JP2011152234A - 二酸化塩素ガス発生具 - Google Patents

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滋子 小林
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Toru Nakasugi
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Abstract

【課題】芳香剤の働きで二酸化塩素ガスの除菌・消臭作用を低下することなく、二酸化塩素ガス発生剤から発生する不快臭を低減することができる二酸化塩素ガス発生具を提供する。
【解決手段】二酸化塩素ガス発生剤と芳香剤とを開口部を有する容器に収納し、該二酸化塩素ガス発生剤と該芳香剤は分離されており、該芳香剤の香料成分が二酸化塩素ガス発生剤から発生するガスの不快臭を低減し、かつ気相中の二酸化塩素濃度を減少させないものである。芳香剤の香料成分は、ミント系組成物、グレープフルーツ系組成物、ラベンダー系組成物からなる群のうち、少なくとも一つから選択される。
【選択図】図1

Description

本発明は、病室、待合室、クリーンルーム、リビングルーム、寝室などの室内空間を除菌、消毒や消臭をするための二酸化塩素ガス発生具に関するものである。
二酸化塩素ガスが強力な酸化剤であり、その酸化作用により、除菌したり、また、悪臭成分を分解したりすることが知られている。そのために、二酸化塩素ガスは、除菌、消毒剤や消臭剤として使用されてきた。そして、最近では、新インフルエンザの世界的な流行もあって、二酸化塩素ガスの抗ウィルス作用が注目されている。
例えば、特許文献1には、浮遊ウイルスが存在し得る空間に適当な二酸化塩素ガス発生装置を使用して二酸化塩素ガスを供給して、前記浮遊ウイルスが失活する濃度とする浮遊ウイルス対策が開示されている。
二酸化塩素は、化学的に極めて活性であり、分解して塩素と酸素を発生する強力な酸化剤であり、除菌剤、消毒剤として有用性の多いものの、不安定な物質であるため、取り扱いが非常に困難であった。このため、貯蔵ができ、容易に且つ安全に使用できる様々な形態の二酸化塩素ガス発生剤が開発されている。
例えば、亜塩素酸ナトリウムや安定化二酸化塩素にクエン酸などの酸性物質を加えて持続的に二酸化塩素を発生させることにより、その機能効果を発現させる二酸化塩素ガス発生剤が幾つか開示されている。すなわち、特許文献2では、ゲル化剤と水と二酸化塩素発生溶液を含むゲルより成る二酸化塩素ガス発生剤が開示され、特許文献3では、高分子化合物高吸収性樹脂と水と二酸化塩素含有水溶液と接着剤より凝固状に形成し、該凝固状より安定状態で発生する二酸化塩素を拡散せしめるように形成したことを特徴とする凝固状二酸化塩素ガス発生剤が開示されている。また、特許文献4では、安定化二酸化塩素水溶液とカルボキシル基を有する吸水性樹脂とからなることを特徴とする安定化二酸化塩素を含有するゲル状組成物が開示されている。そして、特許文献5には、固形の亜塩素酸塩、固形の酸、及び保持した水分を徐放し得る固形物を含む二酸化塩素発生組成物が開示され、亜塩素酸塩と酸とが反応して長期に渡って発生する二酸化塩素による消臭効果が示されている。
このように、安定的に二酸化塩素ガスを発生することができるゲル状、凝固状あるいは液化した二酸化塩素ガス発生剤が開発されており、上述したように、最近では二酸化塩素ガスの抗ウィルス作用に注目して、インフルエンザ対策を目的とした製品として、二酸化塩素ガス発生剤からなる空間除菌剤が市販されている。しかし、二酸化塩素ガス発生剤は不快臭(刺激臭)を有しており、様々な生活空間で使用する場合の難点になっていた。
この問題点を改善するための一手段として、香料を添加することにより二酸化塩素ガス発生剤から生じる不快臭を解消するする方法が考えられる。しかし、二酸化塩素ガス発生剤から発生する二酸化塩素ガスは不安定で反応性に富むため、香料などの有機化合物と反応することで添加した香料が変化し、あるいは有効成分である二酸化塩素そのものを消費してその活性が失われる可能性がある。
また、不快臭を解消するために、香料の強いニオイを放散させて感覚的に不快臭を感じさせなくすることが従来行われていた。しかし、空間除菌剤は、居間、寝室、病院、待合室などで使用されるものであり、香料臭の強いにおいは好ましくない。
このため、二酸化塩素ガス発生剤から発生する不快臭を低減でき、しかも二酸化塩素ガスの除菌、消臭作用の活性を低減しない芳香剤の開発が望まれていた。
国際公開第2007/061092号 特開昭57−22102号公報 特開昭61−40803号公報 特開昭61−181532号公報 特開2007−217239号公報
本発明は、上記の実情に鑑みて、芳香剤の働きで二酸化塩素ガス発生剤から発生する二酸化塩素ガスの除菌・消臭作用を低下することなく、該発生剤から発生する不快臭を低減できる二酸化塩素ガス発生具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者らは、二酸化塩素ガス発生剤から発生する塩素系の不快臭を低減することが出来る香料組成物について検討を重ねた。その結果、二酸化塩素ガスの抗菌作用等の活性を低下させない芳香剤の香料を特定し、二酸化塩素ガス発生剤と直接接触しないで収納することで、二酸化塩素ガス発生剤から発生する不快臭を効果的に低減できることを見いだした。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
[1]二酸化塩素ガス発生剤と芳香剤とを開口部を有する容器に収納し、該二酸化塩素
ガス発生剤と該芳香剤は分離して配置し、該開口部から二酸化塩素ガスと芳香剤
の香料成分を揮散させ、該芳香剤の香料成分が二酸化塩素ガス発生剤から発生す
るガスの不快臭を低減し、かつ気相中の二酸化塩素ガス濃度を減少させないもの
であることを特徴とする、二酸化塩素ガス発生具。
[2]二酸化塩素ガス発生剤と芳香剤とがセパレータによって分離されていることを特
徴とする、[1]に記載の二酸化塩素ガス発生具。
[3]セパレータが容器の一部であることを特徴とする、[2]に記載の二酸化塩素ガス
発生具。
[4]芳香剤が、二酸化塩素ガス発生剤の外側に配置されていることを特徴とする、請
求項1〜3のいずれか一項に記載の二酸化塩素ガス発生具。
[5]芳香剤の香料成分がミント系組成物、グレープフルーツ系組成物、ラベンダー系
組成物からなる群のうち、少なくとも一つから選択されることを特徴とする、[1
]〜[4]のいずれかに記載の二酸化塩素ガス発生具。
[6]二酸化塩素ガス発生剤がゲル状であることを特徴とする、[1]〜[5]のいずれ
かに記載の二酸化塩素ガス発生具。
本発明の二酸化塩素ガス発生具によれば、従来課題であった二酸化塩素発生剤から発生する不快臭を、二酸化塩素ガスの活性を低減することなく、芳香剤の香料成分の揮散により低減することができる。
二酸化塩素ガス発生具の断面図を示す。 二酸化塩素ガス発生具の斜視図を示す。 容器の収納された二酸化塩素ガス発生剤と芳香剤の配置の一例を示す。 容器の収納された二酸化塩素ガス発生剤と芳香剤の配置の他の一例を示す。
以下に、本発明を実施するための形態を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明に使用される二酸化塩素ガス発生剤としては、すでに開発されている亜塩素酸ナトリオウムや安定化二酸化塩素でよいが、例えば、バイオサイド社製品名:「水成二酸化塩素」、弱アルカリ性)を挙げることができる。
この水成二酸化塩素は、連続的かつ動的な平衡状態にあるオキシクロリン(塩素化酸化物)種の複合化合物であり、その成分には若干の炭酸塩(H2CO3、HCO3 およびCO3 2−)をはじめ、亜塩素酸イオン(ClO2 )、塩素酸イオン(ClO3 )、塩素イオン(Cl)そしてCl2O4 2−・塩素酸(HClO3)と亜塩素酸(HClO2)、微量の二酸化塩素(ClO2)を含んでおり、紫外線に暴露したり、酸などによりpHが下がると二酸化塩素ガスを還元発生する。各種オキシクロリン種は二酸化塩素を互いに発生するように作用し合い、この反応率は溶液のpHによって制御される。
そして、この水成二酸化塩素にクエン酸やリン酸などの有機あるいは無機の酸を加えてpHを下げることにより、遊離二酸化塩素を多く発生させることが出来る。
本発明で使用される芳香剤のマスキング用の香料組成物としては、以下の条件を満たすことが必要である。
(1)香料組成物の香料成分は、二酸化塩素ガス発生剤から発生する不快臭を低減し
て、不快と感じない程度にするものであること
(2)香料組成物の香料成分は、二酸化塩素ガスと接触しても二酸化塩素ガスの活性を
低減しないこと
そこで、本発明者らは、各種の香料について、試験を行い、上記(1)および(2)の条件を満たす香料組成物を以下の要領で評価した。
(1)については、密封ブース内にシャーレに注ぎ入れた水成二酸化塩素溶液−1%クエン酸混合液と香料瓶に入れた香料とを所定の時間並べて静置した後、官能評価を行った。また、(2)については、(1)の官能評価試験と同様に、密封ブース内にシャーレに注ぎ入れた水成二酸化塩素溶液−1%クエン酸混合液と香料瓶に入れた香料とを所定の時間並べて静置した後、二酸化塩素ガスの濃度を測定することにより行った。
以下に、各種香料組成物の調整、官能評価および二酸化塩素ガスの測定の具体的方法について説明する。
<香料の調整>
表1に示した処方例1〜7に記載の香料組成物を調合し、各香料組成物に界面活性剤、ソルフィット、水を下記の割合
香料成分 1.5%
界面活性剤 2.5%
ソルフィット 2.0%
水 94.0%
100%
(なお、%は質量%を指している。)
で加えて調製した後、ガラス製香料瓶(直径2 cm×高さ6 cm)に入れ、官能評価および二酸化塩素濃度測定のための試料溶液(試料1〜7)とし、官能評価および二酸化塩素ガス濃度の測定の試験に使用した。
なお、表1における「その他香り調整成分」とは、例えば、DPG(ジプロピレングリコール)などである。
Figure 2011152234
<二酸化塩素ガス発生剤から発生する不快臭に対する官能評価>
官能評価に際しては、二酸化塩素ガスを発生させるために下記の「水成二酸化塩素溶液」10 mlと1%クエン酸水溶液10 mlを使用直前に混合、調製したものを用いた。
水成二酸化塩素溶液:バイオサイドジャパン社製品「水成二酸化塩素溶液」(濃度:3,200 ppm)を使用した。
クエン酸:扶桑化学工業株式会社より入手したものを蒸留水で1%に希釈して使用した。
そして、水成二酸化塩素溶液―1%クエン酸混合液を直径9 cmのガラスシャーレに注加したもの、および処方例1〜7に記載の香料成分を加えた試料(10 ml)入りの香料瓶をそれぞれ1,000リットルの密閉ブース内の底部に並べて静置させた。26℃の温度条件下で15分間放置して、二酸化塩素および香料をブース内に揮散させた後に、ブース上部にある開閉小窓からパネラーが空間中のにおいを嗅ぐことにより、二酸化塩素ガス発生剤から発生する不快臭の抑制程度を
1.不快な香りがなく、心地よい芳香がする。:評点3
2.やや不快な香りがする。:評点2
3.とても不快な香りがする。:評点1
と評価した。
評価は7名のパネラーで行い、下記の基準(スコア)でアンケート用紙に記録し、集計した結果の平均値を算出した。各試料における官能評価の結果を表2に示す。
<気相中の二酸化塩素ガス濃度の測定>
二酸化塩素ガスの測定は、ブース内の気相中ガスを検知管で採取することにより行った。
水成二酸化塩素溶液―1%クエン酸混合溶液と試料溶液(香料組成物)は官能評価に使用したものと同じである。
測定器具は、以下のとおりである。
(1)検知管式気体測定器:カウンタ付気体採取器GV-110S(ガステック社製)
を使用した。
(2)検知管:二酸化塩素検知管No. 23L(ガステック社製)を使用した。
(3)密閉ブース:官能評価に使用したものと同じ。
以下にブース空間中の二酸化塩素ガス濃度の測定方法について記す。
水成二酸化塩素溶液―1%クエン酸混合液を直径9 cmのガラスシャーレに注加したもの、および香料瓶に入れた処方例1乃至7に記載の香料成分を加えた試料(10 ml)をそれぞれ、密閉ブース内の底部に並べて静置させた。26℃の温度条件下で1時間放置して二酸化塩素および香料をブース内に揮散させた後に、ブース上部にある開閉小窓から二酸化塩素測定用の検知管を装着した検知器を差し入れ、吸引操作を計5回繰り返してブース内の揮散ガスを採取した。対照の例としては、上記の水成二酸化塩素溶液―1%クエン酸混合溶液のみをブース内に静置後1時間放置させたものを用い、前記同様に揮散ガスの採取を行った。揮散ガスの採取終了後、変色層の長さを検知管上の目盛りを読み取り、得られた値を吸引回数で除することにより、ブース内の二酸化塩素濃度(ppm)を求めた。気相中の二酸化塩素濃度の測定結果を表2に示す。
Figure 2011152234
表2の結果から分かるように、官能評価は、香料の種類によって差が出ており、ソープ系やレモン系の香料組成物では、対照の評価1.06と同じ評点1(「とても不快な香りがする。」)台の1.14〜1.43にとどまっており、二酸化塩素ガスの不快臭を低減するにはさほど効果がない。また、アップル系やピーチ系の香料組成物は、評点2(「やや不快な香りがする。」)に近い2.14であり、ソープ系に比較して不快臭の低減はやや認められるが、不快臭の解消には至っていない。これに対して、ミント系、グレープフルーツ系、ラベンダー系は、評点3(「不快な香りがなく、心地よい芳香がする。」)に近い2.57〜2.86であり、不快臭は大幅に緩和されている。
以上のとおり、ミント系、グレープフルーツ系、およびラベンダー系の香りを用いることにより、従来課題であった二酸化塩素ガス発生剤から発生する二酸化塩素ガスの不快臭をほぼ解消できることが判った。
なお、この実験で使用した香料成分量は、香料自体のにおいの強さで覆い尽くすような量を使用しておらず、香料臭は強さを感じるほどのものではない。
ここで、ミント系香料の成分としては、メントール、カンファー、ボルネオール、ハッカ油、ペパーミント油の中から1種類、もしくは2種類以上を組み合わせたものであり、他のミント系の香料成分や溶剤等を含有していても良い。
また、グレープフルーツ系香料の成分としては、リモネン、ゲラニアール、ネラール、アセトアルデヒド-2-フェニル-2,4-ペンタンジオールアセタール、スチラリルアセテート、グレープフルーツ油、オレンジ油、レモン油の中から1種類、もしくは2種類以上を組み合わせたものであり、他のグループフルーツ系の香料成分や溶剤等を含有していても良い。
一方、ラベンダー系香料の成分としては、リナロール、リナリルアセテート、ラベンダー油、ラバンジン油の中から1種類、もしくは2種類以上を組み合わせたものであり、他のラベンダー系の香料成分や溶剤等を含有していても良い。
また、二酸化塩素ガス濃度については、ミント系、グレープフルーツ系、およびラベンダー系の香料は、表2から分かるように、対照の0.09ppmと同じ値をとっており、二酸化塩素ガスの濃度が香料の存在によって減少していない。このことは、香料から揮発した香料成分が二酸化塩素ガスと化学反応をしていないこと、したがって、二酸化塩素ガスの活性が維持されていること、そして香料は二酸化塩素ガスと化学反応することなく、不快臭を緩和していること示している。
本発明では、香料と二酸化塩素ガス発生剤とを接触しないようにしなければならない。二酸化塩素ガス発生剤と香料が直接接触すると、両者が変質してそれぞれが有する本来の効能を発揮できないからである。
そのため、本発明の二酸化塩素ガス発生具では、二酸化塩素(ClO)ガスを発生する二酸化塩素ガス発生剤と芳香剤が直接接触しないように分離した状態で容器に収納しなければならない。1つの収納部に二酸化塩素ガス発生剤と芳香剤とを収納する場合は、セパレータ(分離材)で分離するか、あるいはこれらの剤を離して配置する。セパレータとしては、二酸化塩素ガス発生剤と芳香剤が接触しないようにできるものであれば如何なるものでも良いが、例えば高分子フィルム、高分子ラミネートフィルムを使用することができる。また、容器に2つの収納部を設け、ぞれぞれの収納部に、二酸化塩素ガス発生剤と芳香剤とを個別に納めてもよい。
芳香剤が二酸化塩素ガス発生剤の外側に配置して、芳香剤から揮散する香料成分が二酸化塩素ガス発生剤の不快臭を包み込むようにすることもできる。さらに、収納部を多数設けて、二酸化塩素ガス発生剤と芳香剤とを交互に配置しても良い。いずれにしても、二酸化塩素ガス発生剤と芳香剤が直接接触しないように配置することが必要である。
本発明の二酸化塩素ガス発生具を図1〜4に基づいて示す。
本発明の二酸化塩素ガス発生具を図面に基づいて説明する。
図1、2に示すように、二酸化塩素ガス発生具1は容器2、開口部3を有する蓋4および内蓋5からなる。容器2には、二酸化塩素ガス発生剤6と芳香剤7が収納されている。そして、二酸化塩素ガス発生剤6と芳香剤7はセパレータ8により直接触れないように分離されている。
二酸化塩素ガス発生具1の使用時には、内蓋5は外されて、開口部3から二酸化塩素ガス発生剤と芳香剤から揮散するガスが放散できるようになっている。また、不使用時には内蓋5は容器2に装着されて、容器2から放散されるガスの散逸を防止する。この内蓋5に開口部3を設け蓋4を開口部のない密閉蓋としてもよい。
容器3、蓋4および内蓋5はガラス、プラスチック、金属等の材料を使用することができる。
二酸化塩素ガス発生剤6と芳香剤7は、図3では、交互にそれぞれ2個ずつ収納されている。図4のように二酸化塩素ガス発生剤6の周囲にセパレータ8を介在させて芳香剤7を巻くように配置してもよい。この場合、芳香剤7をシート状にして二酸化塩素ガス発生剤6を巻くこともできる。
芳香剤は、どのような剤形を採るかについて特に制限はないが、実用上の使用性の観点からは、以下に詳述する固形状または液状であることが好ましい。
好ましい固形化剤としてはカラギーナン、ジェランガム、ゼラチンなどが挙げられるが、それらの含有量は、一般的に0.1〜10%程度、香料成分の含有量は0.1〜30%程度である。
一方、好ましい液状の形態としては、界面活性剤、及び/又は、水溶性若しくは油性溶剤0〜99%を含有し、香料成分が溶液中に均一に分布(例えば、溶解、分散)している状態である。
香料成分を効果的に均一に可溶化するためには、界面活性剤を使用する事が好ましく、ポリエチレングリコール型や多価アルコール型のノニオン系や、硫酸エステル塩等のアニオン系等が好ましい。一般的には、界面活性剤の含有量は0.1〜30%程度である。
二酸化塩素ガス発生剤6としては、ゲル状のもの(これは複数の製薬会社から市販されている)を使用した。
また、芳香剤の香料として、処方例4のラベンダー系の香料成分5gを3メチル3メトキシブタノール5gに配合し、界面活性剤としてポリオキシエチレンソルビタンモノタウレート3gを加えた後、防腐剤としてメチルパラベン0.1g、酸化防止剤としてDHT0.05g、カラギーナン1g、精製水を100gになるように加えて固形状の芳香剤とした。
そして、図3に示すように、二酸化塩素ガス発生剤6と芳香剤7をそれぞれ2個ずつ、高分子フィルムのセパレータ8を介して、交互に配置して図1、2に示す容器に収納した。
本発明の二酸化塩素ガス発生具は、除菌・消臭作用等の活性を低減することなく、気相中の二酸化塩素ガスの不快臭を緩和することができるものであり、様々な生活空間に配備することにより、クリーンで快適な空間を創り、また、新型インフルエンザなどに対する簡便な抗ウィルス対策手段の1つを提供するものである。
1:二酸化塩素ガス発生具
2:容器
3:開口部
4:蓋
5:内蓋
6:二酸化塩素ガス発生剤
7:芳香剤
8:セパレータ

Claims (6)

  1. 二酸化塩素ガス発生剤と芳香剤とを開口部を有する容器に収納し、該二酸化塩素ガス発生剤と該芳香剤は分離して配置し、該開口部から二酸化塩素ガスと芳香剤の香料成分を揮散させ、該芳香剤の香料成分が二酸化塩素ガス発生剤から発生するガスの不快臭を低減し、かつ気相中の二酸化塩素ガス濃度を減少させないものであることを特徴とする、二酸化塩素ガス発生具。
  2. 二酸化塩素ガス発生剤と芳香剤とがセパレータによって分離されていることを特徴とする、請求項1に記載の二酸化塩素ガス発生具。
  3. セパレータが容器の一部であることを特徴とする、請求項2に記載の二酸化塩素ガス発生具。
  4. 芳香剤が、二酸化塩素ガス発生剤の外側に配置されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の二酸化塩素ガス発生具。
  5. 芳香剤の香料成分がミント系組成物、グレープフルーツ系組成物、ラベンダー系組成物からなる群のうち、少なくとも一つから選択されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の二酸化塩素ガス発生具。
  6. 二酸化塩素ガス発生剤がゲル状であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の二酸化塩素ガス発生具。
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