JP2005185193A - リールシート - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、釣り動作に適した安定した握持を実現し得るようにして、操作性の向上を図ることにある。
【解決手段】固定フード12に、所定の握り状態で手の平及び指が載置され、他の握り状態で一部の指がフード面上に載置可能な形状を有する上記固定フード12の硬度に比して軟質な滑り止め領域15を設けて構成したものである。
【選択図】 図1

Description

この発明は、魚釣用釣竿に用いられるリールシートに関する。
従来より、魚釣用釣竿においては、リールを装着するためのリールシートが設けられている。このリールシートは、竿管に取付けられるリールシート本体に固定フードと、該固定フードに対向して竿軸方向に移動自在に移動フードが設けられている。そして、このようなリールシートは、リールを装着する場合には、その固定フードに対してリールの取付脚の一方端が挿入され、この状態で、移動フードを移動調整してリールの取付脚の他方端を固定することで、リールの竿管への取付けが行われる(例えば、特許文献1参照)。
このようなリールシートとしては、レバーの起状操作によって、その移動フードを竿軸方向に移動、あるいは固定するレバー式や、ナット部材により、移動フードを竿軸方向に移動、あるいは固定するナット式等の各種の方式のものが知られている。
ところで、このようなリールシートは、リールが上述したように取付けられた状態で、釣り人が、その固定側フードの近傍を握持して、魚とのやりとりや、仕掛けを所望の位置に投入する投擲が行われることで、例えば固定フードの周壁全体に滑り止め部材を設けて、各種の握り状態における滑りを防止するように構成したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平2003―11642号公報
しかしながら、上記リールシートでは、魚とのやりとりや、投擲等の釣り動作に応じて握持位置を変えることにより、最適な釣り動作が可能なために、釣り動作により、滑り止め部材の存在がかえって邪魔となるという不都合を有する。例えば投擲動作の際には、通常、親指に大きな力が加えられることとなるため、親指が軟質な滑り止め部材に位置すると、該滑り止め部材により、所謂、ぐらついたりして方向性が不安定となるという問題を有する。
この発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、簡易な構成で、釣り動作に適した安定した握持を実現し得るようにして、操作性の向上を図ったリールシートを提供することを目的とする。
この発明は、竿管に外装され、リールの取付脚が載置されるリール取付脚載置面が設けられたリールシート本体と、このリールシート本体のリール取付脚載置面を挟んで対向配置され、該リール取付脚載置面に載置された前記取付脚の両端を保持する一方が他方に接離自在に設けられた一対のフードと、前記一対のフードの少なくとも一方側に設けられ、所定の握り状態で手の平及び指が載置され、他の握り状態で一部の指がフード面上に載置される形状を有する前記フードに比して軟質な軟質層で形成される滑り止め領域とを備えてリールシートを構成した。
上記構成によれば、握持形態として、軟質層で形成される滑り止め領域を握持して手に馴染んだ握持状態と、滑り止め領域と硬質なフード面との双方を利用した投擲に適した握持状態を選択することができる。従って、各釣り動作において、安定した竿操作が可能となり、竿操作性の向上を図ることができる。
この発明によれば、簡易な構成で、釣り動作に適した安定した握持を実現し得るようにして、操作性の向上を図ったリールシートを提供することができる。
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1及び図2は、この発明の一実施の形態に係るリールシートを示すもので、図1は、側面から見た状態を示し、図2は、リール脚載置面側から見た状態を示す。即ち、リールシート本体10は、竿管11の所定の位置に、例えば接着剤を用いて接着されて外装される。このリールシート本体10は、例えば筒状に形成され、その略中央部にリール取付脚載置面101がリール9の取付脚91(図3参照)に対応して設けられる。そして、このリールシート本体10には、一対のフード、例えば固定フード12及び移動フード13が上記リール取付脚載置面101を挟んで設けられる。
固定フード12は、上記リール取付脚載置面101に位置決めされて配され、脚挿入部121が上記リール9の取付脚91の一方端に対応して設けられる。この脚挿入部121の外壁部には、図4乃至図6に示すようにカバー収容凹部122が設けられ、このカバー収容凹部122には、位置規制手段を構成する、例えば一対の凹部123が、竿軸を挟んで設けられる。そして、このカバー収容凹部122には、例えば装飾及び保護機能を有するカバー部材14が収容されて接着剤を用いて接着される。
このカバー部材14は、例えば金属材料や、樹脂材料で図7に示すように上記カバー収容凹部122に内装されるように湾曲した所定形状に形成されて、塗装やメッキが施される。そして、このカバー部材14の背面側には、位置規制手段を構成する、例えば一対の凸部141が上記一対の凹部123に対応して設けられる。これにより、カバー部材14は、固定フード12のカバー収容凹部122に収容され、その一対の凸部141を、カバー収容凹部122の一対の凹部123に収容すると、その周縁部がカバー収容凹部122に対して略面一に収容された状態で位置決めがなされ、相互間の高精度な接着が実現される。この状態で、例えばカバー部材14は、図2に示すように固定フード12が把持されると、図3に示すように人差し指部が掛かり、魚とのやりとり等の際に、竿軸に対して直交する方向及び竿軸方向に力が加わると、その凸部141とカバー収容凹部122の凹部123の作用により、同方向に移動が規制されて初期位置が確保される。なお、上記凸部141は、カバー部材14に対して、例えば一体的に設けても良いし、別体に設けるようにしても良い。
また、上記固定フード12には、例えば略リング状の滑り止め領域15が、例えば商品名ベルベックス、セノソフト、ハイセーム等のウレタン系塗装が施されて形成される。この滑り止め領域15は、リールシート本体10のリール取付脚載置面101に上記リール9の取付脚91を載置して後述するように取付けて、該リール9を下向きにして釣り人が固定フード12及び移動フード13の一部を握持して魚とのやりとりする状態で、図3に示すようにその親指、人差し指、手の平が全体的に接触されると共に、指先端部が、その周縁部に位置されるように、両周縁がリール取付脚載置面101側より竿尻方向に竿軸に対して交叉するように傾斜される所定形状に形成される。これにより、例えば釣り人が握持した状態で、手の略全体が滑り止め領域15に接触されて手の滑りのない馴染んだ握持が実現され、又、投擲を行う際には、該釣り人の親指を、滑り止め領域15に比して硬質の固定フード12上に載置することで、ぐらつきのない握持が実現されて正確な安定した投擲動作が可能となる。
さらに、上記滑り止め領域15には、その両側部に複数の凹部151が形成される。これら凹部151は、上記ウレタン系塗装が施されると、その内壁に塗料が塗布されることで、その相乗作用により、さらに手に馴染んだ握持が可能となり、魚とのやりとりや、投擲の際の手の指、手の平の滑り防止の促進が図れる。
また、上記移動フード13は、リールシート本体10に竿軸方向(矢印A、B方向)に移動自在に組付けられ、調整ナット部材16を介して矢印A、B方向に移動して上記固定フード12に対して接離される。この調整ナット部材16は、上記リールシート本体10に設けられる螺子部102に螺合調整自在に設けられ(図8参照)、その螺合調整により、上記移動フード13を矢印A,B方向に移動調整する。
上記移動フード13には、図9及び図10に示すように位置決め及び滑り止めを構成する例えば略楕円形状の複数の挿通孔131が竿軸方向に所定の間隔を有して設けられる。そして、移動フード13には、その内壁部に取付脚保護用の保護部材17が上記リールの取付脚に対応して取付けられる。この保護部材17は、例えばナイロンやABS樹脂等で形成され、その内面に複数の凸部172が上記移動フードの複数の挿通孔131に対応して設けられる。そして、この凸部172には、先端部に滑り止め部173が設けられる。この滑り止め部173は、上記保護部材17の凸部172に比して軟質の例えばゴムやエストラマー等で、該凸部172上に一体あるいは別体に形成されて設けられ、その先端部が、上記移動フード13の挿通孔131と面一、あるいは突出して配置される。
上記保護部材17は、移動フード13内に収容される上記リール9の取付脚91を保護し、その凸部172が移動フード13の挿通孔131に位置されることで、その位置規制が実現される。同時に、滑り止め部173は、移動フード13の挿通孔131に略面一、あるいは突出して設けられる、その凸部172の先端の滑り止め部173により、釣り人が握持した際の手の滑り機能を有する。
なお、上記竿管は、例えば炭素繊維等の強化繊維にエポキシ樹脂等の合成樹脂を含浸した繊維強化プリプレグ(以下の説明では、単にプリプレグと称する)を周方向、軸方向あるいは軸線に対して適宜角度に傾斜した偏向方向に引き揃えて巻回し、これらの複数の本体層を積層した中空竿管で形成される。そして、この釣竿構造としては、上記振出式、並継ぎ式あるいは印籠継ぎ式等の他の適宜の継合形式に適用することが可能である。
上記リールシート本体10は、竿管11の所定の位置に外装されて配され、上記リール9を取り付ける場合、先ず、そのリール9の取付脚91の一方端を固定フード12の脚挿入部121の挿入した状態で、該リール9の取付脚91をリール取付脚載置面101に載置する。続いて、調整ナット部材16を締め付けて移動フード13を竿軸先端方向に移動させて、該移動フード13を上記リール9の取付脚91の他方の端部に保護部材17を介して係止させ、該移動フード13と上記固定フード12とで協働して上記リール9の取付脚91を位置決め保持する。ここで、リール9は、その取付脚91がリールシート本体10のリール取付脚載置面101上に取付け配置され、所望の固定フード12の滑り止め領域15及び移動フード13の一部を握持して魚とのやりとりや、投擲等が行われる。
このように、上記リールシートは、固定フード12に所定の握り状態で、手の平及び指が載置され、他の握り状態で、一部の指が、フード面上に載置可能な形状を有する、上記固定フード12の硬度に比して軟質な滑り止め領域15を設けて構成した。
これによれば、握持形態として、軟質な滑り止め領域15を握持して手に馴染んだ握持状態と、滑り止め領域15と、該滑り止め領域15に比して硬質な固定フード12面との双方を利用した投擲に適した握持状態を選択することができることにより、各釣り動作において、安定した竿操作が可能となり、竿操作性の向上に寄与することができる。
なお、上記実施の形態では、異なる釣り動作における最適な握持形態を実現する滑り止め領域15を、固定フード12に略リング状に設けるように構成した場合で説明したが、これに限ることなく、その他、例えば上記滑り止め領域15の竿管先端側に切り欠く部位を形成するように構成することも可能で、略同様の効果が期待される。
また、上記記実施の形態では、リールシート構造として、固定フード12を竿軸先端部側に配する構成のものに適用した場合で説明したが、これに限ることなく、移動フード13を竿軸先端部側に配し、後端側に固定フード12を配する構成のものにおいても適用可能である。
よって、この発明は、上記実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
例えば実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
この発明の一実施の形態に係るリールシートを側面から見た状態を示した平面図である。 図1をリール取付脚載置面側より見た状態を示した平面図である。 握持した状態を示した平面図である。 図1の固定フードを取り出して示した図である。 図1の固定フードを取り出して図4と異なる方向から見た状態を示した図である。 図1の固定フードを取り出して図4及び図5と異なる方向から見た状態を示した図である。 図1のカバー部材を取り出して示した図である。 図1のリールシート本体と固定フードとの組合わせ状態を示した平面図である。 図1の移動フードを取り出して示した平面図である。 図1の移動フードを一部断面して示した一部断面図である。
符号の説明
9…リール、91…取付脚、10…リールシート本体、101…リール取付脚載置面、102…螺子部、11…竿管、12…固定フード、121…脚挿入部、122…カバー収容凹部、123…凹部、13…移動フード、131…挿通孔、14…カバー部材、141…凸部、15…滑り止め領域、151…凹部、16…調整ナット部材、17…保護部材、172…凸部、173…滑り止め部。

Claims (4)

  1. 竿管に外装され、リールの取付脚が載置されるリール取付脚載置面が設けられたリールシート本体と、
    このリールシート本体のリール取付脚載置面を挟んで対向配置され、該リール取付脚載置面に載置された前記取付脚の両端を保持する一方が他方に接離自在に設けられた一対のフードと、
    前記一対のフードの少なくとも一方側に設けられ、所定の握り状態で手の平及び指が載置され、他の握り状態で一部の指がフード面上に載置される形状を有する前記フードに比して軟質な軟質層で形成される滑り止め領域と、
    を具備したことを特徴とするリールシート。
  2. 前記滑り止め領域は、前記一対のフードのうち固定側フードに設けられることを特徴とする請求項1記載のリールシート。
  3. 前記滑り止め領域は、竿軸を挟む両周縁がリール取付脚載置面側より竿尻方向に竿軸に対して交叉するように傾斜されて形成されることを特徴とする請求項1又は2記載のリールシート。
  4. 前記滑り止め領域は、前記軟質材層が被着される複数の凹状の滑り止め部が設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のリールシート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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