JP2005188304A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 NOx吸蔵剤に吸蔵されているSOxの量をできるだけ正確に求められる排気浄化装置を提供する。
【解決手段】 NOx触媒25がそこに流入する排気ガスの空燃比がリーンであってNOx触媒が活性状態にあると排気ガス中のSOxを第1の形で吸蔵すると共に、そこに流入する排気ガスの空燃比がリーンであってNOx触媒が非活性状態にあると排気ガス中のSOxを第2の形で吸蔵する。NOx触媒に吸蔵されているトータルのSOxの量として、第1の形で吸蔵されているSOxの量と第2の形で吸蔵されているSOxの量との和を用いる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
特許文献1に、吸蔵型NOx触媒を備えた排気浄化装置が開示されている。ここでの吸蔵型NOx触媒は、内燃機関の排気通路内に配置され、内燃機関から排出される排気ガスの空燃比が理論空燃比よりもリーン(以下単に「リーン」という)であると、排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を吸蔵し、内燃機関から排出される排気ガスの空燃比が理論空燃比または理論空燃比よりもリッチ(以下単に「リッチ」という)となると、吸蔵しているNOxを還元する。
特許文献1にも記載されているように、こうした吸蔵型NOx触媒は、内燃機関から排出される排気ガスの空燃比がリーンであると、排気ガス中の硫黄酸化物(SOx)をも吸蔵してしまう。このようにNOx触媒にSOxが吸蔵されると、吸蔵されたSOxの分だけ、NOx触媒が吸蔵可能なNOxの量が少なくなってしまう。そこで、NOx触媒が吸蔵可能なNOxの量をできるだけ多く維持しておくために、特許文献1では、NOx触媒に吸蔵されているSOxの量が或る程度の量に達したときに、NOx触媒の温度を高温にすると共にNOx触媒に流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比またはリッチとするようにしている。このようにNOx触媒の温度が高温になり且つNOx触媒に理論空燃比またはリッチの排気ガスが供給されると、NOx触媒からSOxが除去される。
ところで、特許文献1では、上述したように、NOx触媒に吸蔵されているSOxの量が或る程度の量に達したときに、NOx触媒からSOxを除去するようにしているが、NOx触媒に吸蔵されているSOxの量は、NOx触媒に流入する排気ガスの空燃比と、内燃機関の燃焼室に供給される燃料に含まれる硫黄成分(S)の量と、NOx触媒の温度とを考慮して推定するようにしている。すなわち、NOx触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンであるときには、理論空燃比またはリッチであるときに比べて、NOx触媒にSOxが吸蔵されやすいことから、特許文献1では、NOx触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンであるときのほうが理論空燃比またはリッチであるときよりも、NOx触媒に吸蔵されるSOxの量が多くなるとしている。
また、内燃機関の燃焼室に供給される燃料に含まれている硫黄成分が多いほど、NOx触媒に吸蔵されるSOxの量も多くなることから、特許文献1では、燃料に含まれている硫黄成分が多いほど、NOx触媒に吸蔵されるSOxの量が多くなるとしている。さらに、NOx触媒の温度が高いほど、NOx触媒からはSOxが除去されやすくなる(別の見方をすれば、NOx触媒の温度が低いほど、NOx触媒にSOxが吸蔵されやすくなる)ことから、特許文献1では、NOx触媒の温度が低いほど、NOx触媒に吸蔵されるSOxの量が多くなるとしている。
特開2000−51662号公報 特開平6−66129号公報 特開2002−89246号公報
ところで、従来、排気ガス中のSOxは、NOx触媒の温度がその活性温度(特に、NOx触媒に担持されている貴金属触媒が活性する温度)以上となっているときに、NOx触媒のNOx吸蔵剤に吸蔵されると考えられていた。しかしながら、本発明者の研究により、NOx触媒の温度がその活性温度に達していなくても、NOx触媒のNOx吸蔵剤にSOxが吸蔵されることが見出された。
そこで、本発明の目的は、本発明者により見出された事実を利用してNOx吸蔵剤に吸蔵されているSOxの量をできるだけ正確に求められる排気浄化装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、1番目の発明では、流入する排気ガスの空燃比がリーンであるときにNOxを吸蔵するNOx触媒を機関排気通路に具備する内燃機関の排気浄化装置において、上記NOx触媒が該NOx触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンであって該NOx触媒が活性状態にあると排気ガス中のSOxを第1の形で吸蔵すると共に、該NOx触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンであって該NOx触媒が非活性状態にあると排気ガス中のSOxを第2の形で吸蔵し、該NOx触媒に吸蔵されているトータルのSOxの量として、第1の形で吸蔵されているSOxの量と第2の形で吸蔵されているSOxの量との和を用いる。
2番目の発明では、1番目の発明において、上記NOx触媒は該NOx触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンであって該NOx触媒が活性状態にあるときには排気ガス中のSOxを硫酸塩の形で吸蔵すると共に、該NOx触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンであって該NOx触媒が非活性状態にあるときには排気ガス中のSOxをSOまたは亜硫酸イオンまたは亜硫酸塩の形で吸蔵する。
3番目の発明では、1番目の発明において、上記NOx触媒は該NOx触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンであって該NOx触媒が活性状態にあるときには排気ガス中のSOxを該NOx触媒の内部に吸蔵すると共に、該NOx触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンであって該NOx触媒が非活性状態にあるときには排気ガス中のSOxを主に該NOx触媒の表面に吸蔵する。
4番目の発明では、1〜3番目の発明のいずれか1つにおいて、上記NOx触媒に吸蔵されているトータルのSOxの量が予め定められた量を超えたときに、該NOx触媒の温度を予め定められた温度以上とし且つ該NOx触媒に流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比またはリッチとすることによって該NOx触媒からSOxを除去するSOx除去処理を行う。
5番目の発明では、4番目の発明において、上記SOx除去処理の実行期間と、上記SOx除去処理における上記予め定められた温度と、上記SOx除去処理における上記NOx触媒に流入する排気ガスの空燃比との少なくとも1つを、第1の形で吸蔵されたSOxの量と、第2の形で吸蔵されたSOxの量とに応じて制御する。
6番目の発明では、1〜5番目の発明において、上記NOx触媒が非活性状態から活性状態に移行すると、第2の形で吸蔵されているSOxが第1の形で吸蔵される。
本発明によれば、NOx吸蔵剤に吸蔵されているトータルのSOxの量を求める際に、NOx吸蔵剤が非活性状態にあるときにNOx吸蔵剤に吸蔵されたSOxをも考慮されるので、NOx吸蔵剤に吸蔵されているトータルのSOxの量がより正確に求められる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の排気浄化装置を備えた4ストローク圧縮着火式の内燃機関を示している。図1において、1は機関本体、2はシリンダブロック、3はシリンダヘッド、4はピストン、5は燃焼室、6は電気制御式の燃料噴射弁、7は吸気弁、8は吸気ポート、9は排気弁、10は排気ポートを夫々示している。吸気ポート8は、対応する吸気枝管11を介してサージタンク12に連結されている。サージタンク12は、吸気ダクト13およびインタークーラ14を介して過給機(例えば、排気ターボチャージャ)15のコンプレッサ16の出口部に連結されている。コンプレッサ16の入口部は、空気吸込管17を介してエアクリーナ18に連結されている。空気吸込管17内には、ステップモータ19により駆動されるスロットル弁20が配置されている。また、スロットル弁20上流の空気吸込管17内には、吸入空気の質量流量を検出するための質量流量検出器21が配置されている。
一方、排気ポート10は、排気マニホルド22を介して排気ターボチャージャ15の排気タービン23の入口部に連結されている。排気タービン23の出口部は、排気管24を介してNOx触媒25を内蔵した触媒コンバータ26に連結されている。
NOx触媒25は、図2(A)および図2(B)に示されている。図2(A)はNOx触媒25の端面図であり、図2(B)はNOx触媒25の縦断面図である。NOx触媒25は、コージェライト等の多孔質材料からなるハニカム基材にアルミナからなる担体層を形成し、この担体層に、NOx吸蔵剤と貴金属触媒とを担持させたものである。図示したように、NOx触媒25は、互いに平行に延びる複数のセル60を有する。これらセル60は隔壁61によって画成されており、これらセル60内を排気ガスが通る。また、NOx吸蔵剤は、例えば、アルカリ金属(例えば、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、セシウム(Cs))、アルカリ土類(例えば、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca))、希土類(例えば、ランタン(La)、イットリウム(Y))から選ばれた少なくとも1つである。一方、貴金属触媒は、例えば、白金(Pt)のような貴金属である。
NOx吸蔵剤は、NOx触媒25に流入する排気ガスの空燃比(排気ガスの空燃比をA/Feとし、燃料噴射弁6から噴射される燃料の量をQとし、燃焼室5内に吸入される空気の量をGaとすると、A/Fe=Ga/Q)がリーンであると、排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を吸蔵し、NOx触媒に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比またはリッチとなると、吸蔵しているNOxを、排気ガス中の未燃炭化水素(未燃HC)や一酸化炭素(CO)を還元剤として還元する。
また、触媒コンバータ26の上流側において排気マニホルド22には、空燃比センサ(以下「上流側空燃比センサ」という)27aが配置されている。一方、触媒コンバータ26の下流側において排気管28には、空燃比センサ(以下「下流側空燃比センサ」という)27bが配置される。
触媒コンバータ26の出口部に連結された排気管28とスロットル弁20下流の空気吸込管17とは、排気ガス再循環(以下「EGR」という)通路29を介して互いに連結されている。EGR通路29内には、ステップモータ30によって駆動されるEGR制御弁31が配置されている。また、EGR通路29内には、EGR通路29内を流れる排気ガス(以下「EGRガス」ともいう)を冷却するためのインタークーラ32が配置されている。図1に示した例では、機関冷却水がインタークーラ32内に導かれ、この機関冷却水によってEGRガスが冷却される。
一方、燃料噴射弁6は、燃料供給管33を介して燃料リザーバ(いわゆる、コモンレール)34に連結されている。コモンレール34内へは、電気制御式の吐出量可変な燃料ポンプ35から燃料が供給される。コモンレール34内に供給された燃料は、各燃料供給管33を介して燃料噴射弁6に供給される。コモンレール34には、コモンレール34内の燃料圧を検出するための燃料圧センサ36が取り付けられる。コモンレール34内の燃料圧が目標燃料圧となるように、燃料圧センサ36の出力信号に基づいて、燃料ポンプ35の吐出量が制御される。
電子制御ユニット40はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス41によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)42、RAM(ランダムアクセスメモリ)43、CPU(マイクロプロセッサ)44、入力ポート45、および、出力ポート46を具備する。質量流量検出器21の出力信号は、対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。上流側空燃比センサ27a、下流側空燃比センサ27b、および、燃料圧センサ36の出力信号も、夫々対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。アクセルペダル50には、アクセルペダル50の踏込量Lに比例した出力電圧を発生する負荷センサ51が接続される。負荷センサ51の出力電圧は、対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。また、入力ポート45には、クランクシャフトが、例えば、30°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ52が接続される。一方、出力ポート46は、対応する駆動回路48を介して燃料噴射弁6、スロットル弁制御用ステップモータ19、EGR制御弁制御用ステップモータ30、および、燃料ポンプ35に接続される。
ところで、従来、上述したようなNOx触媒のNOx吸蔵剤が排気ガス中のNOxを吸蔵するのは、NOx触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンであって且つNOx触媒の温度(特に、貴金属触媒の温度)がその活性温度以上であるときであると考えられていた。言い換えれば、従来、NOx触媒25に流入する排気ガスの空燃比がリーンであっても、NOx触媒の温度がその活性温度以上でなければ、NOx吸蔵剤はNOxを吸蔵しないものと考えられていた。
ところが、本発明者が研究を重ねた結果、NOx触媒の温度がその活性温度以下であっても、排気ガス中にNOの形で含まれているNOxは、NOx吸蔵剤に吸蔵されることを見出した。このことを詳細に考察したところ、以下のような推論に達した。
すなわち、NOx触媒の温度がその活性温度以上である場合には、図3(A)に示されているように、排気ガス中のNOxの大部分を占めるNOが貴金属触媒PtによってNOに酸化せしめられ、さらに、このNOが硝酸塩(例えば、NOx吸蔵剤がカリウム(K)を主成分としている場合には、KNO)の形でNOx吸蔵剤に吸蔵されるものと考えられる。もちろん、排気ガス中に元々含まれていたNOも硝酸塩の形でNOx吸蔵剤に吸蔵されるものと考えられる。したがって、以下の説明では、硝酸塩の形でNOx吸蔵剤に吸蔵されているNOxを「活性吸蔵NOx」ともいう。
なお、NOxが硝酸塩の形でNOx吸蔵剤に吸蔵される場合、硝酸塩は、NOx吸蔵剤の内部に吸蔵されるのか、それとも、NOx吸蔵剤の表面近傍にのみ吸蔵されるのかは定かではないが、本発明者は、NOx吸蔵剤の内部(もちろん、この場合、NOx吸蔵剤の表面近傍も含まれる)に吸蔵されるものと考えている。
一方、NOx触媒の温度がその活性温度以下である場合、図3(B)に示されているように、排気ガス中のNOがNOのままの形、あるいは、亜硝酸塩の形、あるいは、亜硝酸イオンの形でNOx吸蔵剤に吸蔵されるものと考えられる。すなわち、NOx触媒が非活性状態にあることから、NOは硝酸塩の形でNOx吸蔵剤に吸蔵されないが、NOの形、あるいは、亜硝酸塩の形、あるいは、亜硫酸イオンの形(以下これらの形を代表して「NOの形」とも表現する)でNOx吸蔵剤に吸蔵されるものと考えられる。したがって、以下の説明では、NOの形、あるいは、亜硝酸塩の形、あるいは、亜硝酸イオンの形でNOx吸蔵剤に吸蔵されているNOxを「非活性吸蔵NOx」ともいう。
なお、NOxがNOの形、あるいは、亜硝酸塩の形、あるいは、亜硝酸イオンの形でNOx吸蔵剤に吸蔵される場合、NOは、NOx吸蔵剤の内部に吸蔵されるのか、それとも、NOx吸蔵剤の表面近傍にのみ吸蔵されるのか、あるいは、NOx吸蔵剤の表面に吸蔵されるのかは定かではないが、本発明者は、NOx吸蔵剤の表面に吸蔵されるものと考えている。
また、本明細書において、NOxがNOx吸蔵剤に化学的な結合によりNOx吸蔵剤に吸蔵されるのか、あるいは、物理的な結合によりNOx吸蔵剤に吸蔵されるのかはあまり重要ではなく、また、NOxが吸収によりNOx吸蔵剤に吸蔵されるのか、あるいは、吸着によりNOx吸蔵剤に吸蔵されるかもあまり重要ではない。本明細書において、「吸蔵」とは、単に、NOx吸蔵剤にNOxが留まっている状態を意味する。
ところで、従来から、上述したようなNOx触媒のNOx吸蔵剤は、NOx触媒25に流入する排気ガスの空燃比がリーンであって且つNOx触媒の温度(特に、貴金属触媒の温度)がその活性温度以上であると、排気ガス中のSOxをも吸蔵してしまうことが知られている。ところが、NOx触媒の温度がその活性温度以下であっても、NOx触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンであると、NOx触媒にNOxが吸蔵される場合と同様の形で、NOx触媒にSOxが吸蔵されることも判明した。
すなわち、詳細に説明すると、NOx触媒の温度がその活性温度以上である場合には、図4(A)に示されているように、排気ガス中のSOx(これらSOxのうちの大部分は、SOであるので、以下の説明では、SOxを代表し且つSOxと同義で「SO」と表現することもある)が貴金属触媒PtによってSOに酸化せしめられ、さらに、このSOが硫酸塩(例えば、NOx吸蔵剤がカリウム(K)を主成分としている場合には、KSO)の形でNOx吸蔵剤に吸蔵されるものと考えられる。したがって、以下の説明では、硫酸塩の形でNOx吸蔵剤に吸蔵されているSOxを「活性吸蔵SOx」ともいう。
なお、SOxが硫酸塩の形でNOx吸蔵剤に吸蔵される場合、硫酸塩は、NOxが硝酸塩の形でNOx吸蔵剤に吸蔵される場合と同様に、NOx吸蔵剤の内部に吸蔵されるのか、それとも、NOx吸蔵剤の表面近傍にのみ吸蔵されるのかは定かではないが、本発明者は、NOx吸蔵剤の内部(もちろん、この場合、NOx吸蔵剤の表面近傍も含まれる)に吸蔵されるものと考えている。
一方、NOx触媒の温度がその活性温度以下である場合、図4(B)に示されているように、排気ガス中のSOがSOのままの形、あるいは、亜硫酸塩の形、あるいは、亜硫酸イオンの形でNOx吸蔵剤に吸蔵されるものと考えられる。すなわち、NOx触媒が非活性状態にあることから、SOは硫酸塩の形でNOx吸蔵剤に吸蔵されないが、SOの形、あるいは、亜硫酸塩の形、あるいは、亜硫酸イオンの形(以下これらの形を代表して「SOの形」とも表現する)で、NOx吸蔵剤に吸蔵されるものと考えられる。したがって、以下の説明では、SOの形、あるいは、亜硫酸塩の形、あるいは、亜硫酸イオンの形でNOx吸蔵剤に吸蔵されているSOxを「非活性吸蔵SOx」ともいう。
なお、SOxがSOの形、あるいは、亜硫酸塩の形、あるいは、亜硫酸イオンの形でNOx吸蔵剤に吸蔵される場合、SOは、NOx吸蔵剤の内部に吸蔵されるのか、それとも、NOx吸蔵剤の表面近傍にのみ吸蔵されるのか、あるいは、NOx吸蔵剤の表面に吸蔵されるのかは定かではないが、本発明者は、NOx吸蔵剤の表面に吸蔵されるものと考えている。
ところで、上述したように、本発明の実施の形態では、排気ガスの空燃比がリーンである間は、NOx触媒25に排気ガス中のNOxを吸蔵しておく。ここで、NOx触媒25が吸蔵可能なNOxの量には限界があり、NOx触媒25に吸蔵されているNOxの量がNOx触媒25が吸蔵可能なNOxの最大量を超えてしまうと、もはや、NOx触媒25はNOxを吸蔵できなくなってしまう。
そこで、本実施形態では、まず、次式(1)に従って、NOx触媒25が吸蔵しているトータルのNOx量(以下「トータルNOx量」という)NOXtotalを算出する。
NOXtotal=NOXhigh+NOXlow …(1)
ここで、「NOXhigh」は、硝酸塩の形でNOx吸蔵剤に吸蔵されているNOx(活性吸蔵NOx)の量であり、「NOXlow」は、NOの形でNOx吸蔵剤に吸蔵されているNOx(非活性吸蔵NOx)の量である。
そして、本発明の実施形態では、このトータルNOx量NOXtotalがNOx触媒25が吸蔵可能なNOxの最大量を超える前に、NOx触媒25に理論空燃比またはリッチの排気ガスを供給する。このように、NOx触媒25に理論空燃比またはリッチの排気ガスが供給され、このとき、NOx触媒25の温度が活性温度以上となっていれば、図5(A)に示されているように、活性吸蔵NOxがNOx吸蔵剤から放出される。そして、こうして放出されたNOxは、排気ガス中の未燃HCやCOを還元剤として、還元浄化される。また、このとき、図5(B)に示されているように、非活性吸蔵NOxもNOx吸蔵剤から放出され、これも、排気ガス中の未燃HCやCOを還元剤として、還元浄化される。
なお、本発明の実施形態では、上式(1)のNOXhighは、NOx触媒25の温度が活性温度以上であるときに次式(2)に従って算出される値であり、上式(1)のNOXlowは、NOx触媒25の温度が活性温度以下であるときに次式(3)に従って算出される値である。
NOXhigh=ΔNOX×K1 …(2)
NOXlow=ΔNOX×K2 …(3)
ここで、「ΔNOX」は、単位時間当たり(あるいは、単位機関回転数当たり)に内燃機関から排出されるNOx量である。また、「K1」は、NOx触媒25の温度が活性温度以上であるときに内燃機関から排出されるNOxのうちNOx吸蔵剤に硝酸塩の形で吸蔵されるNOxの割合であり、図6に示されているように、NOx吸蔵剤の飽和率Rが比較的小さい間は或る一定の大きい値K1high(≒1.0)をとるが、NOx吸蔵剤の飽和率Rが或る一定値αを超えると徐々に小さくなり、NOx吸蔵剤の飽和率が100%となると零になる値である。また、「K2」は、NOx触媒25の温度が活性温度以下であるときに内燃機関から排出されるNOxのうちNOx吸蔵剤にNOの形で吸蔵されるNOxの割合であり、NOx吸蔵剤の飽和率Rが比較的小さい間は或る一定の大きい値K2high(<1.0)をとるが、NOx吸蔵剤の飽和率Rが或る一定値αを超えると徐々に小さくなり、NOx吸蔵剤の飽和率Rが100%となると零になる値である。
なお、K2は、K1よりも小さい値である。また、NOx吸蔵剤の飽和率Rとは、NOx吸蔵剤が最大限に吸蔵可能なNOx量を「NOXmax」とし、NOx吸蔵剤に吸蔵されているトータルのNOx量とNOx吸蔵剤に吸蔵されているトータルのSOx量(この量の算出方法については、後に説明する)との和を「AOX」としたときに、次式(4)によって表される値である。
R=AOX/NOXmax×100 …(4)
また、非活性吸蔵NOxは、NOx触媒25に流入する排気ガスの空燃比がリーンであるときに、NOx触媒25の温度が活性温度以上となると、図7に示されているように、或る一定の割合(すなわち、或る一定の移行速度)でもって、活性吸蔵NOxに移行する。
ところで、上述したように、本実施形態では、NOx触媒25のNOx吸蔵剤に吸蔵されているNOxの量がNOx吸蔵剤が吸蔵可能なNOxの最大量(以下「最大NOx吸蔵可能量」という)を超えてしまう前に、NOx吸蔵剤に吸蔵されているNOxをNOx吸蔵剤から除去するようにしている。ところが、NOx吸蔵剤にSOxが吸蔵されると、NOx吸蔵剤の最大NOx吸蔵可能量は、NOx吸蔵剤に吸蔵されているSOxの量の分だけ低下してしまう。したがって、NOx吸蔵剤の最大NOx吸蔵可能量をできるだけ高く維持するためには、適宜、NOx吸蔵剤に吸蔵されているSOxをNOx吸蔵剤から除去することが好ましい。
ここで、NOx触媒25の温度がその活性温度よりも高い温度となり且つNOx触媒25に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比またはリッチとなると、図8(A)に示されているように、活性吸蔵SOxがNOx吸蔵剤から放出される。また、このとき、図8(B)に示されているように、非活性吸蔵SOxもNOx吸蔵剤から放出される。
そこで、本実施形態では、NOx吸蔵剤に吸蔵されているSOxの量が予め定められた量(以下「S再生判定値」という)を超えたときに、NOx触媒25の温度をSOxが放出される温度(上述したように、この温度は、NOx触媒25の活性温度よりも高く、以下「SOx放出温度」という)にまで上昇させると共に、NOx触媒25に理論空燃比またはリッチの排気ガスを供給する。これにより、NOx吸蔵剤からSOxを除去する。なお、上記S再生判定値は、NOx吸蔵剤の最大NOx吸蔵可能量が或る一定量以上に維持されるような値に設定される。
なお、上述したように、NOx触媒25に理論空燃比またはリッチの排気ガスを供給したときのNOx触媒25の温度Tと、活性吸蔵SOxのうち除去されるSOxの割合Rhigh、および、非活性吸蔵SOxのうち除去されるSOxの割合Rlowとの関係を、図9に示した。図示されているように、非活性吸蔵SOxが除去され始まるNOx触媒25の温度Tlowは、活性吸蔵SOxが除去され始まるNOx触媒25の温度Thighよりも低い。すなわち、非活性吸蔵SOxのほうが、活性吸蔵SOxよりも、除去されやすいと言える。
ところで、上述したように、NOx触媒25のNOx吸蔵剤には、NOx触媒25の温度が活性温度以下であるときにも、排気ガス中のSOがSOの形で、NOx吸蔵剤に吸蔵される。NOx吸蔵剤の最大NOx吸蔵可能量は、このようにSOの形で吸蔵されているSOx(非活性吸蔵SOx)によっても低下せしめられてしまう。したがって、NOx吸蔵剤からSOxを除去するか否かを判定するために用いられるNOx吸蔵剤に吸蔵されているSOxの量(以下「トータルSOx量」という)には、SOの形でNOx吸蔵剤に吸蔵されているSOxをも含めるべきである。
そこで、本実施形態では、以下のようにして、トータルSOx量を算出する。まず、NOx触媒25の温度が活性温度以上である場合、NOx吸蔵剤には、内燃機関から排出されるSOxの量に応じた量のSOxが硫酸塩の形で吸蔵される。したがって、単位時間当たり(あるいは、単位機関回転数当たり)に内燃機関から排出されるSOx量をΔSOXとすると、NOx触媒25の温度が活性温度以上であるときに単位時間当たり(単位機関回転数当たり)にNOx吸蔵剤に硫酸塩の形で吸蔵されるSOx量ΔSOXhighは、次式(5)に従って算出可能である。
ΔSOXhigh=ΔSOX×K3 …(5)
ここで、「K3」は、内燃機関から排出されるSOxのうちNOx吸蔵剤に硫酸塩の形で吸蔵されるSOxの割合であり、図10に示されているように、NOx吸蔵剤の飽和率Rが比較的小さい間は或る一定の大きい値K3high(<1.0)をとるが、NOx吸蔵剤の飽和率が或る一定値βを超えると徐々に小さくなり、NOx吸蔵剤の飽和率が100%になると零になる値である。
そして、NOx吸蔵剤に硫酸塩の形で吸蔵されているトータルのSOx量SOXhighは、次式(6)に従って算出可能である。
SOXhigh=ΣΔSOXhigh=Σ(ΔSOX×K3) …(6)
一方、NOx触媒25の温度が活性温度以下である場合、NOx吸蔵剤には、内燃機関から排出されるSOxの量に応じた量のSOxがSOの形で吸蔵される。したがって、単位時間当たり(あるいは、単位機関回転数当たり)NOx吸蔵剤にSOの形で吸蔵されるSOx量ΔSOXlowは、次式(7)に従って算出可能である。
ΔSOXlow=ΔSOX×K4 …(7)
ここで、「K4」は、内燃機関から排出されるSOxのうちNOx吸蔵剤にSOの形で吸蔵されるSOxの割合であり、図10に示されているように、NOx吸蔵剤の飽和率Rが比較的小さい間は或る一定の大きい値K4high(≒1.0)をとるが、NOx吸蔵剤の飽和率が或る一定値βを超えると徐々に小さくなり、NOx吸蔵剤の飽和率が100%になると零になる値である。
そして、NOx吸蔵剤にSOの形で吸蔵されているトータルのSOx量Slowは、次式(8)に従って算出可能である。
SOXlow=ΣΔSOXlow=Σ(ΔSOX×K4) …(8)
そして、本発明の第1実施形態では、NOx触媒25のNOx吸蔵剤に吸蔵されているトータルのSOx量(トータルSOx量)SOXtotalは、次式(9)に従って算出される。
SOXtotal=SOXhigh+SOXlow …(9)
すなわち、第1実施形態では、硫酸塩の形で吸蔵されているSOx(活性吸蔵SOx)の量SOXhighとSOの形で吸蔵されているSOx(非活性吸蔵SOx)の量SOXlowとの和が、トータルSOx量として用いられるのである。
なお、上述した実施形態では、「K3」および「K4」を用いているが、場合によっては、これらを用いなくてもよい。すなわち、場合によっては、K3=1.0、K4=1.0としてもよい。
ところで、排気ガス中に含まれているNOxは、ほとんどがNOであって、NOは比較的少ない。したがって、排気ガス中のNOxを十分にNOx触媒25のNOx吸蔵剤に吸蔵させるためには、NOx触媒25の温度を活性温度以上に維持しておくことが好ましい。言い換えれば、NOx触媒25の温度が活性温度以下であると、NOx触媒25のNOx吸蔵剤には、排気ガス中のNOしか吸蔵されず、NOxのほとんどを占めるNOはNOx触媒25下流へと流出してしまうことになる。そこで、本発明の実施形態では、NOx触媒25の温度をできるだけ活性温度以上に維持するようにしている。
一方、非活性吸蔵SOxは、NOx触媒25に流入する排気ガスの空燃比がリーンであるときに、NOx触媒25の温度が活性温度以上になると、図11に示されているように、或る一定の割合(すなわち、或る一定の移行速度)でもって、活性吸蔵SOxに移行する。したがって、NOx触媒25の温度をできるだけ活性温度以上に維持している場合、非活性吸蔵SOxの一部は、活性吸蔵SOxに移行している。そして、上述したように、非活性吸蔵SOxのほうが、活性吸蔵SOxよりも、NOx吸蔵剤から除去されやすい。言い換えれば、上述したようにして算出されるトータルSOx量が同じであっても、活性吸蔵SOxが多いほど、早いタイミングでNOx吸蔵剤に吸蔵されているSOxをNOx吸蔵剤から除去すべきである。
そこで、以下のようにして、トータルSOx量を算出するようにしてもよい。まず、NOx触媒25の温度が活性温度以上となったときに、非活性吸蔵SOxのうち活性吸蔵SOxに移行したSOxの量SOXhighaは、次式(10)に従って算出可能である。
SOXhigha=SOXlow×K5 …(10)
ここで、「SOXlow」は、上式(10)の実行時における非活性吸蔵SOxの量であって、上式(7)に従って算出される値である。また、「K5」は、NOx吸蔵剤が活性状態にあるときに、非活性吸蔵SOxのうち活性吸蔵SOxに移行するSOxの割合であって、1.0以下の値である。なお、SOXhighaは、NOx触媒25の温度が活性温度よりも高くなるほど大きくなる。
また、NOx触媒25の温度が活性温度以上となっても非活性吸蔵SOxとしてNOx吸蔵剤に残っている非活性吸蔵SOxの量SOXlowrは、次式(11)に従って算出できる。
SOXlowr=SOXlow−SOXlow×K5 …(11)
ここで、「SOXlow」は、上式(11)の実行時における非活性吸蔵SOxの量であって、上式(7)に従って算出される値であり、「K5」は、上述したように、NOx吸蔵剤が活性状態にあるときに非活性吸蔵SOxのうち活性吸蔵SOxに移行するSOxの割合である。
そして、次式(12)に従って、トータルSOx量SOXtotalが算出される。
SOXtotal=(SOXhigh+SOXhigha)×K6+SOXlowr×K7 …(12)
ここで、「K6」は、活性吸蔵SOxの量に対する重み係数であって、1.0よりも大きい値であり、「K7」は、非活性吸蔵SOxの量に対する重み係数であって、1.0よりも小さい値である。
上式(12)によれば、活性吸蔵SOx量は、実際の量よりも多めに評価されることになる。これに対し、非活性吸蔵SOx量は、実際の量よりも少なめに評価されることになる。すなわち、上述した実施形態によれば、活性吸蔵SOx量が多いほど、より早い段階で、NOx吸蔵剤からSOxを除去するために、NOx触媒25の温度がS放出温度とされると共にNOx触媒25に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比またはリッチとされることになる。
また、上式(12)を利用する以外にも、活性吸蔵SOx量や非活性吸蔵SOx量に応じて、NOx吸蔵剤からSOxを除去する処理(以下「SOx除去処理」という)の実行期間や、このSOx除去処理におけるNOx触媒25の目標温度や、このSOx除去処理においてNOx触媒25に供給する排気ガスのリッチ度合などを設定するようにしてもよい。
例えば、非活性吸蔵SOxのほうが、活性吸蔵SOxよりも、NOx吸蔵剤から除去されやすいのであるから、NOx吸蔵剤に吸蔵されているSOxのうち、非活性吸蔵SOxの割合が高いほど、SOx除去処理の実行期間を短く設定したり、SOx除去処理におけるNOx触媒25の目標温度を低く設定したり、SOx除去処理においてNOx触媒25に供給する排気ガスのリッチ度合を小さく設定したりするようにしてもよい。
ところで、上述した実施形態では、機関運転中、NOx触媒25を活性状態に維持するようにしている。しかしながら、機関運転中、積極的にNOx触媒25を非活性状態で利用するようにしてもよい。すなわち、NOx触媒25よりも上流の排気通路内に、NOx触媒25が非活性状態であっても(すなわち、NOx触媒25の温度が活性温度よりも低くても)活性状態となっている酸化触媒を配置した場合、排気ガス中のNOはこの酸化触媒を通過するときにNOに酸化せしめられる。このようにNOx触媒25に排気ガスが流入する前に、排気ガス中のNOがNOに酸化せしめられていれば、NOx触媒25が非活性状態にあっても、排気ガス中のNOは、NOの形でNOx触媒25のNOx吸蔵剤に吸蔵される。したがって、この場合には、機関運転中、積極的にNOx触媒25を非活性状態で利用したとしても(すなわち、NOx触媒25の温度を積極的に活性温度以上にまで上昇させなくても)、NOx触媒25のNOx吸蔵剤にて、排気ガス中のほとんどのNOx(この場合、NOxのほとんどをNOが占めている)を吸蔵させることができる。
図12は、NOx吸蔵剤に吸蔵されているトータルのNOx量(トータルNOx量)を算出するためのルーチンの一例を示している。図12のルーチンでは、始めに、ステップ10において、NOx触媒25に流入する排気ガスの空燃比A/Fexが理論空燃比A/Fstよりもリーンである(A/Fex>A/Fst)か否かが判別される。ここで、A/Fex>A/Fstであると、ルーチンはステップ11に進む。一方、A/Fex≦A/Fstであると、ルーチンは終了する。
ステップ11では、NOx触媒25の温度Tcがその活性温度Tca以上である(Tc≧Tca)か否かが判別される。ここで、Tc≧Tcaであると、ルーチンはステップ12に進む。一方、Tc<Tcaであると、ルーチンはステップ14に進む。
ステップ12では、前回ステップ12が実行されたときに硝酸塩の形で吸蔵されているNOx量として算出された値NOXhighn-1に、今回のルーチンにおいて内燃機関から排出されたNOx量ΔNOXのうち新たにNOx吸蔵剤に硝酸塩の形で吸蔵されたNOx量K1×ΔNOXが加算され、今回のルーチンにおいて硝酸塩の形で吸蔵されているトータルのNOx量NOXhighが算出される。
一方、ステップ14では、前回ステップ14が実行されたときにNOの形で吸蔵されているNOx量として算出された値NOXlown-1に、今回のルーチンにおいて内燃機関から排出されたNOx量ΔNOXのうち新たにNOx吸蔵剤にNOの形で吸蔵されたNOx量K2×ΔNOXが加算され、今回のルーチンにおいてNOの形で吸蔵されているトータルのNOx量NOXlowが算出される。
ステップ13では、ステップ12で算出されたNOx量NOXhighと、ステップ14で算出されたNOx量NOXlowとの和が、今回のルーチンにおいてNOx吸蔵剤に吸蔵されているトータルのNOx量NOXtotalとされる。
図13は、NOx吸蔵剤に吸蔵されているトータルのSOx量(トータルSOx量)を算出するためのルーチンの一例を示している。図13のルーチンでは、始めに、ステップ20において、NOx触媒25に流入する排気ガスの空燃比A/Fexが理論空燃比A/Fstよりもリーンである(A/Fex>A/Fst)か否かが判別される。ここで、A/Fex>A/Fstであると、ルーチンはステップ21に進む。一方、A/Fex≦A/Fstであると、ルーチンは終了する。
ステップ21では、NOx触媒25の温度Tcがその活性温度Tca以上である(Tc≧Tca)か否かが判別される。ここで、Tc≧Tcaであると、ルーチンはステップ22に進む。一方、Tc<Tcaであると、ルーチンはステップ24に進む。
ステップ22では、前回ステップ22が実行されたときに硫酸塩の形で吸蔵されているSOx量として算出された値SOXhighn-1に、今回のルーチンにおいて内燃機関から排出されたSOX量ΔSOXのうち新たにNOx吸蔵剤に硫酸塩の形で吸蔵されたSOx量K3×ΔSOXが加算され、今回のルーチンにおいて硫酸塩の形で吸蔵されているトータルのSOx量SOXhighが算出される。
一方、ステップ24では、前回ステップ24が実行されたときにSOの形で吸蔵されているSOx量として算出された値SOXlown-1に、今回のルーチンにおいて内燃機関から排出されたSOx量ΔSOXのうち新たにNOx吸蔵剤にSOの形で吸蔵されたSOx量K4×ΔSOXが加算され、今回のルーチンにおいてSOの形で吸蔵されているトータルのSOx量SOXlowが算出される。
ステップ23では、ステップ22で算出されたSOx量SOXhighと、ステップ24で算出されたSOx量SOXlowとの和が、今回のルーチンにおいてNOx吸蔵剤に吸蔵されているトータルのSOx量SOXtotalとされる。
なお、本発明は、排気浄化装置が、NOx触媒25の代わりに、図14(A)および図14(B)に示したようなNOx吸蔵剤を担持したNOx触媒を備えたパティキュレートフィルタ62を具備する場合にも適用可能である。図示したパティキュレートフィルタ62は、主に、排気ガス中のパティキュレートを捕集し、捕集されたパティキュレートをNOx触媒による酸化能によって酸化除去するものである。
パティキュレートフィルタ62の構成を簡単に説明すると、このパティキュレートフィルタ62では、隣接する2つのセル63,64のうち一方のセル63がその一方の端部で栓65によって塞がれており、他方のセル64がその他方の端部で栓66によって塞がれている。したがって、図14において左側からパティキュレートフィルタ62に排気ガスが流入した場合、排気ガスは矢印に示したように流れる。このとき、一方のセル63内に流入した排気ガスは、隔壁61を通って隣接する他方のセル64に流入する。
本発明の排気浄化装置を備えた内燃機関の全体図である。 (A)はNOx触媒の端面図であり、(B)はNOx触媒の縦断面図である。 (A)はNOxが硝酸塩の形で吸蔵される様子を示し、(B)はNOxがNOまたは亜硝酸塩または亜硝酸イオンの形で吸蔵される様子を示す図である。 (A)はSOxが硫酸塩の形で吸蔵される様子を示し、(B)はSOxがSOまたは亜硫酸塩または亜硫酸イオンの形で吸蔵される様子を示す図である。 (A)は活性吸蔵NOxが未燃HC、COによって還元浄化される様子を示し、(B)は非活性吸蔵NOxが未燃HC、COによって還元浄化される様子を示す図である。 NOx吸蔵剤の飽和率Rと、活性吸蔵NOxの割合K1と、非活性吸蔵NOxの割合K2との関係を示す図である。 非活性吸蔵NOxが活性吸蔵NOxに移行する様子を示す図である。 (A)は活性吸蔵SOxが放出される様子を示し、(B)は非活性吸蔵SOxが放出される様子を示す図である。 NOx触媒の温度Tと、非活性吸蔵SOxのうち除去されるSOxの割合Rlow、および、活性吸蔵SOxのうち除去されるSOxの割合Rhighとの関係を示す図である。 NOx吸蔵剤の飽和率Rと、活性吸蔵SOxの割合K3と、非活性吸蔵SOxの割合K4との関係を示す図である。 非活性吸蔵SOxが活性吸蔵SOxに移行する様子を示す図である。 トータルNOx量を算出するルーチンの一例を示す図である。 トータルSOx量を算出するルーチンの一例を示す図である。 (A)はパティキュレートフィルタの端面図であり、(B)はパティキュレートフィルタの縦断面図である。
符号の説明
1…機関本体
5…燃焼室
9…排気弁
10…排気ポート
22…排気マニホルド
25…NOx触媒

Claims (6)

  1. 流入する排気ガスの空燃比がリーンであるときにNOxを吸蔵するNOx触媒を機関排気通路に具備する内燃機関の排気浄化装置において、上記NOx触媒が該NOx触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンであって該NOx触媒が活性状態にあると排気ガス中のSOxを第1の形で吸蔵すると共に、該NOx触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンであって該NOx触媒が非活性状態にあると排気ガス中のSOxを第2の形で吸蔵し、該NOx触媒に吸蔵されているトータルのSOxの量として、第1の形で吸蔵されているSOxの量と第2の形で吸蔵されているSOxの量との和を用いることを特徴とする排気浄化装置。
  2. 上記NOx触媒は該NOx触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンであって該NOx触媒が活性状態にあるときには排気ガス中のSOxを硫酸塩の形で吸蔵すると共に、該NOx触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンであって該NOx触媒が非活性状態にあるときには排気ガス中のSOxをSOまたは亜硫酸イオンまたは亜硫酸塩の形で吸蔵することを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  3. 上記NOx触媒は該NOx触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンであって該NOx触媒が活性状態にあるときには排気ガス中のSOxを該NOx触媒の内部に吸蔵すると共に、該NOx触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンであって該NOx触媒が非活性状態にあるときには排気ガス中のSOxを主に該NOx触媒の表面に吸蔵することを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  4. 上記NOx触媒に吸蔵されているトータルのSOxの量が予め定められた量を超えたときに、該NOx触媒の温度を予め定められた温度以上とし且つ該NOx触媒に流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比またはリッチとすることによって該NOx触媒からSOxを除去するSOx除去処理を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の排気浄化装置。
  5. 上記SOx除去処理の実行期間と、上記SOx除去処理における上記予め定められた温度と、上記SOx除去処理における上記NOx触媒に流入する排気ガスの空燃比との少なくとも1つを、第1の形で吸蔵されたSOxの量と、第2の形で吸蔵されたSOxの量とに応じて制御することを特徴とする請求項4に記載の排気浄化装置。
  6. 上記NOx触媒が非活性状態から活性状態に移行すると、第2の形で吸蔵されているSOxが第1の形で吸蔵されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の排気浄化装置。
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