JP3348873B2 - 焦点ずれ検出装置およびそれを用いた光ヘッド - Google Patents

焦点ずれ検出装置およびそれを用いた光ヘッド

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JP3348873B2 JP13221192A JP13221192A JP3348873B2 JP 3348873 B2 JP3348873 B2 JP 3348873B2 JP 13221192 A JP13221192 A JP 13221192A JP 13221192 A JP13221192 A JP 13221192A JP 3348873 B2 JP3348873 B2 JP 3348873B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焦点ずれ検出装置およ
びそれを用いた光ヘッドに関し、特に2つのサブビーム
の変調度の変化から焦点ずれ検出信号を得る方式の焦点
ずれ検出装置において、焦点ずれ検出信号の直線領域を
広くするとともに、安定な自動焦点引き込み動作を達成
することが可能な焦点ずれ検出装置およびそれを用いた
光ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】通常、光ディスク装置,光カード装置等
の光ヘッドでは、フォーカスレンズを用いて、レーザー
ビームをディスク面上に微小なスポットとして絞り込
み、ディスク面上にピットとして記録された情報を再生
する。しかし、ディスクがレーザービームの焦点位置か
らずれると、ディスク面上のスポットが大きくなるた
め、ピットによって変調される反射ビームの変調度(再
生信号振幅の大きさ)が減少する。例えば、ディスクが
2μmから3μm程度ずれると、変調度は半分に減少す
る。そこで、ディスクの焦点ずれを光学的に検出する焦
点ずれ検出装置と、絞り込みビームの焦点位置をディス
クに追従させるレンズアクチュエータ等による自動焦点
制御機構が必要である。従来から種々の焦点ずれ検出装
置が提案されている。例えば、特開平1-303632号公報に
は、2つのサブビームの変調度の変化から焦点ずれ検出
信号を得る装置が開示されている。この装置において
は、同心円状の回折格子により正および負の像点縦移動
の収差(焦点ずれの収差)を持った2つのサブビームを作
成し、これらのビームをフォーカスレンズによって絞り
込む。これにより、2つのサブビームは、メインビーム
の焦点位置とは光軸方向に異なる位置に集束する。
【0003】光ディスクで反射した2つのサブビームの
光量は光ディスク面上のピットによって変調されるが、
それらの変調度は焦点ずれによって図1(a)に示す如く
変化する。図1(a)において、横軸はメインビームの焦
点位置Aを原点にとった場合の光ディスクの焦点ずれを
示し、縦軸は変調度を示す。曲線1は一方のサブビーム
の変調度で、そのサブビームが集束する位置Bで最大に
なる。曲線2は他方のサブビームの変調度で、そのサブ
ビームが集束する位置Cで最大になる。これらの変調度
を光検知素子とエンベロープ検波回路で検出し差をとる
と、図1(b)の曲線3で示す如き焦点ずれ検出信号が得
られる。回折格子は、通常、トラックずれ検出のために
用いられることが多い。この場合、フォーカスレンズの
位置ずれが生じても、各ビームの開口数(NA)を常に一
定にして安定な変調度が得られるように、メインビーム
やサブビームの径はフォーカスレンズの瞳径よりも大き
くし、メインビームやサブビームの外周部分をフォーカ
スレンズの瞳で遮蔽している。つまり、上記従来技術で
は、フォーカスレンズを通過するサブビームの径は、常
にメインビームの径に等しい。そこで、上記従来技術で
は、焦点ずれによるサブビームの変調度変化は、メイン
ビームの変調度変化とほぼ等しい。すなわち、図1(a)
で、曲線1と2で示す2つのサブビームの変調度は、位
置Aから±2〜3μm程度離れた位置BおよびCで最も
大きくなり、位置Aで2つのサブビームの変調度が半分
に減少するように設定するのがよい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、焦
点ずれ検出信号の直線領域が約±3μmと狭いので、自
動焦点制御開始時の引き込み動作に失敗する可能性があ
る。これを解決するために、例えば、図2(a)に示す如
く、2つのサブビームが集束する位置BとCを、メイン
ビームの焦点位置から約±6μm以上離すことも考えら
れるが、1'と2'で示す2つのサブビームの変調度がメ
インビームの焦点位置Aの近傍において無くなるため
に、焦点ずれ検出信号は図2(b)の曲線3’となり、メ
インビームの焦点位置A近傍で検出不可能になることが
考えられる。本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、従来の技術における上述
の如き問題を解消し、2つのサブビームの変調度の変化
から焦点ずれ検出信号を得る方式において、焦点ずれ検
出信号の直線領域を広くするとともに、安定な自動焦点
引き込み動作を達成することが可能な焦点ずれ検出装置
およびそれを用いた光ヘッドを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明の上記目的は、
メインビームと、ある方向に関してメインビームよりも
発散状のサブビームと、同じ方向に関してメインビーム
よりも収束状の他のサブビームと、前記メインビームお
よびサブビームを情報媒体上に収束させる収束手段と、
前記情報媒体で反射したサブビームを受光する光検出手
段と、該光検出手段の出力信号に含まれる振幅成分の差
から焦点ずれ検出信号を生成する信号演算回路とを有す
る焦点ずれ検出装置において、前記収束手段を透過した
サブビームの実質的な開口数(NA’)を、前記メイン
ビームの実質的な開口数(NA 0 よりも小さくする手
段と、前記サブビームに、少なくとも一方の収束位置が
メインビームの収束位置と異なる非点収差を与える手段
を備えたことを特徴とする焦点ずれ検出装置およびこれ
を用いた光ヘッドによって達成される。
【0006】
【作用】従来の光ディスク装置の如く、スポット径がピ
ット径よりも大きい場合、ピットによる反射ビームの変
調度は、スポット径が増大するほど減少する。焦点位置
におけるスポット径 Φ0は、波長をλ,集束ビームの開
口数をNAとして、近似的に、 Φ0=λ/NA で表わされる。従って、NAが大きいほどスポット径
Φ0は小さく、大きな変調度を得ることができる。しか
し、焦点ずれΔZによって付加される収差W20は、近似
的に、 W20=1/2・NA2・ΔZ で表わされ、同じ焦点ずれΔZに対しては、NAが大き
いほどW20が大きく、焦点ずれによるスポット径の増大
も著しくなり、変調度は著しく減少する。一方、NAが
小さい場合、焦点位置におけるスポット径 Φ0は大きい
ために変調度は小さいが、焦点ずれΔZによるスポット
径の増加も小さく、従って、変調度の減少も小さい。つ
まり、NAが小さい方が、焦点ずれの広い範囲にわたっ
て変調度を変化させることができることになる。しか
し、例えば、サブビームの開口数(NA)をメインビーム
の開口数よりも小さくするために、開口数の異なる複数
のフォーカスレンズを用いることは、部品点数が増加し
たり、複数のフォーカスレンズの光軸方向の位置調整が
必要になるため、得策ではない。
【0007】そこで、本発明に係る焦点ずれ検出装置に
おいては、同一のフォーカスレンズを用いて、フォーカ
スレンズを通過するサブビームの径を、メインビームの
径よりも細くする。図4において、5で示すフォーカス
レンズの焦点距離をf,開口数を NA0とすると、この
レンズを通過できるメインビーム7の半径h0(光軸を6
で示す)との間には、 NA0=sinθ0=h0/f の関係がある。一方、メインビーム7の半径h0よりも
小さい半径h'のサブビーム7’が、フォーカスレンズ
5により集束する場合、そのビームの実質的な開口数N
A'は、 NA'=sinθ'=h'/f となる。そこで、サブビームの径をメインビームの径よ
りも細くすれば、サブビームの開口数NA'を、メイン
ビームの開口数NA0よりも小さくすることができるこ
とになる。これにより、図3(a)に示す如く、2つのサ
ブビームが集束する位置BとCをメインビームの焦点位
置から約±6μm以上離しても、1”と2”で示すサブ
ビームの変調度はメインビームの焦点位置Aの近傍にお
いても無くなることはなく、焦点ずれ検出信号は図3
(b)の曲線3”となり、焦点ずれ検出信号の直線領域を
広くするとともに、メインビームの焦点位置A近傍でも
焦点ずれ検出信号を得ることができ、安定な自動焦点制
御引き込み動作を達成することができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図5は、本発明を用いた光ディスク装置の
光ヘッドの光学系構成を示す。図において、11は半導
体レーザで、例えば、波長λが780nmのレーザビー
ムを出射する。12はコリメートレンズで、半導体レー
ザ11から出射したレーザビームを直径約4mmの平行
なメインビーム13にする。14は図6に示す如く、直
径1.8mmの円形領域30に 直線の回折格子溝31が
不等間隔に並んだ回折格子である。上記回折格子14
は、直径1.8mmの +1次回折ビーム15bと−1次
回折ビーム15cとを、メインビーム13の光軸に対し
て ±0.745度の方向に分離するとともに、+1次ビ
ーム15bに対して1/2波長の非点収差(W22=0.5
λ)を与え、−1次ビーム15cに対して−1/2波長
の負の非点収差(W22=−0.5λ)を与える。各々のビ
ームは、ビームスプリッタ16を透過し、フォーカスレ
ンズ17で集束される。フォーカスレンズ17は、焦点
距離fが例えば3.0mmで、開口数NA0 は0.6
で、直径3.6mmの瞳18を有する。図6において、
32は直径4mmのメインビーム13の外径を示し、3
3は直径3.6mmのフォーカスレンズ17の瞳18の
径を示す。
【0009】メインビーム13は、瞳18によりけられ
て直径3.6mmのビームになる。瞳18を通過したメ
インビーム13は、焦点19aを結ぶ。+1次ビーム1
5bは正の非点収差を有するために、フォーカスレンズ
17に近い位置に焦線19bを結び、−1次ビーム15
cは負の非点収差を有するために、フォーカスレンズ1
7に遠い位置に焦線19cを結ぶ。20は光ディスク
で、凹凸形状のピットが配置されている。メインビーム
13と+1次ビーム15bと−1次ビーム15cは、光
ディスク20によって反射され、フォーカスレンズ17
を通過し、ビームスプリッタ16で反射し、凸レンズ2
2で集光される。21aはメインビーム13の反射ビー
ム、21bは+1次ビーム15bの反射ビーム、21c
は−1次ビーム15cの反射ビームである。また、23
aはメイン反射ビーム21aを受光する光検出素子で、
メイン反射ビーム21aの光量に比例した光量信号24
aを出力する。23bは+1次反射ビーム21bを受光
する光検出素子で、+1次反射ビーム21bの光量に比
例した光量信号24bを出力する。
【0010】23cは−1次反射ビーム21cを受光す
る光検出素子で、−1次反射ビーム21cの光量に比例
した光量信号24cを出力する。光ディスク20には凹
凸形状のピットがあり、図には示さないモーターによっ
て回転すると、メイン反射ビーム21aと+1次反射ビ
ーム21bと−1次反射ビーム21cの反射光量はピッ
トによってそれぞれ変調を受け、光検出素子23aと2
3bと23cの光量信号24aと24bと24cが変調
される。25bと25cはエンベロープ検波回路であ
る。エンベロープ検波回路25bはピットで変調された
+1次反射ビーム21bの変調度を検出して、変調度信
号26bを出力する。エンベロープ検波回路25cはピ
ットで変調された−1次反射ビーム21cの変調度を検
出して、変調度信号26cを出力する。27は差動演算
回路で、変調度信号26bと26cの引算演算を行い、
焦点ずれ検出信号28を出力する。
【0011】まず、図7を用いて、回折格子14の構造
と作用を説明する。回折格子14を含む平面内にx軸と
y軸をとり、格子溝31の方向をx軸とし、ビームの進
行方向にz軸をとり、回折格子領域30の中心を座標原
点Oとする。40は半径hの入射ビームである。41は
z軸とθ度傾いた+1次回折ビームで、座標原点Oから
fだけ離れた光軸上の点Pに集束し、原点Oを通るその
波面を点線の円Sで示す。入射ビーム40が集束せずに
θ方向に回折した仮想的な平行ビームを点線42とし、
原点Oを通るその波面を点線の直線Lで示す。直線42
と直線Lとの交点をQ、直線42と円Sの交点をRとす
れば、回折格子14の格子領域30で与られる非点収差
22の大きさは、線分RQの長さであり、近似的に W22=RQ=PQ−PR =√(f2+h2)−f =1/2・h2/f となり、これよりfを f=1/2・h2/W22 で求めることができる。h=0.9mm、W22=0.5λ
=0.00039mmを代入すれば、f=1038mm
となる。
【0012】更に、点Pを中心に半径(f+nλ)の円を
Sn(n=±1,±2,±3,・・・・)とすれば、円Snは、 (x+fsinθ)2+(z−fcosθ)2=(f+nλ)2 であるから、円Snとx軸との交点の座標Xnは、z=
0として、 Xn=−fsinθ±√{(f+nλ)2−(fcosθ)2} となる。複号の正を選んで、近似的には、 Xn=nλ/sinθ+n2λ2/(2fsinθ) となる。上式の右辺の第1項は、サブビームを±θ方向
に回折させるための平均的な格子溝のピッチを示し、第
2項は、サブビームに非点収差W22を与えるための格子
間隔の変化量を示す。従って、x−y平面に入射して上
式で与えられる座標Xnに配置された格子溝群31nで
回折したビームは、点Pにおいて同位相になり強め合う
ので、点Pに集束する+1次の回折ビームとなる。同時
に、格子溝群31nで+1次回折ビームとは反対方向に
回折するビームは、回折格子による回折角の対称性によ
って、原点Oから−fだけ離れた点から発散する−1次
の回折ビームになる。λ=0.00078mm、θ=0.
745度、f=1038mmとして、Xnを−0.9m
m≦Xn≦+0.9mmの範囲で求めた結果を、表1に
示す。
【0013】
【表1】 表1に示したデータに従って電子ビーム描画装置を用い
て格子溝のマスクパターンを作成し、露光装置によって
マスクパターンを通してガラス基板上のフォトレジスト
を感光させた後、現像処理をすることによって、回折格
子14を製作することができる。また、格子溝群31n
は、入射ビーム40と点Pの位置に線状に集束するビー
ムとが、x−y面上で干渉した結果生じる干渉縞と考え
ることもできる。従って、回折格子14を、ホログラム
製作の手法を用いて製作することもできる。
【0014】次に、本実施例における焦点ずれ検出の動
作について説明する。図8は、光ディスク20面上のス
ポット形状を示している。光ディスク20面上には、直
径が約0.4μmで 深さが約1/4波長の凹凸形状のピ
ット93aとピット93bが配置されている。各々のピ
ット93aとピット93bの位置は、ディスクの半径方
向(紙面の上下方向)に沿って、少なくとも数トラックの
範囲で揃っている。また、一点鎖線で示すトラック92
の間隔は 1.3μmで、ピット93aは紙面上方向に約
4分の1トラックずれており、ピット93bは紙面下方
向に約4分の1トラックずれている。91aはメインビ
ーム13のスポット、91bは+1次回折ビーム15b
のスポット、91cは−1次回折ビーム15cのスポッ
トである。まず、図8(b)は、光ディスク20がメイン
ビーム13の焦点19aの位置にある場合を示してお
り、スポット91aは最も小さくなり、情報の記録再生
に適したディスク位置(焦点合わせの目標点位置)であ
る。回折格子14が作用する方向(図7のx軸方向)をト
ラック92の方向とすると、+1回折次ビーム15bと
−1次回折ビーム15cは、トラックに垂直な方向には
最もよく集束するが、トラック方向には集束していない
ので、スポット91bとスポット91cは同じ大きさの
トラック方向に長いスポットになる。
【0015】従って、+1次反射ビーム21bと−1次
反射ビーム21cのピット93aおよびピット93bに
よる変調度は、最大変調度よりは小さいが等しくなる。
図8(a)は、光ディスク20が−1次回折ビーム15c
の焦線19cの位置にある場合を示すもので、スポット
91cは縦に長い焦線になる。各々のピット93aとピ
ット93bは、ディスクの半径方向(紙面上下方向)に沿
って揃っているので、−1次反射ビーム21cは最も大
きく変調される。スポット91bは図8(b)の場合より
も更に横に大きくなり、+1次反射ビーム31bの変調
度は、図8(b)の場合よりも小さくなる。図8(c)は、
これとは逆に、光ディスク20が+1次ビーム15bの
焦線19bの位置にある場合を示すもので、スポット9
1bは縦に長い焦線になり、+1次反射ビーム21bは
最も大きく変調される。スポット91cは図8(b)の場
合よりも更に横に大きくなり、−1次反射ビーム21c
の変調度は、図8(b)の場合よりも小さくなる。
【0016】図9は、光ディスクの焦点ずれを横軸にと
り、ピット93aと93bによる各反射ビームの変調度
の計算結果を示すものである。点線61aはメイン反射
ビーム21aの変調度、実線61bは+1次回折ビーム
21bの変調度、実線61cは−1次回折ビーム21c
の変調度を示している。本実施例の如く、開口数(NA)
が 0.6程度のフォーカスレンズを用いて、波長780
nm程度のレーザビームを絞り込んだ場合、メインビー
ムの変調度は、点線61aが示す如く、焦点ずれが2μ
m程度生じると半分に減少する。一方、ビーム径が半分
のサブビームの変調度は、本実施例の効果により、実質
的な開口数(NA)が 0.3となり、実線61bと61c
が示す如く、約4倍の焦点ずれ8μm程度で半分に減少
する。そこで、回折格子14で与える非点収差量W22
0.5λとすることにより、図9の実線61bと61c
で示す如く、サブビーム変調度のピーク位置を±8μm
にすることができる。従って、図10の実線62で示す
如く、焦点ずれの検出範囲が±8μm以上ある、焦点ず
れ検出信号を得ることができる。
【0017】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく、回折格子領域30の径は、フォーカスレンズ17
の瞳18の径の半分より大きくてもよく、また、小さく
ても良い。また、回折格子としては、直線形の回折格子
14の代わりに、図11に示す如き、楕円形の回折格子
70を用いてサブビームに非点収差を与えることもでき
る。図11において、楕円形回折格子70は、回折格子
領域71内に同心の楕円群74に沿って楕円弧状の格子
溝72を設けたものである。このような曲線による格子
を直線形の回折格子と区別するためにホログラム素子と
いうこともある。回折格子領域71は、33で示すフォ
ーカスレンズの瞳径よりも小さい。また、先に示した特
開平1-303632号公報に開示されている技術と同様に、図
12に示す如き円形の回折格子80を用いてサブビーム
に光軸縦移動の収差(焦点ずれの収差)を与えることも可
能である。図12において、円形回折格子80は、回折
格子領域81内に同心円群84に沿って円弧状の格子溝
82を設けたものである。回折格子領域81は、33で
示すフォーカスレンズの瞳径よりも小さく構成されてい
る。
【0018】次に、本発明の他の実施例を、図13およ
び図14を用いて説明する。図13は、本発明を用いた
光ディスク装置の光ヘッドの構成図である。図におい
て、101は半導体レーザ、102は複屈折性物質から
成る回折格子板、105は4分の1波長板、106はフ
ォーカスレンズ、107Aと107Bは3分割型光検出
器、108は半導体レーザ101のパワーモニタ用光検
出器、109は光検出器出力信号の演算回路を示してい
る。回折格子板102の半導体レーザ101側の面に
は、図14(a)に示す如き等間隔の直線溝からなる回折
格子103が設けられている。また、回折格子板102
のフォーカスレンズ106側の面には、図14(b)に示
す如き、本発明による不等間隔の直線溝からなる回折格
子104が格子領域120に製作されている。半導体レ
ーザ101から出射したビーム114は、回折格子10
4によって、メインビーム115aとサブビーム115
bおよび115cに分離される。なお、116はメイン
ビーム115aとサブビーム115b,115cが図示
されていない光ディスクで反射し、4分の1波長板10
5を通過した反射ビームである。
【0019】反射ビーム116は、回折格子103によ
ってビーム117Aと117Bに分離される。反射ビー
ム116,ビーム117A,ビーム117Bは、各々、
メインビーム115aと2つのサブビーム115bと1
15cから成る。ビーム117Aは3分割型光検出器1
07Aで受光され、ビーム117Bは3分割型光検出器
107Bで受光される。半導体レーザ101と光検出器
107Aおよび107Bは、フランジ110を介して円
形基板111上に固定されている。また、パワーモニタ
用光検出器108と集積型電子回路109も、円形基板
111上に固定されている。112は筒状の光ヘッド筺
体で、該光ヘッド筺体112の中には、フォーカスレン
ズ106と4分の1波長板105と回折格子板102と
円形基板111が、スペーサ113aと113bと11
3cを介して固定されている。次に、回折格子103と
104の作用について、説明する。屈折率がnの物質で
できた回折格子の格子溝の深さをdとすると、格子凸部
の光路長はndで、回折格子の周囲が空気で囲まれてい
るとすれば格子凹部の光路長はdである。従って、凸部
と凹部の光路長の差ΔOPは、 ΔOP=(n−1)d である。
【0020】ΔOPが波長の整数倍であれば、凸部を通
過したビームの位相と凹部を通過したビームの位相のず
れはなく、回折格子の作用はない。ΔOPが波長の整数
倍からずれると回折格子として作用する。特に、ΔOP
が波長の整数倍と半波長であれば、凸部を通過したビー
ムの位相と凹部を通過したビームの位相が180度ず
れ、0次回折方向に出射するビームは互いに打ち消し合
うので0次回折ビームは生じない。通過ビームは、主に
±1次回折方向に回折される。回折格子板102は、例
えば、LiNbO3(ニオブ酸リチウム)である。LiNb
3は三方晶系の結晶で、光学的に負の一軸結晶であ
り、その屈折率楕円体は光学軸(または結晶軸のC軸)方
向に偏平な回転対称な楕円体である。図14に示す如
く、光学軸141を回折格子板102の面内とし、半導
体レーザ101の出射ビーム114の偏光方向を、例え
ば、光学軸141の方向とする。出射ビーム114は回
折格子板102中を異常光線として伝搬するが、ディス
ク反射ビーム116は4分の1波長板105の作用で、
回折格子102中を常光線として伝搬する。
【0021】回折格子板102の半導体レーザ側の面に
は、図14(a)に示す如き、等間隔直線型の 回折格子
103があり、その格子溝の深さは、例えば、4.63
μmである。また、回折格子板102のフォーカスレン
ズ側の面には、例えば、図14(b)に示す如き、不等間
隔直線型の回折格子104があり、その格子溝の深さは
1.85μmである。LiNbO3の波長780nm近辺
における常光線屈折率noと異常光線屈折率neは、例
えば、 no=2.262 ne=2.179 である。溝深さが 4.63μmの回折格子104は、異
常光線に対しては光路長の差がちょうど波長の7倍で回
折格子としての作用がなく、常光線に対しては光路長の
差が 7.5倍で0次回折ビームはなく、±1次回折ビー
ムだけ生じる回折格子として作用する。
【0022】また、溝深さが 1.85μmの回折格子1
03は、常光線に対しては光路長の差がちょうど波長の
3倍で、回折格子としての作用がなく、異常光線に対し
ては光路長の差が 2.8倍で、0次回折ビームと±1次
回折ビームを生じる回折格子として作用する。従って、
半導体レーザ101から出射したレーザビーム114
は、回折格子板102中を異常光線として伝搬し、回折
格子103は作用せず、回折格子104によってメイン
ビーム115aとサブビーム115b,115cに分離
され、サブビーム115bおよび115cには非点収差
が付加される。一方、ディスクからの反射ビーム116
は回折格子板102中を常光線として伝搬し、回折格子
104は作用せず、回折格子103によって検出ビーム
117Aと117Bに分離され、3分割型光検出器10
7Aと107Bで受光され、メインビーム115aとサ
ブビーム115bおよび115cの変調度信号を得るこ
とができる。
【0023】また、回折格子104の120で示す回折
格子領域は、半導体レーザ101からみたフォーカスレ
ンズ106の瞳の射影121よりも小さい。よって、サ
ブビーム115bと115cの実効的な開口数はメイン
ビーム115aの開口数よりも小さくなり、第1の実施
例で説明したように、焦点ずれの検出範囲が広い焦点ず
れ検出信号を得ることができる。上記実施例において
は、回折格子として、直線形の回折格子104を用いた
例を示したが、直線形の回折格子104の代わりに、図
11に示すような楕円形の回折格子70を用いてサブビ
ームに非点収差を与えることも可能であり、また、図1
2に示す如き円形の回折格子80を用いて、サブビーム
に光軸縦移動の収差(焦点ずれの収差)を与えることも可
能である。なお、上記実施例はいずれも本発明の一例を
示したものであり、本発明はこれらに限定されるべきも
のではないことは言うまでもない。
【0024】
【発明の効果】以上、詳細に説明した如く、本発明によ
れば、2つのサブビームの変調度の変化から焦点ずれ検
出信号を得る焦点ずれ検出装置において、焦点ずれ検出
信号の直線領域を広くするとともに、安定な自動焦点引
き込み動作を達成することが可能な焦点ずれ検出装置お
よびそれを用いた光ヘッドを実現できるという顕著な効
果を奏するものである。
【0025】
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の焦点ずれ検出装置における焦点ずれ検出
信号を示す図である。
【図2】従来の焦点ずれ検出装置の問題点を説明する図
である。
【図3】本発明に係る焦点ずれ検出装置における焦点ず
れ検出信号を示す図である。
【図4】ビーム径と開口数の関係を説明する図である。
【図5】本発明の一実施例に係る焦点ずれ検出装置を用
いた光ヘッド光学系の構成図である。
【図6】実施例に係る直線形回折格子を示す図である。
【図7】回折格子の作用を説明するための図である。
【図8】実施例に係る焦点ずれ検出装置における光ディ
スク面上のスポット形状を示す図である。
【図9】実施例に係る焦点ずれ検出装置における変調度
の変化を示す図である。
【図10】実施例に係る焦点ずれ検出装置における焦点
ずれ検出信号を示す図である。
【図11】実施例に係る楕円形回折格子を示す図であ
る。
【図12】実施例に係る円形回折格子を示す図である。
【図13】本発明の他の実施例に係る焦点ずれ検出装置
を用いた光ヘッド光学系の構成図である。
【図14】実施例に係る回折格子の構造を示す図であ
る。
【符号の説明】
11,101:半導体レーザ、14,70,80,10
4:回折格子、16:ビームスプリッタ、18,10
6:フォーカスレンズ、20:光ディスク、23a,2
3b,23c,107A,107B:光検出素子、25
b,26c:エンベロープ検波回路、27:差動演算回
路、28:焦点ずれ検出信号。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−242497(JP,A) 特開 昭61−73246(JP,A) 特開 昭59−223944(JP,A) 特開 平4−159618(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/09 G11B 7/095

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メインビームと、ある方向に関してメイ
    ンビームよりも発散状のサブビームと、同じ方向に関し
    てメインビームよりも収束状の他のサブビームと、前記
    メインビームおよびサブビームを情報媒体上に収束させ
    る収束手段と、前記情報媒体で反射したサブビームを受
    光する光検出手段と、該光検出手段の出力信号に含まれ
    る振幅成分の差から焦点ずれ検出信号を生成する信号演
    算回路とを有する焦点ずれ検出装置において、前記収束
    手段を透過したサブビームの実質的な開口数(NA’)
    を、前記メインビームの実質的な開口数(NA)より
    も小さくする手段と、前記サブビームに、少なくとも一
    方の収束位置がメインビームの収束位置と異なる非点収
    差を与える手段を備えたことを特徴とする焦点ずれ検出
    装置。
  2. 【請求項2】 前記収束手段を透過したサブビームの実
    質的な開口数(NA’)を前記メインビームの実質的な
    開口数(NA)よりも小さくする手段が、回折格子
    たはホログラム素子から構成されることを特徴とする請
    求項1記載の焦点ずれ検出装置。
  3. 【請求項3】 前記回折格子またはホログラム素子は
    前記サブビームに非点収差を与えることを特徴とする請
    求項2記載の焦点ずれ検出装置。
  4. 【請求項4】 複数の記録トラックを有する光記録媒体
    への情報の記録・読出しを行うための光ヘッドであっ
    て、光源,該光源からの光ビームの光路中に設けられ前
    記光ビームの一部をメインビームとして透過させるとと
    もに、ある方向に関してメインビームよりも発散状のサ
    ブビームと同じ方向に関してメインビームよりも収束状
    の他のサブビームからなる一対のサブビームを、その実
    質的な開口数(NA’)を前記メインビームの実質的な
    開口数(NA)より小さく、また、前記メインビーム
    と微小角度異なる方向に生成する手段と、前記サブビー
    ムに、少なくとも一方の収束位置がメインビームの収束
    位置と異なる非点収差を与える手段を備え、前記メイン
    ビームを前記光記録媒体の情報記録面上にメインスポッ
    トとして結像させるとともに、前記一対のサブビームを
    前記メインスポットとは焦点方向および前記記録トラッ
    クに沿った方向の異なる位置に結像させる結像光学系,
    前記光記録媒体の情報記録面からの反射ビームを前記結
    像光学系の光路から分離して取出す分離光学系,該分離
    光学系により取出された前記反射ビームを受光するため
    の光検出手段であって、少なくとも前記一対のサブビー
    ムによる反射ビームのそれぞれを受光する2つの光検出
    素子を含む光検出手段,前記2つの光検出素子から前記
    一対のサブビームの反射ビームの変調度の変化に基づい
    て焦点ずれ検出信号を得る焦点ずれ検出回路を有するこ
    とを特徴とする光ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記サブビームを生成する手段が、回折
    格子またはホログラム素子から構成されることを特徴と
    する請求項4記載の光ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記回折格子またはホログラム素子は
    前記サブビームに非点収差を与えることを特徴とする請
    求項5記載の光ヘッド。
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