JP2005186115A - プレス成型方法、プレス金型、刃部材製造方法、刃部材、及び往復動式機器 - Google Patents

プレス成型方法、プレス金型、刃部材製造方法、刃部材、及び往復動式機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2005186115A
JP2005186115A JP2003431481A JP2003431481A JP2005186115A JP 2005186115 A JP2005186115 A JP 2005186115A JP 2003431481 A JP2003431481 A JP 2003431481A JP 2003431481 A JP2003431481 A JP 2003431481A JP 2005186115 A JP2005186115 A JP 2005186115A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blade
slope
punch
workpiece
plate thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003431481A
Other languages
English (en)
Inventor
Mikio Ogura
幹雄 小倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NICHIDEN SEIMITSU KOGYO KK
Original Assignee
NICHIDEN SEIMITSU KOGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NICHIDEN SEIMITSU KOGYO KK filed Critical NICHIDEN SEIMITSU KOGYO KK
Priority to JP2003431481A priority Critical patent/JP2005186115A/ja
Publication of JP2005186115A publication Critical patent/JP2005186115A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Punching Or Piercing (AREA)
  • Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)
  • Dry Shavers And Clippers (AREA)

Abstract

【課題】例えば、切れ味を良くするために最適なエッジを簡単かつ容易に形成することができるプレス成型方法、プレス金型、刃部材製造方法、刃部材、及び往復動式機器を提供する。
【解決手段】被加工部材12の形状を形成するための空間を有する打ち抜き用パンチ14と、打ち抜き用パンチ14の空間16の下方位置に配置される打ち抜き用ダイ15とを備えたプレス金型13を用いる。このプレス金型13の打ち抜き用パンチ14の空間16の側面部は、空間16の横幅が上方へ向けて徐々に狭くなるように斜面として形成され、被加工部材12を保持した打ち抜き用ダイ15に接近するように打ち抜き用パンチ14を下降させることによって被加工部材12をせん断するとともに当該空間16内で被加工部材12の形状を変形させて成型するようになっている。よって、例えば刃部材等において切れ味を良くするために最適なエッジを簡単かつ容易に形成することができる。
【選択図】 図9

Description

本発明は、プレス成型方法、プレス金型、刃部材製造方法、刃部材、及び往復動式機器に係る。
従来、内刃と外刃のスリット状刃を備え、内刃の往復運動により対象物を切断する往復動式機器が知られている。例えば、電気かみそりにおいてアーチ状に湾曲形成された2連のアーチ外刃の間に、スリット状外刃を配設する3連の電気かみそりが知られている(特許文献1参照)。スリット状外刃は、上面を平面状として平行スリットを開口形成しており、スリット状外刃の内側には多数のスリットを有する内刃が配設されている。そして、その内刃が駆動手段によって駆動されてスリット状外刃の内面を往復摺動することで、スリット状外刃から誘い込まれた髭を両刃の間で切断することができる。このスリット状外刃と内刃の構成によれば、無数の髭剃孔を表面に開口形成している平面的なアーチ外刃と比べて、皮膚から曲がって生えている癖髭等を誘い込みやすいため、より効率的に髭剃りをすることができる。
ところで、こういった電気かみそりに使用される外刃は、金属板をプレス加工することにより製造される。より詳しくは、図17に示すように、まず金属板51に複数の平行スリットを打ち抜き形成する。次に、刃面にエッジを形成するため、側面を必要角度αに潰し加工する。その後、外刃全体を断面コ字状となるよう曲げ加工する。そして最後に、内刃が摺接する刃面側となる内面52を、研削加工していた。この研削加工によって、刃面の高さを揃え、より最適なエッジを形成して切れ味を良くすることができた。
特開平9−313755号公報(請求項1、図1)
しかしながら、この刃面の研削作業は、外刃の1つ1つに対して手作業で治具にセットして固定する必要があった。そして、研磨用砥石によって所定時間研削作業を行う必要があった。さらに、研削作業が終了すると、再び治具からいちいち取り外さなければならなかった。これらの作業は、非常に緻密な作業であって煩雑で時間を要し、さらに工数も多くコストもかかるといった問題があった。
上記問題を解決するため、本発明は、例えば、切れ味を良くするために最適なエッジを簡単かつ容易に形成することができるプレス成型方法、プレス金型、刃部材製造方法、刃部材、及び往復式機器を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載のプレス成型方法は、被加工部材の形状を形成するための空間を有する打ち抜き用パンチと、前記打ち抜き用パンチの空間の打ち抜き方向に配置される打ち抜き用ダイとを備えたプレス金型を用いたプレス成型方法であって、前記打ち抜き用パンチの空間の側面部は、前記空間の横幅が打ち抜き方向と逆の方向へ向けて徐々に狭くなるように斜面として形成されており、前記被加工部材を保持した前記打ち抜き用ダイに接近するように前記打ち抜き用パンチを下降させることによって前記被加工部材をせん断するとともに当該空間内で被加工部材の形状を変形させて成型することを要旨とする。
請求項2に係るプレス成型方法は、請求項1に記載のプレス成型方法において、前記被加工部材は刃部材の製造の工程中にある部材であって、前記刃部材の刃先が形成される刃面側の面である刃面部が打ち抜き時において前記打ち抜き用ダイに当接していることを要旨とする。
請求項3に係るプレス成型方法は、請求項1又は2に記載のプレス成型方法に加えて、前記プレス金型は、被加工部材の形状を形成するための空間を有する板厚調整用パンチおよび斜面成型用パンチと、前記被加工部材を前記斜面成型用パンチの空間内で塑性変形させるために保持する板厚調整用ダイおよび斜面成型用ダイとをさらに備え、前記板厚調整用パンチおよび前記斜面成型用パンチの空間の側面部は、前記空間の横幅が打ち抜き方向と逆の方向へ向けて徐々に狭くなるように斜面として形成されており、前記板厚調整用ダイに保持された請求項1又は2に記載のプレス成形方法によって形状が形成された前記被加工部材を前記板厚調整用パンチの空間内で加圧して前記被加工部材の板厚を調整する板厚調整工程と、前記板厚調整工程の後、前記斜面成型用ダイと前記斜面成型用パンチとのクリアランスを設定して前記斜面成型用ダイに保持された前記被加工部材を前記斜面成型用パンチの空間内で加圧して、前記被加工部材の板厚を維持したまま前記被加工部材を前記斜面成型用パンチの空間の側面部と略同一形状の斜面として形成する斜面成型工程とを含むことを要旨とする。
請求項4に記載のプレス成型方法は、請求項3に記載のプレス成型方法において、前記斜面成型工程は、加圧により変形した被加工部材の一部を前記クリアランス間へ押し出して突出部を形成しつつ加圧することを要旨とする。
請求項5に記載のプレス成型方法は、請求項3又は請求項4に記載のプレス成型方法において、前記プレス金型は、サイズの異なる複数組の前記斜面成型用パンチと斜面成型用ダイとを有し、前記斜面成型工程は複数の平押し工程を含み、前記クリアランスの大きさが徐々に小さくなる組み合わせの前記斜面成型用パンチと斜面成型用ダイとによって前記被加工部材を順次加圧することを要旨とする。
請求項6に記載のプレス成型方法は、請求項5に記載のプレス成型方法において、前記斜面成型工程は、前記斜面成型用ダイが前記被加工部材を保持して当該被加工部材と当接する面である保持面の保持面幅が徐々に大きくなるように選択された前記斜面成型用ダイと、前記斜面成型用パンチとによって、前記クリアランス間へ押し出される突出部が徐々に小さくなるように前記被加工部材を加圧することを要旨とする。
請求項7に記載のプレス成型方法は、請求項5に記載のプレス成型方法において、前記斜面成型工程は、前記サイズの異なる複数組の前記斜面成型用パンチと斜面成型用ダイとが、前記斜面成型用パンチが前記被加工部材を加圧して当該被加工部材と当接する面である加圧面の加圧面幅が徐々に小さくなり前記斜面成型用ダイの保持面幅が徐々に大きくなる組み合わせにおいて前記被加工部材を順次加圧することを要旨とする。
請求項8に記載のプレス成型方法は、請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載のプレス成型方法において、前記板厚調整工程では、前記被加工部材は、前記板厚調整用パンチの空間の上面部と当接し、前記板厚調整用パンチの空間の側面との間には第2のクリアランスを形成しており、当該第2のクリアランスの大きさはその後の前記斜面成型工程における各平押し工程において徐々に小さくなるように設定されること要旨とする。
請求項9に記載のプレス金型は、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のプレス成型方法に使用されることを要旨とする。
請求項10に記載の刃部材製造方法は、請求項4乃至請求項8のいずれか1項に記載のプレス成型方法を用いて刃先を形成して刃部材を製造する刃部材製造方法において、前記刃先が形成される前記突出部を前記斜面成型工程において徐々に小さくすることを要旨とする。
請求項11に記載の刃部材製造方法は、請求項10に記載の刃部材製造方法であって、前記刃部材は、薄板状部材からなる往復動式機器の略平行な複数の細長状の刃部を備えた平行スリット状刃であり、前記板厚調整工程は、素材から多数の平行なスリットを打ち抜いて平行な刃部を形成し、前記刃部の側面部と刃面側である刃面部とがなす角度が所定角度となるように、前記刃部の側面部を形成し、前記斜面成型工程は、前記板厚調整工程において形成された前記突出部を小さくして刃先を形成することを要旨とする。
請求項12に記載の刃部材製造方法は、請求項11に記載の刃部材製造方法において、前記平行スリット状刃は、平行スリット状刃である内刃と往復摺動することで対象物を切断する外刃であり、前記所定角度が75度以上90度未満に形成されることを要旨とする。
請求項13に記載の刃部材製造方法は、請求項12に記載の刃部材製造方法において、前記平行スリット状刃は、平行スリット状刃である内刃と往復摺動することで対象物を切断する外刃であり、前記所定角度が80度以上85度以下に形成されることを要旨とする。
請求項14に記載の刃部材製造方法は、請求項10乃至請求項13のいずれか1項に記載の刃部材製造方法において、前記斜面成型工程の後に、前記被加工部材の板厚の精度を確保するために前記被加工部材を上下から加圧する仕上げ工程を含むことを要旨とする。
請求項15に記載の刃部材製造方法は、請求項14に記載の刃部材製造方法において、前記仕上げ工程の後に、さらに刃先が形成される刃面部と反対側の面の両端辺に丸みを形成するアール付け工程を含むことを要旨とする。
請求項16に記載の刃部材は、請求項10乃至請求項15のいずれか1項に記載の刃部材製造方法によって製造されたことを要旨とする。
請求項17に記載の往復動式機器は、請求項16に記載の刃部材を備えたことを要旨とする。
本発明によれば、例えば、切れ味を良くするために最適なエッジを簡単かつ容易に形成することができる。
以下、本発明のプレス成型方法、プレス金型、刃部材製造方法、刃部材、及び往復式機器を具体化した一実施形態を図1〜図16にしたがって説明する。
図1は、本実施形態において製造される刃部材としての内刃を有する電気かみそりを示す図である。電気かみそり1は、本体上部に外刃ケース2を有しており、外刃ケース2には2つのアーチ外刃3とその2つのアーチ外刃の間に1つのスリット状外刃4が装着されている。図2は、スリット状外刃4の部分拡大図である。また、図3はスリット状外刃4の正面図、図4はスリット状外刃4の平面図、図5は図3におけるA−A断面図である。図2に示すように、スリット状外刃4は、側面視コ字形状(図5参照)であって上面を平面状として多数の平行スリットが開口形成されており、これにより複数の外刃部5が形成されている。そして、スリット状外刃4の内側には側面視コ字形状の内刃6が配設されており、スリット状外刃4と同様に上面を平面状として多数の平行スリットが開口形成されており、これにより複数の内刃部7が形成されている。
内刃6は、内刃ホルダー(図示略)によって保持されており、さらに内刃ホルダーの下部には内刃ホルダーを往復運動させる駆動機構(図示略)が備えられている。この駆動機構によって内刃6が駆動されてスリット状外刃4の内面を往復運動することで、スリット状外刃4の平行スリットから誘い込まれた髭8を外刃部5と内刃部7との間で切断することができるようになっている(図2参照)。
図6は、図4に示すスリット状外刃4の外刃部5のB−B断面図である。図6に示すように外刃部5における縦断面形状は、上側の両端部がなめらかにアール付けされた略等脚台形形状となっている。これ以後、内刃6の外面と摺接する外刃部5の下面を刃面部9とし、外刃部5の上面を外面部10として、さらに、外刃部5の平行スリット側の面を側面部11として以下説明する。また、刃面部9の両端辺(図6で紙面向って前後方向に延びる辺)がスリット状外刃4の刃先である。また、本実施形態においては、刃面部9と側面部11がなすエッジ角度β=約82度となっている。エッジ角度βは、80度以上85度以下が最適であるが、好適な範囲としては75度以上90度未満の範囲であれば良い。
次に、スリット状外刃4の製造方法について説明する。本実施形態では、所定の金型に薄板状の素材(被加工部材)を一定の送り長さで送りながら、順次以下の加工を進めていく方式をとり、多数連続的に生産される。
図7は、スリット状外刃4の製造工程の流れを示すフローチャートである。図7に示すように、スリット状外刃4は、概ね両サイド部打ち抜き工程(ステップ101、以下「ステップ」を「S」と略す。)、角度付打ち抜き工程(S102)、板厚調整工程(S103)、斜面成型工程(S104)、形状打ち抜き工程(S105)、板厚仕上げ工程(S106)、アール付け工程(S107)の各工程により製造される。
図8は、外刃部5の両サイド部打ち抜きと角度付打ち抜きを説明するための素材12の平面図である。図8の左図において、二点鎖線で囲まれる箇所は、製造工程終了後に外刃部5の外面部10(図6参照)となる部分である。図8の左図に示すように、まず外刃部5の両サイド部打ち抜き工程(S101)において、外刃部5の両サイド部を垂直方向にせん断して素材12を複数の孔が配列した態様に打ち抜く。そして次に、図8の右図に示すように、角度付打ち抜き工程(S102)において外刃部5の側面部11(図6参照)を斜面状に打ち抜き形成する。
図9は、図8におけるC−C断面図であって角度付打ち抜き工程(S102)を説明するための図である。図9に示すように、この角度付打ち抜き工程(S102)におけるプレス金型13は、上型に打ち抜き用パンチ14と下型に打ち抜き用ダイ15を備える。打ち抜き用パンチ14は空間16を有し、この空間16の横幅が上方(打ち抜き方向と逆の方向)へ向けて徐々に狭くなるように形成されることにより、打ち抜き用パンチ14の空間の側面部17は斜面として形成されている。本実施形態では、この斜面角度γは約82度とされ、打ち抜き用パンチ14と打ち抜き用ダイ15には水平方向の所定のクリアランスC1が確保されている。また、打ち抜き用パンチ14の空間16の上面部19は平坦に形成されている。
一方、打ち抜き用ダイ15は、その上面部18が平坦に形成されている。そして、上面部18が打ち抜き用パンチ14の空間16の下方(打ち抜き方向)に位置するように配置されて、外刃部5を保持した打ち抜き用ダイ15に接近する方向に打ち抜き用パンチ14が下降することによって、外刃部5をせん断するとともに空間16内で外刃部5を塑性変形させて成型することができるようになっている。
図10は、その外刃部5の変形の態様を模式的に示した図である。図10に示すように、打ち抜き用パンチ14の下端20,21と打ち抜き用ダイ15の上端22,23とを結んだ線によって囲まれる打ち抜き領域部分(図10における縦横のクロスハッチ部分)が、まず下降してきた打ち抜き用パンチ14によって下方に打ち抜かれる。される。そして、せん断された打ち抜き領域部分以外の、空間16の形状を上下逆にした逆等脚台形形状の残された部分(図10において45度のクロスハッチ部分)が、今度は上方の空間16内へと変形しつつ移行し、空間16内で加圧される。そして、図9に示すように外刃部5が空間16の側面部17および打ち抜き用ダイ15の上面部18に当接した状態となり、外刃部5の側面部11(図6参照)が打ち抜き用パンチ14の空間16の側面部17と同角度の斜面として形成される。すなわち、この角度打ち抜き工程(S102)では、せん断および加圧成型の2つの工程が同時に行われることとなる。なお、角度打ち抜き工程時には、外刃部5の外面部10と打ち抜き用パンチ14の空間16の上面部19とには所定のクリアランスC2が確保されている。
なお、本実施形態では、打ち抜き用パンチ14の斜面角度γ=約82度とされているが、好適には75度以上90度未満とされ、より最適には80度以上85度以下の範囲とされる。斜面角度γが75度未満と小さい場合には、上記に説明したように、打ち抜き領域部分以外の部分(図10における45度のクロスハッチ部分)が空間16内へと移行する際に、打ち抜き用パンチ14の下端20、21近傍部分が狭いために外刃部5を形成する材料としての素材12が流動しにくい。その結果、図11に示すように成型後の外刃部5の刃面部9aの両端への材料の流動が不足し、一部が欠けて形状が形成されない破断面24が発生してしまう。また、通常のせん断加工のように斜面角度γが90度と大きい場合には、打ち抜き時のせん断により図11における破断面24部分に、破断面ではなく大きなかえり(いわゆるバリ)が生じてしまう。また、斜面角度γが90度以上では、側面部17により、側面部11の形状が形成されるという作用も生じ得ない。よって、斜面角度γが75度未満または90度以上の双方の場合には、その後の板厚調整工程や斜面成型工程を経ても切れ味の良い刃先としてのエッジを形成することが困難となる。よって、好適には斜面角度γは75度以上90度未満とされる。
また、打ち抜き用パンチ14の斜面角度γが78度と80度および85度のそれぞれの場合において試験を行ったところ、刃先としてのエッジの鋭角条件が最も優れていたのはγ=80度の場合であって、次に85度、そして78度の順であった。78度の場合、刃先としての機能に特別大きな影響のない程度ではあるが僅かに破断面が生じており、80度と85度の場合には特に目立った破断面は見受けられなかった。よって、最も切れ味の良い刃先としてのエッジを形成するために最適な斜面角度γの範囲は、80度以上85度以下とされる。
次に、角度付打ち抜き工程後の各工程について説明する。図12は、板厚調整工程(S103)を説明する図である。なお、これ以下、図12〜図16に従って順次各工程を説明するが、それぞれの図は、各工程においてパンチが外刃部5と当接する位置まで下降した時の態様を示し、二点鎖線で示される外刃部5は全ての工程が終了した後の出来上がり寸法を示している。このため、各パンチの空間の側面と所定のクリアランスを形成しているが、各工程の進行中は変形した外刃部5が各クリアランスを徐々に埋めていく態様となり、工程後には破線で示す各形状をとることとなる。
さて、外刃部5の角度付打ち抜き工程の後には、板厚調整工程(S103)に進み、外刃部5の板厚Z(図6参照)が調整される。図12に示すように、板厚調整工程におけるプレス金型25は、上型に板厚調整用パンチ26と下型に板厚調整用ダイ27を備える。板厚調整用パンチ26は、打ち抜き用パンチ14(図9参照)と同様に外刃部5を塑性変形させるための空間28を有し、この空間28の横幅が上方(打ち抜き方向と逆の方向)へ向けて徐々に狭くなるように形成されることにより、板厚調整用パンチの空間の側面部29は斜面として形成されている。 本実施形態では、この斜面角度δは打ち抜き用パンチ14の斜面角度γと同様に約82度とされ、板厚調整用パンチ26と板厚調整用ダイ27とには所定のクリアランスC3が確保されている。また、板厚調整用パンチ26の空間28の上面部30は平坦に形成されている。さらに、板厚調整用パンチ26の空間28の各端部はなだらかな曲面として形成されている。また、図12において、板厚調整用パンチ26におけるA1として示した幅は、外刃部5の外面部10と一部が当接して外刃部5を加圧する加圧面の加圧面幅である。
一方、板厚調整用ダイ27は、その上面部31が平坦に形成されている。そして、上面部31が板厚調整用パンチ26の空間28の下方に位置するように配置されて、外刃部5を保持した板厚調整用ダイ27に接近する方向に板厚調整用パンチ26が下降することによって、外刃部5を加圧して板厚Zを調整することができるようになっている。また、本実施形態では、板厚調整用ダイ27におけるB1として示した幅は、外刃部5の刃面部9と少なくとも一部が当接している保持面の保持面幅を示している。
板厚調整工程では、外刃部5の外面部10は板厚調整用パンチ26の空間の上面部30と当接し、外刃部5の側面部11は板厚調整用パンチ26の空間の側面部29との間にクリアランスC4(第2のクリアランス)を形成している。よって、板厚調整用ダイ27に保持された外刃部5を板厚調整用パンチ26によって加圧すると、外刃部5はその外面部10から加圧されて、外刃部5の外面部10付近の材料が徐々に下方へと移行し変形していきクリアランスC3間に突出部32が形成されている。また、この作用によって板厚Z(図6参照)が所定に形成される。
なお、この段階では、上述したように板厚調整時に外刃部5が変形することにより、外刃部5の側面部11の斜面が安定して形成されておらず微細な凹凸が発生している。また、刃先となる部分に突出部32が形成されているため、この突出部32を鋭いエッジとして刃先を形成する必要がある。
そこで、板厚調整工程の後には、斜面成型工程(S104)へと進む。斜面成型工程では、複数回(本実施では第1の平押し工程、第2の平押し工程、第3の平押し工程の3回)の平押し工程が実施される。図13は、斜面成型工程における複数回の平押し工程を説明する図である。
図13に示すように、斜面成型工程におけるプレス金型33は、サイズの異なる複数組の斜面成型用パンチ34,35,36と斜面成型用ダイ37,38,39とを有する。これらの斜面成型用パンチ34,35,36は、板厚調整用パンチ26(図12参照)とサイズのみ異なり、形状においては同様であるので詳しい説明は省略する。同様に、斜面成型用ダイ37,38,39は、板厚調整用ダイ27(図12参照)とサイズのみ異なり、形状においては同様であるので詳しい説明は省略する。
なお、本実施形態における斜面成型用パンチ34の加圧面幅A2、斜面成型用パンチ35の加圧面幅A3、斜面成型用パンチ36の加圧面幅A4は、第1の平押し工程(図13の(a))から第3の平押し工程(図13の(c))へ移行するにつれて、A2,A3,A4の順番で順次加圧面幅が小さくなるように設定されている。また、斜面成型用ダイ37の保持面幅B2、斜面成型用ダイ38の保持面幅B3、斜面成型用ダイ39の保持面幅B4は、第1の平押し工程(図13の(a))から第3の平押し工程(図13の(c))へ移行するにつれて、B2,B3,B4の順番で順次、保持面幅が大きくなるように設定されている。
さらに、第1の平押し工程から第3の平押し工程へ移行するにつれ、各斜面成型用パンチ34,35,36と斜面成型用ダイ37,38,39との各クリアランスC5,C6,C7は、徐々に小さくなるように設定されている。
また、第1の平押し工程から第3の平押し工程における、外刃部5と各斜面成型用パンチ34,35,36の空間の側面との各クリアランスC8,C9,C10は、徐々に小さくなるように設定されており、最後の第3の平押し工程ではほんの僅かなクリアランスC10とされている。
上記のように構成されるプレス金型33によって、第1の平押し工程から第3の平押し工程が行われる。この時、斜面成型用ダイ37,38,39は斜面成型用パンチ34,35,36の空間の下方に位置するように配置されて外刃部5を保持しており、斜面成型用ダイ37,38,39に接近する方向に各斜面成型用パンチ34,35,36が下降する。これにより、外刃部5が加圧され各斜面成型用パンチ34,35,36の空間内で外刃部5が塑性変形する。そして、板厚調整工程と同様の作用により、外刃部5の外面部10付近の材料が徐々に下方へと移行し変形していき各クリアランスC5,C6,C7間に突出部41,42,43がそれぞれ形成されている。
ここで、外刃部5は、前工程の板厚調整工程から斜面成型工程にかけて、各工程において使用されるパンチとダイとのクリアランスC3,C5,C6,C7が徐々に小さくなるような組み合わせとされている。さらに、各パンチの空間の側面と外刃部5とのクリアランスC4,C8,C9,C10においても、徐々に小さくなるように設定されている。よって、外刃部5は、これら設定されたクリアランスによって、また、徐々に保持面幅B1,B2,B3,B4が大きくなるように選択されたダイによって突出部が少しずつ押しつぶされるように調整されていき、同時に外刃部5の側面部11が安定した斜面として形成されていく。このため、突出部は平押し工程が進むにつれ突出部32,41,42,43の順番で徐々に小さくなっている。そして、最終的に第3の平押し工程における斜面成型用パンチ36の空間とほぼ同形状の断面形状を持つ外刃部5が形成されることとなる。以上で、外刃部5を形成する工程については概ね終了である。
斜面成型工程の後は、形状打ち抜き工程(図7のS105)へと進む。形状打ち抜き工程では、スリット状外刃4の全体形状が図14に示すような、曲げ加工前であって複数の外刃部5が形成されたスリット状外刃4aの所定の形状に打ち抜かれる。
次に、板厚仕上げ工程(図7のS106)へと進む。図15に示すように板厚仕上げ工程では、周知のパンチ44とダイ45によって平押しして、外刃部5の板厚Zを最終的に微調整する。斜面成型工程等の前工程により生じた僅かな歪みが調整されて、斜面成型工程で最終的に残った突出部43も調整されて、複数の外刃部5の刃面部9の平面性が高くなり、かつ、鋭利な刃先とすることができる。
最後に、外面部10の両端辺に丸みを形成するアール付け工程へと進む。図16に示すように、アール付け工程は、板厚調整工程および斜面成型工程において使用されたパンチとほぼ同様の形状のパンチ46を外刃部5を保持したダイ47に接近する方向に下降させて、外刃部5を加圧することにより行う。パンチ46の空間の各端部48はなだらかな曲面として形成されており、その曲面によって外刃部5の外面部10の両端辺がアール付けされる。スリット状外刃4が電気かみそりに装着されて使用される際には、外面部10が人の皮膚と接する面となる。よって、皮膚等をむやみに傷つけたりすることのないように、外面部10の両端辺に適度なアールを形成するのである。
以上説明したスリット状外刃4の各製造工程を経た後は、最終的には、その後、全体を側面視コ字形状に曲げ加工されて図3に示すようなスリット状外刃4となって完成である。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態のスリット状外刃4の製造工程では、角度打ち抜き工程(S102)が実施される。この工程におけるプレス金型13は、打ち抜き用パンチ14および打ち抜き用ダイ15を備え、打ち抜き用パンチ14は空間16を有しており、打ち抜き用パンチ14の空間16の側面部17は、空間16の横幅が上方へ向けて徐々に狭くなるように斜面として形成されている。この構成により、外刃部5を保持した打ち抜き用ダイ15に接近する方向に打ち抜き用パンチ14が下降することによってせん断して、外刃部5をせん断するとともに空間16内で外刃部5を塑性変形させて成型することができるようになっている。つまり、せん断と加圧成型の2つの工程を同時に行うことができ、研削工程を必要とせず、簡単に外刃部5を形成することができる。
(2)上記実施形態のスリット状外刃4は、概ね外刃部5の両サイド部打ち抜き工程(S101)、外刃部5の角度付打ち抜き工程(S102)、板厚調整工程(S103)、斜面成型工程(S104)、形状打ち抜き工程(S105)、板厚仕上げ工程(S106)、アール付け工程(S107)の各工程により製造される。よって、従来刃先を形成する最終段階において研磨用砥石によって1つ1つ手作業で時間をかけて行っていた面倒な研削作業を省略することができる。また、プレス加工のみで一貫して内刃を製造することができ、大幅に作業の負担が軽減されるという効果がある。
また、角度付打ち抜き工程のみで製造するのが困難な刃部(外刃部5)をこれら一連の工程により製造することができる。通常、電気かみそり等に装着されるスリット状外刃としては、数十個の刃部(外刃部5)およびスリットを有する。本実施形態では約50個の外刃部5を有するスリット状外刃4を例として説明しているが、このような刃部材の場合は、角度付打ち抜き工程では一つ一つの外刃部5に精度の上でばらつきが出るため、角度付打ち抜き工程のみで複数の外刃部5を安定して形成することは困難である。よって、上記の一連の工程を経ることは、複数の刃部を有するスリット状外刃を精度の上で安定して形成することに効果的である。
(3)上記実施形態におけるスリット状外刃4の製造方法では、斜面成型工程(S104)の前に、板厚調整工程(S103)を実施する構成とした。これにより、斜面成型工程では、その前工程である板厚調整工程で調整された板厚Zを維持しつつ斜面成型される。斜面成型後に板厚調整を行う場合、一度形成された斜面が板厚調整工程によって再び歪んでしまったりという虞があるが、本実施による順序によれば、工程終了後の斜面が安定して形成されるという効果がある。
(4)上記実施形態では、板厚調整工程から斜面成型工程にかけて、各工程において使用されるパンチとダイとのクリアランスC3,C5,C6,C7が徐々に小さくなるような組み合わせとされている。さらに、各パンチの空間の側面と外刃部5とのクリアランスC4,C8,C9,C10においても、徐々に小さくなるように設定されている。また、各ダイの保持面幅B1,B2,B3,B4が徐々に大きくなるように設定されている。このため、各工程を経るにしたがって突出部が少しずつ押しつぶされていき、同時に外刃部5の側面部11を安定した斜面として形成することができる。最終的に第3の平押し工程後の突出部43は非常に小さなものであるため、後の板厚仕上げ工程において突出部43を刃先として影響のない程度まで小さくし、完全に鋭利な刃先をもつ外刃部5を形成することができる。すなわち、切れ味を良くするために最適なエッジを簡単かつ容易に形成することができるのである。
(5)上記実施形態におけるスリット状外刃4の製造方法では、板厚仕上げ工程にて最終的な板厚Zを微調整する構成とした。これにより、斜面成型工程で最終的に残った突出部43を整形し、研削加工をすることなく鋭利な刃先を形成することができる。
(6)上記実施形態におけるスリット状外刃4の製造方法では、外刃部5の外面部10の面の両端辺にアールを形成するアール付け工程が実施される。これにより、スリット状外刃4が電気かみそりに装着されて使用される際に、外面部10と当接する人の皮膚を傷付けることなく髭を剃ることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、外刃部5の刃面部9と側面部11とがなすエッジ角度β=約82度としたが、この数値に限定されることなく、例えばβ=75度以上90度未満の範囲で好適に種々変更することができる。
・上記実施形態における斜面成型工程では、3回の平押し工程を含むものとしたが、3回に限定されることなく1回又は2回もしくは4回以上の複数回の平押し工程を実施するものとしても良い。
・上記実施形態のスリット状外刃4の製造方法では、外刃部5の両サイド部打ち抜き工程(S101)、外刃部5の角度付打ち抜き工程(S102)、板厚調整工程(S103)、斜面成型工程(S104)、形状打ち抜き工程(S105)、板厚仕上げ工程(S106)、アール付け工程(S107)の各工程を実施するものとした。これに代えて外刃部5の両サイド部打ち抜き工程(S101)、外刃部5の角度付打ち抜き工程(S102)の2工程のみで刃先を形成するものとしても良い。
・上記実施形態では、スリット状外刃4の製造工程において板厚仕上げ工程およびアール付け工程を実施するものとしたが、この工程は省略することもできる。
・上記実施形態では、形状打ち抜き工程(S105)を斜面成型工程(S104)の後に実施する構成としたが、これに代えて形状打ち抜き工程(S105)を、製造工程の最初の段階で実施することもできる。
・上記実施形態では、板厚調整工程(S103)を斜面成型工程(S104)の前に実施する構成としたが、この板厚調整工程(S103)を省略して、斜面成型工程において外刃部5の板厚(仕上がり高さ)を徐々に調整していく構成としても良い。
・上記実施形態における板厚調整用パンチ26は、空間28を有し、その空間28内で外刃部5を塑性変形させる構成としたが、これに代えて板厚仕上げ工程(S106、図15参照)に示すような周知の平押し用のパンチによって板厚を調整するものとしても良い。
・上記実施形態においては、製造される刃部材を電気かみそりのスリット状外刃に具体化して説明したが、これに限定されることなく、例えば毛玉取り器の内刃や外刃として具体化することもできる。
電気かみそりの上部を示す図。 スリット状外刃および内刃の部分拡大図。 スリット状外刃の全体正面図。 スリット状外刃の全体側面図。 図3におけるA−A断面図。 図4におけるB−B断面図。 スリット状外刃の製造工程を示すフローチャート。 両サイド部工程および角度付打ち抜き工程を説明する図。 図8におけるC−C断面図。 角度付打ち抜き工程における作用を説明する図。 別の形態における外刃部の断面図。 板厚調整工程の態様を示す断面図 斜面成型工程の態様を示す断面図であって、(a)は第1の平押し工程、(b)は第2の平押し工程、(c)は第3の平押し工程を示す。 形状打ち抜き工程後のスリット状外刃を示す図。 板厚仕上げ工程の態様を示す断面図。 アール付け工程の態様を示す断面図。 従来のスリット状外刃の製造工程を説明する図。
符号の説明
Z…板厚、A1,A2,A3,A4…加圧面幅、B1,B2,B3,B4…保持面幅、C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8,C9,C10…クリアランス、1…電気かみそり(往復動式機器)、4…スリット状外刃(被加工部材、薄板状部材、平行スリット状刃、外刃、刃部材)、5…外刃部、6…内刃、9…刃面部、10…外面部、11…側面部(外刃部の側面部)、12…素材(被加工部材)、13,25,33…プレス金型、14…打ち抜き用パンチ、15…打ち抜き用ダイ、16…空間(打ち抜き用パンチの空間)、17…側面部(打ち抜き用パンチの空間の側面部)、26…板厚調整用パンチ、27…板厚調整用ダイ、28…空間(板厚調整用パンチの空間)、29…側面部(板厚調整用パンチの空間の側面部)、30…上面部(板厚調整用パンチの空間の上面部)32,41,42,43…突出部、34,35,36…斜面成型用パンチ、37,38,39…斜面成型用ダイ。

Claims (17)

  1. 被加工部材の形状を形成するための空間を有する打ち抜き用パンチと、前記打ち抜き用パンチの空間の打ち抜き方向に配置される打ち抜き用ダイとを備えたプレス金型を用いたプレス成型方法であって、
    前記打ち抜き用パンチの空間の側面部は、前記空間の横幅が抜き打ち方向と逆の方向へ向けて徐々に狭くなるように斜面として形成されており、
    前記被加工部材を保持した前記打ち抜き用ダイに接近するように前記打ち抜き用パンチを下降させることによって前記被加工部材をせん断するとともに当該空間内で被加工部材の形状を変形させて成型することを特徴とするプレス成型方法。
  2. 前記被加工部材は刃部材の製造の工程中にある部材であって、前記刃部材の刃先が形成される刃面側の面である刃面部が打ち抜き時において前記打ち抜き用ダイに当接していることを特徴とする請求項1に記載のプレス成型方法。
  3. 請求項1又は2に記載のプレス成型方法に加えて、
    前記プレス金型は、被加工部材の形状を形成するための空間を有する板厚調整用パンチおよび斜面成型用パンチと、前記被加工部材を前記斜面成型用パンチの空間内で塑性変形させるために保持する板厚調整用ダイおよび斜面成型用ダイとをさらに備え、
    前記板厚調整用パンチおよび前記斜面成型用パンチの空間の側面部は、前記空間の横幅が打ち抜き方向と逆の方向へ向けて徐々に狭くなるように斜面として形成されており、
    前記板厚調整用ダイに保持された請求項1又は2に記載のプレス成型方法によって形状が形成された前記被加工部材を前記板厚調整用パンチの空間内で加圧して前記被加工部材の板厚を調整する板厚調整工程と、
    前記板厚調整工程の後、前記斜面成型用ダイと前記斜面成型用パンチとのクリアランスを設定して前記斜面成型用ダイに保持された前記被加工部材を前記斜面成型用パンチの空間内で加圧して、前記被加工部材の板厚を維持したまま前記被加工部材を前記斜面成型用パンチの空間の側面部と略同一形状の斜面として形成する斜面成型工程と
    を含むことを特徴とするプレス成型方法。
  4. 前記斜面成型工程は、加圧により変形した被加工部材の一部を前記クリアランス間へ押し出して突出部を形成しつつ加圧することを特徴とする請求項3に記載のプレス成型方法。
  5. 前記プレス金型は、サイズの異なる複数組の前記斜面成型用パンチと斜面成型用ダイとを有し、
    前記斜面成型工程は複数の平押し工程を含み、前記クリアランスの大きさが徐々に小さくなる組み合わせの前記斜面成型用パンチと斜面成型用ダイとによって前記被加工部材を順次加圧することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のプレス成型方法。
  6. 前記斜面成型工程は、前記斜面成型用ダイが前記被加工部材を保持して当該被加工部材と当接する面である保持面の保持面幅が徐々に大きくなるように選択された前記斜面成型用ダイと、前記斜面成型用パンチとによって、前記クリアランス間へ押し出される突出部が徐々に小さくなるように前記被加工部材を加圧することを特徴とする請求項5に記載のプレス成型方法。
  7. 前記斜面成型工程は、前記サイズの異なる複数組の前記斜面成型用パンチと斜面成型用ダイとが、前記斜面成型用パンチが前記被加工部材を加圧して当該被加工部材と当接する面である加圧面の加圧面幅が徐々に小さくなり前記斜面成型用ダイの保持面幅が徐々に大きくなる組み合わせにおいて前記被加工部材を順次加圧することを特徴とする請求項5に記載のプレス成型方法。
  8. 前記板厚調整工程では、前記被加工部材は、前記板厚調整用パンチの空間の上面部と当接し、前記板厚調整用パンチの空間の側面部との間には第2のクリアランスを形成しており、
    当該第2のクリアランスの大きさはその後の前記斜面成型工程における各平押し工程において徐々に小さくなるように設定されること特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載のプレス成型方法。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のプレス成型方法に使用されるプレス金型。
  10. 請求項4乃至請求項8のいずれか1項に記載のプレス成型方法を用いて刃先を形成して刃部材を製造する刃部材製造方法において、前記刃先が形成される前記突出部を前記斜面成型工程において徐々に小さくすることを特徴とする刃部材製造方法。
  11. 請求項10に記載の刃部材製造方法であって、
    前記刃部材は、薄板状部材からなる往復動式機器の略平行な複数の細長状の刃部を備えた平行スリット状刃であり、
    前記板厚調整工程は、素材から多数の平行なスリットを打ち抜いて平行な刃部を形成し、前記刃部の側面部と刃面側である刃面部とがなす角度が所定角度となるように、前記刃部の側面部を形成し、
    前記斜面成型工程は、前記板厚調整工程において形成された前記突出部を小さくして刃先を形成する
    ことを特徴とする刃部材製造方法。
  12. 前記平行スリット状刃は、平行スリット状刃である内刃と往復摺動することで対象物を切断する外刃であり、前記所定角度が75度以上90度未満に形成されることを特徴とする請求項11に記載の刃部材製造方法。
  13. 前記平行スリット状刃は、平行スリット状刃である内刃と往復摺動することで対象物を切断する外刃であり、前記所定角度が80度以上85度以下に形成されることを特徴とする請求項12に記載の刃部材製造方法。
  14. 前記斜面成型工程の後に、前記被加工部材の板厚の精度を確保するために前記被加工部材を上下から加圧する仕上げ工程を含むことを特徴とする請求項10乃至請求項13のいずれか1項に記載の刃部材製造方法。
  15. 前記仕上げ工程の後に、さらに刃先が形成される刃面部と反対側の面の両端辺に丸みを形成するアール付け工程を含むことを特徴とする請求項14に記載の刃部材製造方法。
  16. 請求項10乃至請求項15のいずれか1項に記載の刃部材製造方法によって製造された刃部材。
  17. 請求項16に記載の刃部材を備えた往復動式機器。
JP2003431481A 2003-12-25 2003-12-25 プレス成型方法、プレス金型、刃部材製造方法、刃部材、及び往復動式機器 Pending JP2005186115A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003431481A JP2005186115A (ja) 2003-12-25 2003-12-25 プレス成型方法、プレス金型、刃部材製造方法、刃部材、及び往復動式機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003431481A JP2005186115A (ja) 2003-12-25 2003-12-25 プレス成型方法、プレス金型、刃部材製造方法、刃部材、及び往復動式機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005186115A true JP2005186115A (ja) 2005-07-14

Family

ID=34789488

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003431481A Pending JP2005186115A (ja) 2003-12-25 2003-12-25 プレス成型方法、プレス金型、刃部材製造方法、刃部材、及び往復動式機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005186115A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006340938A (ja) * 2005-06-10 2006-12-21 Sanyo Electric Co Ltd 電気かみそり器の内刃及びその製法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006340938A (ja) * 2005-06-10 2006-12-21 Sanyo Electric Co Ltd 電気かみそり器の内刃及びその製法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4032808B2 (ja) バリカン刃の製造方法
US5600890A (en) Hair-cutting apparatus having a toothed cutting device and method of manufacturing a cutter for a toothed cutting device of such apparatus
CN1380847A (zh) 剃须装置
EP1733818B1 (en) Shearing device
US8863626B2 (en) Nibbler assembly for punch press and method of forming elongated hole in sheet material
CN110799280B (zh) 金属板的切断方法、金属成形体的制造方法以及金属成形体
JP6256571B1 (ja) プレス加工装置
US6868763B2 (en) Method and machine for the continuous multi-stroke slotting of plate-shaped workpieces
JP2003001337A (ja) 打ち抜き加工装置
JP2005186115A (ja) プレス成型方法、プレス金型、刃部材製造方法、刃部材、及び往復動式機器
CN108497674B (zh) 体毛处理器用外刀片及其制造方法和体毛处理器
CN213765950U (zh) 用于形成切割刀片或防护件的多个齿的切割和弯折系统
JP4749044B2 (ja) 電気かみそり器の内刃及びその製法
US7000442B2 (en) Rotary die blade member bending method, and rotary die blade member binding device
JP4613255B1 (ja) マイクロサージャリー用刃体の製造方法
JP2005186116A (ja) せん断用金型、せん断方法、刃部材製造方法、刃部材、及び往復動式機器
CN211191769U (zh) 一种燕尾夹无毛刺成型加工的模具
CN211615689U (zh) 剃毛装置
JP2024067873A (ja) シート状ワーク打抜き型の打抜き刃高さ調整方法
JP4658630B2 (ja) アルミニウム合金成形板のトリミング方法
JP2004188564A (ja) ブランク材製造装置
JPH06205882A (ja) 鋏の刀身の成形方法及びこの刀身成形用打抜きせん断加工具
JPH0335826A (ja) プレスによる被加工物加工方法及びその装置
JP2005204813A (ja) 往復式電気かみそりの内刃製造方法
JP2003145356A (ja) スターホイールの製造方法及び製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050830

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051028

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060314

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20060327

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060704