JP2005184573A - インバータ回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】 出力波形のトランジェントに鈍りが生じないNMOSインバータ回路を提供する。
【解決手段】 トランジスタTr1は、ドレインが高電位Vcc1に接続し、ソースが出力ノードAに接続し、ゲートが中間ノードBに接続している。トランジスタTr2は、ドレインが出力ノードAに接続し、ソースが低電位Vssに接続し、ゲートが入力ノードCに接続している。トランジスタTr3は、ドレインが中間ノードBに接続し、ソースが低電位Vssに接続し、ゲートが入力ノードにC接続している。トランジスタTr4は、ドレインが高電位Vcc2に接続し、ソースが中間ノードBに接続し、ゲートがノードDに接続している。トランジスタTr5は、ドレインがトランジスタTr4の閾電圧より高い高電位Vcc3に接続し、ソースがノードDに接続し、ゲートが入力ノードCに接続している。キャパシタC1はノードBとDの間に接続している。
【選択図】図3

Description

本発明はNMOS型のトランジスタで構成されたインバータ回路に関する。より詳しくは、NMOSインバータ回路で出力波形のトランジェントの鈍りを改善する技術に関する。
一般に、インバータ回路はNMOSトランジスタとPMOSトランジスタを組み合わせたCMOS回路で構成されている。これに対し、低コスト化の為例えばNMOSの片側チャネルのみでインバータを構成する回路も知られている。この様なNMOSインバータ回路は例えば特許文献1に開示されている。
特開平5−224629号公報
図5は従来のNMOSインバータ回路の一例を示す回路図である。図示する様にこのインバータ回路は2個のNMOSトランジスタで構成され、入力ノードから入力された信号Vinを反転して出力ノードから出力する。図では出力信号をVoutで表わしてある。又出力ノードに接続された負荷容量をCoutで表わしてある。第1トランジスタTr1は、ドレインが第1高電位Vcc1側に接続し、ソースが出力ノードに接続し、ゲートが第2高電位Vcc2側に接続している。ここで第2高電位Vcc2は、第1高電位Vcc1と第1トランジスタTr1閾電圧との和よりも高く設定されており、第1トランジスタTr1は常時オン状態にある。第2トランジスタTr2はドレインが出力ノードに接続し、ソースが低電位Vss側に接続し、ゲートが入力ノードに接続している。
図6は、図5に示した従来のNMOSインバータ回路の動作説明に供するタイミングチャートである。入力信号波形Vinと出力信号波形Voutを表わしている。タイミングT1で入力信号Vinがロー(L)レベルになると、第2トランジスタTr2がオフする。この結果出力ノードは常時オン状態にあるトランジスタTr1によって第1高電位Vcc1までプルアップされる。従って出力信号Voutはハイ(H)レベルとなる。次のタイミングT2では入力信号VinがLからHに切り替わる。この結果第2トランジスタTr2はオン状態となり、ドレイン電流I2が流れ出す。これにより出力ノードはローレベルに向かってプルダウンされる。常時オン状態にある第1トランジスタTr1に流れるドレイン電流I1と負荷容量Coutから放電した電流Ioutの和が第2トランジスタTr2に流れるドレイン電流I2と釣り合ったところで出力ノードのローレベル電位が固定される。通常低電位Vssまで下がる前に電流が流れなくなるので、出力信号VoutのローレベルはVssよりもΔVx分だけ高くなっている。
出力信号VoutがLからHに切り替わる場合、Vss側のトランジスタTr2がオフする為、トランジスタTr1の動作点に見合った電流が負荷容量Coutに流れ込み、比較的出力の立ち上がりは早い。逆に出力信号VoutがHからLに遷移する時は、トランジスタTr2が導通してVss付近までCoutを放電するが、この時トランジスタTr1はオンしたままの為、トランジスタTr2に流れる電流I2はCoutの放電電流IoutとトランジスタTr1のオン電流I1との和になる。この為、出力信号VoutがHからLに遷移する時の立ち下がり時間は長くなってしまう。これにより、出力信号Voutの立ち下がり波形が鈍るという問題がある。
この立ち下がりトランジェントの鈍りを改善する為、トランジスタTr1のチャネル幅を小さくして電流供給能力を抑えることが考えられる。しかしこれでは逆に出力信号がLからHに立ち上がる時の時間が長くなってしまい、立ち上がりトランジェントが鈍るという副作用が生じる。又、トランジスタTr2のチャネル幅を大きくして、トランジスタTr2の電流駆動能力を大きくすることも考えられる。しかしながらこれではインバータ回路のレイアウト面積が大きくなってしまう。
上述した従来の技術の課題に鑑み、本発明は出力波形のトランジェントに鈍りが生じないNMOSインバータ回路を提供することを目的とする。係る目的を達成する為に以下の手段を講じた。即ち本発明は、少なくとも5個のNMOS型のトランジスタと1個のキャパシタとで構成され、入力ノードから入力された信号を反転して出力ノードから出力するインバータ回路であって、第1トランジスタは、ドレインが第1高電位側に接続し、ソースが出力ノードに接続し、ゲートが中間ノードに接続し、第2トランジスタは、ドレインが出力ノードに接続し、ソースが低電位側に接続し、ゲートが入力ノードに接続し、第3トランジスタは、ドレインが該中間ノードに接続し、ソースが低電位側に接続し、ゲートが入力ノードに接続し、第4トランジスタは、ドレインが第1高電位と第1トランジスタ閾電圧との和よりも高い第2高電位側に接続し、ソースが該中間ノードに接続し、第5トランジスタは、ドレインが第4トランジスタ閾電圧より高い第3高電位側に接続し、ソースが第4トランジスタのゲートに接続し、ゲートが入力ノードに接続し、キャパシタは、一端が第5トランジスタのソース及び第4トランジスタのゲートに接続し、他端が該中間ノードに接続していることを特徴とする。好ましくは、前記NMOS型のトランジスタは、絶縁基板上に形成されたシリコン薄膜を活性層とする薄膜トランジスタである。
本発明によれば、NMOS型のインバータ回路を前段と後段に分けた2段構成としている。後段は従来と同様に第1トランジスタ及び第2トランジスタで構成し、前段は追加した第3トランジスタ及び第4トランジスタで構成している。そして前段側の出力点となる中間ノードを後段側の第1トランジスタのゲートに接続している。係る構成により、トランジスタTr2ばかりでなく、トランジスタTr1も中間ノードから出力される信号に応じてオン/オフ駆動される。本発明に係るNMOSインバータ回路は後段(出力段)を構成する一対のトランジスタが両方とも完全にオン/オフスイッチングされるので、出力波形のトランジェントの鈍りを改善することができる。従って、大きな出力負荷を駆動する場合であっても、出力段のトランジスタサイズを大きくする必要はない。本発明により、片側チャネルのみのスイッチングインバータが実現でき、大きな負荷容量が接続されていても出力信号パルスの立ち上がり及び立ち下がりが速くなる。又、インバータ回路のレイアウトの省面積化が可能となる。
更に本発明では中間ノードにキャパシタを介して第5トランジスタを接続している。これにより中間ノードから出力される信号の立ち下がり波形を急峻にしている。このため第1トランジスタのオン/オフスイッチングをより正確に行なうことが可能になる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。その前に本発明の背景を明らかにするため、図1を参照して出願人の先行開発にかかるインバータ回路の構成を参考例として説明する。図示する様に本インバータ回路は、少なくとも4個のNMOS型のトランジスタTr1〜Tr4で構成され、入力ノードから入力された信号Vinを反転して出力ノードから出力する。図では出力ノードをAで表わし、これに負荷容量Coutが接続されている。又出力信号をVoutで表わしてある。
第1トランジスタTr1は、ドレインが第1高電位Vcc1側に接続し、ソースが出力ノードAに接続し、ゲートが中間ノードに接続している。尚図では中間ノード及びトランジスタTr1のゲートをBで表わしてある。第2トランジスタTr2は、ドレインが出力ノードAに接続し、ソースが低電位Vss側に接続し、ゲートが入力ノードに接続している。尚図では入力ノード及び第2トランジスタTr2のゲートをCで表わしてある。第1トランジスタTr1と第2トランジスタTr2の直列接続が本インバータ回路の出力段を構成し、Vcc1側の電源ラインからVss側の接地ラインに向かって給電されている。
第3トランジスタTr3はドレインが中間ノードBに接続し、ソースが低電位Vss側に接続し、ゲートが入力ノードCに接続している。又第4トランジスタTr4は、ドレインが第1高電位Vcc1と第1トランジスタTr1閾電圧との和よりも高い第2高電位Vcc2側に接続し、ソースが中間ノードBに接続し、ゲートが第2高電位Vcc2と第4トランジスタTr4閾電圧との和より高い第3高電位Vcc3側に接続している。トランジスタTr4のゲートには常時閾電圧以上の電位Vcc3が印加されているので、トランジスタTr4は常時オン状態にある。このトランジスタTr4とTr3の直列接続が本インバータ回路の前段(入力段)に当り、Vcc2側の電源ラインからVss側の接地ラインに向かって給電されている。係るインバータ回路を構成するNMOS型の4個のトランジスタTr1〜Tr4は、例えば絶縁基板上に形成されたアモルファスシリコン薄膜又はポリシリコン薄膜を活性層とする薄膜トランジスタ(TFT)である。
図2は、図1に示したインバータ回路の動作説明に供するタイミングチャートである。本タイミングチャートは、入力信号波形Vinに対応させて各ノードA,B,Cの電位変化を描いている。尚出力ノードAの電位変化は出力信号Voutの波形そのものであり、入力ノードCの電位変化は入力信号Vinの波形そのものである。
まずタイミングT1で入力信号Vinがローレベル(L)になる。これによりトランジスタTr3がオフするので、中間ノードBの電位は常時オン状態にあるトランジスタTr4によってVcc2までプルアップされ、ハイレベル(H)となる。中間ノードBがHになるので出力段側のトランジスタTr1がオンする一方、トランジスタTr2は入力信号VinがLなのでオフとなる。この様にTr1がオンでTr2がオフとなるので、出力ノードAの電位はVcc1までプルアップされHとなる。
次にタイミングT2になると入力信号VinがLからHに切り替わる。これにより前段側のトランジスタTr3がオンして、中間ノードBのノードをVss付近までプルダウンする。但しTr4は引続きオン状態を維持しているので中間ノードBの立ち下がりは比較的なだらかであり且つVssよりもΔVx分だけ上のレベルで停止し、これがローレベルLとなる。中間ノードBがLに立ち下がることから後段側のトランジスタTr1はオフになる。中間ノードBの電位がトランジスタTr1の閾電圧より下回った時点でTr1は直ちにオフするので、その立ち下がりは比較的早い。一方トランジスタTr2はVinがHになるのでオンする。この様に出力段のトランジスタTr1がオフしTr2がオンするので、出力ノードAの電位はVss近傍までプルダウンされる。精密には、出力信号VoutのローレベルはVssには完全に一致せず、幾分誤差ΔVyが含まれる。しかしながら、ΔVyはΔVxに比べれば小さく、ほとんど無視できる程度である。
この様に本参考例のインバータ回路は、Tr1のゲートを中間ノードに接続することで、Tr2ばかりでなくTr1も相補的にオン/オフしている。完全なオン/オフ駆動を実現したことで、出力信号Voutのトランジェント波形の鈍りを大幅に改善することができる。しかし、中間ノードBの電位波形の立ち下がりトランジェントがなまっており、更に改善する余地がある。
図3は、本発明に係るインバータ回路を表わした回路図である。本インバータ回路は図1に示した参考例に係るインバータ回路の改良を図ったものであり、特に中間ノードの電位波形の立ち下がりトランジェントを急峻にすることを目的とする。
図3に示す様に、本インバータ回路は、5個のNMOS型のトランジスタTr1〜Tr5と1個のキャパシタC1とで構成され、入力ノードCから入力された信号Vinを反転して出力ノードAから出力する。第1トランジスタTr1は、ドレインが第1高電位Vcc1側に接続し、ソースが出力ノードAに接続し、ゲートが中間ノードBに接続している。第2トランジスタTr2は、ドレインが出力ノードAに接続し、ソースが低電位Vss側に接続し、ゲートが入力ノードCに接続している。以上の第1トランジスタTr1及びTr2が本インバータ回路の後段側(出力段側)を構成する。
第3トランジスタTr3は、ドレインが中間ノードBに接続し、ソースが低電位Vss側に接続し、ゲートが入力ノードCに接続している。第4トランジスタTr4は、ドレインが第1高電位Vcc1と第1トランジスタTr1閾電圧との和よりも高い第2高電位Vcc2側に接続し、ソースが中間ノードBに接続している。又第5トランジスタTr5は、ドレインが第4トランジスタTr4の閾電圧より高い第3高電位Vcc3側に接続し、ソースが第4トランジスタTr4のゲート(ノードD)に接続し、ゲートが入力ノードCに接続している。加えてキャパシタC1は、一端が第5トランジスタTr5のソース及び第4トランジスタTr4のゲート(ノードD)に接続し、他端が中間ノードBに接続している。以上のトランジスタTr3,Tr4,Tr5が本インバータ回路の前段側(入力段側)を構成している。特にトランジスタTr5とキャパシタC1が改良点として先の参考例加えられたものである。
図4は、図3に示した本発明に係るインバータ回路の動作説明に供するタイミングチャートである。理解を容易にする為、図2に示した参考例に係るインバータ回路のタイミングチャートと対応する部分には対応する参照符号を用いている。まずタイミングT1では入力信号VinがローレベルLにある。この為トランジスタTr5はオフし、ハイインピーダンス状態になる。そしてノードDは所定のハイレベルHに保持されている。これに応じてトランジスタTr4はオン状態にあり、ノードBはハイレベルHとなる。トランジスタTr4がオン状態にあるのでノードBはVcc2までプルアップされ、ハイレベルHに保持される。これに応じて出力段側のTr1はオン状態になる。一方Tr2は入力信号VinがLなのでオフ状態になる。従って出力ノードAはオン状態にあるトランジスタTr1によりVcc1までプルアップされハイレベルHの出力状態が得られる。
続いてタイミングT2になると入力信号VinがLからHに切り替わる。これに応答して第5トランジスタTr5がオンし、ノードDがVcc3に固定される。ここでVcc3はVcc2に比べ低く設定されているので(例えばVcc3=5V,Vcc2=15V)この時点におけるトランジスタTr4のゲート電位(Vcc3)はソース電位(ノードBのVcc2)に比べ低くなるので、トランジスタTr4はオフになる。一方トランジスタTr3はVinがHになるのでオンする。従って中間ノードBの電位はVcc2からVss近傍までプルダウンされローレベルLとなる。但しローレベルはVssよりΔVx分だけ上に浮いている。尚ノードBの電位がVssに近づくとトランジスタTr4のゲート電位(Vcc3)がソース電位(Vss近傍)を基準にして閾電圧を超える様になるので、最終的にトランジスタTr4はオンすることになる。タイミングがT1からT2に切り替わる時点ではノードDが瞬間的にVcc3まで下がるのでトランジスタTr4はオフする。従ってノードBの電位は比較的急激にVcc2からVssに向かって立ち下がる。これにより中間ノードBにおける立ち下がりトランジェントの鈍りを改善できる。尚ノードBがVssに近づくとTr4はオンするが、その時点はノードBの電位が急激に低下した後である。
タイミングT2では中間ノードBがLなので出力段側のトランジスタTr1はオフする。これに対しTr2は入力信号VinがHなのでオンする。従って出力ノードAの電位はVcc1からVss近傍までプルダウンされ、出力はHからLに切り替わる。尚出力波形のローレベルはVssに近いが、僅かにΔVy分だけずれがある。
タイミングT3に移ると再び入力信号VinがHからLに切り替わる。するとTr5及びTr3がオフする一方、Tr4は引続きオン状態にある。従ってノードBはVss近傍からVcc2まで立ち上がる。この時トランジスタTr5はオフ状態でハイインピーダンスになっている。従ってノードBが上昇した分だけノードDの電位も上昇する。この上昇分はVcc2−(Vss+ΔVx)である。従ってノードDの電位はローレベルのVcc3からハイレベルのVcc3+(Vcc2−(Vss+ΔVx))まで上昇することになる。このノードDの上昇によりトランジスタTr4は引続きオン状態を維持する。
参考例に係るインバータ回路を示す回路図である。 図1に示したインバータ回路の動作説明に供するタイミングチャートである。 本発明に係るインバータ回路を示す回路図である。 図3に示したインバータ回路の動作説明に供するタイミングチャートである。 従来のインバータ回路を示す回路図である。 図5に示したインバータ回路の動作説明に供するタイミングチャートである。
符号の説明
Tr1・・・第1トランジスタ、Tr2・・・第2トランジスタ、Tr3・・・第3トランジスタ、Tr4・・・第4トランジスタ、Tr5・・・第5トランジスタ、C1・・・キャパシタ、Vin・・・入力信号、Vout・・・出力信号、Cout・・・負荷容量、Vcc1・・・第1高電位、Vcc2・・・第2高電位、Vcc3・・・第3高電位、Vss・・・低電位

Claims (2)

  1. 少なくとも5個のNMOS型のトランジスタと1個のキャパシタとで構成され、入力ノードから入力された信号を反転して出力ノードから出力するインバータ回路であって、
    第1トランジスタは、ドレインが第1高電位側に接続し、ソースが出力ノードに接続し、ゲートが中間ノードに接続し、
    第2トランジスタは、ドレインが出力ノードに接続し、ソースが低電位側に接続し、ゲートが入力ノードに接続し、
    第3トランジスタは、ドレインが該中間ノードに接続し、ソースが低電位側に接続し、ゲートが入力ノードに接続し、
    第4トランジスタは、ドレインが第1高電位と第1トランジスタ閾電圧との和よりも高い第2高電位側に接続し、ソースが該中間ノードに接続し、
    第5トランジスタは、ドレインが第4トランジスタ閾電圧より高い第3高電位側に接続し、ソースが第4トランジスタのゲートに接続し、ゲートが入力ノードに接続し、
    キャパシタは、一端が第5トランジスタのソース及び第4トランジスタのゲートに接続し、他端が該中間ノードに接続していることを特徴とするインバータ回路。
  2. 前記NMOS型のトランジスタは、絶縁基板上に形成されたシリコン薄膜を活性層とする薄膜トランジスタであることを特徴とする請求項1記載のインバータ回路。
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