JP2005187611A - リサイクル使用可能な発泡体の製造方法と成形体 - Google Patents

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博秀 榎並
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Abstract

【課題】ポリオレフィン系表皮とポリプロピレン製芯体、そしてクッション材として発泡体を積層したリサイクル使用できる成形体を提供することを目的とする。
【解決手段】ポリオレフィン系表皮4、クッション材である発泡体6、そしてポリプロピレン製芯体5が積層された3層よりなる成形体1において、上記発泡体6のジオ−ル成分として両末端水酸基間に180℃以下の解離温度を有するウレタン結合をもつ少なくとも1種のジオ−ル、ジイソシアネ−ト、そして水とを、水酸基に対するイソシアネ−ト基のモル比率を0.9〜1.2で反応させて、延長した直鎖中に容易に解離するウレタン結合を含有したウレタン発泡体を使用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、リサイクル使用可能な発泡体の製造方法と、ポリオレフィン系表皮とポリプロピレン製芯体、そしてクッション材として上記発泡体を積層したリサイクル使用できる成形体に関する。
自動車の内装品であるインストルメントパネル、ドアートリム、コンソールボックス等の樹脂成形体の製造方法としては、塩化ビニルとABS樹脂のブレンド樹脂をシート状に押し出した後、エッチング絞りロールによって模様を付け、これを真空成形によって賦形した表皮材と、射出成形やスタンピング成形で賦形した芯材(基材)とをウレタン発泡型に設置した後、発泡ウレタンを注入して一体成形する方法が主流であった。
しかし、塩化ビニルを使用した製品を通常に焼却すると、ダイオキシンが発生することが懸念され、また再生する場合には分別が不十分でオレフィン系樹脂等を混入すると再生樹脂の性能を著しく低下させるのでオレフィン系樹脂の材料を使用することが望ましい。
そこで、オレフィン系材料を用いた自動車内装用表皮(真空成形、パウダースラッシュ成形)と芯体としてオレフィン系樹脂であるポリプロピレン樹脂が用いられている。(特許文献1)しかし、ソフト感を出すためのクッション層としては、発泡ウレタンを用いるのが主流であった。
しかし、自動車内装用部品の構成材料として、表皮材と芯体にオレフィン系材料を用いても、クッション層に発泡ウレタンを用いた場合は、部品全体を溶融混練しても材料の物性が悪く、リサイクル使用ができなかった。
特開平10−30036号公報
従って、本発明はこのような問題点を改善するもので、これに対処するものであり、リサイクル使用が容易な発泡体の製造方法と、ポリオレフィン系表皮とポリプロピレン製芯体、そしてクッション材として上記発泡体を積層したリサイクル使用できる成形体を提供することを目的とする。
本願請求項1記載の発明は、ジオ−ルとジイソシアネ−トと水とを反応させて得られる発泡体の製造方法であり、両末端水酸基間にウレタン結合をもつ少なくとも1種のジオ−ル、ジイソシアネ−ト、そして水とを、水酸基に対するイソシアネ−ト基のモル比率を0.9〜1.2で反応させて、延長した直鎖中に容易に解離するウレタン結合を含有することを特徴とするリサイクル使用可能な発泡体の製造方法である。
本願請求項2記載の発明は、ジオ−ルとして両末端水酸基間に180℃以下の解離温度を有するウレタン結合を有しているリサイクル使用可能な発泡体の製造方法にある。
本願請求項3記載の発明は、両水酸基間にウレタン結合をもつジオ−ルとして、フェノ−ル性水酸基とイソシアネ−トが反応して生成するウレタン結合を含有しているリサイクル使用可能な発泡体の製造方法にある。
本願請求項4記載の発明は、ジオ−ルとして、分子量が1,000〜3,000であり、かつ混合比率より概算したSP値が7.6〜8.3となる混合物からなる長鎖ジオ−ルを使用するリサイクル使用可能な発泡体の製造方法にあり、ポリプロピレン製芯体と混練してリサイクル使用した場合、発泡体の相溶性が向上する。
本願請求項5記載の発明は、分子量が1,000〜3,000であり、かつSP値が7.6〜8.3となる長鎖ジオ−ルは、水酸基末端1,2ポリブタジエン、そして水酸基末端水素添加1,2ポリブタジエンから選ばれる少なくとも1種であるリサイクル使用可能な発泡体の製造方法で、発泡体の相溶性が向上する。
本願請求項6記載の発明は、オレフィン系表皮、クッション材である発泡体、そしてポリプロピレン製芯体が積層された3層よりなる成形体において、発泡体として両水酸基間にウレタン結合をもつ少なくとも1種のジオ−ル、ジイソシアネ−ト、そして水とを、水酸基に対するイソシアネ−ト基のモル比率を0.9〜1.2で反応させて、延長した直鎖中に易解離性ウレタン結合を含有するウレタン発泡体を用いた成形体にある。
本願請求項7記載の発明は、ジオ−ルとして両末端水酸基間に180℃以下の解離温度を有するウレタン結合を有している成形体にある。
本願請求項8記載の発明は、両水酸基間に180℃以下の解離温度を有するウレタン結合をもつジオ−ルとして、フェノ−ル性水酸基とイソシアネ−トが反応して生成するウレタン結合を含有している成形体にある。
本願請求項9記載の発明は、製品として使用した後の上記成形体を粉砕して加熱混練りし、これを用いて成形したリサイクル成型品が、引張り試験における切断伸度として200%以上有する成形体にある。
本願では、解離可能なウレタン結合をポリマ−骨格に挿入しておくことによりポリプロピレン樹脂のようなオレフィン系樹脂と200〜230℃で混練時にウレタン発泡体の骨格が切断され低分子量化して熱可塑性になるので、オレフィン系樹脂に相溶して均質な混合物を生成するのでリサイクル使用が可能になり、特に該ウレタン発泡体と表皮や芯材に使用されるオレフィン材料とを混練した場合には、引張伸びの高い物性をもった材料になり、オレフィン系材料との併用でリサイクルが可能になる。
図1は本発明の成形体の一つである自動車用インストルメントパネルの全体外観斜視図、図2は図1のX−X断面図、そして図3は図2のA部拡大図である。
この成形体1は、ソフト部2とハード部3に区分され、ソフト部においては表面にはシボ付き模様をもった外層からなる表皮4が表面を被覆し、裏面にはオレフィン系樹脂を用いた芯材5を積層している。他方、ハード部3は芯体5だけから構成されている。そして、表皮4とオレフィン系樹脂を用いた芯体5との間には、クッション層として発泡体6が介在している。
上記表皮4はオレフィン系材料からなるものであり、パウダースラッシュ成形または真空成形されたものがある。例えば、このオレフィン系材料としては、ポリプロピレン樹脂のようなオレフィン系樹脂に水素添加スチレンブタジエンゴムのようなスチレン系熱可塑性エラストマー、あるいはエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムを配合したもの、あるいは水素添加ブロック共重合体を配合したものがある。
この水素添加ブロック共重合体は、ビニル芳香族炭化水素化合物単量体単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと水素添加されたブタジエン単量体単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBから構成され、重合体ブロックBの水素添加率が90%以上であり、末端にある重合体ブロックの少なくとも1個が重合体ブロックBであり、好ましい構造としてはA−B、A−B―A―B、B−A−B−A−B、(B−A−B)n−X(ここでnは2以上の整数、Xはカップリング剤残基を示す)。
また、ビニル芳香族炭化水素化合物単量体単位としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−ターシャルブチルスチレン等のアルキルスチレン、パラメトキシスチレン、ビニルナフタレン等のうちから1種、または2種以上から選ばれ、中でもスチレンが好ましい。上記ビニル芳香族炭化水素化合物の水素添加ブロック共重合体中に占める割合は5質量%を超え25質量%未満であり、柔軟性に富む表皮体を得るためには5〜15質量%が適当である。
そして、水素添加前のブタジエン単量体単位を主体とするブロックの1,2結合量の平均が62モル%以上であり、62モル%未満の場合には、シートを折り曲げたときに白化しやすくなる。このような水素添加ブロック共重合体の代表的なものとして、国際公開番号WO00/15681に開示されており、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)である旭化成社製の商品「タフテックH1221」がある。
芯体5は、オレフィン系樹脂を用いて例えば射出成形して得られたものがある。
上記のオレフィン系樹脂としては、結晶性プロピレン系樹脂の外に、ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタアクリル酸エステル共重合体等のエチレン系樹脂やポリブテン−1等を挙げることができる。
上記ポリプロピレン樹脂は、ポリプロピレンホモポリマー、α−オレフィンとのブロックあるいはランダム共重合体のいずれでもよいが、特にα−オレフィンとしてエチレンを用いたブロックあるいはランダム共重合体が成形体の柔軟性の面からいって好ましい。また、圧力のかからない粉末スラッシュ成形に用いるためには、ポリプロピレン樹脂の溶融流動性の指数としてJIS K7210により230°C、荷重2.16kgfで測定したMFR(メルトフローレート)が20g/10分以上であることが必要である。上記ポリプロピレン樹脂は熱あるいは酸化によってその主鎖が切断されるポリマーであり、架橋、硬化するポリエチレン等と異なる性質をもっており、有機過酸化物によってその主鎖が切断され、分子量が低下する。
上記成形体1の製造方法には、一方の型に表皮を、他方の型に別途成形した芯材を固定する。柔軟な表皮は型にあけた小穴を吸引して固定し、芯材はフック等で型側に寄せて固定する。表皮と芯材をセットした状態で上下型を合わせたとき、発泡体が入るために間隙が必要であるので、表皮の最大厚みは金型空隙より芯材厚みを減じた寸法より薄くする必要がある。その間隙に発泡体を注型充填して一体化することにより、表皮の触感がソフトな成形体を得ることができる。
上記発泡体は、ジオ−ルとして両水酸基間に180℃以下の解離温度を有するウレタン結合をもつ少なくとも1種のジオ−ル、ジイソシアネ−ト、そして水とを、水酸基に対するイソシアネ−ト基のモル比率を0.9〜1.2で反応させて、延長した直鎖中に易解離性ウレタン結合を含有することを特徴とするリサイクル使用可能な発泡体である。
フェノ−ル性水酸基、ε−カプロラクタム、キノンジオキシム等の活性水素とイソシアネ−トの付加反応生成物は180℃以下の温度で解離することが知られており、フェノ−ル性水酸基とイソシアネ−トが反応したウレタン結合は160〜180℃において解離するので、発泡体のポリマ−骨格に挿入しておくことで混練時に解離して低分子量化と架橋点の切断がおきる。
上記の解離し易いウレタン結合をもつジオ−ルの合成は、ビスフェノ−A或いはレゾルシンのように分子中に2個のフェノ−ル性水酸基をもつ化合物1モルに対してジイソシアネ−ト2モルを付加反応させ両末端をイソシアネ−トとして、更に2モルのアルコ−ル性ジオ−ルを付加反応させて得られる。
通常のウレタン発泡体はアルコ−ル性のジオ−ル或いはトリオ−ル、水とジイソシアネ−トを反応させて製造されるが、このジオ−ル或いはトリオ−ルの一部をフェノ−ル性水酸基を2個もつ化合物に置き換え、混合したジオ−ル成分として水、ジイソシアネ−トと反応発泡させると、フェノ−ル性水酸基はアルコ−ル性水酸基よりもイソシアネ−トと反応が遅いので付加反応をせず残存してしまうので、発泡体のポリマ−骨格中に解離し易いウレタン結合は含有されない。
また、フェノ−ル性水酸基2個をもつ化合物1モルにジイソシアネ−ト2モルを反応させて得られる両末端イソシアネ−ト化合物をイソシアネ−ト成分として使用するプレポリマ−法では、このプレポリマ−自体で反応が進むため長期間保管できない欠点となる。
ソルビリティーパラメーター(SP値)とは、樹脂、ゴムおよび可塑剤の極性を表わす尺度である。数字が大きいほど極性が高いことを示す、またSP値の値の近いもの同士が相溶すると考えられている。SP値の求め方は、実測法や理論的計算法などが知られており、中でも下記の式で示されるHOYの計算で求める方法が最も簡便で必要十分な予測精度があると言われている。
SP=dΣG/M (d:密度、G:分子引力定数、M:分子量)
上記式で用いる各官能基の分子引力定数G(cal・ml)0.5/molとしては、その代表的なものに−CHが148.3、−CH−が131.5、CH=が126.5、−CH=が121.5、−OHが225.8になっている。
上記HOYの計算で求めたポリプロピレン樹脂のSP値は7.9であり、本発明に係る製造方法で得られた発泡体は、SP値が7.6〜8.3の範囲にあるジオールを用いており、ポリプロピレン樹脂のSP値に近くなり相溶性を高めることができる。
また、混合比率より概算したSP値とは、ジオールAのSP値×添加率+ジオールBのSP値×添加率で求めることができる。従って、SP値が7.6〜8.3の範囲にあるジオールAとこの範囲外のジオールBを混合した場合であっても、SP値が7.6〜8.3の範囲にあれば使用できる。
上記ジイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレン2,4−ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4(2,4,4)−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、パラ−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’ジメチルジフェニル4,4’−ジイソシアネート、1,5’−ナフタレンジイソシアネート、トランス−1,4−シクロヘキシルジイソシアネート等がある。
上記のジイソシアネ−トの他にウレタン発泡体の製造には通常、2官能以上のイソシアネ−トが使用されることがあるが、2官能以上の多官能イソシアネ−トを使用すると架橋点が多くなり加熱時に溶融しないゲルが生成するので好ましくない。
長鎖ジオールとしては、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、水酸基末端ポリブタジエン、水酸基末端ポリイソプレンポリ(エチレンアジペート)グリコール、ポリ(ブチレン−1,4アジペート)グリコール、ポリカプロラクトングリコール、ポリ(ジエチレングリコールアジペート)グリコール、ポリ(ヘキサンジオール−1,6カーボネート)グリコール等がある。単独および混合に使用できポリエーテルなどの柔軟骨格が好ましい。
短鎖ジオールも併用可能であり、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ビスフェノールA、1,3−ブチレングリコール、1,6−ヘキシルグリコール、1,4−ジメチロールベンゼン等がある。短鎖ジオールの分子量は50〜600である。
長鎖ジオールの水酸基モル数1に対して短鎖ジオールの水酸基モル数を0〜1.0とする。長鎖ジオールとイソシアネートの反応で形成される発泡体はソフトセグメントであり、短鎖ジオールとイソシアネートの反応で形成される発泡体はハードセグメントである。短鎖ジオールの割合を多くすると、ハードセグメントの量が増加し、鎖長も長くなり硬くなる。ポリプロピレン樹脂とのリサイクル時に引張伸び物性が悪くなる。
水の添加量は発泡体100重量部に対して0.03〜3.0重量部とする。これ以下だと発泡倍率が低く、これ以上だと発泡潰れを起こす。
その他の添加剤として、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、トリエチルアミン、N,N’−ジメチルベンジルアミン、トリエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N−ペンタメチルジエチレントリアミン、N−ヘキサメチルトリエチレンテトラアミン、有機酸金属塩、有機金属化合物からなる樹脂化触媒が使用される。
上記発泡体は下型にセットした表皮の内層面に注型し、上下型を合わせて接着一体化して成形体を得る。この場合、発泡体の注型量は充填する空隙をよりも少ない状態で注型する。発泡体は発泡して空隙を十分に充填する。
使用する芯材は予め所定形状に射出成形したオレフィン系樹脂であり、芯材の接着面を火炎処理、コロノ放電処理、あるいはオレフィン樹脂用の接着剤を塗布しておくことによって強固に接合することができる。
次に、本発明を具体的な実施例により更に詳細に説明する。
実施例1〜4
両末端水酸基間に180℃以下の解離温度を有するウレタン結合をもつ少なくとも1種のジオ−ルの合成は、攪拌機、温度計、滴下ロ−トと先端に塩化カルシウム管を付けた冷却管を装着した300mlの三ツ口フラスコ中にアセトン約50mlとメチレンビスジイソソアネ−ト(MDI)26.25gr(0.105モル)を入れて、室温で攪拌下にビスフェノ−ルA11.4gr(0.05モル)を約30mlのアセトンに溶解させた溶液を滴下ロ−トより約1時間をかけて滴下する。滴下後、室温で約20時間反応を続け、ビスフェノ−ルAにMDIを付加させる。
次に、分子量が400であり両末端が水酸基のポリプロピレングリコ−ル(PPG−400)48.0grを室温で滴下ロ−トにより約1時間で添加し、滴下後約20時間反応を続けた。反応物は高粘度で取扱が困難であるので、分子量が1000のPPGを50gr添加後に反応混合物を300mlナスフラスコに移し、減圧下で溶媒のアセトンを除去して長鎖ジオ−ルの混合物を得た。この長鎖ジオ−ル(変性−ビスフェノールA)の水酸基当量は565gr/OHであり、ウレタン発泡用のジオ−ル成分とした。発泡体は表1に示す配合であり、ジオールとしてポリプロピレングリコール、水酸基末端1,2−ポリブタジエン、水酸基末端水素添加1,2−ポリブタジエン、1,4−ブタンジオールを使用し、これらに水、樹脂化触媒、界面活性剤、そしてジイソシアネートを混合することで発泡体を調整した。
200mm×200mm×6.5mmの空間をもたせたアルミ製の上下型の上型には、接着面を予め火炎処理した160mm×160mm×2.5mmのポリプロピレン製板(芯材)をセットし、下型には予めゴム糊系接着剤を塗布し乾燥させたパウダースラッシュ成形または真空成形した150mm×150mm×1.0mmのオレフィン系の表皮をセットし、その上に表1に示す混合済みの発泡体原材料を注入後、上下型を合わせてフックで固定し、3分間発泡硬化させた後、上下型を開き成形体を取り出した。
得られた成形体を構成する厚み比率は、オレフィン表皮1.0mm、発泡体3.0mm、ポリプロピレン芯体2.5mmとなる。発泡体の原材料は、型内で6倍に発泡するように調整した。
表皮、発泡体、そしてポリプロピレン芯材の一体化した成形体のリサイクル性評価方法を、次に示す方法で行った。
まず、この成形体を祖粉砕機で粉砕を行い約5mm四方の材料にした。この材料をラボプラストミル(東洋精機製)にて180〜220℃で混練りし、200℃でプレス成形を行った。その成形シートを目視することで表皮、発泡体とポリプロピレン芯材が均一に溶融しているか判定した。プレス成形品の物性評価として引張伸びを測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2005187611
その結果、実施例1〜4の発泡体の配合にてリサイクル性評価を行うと、表1に示すように溶融性および物性ともに良好であった。これはジオール成分として両水酸基間に180℃以下の解離温度を有するウレタン結合をもつ少なくとも1種のジオ−ルを挿入しておくことによりポリプロピレン樹脂のようなオレフィン系樹脂と根練り時に骨格ポリマ−が解離して低分子量化と架橋点の切断がおこり、オレフィン系樹脂に均一に混合分散されるのでリサイクル使用が可能であることが判る。
比較例1
パウダースラッシュ成形したオレフィン表皮とポリプロピレン芯材をラボプラストミルにて溶融混練した。実施例1〜4と同様の手順でリサイクル性を評価した。発泡体を含んでいない比較対象としたものである。
比較例2
ポリオールとイソシアネート基が2より多い多官能イソシアネートを反応させ、発泡体を調整した。架橋構造をもつ熱硬化性であり、リサイクル性評価を行うと成形シートは均一に溶融していなかった。そのシートの引張伸びもほとんどなかった。
比較例3
水酸基末端1,2−ポリブタジエンとイソシアネート基が2より多い多官能イソシアネートを混合することで発泡体を調整した。リサイクル性評価を行うと成形シートは均一に溶融していなかった。その引張伸びもほとんどなかった。これはイソシアネート基が2より多い多官能イソシアネートを配合したため発泡体は架橋構造をもち、熱硬化性になったためである。
比較例4
PPG−1000が80重量部にビスフェノ−ルA20重量部溶解させた溶液をジオ−ル成分として、水、触媒、界面活性剤をそれぞれ1.0,2.0,2.0重量部を添加した混合物に対してMDIをインデックス1.10となるよう過剰に配合して発泡を試みたが10分後には完全に潰れて、発泡体は得られなかった。ビスフェノールAはフェノ−ル性水酸基でありイソシアネ−トとの反応が遅過ぎることが原因である。
比較例5
アセトン中でビスフェノ−ルA1モルに対して2.5モルのMDIを付加反応させた後、減圧下でアセトンを除去したが高粘度で発泡体に使用できず、一晩放置後には更にゲル化が進んでいたので、実用不可能であった。
本発明の製造方法で得られた発泡体、またこれを用いた成形体では、表皮あるいは芯材等の熱可塑性オレフィン材料と混練した場合には均一に溶融して引張伸びの高い物性をもった材料になり、オレフィン系材料としてリサイクルが可能になり、自動車の内装品であるインストルメントパネル、ドアートリム、コンソールボックス等に適用することができる。
本発明に係る成形体である自動車用インストルメントパネルの全体外観斜視図である。 図1のX−X断面図である。 表皮の断面図である。
符号の説明
1 成形体
2 ソフト部
3 ハード部
4 表皮
5 芯材
6 発泡体

Claims (9)

  1. ジオ−ルとジイソシアネ−トと水とを反応させて得られる発泡体の製造方法であり、両末端水酸基間にウレタン結合をもつ少なくとも1種のジオ−ル、ジイソシアネ−ト、そして水とを、水酸基に対するイソシアネ−ト基のモル比率を0.9〜1.2で反応させて、延長した直鎖中に容易に解離するウレタン結合を含有することを特徴とするリサイクル使用可能な発泡体の製造方法。
  2. ジオ−ルとして両末端水酸基間に180℃以下の解離温度を有するウレタン結合を有している請求項1記載のリサイクル使用可能な発泡体の製造方法。
  3. 両水酸基間にウレタン結合をもつジオ−ルとして、フェノ−ル性水酸基とイソシアネ−トが反応して生成するウレタン結合を含有している請求項1または2記載のリサイクル使用可能な発泡体の製造方法。
  4. ジオ−ルとして、分子量が1,000〜3,000であり、かつ混合比率より概算したSP値が7.6〜8.3となる混合物からなる長鎖ジオ−ルを使用する請求項1〜3の何れかに記載のリサイクル使用可能な発泡体の製造方法。
  5. 分子量が1,000〜3,000であり、かつSP値が7.6〜8.3となる長鎖ジオ−ルは、水酸基末端1,2ポリブタジエン、そして水酸基末端水素添加1,2ポリブタジエンから選ばれる少なくとも1種である請求項4記載のリサイクル使用可能な発泡体の製造方法。
  6. オレフィン系表皮、クッション材である発泡体、そしてポリプロピレン製芯体が積層された3層よりなる成形体において、発泡体として両水酸基間にウレタン結合をもつ少なくとも1種のジオ−ル、ジイソシアネ−ト、そして水とを、水酸基に対するイソシアネ−ト基のモル比率を0.9〜1.2で反応させて、延長した直鎖中に易解離性ウレタン結合を含有するウレタン発泡体を用いたことを特徴とする成形体。
  7. ジオ−ルとして両末端水酸基間に180℃以下の解離温度を有するウレタン結合を有している請求項6記載の成形体。
  8. 両水酸基間に180℃以下の解離温度を有するウレタン結合をもつジオ−ルとして、フェノ−ル性水酸基とイソシアネ−トが反応して生成するウレタン結合を含有している請求項7記載の成形体。
  9. 製品として使用した後の上記成形体を粉砕して加熱混練りし、これを用いて成形したリサイクル成型品が、引張り試験における切断伸度として200%以上有する請求項6〜8のいずれかに記載の成形体。
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