増加、並びに、圧電体層の絶縁破壊電圧の向上を達成できる。また、必要以上の圧電体層および導体層を形成しないことから素子の低コスト化を図ることができる。
上記積層型圧電素子では、導体層中の金属成分がVIII属金属、Ib属金属のうちのいずれか、またはVIII属金属およびIb属金属の両方を主成分としたことを特徴とし、特に、VIII属金属の含有量をM1質量%、Ib属金属の含有量をM2質量%としたとき、0.001≦M1≦15、85≦M2≦99.999、M1+M2=100質量%の関係を満足することを特徴とする。また、VIII属金属がPt、Pd、Rh、Ir、Ru、Osのうち少なくとも1種、Ib属金属がAg、Auのうち少なくとも1種であることを特徴とする。
特に、VIII属金属がPt、Pdのうち少なくとも1種、Ib属金属がAg、Auのうち少なくとも1種であることを特徴とする。
即ち、本発明の積層型圧電素子によれば、導体層を構成する金属成分および組成が上記のような貴金属を主成分とする場合に、その貴金属成分の高い導電性のために、電気エネルギーの印加が速く、しかも優れた圧電特性を得ることができる。
あるいは、VIII属金属がNiであること、Ib属金属がCuであることを特徴とする。また、本発明では、導体層として卑金属成分を用いる場合であっても、貴金属成分と同様に、高い導電性により優れた圧電特性を得ることができる。
上記積層型圧電素子では、導体層中に無機成分を含有してなること、その無機成分が、圧電体層と同じ成分であり、また、その平均粒径が、圧電体層の平均粒径よりも小さいことを特徴とする。即ち、本発明によれば、導体層中に無機成分を含むことにより、導体層と圧電体層との接着性を高めることができる。さらには、無機成分の平均粒径を小さいものとすることにより、導体層の面内での分散を高め、均一な電界分布を形成できる。
上記積層型圧電素子では、積層数が200層以上であることを特徴とする。
本発明のように有効面積の大きな導体層を有するものであっても、200層以上の積層数を設けることによりさらに大きな変位量を有する積層型圧電素子を形成できる。
上記積層型圧電素子では、電界強度が1.5kV/mm以上であることを特徴とする。即ち、本発明のように有効面積の大きい導体層を有する積層型圧電素子では、圧電体層の厚みを大きくでき、その電界強度は1.5kV/mm以上が望ましい。
そして、前記した積層型圧電素子は、以下の構造を有する各種燃料やガスなどの媒体用の噴射装置として有用である。即ち、本発明の噴射装置は、噴射孔を有する収納容器と、該収納容器内に収容された上記の積層型圧電素子と、該積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔から液体を噴出させるバルブとを具備してなることを特徴とする。
こうして得られた噴射装置は、この装置の心臓部であるアクチュエータとして上記の高性能で低コストの積層型圧電素子を採用しているために、噴射装置としても高性能かつ低コスト化が図れるものである。
即ち、本発明によれば、上記詳述したように、圧電体層1層当たりの圧電特性に寄与する導体層の有効面積を大きくすることにより、圧電体層の厚みを薄くすることが無く、このため圧電体層の静電容量を抑えることができ、これにより印加する電気エネルギーを小さくでき、応答速度を速くできる。
また、圧電体層の厚みを必要以上に薄層化することがなく、これにより圧電体層の絶縁破壊を防止でき、信頼性に優れた積層型圧電素子を形成できる。さらに、このような積層型圧電素子により、例えば、信頼性の高い噴射装置のような応用製品を得ることができる。
まず、本発明の積層型圧電素子について説明する。図1は本発明の積層型圧電素子の一実施例を示す概略断面図である。本発明の積層型圧電素子は、図1に示すように、それぞれ複数の圧電体層1と導体層2とを交互に積層してなる圧電積層体3の側面に外部電極4を接続し、さらに、各外部電極4にリード線6を接続して構成されている。
図2は、本発明の導体層を示す概略平面図である。本発明の導体層2は、その少なくとも1角の領域に絶縁部7が設けられているものであり、また、その導体層2の絶縁部7が、積層方向に1層おきに設けられていることが望ましい。そして、本発明の望ましい積層型圧電素子では、図(a)、(b)が交互に積層され構成されていることがより望ましい。
また、本発明では、導体層2が圧電積層体3の側面に露出するとともに、該導体層2を一部覆う保護層が形成されていることが望ましい。
さらに、本発明では、図示しないが、本図の、例えば、手前側および奥側の面に、保護層が導体層2の経時変化や剥離の程度を認識できる程度に透明に近いことが望ましく、このため、保護層が弾性体を主成分とするものであることが好ましい。さらに、本発明では、保護層が圧電積層体3の側面に埋設されていることが、圧電アクチュエータとしての側面の滑らかな摺動性を損なわないという理由から望ましい。
ここで、本発明の積層型圧電素子では、圧電体層1が矩形状であり、また、この圧電体層1を狭持する導体層2もまた圧電体層と同じ形状であることを特徴とするものである。圧電体層1を介して対向し合う導体層2の重なり合う面積Aが90%以上であることが重要であり、特に、圧電変位特性を高めるという点で、93%以上、さらには、95%以上がより望ましい。
これに対して、重なり合う面積Aが90%よりも少ない場合には、圧電体層1の1層当たりの静電容量が小さくなり、変位量も小さくなる。さらに、積層型圧電素子において、1層の圧電体層1の面内において、圧電駆動しない領域が大きくなることから部分的な変位差により素子が変形し、結果的に破壊する恐れがある。
本発明の圧電体層は、AサイトにPbを、BサイトにZrおよびTiを少なくとも含むペロブスカイト型複合酸化物からなる圧電磁器であって、前記ペロブスカイト型複合酸化物中に、Ca、Sr、Ba、Y、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、W、Nb、およびSbのうち少なくとも1種を含むものである。上記の成分を所定量含むことにより、圧電磁器のキュリー温度並びに実効的な圧電歪定数を高め、かつ高温耐久性を向上できる。なお、本発明のペロブスカイト型複合酸化物においては、前述のように、A/B比を0.98〜1.02の範囲に、また、Zr、Tiの4元素の平均価数を4.002〜4.009の範囲とすることが、圧電磁器中の酸素量を過剰にでき、またこの磁器のキュリー温度並びに圧電歪み定数を高めることができるという点でより望ましい。
また、本発明の積層型圧電素子を構成する圧電体層1の厚みは、電気エネルギーにより変位する時間を短くする、つまり応答速度を速くするという点で50μm以上、特に、70μm以上が好ましい。一方、導体層2の厚みは、5μm以下、特に、3μm以下がより好ましい。また、本発明の圧電体層1の平均結晶粒径は、1〜6μm、特に、圧電特性を高めるという理由から、1.5μm以上、特に、2μm以上、機械的強度を高めるという理由から、4μm以下、特に、3μm以上が好ましい。圧電体層1を構成する平均結晶粒径を上記の範囲とすることにより、磁器が緻密になり絶縁破壊強度を高めることができる。
一方、本発明の導体層2は、これを構成する金属成分がVIII属金属、Ib属金属のうちのいずれか、またはVIII属金属およびIb属金属の両方を主成分としたことが望ましく、特に、VIII属金属の含有量をM1質量%、Ib属金属の含有量をM2質量%としたとき、0.001≦M1≦15、85≦M2≦99.999、M1+M2=100質量%の関係を満足することが望ましく、特に、3≦M1≦8、92≦M2≦97がより望ましい。
ここで、VIII属金属はNi、Pt、Pd、Rh、Ir、Ru、Osのうち少なくとも1種、Ib属金属はCu,Ag、Auのうち少なくとも1種であること、特に、VIII属金属がPt、Pdのうち少なくとも1種、Ib属金属がAg、Auのうち少なくとも1種であること、還元雰囲気焼成に対しては、VIII属金属がNiであること、または、Ib属金属がCuであることがより望ましい。
また、本発明の内部電極層2は、無機成分を含有してなり、その無機成分の成分は圧電体層1と同じ成分であることが好ましく、さらには、この無機成分の平均粒径は、圧電体層1の平均粒径よりも小さいことが好ましい。
さらに、圧電体層1、導体層2の積層数は、例えば、噴射装置などの容積の制限があるが、その全体厚み内で、所望の特性を得るためにそれぞれ200層以上が好ましい。
また、本発明では、圧電変位量を大きくするという点で、電界強度は1.5kV/mm以上、特に、2.5kV/mm以上がより好ましい。
次に、本発明の積層型圧電素子の製法について説明する。以上のように構成された同時焼成型の積層型圧電素子は、以下のプロセスにより製造される。
この積層型圧電素子の製法において用いる仮焼粉末は、素原料として、Pb、ZrおよびTiを含むそれぞれの金属酸化物を、メディアを用いて混合し微粉化し、この混合物を900℃以下で仮焼したものである。
得られた仮焼粉末に対して有機バインダー、有機溶剤および可塑剤とを混合したスラリを調製し、シート成形法によりグリーンシートを作製する。
このグリーンシートの片面に、例えば、Ag/Pdの比率が所定比率である導体ペーストをスクリーン印刷法により印刷し、本発明の形状および面積を有する導体パターンを形成する。この導体パターンを乾燥させた後、導体パターンが形成された複数のグリーンシートを所定の枚数だけ積層し、この積層体の積層方向の両端部に、導電性ペーストが塗布されていないグリーンシートを積層する。
次に、この積層体を50〜200℃で加熱を行いながら加圧を行い、積層体を一体化する。一体化された積層体は所定の大きさに切断された後、300〜600℃で5〜40時間、脱バインダが行われ、950〜1000℃で2〜5時間で本焼成が行われ、圧電積層体3となる積層焼結体を得る。この圧電積層体3の側面には、導体層2の端部が露出している。
その後、該圧電積層体3の2つの側面において、導体層2の端部を含む圧電磁器の端部に該2側面において互い違いに接続されるように外部電極4を形成する。また、本製法では、この圧電積層体3の導体層2を1層おきに深さ50〜150μm、積層方向の幅50〜100μmの溝を形成し、該溝にシリコーンゴム等の弾性体7を充填して絶縁することが導体層2の面積を大きくできるという点で望ましい。この後、正極用外部電極、負極用外部電極にリード線6を接続し、アクチュエータの外周面にデイッピング等の方法により、シリコーンゴムを被覆した後、3kV/mmの分極電界を印加して分極処理することで、最終的に圧電アクチュエータとなる積層型圧電素子を得る。
なお、本発明の積層型圧電アクチュエータは、四角柱、六角柱、円柱等、どのような柱体であっても構わないが、切断の容易性から四角柱状が望ましい。
本発明の積層型圧電素子を構成する圧電磁器は、上記したように、ペロブスカイト型結晶を主結晶相とするもので、異相は殆ど存在しないことが望ましい。また、Ag、Al、Fe、S、Cl、Eu、K、P、Cu、Mg、Si等が不可避不純物として混入する場合もあるが、特性上問題ない。
次に、上記の積層型圧電素子により構成される噴射装置について説明する。図4は、本発明の噴射装置を示すもので、図において符号31は収納容器を示している。この収納容器31の一端には噴射孔33が設けられ、また収納容器31内には、噴射孔33を開閉することができるニードルバルブ35が収容されている。
噴射孔33には燃料通路37が連通可能に設けられ、この燃料通路37は外部の燃料供給源に連結され、燃料通路37に常時一定の高圧で燃料が供給されている。従って、ニードルバルブ35が噴射孔33を開放すると、燃料通路37に供給されていた燃料が一定の高圧で内燃機関の図示しない燃料室内に噴出されるように形成されている。
また、ニードルバルブ35の上端部は直径が大きくなっており、収納容器31に形成されたシリンダ39と摺動可能なピストン41を有している。そして、収納容器31内には、噴射装置において圧電アクチュエータとなる積層型圧電素子43が収納されている。
このような噴射装置では、圧電アクチュエータ43が電圧を印加されて伸長すると、ピストン41が押圧され、ニードルバルブ35が噴射孔33を閉塞し、燃料の供給が停止される。また、電圧の印加が停止されると圧電アクチュエータ43が収縮し、皿バネ45がピストン41を押し返し、噴射孔33が燃料通路37と連通して燃料の噴射が行われるようになっている。
まず、原料粉末として高純度のPb、ZrO、TiO、BaCO、SrCO、WO、およびYbなどの各原料粉末を所定量秤量し、次いで、この混合物を脱水、乾燥して仮焼粉末を得た。
次に、得られた仮焼原料と、有機高分子からなるバインダーと、可塑剤とを混合したスラリーを作製し、スリップキャステイング法によりセラミックグリーンシートを作製した。このグリーンシートの片面にAg−Pdあるいは、Ni、Cuを主成分とし、これらの比率が所定値を有する導体ペーストを、スクリーン印刷法により5μmの厚みに、しかも、本発明の表1に示す有効面積となるように印刷した。次に、この導体パターンを乾燥させた後、導体パターンが形成された複数のグリーンシートを200枚積層し、この積層体の積層方向の両端部に、導電性ペーストが塗布されていないグリーンシートを10枚積層した。
次に、この積層体を100℃で加熱を行いながら加圧を行い、積層体を一体化し、12mm×12mmの大きさに切断した後、800℃で10時間の脱バインダを行い、950〜1000℃で2時間大気中にて本焼成を行ないアクチュエータ本体となる積層焼結体を得た。
その後、この積層焼結体の2つの側面において、導体層端部を含む圧電磁器の端部に該2側面において互い違いになるように、外部電極を形成した。この後、正極用外部電極、負極用外部電極にリード線を接続し、積層型圧電素子の外周面にデイッピングにより、シリコーンゴムを被覆した後、3kV/mmの分極電圧を印加し、積層型圧電素子全体を分極処理して本発明の積層型圧電素子を得た。
作製した積層型圧電素子の圧電体層1の厚みは表1に示した。また、導体層2の厚みは平均で4μmであった。全体厚みを3mmとし、圧電特性を発生する活性部はその厚み方向中央部の2/3の厚みとした。
その後、この積層焼結体の2つの側面において、導体層端部を含む圧電磁器の端部に該2側面において互い違いになるように外部電極を形成した。この後、正極用外部電極、負極用外部電極にリード線を接続し、積層型圧電素子の外周面にデイッピングにより、シリコーンゴムを被覆した後、3kV/mmの分極電圧を印加し、積層型圧電素子全体を分極処理して本発明の積層型圧電素子を得た。
まず、磁器の結晶粒径は、断面研磨した試料について電子顕微鏡を用いて求め、拡散距離については分析電子顕微鏡にて導体層成分の分析を行い求めた。積層型圧電素子については、剥離のありなし、絶縁抵抗、実効的な圧電歪定数、キュリー温度の評価を行った。剥離は圧電体層と導体層とが2μm以上離れている状態とした。絶縁抵抗は1V、30秒印加後の抵抗を測定した。実効的な圧電歪定数の評価は、防震台上に固定した積層型圧電素子試料に対し積層方向に150kgfの予荷重を加えた状態で、0〜200Vの電圧を印加し、その時の積層型圧電素子試料の全長の変化量を測定し、この変化量を積層数および印加電圧で除することにより算出した。キュリー温度は、圧電磁器の静電容量の温度特性を測定して求めた。高温耐久性試験は、高温槽を用いて、150kgfの荷重を印加した状態で、温度150℃、周波数50Hzの条件にて10回までの繰り返し駆動を評価した。
Figure 2005191047
表1の結果から、本発明の積層型圧電素子である試料No.2〜8では、静電容量が1.6μF以上、絶縁抵抗が5×10Ω以上、導体層と圧電体層との剥離も無く、実効的な圧電歪定数が860pm/V以上、高温耐久性試験では10サイクルの作動試験において不良が無かった。
一方、本発明外の、導体層の有効面積が90%より少ない試料では、絶縁抵抗は本発明品と同等であったが、素子の一部に剥離が見られ、静電容量が、1.5F以下、実効的な圧電歪定数が低く、高温耐久試験において変位量の低下率が10%より大きかった。
本発明の積層型圧電アクチュエータを示す断面図である。 本発明の導体層を示す概略平面図である。 本発明の噴射装置の説明図である。 従来の積層型圧電アクチュエータを示す断面図である。
符号の説明
1・・・圧電体層
2・・・導体層
31・・・収納容器
33・・・噴射孔
35・・・バルブ
43・・・圧電アクチュエータ
A・・・・重なり合う面積

Claims (18)

  1. 矩形状の圧電体層と、該圧電体層を狭持する前記圧電体層と同じ形状の導体層とが交互に積層された圧電積層体の側面に外部電極を具備してなる積層型圧電素子において、前記圧電体層を介して対向し合う前記導体層の重なり合う面積が90%以上であることを特徴とする積層型圧電素子。
  2. 導体層の少なくとも1角の領域に絶縁部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の積層型圧電素子。
  3. 導体層の絶縁部が、積層方向に1層おきに設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の積層型圧電素子。
  4. 導体層が圧電積層体の側面に露出するとともに、該導体層を覆う保護層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか記載の積層型圧電素子。
  5. 導体層の厚みが5μm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか記載の積層型圧電素子。
  6. 圧電体層の厚みが50μm以上であることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか記載の積層型圧電素子。
  7. 導体層中の金属成分がVIII属金属、Ib属金属のうちのいずれか、またはVIII属金属およびIb属金属の両方を主成分としたことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか記載の積層型圧電素子。
  8. VIII属金属の含有量をM1質量%、Ib属金属の含有量をM2質量%としたとき、0.001≦M1≦15、85≦M2≦99.999、M1+M2=100質量%の関係を満足することを特徴とする請求項7に記載の積層型圧電素子
  9. VIII属金属がNi、Pt、Pd、Rh、Ir、Ru、Osのうち少なくとも1種、Ib属金属がCu,Ag、Auのうち少なくとも1種であることを特徴とする請求項7または8に記載の積層型圧電素子。
  10. VIII属金属がPt、Pdのうち少なくとも1種、Ib属金属がAg、Auのうち少なくとも1種であることを特徴とする請求項7乃至9のうちいずれか記載の積層型圧電素子。
  11. VIII属金属がNiであることを特徴とする請求項7乃至10のうちいずれか記載の積層型圧電素子。
  12. Ib属金属がCuであることを特徴とする請求項7乃至11のうちいずれか記載の積層型圧電素子。
  13. 導体層中に無機成分を含有してなることを特徴とする請求項7乃至12のうちいずれか記載の積層型圧電素子。
  14. 無機成分が、圧電体層と同じ成分であることを特徴とする請求項13に記載の積層型圧電素子。
  15. 無機成分の平均粒径が、圧電体層の平均粒径よりも小さいことを特徴とする請求項13または14に記載の積層型圧電素子。
  16. 積層数が200層以上であることを特徴とする請求項1乃至15のうちいずれか記載の積層型圧電素子。
  17. 電界強度が1.5kV/mm以上であることを特徴とする請求項1乃至16のうちいずれか記載の積層型圧電素子。
  18. 噴射孔を有する収納容器と、該収納容器内に収容された請求項1乃至17のうちいずれか記載の積層型圧電素子と、該積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔から液体を噴出させるバルブとを具備してなることを特徴とする噴射装置。
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