JP2005190094A - 図面編集方法および装置 - Google Patents

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洋明 鈴木
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Abstract

【課題】図面認識のための時間と労力を大幅に削減でき、かつ信頼性を向上する。
【解決手段】入力した画像から寸法線を抽出する寸法線抽出部3、形状線を抽出する形状線抽出部、および文字と記号を抽出する文字・記号抽出部5を備える。図面認識統合制御部6はこれらの抽出手順とユーザによる確認・修正の手順を制御すると共に、該図面情報要素の抽出結果を統合し認識内容表示部7を介して外部出力装置9に表示する。ユーザによる表示内容の確認、修正入力は図面認識統合制御部6へ入力される。また、ユーザインタフェース機能をもつ認識内容確認・修正部8は、形状線・寸法線および文字・記号を抽出する際に用いる文字・記号データベース10と形状線・寸法線データベース11を、ユーザ入力に応じて更新する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、機械図面等の2値画像から寸法線、形状線及び文字・記号を認識・抽出して編集する方法と装置に関する。
近年、図面類のCAD(コンピュータエイデイッドデザイン)化が大幅に進んでいるが、特に古い機械図面は手書き図面が多く、その再利用のために図面入力装置のニーズが高まっている。これは、紙等に表現された地図や各種の設計図面を画像データとして取り込み、図面の文字、図形等の情報を認識処理して、例えばCADデータとして入力するものである。
しかし、実際には図面に描かれる図形データは複雑であり、かつ各種の文字・記号と製図規則に基づいて作成されているために、図面全体としての自動認識率は高くない。例えば、機械図面の場合は、図面情報に機械の形状線と寸法線、及び各種の文字・記号を含んでおり、これらを分別・認識する必要があるが、自動的に個々の図面構成要素に切り出して高精度に画像認識処理することが困難であった。また、逐次認識・抽出された図面情報の確認と修正のための時間と労力も多大であった。
この改善策として、例えば特許文献1では図面内の直線、円、楕円、矩形等の認識対象を指定し、その認識結果を描画された図形データと比較参照して図形の認識、抽出精度を向上させている。しかし、これは認識対象の図形要素を人手で種別指定する場合に限られ、また、対象図形の線素を認識開始する位置座標も人手で入力、指定する必要があるため、複雑かつ詳細な多数の図形要素が描画されている図面に適用する場合には、多くの手間が必要となる(例えば、特許文献1参照)。
また、認識対象を寸法線にした場合に、対象寸法線が描画されている矩形範囲を人手で指示選択し、寸法線を認識してその座標を抽出する図面の自動認識装置がある(特許文献2)。この装置の方法によれば、従来のオペレータが寸法線を1本ずつ認識処理する方法に比べてオペレータの負担が減少されて、かつ認識信頼性も向上させている。しかし、特許文献1の場合と同様に、複雑かつ詳細な多数の図形要素が描画されている図面に適用する場合には、認識対象の寸法線を指定入力する為の多くの手間や時間は避けられない。
特開平5−334384号公報(第7−8頁、第2、4図)
特開平7−93544号公報(第4−5頁、第1、3図)
図形認識の従来方法は、図面内の直線、円、楕円、矩形等の認識対象を指定し、人手で種別指定する場合に限られる。また、対象図形の線素を認識開始する位置座標も人手で指定する必要があるので、多数の図形要素が描画されている図面に適用する場合には、かなりの時間と労力が必要となる。また、認識対象を寸法線にした場合の従来方法でも、対象寸法線が描画されている矩形範囲を指示選択する必要があることから、その時間と労力を無視することはできない。
本発明の目的は、図面認識における対象選択のための時間と労力を大幅に削減でき、かつ認識、抽出での信頼性を向上する図面編集方法及び装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明は、図面の2値画像を入力し、該2値画像から寸法線と、形状線と、文字・記号の図面要素を認識して抽出し、抽出結果を図面認識情報として出力する図面編集方法において、最初に寸法線を認識して抽出し、次に形状線を認識して抽出し、最後に文字・記号を認識して抽出することを特徴とする。
また、前記形状線の認識は既に認識された寸法線を除外して行い、また前記文字・記号の認識は既に認識された寸法線及び/又は形状線との相対的位置関係に基いて行うことを特徴とする。
また、前記寸法線の認識は、寸法線と寸法補助線の交差条件によって異なる複数の交差パターンを予め定義し、前記2値画像から定義にあてはまる交差パターンの交点を抽出し、該交点を出発点として寸法線を探索することを特徴とする。前記複数の交差パターンは、単一の寸法線が交点において寸法補助線と結合しているケース1と、2つの寸法線が交点において互いに突き合わさって寸法補助線と結合しているケース2と、前記ケース1の交差パターンの2つが向かい合って寸法線で結合しているケース3とからなる。
また、前記2値画像から形状線を認識して抽出する場合に、曲線の切片形状に対応する方向ベクトルの組合わせにより曲線認識開始点を抽出し、該曲線認識開始点における曲線接線方向の線分ベクトルを探索して前記形状線の図形候補を円と楕円と矩形および自由曲線の中から決定することを特徴とする。
本発明の図面編集装置は、図面の2値画像を入力し、該2値画像から図面要素を認識して抽出する図面要素抽出部を有し、抽出結果を図面認識情報として出力する図面編集装置であって、前記図面要素の抽出を寸法線、形状線、文字・記号の順に制御すると共に、ユーザによる確認・修正の手順を制御する図面認識統合制御部を備えることを特徴とする。
また、ユーザによる確認・修正入力を前記図面認識統合制御部へ入力すると共に、前記2値画像から寸法線、形状線および文字・記号を抽出する際に用いるデータベースを更新するインタフェース機能を備えたことを特徴とする。
また、前記図面要素抽出部によるステップ毎の認識結果をそのつど外部出力装置に表示し、ユーザがそれぞれの認識結果の中に誤りがあると判断した場合にはその誤った表示部分を選択して訂正情報を入力可能とする対話型インタフェースを備えることを特徴とする。
また、前記寸法線の認識結果から得た寸法線長さに図形の縮尺を当てはめて算出した寸法数値と、前記寸法線に付随して記入されている寸法値の文字認識結果から抽出した寸法数値とを比較し、両者の数値にあらかじめ設定した閾値以上の不整合がある場合に、前記抽出した寸法数値を外部出力装置にて強調表示させる対話型インタフェースを備えることを特徴とする。
本発明によれば、図面認識における対象選択のための時間と労力を大幅に削減できる。また、ユーザとの対話機能を有して図面の認識及び抽出を実行するので、信頼性を向上できる効果がある。
本発明の図面編集装置は、図面を2値画像として入力し、この2値画像から寸法線、形状線、および文字・記号などの図面要素を抽出する図面要素抽出部(寸法線抽出部、形状線抽出部、文字・記号抽出部)を備える。また、図面要素の認識、抽出の手順の制御と、ユーザによる確認・修正の手順を制御する図面認識統合制御部を有する。さらに、ユーザによる外部出力装置の表示内容の確認、修正の入力を図面認識統合制御部へ入力すると共に、画像から寸法線、形状線および文字・記号を抽出する際に用いるデータベースを更新するインタフェース機能を持つ認識内容確認・修正部を有する。
図1は本発明の一実施例による図面の編集装置の構成を示している。図において、点線で囲まれた部分はプログラム内部での処理を示す。
画像入力装置1は紙などに書かれた図面を読み取り、電子化された画像として入力する。ここでは、入力された画像を0または1で表される2値化された画像(以下、2値画像データと称する)に変換する機能、ノイズ除去、傾き補正などの画像処理機能を有する。また、必要に応じて細線化情報、輪郭線情報、更にこれらをもとにした線分近似情報の抽出等、画像認識処理を行う。
画像記憶部2は入力され、画像認識処理された画像データが格納されている。寸法線抽出部3は画像記憶部2に格納された画像データ内にある寸法線を認識して抽出する。ここでは、形状線・寸法線データベース11に分類・格納されている3種類の寸法線、寸法補助線の結合関係およびそれらの相対的位置関係のデータを参照する。そして、寸法線、寸法補助線の線分をトレースして認識し、認識された寸法線および寸法補助線に一連番号を割付けし、寸法線、寸法補助線の接点種類と接点座標、および寸法線両端の座標を記憶する。
形状線抽出部4は画像記憶部2に格納された画像データ内にある形状線を認識して抽出する。ここでは形状線・寸法線データベース11に格納されている形状線データをもとに、形状線の線分をトレースして認識し、形状線の位置座標、長さ、太さ、種類(実線、破線等)等の情報を取得し、記憶する。また、形状線のトレース、認識に際しては、寸法線と形状線を分別するために、図面認識統合制御部6から与えられる、寸法線抽出部3での寸法線のトレース、認識結果の情報を用いる。
文字・記号抽出部5は画像記憶部2に格納された画像内にある文字と記号を認識して抽出する。ここでは文字・記号データベース10に格納されている文字と記号の種類、大きさ、図形データの相対的位置関係のデータ知識を用いて文字・記号を認識し、記憶する。また、必要により図面に応じた文字種の限定、辞書等の情報を利用して、文字・記号の認識を高精度化する。文字・記号の認識に際しては、文字と記号を分別して認識精度を向上させる。このために、図面認識統合制御部6から与えられる寸法線抽出部3での寸法線のトレース、認識結果、および形状線抽出部4での形状線のトレース、認識結果の情報を図形データの相対的位置関係の認識に用いる。
図面認識統合制御部6は、寸法線抽出部3での寸法線のトレース、及び形状線抽出部4での形状線のトレースにおいて、認識内容確認・修正部8を介して対話型インタフェース(ユーザ入力装置12)から入力されるユーザの確認・修正情報を取り込む。そして、寸法線と形状線の認識内容に反映し、寸法線と形状線のデータを抽出すると共に、文字・記号抽出部5での文字・記号の抽出結果を取り込み、それらを統合し、整合性を評価して結果を認識内容表示部7へ出力する。
認識内容表示部7は、寸法線抽出、形状線抽出の各プロセスにおける対話型インタフェースの入出力情報を逐次表示し、図面認識統合制御部6により与えられる認識・抽出済みの図形データと未認識図形を区別して、あるいは同時に外部出力装置9に入力する。
外部出力装置9は認識内容表示部7からの図面認識結果をディスプレイに表示し、紙面やCADデータ等に出力する。また、認識できなかった図形を示し、画像データとして出力する機能を有する。
認識内容確認・修正部8は、ユーザ入力装置12からのユーザによる確認・修正入力データを図面認識統合制御部6と、形状線・寸法線データベース11および文字・記号データベースに入力する。ここでは、対話型インタフェースにより、画像データの図面情報を自動で認識できなかった部分をユーザが追加して入力する機能を併せ持つ。
図2は図面の編集装置の全体の手順を示すフローチャートである。まず、図面の2値画像データを画像入力装置1で読込む(ステップ100)。読み込まれた画像は画像記憶部2に記憶される。
次に、入力した画像内にある寸法線を寸法線抽出部3により認識、抽出し、その結果を図面認識統合制御部6に入力する(ステップ101)。抽出結果は対話型インタフェースにより認識内容確認・修正部8を介して人手により確認、修正が可能である(ステップ102)。ユーザは、認識結果を評価して、必要に応じて画面上で認識内容を修正し、次のステップに移行する確認情報を入力する。
次に、入力した画像内にある形状線を形状線抽出部4により認識、抽出する(ステップ103)。形状線抽出部4では形状線の種類、長さ、太さ、位置を取り込み、図面認識統合制御部6に入力する。
抽出結果は対話型インタフェースにより認識内容確認・修正部8を介して人手により確認、修正が可能である(ステップ104)。ここでも、ユーザは認識結果を評価して、必要に応じて画面上で認識内容を修正し、次のステップに移行する確認情報を入力する。
次に、入力した画像内にある文字と記号を文字・記号抽出部5により認識、抽出する(ステップ105)。文字と記号の内容、大きさ、位置を取り込み、図面認識統合制御部6に入力する。抽出結果は、同様に対話型インタフェースにより確認、修正が可能である(ステップ106)。
ここで図面認識統合制御部6は、寸法線抽出結果と形状線抽出結果、および図面の縮尺データから図面に描画されている形状線の寸法数値を求め、それと文字・記号抽出結果による寸法数値の値を比較する。そして両者の整合性を確認し、結果は認識内容表示部7を介して外部出力装置9によりユーザに提示する。
以上に述べた、寸法線抽出、形状線抽出、文字・記号抽出の実行は必ずしもこの順番に限定されないが、以下に述べる理由からここに示す手順が最も適切であると考えられる。まず、寸法線と形状線の認識の順番は、形状特徴が把握しやすく誤認識の恐れが少ないと考えられる寸法線を最初に認識する。次に、寸法線を除いた図面上の線分は文字・記号と図面情報を記載している表を除いて、全て形状線とみなせるので、形状線の認識に入る。
最後に、文字・記号の認識を行う。ここでは先に認識している寸法線と形状線の情報を参照することにより、単独での文字・記号認識よりも認識率を高めることが可能である。たとえば、寸法線には数値情報が必ず付加されており、その記入位置もほぼ固定されている。形状線には仕上げ加工精度や勘合(はめあい)公差等を指定する工作記号が記入されている。これらの情報を活用することにより、認識すべき文字・記号情報を予め想定できるので、その認識が向上する。このように、本発明による図面の認識手順は比較的簡単に認識率を向上できる効果がある。
次に、寸法線、形状線の認識後に寸法線・形状線データベースに組み込まれている知識を追加・修正するかどうかを判定する(ステップ107)。認識結果は対話型インタフェース上で人手による確認、修正が可能で、この結果をもとに寸法線、形状線の認識に関する知識の追加・修正が必要な場合には、寸法線・形状線データベースの更新を行い(ステップ108)、認識精度向上を図る。
同様に、文字・記号の認識後に、文字・記号データベースの内容を追加・修正するかどうかを判定し(ステップ109)、必要と判定したら更新する(ステップ110)。このようにして得られた最終結果をディスプレイに表示し、CADデータ等に出力する(ステップ111)。この際、未認識図形を画像データとして同時表示することにより、認識漏れによるデータの欠落を防ぐことができる。
図3は対話型インタフェースの表示例を示す。図2の寸法線認識(ステップ101)の結果を受けて人手による確認・修正(ステップ102)を行う際の対話型インタフェースの表示例120である。認識開始点となる寸法線矢印の切片抽出結果と、矢印切片の認識もれをユーザが指定した例と、認識した寸法線を表示した例を示している。
ユーザは、まず寸法線矢印の認識済み表示121を確認し、その中に誤認識があれば指示入力し、矢印切片の抽出結果から除外する。また、フリッカ表示122に示されるように、矢印切片の認識漏れを認めた場合は指示入力し、矢印切片の抽出結果に追加する。つぎに、寸法線認識ステップの結果を表示させて、例えば寸法線と寸法補助線の認識済み表示123をユーザが確認し、誤認識および認識漏れがあればユーザの指示入力で訂正・追加する。
次に寸法線の認識について説明する。図4は寸法線抽出の3種類のパターンを示す説明図である。寸法線抽出部3により寸法線と寸法補助線を認識、抽出する際に用いる認識開始点の線分切片形状の分類を示すもので、寸法線と寸法補助線の交差条件によって異なる3種類の交点を示している。
交差条件141は、単一の寸法線153が交点151において寸法補助線152と結合している例であり、交点151の拡大図も示している。この例は寸法線153と寸法補助線152が矢印の先端153aで結合している。結合点位置を中心とした全周角度方向の画像ドット線分ベクトル(以下、方向ベクトル)の組み合わせは、水平軸右側方向を角度0として角度を定義した場合、角度が0とπと3π/2方向にのみ方向ベクトルが存在するとした線分切片形状で表現できる。
しかし、この分類による認識のみでは単なるT字形の線分切片形状も含まれてしまう。そこで、矢印形状に対応させた三角の切片先端153a、153b、153cの認識処理により寸法線の認識開始点を絞ることができる。なお、図面の種類により矢印形状が異なる場合には、その図面に対応させてカスタマイズした認識処理が必要となる。
交差条件142は、2つの寸法線154と157が交点155において寸法補助線156と結合している例である。その結合点位置を中心とした方向ベクトルの組み合せは、角度0、π/2、πおよび3π/2方向に方向ベクトルが存在するような線分切片形状になる。このケースにおいても矢印形状に対応させた三角の切片先端を認識することにより、より確実な寸法線の認識開始点を得ることができる。
交差条件143は、交差条件141のケースが向かい合って寸法線160で結合しているケースを示す。この例においても、寸法線と寸法補助線の一方の線分切片形状は、その結合点位置を中心として、角度0、π/2、πおよび3π/2方向に方向ベクトルが存在するような形状になる。ここでは、寸法線161aと対向する寸法線160には矢羽がない点が交差条件142と異なるので、矢羽形状の認識有無により交差条件142と交差条件143を区別可能である。
なお、寸法線と寸法補助線の向きを特定の方向にとった例で認識処理内容を説明したが、一般の図面における任意の寸法線方向を有する場合でも、その方向に合わせて向きを回転させれば、ここで述べた寸法線と寸法補助線の3種類の交点を適用可能である。
図5は寸法補助線と形状線の区別に用いる分別情報の例を示すものである。寸法線抽出部3は、寸法線172と寸法補助線171の交点173を線分認識の出発点として、寸法補助線の線分をトレース(点線174で示す)する。トレースした線分174が形状線175との接続点176に達すると、図示のように矢印切片ではなく直角形状の切片を認識した場合に寸法補助線171のトレースを中止する。または、形状線に特徴的な切片を認識して、形状線線分に接続していると認識するか、あるいは寸法線と形状線の接続点にあるギャップを認識した場合にも、寸法補助線171のトレースを中止する。
図6は寸法線と寸法補助線を認識・抽出する手順の詳細を示したフローチャートである。この手順は寸法線抽出部3と図面認識統合制御部6、および認識内容確認・修正部8によって処理される。
まず、寸法線抽出部3では、画像データを読み込んで寸法線認識の開始点となる寸法線と寸法補助線の交点すなわち、図4で示した3種類の線分切片形状に当てはまる2値画像ドット成分を探索する。ここでは方向ベクトルの組み合わせを探索する一次探索と、その結果を更に矢印探索で絞る二次探索からなる(ステップ200)。
次に、ステップ200で探索・抽出した寸法線認識開始点の情報を、図面認識統合制御部6を介した外部出力装置9にて、図4に示したように認識対象の図面上で丸(又は矩形)で囲んで表示、あるいはハイライト表示する。そして、対話型インタフェースにより、ユーザによる表示情報の確認・修正の入力を受けて、その結果を認識内容確認・修正部8で取り込む(ステップ201)。
次に、認識した一連番号の順に図面上の寸法線認識開始点の座標を取り込み、寸法補助線および寸法線の線分探索の起点座標として設定する(ステップ202)。以下、該起点座標から寸法線矢印方向の向かって左側の寸法補助線、向かって右側の寸法補助線の線分探索をそれぞれの端点まで繰り返す(ステップ203、204)。なお、この例では左側から右側の順で寸法補助線の線分探索したが、この順番は必須ではない。
ステップ202からステップ204を全ての寸法線認識開始点の座標について繰り返す。この処理を終了すると(ステップ205)、その結果を、寸法線認識開始点の情報と同様に外部出力装置9にて表示し、対話型インタフェースによりユーザによる確認・修正を受ける(ステップ206)。
次に、寸法補助線の場合と同様に寸法線認識開始点を、寸法線の線分探索の起点座標として設定し(ステップ210)、該起点座標から寸法線矢印方向と逆方向に遡って寸法線の線分探索を繰り返す。探索した線分の先端が他の寸法線認識開始点(他切片と称す)の近傍に近くなったら寸法線の終端と認識する(ステップ211)。ここで、他の寸法線認識開始点の近傍と判定する距離は、数ドット程度に設定すれば実用上問題ないと考えられる。
次に、寸法線矢羽が接続している寸法線認識開始点の切片形状が対向している場合(図4に示す交差条件142)、ステップ211と同様に、対向している寸法線の線分探索を繰り返す。探索した線分の先端が他切片の近傍に近くなったら、対向している寸法線の終端と認識する(ステップ212)。
寸法線認識開始点の切片形状として、矢印方向に延びている寸法線を挟んで2つの切片が対向している場合は(図4に示す交差条件143)、それぞれ切片158aと切片158bを独立した寸法線認識開始点とする。寸法線の探索方向は寸法線矢印の進行方向とその逆方向の2方向なり、それぞれの寸法線の線分探索を繰り返す。
最後に、探索した寸法線、寸法補助線の認識開始点座標、認識開始点の種類、認識一連番号などの結果を整理し、記憶する(ステップ213)。
ステップ210からステップ213を全ての寸法線認識開始点の座標について繰り返す。終了すると(ステップ214)、その結果を、寸法補助線の情報と同様に認識内容表示部7を介して外部出力装置9にて表示し、対話型インタフェースによりユーザによる確認・修正を受ける(ステップ215)。ここでは、ユーザがそれぞれの認識結果の中に誤りがあると判断した場合に、その誤った表示部分を選択して訂正情報を入力可能とし、最終的にCAD化情報を作成するか否かをユーザに判断させる。
図7は円弧の認識方法を示す。形状線抽出部4における形状線認識の一例に、曲線多角形近似による円弧の認識、抽出の方法がある。図示のように、円弧の曲線は多角形によって近似される。以下では、その際に用いる認識開始点の線分切片形状の抽出例を示す。
曲線多角形近似の認識開始点301を含む切片形状303は、円弧の場合は、2値画像データによる曲線の全方位の方向ベクトルを組み合わせて、円弧底部の形状を近似したものである。切片形状303の拡大図に示すように、円弧300の底部形状を近似する逆八字の接線ベクトルについては最小長さ以上とする制限、方向ベクトル310のように円弧形状に沿わない方向ベクトルには円弧線幅を考慮した長さ以下とする制限をそれぞれ設定する。また、中心線に重なる3π/2方向の方向ベクトルについても最小長さの制限を設ける。
図8は形状線の一例として曲線を認識・抽出する手順を示したフローチャートである。形状線抽出部4では、まず、画像データを読み込んで曲線認識の開始点となる形状線の曲線近似線分の切片、すなわち、円弧探索の場合は図7で示した円弧底辺の切片形状に当てはまるような2値画像ドット成分を探索する。ここでの探索は方向ベクトルの組合わせを探索する一次探索と、その結果から更に曲線接線方向の線分ベクトルの試探索で、円、楕円、矩形の各図形候補を絞る二次探索からなる(ステップ350)。この試探索により図形候補を絞って形状を予め想定することにより、本探索過程での形状の同定が容易となり、誤認識が少なくなる。
次に、ステップ350で探索・抽出した曲線認識開始点の情報を図面認識統合制御部6から取り込んで、認識内容表示部7を介した外部出力装置9にて、該曲線認識開始点を表示する。図7に示したように、認識対象の図面上で丸(又は矩形)で囲んで各図形候補別に色分け表示、あるいはハイライト表示し、対話型インタフェースによりユーザによる表示情報の確認・修正の入力を受けて、その入力を認識内容確認・修正部8で取り込む(ステップ351)。
次に、曲線認識開始点の情報から認識した各図形候補別にその図面上の座標を取り込んで一連番号を付与し、曲線の線分探索の起点座標として設定する(ステップ352)。以下、該起点座標から曲線接線の垂直方向に向かって正側(線分方向が水平軸右側方向)の曲線、これと逆側の曲線の線分探索をそれぞれの端点まで繰り返す(ステップ353、354)。なお、この例では正側からその逆側の順で曲線の線分探索を説明したが、その順番は必須ではなく、逆の順でもよい。
次に、以上に探索した曲線認識開始点の座標、曲線認識開始点の種類、認識一連番号、曲線多角形近似の線分座標、および線分座標全体の集合について、それらを各種図形曲線で表現した場合の誤差を評価して認識した図形曲線を決定する。そして、それら曲線の抽出結果をCAD化情報に容易に変換可能な数式パラメータとして整理記憶する(ステップ355)。
ステップ352からステップ355を全ての曲線認識開始点の座標について繰り返す。終了すると(ステップ356)、それらの認識・抽出した曲線の情報を認識内容表示部7を介して外部出力装置9にて表示し、対話型インタフェースによりユーザの確認・修正を受ける(ステップ357)。ユーザがそれぞれの認識結果の中に誤りがあると判断した場合に、その誤った表示部分を選択して訂正情報を入力可能とし、最終的にCAD化情報を作成するか否かをユーザに判断させる。
本実施例における対話型インタフェース機能については、図2の説明で図面認識処理のステップ毎に処理内容をユーザが確認・修正する旨を述べ、かつ図3で具体例を説明したが、これらの要点を示すと以下のようになる。
ユーザによる確認・修正はそのつど外部出力装置にて表示する。対象図面における寸法線認識処理の開始点となる寸法線と寸法補助線の交点を抽出した結果、寸法補助線を認識した結果、寸法線を認識した結果を表示する。また、形状線の認識開始点となる曲線認識開始点を抽出した結果、形状線を認識した結果、および文字と記号を認識した結果をそのつど外部出力装置にて表示する。ユーザは、それぞれの認識結果の中に誤りがあると判断した場合には、その誤った表示部分を選択して訂正情報を入力可能とし、各ステップの認識結果の中に誤りがないか又は認識結果が正しく訂正されたか否かを、そのつど判断して次のステップに進む。なお、最終的にCAD化情報を作成するか否かはユーザが判断することにしている。
図9は対話型インタフェース機能の一例として、図面認識結果の不整合点を明示する表示例を示す。図面認識統合制御部6は、寸法線抽出部3の抽出結果と形状線抽出部4の抽出結果と図面の縮尺データから図面に描画されている形状線の寸法数値を求め、この値と寸法線に付随記入されている寸法数値の文字認識結果から得た寸法数値を比較する。両者の数値にあらかじめ設定した閾値以上の不整合がある場合に、該寸法数値を認識内容表示部7を介して外部出力装置9により強調表示させる。
図9に示す機械図面の表示例では、円弧402の直径を示す寸法線403の長さとその外側にある半円の寸法線404の長さは共に寸法数値と整合している。しかし、その外部にある寸法線400の長さはその寸法数値405と整合していないので、その数値表示をフリッカさせて強調している。この表示内容を参照して、ユーザは図面の作図を修正するか、あるいは寸法数値を訂正記入することができる。
本発明による図面編集方法及び装置は、図面を読み込みその画像データを図面要素で認識抽出し、図面認識情報として出力するもので、CADシステムに適用できる。これによれば、図面認識、描画抽出でのユーザによる認識対象選択と結果確認の時間と労力を大幅に削減できる。従って、ビデオ画像の自動認識、画像理解のニーズにも応用できる可能性がある。
本発明の一実施の形態による図面の編集可能化装置の構成図。 本発明の一実施の形態による図面の編集可能化方法のフローチャート。 人手による確認・修正の表示例の説明図。 一実施例による寸法線認識開始点の線分切片形状の分類を示す説明図。 寸法補助線を抽出する際の分別方法の説明図。 一実施例による寸法線抽出手順のフローチャート。 形状線認識開始点の線分切片形状を示す説明図。 一実施例による形状線抽出手順のフローチャート。 図面認識結果の不整合点を明示する表示例の説明図。
符号の説明
1…画像入力装置、2…画像記憶部、3…寸法線抽出部、4…形状線抽出部、5…文字・記号抽出部、6…図面認識統合制御部、7…認識内容表示部、8…認識内容確認・修正部、9…外部出力装置、10…文字・記号データベース、11…形状線・寸法線データベース、12…ユーザ入力装置。

Claims (9)

  1. 図面の2値画像を入力し、該2値画像から寸法線と、形状線と、文字・記号の図面要素を認識して抽出し、抽出結果を図面認識情報として出力する図面編集方法において、
    最初に寸法線を認識して抽出し、次に形状線を認識して抽出し、最後に文字・記号を認識して抽出することを特徴とする図面編集方法。
  2. 請求項1において、前記形状線の認識は既に認識された寸法線を除外して行い、また前記文字・記号の認識は既に認識された寸法線及び/又は形状線との相対的位置関係に基いて行うことを特徴とする図面編集方法。
  3. 請求項1または2において、前記寸法線の認識は、寸法線と寸法補助線の交差条件によって異なる複数の交差パターンを予め定義し、前記2値画像から定義にあてはまる交差パターンの交点を抽出し、該交点を出発点として寸法線を探索することを特徴とする図面編集方法。
  4. 請求項3において、前記複数の交差パターンは、単一の寸法線が交点において寸法補助線と結合しているケース1と、2つの寸法線が交点において互いに突き合わさって寸法補助線と結合しているケース2と、前記ケース1の交差パターンの2つが向かい合って寸法線で結合しているケース3とからなることを特徴とする図面編集化方法。
  5. 請求項1または2において、前記2値画像から形状線を認識して抽出する場合に、曲線の切片形状に対応する方向ベクトルの組合わせにより曲線認識開始点を抽出し、該曲線認識開始点における曲線接線方向の線分ベクトルを探索して前記形状線の図形候補を円と楕円と矩形および自由曲線の中から決定することを特徴とする図面編集方法。
  6. 図面の2値画像を入力し、該2値画像から図面要素を認識して抽出する図面要素抽出部を有し、抽出結果を図面認識情報として出力する図面編集装置において、
    前記図面要素の抽出を寸法線、形状線、文字・記号の順に制御すると共に、ユーザによる確認・修正の手順を制御する図面認識統合制御部を備えることを特徴とする図面編集装置。
  7. 請求項6において、ユーザによる確認・修正入力を前記図面認識統合制御部へ入力すると共に、前記2値画像から寸法線、形状線および文字・記号を抽出する際に用いるデータベースを更新するインタフェース機能を備えたことを特徴とする図面編集装置。
  8. 図面の2値画像を入力し、該2値画像から寸法線、形状線、文字・記号などの図面要素をそれぞれ認識して抽出する図面要素抽出部を有し、抽出結果を統合して編集可能な図面認識情報として出力する図面編集装置であって、
    前記図面要素抽出部によるステップ毎の認識結果をそのつど外部出力装置に表示し、ユーザがそれぞれの認識結果の中に誤りがあると判断した場合にはその誤った表示部分を選択して訂正情報を入力可能とする対話型インタフェースを備えることを特徴とする図面編集装置。
  9. 図面の2値画像を入力し、該2値画像から寸法線、形状線、文字・記号などの図面要素をそれぞれ認識して抽出する図面要素抽出部2を有し、抽出結果を統合して編集可能な図面認識情報として出力する図面編集装置であって、
    前記寸法線の認識結果から得た寸法線長さに図形の縮尺を当てはめて算出した寸法数値と、前記寸法線に付随して記入されている寸法値の文字認識結果から抽出した寸法数値とを比較し、両者の数値にあらかじめ設定した閾値以上の不整合がある場合に、前記抽出した寸法数値を外部出力装置にて強調表示させる対話型インタフェースを備えることを特徴とする図面編集装置。
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