JP2005187336A - 消臭剤組成物、及びこれを用いた設置型消臭剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 衣類に対して影響を及ぼすことなく、衣類及び衣類収納空間内を簡便に消臭することが可能な消臭剤組成物を提供する。
【解決手段】 本発明の消臭剤組成物は、衣類収納空間内に設置され、衣類及び衣類収納空間内を消臭する設置型消臭剤用の消臭剤組成物であって、常温で揮発性を有し、抗菌性を呈する揮発性抗菌成分を含有してなることを特徴とする。本発明の設置型消臭剤は、本発明の消臭剤組成物が開口部を有する容器内に収容され、その前記開口部側に、JIS K 7129Aに準拠して測定される透湿度が9〜9000g/m2/24hである気体透過膜を備えたことを特徴とする。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明の消臭剤組成物は、衣類収納空間内に設置され、衣類及び衣類収納空間内を消臭する設置型消臭剤用の消臭剤組成物であって、常温で揮発性を有し、抗菌性を呈する揮発性抗菌成分を含有してなることを特徴とする。本発明の設置型消臭剤は、本発明の消臭剤組成物が開口部を有する容器内に収容され、その前記開口部側に、JIS K 7129Aに準拠して測定される透湿度が9〜9000g/m2/24hである気体透過膜を備えたことを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、衣類収納空間内に設置され、衣類及び衣類収納空間内を消臭する設置型消臭剤用の消臭剤組成物、及びこれを用いた設置型消臭剤に関する。
洋服タンス、クローゼット、納戸等の衣類収納空間は、通常は密閉空間となるため、衣類から発せられる汗臭等の臭気がこもりやすい。また、同一空間内に収納された他の衣類への移臭を招くこともある。
かかる背景下、衣類用の消臭剤として、スプレー式消臭剤(特許文献1、2等)や、カバー型消臭剤(特許文献3等)、樹脂容器に非揮発性の消臭成分を含浸せしめた設置型消臭剤が開示されている(特許文献4等)。
特開平10−503958号公報
特開2001−192969号公報
特開2002−53180号公報
特開平11−209207号公報
かかる背景下、衣類用の消臭剤として、スプレー式消臭剤(特許文献1、2等)や、カバー型消臭剤(特許文献3等)、樹脂容器に非揮発性の消臭成分を含浸せしめた設置型消臭剤が開示されている(特許文献4等)。
しかしながら、特許文献1、2等に記載のスプレー式消臭剤では、一着毎に且つ毎着用後に衣類全体に消臭液をスプレー噴霧する必要がある。そのため、非常に手間がかかる上、衣類のシミの要因となり得る。また、消臭液が周囲へ飛散する恐れがあり、使用には注意を要する。さらには、消臭液が付着した衣類を直接収納空間内に収納すると、密閉空間である収納空間内の多湿化を招き、カビ等の発生を招くことがある。それ故、収納する前に十分に乾燥させなければならないという手間もある。
特許文献3等に記載のカバー型消臭剤では、移臭を防ぐには効果があるが、一着毎のカバーの着脱は手間がかかる上、通気性の低下を招き、保管中の衣類に湿気がこもってしまう恐れもある。
特許文献4等に記載の設置型消臭剤では、使用する際の手間はかからないものの、消臭反応は樹脂容器の表面でしか進行しないため、消臭効率が悪く、十分な消臭効果は得られない。
特許文献3等に記載のカバー型消臭剤では、移臭を防ぐには効果があるが、一着毎のカバーの着脱は手間がかかる上、通気性の低下を招き、保管中の衣類に湿気がこもってしまう恐れもある。
特許文献4等に記載の設置型消臭剤では、使用する際の手間はかからないものの、消臭反応は樹脂容器の表面でしか進行しないため、消臭効率が悪く、十分な消臭効果は得られない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、衣類に対して影響を及ぼすことなく、衣類及び衣類収納空間内を簡便に消臭することが可能な消臭剤組成物、及びこれを用いた消臭剤を提供することを目的とする。
本発明者は、衣類に付着した汚れが菌によって分解されて発生する汗臭等の分解臭に着目して鋭意検討し、以下の消臭剤組成物及び設置型消臭剤を発明した。
本発明の消臭剤組成物は、衣類収納空間内に設置され、衣類及び衣類収納空間内を消臭する設置型消臭剤用の消臭剤組成物であって、常温で揮発性を有し、抗菌性を呈する揮発性抗菌成分を含有してなることを特徴とする。
本明細書において、「常温」とは、通常の室内環境温度を意味するものとする。
前記揮発性抗菌成分としては、無芽胞型グラム陽性菌に対して抗菌性を呈するものが好ましい。
本発明の消臭剤組成物は、常温で揮発性を有する香気成分を含有するものであることが好ましい。
本発明の消臭剤組成物は、前記揮発性抗菌成分を溶解又は分散させる溶媒をさらに含有し、全体として液状又はゲル状を呈するものであることが好ましい。
本発明の消臭剤組成物は、衣類収納空間内に設置され、衣類及び衣類収納空間内を消臭する設置型消臭剤用の消臭剤組成物であって、常温で揮発性を有し、抗菌性を呈する揮発性抗菌成分を含有してなることを特徴とする。
本明細書において、「常温」とは、通常の室内環境温度を意味するものとする。
前記揮発性抗菌成分としては、無芽胞型グラム陽性菌に対して抗菌性を呈するものが好ましい。
本発明の消臭剤組成物は、常温で揮発性を有する香気成分を含有するものであることが好ましい。
本発明の消臭剤組成物は、前記揮発性抗菌成分を溶解又は分散させる溶媒をさらに含有し、全体として液状又はゲル状を呈するものであることが好ましい。
本発明の設置型消臭剤は、衣類収納空間内に設置され、衣類及び衣類収納空間内を消臭する設置型消臭剤であって、上記の本発明の消臭剤組成物が開口部を有する容器内に収容され、その前記開口部側に、JIS K 7129Aに準拠して測定される透湿度が9〜9000g/m2/24hである気体透過膜を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、衣類に対して影響を及ぼすことなく、衣類及び衣類収納空間内を簡便に消臭することが可能な消臭剤組成物、及びこれを用いた設置型消臭剤を提供することができる。また、本発明の消臭剤組成物及び消臭剤は、消臭性の他、衣類に付着した菌を含む衣類収納空間内の菌に対して抗菌性をも呈する。
以下、本発明を詳細に説明する。
「消臭剤組成物」
本発明の消臭剤組成物は、衣類収納空間内に設置され、衣類及び衣類収納空間内を消臭する設置型消臭剤用の消臭剤組成物であって、常温で液状でありかつ揮発性を有し、抗菌性を呈する揮発性抗菌成分を含有してなる。揮発性抗菌成分は1種若しくは2種以上配合することができる。
「消臭剤組成物」
本発明の消臭剤組成物は、衣類収納空間内に設置され、衣類及び衣類収納空間内を消臭する設置型消臭剤用の消臭剤組成物であって、常温で液状でありかつ揮発性を有し、抗菌性を呈する揮発性抗菌成分を含有してなる。揮発性抗菌成分は1種若しくは2種以上配合することができる。
衣類臭には、もともとは無臭又は微臭の汚れが菌によって分解されて発生する汗臭等の分解臭がある。本発明では、揮発性抗菌成分を組成物中から徐放させて、衣類収納空間内にすでに存在していた菌や、収納時に持ち込まれた菌(収納された衣類に付着していた菌等)を殺菌し、これによって、汗臭等の分解臭の生成を根本から絶ち、衣類及び衣類収納空間内の消臭を行うものである。
揮発性抗菌成分としては、水分と有機物との混合物である汗等の汚れから、衣類臭源となる中鎖脂肪酸等を代謝産出する体表細菌である、表皮ブドウ球菌や黄色ブドウ球菌、コリネ桿菌などの無芽胞型グラム陽性菌に対して、抗菌性を呈するものが好ましい。その具体例としては、シンナミックアルデヒド、フェニルプロピオニックアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヘキサナール、シトラール、シトロネラールなどのアルデヒド類、リナロール、シトロネロールなどのアルコール類等が挙げられる。
揮発性抗菌成分は、該成分を溶解又は分散可能で、それ自身の臭気が少ない溶媒にて適宜希釈して用いることが好ましい。これによって、揮発性抗菌成分の揮散量を調整でき、消臭持続期間を調整することができる。また、溶媒として常温で揮発性を有するものを用いれば、消臭剤組成物の経時的な体積変化を大きくすることができ、使用終点が容易に視認可能となることから、好適である。
具体的には、溶媒として水や有機溶媒を用いることができるが、衣類収納空間内の湿度上昇を生じさせない後者の有機溶媒が特に好ましい。上記特性を充足する有機溶媒としては、イソパラフィン系炭化水素、ノルマルパラフィン系炭化水素、アルコール類、グリコール類等が挙げられ、特に適度な揮発速度があり、それ自体の臭いが弱いことから、蒸留範囲150〜250℃程度のイソパラフィンや、3−メトキシ−3−メチルブタノール等が好ましく用いられる。かかる溶媒は1種若しくは2種以上を用いることができる。
具体的には、溶媒として水や有機溶媒を用いることができるが、衣類収納空間内の湿度上昇を生じさせない後者の有機溶媒が特に好ましい。上記特性を充足する有機溶媒としては、イソパラフィン系炭化水素、ノルマルパラフィン系炭化水素、アルコール類、グリコール類等が挙げられ、特に適度な揮発速度があり、それ自体の臭いが弱いことから、蒸留範囲150〜250℃程度のイソパラフィンや、3−メトキシ−3−メチルブタノール等が好ましく用いられる。かかる溶媒は1種若しくは2種以上を用いることができる。
また、本発明の消臭剤組成物は、菌による汗臭等の分解臭の他、衣類に付着したタバコ臭等の臭気にも対応するため、常温で液状であり揮発性を有する香気成分を含むものであることが好ましい。香気成分はその香りによって、臭気が存在していても感知されないように消臭する。また、揮発性を有する香気成分を用いることで、衣類収納空間内全体に渡って、香気成分を充満させることができ、好適である。香気成分は1種若しくは2種以上を用いることができる。
「香気成分」としては、それ自身の香りが比較的強く、その強い香りによって臭気をマスキングするもの(香気成分X)であっても良いし、それ自身の香りは微弱ではあるが、これを配合することで、対象臭を官能的に中和するもの(香気成分Y)であっても良い。但し、使用者の香りの好みは種々であるため、衣類を無臭化又は不快にならない程度に微臭化する後者の香気成分Yがより好ましい。
香気成分Xとしては、「合成香料 化学と商品知識」(印藤元一著、化学工業日報社(1996))や、「香りの百科」(日本香料協会編、朝倉書店(1989))等に記載の香料や香料成分が具体的に挙げられる。香気成分Yとしては、植物精油等が具体的に挙げられ、中でも衣類収納空間に特有な汗臭やタバコ臭等に有効なことから、レモングラスオイル、ラベンダーオイル、ローズマリーオイル、シナモンバークオイル、ゼラニウムオイル、ラバンジンオイル等の精油等が好ましく用いられる。
なお、揮発性抗菌成分として香気性を呈する精油等を用いる場合には、香気成分を別途配合せず、揮発性抗菌成分が香気成分を兼ねる構成とすることもできる。但し、揮発性抗菌成分が香気性を呈するものであっても、これと他の香気成分を併用することは勿論差し支えない。
香気成分Xとしては、「合成香料 化学と商品知識」(印藤元一著、化学工業日報社(1996))や、「香りの百科」(日本香料協会編、朝倉書店(1989))等に記載の香料や香料成分が具体的に挙げられる。香気成分Yとしては、植物精油等が具体的に挙げられ、中でも衣類収納空間に特有な汗臭やタバコ臭等に有効なことから、レモングラスオイル、ラベンダーオイル、ローズマリーオイル、シナモンバークオイル、ゼラニウムオイル、ラバンジンオイル等の精油等が好ましく用いられる。
なお、揮発性抗菌成分として香気性を呈する精油等を用いる場合には、香気成分を別途配合せず、揮発性抗菌成分が香気成分を兼ねる構成とすることもできる。但し、揮発性抗菌成分が香気性を呈するものであっても、これと他の香気成分を併用することは勿論差し支えない。
本発明の消臭剤組成物は、揮発性成分(揮発性抗菌成分や香気成分)を良好な消臭性が得られる濃度で継続的に徐放させ、良好な消臭性を持続できることから、全体として液状又はゲル状、あるいは適度に柔軟性を有する固状を呈するものが好ましい。
ゲル化剤を溶媒に応じて選定し適宜配合することで、ゲル状とすることができる。例えば、溶媒として水を用いる場合には、カラギーナン、寒天、ジェランガム等のゲル化剤が好適に用いられ、溶剤として有機溶媒を用いる場合には、パルミチン酸ナトリウム、オクチル酸アルミニウム等の高級脂肪酸アルミニウム、12−ヒドロキシステアリン酸等のゲル化剤が好適に用いられる。ゲル化剤は1種若しくは2種以上を用いることができる。
ゲル化剤を溶媒に応じて選定し適宜配合することで、ゲル状とすることができる。例えば、溶媒として水を用いる場合には、カラギーナン、寒天、ジェランガム等のゲル化剤が好適に用いられ、溶剤として有機溶媒を用いる場合には、パルミチン酸ナトリウム、オクチル酸アルミニウム等の高級脂肪酸アルミニウム、12−ヒドロキシステアリン酸等のゲル化剤が好適に用いられる。ゲル化剤は1種若しくは2種以上を用いることができる。
以上のように、本発明の消臭剤組成物は、揮発性抗菌成分を必須成分とし、必要に応じて溶媒、香気成分、ゲル化剤を配合してなるものであるが、さらに、本発明の効果を逸脱しない範囲内において、目的に応じて他の成分を配合することは差し支えない。
配合可能な他の成分としては、防虫成分、防黴成分、着色料、酸化防止剤等が挙げられる。
配合可能な他の成分としては、防虫成分、防黴成分、着色料、酸化防止剤等が挙げられる。
本発明の消臭剤組成物は、上記したように、揮発性抗菌成分が衣類収納空間内に揮散して菌を殺菌することにより、汗臭等の分解臭の発生を絶ち、衣類収納空間内全体に渡って、優れた消臭機能を発現する。また、揮発性抗菌成分として、無芽胞型グラム陽性菌に対して抗菌性を呈するものを用いることで、衣類及び衣類収納空間内用として特に優れた消臭効果を発現する。
換言すれば、本発明の消臭剤組成物は、消臭性の他、衣類に付着した菌や衣類収納空間内を浮遊する菌に対する抗菌性をも呈するものである。
さらに、揮発性抗菌成分が香気性を有する場合や、香気成分を併用した場合には、汗臭等の分解臭以外の他の臭気にも対応でき、臭気を無臭化または不快にならない程度に微臭化することができ、好適である。
加えて、本発明では、抗菌成分や香気成分として常温で揮発性を有する成分を採用したので、抗菌成分や香気成分が徐放され、消臭効果が持続する。そのため、衣類収納空間内に設置するだけで、衣類一着毎にスプレーするなどの煩雑な操作なく、簡便に長期に渡る消臭効果が持続して得られる。しかも、衣類に対しては揮発した成分のみが接触することになるので、シミの発生等、衣類に対して影響を及ぼす恐れもない。
換言すれば、本発明の消臭剤組成物は、消臭性の他、衣類に付着した菌や衣類収納空間内を浮遊する菌に対する抗菌性をも呈するものである。
さらに、揮発性抗菌成分が香気性を有する場合や、香気成分を併用した場合には、汗臭等の分解臭以外の他の臭気にも対応でき、臭気を無臭化または不快にならない程度に微臭化することができ、好適である。
加えて、本発明では、抗菌成分や香気成分として常温で揮発性を有する成分を採用したので、抗菌成分や香気成分が徐放され、消臭効果が持続する。そのため、衣類収納空間内に設置するだけで、衣類一着毎にスプレーするなどの煩雑な操作なく、簡便に長期に渡る消臭効果が持続して得られる。しかも、衣類に対しては揮発した成分のみが接触することになるので、シミの発生等、衣類に対して影響を及ぼす恐れもない。
「消臭剤」
本発明の消臭剤は、衣類収納空間内に設置され、衣類及び衣類収納空間内を消臭する設置型消臭剤であって、上記の消臭剤組成物を容器に収容してなるものである。図1に基づいて、その一実施形態について説明する。同図では、視認しやすくするため、実際には密接配置された容器10と気体透過膜20とを離間して図示してある。
本発明の消臭剤は、衣類収納空間内に設置され、衣類及び衣類収納空間内を消臭する設置型消臭剤であって、上記の消臭剤組成物を容器に収容してなるものである。図1に基づいて、その一実施形態について説明する。同図では、視認しやすくするため、実際には密接配置された容器10と気体透過膜20とを離間して図示してある。
図示するように、本実施形態の消臭剤1は、上端に開口部11を有するカップ状の容器10に上記の本発明の消臭剤組成物30が収容され、さらに容器10の開口部11を覆うように、気体透過膜20が密接して取り付けられたものである。
容器10としては特に限定されないが、透明性を呈し、内容物の視認性に優れることから、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の成形品が好適に用いられる。
気体透過膜20は、その周縁部がヒートシールにて、またはシール剤を介して容器10に貼着されており、容器10は気体透過膜20にて密封された構成となっている。
用いて好適な気体透過膜20としては、細孔がなく、気体の溶解拡散作用を利用して気体を透過するポリエチレン等からなる高分子膜(1)が挙げられ、該膜では用いる高分子の自由体積、フィルム厚等により透過性を制御する。その他、0.1〜10μmの細孔を有する、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ四フッ化エチレン等からなる高分子膜(2)が挙げられる。該膜では、細孔径や空隙率等により透過性を制御する。いずれの膜でも、単層構造の膜の他、複数の高分子が積層された積層膜を用いることができる。さらには、溶解拡散機構を利用した高分子膜(1)と微細孔を有する高分子膜(2)を複合した複合膜を用いることもできる。
気体透過膜20として高分子膜を用いることで、ヒートシール等により容器10に簡易に取り付けることができ、好適である。
気体透過膜20の気体透過速度は特に限定されないが、JIS K 7129Aに準拠して測定される透湿度が9〜9000g/m2/24hであることが好ましい。透湿度が9g/m2/24h未満では充分な気体透過量が確保できず、揮発性抗菌成分の抗菌性や配合量等によっては消臭効果が不充分となる恐れがあり、9000g/m2/24h超では、気体透過速度が速くなりすぎ、持続性の点で好ましくない。
用いて好適な気体透過膜20としては、細孔がなく、気体の溶解拡散作用を利用して気体を透過するポリエチレン等からなる高分子膜(1)が挙げられ、該膜では用いる高分子の自由体積、フィルム厚等により透過性を制御する。その他、0.1〜10μmの細孔を有する、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ四フッ化エチレン等からなる高分子膜(2)が挙げられる。該膜では、細孔径や空隙率等により透過性を制御する。いずれの膜でも、単層構造の膜の他、複数の高分子が積層された積層膜を用いることができる。さらには、溶解拡散機構を利用した高分子膜(1)と微細孔を有する高分子膜(2)を複合した複合膜を用いることもできる。
気体透過膜20として高分子膜を用いることで、ヒートシール等により容器10に簡易に取り付けることができ、好適である。
気体透過膜20の気体透過速度は特に限定されないが、JIS K 7129Aに準拠して測定される透湿度が9〜9000g/m2/24hであることが好ましい。透湿度が9g/m2/24h未満では充分な気体透過量が確保できず、揮発性抗菌成分の抗菌性や配合量等によっては消臭効果が不充分となる恐れがあり、9000g/m2/24h超では、気体透過速度が速くなりすぎ、持続性の点で好ましくない。
本実施形態の消臭剤1においては、吸着作用によって消臭する活性炭やゼオライト等の無機多孔質材をシート状に加工したものや、これらを担持させたシート類、消臭作用を呈する有機酸やその塩、植物抽出物等を担持させたシート類等の消臭シートを設置することもできる(図示略)。消臭シートは、有効成分の揮発を妨げない範囲で、容器の一部に設置できる。また、シート状に限らず、任意の形状の消臭部材を適宜設置することもできる。但し、特にシート状物は取り付け性、取り扱い性の点から、好適である。
消臭シート等の消臭部材を併用することで、消臭剤組成物単独よりも、相対的に高い消臭効果が得られ、好適である。なお、消臭シート等の消臭部材を併用する場合には、消臭剤組成物に香気成分を配合しなくても、任意の臭気成分に対応することが可能になる。但し、上記消臭部材は消臭成分が揮散せず、設置箇所に留まって消臭するものであるので、香気成分と併用することがより好ましい。
消臭シート等の消臭部材を併用することで、消臭剤組成物単独よりも、相対的に高い消臭効果が得られ、好適である。なお、消臭シート等の消臭部材を併用する場合には、消臭剤組成物に香気成分を配合しなくても、任意の臭気成分に対応することが可能になる。但し、上記消臭部材は消臭成分が揮散せず、設置箇所に留まって消臭するものであるので、香気成分と併用することがより好ましい。
本実施形態の消臭剤1は、本発明の消臭剤組成物30を開口部11を有する容器10内に収容し、さらに、開口部11に気体透過膜20を設けたものであるので、容器10内で揮発した消臭剤組成物30内の揮発性抗菌成分や香気成分が気体透過膜20を透過して徐々に放散され、消臭機能を発現する。すなわち、本実施形態では、消臭剤組成物30の消臭性を損なうことなく、消臭剤組成物30の取り扱い性を向上することができる。
さらに、容器10に気体透過膜20を設置することで、揮発性成分の放散を妨げず、消臭剤組成物30の漏れを防止できるので、容器10が転倒等しても、消臭剤組成物30と衣類が直接接触する恐れもない。さらに、適度な透湿度の気体透過膜20を設置することで、揮発性成分の徐放性を好適に制御する効果も得られる。
さらに、容器10に気体透過膜20を設置することで、揮発性成分の放散を妨げず、消臭剤組成物30の漏れを防止できるので、容器10が転倒等しても、消臭剤組成物30と衣類が直接接触する恐れもない。さらに、適度な透湿度の気体透過膜20を設置することで、揮発性成分の徐放性を好適に制御する効果も得られる。
なお、消臭剤1は一実施形態にすぎず、容器形状や容器開口部の形成位置、気体透過膜の設置位置等については適宜変更が可能である。例えば、容器としては、カップ状の容器の他、ブリスター容器等が使用できる。また、気体透過膜は消臭剤組成物の揮発性成分が該膜を透過して放散されるように、収容された消臭剤組成物の容器開口部側に設置されていれば足る。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下に記載の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、下記例において、配合量の単位(「部」、「%」)は質量基準とする。
(実施例1)
<消臭剤の調製>
下記各成分を混合及び攪拌した後、室温下に静置し、本発明のゲル状消臭剤組成物を得た。下記成分中、シンナミックアルデヒドは揮発性抗菌成分である。
シンナミックアルデヒド(関東化学、試薬特級) 5部
イソパラフィン(エクソンモービル、商品名アイソパーH) 89.5部
高級脂肪酸アルミニウム(生研化学、商品名ゲル化剤T) 4部
オレイン酸(関東化学、試薬特級) 1.5部
ジブチルヒドロキシトルエン(関東化学、試薬特級) 0.02部
得られた組成物をPET製カップ状の容器に20g充填し、洋服タンスを想定した内容積500Lのアクリル製ボックス(幅65cm×高さ130cm×奥行60cm)内に設置した。同ボックス内に、成人男子が一昼夜着用したシャツをハンガーにかけて吊るし、そのまま室温下で3日間放置した。
<消臭剤の調製>
下記各成分を混合及び攪拌した後、室温下に静置し、本発明のゲル状消臭剤組成物を得た。下記成分中、シンナミックアルデヒドは揮発性抗菌成分である。
シンナミックアルデヒド(関東化学、試薬特級) 5部
イソパラフィン(エクソンモービル、商品名アイソパーH) 89.5部
高級脂肪酸アルミニウム(生研化学、商品名ゲル化剤T) 4部
オレイン酸(関東化学、試薬特級) 1.5部
ジブチルヒドロキシトルエン(関東化学、試薬特級) 0.02部
得られた組成物をPET製カップ状の容器に20g充填し、洋服タンスを想定した内容積500Lのアクリル製ボックス(幅65cm×高さ130cm×奥行60cm)内に設置した。同ボックス内に、成人男子が一昼夜着用したシャツをハンガーにかけて吊るし、そのまま室温下で3日間放置した。
<実施例1の評価>
(1)消臭性
臭気判定用専門パネルが、ボックスを開けて中の空気を嗅ぎ、下記判定基準にて消臭性を官能評価した。
○:臭気を全く感じない、若しくはほとんど感じない
△:不快に感じない範囲内で臭気を感じる
×:強い臭気があり、不快に感じる
(1)消臭性
臭気判定用専門パネルが、ボックスを開けて中の空気を嗅ぎ、下記判定基準にて消臭性を官能評価した。
○:臭気を全く感じない、若しくはほとんど感じない
△:不快に感じない範囲内で臭気を感じる
×:強い臭気があり、不快に感じる
(2)菌数の測定
(2.1) 供試懸濁液の調製
滅菌済ハサミ及び滅菌済ピンセットを用いて、試験後のシャツの胸部、背部、腋部、首部の各箇所を約40cm2の大きさに切り取って試験布とした。切り取った試験布をすべて同じ食品検査用ホモジナイザ用滅菌済サンプリングバッグ(エルメックス製、商品名ストマフィルターPタイプ)に入れ、0.2%非イオン性界面活性剤(関東化学製、商品名ツィーン80)を添加した滅菌生理食塩水100mLを加えて、3分間パドリングして供試懸濁液を得た(供試菌液A)。
(2.2) 培養操作
18mmφ試験管内に滅菌生理食塩水9mLを入れ、さらに、滅菌ピペットにて先に調製した供試懸濁液1mLを採取し、加えた。これを、振盪機(東京理化器械製、商品名ボルテックスミキサーMS−1000)にて2500rpm、30秒の条件で、振盪・混合させ、供試菌液Bを得た。
次いで、滅菌済ピペットにて、供試菌液A1mL、供試菌液B1mL、供試菌液B0.1mLを、それぞれ別の90mmφ滅菌済ディスポーザルシャーレ(アズワン製、商品名シックシャーレ) に量り採った(検体1、2、3)。
各検体に対し、45〜46℃に保温したニュートリエント寒天培地(日本ベクトン・ディッキンソン製、商品名Nutrient Agar)を約20mLずつ流し込み、水平静置した。内容物を冷却・凝固したシャーレを、37℃にて48時間倒置培養し、菌数をカウントした。
(2.1) 供試懸濁液の調製
滅菌済ハサミ及び滅菌済ピンセットを用いて、試験後のシャツの胸部、背部、腋部、首部の各箇所を約40cm2の大きさに切り取って試験布とした。切り取った試験布をすべて同じ食品検査用ホモジナイザ用滅菌済サンプリングバッグ(エルメックス製、商品名ストマフィルターPタイプ)に入れ、0.2%非イオン性界面活性剤(関東化学製、商品名ツィーン80)を添加した滅菌生理食塩水100mLを加えて、3分間パドリングして供試懸濁液を得た(供試菌液A)。
(2.2) 培養操作
18mmφ試験管内に滅菌生理食塩水9mLを入れ、さらに、滅菌ピペットにて先に調製した供試懸濁液1mLを採取し、加えた。これを、振盪機(東京理化器械製、商品名ボルテックスミキサーMS−1000)にて2500rpm、30秒の条件で、振盪・混合させ、供試菌液Bを得た。
次いで、滅菌済ピペットにて、供試菌液A1mL、供試菌液B1mL、供試菌液B0.1mLを、それぞれ別の90mmφ滅菌済ディスポーザルシャーレ(アズワン製、商品名シックシャーレ) に量り採った(検体1、2、3)。
各検体に対し、45〜46℃に保温したニュートリエント寒天培地(日本ベクトン・ディッキンソン製、商品名Nutrient Agar)を約20mLずつ流し込み、水平静置した。内容物を冷却・凝固したシャーレを、37℃にて48時間倒置培養し、菌数をカウントした。
(比較例1)
比較のため、ボックス内に消臭剤を設置しない以外は実施例1と同様にして、評価を行った。
比較のため、ボックス内に消臭剤を設置しない以外は実施例1と同様にして、評価を行った。
(実施例1、比較例1の結果)
結果を表1に示す。
表1に示すように、消臭剤を設置しない比較例1では、強い臭気が感知されたのに対し、消臭剤組成物中に揮発性抗菌成分であるシンナミックアルデヒドを配合した本発明の消臭剤を設置した実施例1では、ボックス内の臭気は全く又はほとんど感じないレベルであった。なお、本例では香気成分を併用していないため、香気成分によるマスキング効果ではなく、臭気が確実に消されている。
また、比較例1に比して、本発明の消臭剤を設置した実施例1では、シャツに付着した菌数が著しく少なく、本発明の消臭剤組成物が抗菌性を呈し、これによって消臭機能を発現するものであることが示された。
結果を表1に示す。
表1に示すように、消臭剤を設置しない比較例1では、強い臭気が感知されたのに対し、消臭剤組成物中に揮発性抗菌成分であるシンナミックアルデヒドを配合した本発明の消臭剤を設置した実施例1では、ボックス内の臭気は全く又はほとんど感じないレベルであった。なお、本例では香気成分を併用していないため、香気成分によるマスキング効果ではなく、臭気が確実に消されている。
また、比較例1に比して、本発明の消臭剤を設置した実施例1では、シャツに付着した菌数が著しく少なく、本発明の消臭剤組成物が抗菌性を呈し、これによって消臭機能を発現するものであることが示された。
(実施例2〜9)
配合組成を表2に示すものとした以外は実施例1と同様にして、本発明のゲル状消臭剤組成物を調製した。なお、実施例7では、カラギーナンを水に分散してから90℃で加温して溶解し、これを60℃まで冷却した後、他の成分を配合した。
表中、シンナミックアルデヒド、イソパラフィン、高級脂肪酸アルミニウム、オレイン酸、ジブチルヒドロキシトルエンは実施例1と同じものを用いた。香気成分であるレモングラスオイルはCHARABOT製 商品名OIL LEMONGRASS、ラバンジンオイルは長谷川香料製を用いた。ゲル化剤であるカラギーナンは、ハーキュリーズ・ジャパン製 ゲニューゲルカラギーナンタイプを用いた。また、POE2級アルキルエーテルは、日本触媒製 商品名ソフタノール90を示す。
得られた消臭剤組成物をポリエチレン製ブリスター容器に20g充填し、さらに開口部を同表に示す気体透過膜で覆い、その周縁部をヒートシールして封をし、本発明の消臭剤を得た。表中、各略号は以下の気体透過膜を示す。同表には、各気体透過膜のJIS K 7129Aに準拠して測定される透湿度(単位:g/m2/24h)の測定結果についても合わせて記載してある。
LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン膜、凸版印刷(株)製、膜厚70μm、無細孔
PP:ポリプロピレン膜、膜厚20μm、無細孔
PTFE:ポリテトラフロロエチレン膜、日東電工(株)製「NTF−1131」、膜厚85μm、最大孔径1μm
LDPE/Ny:低密度ポリエチレン/ナイロン2層膜、膜厚85μm、無細孔
PP不織布:ポリプロピレン不織布、ダイワボウ製「スパンレース不織布」、膜厚1000μm、平均繊維間距離70μm
配合組成を表2に示すものとした以外は実施例1と同様にして、本発明のゲル状消臭剤組成物を調製した。なお、実施例7では、カラギーナンを水に分散してから90℃で加温して溶解し、これを60℃まで冷却した後、他の成分を配合した。
表中、シンナミックアルデヒド、イソパラフィン、高級脂肪酸アルミニウム、オレイン酸、ジブチルヒドロキシトルエンは実施例1と同じものを用いた。香気成分であるレモングラスオイルはCHARABOT製 商品名OIL LEMONGRASS、ラバンジンオイルは長谷川香料製を用いた。ゲル化剤であるカラギーナンは、ハーキュリーズ・ジャパン製 ゲニューゲルカラギーナンタイプを用いた。また、POE2級アルキルエーテルは、日本触媒製 商品名ソフタノール90を示す。
得られた消臭剤組成物をポリエチレン製ブリスター容器に20g充填し、さらに開口部を同表に示す気体透過膜で覆い、その周縁部をヒートシールして封をし、本発明の消臭剤を得た。表中、各略号は以下の気体透過膜を示す。同表には、各気体透過膜のJIS K 7129Aに準拠して測定される透湿度(単位:g/m2/24h)の測定結果についても合わせて記載してある。
LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン膜、凸版印刷(株)製、膜厚70μm、無細孔
PP:ポリプロピレン膜、膜厚20μm、無細孔
PTFE:ポリテトラフロロエチレン膜、日東電工(株)製「NTF−1131」、膜厚85μm、最大孔径1μm
LDPE/Ny:低密度ポリエチレン/ナイロン2層膜、膜厚85μm、無細孔
PP不織布:ポリプロピレン不織布、ダイワボウ製「スパンレース不織布」、膜厚1000μm、平均繊維間距離70μm
(実施例2〜9の評価)
<消臭性>
(1)モデル汗臭付着衣類の調製
ヘキサン酸0.01%を溶解した40%エタノール水溶液10gを、ウール製男性用スーツ上着にトリガースプレー(三谷バルブ製、商品番号T−305−10、ノズル口径:0.45mmφ)にて均一に塗布し、消臭性の評価に供した。
(2)モデルタバコ臭付着衣類の調製
上端が開口した内容積250L(縦50cm、横50cm、高さ100cm)のプラスチックボックス内に、ウール製男性用スーツ上着をハンガーにかけて吊り下げ、蓋を取り付けた。着火したタバコ(商品名マイルドセブン)1本を同ボックス内に入れ、さらに、別の同銘柄タバコ1本を吸って煙を吹き込み、1時間放置した。その後、衣類を取り出し、さらにタバコ等の臭発生源のない広い室内に1時間吊り下げた後、評価に供した。
(3)消臭性の評価
以下の評価を上記で調製したモデル汗臭付着衣類、モデルタバコ臭付着衣類の双方について行った。
(3.1)初期
内容積531L(縦70cm、横52cm、高さ146cm)の木製タンス内に、モデル汗臭又はモデルタバコ臭を付着させた上着を含むスーツ2着を収容し、さらに、特段の処理を施していないスーツ3着、コート2着、スカート3着を合わせて収納した。
このタンス内に、各例において調製した消臭剤を設置し、24時間後に、モデル汗臭又はモデルタバコ臭を付着させた衣類と衣類収納空間(タンス内空間)について各々、実施例1と同様の判定基準にて消臭性を官能評価した。なお、パネルは、20代〜30代の女性5名及び男性5名からなる臭気判定用専門パネルとした。
(3.2)持続性
上記(3.1)の評価後、モデル汗臭又はモデルタバコ臭を付着させたスーツ2着を取り出し、消臭剤をタンス内に設置した状態で放置し、30日後に、新たに調製したモデル汗臭又はモデルタバコ臭を付着させたスーツ2着を収納して、(3.1)と同様に消臭性の評価を行った。
<消臭性>
(1)モデル汗臭付着衣類の調製
ヘキサン酸0.01%を溶解した40%エタノール水溶液10gを、ウール製男性用スーツ上着にトリガースプレー(三谷バルブ製、商品番号T−305−10、ノズル口径:0.45mmφ)にて均一に塗布し、消臭性の評価に供した。
(2)モデルタバコ臭付着衣類の調製
上端が開口した内容積250L(縦50cm、横50cm、高さ100cm)のプラスチックボックス内に、ウール製男性用スーツ上着をハンガーにかけて吊り下げ、蓋を取り付けた。着火したタバコ(商品名マイルドセブン)1本を同ボックス内に入れ、さらに、別の同銘柄タバコ1本を吸って煙を吹き込み、1時間放置した。その後、衣類を取り出し、さらにタバコ等の臭発生源のない広い室内に1時間吊り下げた後、評価に供した。
(3)消臭性の評価
以下の評価を上記で調製したモデル汗臭付着衣類、モデルタバコ臭付着衣類の双方について行った。
(3.1)初期
内容積531L(縦70cm、横52cm、高さ146cm)の木製タンス内に、モデル汗臭又はモデルタバコ臭を付着させた上着を含むスーツ2着を収容し、さらに、特段の処理を施していないスーツ3着、コート2着、スカート3着を合わせて収納した。
このタンス内に、各例において調製した消臭剤を設置し、24時間後に、モデル汗臭又はモデルタバコ臭を付着させた衣類と衣類収納空間(タンス内空間)について各々、実施例1と同様の判定基準にて消臭性を官能評価した。なお、パネルは、20代〜30代の女性5名及び男性5名からなる臭気判定用専門パネルとした。
(3.2)持続性
上記(3.1)の評価後、モデル汗臭又はモデルタバコ臭を付着させたスーツ2着を取り出し、消臭剤をタンス内に設置した状態で放置し、30日後に、新たに調製したモデル汗臭又はモデルタバコ臭を付着させたスーツ2着を収納して、(3.1)と同様に消臭性の評価を行った。
<衣類収納空間内湿度>
上記消臭性評価に用いたのと同じ木製タンスを別途用意し、この中に、スーツ5着、コート2着、スカート3着を吊り下げて収納し、相対湿度を湿度計にて測定した。さらに、各例において調製した消臭剤を設置し、24時間経過後に再度、相対湿度を湿度計で測定した。
上記消臭性評価に用いたのと同じ木製タンスを別途用意し、この中に、スーツ5着、コート2着、スカート3着を吊り下げて収納し、相対湿度を湿度計にて測定した。さらに、各例において調製した消臭剤を設置し、24時間経過後に再度、相対湿度を湿度計で測定した。
(比較例2)
比較のため、消臭剤を設置しない以外は実施例2〜9と同様にして、評価を行った。
比較のため、消臭剤を設置しない以外は実施例2〜9と同様にして、評価を行った。
(実施例2〜9、比較例2の結果)
表2に評価結果を合わせて示す。
同表に示すように、消臭剤を設置しない比較例2では、モデル汗臭を付着させた衣類を評価用タンス内に設置後、僅か24時間後には、衣類と衣類収納空間内の双方に強い臭気が発生していた。
これに対して、消臭剤組成物中に揮発性抗菌成分であるシンナミックアルデヒド及び/又はフェニルプロピオニックアルデヒドを配合した本発明の消臭剤を設置した実施例2〜7、9では、モデル汗臭を付着させた衣類を評価用タンス内に設置後、24時間後、モデル汗臭を付着させた衣類及び衣類収納空間内の臭気は全く又はほとんど感じないレベルであった。さらに、気体透過膜の透湿度を9〜9000g/m2/24hとした実施例2〜7では、30日経過後にも同様の高い消臭効果が得られた。実施例9では、気体透過膜の透湿度を9000g/m2/24h超としたため、揮発性抗菌性成分の多くが30日内に揮散してしまい、30日経過後には消臭効果が著しく低下し、持続性が他の例に比して劣る結果となった。
また、本発明の消臭剤を設置したが、気体透過膜の透湿度を9g/m2/24h未満とした実施例8では、初期から、他の例に比して臭気が多少強く感じられた。但し、不快感を感じる程ではなく、比較例2と比べると、高い消臭効果が発現していた。また、透湿度が小さいため、30日経過後にも消臭効果の低下は見られなかった。
以上の結果から、特に気体透過膜の透湿度を9〜9000g/m2/24hとすることで、優れた消臭効果と持続性が得られることが示された。
表2に評価結果を合わせて示す。
同表に示すように、消臭剤を設置しない比較例2では、モデル汗臭を付着させた衣類を評価用タンス内に設置後、僅か24時間後には、衣類と衣類収納空間内の双方に強い臭気が発生していた。
これに対して、消臭剤組成物中に揮発性抗菌成分であるシンナミックアルデヒド及び/又はフェニルプロピオニックアルデヒドを配合した本発明の消臭剤を設置した実施例2〜7、9では、モデル汗臭を付着させた衣類を評価用タンス内に設置後、24時間後、モデル汗臭を付着させた衣類及び衣類収納空間内の臭気は全く又はほとんど感じないレベルであった。さらに、気体透過膜の透湿度を9〜9000g/m2/24hとした実施例2〜7では、30日経過後にも同様の高い消臭効果が得られた。実施例9では、気体透過膜の透湿度を9000g/m2/24h超としたため、揮発性抗菌性成分の多くが30日内に揮散してしまい、30日経過後には消臭効果が著しく低下し、持続性が他の例に比して劣る結果となった。
また、本発明の消臭剤を設置したが、気体透過膜の透湿度を9g/m2/24h未満とした実施例8では、初期から、他の例に比して臭気が多少強く感じられた。但し、不快感を感じる程ではなく、比較例2と比べると、高い消臭効果が発現していた。また、透湿度が小さいため、30日経過後にも消臭効果の低下は見られなかった。
以上の結果から、特に気体透過膜の透湿度を9〜9000g/m2/24hとすることで、優れた消臭効果と持続性が得られることが示された。
実施例2〜9では、消臭剤組成物中に香気成分であるレモングラスオイル、ラバンジンオイル、又は石鹸系調合香料を配合したため、モデルタバコ臭についても同様の高い消臭効果を呈した。
さらに、有機溶媒を用いた実施例2〜6、8、9では、消臭剤を設置しても、衣類収納空間内の相対湿度はほとんど変化なく、消臭剤がこれを設置した空間内の高湿化を招くこともなく、好適であった。他方、溶媒として水を用いた実施例7では、24時間後に衣類収納空間内の湿度が上昇した。したがって、溶媒としては特に有機溶媒を用いることが好ましいことが明らかとなった。
本発明の消臭剤組成物及び設置型消臭剤は、洋服タンス、クローゼット、納戸等の衣類収納空間内に設置され、衣類及び衣類収納空間内の消臭用として好適に用いられる。
1 消臭剤
10 容器
11 開口部
20 気体透過膜
30 消臭剤組成物
10 容器
11 開口部
20 気体透過膜
30 消臭剤組成物
Claims (5)
- 衣類収納空間内に設置され、衣類及び衣類収納空間内を消臭する設置型消臭剤用の消臭剤組成物であって、
常温で揮発性を有し、抗菌性を呈する揮発性抗菌成分を含有してなることを特徴とする消臭剤組成物。 - 前記揮発性抗菌成分が、無芽胞型グラム陽性菌に対して抗菌性を呈するものであることを特徴とする請求項1に記載の消臭剤組成物。
- 常温で揮発性を有する香気成分を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の消臭剤組成物。
- 前記揮発性抗菌成分を溶解又は分散させる溶媒をさらに含有し、全体として液状又はゲル状を呈することを特徴とする請求項1〜3に記載の消臭剤組成物。
- 衣類収納空間内に設置され、衣類及び衣類収納空間内を消臭する設置型消臭剤であって、
請求項1〜4のいずれかに記載の消臭剤組成物が開口部を有する容器内に収容され、その前記開口部側に、JIS K 7129Aに準拠して測定される透湿度が9〜9000g/m2/24hである気体透過膜を備えたことを特徴とする設置型消臭剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003427027A JP2005187336A (ja) | 2003-12-24 | 2003-12-24 | 消臭剤組成物、及びこれを用いた設置型消臭剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003427027A JP2005187336A (ja) | 2003-12-24 | 2003-12-24 | 消臭剤組成物、及びこれを用いた設置型消臭剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005187336A true JP2005187336A (ja) | 2005-07-14 |
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ID=34786408
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003427027A Withdrawn JP2005187336A (ja) | 2003-12-24 | 2003-12-24 | 消臭剤組成物、及びこれを用いた設置型消臭剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005187336A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007282799A (ja) * | 2006-04-14 | 2007-11-01 | Kao Corp | 消臭剤組成物 |
JP2007282798A (ja) * | 2006-04-14 | 2007-11-01 | Kao Corp | 消臭剤組成物 |
-
2003
- 2003-12-24 JP JP2003427027A patent/JP2005187336A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007282798A (ja) * | 2006-04-14 | 2007-11-01 | Kao Corp | 消臭剤組成物 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20070306 |