JP2005187429A - 4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシスルホネート類及びその製造方法 - Google Patents

4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシスルホネート類及びその製造方法 Download PDF

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Toshifumi Katagiri
敏文 片桐
Katsumasa Yamamoto
勝政 山本
Takehiro Hiyama
武寛 檜山
Takeshi Takeuchi
剛 竹内
Michio Suzuki
三千雄 鈴木
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Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
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Abstract

【課題】 貴金属抽出剤や写真薬の製造中間体として有用な4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシスルホネート類及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 一般式(1):
Figure 2005187429

(式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基またはハロフェニル基を示す)で表される4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシスルホネート類、及び4−t−ブチル−2−ニトロフェノールと一般式(2):
−SOCl (2)
(式中、Rは一般式(1)におけるRと同じ基を示す)で表されるスルホニルクロライド類とを塩基の存在下で反応させることを特徴とする、上記一般式(1)で表される4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシスルホネート類の製造方法。
【選択図】 なし


Description

本発明は、新規含硫黄化合物である4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシスルホネート類及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、医農薬中間体、写真薬中間体、電子材料中間体及び抽出剤中間体等として有用であり、特に写真薬中間体及び抽出剤中間体として極めて有用な4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシスルホネート類及びその製造方法に関する。
従来、パラジウムの抽出に用いられる溶媒抽出剤としては、ジヘキシルスルフィド(SFI−6)やLIX系のオキシム類などの工業的抽出剤が用いられている。これらは、卑金属から貴金属のみを回収するための選択性は高いが、抽出率が不十分であり、抽出速度も遅い。更に、有機層に抽出した後の逆抽出が困難であるなどの欠点がある。そこで、o−アルキルチオアニリン誘導体を用いる方法(特許文献1参照)が開示されている。
また、写真薬に関して、色相、特に長波側すそ切れが優れ、分子吸光係数が大きく、保存安定性が良好な色素を与え、しかも短工程にて低コストで製造できる発色性の高い色素形成カプラーが提案されている(特許文献2参照)。
特開2003−137862号公報 特開2003−173007号公報
本発明は、o−アルキルチオアニリン誘導体に似た構造を有する貴金属抽出剤として有望視されるとともに、色素形成カプラーの製造における有用な中間体として利用できる5−t−ブチル−2−アルキルチオアニリン類の製造における有用な中間体である4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシスルホネート類及びその工業的に安価でかつ容易に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は、一般式(1):
Figure 2005187429
(式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基またはハロフェニル基を示す)で表される4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシスルホネート類、及び4−t−ブチル−2−ニトロフェノールと一般式(2):
Figure 2005187429
(式中、Rは前記一般式(1)におけるRと同じ基を示す)で表されるスルホニルクロライド類とを塩基の存在下で反応させることを特徴とする、前記一般式(1)で表される4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシスルホネート類の製造方法に関する。
本発明によれば、貴金属抽出剤として有用な5−t−ブチル−2−アルキルチオアニリン類の製造中間体として有用であり、また色素形成カプラーの製造中間体でもある4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシスルホネート類を工業的に安価にかつ容易に製造することができる。
本発明の4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシスルホネート類は前記一般式(1)で表される化合物である。前記一般式(1)中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基またはハロフェニル基を表す。
炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基及びオクチル基等が挙げられる。
ハロフェニル基としては、例えば、クロロフェニル及びブロモフェニル等が挙げられる。
本発明において、4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシスルホネート類の具体例としては、4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシメタンスルホネート、4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシエタンスルホネート、4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシプロパンスルホネート、4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシブタンスルホネート、4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシペンタンスルホネート、4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシヘキサンスルホネート、4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシヘプタンスルホネート、4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシオクタンスルホネート、4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシフェニルスルホネート、4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシクロロフェニルスルホネート、4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシブロモフェニルスルホネート等が挙げられる。
これらの中でも、4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシメタンスルホネート及び4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシフェニルスルホネートが好ましい。
本発明の4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシスルホネート類は、4−t−ブチル−2−ニトロフェノールとスルホニルクロライド類とを塩基の存在下で反応させることで製造することができる。
本発明に用いられる4−t−ブチル−2−ニトロフェノールの製造方法は、特に限定されず、例えば、4−t−ブチルフェノールをニトロ化する方法(Recl.Trav.Chim.Pays−Bas114,311(1995))等の公知の方法により製造することができる。
本発明に用いられるスルホニルクロライド類は、前記一般式(2)で表される化合物である。前記一般式(2)中、Rは前記一般式(1)におけるRと同じ基を表す。
前記一般式(2)で表されるスルホニルクロライド類の具体例としては、メタンスルホニルクロライド、エタンスルホニルクロライド、プロパンスルホニルクロライド、ブタンスルホニルクロライド、ペンタンスルホニルクロライド、ヘキサンスルホニルクロライド、ヘプタンスルホニルクロライド、オクタンスルホニルクロライド、ベンゼンスルホニルクロライド、クロロベンゼンスルホニルクロライド、ブロモベンゼンスルホニルクロライド等が挙げられる。これらの中でも、入手が容易な観点からメタンスルホニルクロライドが好適に用いられる。
前記スルホニルクロライド類の使用量は、反応を円滑に進行させる観点及び使用量に見合うだけの効果を得る観点から、4−t−ブチル−2−ニトロフェノール1モルに対して0.5〜3.0モル、好ましくは0.8〜1.5モルである。
上記反応で用いられる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、クロロピリジン、ルチジン、コリジン及びジメチルアミノピリジン等が挙げられる。これらの中でも、入手が容易な観点からトリエチルアミンが好適に用いられる。
これら塩基の使用量は、反応を円滑に進行させる観点及び使用量に見合うだけの効果を得る観点から、4−t−ブチル−2−ニトロフェノール1モルに対して0.5〜3.0モル、好ましくは0.8〜1.5モルが望ましい。
上記反応で用いられる溶媒としては、特に限定されずトルエン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ヘキサン、ヘプタン及びデカン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル及びジフェニルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等の酢酸エステル系の溶媒等が挙げられる。これらの中でも、トルエンが好適に用いられる。
これら溶媒の使用量は、4−t−ブチル−2−ニトロフェノール100重量部に対して、通常100〜1000重量部である。
反応時の温度は、通常−10〜100℃、好ましくは、0〜50℃である。また、反応時間は反応温度により異なるが、通常0.5〜10時間である。
この反応液から、目的とする4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシスルホネート類を単離する方法としては、特に限定されず、例えば、蒸留により溶媒を留去する方法を挙げることができる。
かくして得られる4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシスルホネート類を、一般式(3):
Figure 2005187429
(式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基を示す)で表されるチオール類と塩基の存在下で反応させることにより、一般式(4):
Figure 2005187429
(式中、Rは前記一般式(3)におけるRと同じ基を示す)で表されるアルキルチオニトロベンゼン類に変換し、これを還元することにより、貴金属抽出剤や写真薬中間体として有用な5−t−ブチル−2−アルキルチオアニリン類を製造することができる。
以下に本発明の実施例を挙げ本発明を具体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例1
攪拌機、冷却管、温度計及び滴下ロートを備え付けた1000ml容の四つ口フラスコに、4−t−ブチル−2−ニトロフェノール100g(0.51モル)、トリエチルアミン60g(0.59モル)及びトルエン500gを仕込み、窒素ガスを緩やかに通じながら、10℃でメタンスルホニルクロライド70g(0.61モル)を3時間かけて滴下した後、更に1時間攪拌した。この反応液を水と重曹水で洗浄した後、トルエンを留去し、トルエンによる再結晶により精製し、4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシメタンスルホネートの固体111.5gを得た。収率は4−t−ブチル−2−ニトロフェノールに対して80モル%であった。
得られた4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシメタンスルホネートは、下記の物性を有することから同定することができた。
白色結晶
融点:78℃
元素分析:C;48.5%、H;5.6%、N;5.4%、S;11.3%
(理論値:C;48.34%、H;5.53%、N;5.12%、S;11.73%)
H−核磁気共鳴スペクトル(270MHz、CDCl)δ(ppm)8.02(d,1H,J2.5Hz),7.68(dd,1H,J2.5,8.7Hz),7.47(d,1H,J8.7Hz),3.33(s,3H),1.36(s,9H)
IR(KBr、cm-1):3025,2973,2956,2869,1537,1495,1466,1396,1360,1329,1261,1219,1178,1117,1080,980,916,901,854,850,791,760,752,682,632,561,544,513
本発明によれば、貴金属抽出剤や写真薬中間体として有用な5−t−ブチル−2−アルキルチオアニリン類の製造中間体として有用な4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシスルホネート類を工業的に安価にかつ容易に製造することができる。



Claims (2)

  1. 一般式(1):
    Figure 2005187429
    (式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基またはハロフェニル基を示す)で表される4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシスルホネート類。
  2. 4−t−ブチル−2−ニトロフェノールと一般式(2):
    Figure 2005187429
    (式中、Rは前記一般式(1)におけるRと同じ基を示す)で表されるスルホニルクロライド類とを塩基の存在下で反応させることを特徴とする、一般式(1):
    Figure 2005187429
    (式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基またはハロフェニル基を示す)で表される4−t−ブチル−2−ニトロフェニルオキシスルホネート類の製造方法。




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