JP2005182960A - 光磁気用の光集積化ユニットおよび光磁気用の光ピックアップ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光検出器における反射光のスポットの位置、形状、長さおよび幅を制御できる光集積化ユニットを提供する。さらに、C/Nの向上を図った光集積化ユニットを提供する。
【解決手段】 光集積化ユニットは、光磁気記録媒体からの反射光を受光するための複数の受光部を有する光検出器15と、光源から光記録媒体に向かう発振光と反射光とを分離するための第1の偏光分離手段と、第1の偏光分離手段からの反射光の少なくとも一部を回折させて、回折光を光検出器15に導くための偏光ホログラム14aとを備える。偏光ホログラム14aは、複数の回折領域14a1,14a2を含み、それぞれの回折領域ごとに反射光を異なる方向に回折するように形成され、さらに、2つ以上の回折領域の回折光が一の受光部に向かうように形成されている。
【選択図】 図2
【解決手段】 光集積化ユニットは、光磁気記録媒体からの反射光を受光するための複数の受光部を有する光検出器15と、光源から光記録媒体に向かう発振光と反射光とを分離するための第1の偏光分離手段と、第1の偏光分離手段からの反射光の少なくとも一部を回折させて、回折光を光検出器15に導くための偏光ホログラム14aとを備える。偏光ホログラム14aは、複数の回折領域14a1,14a2を含み、それぞれの回折領域ごとに反射光を異なる方向に回折するように形成され、さらに、2つ以上の回折領域の回折光が一の受光部に向かうように形成されている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、光ディスクなどの情報記録媒体に光学的に情報を記録または再生するために用いる光集積化ユニットおよび光集積化ユニットを備える光ピックアップ装置に関する。特に、光磁気用の光集積化ユニットおよび光磁気用の光ピックアップ装置に関する。
図12に、従来の技術に基づく光ピックアップ装置のうち、特開平8−297875号公報に開示された光ピックアップ装置についての断面図を示す。
光ピックアップ装置は、光集積化ユニットと対物レンズとを備える。光集積化ユニットは、光源や偏光分離手段などを含み、一体的に形成されている。対物レンズ113は、光集積化ユニットと光磁気記録媒体130との間に配置され、レーザ光を光磁気記録媒体130の記録面上で合焦するように形成されている。
光集積化ユニットは、レーザ光を発振する光源111と光源111から出射されたレーザ光を3ビームに分割するグレーティング116と、光源111と対物レンズ113の間に配設された基材140とを含む。基材140の上面には、光磁気記録媒体130からの反射光を、光磁気記録媒体130の半径方向に分離するための第1の偏光分離手段112が形成されている。
基材140の下面には、第1の偏光分離手段112によって分離された反射光を、さらに分離するための第2の偏光分離手段114a,114bが形成されている。第2の偏光分離手段114a,114bの下方には、第2の偏光分離手段114a,114bで分離された反射光を受光するために、光検出器115が形成されている。光検出器115は、受光部群115aおよび受光部群115bを含む。
第1の偏光分離手段112は、複屈折回折格子型素子である偏光ホログラムが用いられている。図13に、第1の偏光分離手段112としての偏光ホログラム117の斜視図を示す。偏光ホログラム117は、入射光のうち常光が透過する一方で異常光が回折するように形成されている。偏光ホログラム117における格子125は、直線状に形成され、ピッチが一定のものが用いられている。
第1の偏光分離手段112としての偏光ホログラムは、常光に対する位相差φが約70°、異常光に対する位相差φが約130°または約230°になるように形成されている。さらに、常光に対する0次回折光率が67%、±1次回折光率の総和が27%、異常光に対する0次回折光率が18%、異常光に対する±1次回折光率の総和が76%になるように形成されている。光磁気記録媒体130の情報の再生は、光カー効果の原理に基づいている。光磁気記録媒体130からの反射光は、光磁気記録媒体130に記録された情報に従って、偏光面が回転(カー回転)する。第1の偏光分離手段112において、上記の回折光の効率が得られるように形成することによって、光磁気記録媒体130からの反射光のカー回転角が増倍する。すなわち、第1の偏光分離手段112は、光磁気記録媒体130からの反射光のカー回転角を増倍するエンハンス機能を有する。
第2の偏光分離手段114a,114bは、光磁気信号の作動検出のための偏光分離手段である。第2の偏光分離手段114aは、第1の偏光分離手段112によって形成された+1次回折光112aを偏光分離する。また、第2の偏光分離手段114bは、第1の偏光分離手段112によって形成された−1次回折光112bを偏光分離する。
第2の偏光分離手段114a,114bは、第1の偏光分離手段112と同様に、図13に示すような構造を有する複屈折回折格子型素子からなる偏光ホログラムが用いられている。すなわち、第2の偏光分離手段114a,114bには、直線状で互いに平行な格子を含む偏光ホログラムが用いられている。この偏光ホログラムは、常光を透過させる一方で異常光を回折するように形成されている。第2の偏光分離手段114a,114bは、常光に対する位相差φが約0°、異常光に対する位相差φが約180°になるように形成されている。
図14に、図12における光ピックアップ装置の光検出器115の平面図を示す。光検出器115は、第1の偏光分離手段112によって回折された±1次回折光112a,112bを受光するように形成されている。反射光は、第1の偏光分離手段112によって、光磁気記録媒体130の半径方向に沿って回折される(図12参照)。受光部群115a,115bは、この半径方向に並んで形成されている。受光部群115aは、第1の偏光分離手段の+1次回折光を受光するための受光部群であり、受光部群115bは、第1の偏光分離手段の−1次回折光を受光するための受光部群である。
受光部群115aは、グレーティング116によって光磁気記録媒体130の半径方向と垂直な方向に3分割されたレーザ光をそれぞれ受光するために、受光部118、受光部119a,119b、および受光部120を含む。受光部群115aの受光部においては、第2の偏光分離手段での透過光および−1次回折光を受光する。
同様に、受光部群115bは、グレーティング116で3分割された光をそれぞれ受光するために、受光部121、受光部122a,122b、および受光部123を含む。受光部群115bの受光部においては、第2の偏光分離手段での透過光および+1次回折光を受光する。図14においては、それぞれの受光部にレーザ光が落斜する領域であるスポットR190が簡易的に円で示されている。
受光部群115aにおいて、矢印114a0で示す列には、第2の偏光分離手段114aを透過したレーザ光が到達する。矢印114aBに示す列には、第2の偏光分離手段114aの−1次回折光が到達する。同様に、受光部群115bにおいて、矢印114b0に示す列には、第2の偏光分離手段114bを透過したレーザ光が到達する。また、矢印114bAに示す列には、第2の偏光分離手段114bの+1次回折光が到達する。背景技術の説明においては、図14に示すX方向(光磁気記録媒体の半径方向)において、図面左側を一律に「+側」として、図面右側を「−側」としている。
受光部群115aにおいて、Y方向(光磁気記録媒体の接線方向)の中央の受光部においては、受光部119aと受光部119bとに分割されている。受光部119a,119bは、第2の偏光分離手段の透過光と−1次回折光とをそれぞれ別に受光できるように形成されている。同様に、受光部群115bにおいては、X方向に受光部122aと受光部122bとが並ぶように形成されている。
また、受光部119a,119b,122a,122bにおいては、作動3分割法によるフォーカス誤差信号を検出するために、X方向と平行な方向の2本の分割線で分割されている。受光部119a,119b,122a,122bは、細い中央部分とその両側の太い側方部分に3分割されている。
再生された光磁気信号MO1は、以下の式で表わせられる。ここで、各受光部で得られる検出信号は、それぞれの受光部を示す符号の先頭に「S」を付加して表わす。
MO1=(S119a−S119b)+(S122b−S122a)…(1)
式(1)において、第1の項の(S119a−S119b)は、第2の偏光分離手段114aにおける透過光の検出信号と−1次回折光の検出信号とによる差動信号である。第2の項の(S122b−S122a)は、第2の偏光分離手段114bにおける透過光の検出信号と+1次回折光の検出信号とによる差動信号である。
式(1)において、第1の項の(S119a−S119b)は、第2の偏光分離手段114aにおける透過光の検出信号と−1次回折光の検出信号とによる差動信号である。第2の項の(S122b−S122a)は、第2の偏光分離手段114bにおける透過光の検出信号と+1次回折光の検出信号とによる差動信号である。
この公報に記載された好適な実施例によれば、光磁気信号MO1は、第2の偏光分離手段114aの透過光と−1次回折光との差動検出によって得られる信号と、第2の偏光分離手段114bの透過光と+1次回折光との作動検出によって得られる信号とで形成されている。本発明においては、上記の式(1)で光磁気信号が形成される方式を、「第1のMO信号生成方式」という。
図14においては、それぞれの受光部におけるスポットの形状は、簡易的にほぼ円形で示されている。しかし、実際には、回折されたレーザ光は収差を生ずるため、光検出器の受光部におけるレーザ光のスポットの形状は、ほぼ円形とならずに変形する。この変形は、第1の偏光分離手段または第2の偏光分離手段がニオブ酸リチウムなどの基板で形成され、反射光がこれらの基板に対して斜め方向から入射することによって、収差が生じることによる。第1の偏光分離手段または第2の偏光分離手段を形成している基材が、硝材または樹脂などの光学材料で形成されている場合には、これらの収差がさらに大きくなることがある。
図15に、シミュレーション装置を用いて光検出器におけるスポットを求めて、該スポットに合せて受光部を形成した光検出器の平面図を示す。
上記の第1のMO信号生成方式においては、受光部群115aにおいては、第2の偏光分離手段による透過光と−1次回折光のみを用いている。また、受光部群115bにおいては、第2の偏光分離手段の透過光と+1次回折光のみを用いている。すなわち、それぞれの第2の偏光分離手段114a,114bの±1次回折光のうち、一方の回折光のみを用いている。
光検出器においては、第2の偏光分離手段114a,114bについて、それぞれの第2の偏光分離手段の+1次回折光および−1次回折光の両方の回折光を用いる光検出器も提案することができる。図15(a)に示す受光部群115aにおいて、破線で示した受光部119cが形成され、図15(b)に示す受光部群115bにおいて、破線で示した受光部122cが形成された光検出器も提案することができる。この光検出器から得られる光磁気信号MO2は、以下の式で与えられる。
MO2={S119a−(S119b+S119c)}+{S122a−(S122b+S122c)}…(2)
以下の説明においては、式(2)によって、光磁気信号MO2を得る方式を「第2のMO信号生成方式)という。
特開平8−297875号公報
以下の説明においては、式(2)によって、光磁気信号MO2を得る方式を「第2のMO信号生成方式)という。
上記の特許文献1には、第2の偏光分離手段の回折光率は記載されていない。しかし、開示されている第2の偏光分離手段の構成であれば、理論的に常光に対する0次回折光率は100%、異常光に対する±1次回折光率は、それぞれ40.5%になる。
一方で、光磁気信号の作動信号の検出において、光源からのレーザ光の強度の変動や、光磁気記録媒体の反射率の変動に起因する同相ノイズを抑制するためには、情報信号の検出に用いる常光成分と異常光成分の光量はほぼ等しいことが好ましい。
情報信号を透過光(0次回折光)の信号と+1次回折光の信号との差または、透過光の信号と−1次回折光の信号との差から得る方式(上記の第1のMO信号生成方式)では、常光成分と異常光成分との光量の比は100:45とアンバランスになるため、同相ノイズを十分に抑制できないという問題がある。
第2の偏光分離手段の光学軸の方向と入射光の偏光方向がなす角度を45°からずらすことによって、光量比を1:1にすることが可能であるが、これに伴って、キャリアレベルが低下するため、C/N(Carrier to Noise Ration)の低下が生じてしまう。したがって、常光成分と異常光成分の光量比のアンバランスを抑制するためには、±1次回折光の和と0次回折光との差から情報信号を得る方式である上記の第2のMO信号生成方式が好ましい。
第2のMO信号生成方式では、常光成分と異常光成分の光量比は、100:81となるため、第1のMO信号生成方式に比べて光量比のアンバランスは改善され、同相ノイズはかなり抑制される。しかし、第2のMO信号生成方式においては、図15に示すように、受光部119cおよび受光部122cを形成する必要がある。ここで、受光部119cおよび受光部122cにおけるスポットの形状は、他のスポットの形状に比べて大きくなっている。特に光磁気記録媒体の半径方向(X方向)に大きくなっている。このため、受光部119cおよび122cについては、これらの反射光を受光するため、表面積を大きくする必要がある。
光ピックアップ装置の内部においては、光源が発するレーザ光の一部がパッケージなどの各部材で乱反射して、一部が光検出器に到達することによって、ノイズ信号が発生する。すなわち、迷光によって、検出信号にノイズが発生する。このため、受光部の表面積は、小さい方が好ましい。しかし、受光部119cおよび受光部122cは、表面積を大きく形成する必要があるため、ノイズ成分が増大して、C/Nが低下するという問題があった。
このように、従来の技術に基づく光集積化ユニットおよび光ピックアップ装置においては、C/Nの向上を図ることが困難であるという問題があった。特に、従来の技術に基づく光集積化ユニットおよび光ピックアップ装置においては、光検出器における反射光の収差を調整することが困難で、スポットの位置や、スポットの形状などを制御することが困難であるという問題があった。
本発明の目的は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、光検出器における反射光のスポットの位置、形状、長さまたは幅を制御できる光集積化ユニットおよび光ピックアップ装置を提供することを目的とする。さらに、C/Nの向上を図った光集積化ユニットおよび光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に基づく光集積化ユニットは、光磁気記録媒体からの反射光を受光するための複数の受光部を有する光検出器と、光源から上記光記録媒体に向かう発振光と上記反射光とを分離するための第1の偏光分離手段と、上記第1の偏光分離手段からの上記反射光の少なくとも一部を回折させて、回折光を上記光検出器に導くための第2の偏光分離手段とを備える。上記第2の偏光分離手段は、複数の回折領域を有する回折素子を含み、上記回折素子は、それぞれの上記回折領域ごとに上記反射光を異なる方向に回折するように形成され、上記回折素子は、2つ以上の上記回折領域の回折光が一の上記受光部に向かうように形成されている。この構成を採用することにより、上記光検出器におけるスポットの位置、形状、長さまたは幅を制御できる光集積化ユニットを提供することができる。
上記発明において好ましくは、上記回折素子は、第1の回折領域と第2の回折領域とを含み、上記回折素子は、上記第1の回折領域の±1次の両方の回折光と、上記第2の回折領域の±1次の両方の回折光と、上記第1の回折領域および上記第2の回折領域の透過光とが、上記光検出器において略一直線状に配列するように形成されている。この構成を採用することにより、上記光検出器における複数の上記スポットの互いの距離を小さくすることができ、上記受光部の表面積を小さくすることができるとともに、C/Nを向上させることができる。
上記発明において好ましくは、上記回折素子は、第1の回折領域と第2の回折領域とを含み、上記回折素子は、上記第1の回折領域の+1次回折光と上記第2の回折領域の−1次回折光とからなる組、および上記第1の回折領域の−1次回折光と上記第2の回折領域の+1次回折光とからなる組のうち、少なくとも一方の組の2つの回折光の少なくとも一部同士が、上記受光部において重なるように形成されている。この構成を採用することにより、上記検出器における上記スポットの面積を小さくすることができる。したがって、上記受光部の表面積を小さくすることができるとともに、上記C/Nを向上させることができる。
上記発明においてこのましくは、上記回折素子は、分割線で分割された2つの領域を含み、上記2つの領域のうち、いずれか一方の領域の格子のピッチが他方の領域の格子のピッチより小さくなるように形成され、上記2つの領域の格子は、それぞれ上記分割線とほぼ同じ方向に形成され、上記一方の領域から上記他方の領域に向かう方向に凹または凸になるように湾曲している。この構成を採用することにより、上記検出器において、上記反射光を近接させたり重ねたりするができ、上記受光部の面積を小さくすることができるとともに、上記C/Nを向上させることができる。
上記発明において好ましくは、上記回折素子は、互いに直行する第1の分割線と第2の分割線とを含み、上記第2の分割線によって分割される一方の回折領域が、上記第1の分割線によって分割されて形成された第1の回折領域および第2の回折領域を含み、上記第2の分割線によって分割される他方の回折領域が、上記第1の分割線によって分割されて形成された第3の回折領域および第4の回折領域を含む。この構成を採用することにより、上記光検出器において、上記スポットを近接させたり重ねたりすることができ、上記受光部の表面積を小さくすることができる。また、上記C/Nを向上させることができる。
上記発明において好ましくは、上記回折格子は、上記第1の回折領域の+1次回折光と上記第2の回折領域の+1次回折光とからなる組、および上記第1の回折領域の−1次回折光と上記第2の回折領域の−1次回折光とからなる組のうち、少なくとも一方の組の2つの回折光の少なくとも一部同士が、上記受光部において重なるように形成されている。または、上記回折素子は、上記第3の回折領域の+1次回折光と上記第4の回折領域の+1次回折光とからなる組、および上記第3の回折領域の−1次回折光と上記第4の回折領域の−1次回折光とからなる組のうち、少なくとも一方の組の2つの回折光の少なくとも一部同士が、上記受光部において重なるように形成されている。この構成を採用することにより、上記受光部の表面積を小さくすることができ、上記C/Nを向上させることができる。
上記発明において好ましくは、上記回折素子は、偏光ホログラムを含む。この構成を採用することにより、上記偏光ホログラムの格子の構成などを変更することにより、上記回折領域ごとの上記回折光の向きなどを容易に調整することができる。
上記発明において好ましくは、上記偏光ホログラムの格子は、少なくとも一部が湾曲している。この構成を採用することにより、上記光検出器における上記スポットの面積をさらに小さくすることができ、上記C/Nをさらに向上させることができる。
上記発明において好ましくは、上記光検出器は、上記第2の偏光分離手段の一の透過光と、上記一の透過光に対応する±1次回折光とを、一の上記受光部で受光するように形成されている。この構成を採用することにより、上記検出器における上記受光部の数を少なくすることができ、上記光検出器の構成を簡単にすることができる。また、上記光検出器を小型化することができる。
上記発明において好ましくは、上記第2の偏光分離手段の回折光の検出信号と、上記第2の偏光分離手段の透過光の検出信号との差信号を得るための光磁気信号検出手段を備える。この構成を採用することにより、上記光磁気信号検出手段を備える上記光集積化ユニットに本発明を適用することができる。
上記目的を達成するため、本発明に基づく光ピックアップ装置は、上述の光集積化ユニットを備える。この構成を採用することにより、光検出器におけるスポットの位置、形状、長さまたは幅を制御できる光ピックアップ装置を提供することができる。また、C/Nの向上を図った光ピックアップ装置を提供することができる。
本発明によれば、受光部における反射光のスポットの位置、形状、長さまたは幅を制御できる光集積化ユニットおよび光ピックアップ装置を提供することができる。また、光磁気信号のC/Nを向上できる光集積化ユニットおよび光ピックアップ装置を提供することができる。
(実施の形態1)
(構成)
図1から図3を参照して、本発明に基づく実施の形態1における光集積化ユニットおよび光ピックアップ装置について説明する。
(構成)
図1から図3を参照して、本発明に基づく実施の形態1における光集積化ユニットおよび光ピックアップ装置について説明する。
図1は、本実施の形態における光ピックアップ装置と光磁気記録媒体との概略断面図である。本発明の説明に用いる上部、上方、下部または下方などの向きを示す用語は、絶対的な方向を示すものではなく、各部位の相対的な位置関係を示すものである。
光集積化ユニットは、パッケージ25と一体的に形成されている。パッケージ25は、平面形状がほぼ長方形のものであり、内部に各部材が配置できるように箱形に形成されている。パッケージ25の内部の下部には、上側に向かってレーザ光を発振するための光源11が配置されている。光源11の上方には、発振光を3分割するためのグレーティング16が形成されている。グレーティング16は平板状に形成されている。
パッケージ25の上部には、基材40が形成されている。基材40は、内部が空洞になるように形成され、上面には、第1の偏光分離手段としての偏光ホログラム12が形成されている。偏光ホログラム12は、光源11からの発振光を透過する一方で、光磁気記録媒体からの反射光を回折するように形成されている。本実施の形態においては、光磁気記録媒体が回転するときの半径方向に光学的に対応する方向(以下、「X方向」という。)において、図1の左側の回折光を偏光ホログラム12の+1次回折光12a、右側の回折光を偏光ホログラム12の−1次回折光12bとしている。
基材40の下面において、偏光ホログラム12の±1次回折光の光路上には、第2の偏光分離手段としての回折素子として、偏光ホログラム14aおよび偏光ホログラム14bが形成されている。偏光ホログラム14a,14bは、発振されたレーザ光の光軸Jを挟むように、光軸Jの両側方に配置されている。偏光ホログラム14a,14bは、反射光の少なくとも一部を回折するように形成されている。
パッケージ25の内部の下部には、第2の偏光分離手段としての偏光ホログラム14a,14bの±1次回折光および透過光を受光するための光検出器15が形成されている。第2の偏光分離手段は、光集積化ユニットの偏光分離手段のうち、第1の偏光分離手段からの反射光の少なくとも一部を回折させて、回折光を光検出器15に導くための偏光分離手段である。光検出器15には、複数の受光部を有する受光部群15aと受光部群15bとが形成されている。受光部群15aは、偏光ホログラム12の+1次回折光12aを受光できるように配置され、受光部群15bは、偏光ホログラム12の−1次回折光12bを受光できるように配置されている。偏光ホログラム14a,14bは、それぞれ反射光の光路における光検出器15の直前に形成されている。
基材40は、内部が空洞になるように形成され、高さ(Z方向の長さ)が1.45mmになるように形成されている。光学基板3の下面から受光部までの距離(Z方向の距離)は、約0.56mmになるように形成されている。光源11は、785nmのレーザ光を発振できるように形成されている。
光集積化ユニットの上方には、光磁気記録媒体130の記録面において、光を集光させるための対物レンズ13が配置されている。光ピックアップ装置は、対物レンズ13と光集積化ユニットとを備える。
第1の偏光分離手段としての偏光ホログラム12は、従来の技術に基づく偏光ホログラムと同様である。たとえば、特許文献1に示されるように、互いに平行な直線状の格子が表面に形成され、格子のピッチはほぼ一定になるような偏光ホログラムが形成されている。
本実施の形態における偏光ホログラム12は、図13を参照して、格子125が形成されているニオブ酸リチウムの光学基板117aの厚さtが0.5mmになるように形成されている。ニオブ酸リチウムの常光の屈折率は2.26、異常光の屈折率は2.18である。偏光ホログラム12と同様に、偏光ホログラム14a,14bのニオブ酸リチウムによる光学基板の厚さは0.5mmである。それぞれの偏光ホログラムに形成されているプロトン交換層を含む格子の厚さは、無視できる厚さである。
第1の偏光分離手段は、光磁気記録媒体からの反射光を光磁気記録媒体に向かう発振光と分離できればよく、上記のほかにも、たとえば、偏光ビームスプリッタなどを含んでいてもよい。また、本実施の形態における第1の偏光分離手段は、エンハンス機能を有する偏光ホログラムが用いられている。
本実施の形態における光集積化ユニットは、偏光ホログラム14a,14bの構成と光検出器15の構成とが従来の技術に基づく光集積化ユニットと異なる。
図2に本実施の形態における第2の偏光分離手段としての偏光ホログラム14aの説明図を示す。図2(a)は、偏光ホログラム14aの平面図である。偏光ホログラム14aは、分割線31を境界にして、第1の回折領域14a1と第2の回折領域14a2とを有する。すなわち、偏光ホログラム14aは、2つの回折領域を有する。分割線31は、光磁気記録媒体が回転するときの半径方向に垂直な方向と光学的に対応する方向(以下、「Y方向」という)に平行になるように形成されている。偏光ホログラム14aは、第1の回折領域14a1が光集積化ユニットの外側になるように配置されている。
また、偏光ホログラム14aは、図1における偏光ホログラム12の+1次回折光12aを、分割線31でほぼ2分割するように配置されている。図2(a)においては、偏光ホログラム12の+1次回折光の+1次回折光到達領域50aを分割線31が2分割するように配置されている。
図2(b)は、偏光ホログラム14aの拡大平面図の模式図である。偏光ホログラム14aは、平面形状は略正方形になるように形成され、一辺の長さL14aは600μm、+1次回折光到達領域50aの半径は130〜150μm、および実効NA(Numerical Aperture)は0.135である。
偏光ホログラム14aにおいては、第1の領域14a1と第2の領域14a2とで格子の形状などが異なる。偏光ホログラム14aは、2つの回折領域において、一方の領域である第1の回折領域14a1の格子60aのピッチが、他方の領域である第2の回折領域14a2の格子60bのピッチより小さくなるように形成されている。すなわち格子60a同士の間隔が、格子60b同士の間隔よりも小さくなるように形成されている。
図2(b)には、偏光ホログラム14aの分割線31の垂直2等分線(図示せず)上の領域P1〜P9における格子のピッチの概略値が記載されている。第1の領域14a1の格子60aのピッチは、約2.6〜2.8μmであるのに対して、第2の領域14a2の格子60bのピッチは、約3〜5μmである。このように、格子60aのピッチは、格子60bのピッチよりも小さくなるように形成されている。
第1の回折領域14a1および第2の回折領域14a2における格子は、X方向のうち正の方向に向かうにつれて、格子のピッチは、略同じか大きくなる傾向がある。(領域P9から領域P7に向かう部分のように、わずかに小さくなる部分もあるが略同じである。)
また、第1の領域14a1と第2の領域14a2との境界の分割線31においては、形成されている格子60a,60bは不連続であるが、それぞれの領域内においては、連続的に格子60a,60bが形成されている。たとえば、格子60a,60bのピッチは、X方向において連続的に変化するように形成されている。また、それぞれの領域内の格子60a,60bの湾曲の形状も連続的に変化するように形成されている。
また、第1の領域14a1と第2の領域14a2との境界の分割線31においては、形成されている格子60a,60bは不連続であるが、それぞれの領域内においては、連続的に格子60a,60bが形成されている。たとえば、格子60a,60bのピッチは、X方向において連続的に変化するように形成されている。また、それぞれの領域内の格子60a,60bの湾曲の形状も連続的に変化するように形成されている。
また、それぞれの領域14a1,14a2内においては、格子60a,60b同士は、ほぼ平行になるように形成されている。厳密には、分割線31の垂直2等分線上における格子のピッチと、偏光ホログラム14aの端部における格子のピッチとはわずかに異なっているが、それぞれの領域14a1,14a2内においては、ほぼ平行になるように形成されている。
また、それぞれの領域内14a1,14a2においては、それぞれの格子60a,60bは、分割線31の垂直2等分線(図示せず)に対して対称になるように形成されている。
それぞれの格子60a,60bは、分割線31の方向とほぼ同じ方向になるように形成されている。また、それぞれの格子60a,60bは、第2の領域14a2から第1の領域14a1に向かう方向(X方向のうち負の方向)に凸になるように、わずかに湾曲している。
第2の偏光分離手段としての偏光ホログラム14bは、光源11から発振されるレーザ光の光軸Jに対して、偏光ホログラム14aと格子の形状などが対称になるように形成されている(図1参照)。偏光ホログラム14bにも、第1の回折領域と第2の回折領域とが形成され、格子のピッチの間隔が広い第2の回折領域が光集積化ユニットの内側に配置されるように形成されている。
偏光ホログラム12は、主光線の回折角度が約−18°(X方向のうち負の向き)になるように形成されている。偏光ホログラム12の+1次回折光が偏光ホログラム14aに入射するときの入射角度は約−18°である。偏光ホログラム14aは、第1の領域14a1における主光線の+1次回折光の設定角度が約−28°、第2の領域14a2における主光線の+1次回折光の設定角度が約−9°になるように形成されている。上記の偏光ホログラム14aのそれぞれの領域における+1次回折光の設定角度は、図1の下向き(Z方向のうち負の向き)に対する角度である。
図3に、本実施の形態における光検出器の平面図を示す。図3は、光ピックアップ装置のシミュレーションを行なって、光検出器における反射光を求めたのちに、スポットの形状に合せて受光部を形成したときの平面図である。なお、本願のシミュレーションにおいては、その結果は実際の製造物と精度よく一致する。図3(a)は光検出器のうち受光部群15aの平面図であり、図3(b)は受光部群15bの平面図である。それぞれの受光部群15a,15bは、複数の受光部を有する。
図3(a)に示す受光部群15aは、図1における偏光ホログラム12の+1次回折光12aを受光するためのものであり、図3(b)に示す受光部群15bは、図1における偏光ホログラム12の−1次回折光12bを受光するためのものである。受光部群15a,15bの受光部は、グレーティングによって3分割された光を受光することができるように矢印200に示すように、X方向が列の方向になるように3列形成されている。
受光部群15aは、受光部18、受光部19a、受光部19b、受光部19cおよび受光部20を含む。受光部18および受光部20の平面形状は、X方向が長手方向になるような長方形に形成されている。また、受光部19aおよび受光部19bは、平面形状がほぼ正方形になるように形成され、差動3分割法によるフォーカス誤差信号を検出するために3分割されている。それぞれの分割されている領域は、長手方向がX方向と平行になるように形成されている。3分割されている中央の領域は、両側の領域よりも幅が狭くなるように形成されている。また、3分割された領域のうち、側方の2つの領域の面積は互いにほぼ同じになるように形成されている。受光部19cは、平面形状がほぼ正方形になるように形成されている。
光源から発振されたレーザ光は、グレーティング16で3分割され、さらに、光磁気記録媒体からの反射光は、第2の偏光分離手段としての偏光ホログラム14a,14b(図1参照)で分割される。本形態における受光部群15a,15bは、偏光ホログラム14a,14bを通るレーザ光のうち、透過光と±1次回折光とを受光できるように形成されている。
図3(a)において、第2の偏光分離手段としての偏光ホログラム14aの透過光は矢印14a0に示す列、+1次回折光は矢印14aAに示す列、−1次回折光は矢印14aBに示す列にそれぞれ落斜する。本形態における光検出器は、分割された9つのレーザ光を受光して信号検出できるように形成されている。
受光部群15bにおいては、第2の偏光分離手段としての偏光ホログラム14bにおける透過光と±1次回折光とを受光できるように形成されている。偏光ホログラム14bの透過光は矢印14b0に示す列、+1次回折光は矢印14bAに示す列、−1次回折光は矢印14bBに示す列に、それぞれ落斜する。
このように、受光部群15bにおいても、分割されるレーザ光のうち、9つのレーザ光を受光できるように形成されている。また、受光部群15bは、発振されたレーザ光の光軸Jに対して、受光部群15aと対称になるように形成されている。受光部23は受光部20に対称になるように形成され、また、受光部22aは受光部19aと、受光部22bは受光部19bと、受光部22cは、受光部19cと対称になるように形成されている。また、受光部21は、受光部18と対称になるように形成されている。
また、本実施の形態における光集積化ユニットは、これらの受光部から得た検出信号のうち、第2の偏光分離手段の回折光の検出信号と透過光の検出信号との差信号を得るための光磁気信号検出手段を備えている。
(作用・効果)
本発明の説明においては、偏光分離手段としての偏光ホログラムの回折光は、設計において優先して定めるべき回折光(予め回折光の到達位置を設定する側の回折光)を+1次回折光とし、+1次回折光の反対側の回折光を−1次回折光としている。したがって、「+1次回折光」または「−1次回折光」における「+」と「−」とは、絶対的な向きを示すものではなく相対的な向きを示す。−1次回折光の回折角度や集光する位置は、+1次回折光を考慮して設計した偏光ホログラムによって、従属的に定まる。
本発明の説明においては、偏光分離手段としての偏光ホログラムの回折光は、設計において優先して定めるべき回折光(予め回折光の到達位置を設定する側の回折光)を+1次回折光とし、+1次回折光の反対側の回折光を−1次回折光としている。したがって、「+1次回折光」または「−1次回折光」における「+」と「−」とは、絶対的な向きを示すものではなく相対的な向きを示す。−1次回折光の回折角度や集光する位置は、+1次回折光を考慮して設計した偏光ホログラムによって、従属的に定まる。
図1において、光源11から発振されたレーザ光がグレーティング16でメインビームと2つのサブビームとに3分割され、基材40を通って対物レンズ13に入射する。レーザ光は、対物レンズ13によって光磁気記録媒体130の記録面で集光する。光磁気記録媒体130からの反射光は、再び対物レンズ13を通って、偏光ホログラム12に入射して回折される。第1の偏光分離手段においては、光源11からの発振光と光磁気記録媒体130からの反射光とを分離する。
偏光ホログラム12においては、+1次回折光12aと−1次回折光12bとが形成される。+1次回折光12aは、偏光ホログラム14aに入射する。−1次回折光12bは、偏光ホログラム14bに入射する。これらの作用については、従来の技術に基づく光ピックアップ装置と同様である。
図2(c)に、偏光ホログラム14aに偏光ホログラム12の+1次回折光12aが入射したときの説明図を示す。+1次回折光12aは、図2(a)に示すように、分割線31に2分割されるように偏光ホログラム14aの中央部分に到達する。+1次回折光12aは、偏光ホログラム14aの第1の回折領域14a1と第2の回折領域14a2とにおいてそれぞれ回折される。
第2の偏光分離手段としての偏光ホログラム14aにおいて、第1の回折領域14a1の回折光は+1次回折光20aと−1次回折光20bとを含む。また、第2の回折領域14a2の回折光は+1次回折光21aと−1次回折光21bとを含む。図2(c)においては、+1次回折光20a,21aを実線で示し、−1次回折光20b,21bを破線で示している。
図2(c)に示すように、第1の回折領域14a1の+1次回折光20aと第2の回折領域14a2の−1次回折光21bとが光検出器15の表面で重なっている。また、第1回折領域14a1の−1次回折光20bと第2の回折領域14a2の+1次回折光21aとが光検出器15の表面で重なっている。このように回折光が重なるように第2の偏光分離手段を形成することによって、受光部におけるスポットを小さくすることができる。本実施の形態においては、透過光の両側の2つの両方スポットにおいて、回折光が重なっているが、特にこの形態に限られず、一方の側のスポットにおいて回折光が重なっていてもよい。
第2の偏光分離手段としての偏光ホログラム14aは、それぞれの回折領域ごとに反射光を異なる方向に回折できるように形成されている。偏光ホログラム14aには、回折角度が互いに異なるような2つの回折領域が形成されているため、それぞれの回折領域において±1次回折光が発生する。偏光ホログラム14aにおいて、第1の回折領域14a1の格子60aのピッチは、第2の回折領域14a2の格子60bのピッチよりも小さくなるように形成されている。この構成を採用することによって、図2(c)に示すように、+1次回折光20aと−1次回折光21bとを光検出器15の表面(受光部)において、重ねることができる。また、+1次回折光21aと−1次回折光20bとを光検出器において重ねることができる。さらに、本実施の形態においては、2つの領域の格子60a,60bは、分割線31とほぼ同じ方向に形成され、第1の領域14a1から第2の領域14a2に向かう方向に凹になるように湾曲している。この構成を採用することにより、さらに、スポットを小さくすることができる。
偏光ホログラム14aにおけるそれぞれの回折領域における格子の形状、格子のピッチおよび湾曲の形状については、本実施の形態に限られず、レーザ光の波長やレーザ光の入射角度、偏光ホログラムの材質、および偏光ホログラムと光検出器との距離などに依存するために、適宜調整を行なったものを用いる。たとえば、本実施の形態においては、格子が互いに略平行で、かつ一の方向に凸になるように格子が湾曲しているが、特にこの形態に限られず、一の領域内で格子が略平行にならずに、さらに格子が湾曲する形状に偏極点を有していてもよい。
もう一方の第2の偏光分離手段としての偏光ホログラム14bにおける作用も偏光ホログラム14aにおける作用と同様であり、第1の回折領域における+1次回折光と第2の回折領域における−1次回折光とが光検出器において重なっている。また、第1の回折領域における−1次回折光と第2の回折領域における+1次回折光が光検出器において重なっている。
図3には、それぞれの受光部群15a,15bにおけるレーザ光のスポットが示されている。図3(a)における矢印14aAおよび矢印14aBに示す列のスポットは、1ヵ所に集まっている。たとえば、グレーティング16で分割されたレーザ光のうち真中のレーザ光(メインビーム)において、スポットR19bは、図2(c)に示されるように、第1の回折領域14a1の+1次回折光20aと第2の回折領域14a2の−1次回折光21bとが重なったスポットである。また、スポットR19cは、図2(c)に示されるように、第2の回折領域14a2の+1次回折光21aと第1の回折領域14a1の−1次回折光20bとが重なったスポットである。受光部群15bにおいては、光軸Jに対して受光部群15aと対称になるようにそれぞれのスポットが形成されている。
次に、図15に示す従来の技術における光検出器と本発明に基づく光検出器とを具体的に比較しながら説明を行なう。図15(a)に示す受光部群115aと図3(a)に示す受光部群15aとを比較する。第2の偏光分離手段としての偏光ホログラムの透過光を示す矢印114a0に示す列のスポットと矢印14a0に示す列のスポットは、回折光でなく透過光のスポットであるため、ほぼ同一である。
それぞれの受光部群における光集積化ユニットの外側に位置する矢印114aAに示す列のスポットと矢印14aAに示すスポットとの形状を比較すると、本発明に基づく矢印14aAに示す列のスポットの方がX方向において、長さが短くなっている。たとえば、図3(a)におけるスポットR19cのX方向の長さは、図15(a)におけるスポットR119cのX方向の長さよりも短くなっている。このように、本発明に基づく光集積化ユニットは、光検出器において一部のスポット長を短くすることができる。これは、図13に示したような従来の技術に基づく単純な直線格子で入射光全体を一様に分離せずに、図2(a)に示したように回折領域を2分割して、レーザ光のスポットの長さが短くなるように±1次回折光を回折させたためである。また、光検出器上で回折光が重なるように回折角度を定めて回折させ、スポットの長さを短くしているためである。
また、図2(a)に示すように、本形態における格子60aおよび格子60bは、それぞれが湾曲している。この構成を採用することにより、それぞれの回折光を検出器において縮小させることができる。湾曲の向きや湾曲の曲率などは、第2の偏光分離手段と光検出器との相対的な位置関係などに依存するため、光検出器において集光するように定める。
表1に、従来の技術に基づく光検出器の受光部の長さおよび表面積と本発明に基づく光検出器の受光部の長さおよび表面積とを比較した表を示す。受光部の長さ(X方向の長さ)は、それぞれのスポットの端部から、受光部の取付精度や受光部を製造する際の製造誤差である20μmの余裕を一律に考慮した長さである。それぞれのスポットの幅(Y方向の長さ)は、概ね同等であるので、各受光部の幅Wは、全て80μmにしている。
本発明に基づく受光部19cの長さL19cは、従来の技術に基づく受光部119cの長さL119cよりも短くなっている。一方で、受光部19bの長さL19bと受光部19bの長さL119bとを比較すると、従来の技術に基づく長さL119bの方が本発明に基づく長さL19bよりも短くなっている。しかし、それぞれの受光部の表面積を計算した場合に、本発明に基づく受光部19bと受光部19cとの表面積の総和(13040μm2)は、従来の技術に基づく受光部119bと受光部119cとの表面積の総和(14960μm2)よりも13%小さくなっている。受光部群15bにおける受光部22bの長さL22bと受光部22cの長さL22cについても、受光部群15aと同様であり、受光部の表面積の総和を小さくすることができる。
このように、本発明に基づく光集積化ユニットは、大きいスポットを選択的に小さくすることができ、光検出器全体として、受光部の表面積を縮小することができる。この結果、ノイズを発生させる原因となる迷光を受光する表面積が小さくなり、従来の技術に基づく光集積化ユニットよりC/Nを向上させることができる。また、光検出器が小さくなって、光集積化ユニットを小型化することができる。
上述のように、第2の偏光分離手段として複数の回折領域を有する回折素子を含み、回折素子は、それぞれの回折領域ごとに反射光を異なる方向に回折させるように形成され、2以上の回折領域の回折光が一の受光部に向かうように形成されることによって、回折光の収差を調節して、スポット長を短くするなどのスポットの形状を制御することができる。また、それぞれの回折光を重ね合わせるなどの光検出器における回折光の位置およびスポットの長さを制御することができる。
本発明に基づく受光部18,20は、従来の技術に基づく受光部118,120に比べて、X方向の長さが長くなるように形成している。従来の技術に基づく受光部118,120は、矢印114aAに示す列の+1次回折光は受光しないように形成されているが、本発明に基づく受光部18,20は、矢印14aAに示す列の±1次回折光も受光するように形成されている。この構成を採用することにより、受光部20の信号および受光部18の信号を大きくすることができ、これらの2つの信号から計算されるトラッキング誤差信号を大きくすることができる。
また、本実施の形態においては、受光部において複数の回折光が重なるように、回折素子が形成されている。この構成を採用することにより、スポットの面積を小さくすることができ、受光部を表面積を小さくすることができる。または、複数の反射光の一部または全部が重ならずに、十分に近接するように回折素子が形成されていてもよい。この構成を採用することによっても、受光部の表面積を小さくすることができる。
また、図3に示すように、第1の回折領域の±1次の両方の回折光と第2の回折領域の±1次の両方の回折光と、第1の回折領域および第2の回折領域の透過光とが、光検出器においてX方向に光学的に対応する方向にほぼ一直線上に配列している。このように、回折光と透過光とが一直線状に配列するように回折素子を形成することによって、受光部の表面積の総和を小さくすることができる。
また、本実施の形態における光検出器は、第2の偏光分離手段の一の透過光と、一の透過光に対応する±1次回折光とを、一の受光部で受光するように形成されている。たとえば、図3(a)においては、3つのスポットを一の受光部18で受光している。この構成を採用することにより、受光部の数を少なくすることができ、光検出器の構成を簡単にすることができる。また、光検出器を小型化することができる。
本発明においては、必ずしもそれぞれの1つの受光部におけるスポットの面積が小さくなることはなく、一部のスポットは小さくなる一方で、他の一部のスポットは大きくなることがある。このため、第2の偏光分離手段の形成においては、回折した反射光を受光するための受光部の表面積の総和が小さくなるように、第2の偏光分離手段を形成する。
また、第2の偏光分離手段で回折される回折光が、光検出器において重ならない場合には、それぞれのスポットに対応して受光部を分割して形成し、さらに後の光信号の処理においてそれぞれを足し合わせることも可能である。しかし、受光部は、複数の位置で集光する加算すべき回折光について、一の受光部で受光できるように形成されていることが好ましい。この構成を採用することにより、光検出器における受光部の数を減少することができ、光検出器の構成を容易にすることができる。また、光集積ユニットの生産性が向上する。
また、本発明に基づく光ピックアップ装置は、上述の光集積化ユニットと対物レンズとを備える。この構成を採用することにより、受光部における反射光のスポットの位置や形状を制御できる光ピックアップ装置を提供することができる。さらに、C/Nが向上した光ピックアップ装置を提供することができる。
(実施の形態2)
(構成)
図4から図11を参照して、本発明に基づく実施の形態2における光集積化ユニットおよび光ピックアップ装置について説明する。
(構成)
図4から図11を参照して、本発明に基づく実施の形態2における光集積化ユニットおよび光ピックアップ装置について説明する。
図4は、本実施の形態における光ピックアップ装置と光磁気記録媒体の概略断面図である。本発明に基づく光集積化ユニットは、パッケージ39、支持板38、光学基板1、光検出器7a,7b、および光源11を備える。パッケージ39は、箱型に形成され、パッケージ39の上方には、支持板38が形成されている。支持板38のほぼ中央部分には、光学基板1が形成されている。
光源11および光検出器7a,7bは、パッケージ39の内部に配置されている。光源11は、パッケージ39の内部における底面のほぼ中央部分に配置されている。光検出器7a,7bは、それぞれ光源11の側方に配置されている。光源11は、上方にレーザ光を発振できるように形成され、レーザ光の光軸J上には、発振されたレーザ光を3分割するためのグレーティング5が配置されている。支持板38の底面には、光学基板3が配置されている。グレーティング5は、光学基板3の表面に形成されている。光源11から発振されたレーザ光の光軸J上であって、光学基板1の表面には、第1の偏光分離手段としての偏光ホログラム2が形成されている。
光磁気記録媒体130からの反射光は、第1の偏光分離手段としての偏光ホログラム2で回折され、+1次回折光2aと−1次回折光2bとに分割される。偏光ホログラム2の+1次回折光2aの光路上には、位相差板9aおよび第2の偏光分離手段としての偏光ホログラム4aが形成されている。また、偏光ホログラム2の−1次回折光2bの光路上には、位相差板9bおよび第2の偏光分離手段としての偏光ホログラム4bが形成されている。位相差板9a,9bは、くり抜かれた支持板38の中央の部分に図示しない固定手段を用いてが固定されている。光検出器7a,7bは、偏光ホログラム4a,4bの回折光および透過光を受光できるように配置されている。
本実施の形態における光学基板1および光学基板3の厚さはそれぞれ0.35mm、屈折率はそれぞれ1.52である。支持板38の厚さは1.45mmである。光学基板3の下面から受光部までの距離(Z方向の距離)は約0.75mmになるように形成されている。光源11は、785nmのレーザ光を発信できるように形成されている。
光集積化ユニットの外側において、光源11からの光軸J上には、コリメートレンズ17および光磁気記録媒体130の記録面でレーザ光を集光させるための対物レンズ13が配置されている。
図5に、第1の偏光分離手段としての偏光ホログラム2の平面図を示す。偏光ホログラム2は、平面形状が円形になるように形成され、光磁気記録媒体130からの反射光が到達する領域である反射光到達領域52がほぼ中央になるように配置されている。格子60cは、それぞれがほぼ平行になるように形成されている。格子60cは、延在する方向がほぼY方向と平行なるように形成されている。また、格子60cは、±1次回折光のうち光検出器7aに向かう側の回折光が集光するように湾曲している。
また、偏光ホログラム2は、P偏光の0次回折光率が77%、±1次回折光率がそれぞれ11%、S偏光の0次回折光率が0%、±1次回折光率がそれぞれ44%になるように形成されている。
図6に、第2の偏光分離手段としての偏光ホログラム4aの平面図を示す。偏光ホログラム4aは、図4に示すように、偏光ホログラム2の+1次回折光2aをさらに分割するために形成されている。偏光ホログラム4aは、X方向に平行になるように形成された第1の分割線32とY方向に平行になるように形成された第2の分割線33とを含む。偏光ホログラム4aは、平面形状が円形になるように形成されている。第1の分割線32は、平面形状の円の直径に相当するように形成され、第2の分割線33は、平面形状の円の半径に相当するように形成されている。
偏光ホログラム4aは、偏光ホログラム2の+1次回折光2aが平面形状の円形のほぼ中央部分に到達するように配置されている。図6においては、+1次回折光到達領域53aが、平面形状である円のほぼ中央部に位置している。偏光ホログラム4aは、第1の分割線32および第2の分割線33によって、回折領域4a1、回折領域4a2および回折領域4a3の3つの領域に分割されている。
図7は、光検出器7aの平面図である。光検出器7aにおいては、偏光ホログラム4aによって回折された光および偏光ホログラム4aを透過する光のうち、フォーカスサーボなどを行なうために検出が必要なレーザ光の落斜部分に受光部71〜73,74a,74b,75a,75b,76〜79が形成されている。受光部70は、光磁気信号を検出するために用いられている。
図8に、第2の偏光分離手段としての偏光ホログラム4bの説明図を示す。図8(a)は、偏光ホログラム4bの平面図である。偏光ホログラム4bは、平面形状が円形になるように形成されている。偏光ホログラム4bは、4つの回折領域を形成するための第1の分割線34と第2の分割線35とを有する。第1の分割線34は、X方向に平行に形成され、第2の分割線35は、第1の分割線34とほぼ垂直に交わるように形成されている。第2の分割線35は、Y方向に平行に形成されている。
偏光ホログラム4bは、第2の分割線35によって分割される一方の回折領域が、第1の分割線34によって分割されて形成された第1の回折領域4b1および第2の回折領域4b2を含み、第2の分割線によって分割される他方の回折領域が、第1の分割線34によって分割されて形成された第3の回折領域4b3および第4の回折領域4b4を含む。
第1の分割線34と第2の分割線35との交点は、偏光ホログラム4bの平面形状である円の中心と重なっている。すなわち、偏光ホログラム4bは、主表面において、第1の分割線34と第2の分割線35とによって、ほぼ4等分されている。
偏光ホログラム4bは、偏光ホログラム2の−1次回折光2bの主光線がほぼ中央に到達するように配置されている。図8においては、−1次回折光到達領域53bが、偏光ホログラム4bの平面形状の円のほぼ中央に位置している。第1の回折領域4b1には格子60gが、第2の回折領域4b2には格子60hが、第3の回折領域4b3には格子60iが、第4の回折領域4b4には格子60jが含まれている。
本実施の形態においては、格子60gのピッチと格子60hのピッチとは分割線34に対称に形成され、格子60iのピッチと格子60jのピッチとは分割線34に対称に形成されている。また、格子60i,60jのピッチは、格子60g,60hのピッチよりも小さくなるように形成されている。すなわち、第2の分割線35を境界にしたときの一方の回折領域における格子のピッチが他方の回折領域における格子のピッチよりも小さくなるように形成されている。
それぞれの格子60g,60h,60i,60jは、Y方向とほぼ平行になるように形成されているが、分割線35で分割されるそれぞれの回折領域については、X方向のうちマイナス側に向かう方向に凸になるように、わずかに湾曲している。
図8(b)は、偏光ホログラム4bの拡大平面図の模式図である。本実施の形態における偏光ホログラム4bは、シミュレーションで検討を行なったもののうち、1つの偏光ホログラムである。偏光ホログラム4bは、平面形状は円形になるように形成され、該円形の直径φは600μm、−1次回折光到達領域53bの半径は130〜150μm、および反射光の実効NAは0.135である。
図8(b)には、偏光ホログラム4bの第1の分割線34上の領域P11〜P19における格子のピッチの概略値を記載している。第3の領域4b3および第4の領域4b4における格子60i,60jのピッチは、約2.6〜約2.8μmであるのに対して、第1の領域4b1および第2の領域の格子60g,60hのピッチは、約3〜5μmである。このように、格子60i,60jのピッチは、格子60g,60hのピッチよりも小さくなるように形成されている。
第1の回折領域4b1および第2の回折領域4b2における格子60g,60hは、X方向のうち正の方向に向かうにつれて、格子のピッチは、大きくなる傾向がある。また、第3の回折領域4b3および第4の回折領域4b4における格子60i,60jは、X方向のうち正の方向に向かうにつれて、格子のピッチは、略同じか大きくなる傾向がある。(領域P19から領域P17に向かう部分のように、わずかに小さくなる部分もあるが略同じである。)
また、第2の分割線35においては、形成されている格子は不連続であるが、それぞれの領域内においては、連続的に格子が形成されている。たとえば、格子60gと格子60jとは不連続であるが、格子60g,60h,60i,60jは、それぞれの領域内では連続的に形成されている。また、分割線34において格子60gと格子60hとは不連続的に形成され、分割線34において格子60iと格子60jとは不連続的に形成されている。
また、第2の分割線35においては、形成されている格子は不連続であるが、それぞれの領域内においては、連続的に格子が形成されている。たとえば、格子60gと格子60jとは不連続であるが、格子60g,60h,60i,60jは、それぞれの領域内では連続的に形成されている。また、分割線34において格子60gと格子60hとは不連続的に形成され、分割線34において格子60iと格子60jとは不連続的に形成されている。
また、それぞれの領域4b1,4b2,4b3,4b4内においては、格子60g,60h,60i,60j同士は、ほぼ平行になるように形成されていること、それぞれの格子60g,60h,60i,60jは、第2の分割線35の方向とほぼ同じ方向になるように形成されていることは、実施の形態1における第2の偏光分離手段としての偏光ホログラムと同様である。
偏光ホログラム2は、主光線の回折角度が約−19°(X方向のうち負の向き)になるように形成されている。偏光ホログラム2の−1次回折光が偏光ホログラム4bに入射するときの入射角度は約−19°である。偏光ホログラム4bの第1の領域および第2の領域における主光線の+1次回折光の設定角度は約−34°、第3の領域および第4の領域における主光線の+1次回折光の設定角度は約−3.5°になるように形成されている。上記の偏光ホログラム4bのそれぞれの領域における+1次回折光の設定角度は、図4の下向き(Z方向のうち負の向き)に対する角度である。
図9は、光検出器7bの平面図である。光検出器7bには、偏光ホログラム4bの回折光および透過光のうち、必要な信号を得るための透過光および回折光を受光することができるように受光部85〜87が形成されている。それぞれの受光部85〜87は、平面形状がほぼ四角形になるように形成されている。それぞれの受光部85〜87は、X方向に平行な方向の長さについて、スポットの端部から20μmの余裕を考慮して形成されている。また、それぞれの受光部のY方向に平行な方向の幅については、スポットの端部から10μmの余裕を考慮して、それぞれの受光部が形成されている。これらの長さの余裕および幅の余裕については、受光部を製造するときの製作誤差および受光部を光検出器に取付ける際の製造誤差を考慮したものである。
また、上記の図7および図9は、上記の光ピックアップ装置の構成に基づいて、レーザ光の挙動についてシミュレーションを行なった結果を基に形成した光検出器およびスポットである。
本実施の形態における光ピックアップ装置は、光集積化ユニットの他、図4に示すようにコリメートレンズ17および対物レンズ13を備える。
(作用・効果)
図4において、半導体レーザからなる光源11から発振された光(P偏光)は、光学基板3に形成されたグレーティング5を通ることによって、3つのビーム(メインビームおよび2つのサブビーム)に分割される。この分割されたサブビームは、トラッキングの制御のために用いられる。分割された3つのビームは、光磁気記録媒体130が回転するときの半径方向と垂直な方向(Y方向)に並ぶように形成される。図4においては、紙面に垂直な方向に3つ形成されるため、図4には3つのビームのうち1つのビームを代表して示している。
図4において、半導体レーザからなる光源11から発振された光(P偏光)は、光学基板3に形成されたグレーティング5を通ることによって、3つのビーム(メインビームおよび2つのサブビーム)に分割される。この分割されたサブビームは、トラッキングの制御のために用いられる。分割された3つのビームは、光磁気記録媒体130が回転するときの半径方向と垂直な方向(Y方向)に並ぶように形成される。図4においては、紙面に垂直な方向に3つ形成されるため、図4には3つのビームのうち1つのビームを代表して示している。
3つのビームに分割されたレーザ光は、偏光ホログラム2が形成された光学基板1、コリメートレンズ17および対物レンズ13を通って光磁気記録媒体130に照射される。光磁気記録媒体130からの反射光は、対物レンズ13、コリメートレンズ17を通って、第1の偏光分離手段としての偏光ホログラム2に入射する。
光磁気記録媒体130が、光カー効果に基づいて情報を再生する光記録媒体である場合には、反射光は光磁気記録媒体130の情報に従って偏光面がカー回転する。このため、反射光は、わずかにS偏光成分を有する。偏光ホログラム2は、P偏光の0次回折光率が77%、±1次回折光率がそれぞれ11%、S偏光の0次回折光率が0%、±1次回折光率がそれぞれ44%になるように形成されている。偏光ホログラム2は、反射光のカー回転角を見かけ上増倍する作用を有する。
偏光ホログラム2による−1次回折光2bは、位相差板9bを通って、偏光ホログラム4bに入射する。偏光ホログラム4bの透過光および回折光は、光検出器7bにて検出される。偏光ホログラム4bは、光磁気信号を検出するための第2の偏光分離手段であり、この偏光分離手段の回折光からは、フォーカス誤差信号やトラッキング誤差信号は検出されない。偏光ホログラム2の+1次回折光2aは、位相差板9aを通って、光学基板3に形成された偏光ホログラム4aに入射する。偏光ホログラム4aによって、反射光は透過光および±1次回折光に分離され、光検出器7aで検出される。偏光ホログラム4aは、光磁気信号およびサーボ信号などを検出するための第2の偏光分離手段である。
偏光ホログラム2では、P偏光およびS偏光に位相差(数十度)が発生する。偏光ホログラム2の±1次回折光2a,2bの光路上に位相差板9a,9bを配置することによって、±1次回折光2a,2bに生じている位相差を補正することができる。
光磁気記録媒体の再生方式の中には、ミニディスクプレイヤーなどで用いられる一般的な光磁気記録媒体の再生方式やDWDD(磁壁移動検出)方式がある。これらの方式のうち、光磁気記録媒体130がDWDD方式の光磁気記録媒体である場合には、反射光のP偏光およびS偏光に位相差が生じる。本実施の形態における光集積化ユニットは、−1次回折光2bを検出する光検出器7bおよび+1次回折光2aを検出する光検出器7aを有し、それぞれで独立して光磁気信号を検出することが可能である。したがって、偏光ホログラム2による位相差とDWDD方式による位相差との両方の位相差の補正を行なうように位相差板9bを形成することによって、光検出器7bではDWDD方式の光磁気信号の検出、光検出器7aでは通常の光磁気記録信号の検出を行なうことができる。このように、本形態における光集積化ユニットにおいては、2つの光磁気信号の検出を1つのユニットで行なうことができる。
光ピックアップ装置のフォーカスサーボにおいては、クロストーク(プッシュプル信号の混入)が少ないなどの利点から、ナイフエッジ法がよく用いられる。特に、光ピックアップ装置に、図6で示すような、半月形の領域4a1を有するホログラムを用いることによって、簡単な構成でナイフエッジ法を採用することが可能になるので、しばしばこの方法が用いられる。ナイフエッジ法においては、光検出器の受光部で反射光が集光する必要がある。
図5には、偏光ホログラム2の+1次回折光2aおよび−1次回折光2bが、光検出器において集光する様子を模式的に示している。+1次回折光2aは、光検出器の受光部上で集光したスポットR201となり、−1次回折光2bは、集光せずにむしろ面積が拡大したスポットR200になる。このように、図5に示すように、偏光ホログラム2の格子60cが湾曲することによって、+1次回折光2aが光検出器において集光する。
図6において、偏光ホログラム4aの半円形の回折領域である回折領域4a1で生じる回折光を検出することによって、ナイフエッジ法によるフォーカスサーボを行なう。また、四分円形の回折領域4a2および回折領域4a3で生ずる回折光を検出することによって、トラッキングサーボを行なう。
図6と図7とを参照して、偏光ホログラム4aの回折領域4a1で生ずる+1次回折光は、受光部72と受光部73との分割線上に落斜する。また、回折領域4a1の−1次回折光は、受光部70に落斜する。回折領域4a2または回折領域4a3で生ずる+1次回折光は、それぞれ受光部74aまたは受光部75aに落斜し、−1次回折光は、それぞれ受光部74bまたは受光部75bに落斜する。また、偏光ホログラム4aの透過光は、受光部71に落斜する。これらのスポットは、グレーティングで分割されたレーザ光のうちメインビームに関するものであり、他の2つのサブビームについては、回折領域4a2で生ずる±1次回折光は、それぞれ受光部76および受光部77で検出され、回折領域4a3で生ずる±1次回折光は、それぞれ受光部78または受光部79で検出される。
透過光および回折光を受光するように形成された受光部からの出力信号を、各受光部の符号にSを付して表わすと、光磁気信号MO1は、以下の式で表わすことができる。
MO1=S71−(S70+S72+S73+S74a+S75a+S74b+S75b)…(3)
このように、第2の偏光分離手段における回折光の検出信号と透過光の検出信号との差信号を得ることができる。本形態においては、光磁気信号検出手段として、図示しない信号演算回路が形成されており、この信号演算回路で上記の光磁気信号を演算する。
このように、第2の偏光分離手段における回折光の検出信号と透過光の検出信号との差信号を得ることができる。本形態においては、光磁気信号検出手段として、図示しない信号演算回路が形成されており、この信号演算回路で上記の光磁気信号を演算する。
また、フォーカス誤差信号FESは、以下の式で表わされる。
FES=S72−S73…(4)
また、プッシュプル信号の検出によるトラッキング誤差信号TES1は、以下の式で表わされる。
また、プッシュプル信号の検出によるトラッキング誤差信号TES1は、以下の式で表わされる。
TES1=S74a−S75a…(5)
また、DPP法によるトラッキング誤差信号TES2は、以下の式で表わされる。
また、DPP法によるトラッキング誤差信号TES2は、以下の式で表わされる。
TES2=TES1−k{(S76+S77)−(S78+S79)}…(6)
次に、偏光ホログラム4bの透過光および±1次回折光を受光する光検出器7bについて説明する。
次に、偏光ホログラム4bの透過光および±1次回折光を受光する光検出器7bについて説明する。
図8(a)に示すように、偏光ホログラム4bは、四分円の形状をした第1の回折領域4b1、第2の回折領域4b2、第3の回折領域4b3および第4の回折領域4b4を有する。それぞれの回折領域からは、透過光の他に±1次の回折光が生じる。図8(a)においては、+1次回折光を模式的に実線の矢印で表わし、−1次回折光を破線の矢印で示している。また、図8(a)には、模式的にそれぞれの回折領域から回折される±1次回折光のスポットを示している。
スポット41A〜41Dは+1次回折光のスポットを示し、スポット42A〜42Dは−1次回折光のスポットを示している。図8(a)においては、各スポットが偏光ホログラム4bのどの回折領域からの回折光によって生じたものかを明確にするために、それぞれのスポットの形状を扇型にしているが、実際は、反射光の収差などによって複雑な形状となる。また、偏光ホログラム4bの透過光は示していないが+1次回折光と−1次回折光との間に落斜する。図8(a)の偏光ホログラムにおいては、X方向に平行な方向が光検出器上で透過光と回折光とが並ぶ方向になる。
偏光ホログラム4bは、回折領域4b1,4b2での+1次回折光のスポット41A,41Bと、回折領域4b3,4b4での+1次回折光のスポット41C,41Dが、図示しない透過光を挟んでX方向に互いに相反する側に回折するように形成される。すなわち、第2の偏光分離手段としての偏光ホログラム4bは、分割線35を境界としたときの2つの回折領域における回折光を互いに相反する向きに回折させている。−1次回折光についても同様に、回折領域4b1,4b2での−1次回折光のスポット42A,42Bと、回折領域4b3,4b4での−1次回折光のスポット42C,42Dが、図示しない透過光を挟んでX方向に互いに相反する側に回折するように形成される。
偏光ホログラム4bは、スポット41Aとスポット41Bとが光検出器において、一部が重なるように形成されている。また、スポット41Cとスポット41Dとが光検出器において、一部が重なるように形成されている。
また、偏光ホログラム4bは、スポット42Aとスポット42Bとが、光検出器において、互いに近接するように形成されている。スポット42Cとスポット42Dとが、光検出器において互いに近接するように形成されている。
また、偏光ホログラム4bは、スポット41C、スポット41D、スポット42Aおよびスポット42Bが、光検出器7bにおいて、互いに重なるか互いに近接するように形成されている。また、スポット41A、スポット41B、スポット42Cおよびスポット42Dが、光検出器7bにおいて、互いに重なるか互いに近接するように形成されている。
このように、偏光ホログラム4bは、それぞれの回折光が透過光を挟む両側において、互いに重なり合うか近接するように形成されている。
このように、第1の回折領域の+1次回折光と第2の回折領域の+1次回折光とからなる組、および第1の回折領域の−1次回折光と第2の回折領域の−1次回折光とからなる組のうち、少なくとも一方の組の2つの回折光の少なくとも一部同士が、受光部において重なるように形成されていることによって、受光部におけるスポットを小さくすることができる。
または、第3の回折領域の+1次回折光と第4の回折領域の+1次回折光とからなる組、および第3の回折領域の−1次回折光と第4の回折領域の−1次回折光とからなる組のうち、少なくとも一方の組の2つの回折光の少なくとも一部同士が、受光部において重なるように形成されていることによって、受光部におけるスポットを小さくすることができる。
この他、それぞれの方向に向かう回折光を互いに近接させることによっても、受光部におけるスポットを小さくすることができる。
さらに、偏光ホログラム4bは、回折領域4b1における+1次回折光のスポット41Aと回折領域4b2における+1次回折光のスポット41Bとが光検出器に到達するまでに交差して光検出器上で重なるように形成されている。同様に、回折領域4b3における+1次回折光のスポット41Cと回折領域4b4における+1次回折光のスポット41Dとが光検出器に到達するまでに交差して光検出器上で重なるように形成されている。この構成を採用することにより、光検出器の受光部において、Y方向に回折光のスポットが離れることを防止して、Y方向に重なるか互いに近接するように到達させることができる。たとえば、Y方向に対して、回折領域4b1,4b2における+1次回折光は重なって、回折領域4b3,4b4における−1次回折光は近接するように到達させることができる。
本実施の形態における偏光ホログラム4bは、平面形状が円形であるが、特にこの形状に限られず、第1の分割線および第2の分割線の交点が、入射するレーザ光のほぼ中心(たとえば、主光線の位置)と重なるように形成されていればよい。
図9に示すように、第2の偏光分離手段としての偏光ホログラム4bで回折または透過した光は、光検出器7bにおいて、ほぼ9つのスポットで到達する。
受光部86は、メインビームの透過光を受光するように形成され、受光部85および受光部87は、±1次回折光を受光するように形成されている。受光部85のスポットは、図8(a)に示したスポット41C,41D,42A,42Bが重なるまたは部分的に近接することによって集合した回折光のスポットである。受光部85はこれらの反射光を受光している。また、受光部87のスポットは、図8(a)に示したスポット41A,41B,42C,42Dが重なるまたは部分的に近接することによって集合した回折光のスポットである。受光部87は、これらの反射光を受光している。
図9に示すように、多くの回折光および透過光は、受光部において、重なるか、または近接して小さくなっている。また、受光部85におけるスポットは、3つのスポットになっているが、これらの3つのスポットをそれぞれ分けて検出せずに、受光部85で一括的に受光している。この構成を採用することにより、受光部の数が減らせるとともに、受光部の構成を簡単にすることができる。また、受光部からの信号を演算する演算回路の構成も簡単にすることができる。
図10に、従来の技術に基づく第2の偏光分離手段としての偏光ホログラムの平面図を示す。偏光ホログラム4cは、回折領域が分割されておらず、格子60kが、一定のピッチで形成されている。格子60kは、それぞれがY方向と平行になるように形成されている。−1次回折光到達領域54bは、偏光ホログラム4cの平面形状である円のほぼ中央部に位置する。
図11に、図4に示す光ピックアップ装置において、図10に示す偏光ホログラム4cに対応するように受光部が形成された光検出器7cの平面図を示す。図11に示す光検出器7cについても、シミュレーションの結果を基に受光部が形成されている。図11には、偏光ホログラム4cの透過光および±1次回折光のスポットも示してある。受光部186は、メインビームの透過光を受光し、受光部185および受光部187は、それぞれ+1次回折光または−1次回折光を受光する。それぞれの受光部において、X方向の長さについてはスポットの端部から20μmの余裕を考慮して、Y方向の幅についてはスポットの端部から10μmの余裕を考慮して受光部を形成していることは、図9における本発明に基づく受光部と同様である。
本発明に基づく図9に示した光検出器7bの受光部の寸法および表面積と、従来の技術に基づく図11に示した光検出器7cの受光部の寸法および表面積を次の表2に示す。
それぞれの受光部については、X方向に平行な方向の長さL85,L87,L185,L187を示し、また、Y方向の幅については、それぞれの受光部の幅W85,W87,W185,W187を示している。
本実施の形態における第2の偏光分離手段としての偏光ホログラムは、スポットの長さのみではなく、スポットの幅も制御することができ、スポットの幅の調整も行なっている。このため、受光部の幅についても比較の対象にしている。表2では、スポットの長さと幅からそれぞれの受光部の表面積を計算して、従来の技術に基づく受光部と本発明に基づく受光部とを比較している。本発明に基づく受光部85と受光部87との表面積の総和(28863μm2)は、従来の技術に基づく受光部185と受光部187の表面積の総和(33035μm2)よりも小さくなっている。特に、表面積の比較において、約13%の縮小を行なうことができている。
このように
偏光ホログラムの透過光を受光する受光部86と受光部186とについては、スポットの大きさおよび受光部の大きさにほとんど差異がないため、表2には記載していない。
偏光ホログラムの透過光を受光する受光部86と受光部186とについては、スポットの大きさおよび受光部の大きさにほとんど差異がないため、表2には記載していない。
このように、本発明に基づく第2の偏光分離手段を採用することによって、受光部の表面積を小さくすることができ、光検出器の小型化を図ることができる。また、受光部の表面積を小さくできるため、C/Nを向上させることができる。
図9に示す各受光部からの出力信号を、各受光部を示す符号にSを付けて表わすと、DWDD方式による光磁気信号も含めて、検出される光磁気信号MO2は、次の式で表わされる。
MO2=S86−(S85+S87)…(7)
このように、第2の偏光分離手段の回折光と透過光との差信号を演算することによって、光磁気信号を算出する。演算は、図示しない光磁気信号検出手段によって行なわれている。
このように、第2の偏光分離手段の回折光と透過光との差信号を演算することによって、光磁気信号を算出する。演算は、図示しない光磁気信号検出手段によって行なわれている。
ここで、受光部85および受光部87で±1次回折光をすべて受光するため、受光部86で受光する透過光の光量とのアンバランスが少なくなり、同相ノイズを十分に抑制することができる。
本形態においては、第2の偏光分離手段としての偏光ホログラム4bは、第1の分割線に対して対称に形成されているが、特にこの形態に限られず、たとえば、第1の分割線と第2の分割線に分割される4つの回折領域について、それぞれの格子が形成されていてもよい。
本形態における光集積化ユニットは、たとえば、MOディスクを用いる光ピックアップ装置などに用いることができ、上述と同様の効果を得ることができる。
その他の作用・効果については、実施の形態1における光集積化ユニットおよび光ピックアップ装置と同様であるので、ここでは説明を繰返さない。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明に基づく光集積化ユニットおよび光ピックアップ装置は、光磁気記録媒体に記録したり情報を再生したりする装置に有利に用いられる。
1,3 光学基板、2 偏光ホログラム、2a +1次回折光、2b −1次回折光、4a,4b,4c 偏光ホログラム、5 グレーティング、7a,7b,7c 光検出器、9a,9b 位相差板、11 光源、12 偏光ホログラム、12a +1次回折光、12b −1次回折光、13 対物レンズ、14a,14b 偏光ホログラム、15 光検出器、15a,15b 受光部群、16 グレーティング、17 コリメートレンズ、18,19a,19b,19c,20,21,22a,22b,22c,23 受光部、20a,21a +1次回折光、20b,21b −1次回折光、25,39 パッケージ、31〜35 分割線、38 支持板、40 基材、41A,41B,41C,41D,42A,42B,42C,42D スポット、50a +1次回折光到達領域、52 反射光到達領域、53a +1次回折光到達領域、53b,54b −1次回折光到達領域、60a〜60k 格子、70〜73,74a,74b,75a,75b,76〜79,85〜87 受光部、111 光源、112 第1の偏光分離手段、112a +1次回折光、112b −1次回折光、113 対物レンズ、114a,114b 第2の偏光分離手段、115 光検出器、115a,115b 受光部群、116 グレーティング、117 偏光ホログラム、117a 光学基板、118,119a,119b,119c,120,121,122a,122b,122c,123 受光部、125 格子、130 光磁気記録媒体、140 基材、185〜187 受光部、190 スポット、4a1,4a2,4a3,4b1,4b2,4b3,4b4,14a1,14a2 回折領域、14a0,14aA,14aB,14b0,14bP,14bM,114a0,114aP,114aM,114b0,114bP,114bM,200 矢印、R19c,R22,R119c,R122,R190,R200,R201 スポット、L19b,L19c,L22b,L22c,L85,L87,L119b,L119c,L122b,L122c,L185,L187,L14a 長さ、W85,W87,W185,W187 幅、J 光軸、P1〜P9,P11〜P19 領域、t 厚さ、φ 直径。
Claims (12)
- 光磁気記録媒体からの反射光を受光するための複数の受光部を有する光検出器と、
光源から前記光記録媒体に向かう発振光と前記反射光とを分離するための第1の偏光分離手段と、
前記第1の偏光分離手段からの前記反射光の少なくとも一部を回折させて、回折光を前記光検出器に導くための第2の偏光分離手段と
を備え、
前記第2の偏光分離手段は、複数の回折領域を有する回折素子を含み、
前記回折素子は、それぞれの前記回折領域ごとに前記反射光を異なる方向に回折するように形成され、
前記回折素子は、2つ以上の前記回折領域の回折光が一の前記受光部に向かうように形成された、光磁気用の光集積化ユニット。 - 前記回折素子は、第1の回折領域と第2の回折領域とを含み、
前記回折素子は、前記第1の回折領域の±1次の両方の回折光と、前記第2の回折領域の±1次の両方の回折光と、前記第1の回折領域および前記第2の回折領域の透過光とが、前記光検出器において略一直線状に配列するように形成された、請求項1に記載の光磁気用の光集積化ユニット。 - 前記回折素子は、第1の回折領域と第2の回折領域とを含み、
前記回折素子は、前記第1の回折領域の+1次回折光と前記第2の回折領域の−1次回折光とからなる組、および前記第1の回折領域の−1次回折光と前記第2の回折領域の+1次回折光とからなる組のうち、少なくとも一方の組の2つの回折光の少なくとも一部同士が、前記受光部において重なるように形成された、請求項1に記載の光磁気用の光集積化ユニット。 - 前記回折素子は、分割線で分割された2つの領域を含み、
前記2つの領域のうち、いずれか一方の領域の格子のピッチが他方の領域の格子のピッチより小さくなるように形成され、
前記2つの領域の格子は、それぞれ前記分割線とほぼ同じ方向に形成され、前記一方の領域から前記他方の領域に向かう方向に凹または凸になるように湾曲している、請求項1に記載の光磁気用の光集積化ユニット。 - 前記回折素子は、互いに直行する第1の分割線と第2の分割線とを含み、
前記第2の分割線によって分割される一方の回折領域が、前記第1の分割線によって分割されて形成された第1の回折領域および第2の回折領域を含み、
前記第2の分割線によって分割される他方の回折領域が、前記第1の分割線によって分割されて形成された第3の回折領域および第4の回折領域を含む、請求項1に記載の光磁気用の光集積化ユニット。 - 前記回折素子は、前記第1の回折領域の+1次回折光と前記第2の回折領域の+1次回折光とからなる組、および前記第1の回折領域の−1次回折光と前記第2の回折領域の−1次回折光とからなる組のうち、少なくとも一方の組の2つの回折光の少なくとも一部同士が、前記受光部において重なるように形成された、請求項5に記載の光磁気用の光集積化ユニット。
- 前記回折素子は、前記第3の回折領域の+1次回折光と前記第4の回折領域の+1次回折光とからなる組、および前記第3の回折領域の−1次回折光と前記第4の回折領域の−1次回折光とからなる組のうち、少なくとも一方の組の2つの回折光の少なくとも一部同士が、前記受光部において重なるように形成された、請求項5に記載の光磁気用の光集積化ユニット。
- 前記回折素子は、偏光ホログラムを含む、請求項1に記載の光磁気用の光集積化ユニット。
- 前記偏光ホログラムの格子は、少なくとも一部が湾曲した、請求項8に記載の光磁気用の光集積化ユニット。
- 前記光検出器は、前記第2の偏光分離手段の一の透過光と、前記一の透過光に対応する±1次回折光とを、一の前記受光部で受光するように形成された、請求項1に記載の光磁気用の光集積化ユニット。
- 前記第2の偏光分離手段の回折光の検出信号と、前記第2の偏光分離手段の透過光の検出信号との差信号を得るための光磁気信号検出手段を備える、請求項1に記載の光磁気用の光集積化ユニット。
- 光集積化ユニットと、
対物レンズと
を備え、前記光集積化ユニットは、
光磁気記録媒体からの反射光を受光するための複数の受光部を有する光検出器と、
光源から前記光記録媒体に向かう発振光と前記反射光とを分離するための第1の偏光分離手段と、
前記第1の偏光分離手段からの前記反射光の少なくとも一部を回折させて、回折光を前記光検出器に導くための第2の偏光分離手段と
を備え、
前記第2の偏光分離手段は、複数の回折領域を有する回折素子を含み、
前記回折素子は、それぞれの前記回折領域ごとに前記反射光を異なる方向に回折するように形成された、光磁気用の光ピックアップ装置。
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