JP2005184308A - 高周波電力増幅回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、通信機器などに用いられる高周波電力増幅回路に関するものであり、その小型化を図るものである。
【解決手段】高周波電力増幅回路における整合回路3を形成する位相線路3aをストリップライン4を用いて形成し、このストリップライン4の自己共振周波数をトランジスタ1aから出力される出力信号における高調波成分の周波数と略一致させることで、整合回路に高調波抑制作用を付加することができ別途フィルタ回路を設ける必要がなくなり高周波電力増幅回路を小型化することが出来るのである。
【選択図】図1

Description

本発明は特に通信機器などに用いられる高周波電力増幅回路に関する。
現在、携帯電話などの通信機器における高周波電力増幅回路は、図3に示される如くトランジスタを組み合わせて構成された増幅器1と、この増幅器1から出力される高周波信号の高調波成分を抑制するオープンスタブ2aやショートスタブ2bなどで形成されたフィルタ回路2と、増幅器1から出力される数オーム前後と低いインピーダンスの出力信号を50オーム系で構成されるアンテナブロックのインピーダンスに整合する位相線路3aや接地コンデンサ3bで形成される出力整合回路3とで形成されていた。
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開平6−204764号公報
しかしながら、増幅器1から出力される高周波信号の高調波成分を抑制するオープンスタブ2aやショートスタブ2bはその線路長が長くなってしまうことから高周波電力増幅回路の小型化が困難なものとなっていた。
そこで、本発明はこのような問題を解決し、高周波電力増幅回路の小型化を目的とする。
そして、この目的を達成するために本発明の請求項1に記載の発明は、特に、高周波電力増幅回路における整合回路を形成する位相線路をストリップラインを用いて形成し、このストリップラインの自己共振周波数をトランジスタから出力される出力信号における高調波成分の周波数と略一致させることで、整合回路に高調波抑制作用を付加することができ別途フィルタ回路を設ける必要がなくなり高周波電力増幅回路を小型化することが出来るのである。
請求項2に記載の発明は、特に、トランジスタの出力ポートに対して電源電圧を印加する制御ポートを、ストリップラインの出力端にチョークコイルを形成する伝送線路を介して接続することで、チョークコイルを形成するのに必要なインダクタンス成分を形成するにあたり、伝送線路とトランジスタ間に位置するストリップラインがインダクタンス成分を有することからその分伝送線路を短縮できるのでさらに高周波電力増幅回路を小型化することが出来るのである。
請求項3に記載の発明は、特に、伝送線路とストリップラインを組み合わせた複合線路における自己共振周波数をトランジスタから出力される出力信号の基本周波数と略一致させることで、より高周波電力増幅回路を小型化することが出来るのである。
請求項4に記載の発明は、特に、ストリップラインにおける入力端側のインピーダンスを出力端側のインピーダンスより低く設定することで、低インピーダンスであるトランジスタ出力信号の反射による挿入損失の低下を抑制することが出来るのである。
請求項5に記載の発明は、特に、ストリップラインにおける入力端側の線路幅を出力端側の線路幅より大きく設定することで、容易にストリップラインにおける入力端側のインピーダンスを出力端側のインピーダンスより低く設定することが出来るのである。
請求項6に記載の発明は、特に、高周波電力増幅回路における整合回路を形成する位相線路を2本のストリップラインの直列体を用いて形成し、このトランジスタ側に接続されたストリップラインの自己共振周波数をトランジスタから出力される出力信号における3次高調波成分の周波数と略一致させ、出力整合回路の出力ポート側に接続されたストリップラインの自己共振周波数をトランジスタから出力される出力信号における2次高調波成分の周波数と略一致させることで、整合回路に異なる周波数に対する高調波抑制作用を付加することができ別途フィルタ回路を設ける必要がなくなり高周波電力増幅回路を小型化することが出来るのである。
請求項7に記載の発明は、特に、トランジスタの出力ポートに対して電源電圧を印加する制御ポートを、出力整合回路の出力ポートに接続されたストリップラインの出力端にチョークコイルを形成する伝送線路を介して接続することで、チョークコイルを形成するのに必要なインダクタンス成分を形成するにあたり、伝送線路とトランジスタ間に位置する2本のストリップラインの直列体がインダクタンス成分を有することからその分伝送線路を短縮できるのでさらに高周波電力増幅回路を小型化することが出来るのである。
請求項8に記載の発明は、特に、伝送線路と2本のストリップラインを組み合わせた複合線路における自己共振周波数をトランジスタから出力される出力信号の基本周波数と略一致させることで、より高周波電力増幅回路を小型化することが出来るのである。
請求項9に記載の発明は、特に、各ストリップラインにおける入力端側のインピーダンスを出力端側のインピーダンスより低く設定することで、低インピーダンスであるトランジスタ出力信号の反射による挿入損失の低下を抑制することが出来るのである。
請求項10に記載の発明は、特に、各ストリップラインにおける入力端側の線路幅を出力端側の線路幅より大きく設定することで、容易に各ストリップラインにおける入力端側のインピーダンスを出力端側のインピーダンスより低く設定することが出来るのである。
本発明によれば、高周波電力増幅器を小型化することが出来るのである。
以下、本発明の一実施形態について図を用いて説明する。なお上述した背景技術と同様の構成については同じ符号を付して説明する。
図1は携帯電話などの通信機器に用いられる高周波電力増幅回路の一例を示したものであり、トランジスタ1aにベース電圧とコレクタ電圧を印加しエミッタ側を接地した増幅器1と、この増幅器1から出力された数オーム程度といった低いインピーダンスの高周波信号を、特に図示はしていないが後段に位置する50オーム系で構成されているアンテナや高周波フィルタからなるアンテナブロックのインピーダンスに整合するため、信号経路に直列に接続された位相線路3aと接地コンデンサ3bで形成された出力整合回路3とから構成されている。
そして、この高周波電力増幅回路においては出力整合回路3を構成する位相線路3aをストリップライン4で構成するとともに、このストリップライン4の自己共振周波数を増幅器1からの出力信号における基本周波数の高調波成分(たとえばこの高周波電力増幅回路がGSM仕様の携帯電話であればその送信周波数の2次高調波や3次高調波)と一致するように設定している。
すなわち、トランジスタ1aから出力された低インピーダンスの高周波信号を50オーム系のインピーダンスに整合するため設けられた位相線路3aを、そのインダクタ成分を維持しつつストリップライン4により形成される自己共振周波数を増幅器1からの出力信号における基本周波数の高調波成分と一致させることで、その周波数におけるストリップライン4のインピーダンスが無限大となることから図3に示す従来設けられていたフィルタ回路2を別途設ける必要が無くなり高周波電力増幅回路を小型化することが出来るのである。
また、トランジスタ1aの出力ポート1bに対して電源電圧を印加する制御ポート5を、ストリップライン4の出力端にチョークコイルを形成する伝送線路6を介して接続することで、チョークコイルを形成するのに必要なインダクタンス成分を形成するにあたり、制御ポート5からトランジスタ1aの出力ポート1bに至る経路のインダクタンス成分が伝送線路6とストリップライン4のインダクタンスの和によって形成されるので、伝送線路6の線路長をストリップライン4で形成されるインダクタンス分だけ短縮できるのである。
なお、伝送線路6とストリップライン4を組み合わせた複合線路における自己共振周波数をトランジスタ1aから出力される出力信号の基本周波数と略一致させることで、チョークコイルとして必要なインダクタンスを伝送線路6や位相線路3aのインダクタンス成分を用いて形成するより、伝送線路6とストリップライン4の複合によって形成される自己共振周波数を用いてトランジスタ1aの出力端1bから見た出力整合回路3側のインピーダンスを無限大とすることでより線路長を短縮でき高周波電力増幅回路を小型化することが出来るのである。
また、ストリップライン4における入力端3b側のインピーダンスを出力端3c側のインピーダンスより低く設定することで、低インピーダンスであるトランジスタ1aからの出力信号が出力整合回路3とのインピーダンスの差により生じる信号反射による挿入損失の低下を抑制することが出来るのである。
そして、このような構成を具体的に実施するにあたっては、ストリップライン4における入力端3b側の線路幅を出力端3c側の線路幅より大きく設定することで、ストリップライン4における入力端3b側のインピーダンスを出力端3c側のインピーダンスより低く設定することが出来るのである。また、ストリップライン4のインピーダンスを線路の途中で変化させることによりストリップライン4の線路長を短縮できる効果が生じるため高周波電力増幅回路を小型化することが出来るのである。
なお、1cはトランジスタ1aの入力ポートであり、1dはトランジスタ1aのベース電圧印加用ポートでバイアス抵抗1eを介して接続されている。また1fは直流電源遮蔽用のコンデンサである。
次に、他の実施形態について図2を用いて説明する。なお、この図2に示された高周波電力増幅回路は先に説明した図1に示される高周波電力増幅回路において出力整合回路3を2本の位相線路7,8の直列体を用いて形成したものであり、その他の部分においては先に図1を用いて述べた実施形態と同様のものであり、同じ符号を付して説明する。
すなわち、この図2に示される高周波電力増幅回路においては、出力整合回路3を位相線路7,8と接地コンデンサ9,10を用いた2段組み構成としたものであり、出力整合性を高めたものである。
この高周波電力増幅回路においては、位相線路7,8を2本のストリップライン7a,8aの直列体を用いて形成していることから、ストリップライン7aの自己共振周波数をトランジスタ1aからの出力信号における3次高調波成分の周波数と一致させ、ストリップライン8aの自己共振周波数をトランジスタ1aからの出力信号における2次高調波成分の周波数と一致させることで、出力整合回路3に2次高調波及び3次高調波といった異なる周波数に対する高調波抑制作用を付加することができ図3に示されるフィルタ回路2を別途設ける必要がなくなり高周波電力増幅回路を小型化することが出来るのである。
また、トランジスタ1aの出力ポート1bに対して電源電圧を印加する制御ポート5を、出力整合回路3の出力ポート3cに接続されたストリップライン8aの出力端にチョークコイルを形成する伝送線路6を介して接続することで、チョークコイルを形成するのに必要なインダクタンス成分を形成するにあたり、伝送線路6とトランジスタ1a間に位置する2本のストリップライン7a,8aのインダクタンス成分により伝送線路6の線路長を短縮できるのでさらに高周波電力増幅回路を小型化することが出来るのである。
なお、伝送線路6と2本のストリップライン7a,8aを組み合わせた複合線路における自己共振周波数をトランジスタ1aから出力される出力信号の基本周波数と略一致させることで、前述した図1に示されたものと同様に、チョークコイルとして必要なインダクタンスを伝送線路6や位相線路7,8のインダクタンス成分を用いて形成するより、伝送線路6とストリップライン7a,8aによって形成される自己共振周波数を用いてトランジスタ1aの出力端1bから見た出力整合回路3側のインピーダンスを無限大とすることでより線路長を短縮でき高周波電力増幅回路を小型化することが出来るのである。
また、各ストリップライン7a,8aにおける入力端側のインピーダンスを出力端側のインピーダンスより低く設定することで、図1に示されたものと同様に、低インピーダンスであるトランジスタ1aからの出力信号が出力整合回路3とのインピーダンスの差により生じる信号反射による挿入損失の低下を抑制することが出来るのである。なお、ストリップライン7aの出力端側とストリップライン8aの入力端側のインピーダンスは同等の値に設定しておくことが望ましい。
そして、このような構成を具体的に実施するにあたっては、各ストリップライン7a,8aにおける入力端側の線路幅を出力端側の線路幅より大きく設定することで、各ストリップライン7a,8aにおける入力端側のインピーダンスを出力端側のインピーダンスより低く設定することが出来るのである。また、ストリップライン7a,8aのインピーダンスをそれぞれ線路の途中で変化させることによりストリップライン7a,8aの線路長をそれぞれ短縮できる効果が生じるため高周波電力増幅回路を小型化することが出来るのである。
なお特に図示はしていないが、上述した図1及び図2に示された高周波電力増幅回路は、誘電体からなる多層基板を用いてその内層部分に伝送線路6やストリップライン4,7a,8aやコンデンサ3b,9,10などをパターン電極で形成し、多層基板内でパターン電極として形成しにくい抵抗素子やトランジスタ1aを多層基板上に実装すれば実現できるものである。
本発明に係る高周波電力増幅回路は、出力整合回路にフィルタ回路機能を複合化することでその小型化ができるという効果を有し、通信機器などに用いられ小型化が望まれる高周波電力増幅回路に関して有用である。
本発明の一実施形態における高周波電力増幅回路の等価回路図 他の実施形態における高周波電力増幅回路の等価回路図 従来の高周波電力増幅回路の等価回路図
符号の説明
1a トランジスタ
1b,3c 出力ポート
3 出力整合回路
3b,9,10 コンデンサ
4,7a,8a ストリップライン
5 制御ポート
6 伝送線路

Claims (10)

  1. トランジスタと、このトランジスタの出力ポートに接続された出力整合回路とを備え、前記出力整合回路は一端が前記トランジスタの出力ポートに接続され他端が前記出力整合回路の出力ポートに接続された第1のストリップラインと、一端が前記出力整合回路の出力ポートに接続され他端がグランドに接続された第1のコンデンサとからなり、前記第1のストリップラインの自己共振周波数を前記トランジスタから出力される出力信号の基本周波数の高調波成分の周波数と略一致させたことを特徴とする高周波電力増幅回路。
  2. トランジスタの出力ポートに対して電源電圧を印加する制御ポートを、第1のストリップラインと出力整合回路の出力ポートの間にチョークコイルを形成する伝送線路を介して接続したことを特徴とする請求項1に記載の高周波電力増幅回路。
  3. 伝送線路と第1のストリップラインを組み合わせた複合線路における自己共振周波数をトランジスタから出力される出力信号の基本周波数と略一致させたことを特徴とする請求項2に記載の高周波電力増幅回路。
  4. 第1のストリップラインにおけるトランジスタの出力ポート側のインピーダンスを出力整合回路の出力ポート側のインピーダンスより低く設定したことを特徴とする請求項1に記載の高周波電力増幅回路。
  5. 第1のストリップラインにおけるトランジスタの出力ポート側の線路幅を出力整合回路の出力ポート側の線路幅より大きく設定したことを特徴とする請求項4に記載の高周波電力増幅回路。
  6. 第1のストリップラインと第1のコンデンサとの接続点と出力整合回路の出力ポート間に第2のストリップラインを直列に接続するとともに、この第2のストリップラインの出力端側に一端がグランドに接続された第2のコンデンサを接続し、前記第2のストリップラインの自己共振周波数を前記トランジスタから出力される出力信号の2次高調波の周波数と略一致させるとともに、前記第1のストリップラインの自己共振周波数を前記トランジスタから出力される出力信号の3次高調波の周波数と略一致させたことを特徴とする請求項1に記載の高周波電力増幅回路。
  7. トランジスタの出力ポートに対して電源電圧を印加する制御ポートを、第2のストリップラインと出力整合回路の出力ポートの間にチョークコイルを形成する伝送線路を介して接続したことを特徴とする請求項6に記載の高周波電力増幅回路。
  8. 伝送線路と第1のストリップラインと第2のストリップラインを組み合わせた複合線路における自己共振周波数をトランジスタから出力される出力信号の基本周波数と略一致させたことを特徴とする請求項7に記載の高周波電力増幅回路。
  9. 第1のストリップラインにおけるトランジスタの出力ポート側のインピーダンスを第2のストリップラインの入力端側のインピーダンスより低く設定するとともに、前記第2のストリップラインにおける前記第1のストリップラインの出力端側のインピーダンスを出力整合回路の出力ポート側のインピーダンスより低く設定したことを特徴とする請求項6に記載の高周波電力増幅回路。
  10. 第1のストリップラインにおけるトランジスタの出力ポート側の線路幅を第2のストリップラインの入力端の線路幅より大きく設定するとともに、第2のストリップラインにおける前記第1のストリップラインの出力端側の線路幅を出力整合回路の出力ポート側の線路幅より大きくしたことを特徴とする請求項9に記載の高周波電力増幅回路。
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