JP2005186545A - 液滴吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液滴の吐出時に発生する音を検出して液滴の吐出異常を直接的に検出することができる液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】ノズルプレート51Aにはノズル51の近傍に空洞部130等が設けられ、ノズルプレートの一部の肉厚が薄くなった梁構造となっている。ノズル51から吐出されるインク滴がメニスカスから分裂するときに発生するちぎれ音をこの梁構造で共鳴させて増幅して、印字ヘッド内に備えられたちぎれ音を検出する検出センサへ効率よく伝達することができる。このようにしてちぎれ音を検出して、ノズル51から吐出されるインク滴の不吐出や吐出異常を判断することができる。なお、検出センサは吐出用の圧電素子を兼用させてもよいし、薄膜状の圧力センサを備えてもよい。音響整合のよいちぎれ音検出用の圧力センサを備えると高感度にちぎれ音を検出することができる。
【選択図】 図9

Description

本発明は液滴吐出装置に係り、特に吐出孔から液滴を吐出させる際に正常に吐出が行われたか否かを検出する吐出検出技術に関する。
近年、画像やドキュメント等のデータ出力装置としてインクジェットプリンターが普及している。インクジェットプリンターは記録ヘッドの記録素子(ノズル)をデータに応じて駆動し、該ノズルからインクを吐出させて記録紙にデータが形成される。インクを吐出させる吐出手段としてノズルに連通される圧力室に圧力波を与えるPZT アクチュエータ等を用いるものや、インク室(圧力室)内のインクを加熱してバブルを発生させる熱源を用いるものなどがある。これらの吐出手段を動作させることによって加圧されたインクがノズルから吐出され、被記録媒体上へ画像などのデータが形成される。
インクジェットプリンターでは、記録ヘッド内のインクに気泡が混入したり、ノズル近傍のインクが増粘したりすると、インクの吐出量異常、吐出方向異常、不吐出などの吐出異常が発生する。かかる吐出異常は記録画像に影響を及ぼし、結果として画像品質を著しく低下させてしまう。したがって、吐出異常を遅滞なく検出して該吐出異常の原因を取り除くことによって記録画像の品質を維持することができる。
特許文献1に記載されたインクジェット記録装置では、インク吐出口の近傍に配置されたマイクロホンによりインク吐出周波数を検出し、インク内に気泡が発生したか否かを判断する。また、検出した周波数によりインクの有無、吐出異常を装置使用者に報知するように構成されている。
また、特許文献2に記載されたインクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置では、圧電素子の駆動時に流入する電荷量の時間変化を測定し、インク流路にインク流路に気泡が存在する場合及び塵埃等が存在して流体抵抗が増加した場合を検地するように構成されている。
特許文献3に記載されたインクジェット式プリンタ、気泡検出回路及び気泡検出方法では、ヘッドの圧電素子の任意の周波数におけるインピーダンスを測定し、インピーダンスの周波数特性を作成し、その周波数特性により気泡が付着しているかを判断するように構成されている。
特開平9−39269号公報 特開平11−99646号公報 特開平11−334102号公報
吐出異常を検出するには、印字結果の画像やテスト印字からCCDなどのセンサを用いてインクの着弾位置や着弾径を検出して吐出異常を判断する方法や、レーザー等の非接触検出手段を用いて飛翔するインク滴を直接観測する方法などがある。
しかしながら、インクの着弾位置や着弾径を検出する方法では、テスト画像等の画像を印字しなければならないので用紙が無駄になるだけでなく、印字のための時間が必要になり、リアルタイムに吐出異常を検出することができない。また、非接触型の検出手段を用いてインク滴の飛翔状態を直接観測する方法では、検出自体が難易であり、且つ、複数のインク滴を略同一タイミングで観測するために検出するノズルの数と同じ数の検出手段を備えるか、或いは、検出手段を走査させる走査手段とこれを制御する制御手段とを備えなければならない。
特許文献1に開示されたインクジェット記録装置では、ノズル近傍にマイクロホン(圧力センサ)を設けインクの周波数(着弾音)を検出する場合、検出信号が微弱であるために検出が容易ではない。また、ノズルごとにセンサを設置するとすればコストアップになる。
また、特許文献2に記載されたインクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置では、圧力室内がインクで満たされているかどうかを音響インピーダンスの変化として圧電体で捉える方法であり、これにより圧力室内の気泡の有無を検出することができるが、実際にインクが正常に吐出されているか否かを圧力損失の形で間接的に検出することはできても、直接的にインクが正常に吐出されているか否かを検出することはできない。
特許文献3に記載されたインクジェット式プリンタ、気泡検出回路及び気泡検出方法では、インクが正常に吐出されているか否かを直接的に検出することはできない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、液滴の吐出時に発生する音を検出して液滴の吐出異常を直接的に検出することができる液滴吐出装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために請求項1に係る発明は、被吐出媒体上に液滴を吐出させる吐出孔を有する吐出ヘッドと、前記吐出孔から吐出される液滴がメニスカスから分裂する際に発生する音波を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて前記吐出孔から前記液滴の吐出状態を判断する吐出判断手段と、を備えたことを特徴としている。
即ち、吐出される液滴がメニスカスから分裂する際に発生する音波を検出して、その検出結果に基づいて液滴の吐出状態を判断するように構成したので、着弾音を検出する方法と比べると吐出異常のノズル識別が可能であり、振動板を検出する方法と比べると実際に吐出したか否かが正確に判別可能である。
被吐出媒体は、吐出ヘッドから液滴を吐出される媒体であり、連続用紙やカット紙、シール用紙などの紙類、OHPシート等の樹脂シート、フイルム、布、その他材質や形状を問わず、様々な媒体を含む。
また、液滴には、水、薬液、処理液、インクなどが吐出孔から吐出可能な様々な液体が含まれる。
検出手段には、検出された音(音波)を電気信号に変換する圧力センサ、該圧力センサから得られた信号を増幅する信号増幅手段、該信号増幅手段によって増幅された信号を制御系へ伝達させる信号伝達手段を含んでいてもよい。
吐出状態の判断には正常吐出及び異常吐出の判断が含まれている。メニスカスから液滴が分裂する際に発生する音波が発生するか否かによって、吐出/不吐出の検出ができ、一方、音波の発生タイミングによって吐出量異常、吐出方向異常、液滴の飛翔速度異常を検出可能である。また、吐出速度や吐出量のチェックや吐出孔ごとの駆動対応のチェックも可能である。
なお、リファレンスデータを備え、該リファレンスデータと照合を行い吐出状態を判断する態様がある。この場合、リファレンスデータを記録する記録手段、検出結果とリファレンスデータとの照合を行う照合手段(判断手段)などが備えられる。
請求項2に示すように請求項1記載の発明において、前記吐出ヘッドは前記音波と共鳴して該音波を増幅させる共鳴構造を備えたことを特徴としている。
即ち、吐出ヘッドには、音波を増幅させる共鳴構造を備えたので、該音波の検出精度が向上し、確実に吐出異常を検出することができる。
共鳴構造は、吐出孔の近傍及び吐出孔と連通される流路の近傍に設けられる態様が好ましい。
吐出孔と連通される流路にはノズル開口部から液滴が加圧される圧力室までの液滴の流路であるノズルが含まれる。
また、請求項3に示すように請求項2記載の発明において、前記吐出ヘッドは、少なくとも前記吐出孔が形成される吐出孔形成部材を含む複数の薄板状部材が積層される積層構造を有し、前記吐出孔形成部材内及び該吐出孔形成部材と該吐出孔形成部材に隣接する薄板状部材の間のうち少なくとも何れか一方に、前記音波と共鳴して該音波を増幅させる空洞部を備えたことを特徴としている。
即ち、吐出孔形成部材及び該吐出孔形成部材とこれに隣接する薄板状部材との間に空洞部を設けることで、吐出孔近傍で液滴の吐出時に発生する音波を共鳴させて増幅させることができる。
空洞部は、吐出孔形成部材自体に設けられていてもよいし、該吐出孔形成部に隣接する薄板状部材と該吐出孔形成部材との間に設けられていてもよい。
また、空洞部は大気と連通される開放(オープン)型の空洞でもよいし、大気と連通されない閉鎖(クローズ)型の空洞でもよい。なお、吐出孔形成部材は複数の薄板状部材で構成されていてもよい。オープン型の空洞には吐出孔形成部材を貫通する貫通孔を含んでいてもよい。
また、請求項4に示すように請求項2又は3記載の発明において、前記吐出ヘッドは、前記吐出孔及び吐出孔に連通される流路の近傍に少なくとも壁面の一部の厚みが相対的に薄い薄肉状の梁構造を備えたことを特徴としている。
即ち、吐出孔及び吐出孔に連通される液滴流路の近傍を薄肉状の梁構造とすることで、音波が該梁構造と共鳴して増幅される。該梁構造を複数備えると複数の音波に対応することができる。
また、請求項5に示すように請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の発明において、前記吐出ヘッドは前記吐出孔から液滴を吐出させるための吐出力を発生させる圧電素子を備え、前記検出手段は前記圧電素子と兼用されることを特徴としている。
即ち、液滴吐出用の圧電素子を検出用センサと兼用することで、検出専用のセンサを備えることなく音波の検出をすることができる。該圧電素子から得られる信号をセンシングするセンシング回路を備える必要がある。
圧電素子にはピエゾ型圧電素子などを適用することができる。もちろん、他の圧電素子を用いてもよい。
また、請求項6に示すように請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の発明において、前記検出手段は前記吐出ヘッドに備えられた圧力センサを含むことを特徴としている。
即ち、音波検出専用の圧力センサを備えたので、精度よく音波の検出が可能になる。更に、該圧力センサに音響整合の高いセンサを用いると、高感度の検出が可能である。
該圧力センサには、PVDF等の薄膜状センサを用いるとよい。
また、請求項7に示すように請求項6記載の発明において、前記圧力センサは、吐出孔から吐出される液に圧力を付与する圧力室内に備えられることを特徴としている。
即ち、音波検出センサをアクチュエータから付加される圧力を吐出される液滴に伝達する圧力室内部に備えると、該圧力センサと該アクチュエータとの配線の共通化が可能である。
また、請求項8に示すように請求項1乃至7のうち何れか1項に記載の発明において、前記吐出ヘッドは、該吐出ヘッド内の流路を伝播する音波を前記検出手段へ導く音響ミラーを前記吐出ヘッド内の流路内に備えたことを特徴としている。
即ち、吐出用の圧電素子を音波検出用センサと兼用する場合、該圧電素子によって加圧される液を収容する液室内へ音波を導くことができ、該音波を確実に該圧電素子によって検出することができる。また、該流路内に音波検出センサを備えた場合にも、該センサの設置部分へ音波を導くことができ、該音波を確実に該センサによって検出することができる。
音響ミラーには流路内のテーパ状に加工された壁面を含んでいてもよく、音波を検出するセンサ部の設置部分へ効率よく音波を伝達させる、構造、形状、材質が適用される。
本発明によれば、吐出ヘッドには、該吐出ヘッドから吐出される液滴がメニスカスから分裂する際に発生する音波を検出する検出手段を備え、該音波が発生するか否かによって液滴の吐出及び不吐出を検出することができ、該音波の発生タイミングによって吐出される液滴の吐出量、吐出方向、飛翔速度を検出することができる。音波を検出する検出手段は、吐出用の圧電素子を兼用してもよいし、検出用のセンサを備えてもよい。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示したように、このインクジェット記録装置10は、インクの色ごとに設けられた複数の印字ヘッド12K,12C,12M,12Yを有する印字部12と、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター(第1のカッター)28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置される。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラ31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引穴(不図示)が形成されている。図1に示したとおり、ローラ31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面に対向する位置には吸着チャンバ34が設けられており、この吸着チャンバ34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラ31、32の少なくとも一方にモータ(図1中不図示,図6中符号88として記載)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1上の時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面をローラが接触するので画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面を接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹き付け、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙送り方向 (記録紙搬送方向)と直交方向に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている(図2参照)。詳細な構造例は後述するが、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yは、図2に示したように、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙16の送り方向(以下、記録紙搬送方向という。)に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド12K,12C,12M,12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色ごとに設けられてなる印字部12によれば、記録紙搬送方向について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち1回の記録紙搬送方向への走査で)、記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、印字ヘッドが記録紙搬送方向と略直交する方向に往復動作するシリアル(シャトルスキャン)型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお、本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは不図示の管路を介して各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字部12の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
こうして生成されたプリント物は排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える不図示の選別手段が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成される。
また、図1には示さないが、本画像の排出部26Aには、オーダ別に画像を集積するソーターが設けられる。なお、符号26Bはテスト印字排出部である。
次に、印字ヘッド50の構造について説明する。インク色ごとに設けられている各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって印字ヘッドを示すものとする。
次に、印字ヘッド50の構造について説明する。インク色ごとに設けられている各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって印字ヘッドを示すものとする。
図3(a) は印字ヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、図3(b) はその一部の拡大図である。また、図3(c) は印字ヘッド50の他の構造例を示す平面透視図、図4はインク室ユニットの立体的構成を示す断面図(図3(a) 中の4−4線に沿う断面図)である。記録紙面上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、印字ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例の印字ヘッド50は、図3(a) 〜(c) 及び図4に示したように、インク滴が吐出するノズル51と、各ノズル51に対応する圧力室52等からなる複数のインク室ユニット53を千鳥でマトリックス状に配置させた構造を有し、これにより見かけ上のノズルピッチの高密度化を達成している。
即ち、本実施形態における印字ヘッド50は、図3(a) ,(b) に示すように、インクを吐出する複数のノズル51が記録紙(印字媒体)搬送方向と略直交する方向に記録紙の全幅に対応する長さにわたって配列された1列以上のノズル列を有するフルラインヘッドである。
また、図3(c) に示すように、短尺の2次元に配列されたヘッド50’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせて、記録紙の全幅に対応する長さとしてもよい。
各ノズル51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル51と供給口54が設けられている。各圧力室52は供給口54を介して共通流路55と連通されている。
圧力室52の天面を構成している振動板56には個別電極57を備えたアクチュエータ58が接合されており、個別電極57に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ58が変形してノズル51からインクが吐出される。インクが吐出されると、前記共通流路から供給口54を通って新しいインクが圧力室52に供給される。
インク室ユニット53は、ノズル51、圧力室52などになる開口部やインク流路となる溝部が設けられたキャビティプレート(基板)を積層させて形成されている。図4によれば、ノズル51(ノズル開口部)となる穴部が設けられたノズルプレート51A、共通流路55及びノズル管路51Bとなる開口部が形成されている共通流路プレート55A、ノズル管路51B及び供給口54となる穴部が形成されている供給口プレート54A、圧力室52となる開口が形成される圧力室プレート52A、アクチュエータ58が取り付けられ、圧力室52内のインクにアクチュエータ58から付加される圧力を伝達する振動板(加圧板)56がインク滴吐出面側から順に積層された構造になっている。なお、図4ではインク滴が吐出される方向は図4中上方向になる。
また、詳細は後述するが、アクチュエータ58はインク滴がメニスカスから分裂する(ちぎれる)際に発生するちぎれ音を検出する圧力センサとしての機能も兼ね備えている。
即ち、アクチュエータ58が取り付けられている振動板56に、ちぎれ音による圧力(振動)が与えられると、アクチュエータ58はこの圧力を電気信号に変換する圧力センサとして機能する。
かかる構造を有する多数のインク室ユニット53を主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に配列させた構造になっている。主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット53を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd× cosθとなる。
即ち、かかる構造ではヘッドの長手方向(主走査方向)に沿って各ノズル51が一定の間隔(ピッチP)で直線状に配列されているもの同等である。
なお、本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されず、上述したマトリクス配列を適用してもよいし、ヘッドの長手方向に1列のノズル列を有してもよい。
図5は、インクジェット記録装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。
インク供給タンク60はインクを供給するための基タンクである。インク供給タンク60の形態には、インク残量が少なくなった場合に、不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。なお、図5のインク供給タンク60は、先に記載した図1のインク貯蔵/装填部14と等価のものである。
図5に示したように、インク供給タンク60と印字ヘッド50の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルタ62が設けられている。フィルタ・メッシュサイズは、ノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
なお、図5には示さないが、印字ヘッド50の近傍又は印字ヘッド50と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパ効果及びリフィルを改善する機能を有する。
サブタンクにより内圧を制御する態様には、大気開放されたサブタンクと印字ヘッド50内のインク室ユニット53とのインク水位の差によりインク室ユニット53内の内圧を制御する態様や、密閉されたサブタンクに接続されたポンプによりサブタンク及びインク室の内圧を制御する態様などがあり、何れの態様を適用してもよい。
また、インクジェット記録装置10には、ノズル51の乾燥防止又はノズル51近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ64と、ノズル51面の清掃手段としてのクリーニングブレード66とが設けられている。
これらキャップ64及びクリーニングブレード66を含むメンテナンスユニットは、不図示の移動機構によって印字ヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置から印字ヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ64は、図示せぬ昇降機構によって印字ヘッド50に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、印字ヘッド50に密着させることにより、ノズル面(インク吐出面)をキャップ64で覆う。
印字中又は待機中において、特定のノズル51の使用頻度が低くなり、ある時間以上インクが吐出されない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してインク粘度が高くなってしまう。このような状態になると、アクチュエータ58が動作してもノズル51からインクを吐出できなくなってしまう。
このような状態になる前に(アクチュエータ58の動作により吐出が可能な粘度の範囲内で)アクチュエータ58を動作させ、その劣化インク(粘度が上昇したノズル近傍のインク)を排出すべくキャップ64(インク受け)に向かって予備吐出(パージ、空吐出、つば吐き)が行われる。
また、印字ヘッド50内のインク(圧力室52内)に気泡が混入した場合、アクチュエータ58が動作してもノズルからインクを吐出させることができなくなる。このような場合には印字ヘッド50にキャップ64を当て、吸引ポンプ67で圧力室52内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク68へ送液する。
この吸引動作は、初期のインクのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも粘度上昇(固化)した劣化インクの吸い出しが行われる。なお、吸引動作は圧力室52内のインク全体に対して行われるので、インク消費量が大きくなる。したがって、インクの粘度上昇が小さい場合には予備吐出を行う態様が好ましい。
クリーニングブレード66は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示せぬブレード移動機構(ワイパー)により印字ヘッド50のインク吐出面(ノズル板表面)に摺動可能である。ノズル板にインク液滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード66をノズル板に摺動させることでノズル板表面を拭き取り、ノズル板表面を清浄する。なお、該ブレード機構によりインク吐出面の汚れを清掃した際に、該ブレードによってノズル51内に異物が混入することを防止するために予備吐出が行われる。
図6はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはUSB、IEEE1394、イーサネット、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ74に記憶される。画像メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、通信インターフェース70、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ86との間の通信制御、画像メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒータ89を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示にしたがってモータ88を駆動するドライバ(駆動回路)である。なお、図6にはモータドライバ76及びモータ88のみ示したが、システムコントローラ72は複数のモータドライバ及びモータを制御している。
また、ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示にしたがって後乾燥部42等のヒータ89を駆動するドライバである。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、画像メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号をヘッドドライバ84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ84を介して印字ヘッド50のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。なお、図6において画像バッファメモリ82はプリント制御部80に付随する態様で示されているが、画像メモリ74と兼用することも可能である。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して一つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ84はプリント制御部80から与えられる印字データに基づいて各色の印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのアクチュエータを駆動する。ヘッドドライバ84にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
また、メニスカスのちぎれ音を検出するセンサとして機能するアクチュエータ58から送出される検出信号はプリント制御部80に送られ、該検出信号に基づいた印字ヘッド50の制御が行われる。なお、図6には図示しないが、該検出信号は微小信号であるので、アクチュエータ58とプリント制御部との間にノイズ除去用フィルタや信号増幅器を備える態様が好ましい。
また、多数のセンサ(アクチュエータ58)から送出される検出信号をセンシングする不図示のセンシング回路によって、当該ノズルと隣接するノズルとの識別が行われる。このセンシングには時分割検出や周波数分割検出を適用可能である。
〔吐出異常検出〕
次に、本インクジェット記録装置10に備えられた吐出異常検出について詳説する。一般に、インクジェット記録装置では、図3及び図4に示したインク室ユニット53内に気泡が混入するとインクに付加される圧力の損失が大きくなり、吐出異常が起こることがある。同様に、長期間インクが吐出されない場合などにはノズル内のインクが増粘して、吐出異常が起こり得る。
かかる吐出異常が起こると、印字結果画像にはすじや色むらなど画像劣化が生じ、印字品質を著しく低下させる。
したがって、吐出異常を素早く発見し、パージ、吸引などの適切な回復動作を行うことで、好ましい画像品質を確保することができる。
本インクジェット記録装置10では、従来技術に説明した、圧力室内の気泡の有無の検出やインクの着弾音の検出ではなく、インクが吐出される際のメニスカスのちぎれ音を検出して、図4に示した圧力室52内のインクの有無(気泡の有無)やインクの吐出異常を検出する機能を有している。
図7は、メニスカス100とアクチュエータ58の電極に印加される駆動電圧波形102との関係を示している。なお、図7の横軸は時間を表している。
図7の符号Aに示すように、アクチュエータ58へ所定の駆動電圧を印加して、メニスカス100がノズル51の吐出面と略同一位置にある状態が保持されている。この状態Aからアクチュエータ58への駆動電圧を遮断(即ち、0Vを印加)すると、ノズル51及び圧力室52内はノズル51からのインク漏れを防止するために負圧に保たれているために、符号Bに示すように、メニスカス100はノズル51内部へ引き込まれた状態になる。その後、再度アクチュエータ58に所定の駆動電圧を印加してアクチュエータ58を動作させると、符号Cに示すようにメニスカス100はノズル面と略同一位置を経て、符号Dに示すように、メニスカス100はノズル51の外部に突き出た状態になり、更に、符号Eに示すように、ノズル51外部に突き出た部分が大きくなり(即ち、メニスカス100が液柱状態になる)、符号Fに示すように、メニスカス100からインク滴104が分裂して、インク滴104が吐出されることになる。
符号Fに示す状態では、メニスカス100からインク滴104が分裂されると、メニスカス100の一部はノズル51内に引き込まれるように遷移する。
ここで、アクチュエータ58への印加電圧を遮断すると、符号Gに示すように、メニスカス100はノズル51内へ引き込まれ、インク滴104はメニスカス100から確実に分離される。このときに、破線で示したサテライト106が発生することがある。
上述したように、インク滴が吐出されると、符号Hに示すように、メニスカス100はノズル51の吐出面と略同一位置になる。この符号Hに示す状態を保持するためには再度駆動電圧を印加すればよい。
ここで、符号Eに示した状態から符号Gに示した状態までのインク滴104が吐出されるタイミングでは、メニスカス(液柱)100からインク滴104が分裂する際に生じるちぎれ音が発生する。
インクジェット記録装置10では、インク滴104が吐出される際(符号F、Gの状態)に発生するメニスカス100が分裂する音(即ち、ちぎれ音)を検出するので、メニスカス100が断裂してインク滴104が吐出されたか、正常なタイミングでインク滴104が吐出されたか(液滴サイズ、速度が正常であるか)の検出が可能となる。
言い換えると、ちぎれ音がするか否かによってインク滴の吐出/不吐出を検出することができ、更に、ちぎれ音の発生タイミングによって、インク滴サイズ、飛翔速度、飛翔方向を検出することができる。インク滴サイズ、飛翔速度、飛翔方向が全て正常であれば所定のタイミングでちぎれ音が検出されることになる。
なお、図6に示した制御系に含まれる記録手段(例えば、図6に示した画像メモリや画像バッファメモリなどのRAM、ROM等、システムが備えているメモリを兼用可能)に該ちぎれ音の判定データ(リファレンスデータ)を1種類以上記録しておき、該判定データと検出結果をシステムコントローラ72やプリント制御部80などによって照合(比較)することにで吐出の状態(例えば、正常/異常)が判断される。
なお、図7ではアクチュエータ58へ印加する駆動電圧波形102に矩形波を適用した例を示したが、これはあくまでも一例であり、図8a)、b)に示すような台形状の駆動電圧波形120及び122などを用いてもよい。但し、駆動電圧波形の形状によって前記ちぎれ音が発生するタイミングが変わることがあり得る。
図7乃至図9に示した駆動電圧波形は相対的な駆動電圧が示されており、例えば、状態A及び状態Hに示すメニスカスを維持するために0V電圧を印加(即ち、駆動電圧をオフにする)してもよい。また、状態Bに示したメニスカス100を維持するために負電圧を印加してもよい。
上述したメニスカス100のちぎれ音は微弱であり、この微弱なちぎれ音を検出するよりも該ちぎれ音を増幅すると検出が容易になる。したがって、印字ヘッド50内には共鳴構造が設けられ、該共鳴構造によって該ちぎれ音が増幅されるように構成されている。
図9には上述した共鳴構造の一例を示す。図9は、図4に示したノズルプレート51Aの1ノズル分を取り出した斜視図である。図9中、Kに示す方向はノズル51から吐出されるインク滴の吐出方向である。なお、図9では、図を分かりやすくするために、ノズルプレート51Aの厚みを厚く示したが、ノズルプレート51Aは実際には非常に薄い薄板形状である。このようにして、ノズルプレート51Aや圧力室プレート52Aの肉厚を薄くした梁構造とし、この梁構造がちぎれ音に共鳴するように構成されている。
図4に示したノズル51は圧力室側から吐出側に向かって開口径が細くなる、いわゆる絞り構造を有しているが、図の簡略化のために、以後、ノズル51圧力室側から吐出側まで同一開口径を有するものとする。
ノズルプレート51Aには、ノズル51の近傍にはノズル51の周りを囲むように空洞部130、132、134、136が設けられており、これらの空洞部130、132、134、136を該ちぎれ音の周波数に共鳴するような梁構造を持つようにする。
なお、空洞部130、132、134、136は、図9に示すようにノズルプレート51Aを貫通する構造を含み、大気開放された開放(オープン)構造でもよいし、大気開放されない閉鎖(クローズ)構造でもよい。例えば、断面形状が円、四角形などでもよい。
上述したクローズ構造にすると、ノズル面の清掃(ワイプ)の際に、空洞部130、132、134、136に拭き取られるはずのインクが入ってしまう恐れがない。
なお、図9に示すように、空洞部130等はその断面が略長だ円形状であるものを例示したが、空洞部130等の形状はこれに限定されず様々な形状とすることができる。
本例では、ノズルプレート51Aに共鳴構造となる空洞部130、132、134、136を設けたが、ノズルプレート51Aと隣接するプレート(例えば、図4では共通流路プレート55A等)に空洞部が設けられていてもよい。
また、本例ではノズルプレート51Aは1枚のキャビティプレートで構成されているが、これを複数のキャビティプレートによって構成し、該複数のキャビティプレートの少なくとも1枚に共鳴構造を形成する空洞部を設けてもよい。
図10は、図4に示したインク室ユニット53に、図9に示した共鳴構造を有するノズルプレートを適用した場合を示している。図10中図4と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
なお、図9では空洞部130等が貫通穴である態様を例示したが、図10では空洞部130等がノズルプレート51Aを貫通しないクローズな空洞(凹部)である態様を示す。
図11には、検出センサであるアクチュエータ58へちぎれ音が効率よく伝わるために、インク流路(ノズル51の管路部分)の壁面に音響ミラー200を備えた態様を示している。
ちぎれ音はメニスカス100から液滴が分裂した位置(場所)から放射状に伝播され、その一部はノズル51の開口部からノズル51の管路部分へ侵入し、空洞部130等で増幅された後にインク室ユニット53内に向かって符号Lで示す方向に伝播される。
インク室ユニット53内へ伝播されたちぎれ音は音響ミラー200によって符号Mで示す方向に反射され、検出センサであるアクチュエータ58へ効率よく導かれることになる。なお、本例では音響ミラー200をインク流路内の壁面に1つ設けたが、音響ミラーを複数設けてもよいし、ちぎれ音を効率よく検出センサに導くことができる任意の位置に音響ミラーを設けてもよい。
また、図12には、ちぎれ音検出専用の圧力センサ220を備えた態様を示す。圧力センサ220は圧力室52内の供給口プレート54Aなどのノズルプレート51A近傍に貼り付けて用いられ、いわゆるマイク検出が行われる。
圧力センサ220にはPVDF(ポリフッ化ビニリデン)などの薄膜であり、且つ、音響整合の高い圧力センサを用いるとよい。
符号222及び符号224は、圧力センサ220から出力される検出信号の配線を示している。該配線222、224がアクチュエータ58の配線(不図示)と共通化されると、コストアップを避けることができる。
本例では圧力センサ220を圧力室52内に備える態様を例示したが、圧力センサ220はノズル管路51Bやノズルプレート51Aに備えてもよい。圧力センサ220をノズルプレート51Aに備える態様では、ノズルプレート内に内蔵してもよいし、インク滴吐出側に備えてもよい。
図13及び図14には、ノズルプレート51Aに形成される梁構造(図9に一例を図示)のバリエーションを示す。
図12に示したように、圧力センサ220をノズル51の内部に備えた場合には、破線で示したノズル管路51Bの内側部分に薄肉部240が形成される梁構造になるように空洞部130等が形成される。
一方、圧力センサ220がノズル51の外部にあるときにはノズルプレート51Aの厚み方向に薄肉部242が形成される梁構造になるように空洞部130等が形成される。
更に、複数の打滴サイズに対応するために、複数種類のちぎれ音に共鳴するように、共鳴構造を複数設けてもよいし、広い周波数帯域に対応したブロードな共鳴器を設置してもよい。
上記の如く構成されたインクジェット記録装置10では、インク滴が吐出される際に発生するメニスカス100のちぎれ音を検出して、インク滴の吐出異常を判断することができるので、直接的にインク滴の吐出状況を検出することで、吐出異常を確実に捉えることができる。該ちぎれ音の検出センサには、インク滴吐出用のアクチュエータ58を用いてもよいし、音響整合の高い圧力センサを圧力室52内部に備えてもよい。該ちぎれ音検出センサを備えると、高感度にちぎれ音を検出することができる。
また、ノズル51の開口部が形成されているノズルプレート51Aには、該ちぎれ音の周波数に共鳴する共鳴構造を備えたので、微弱なちぎれ音を増幅することができると共に、確実に異常を検出することができる。
更に、ノズル51と検出センサとの間に音響ミラーを備えることで、該ちぎれ音を確実に検出センサに導くことができる。
本実施形態では、ドロップオンデマンド方式のインクジェット記録装置を例示したが、本発明はコンティニュアス方式のインクジェット記録装置にも適用可能である。コンティニュアス方式の場合、連続的にインク滴を吐出させるので、ちぎれ音は周期的に現れる。この周波数に共鳴する構造とし、且つ、ちぎれの位相に合わせてちぎれ音を検出する検出回路を設けることで、より高感度にちぎれ音の検出が可能になる。
また、本発明はインクジェット記録装置の他に水、処理液、薬液などの液体を吐出ヘッドに備えられたノズルから被吐出媒体上に吐出させる液滴吐出装置にも適用することができる。
本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の基本構成図 図1に示したインクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図 印字ヘッドの構造例を示す平面透視図 図3中4−4線に沿う断面図 本実施形態に係るインクジェット記録装置のインク供給系の構成を示す要部ブロック図 本実施形態に係るインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図 駆動電圧波形とメニスカスの変化する様子を示す図 図7に示した駆動電圧波形のバリエーションを示す図 ノズルプレートの構造を示す斜視図 図9に示したノズルプレートを適用したインク室ユニットの断面図 図10に示したインク室ユニット内に音響ミラーを備える態様を説明する図 図9に示したインク室ユニット内にちぎれ音検出専用の圧力センサを備えた態様を説明する図 図9に示したノズルプレートのバリエーションを説明する図 図9に示したノズルプレートの更に他のバリエーションを説明する図
符号の説明
10…インクジェット記録装置、50…印字ヘッド、51…ノズル、51A…ノズルプレート、51B…ノズル管路、52…圧力室、58…アクチュエータ、74,82…メモリ、80…プリント制御部、100…メニスカス、130,132,134,136…空洞部、200…音響ミラー、220…圧力センサ、240,242…薄肉部

Claims (8)

  1. 被吐出媒体上に液滴を吐出させる吐出孔を有する吐出ヘッドと、
    前記吐出孔から吐出される液滴がメニスカスから分裂する際に発生する音波を検出する検出手段と、
    前記検出手段の検出結果に基づいて前記吐出孔から前記液滴の吐出状態を判断する吐出判断手段と、
    を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 前記吐出ヘッドは前記音波と共鳴して該音波を増幅させる共鳴構造を備えたことを特徴とする請求項1記載の液滴吐出装置。
  3. 前記吐出ヘッドは、少なくとも前記吐出孔が形成される吐出孔形成部材を含む複数の薄板状部材が積層される積層構造を有し、前記吐出孔形成部材内及び該吐出孔形成部材と該吐出孔形成部材に隣接する薄板状部材のうち少なくとも何れか一方に、前記音波と共鳴して該音波を増幅させる空洞部を備えたことを特徴とする請求項2記載の液滴吐出装置。
  4. 前記吐出ヘッドは、前記吐出孔及び吐出孔に連通される流路の近傍に少なくとも壁面の一部の厚みが相対的に薄い薄肉状の梁構造を備えたことを特徴とする請求項2又は3記載の液滴吐出装置。
  5. 前記吐出ヘッドは前記吐出孔から液滴を吐出させるための吐出力を発生させる圧電素子を備え、
    前記検出手段は前記圧電素子と兼用されることを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の液滴吐出装置。
  6. 前記検出手段は前記吐出ヘッドに備えられた圧力センサを含むことを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の液滴吐出装置。
  7. 前記圧力センサは、吐出孔から吐出される液に圧力を付与する圧力室内に備えられることを特徴とする請求項6記載の液滴吐出装置。
  8. 前記吐出ヘッドは、該吐出ヘッド内の流路を伝播する音波を前記検出手段へ導く音響ミラーを前記吐出ヘッド内の流路内に備えたことを特徴とする請求項1乃至7のうち何れか1項に記載の液滴吐出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008229582A (ja) * 2007-03-23 2008-10-02 Toppan Printing Co Ltd インクジェットヘッド管理装置
JP2015120109A (ja) * 2013-12-24 2015-07-02 ダイハツ工業株式会社 接着剤の吐出切れ検出装置

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