JP3351743B2 - 光ディスクセンサ用ホログラム素子 - Google Patents

光ディスクセンサ用ホログラム素子

Info

Publication number
JP3351743B2
JP3351743B2 JP20562198A JP20562198A JP3351743B2 JP 3351743 B2 JP3351743 B2 JP 3351743B2 JP 20562198 A JP20562198 A JP 20562198A JP 20562198 A JP20562198 A JP 20562198A JP 3351743 B2 JP3351743 B2 JP 3351743B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hologram
light
sensor
order diffracted
diffracted light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP20562198A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1196569A (ja
Inventor
正人 野口
Original Assignee
ペンタックス株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ペンタックス株式会社 filed Critical ペンタックス株式会社
Priority to JP20562198A priority Critical patent/JP3351743B2/ja
Priority to US09/120,369 priority patent/US6104689A/en
Publication of JPH1196569A publication Critical patent/JPH1196569A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3351743B2 publication Critical patent/JP3351743B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Optical Head (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スポットサイズ
法によるフォーカシングエラー信号とプッシュプル法に
よるトラッキングエラー信号とを検出する光ディスク用
センサシステムに利用されるホログラム素子に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスク、光磁気ディスク等の媒体を
利用する光ディスク装置の光学系は、レーザー光源と、
光源から発した光束を媒体上に収束させてスポットを形
成する対物レンズとを備えると共に、媒体からの反射光
を受光して記録信号、フォーカシングエラー信号、トラ
ッキングエラー信号を検出するセンサシステムを備えて
いる。フォーカシングエラー信号を検出するためにスポ
ットサイズ法を用いる場合には、センサシステムは、反
射光を集光する集光レンズと、集光レンズにより収束さ
れる光束を2つの成分に分離するホログラム素子と、分
離されたそれぞれの光束を受光する第1センサと第2セ
ンサとから構成される。
【0003】第1センサと第2センサとは、集光レンズ
の焦点位置を挟んで、その光軸方向において前後に相当
する位置に配置される。ホログラム素子は、+1次回折
光に対して正レンズの効果を持つと共に、−1次回折光
に対して負レンズの効果を持ち、±1次回折光を異なる
度合いで収束させる。+1次回折光は、その収束位置に
対し集光レンズから遠い側に配置された第1センサによ
り受光され、−1次回折光は、その収束位置に対し集光
レンズに近い側に配置される第2センサにより集光され
る。ここでは0次光(透過光)は利用されない。
【0004】これらの2つのセンサ上に形成されるスポ
ットのサイズは、対物レンズの合焦状態に応して変化す
るため、両センサ上でのスポットのサイズの差を検出す
ることにより、対物レンズの合焦状態を示すフォーカシ
ングエラー信号を得ることができる。
【0005】スポットサイズ法によりフォーカシングエ
ラー信号を検出すると共に、プッシュプル法によりトラ
ッキングエラー信号を検出するため、ホログラム素子は
光束をタンジェンシャル相当方向Y(ディスク上のスポ
ットのディスクタンジェンシャル方向に相当するセンサ
上のスポット内での方向)に分離するよう設定され、か
つ、第1、第2センサは、図13に示すようにタンジェ
ンシャル相当方向Yに沿う分割ラインにより区切られた
それぞれ4つの領域A、B、C、D、そして、E、F、
G、Hを備える。これらの領域A〜Hからの信号をSa
〜Shで表すと、フォーカシングエラー信号FE、トラ
ッキングエラー信号TEは、それぞれ以下の式により求
められる。 FE=Sa−Sb−Sc+Sd−Se+Sf+Sg−S
h TE=Sa+Sb−Sc−Sd−Se−Sf+Sg+S
【0006】なお、ホログラム素子の回折角度は波長に
依存して変化するため、光源の発光波長が変化するとセ
ンサ上のスポットは分離されたタンジェンシャル相当方
向Yに変位する。図13のように受光領域の境界線をこ
のタンジェンシャル相当方向Yと平行にしておくことに
より、波長変動によるスポットの変位が信号にノイズを
与えることを防ぐことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のセンサシステムでは、データをサーチする際な
ど、ディスク上のスポットがトラックを横切って移動す
る時、対物レンズの焦点がディスクに一致している場
合、すなわちフォーカシングエラーがない場合にも、フ
ォーカシングエラー検出用の2つのセンサ上のスポット
のラジアル相当方向X(ディスク上のスポットのディス
クラジアル方向に相当するセンサ上のスポット内での方
向)の中央部の明暗の変化が一致せず、フォーカシング
エラー信号が変化するという問題がある。
【0008】図14は、NA0.6の対物レンズと、焦点
距離27mmの集光レンズと、図13に示した従来のセ
ンサシステムとを用い、対物レンズをディスクに対して
合焦させた状態でディスクの情報記録用のランド中央
(X=0)から隣接するランド中央(X=1.0)まで
スポットを移動させた際に出力されるトラッキングエラ
ー信号(実線、1/10スケール)とフォーカシングエ
ラー信号(破線)とを示す。X=0.5は隣接するラン
ド間に形成されたラジアル方向断面山形のグルーブ上の
位置を示す。図14に示されるように、ディスク上のス
ポットのラジアル方向の移動位置に応じて、本来フラッ
トであるべきフォーカシングエラー信号にノイズが混入
していることが理解できる。
【0009】この明細書では、このようなディスク上の
スポットのラジアル方向の移動により発生するフォーカ
スエラー信号のノイズをT/F(Track/Focu
s)クロストークと定義する。
【0010】T/Fクロストークの発生がどのような現
象に基づくかを探るため、ディスク上のスポットがトラ
ックを横切って横断する際の第1、第2センサ上の戻り
光の光量分布をシミュレーションした。ラジアル相当方
向Xに沿う各センサ上での光量分布のシミュレーション
の結果は、図15、16に示される。図15は、ディス
ク上のスポットがランド中央に位置する際の光量分布で
破線が第1センサ上、実線が第2センサ上の分布を示
す。光量は、横軸となるラジアル相当方向Xの各座標に
つき、タンジェンシャル相当方向Yの有効範囲内の光景
を積分して求めた値である。図16は、ディスク上のス
ポットがグルーブ上に位置する際の同様の光量分布を示
す。
【0011】これらの結果から、図17にハッチングで
示すような、センサ上のラジアル相当方向Xの中央部で
タンジェンシャル相当方向Yに長い領域(クロストーク
領域)の部分が、ディスク上のスポットがランド中央に
位置する際には第1センサ上での光強度の方が第2セン
サ上での光強度より強くなり、ディスク上のスポットが
グルーブ上に位置する際には、第1センサ上での光強度
の方が第2センサ上での光強度よりも弱くなることがわ
かった。
【0012】一方、タンジェンシャル相当方向Yに沿う
各センサ上での光量分布のシミュレーションの結果は、
図18、19に示される。図18は、ディスク上のスポ
ットがランド中央に位置する際の光量分布で破線が第1
センサ上、実線が第2センサ上の分布を示す。光量は、
横軸となるタンジェンシャル相当方向Yの各座標につ
き、ラジアル相当方向Xの有効範囲内の光量を積分して
求めた値である。図19は、ディスク上のスポットがグ
ルーブ上に位置する際の同様の光量分布を示す。
【0013】図18、19によれば、タンジェンシャル
方向については、第1、第2センサ上での光量分布がほ
ぼ等しく、T/Fクロストークの原因となるような分布
のズレはないと考えることができる。したがって、図1
3の構成で第1、第2センサの受光領域の境界線をラジ
アル相当方向Xに平行にすればT/Fクロストークの影
響は除去できるが、その場合にはトラッキングエラー信
号を得ることができなくなり、かつ、光源の波長変動に
よるセンサ上のスポットの変位がフォーカシングエラー
信号に対するノイズになるという問題が生じる。
【0014】この発明は、上述した従来技術の課題に鑑
みてなされたものであり、スポットサイズ法を用いてフ
ォーカシングエラーの検出を行う光ディスク用センサシ
ステムのためのホログラム素子であって、T/Fクロス
トークおよび光源の波長変動に起因するフォーカシング
エラー信号に対するノイズを除去し、しかもトラッキン
グエラー信号の検出を可能とする、光ディスク用センサ
システムに適したホログラム素子を提供することを目的
とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明に係る光ディス
クセンサ用ホログラム素子は、入射光を第1の方向に関
して複数に分離する第1のホログラムと、入射光を前記
第1の方向とは異なる第2の方向に関して複数に分離す
る第2のホログラムとを含み、前記第1のホログラムの
作用をF1、前記第2のホログラムの作用をF2で表し
たとき、 Fc=m・F1+n・F2、 ただしm、nは整数、で与えられる、合成された作用F
cがデフォーカスを与える作用を含むことを特徴とする
光ディスクセンサ用ホログラム素子。上記の第1の方向
と第2の方向とを直交させるためには、第1のホログラ
ムの格子ベクトルをG1、第2のホログラムの格子ベク
トルをG2として、以下の条件(1)、(2) m|G1|=n|G2| ・・・(1) G2≠k・G1 ・・・(2) ただしkは実数、を満たす必要がある。
【0016】この場合、第1のホログラムが主として±
m次回折光を発生させ、第2のホログラムが主として±
n次回折光を発生させることが望ましい。また、このと
き、m=n=1が最も容易な組み合わせである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかる光ディス
クセンサ用ホログラム素子の実施形態を説明する。最初
に、ホログラム素子が配置される光ディスク装置の光学
系について説明する。光ディスク装置の光学系は、図1
に示されるように、レーザー光源1と、レーザー光源1
から発した光束を平行光束にするコリメートレンズ2
と、この光束を光ディスクD上に収束させてスポットを
形成する対物レンズ3を備えると共に、光ディスクDか
らの反射光を入射光路から分離するビームスプリッター
4と、ビームスプリッター4で反射された光ディスクか
らの反射光を受光して記録信号、フォーカシングエラー
信号、トラッキングエラー信号を検出するセンサシステ
ム10を備えている。なお、図1に示す光ディスク装置
の光学系においては、これから説明する第1の実施形態
のホログラム素子12と第2の実施形態のホログラム素
子22のいずれも用いることができる。
【0018】光磁気ディスク等の光ディスクDは、ラジ
アル方向の断面において山形のグルーブと、グルーブ間
に位置する情報記録用のランドとを有している。情報の
記録/再生時には、対物レンズ3はランドのラジアル方
向中央にスポットが形成されるよう位置決めされる。な
お、以下の記載においては、ディスクD上のラジアル方
向をX’タンジェンシャル方向をY’で示し、これに対
応するセンサシステム10上での方向をラジアル相当方
向X、タンジェンシャル相当方向Yで示すものとする。
【0019】センサシステム10は、スポットサイズ法
によるフォーカシングエラー信号の検出を可能とするた
め、図2および図3に示されるように、反射光を集光す
る集光レンズ11と、集光レンズ11により収束される
光束を二次元に少なくとも4つの成分に分離するホログ
ラム素子12(または22)と、分離された回折光のう
ち4つを受光する第1センサ13、第2センサ14、第
3センサ15、第4センサ16とから構成される。
【0020】次に、ホログラム素子について説明する。
ここではまず、図4〜図6に基づいて第1の実施形態の
ホログラム素子12の作用を説明し、続いて図7以下に
基づいて第2の実施形態のホログラム素子22の作用を
説明する。ホログラム素子12は、入射光を第1の方
向、ここではタンジェンシャル相当方向Yに沿って0次
回折光と±1次回折光の3つの光束に分離する第1のホ
ログラム12Aの作用と、同様に入射光を第1の方向と
は異なる第2の方向、ここではラジアル相当方向Xに沿
って0次回折光と±1次回折光の3つの光束に分離する
第2のホログラム12Bの作用とを合成して得られる作
用を有する素子である。
【0021】ホログラム素子12の第1のホログラム1
2A単体の作用は、図4に示すように1つの光束を3つ
に分離することである。第2のホログラム12Bの作用
は、図5に示すように第1のホログラム12Aにより分
離された3つの光束をそれぞれ更に3つに分離して9つ
の光束を形成することである。第1のホログラム12A
は、+1次回折光に対して負レンズとして機能し、−1
次回折光に対しては正レンズとして機能する。また、第
2のホログラム12Bは+1次回折光に対して正レンズ
として機能し、−1次回折光に対しては負レンズとして
機能する。ここで、図5には、各光束に第1のホログラ
ム12Aによる回折次数をa、第2のホログラム12B
による回折次数をbとして「(a,b)次」の次数をつ
けて示してある。
【0022】ここで、スポットサイズ法によりフォーカ
シングエラー信号を検出するには、デフォーカスのある
2つの光束をそれぞれフォーカシングエラー信号検出用
のセンサで受光すればよい。図2に示すセンサシステム
においては、第1センサ13、第2センサ14により、
フォーカシングエラー信号を検出するようにしているた
め、ホログラム素子12により分割された9の光束のう
ちデフォーカスを有する2つの光束を第1センサ13、
第2センサ14により受光すればよい。なお、図2に
は、第1センサ13および第2センサ14に入射する光
束と、(0,0)次光のみを示す。
【0023】上述のように、フォーカシングエラー信号
を検出するために第1センサ13、第2センサ14によ
り受光する光束は、2つの光束がデフォーカスを有して
いればどの光束であってもよいが、ここでは、(−1,
1)次回折光と(1,−1)次回折光をそれぞれ第1、
第2のセンサ13、14で受光する例について説明す
る。
【0024】まず、ホログラム素子12を図5における
時計方向に45度回転させ、(−1,1)次回折光、
(1,−1)次回折光をラジアル相当方向Xに沿って配
列させ、(1,1)次、(−1,−1)次の回折光をタ
ンジェンシャル相当方向Yに沿って配列させる。する
と、9つの光束の配置は図6のようになる。これを図3
で示した光学系により受光すれば、(−1,1)、
(1,−1)、(1,−1)、(−1,−1)の4つの
次数の光束がそれぞれセンサ13、15、14、16に
より受光される。
【0025】すなわち、第1センサ13は(−1,1)
次回折光を受光し、第2センサ14は(1,−1)次回
折光、第3センサ15は(1,1)次回折光、そして第
4センサ16は(−1,−1)次回折光をそれぞれ受光
する。
【0026】前述のように,第1のホログラム12Aは
+1次回折光に対して負レンズとして機能し、−1次回
折光に対しては正レンズとして機能し、第2のホログラ
ム12Bは+1次回折光に対して正レンズとして機能
し、−1次回折光に対しては負レンズとして機能する。
従って、図2に示すように、(−1,1)次回折光、お
よび(1,−1)次回折光はそれぞれ(0,0)次回折
光の収束位置に対し逆側で収束する。第1のセンサ13
と第2のセンサ14を同一平面上に配置し、(−1,
1)次回折光の収束位置と(1,−1)次回折光の収束
位置との間に配置すれば、同一面上に配置された2セン
サによりスポットサイズ法をもちいたフォーカシングエ
ラー信号の検出が可能となる。このとき、第1のセンサ
13と第2のセンサ14が配置された平面と同一平面上
に第3のセンサ15、第4のセンサ16を配置したと
き、(1,1)次回折光および(−1,−1)次回折光
がそれぞれセンサが配置された平面から離れた位置に収
束するようホログラム素子12が構成されているものと
すれば、各センサを同一面上に並べて設けることができ
る。従って、全てのセンサを一つのチップ上に配設する
ことが可能となり、センサシステム10を小型化するこ
とができる。
【0027】なお、上記の例では、図5に示すホログラ
ム素子12を時計方向に45度回転したが、逆に半時計
方向に45度回転した場合には、第1センサ13は
(1,1)次回折光を受光し、第2センサ14は(−
1,−1)次回折光、第3センサ15は(1,−1)次
回折光、そして第4センサ16は(−1,1)次回折光
をそれぞれ受光する。
【0028】この場合、第1のホログラム12A、第2
のホログラム12Bがレンズとして機能する際のパワー
が(1,1)次回折光、および(−1,−1)次回折光
に対してデフォーカスを与えるように設定されていれ
ば、第1センサ13および第2センサ14を用いたスポ
ットサイズ法によるフォーカシングエラー信号の検出が
可能である。さらに、第1のセンサ13と第2のセンサ
14が配置された平面と同一平面上に第3のセンサ1
5、第4のセンサ16を配置したとき、(1,−1)次
回折光および(−1,1)次回折光がそれぞれ、センサ
が配置された平面から離れた位置に収束するようホログ
ラム素子12が構成されているものとすれば、上記の場
合と同様に、各センサを(0,0)次回折光の収束位置
で同一面上に並べて設けることができる。
【0029】第1センサ13および第2センサ14を用
いて、スポットサイズ法によりフォーカシングエラー信
号を検出するため、第1センサ13および第2センサ1
4は、図3に示すようにラジアル相当方向Xに平行な2
本の境界線により区切られたぞれぞれ3つの受光領域
A、B、C、そしてD、E、Fを備える。第1、第2セ
ンサ13、14の受光領域の境界線をラジアル相当方向
Xに平行にすることにより、T/Fクロストークの影響
は除去できる。一方、第3センサ15および第4センサ
16を用いてプッシュプル法によりトラッキングエラー
信号を検出するため、第3センサ15および第4センサ
16は、タンジェンシャル相当方向Yに平行な1本の境
界線により区切られたそれぞれ2つの受光領域G、H、
そしてI、Jを備える。
【0030】ホログラム素子の回折角度は波長に依存し
て変化するため、レーザー光源1の発光波長が変化する
と第1、第2センサ13、14上のスポットはビームの
分離方向であるラジアル相当方向Xに変位し、第3、第
4センサ15,16上のスポットはタンジェンシャル相
当方向に変位する。例えば波長が長くなるとスポット位
置が図3に破線で示したように外側に移動する。しか
し、図3のように受光領域の境界線をこのスポットの移
動方向と平行にしておくことにより、波長変動によりス
ポットが変位しても、各受光領域での受光量は変化せ
ず、従って信号にノイズを与えるのを防ぐことができ
る。
【0031】センサの領域A〜Jからの信号を記号Sa
〜Sjで表現すると、フォーカシングエラー信号FE、
トラッキングエラー信号TEは、以下の式により求めら
れる。 FE=Sa−Sb+Sc−Sd+Se−Sf TE=Sg−Sh−Si+Sj
【0032】上述した図4〜図6に示した構成によって
もT/Fクロストーク、波長変動による影響を防ぎつ
つ、各信号の検出が可能であるが、分離された9つの光
束のうち5つの光束は無駄となるため(信号検出には用
いられないため)、エネルギー効率が悪い。そこで、こ
のエネルギー効率を高めた第2の実施形態について図7
〜図8に基づいて説明する。
【0033】第2の実施形態のホログラム素子22の第
1、第2のホログラムは、いずれも主として±1次回折
光のみを発生させ、0次回折光を発生させないよう構成
されている。すなわち、第1のホログラム22Aは、光
束を第1の方向に沿って2つに分離させ、この分離され
た2つの光束はさらに、第2のホログラムにより、それ
ぞれ第2の方向に沿って2つに分離される。第1の方向
と第2の方向とが直交しているとすれば、第1、第2の
ホログラムにより、図7に示されるように、(−1,
1)次回折光、(1, 1)次回折光、(1,−1)次
回折光、(−1,−1)次回折光の4つの回折光が得ら
れる。図中の記号「O」は分離された回折光が存在する
こと、「×」は回折光が存在しないことを示している。
このようにして生成された回折光を図3に示したセンサ
13〜16と組み合わせて利用するためには、図8に示
すように合成ホログラムを45度回転させ、(−1,
1)次回折光、(1,−1)次回折光をラジアル相当方
向Xに沿って配列し、(1,1)次回折光、(−1,−
1)次回折光をタンジェンシャル相当方向Yに沿って配
列すればよい。
【0034】ここで、(−1,1)次回折光、および
(1,−1)次回折光間にデフォーカスを発生させるよ
うにホログラム素子22が構成されていれば、第1セン
サおよび第2センサを用いて、スポットサイズ法により
フォーカシングエラー信号を検出することができ、ま
た、プッシュプル法によりトラッキングエラー信号を検
出することが可能になる。
【0035】ここで、上記の4つの回折光を用いてスポ
ットサイズ法によるフォーカシングエラー信号とプッシ
ュプル法によるトラッキングエラー信号とを検出するた
めの一般的な条件について説明する。ホログラム素子2
2が第1のホログラム22Aと第2のホログラム22B
との合成ホログラムとして構成されているものとし、第
1のホログラム22Aの作用をFl、第2のホログラム
22Bの作用をF2とする。また、作用の合成を記号
「+」で表し、ある作用から別の作用を除く場合を記号
「−」で表現すれば、ホログラム素子22は、(1,
1)次回折光に対してはFl+F2の作用、(1,一
1)次回折光に対してはFl−F2の作用、(−1,−
1)次回折光に対しては−F1−F2の作用、(一1,
1)次回折光に対しては−Fl+F2の作用をする素子
と考えることができる。
【0036】図8のようにホログラム素子22を回転さ
せた場合には、(−1,1)次回折光と(1,−1)次
回折光とがそれぞれ、フォーカシングエラー信号検出の
ための第1のセンサ13および第2のセンサ14により
受光されるため、これらの回折光に対応するホログラム
素子22の作用である−Fl+F2およびF1−F2が
デフォーカスを与える作用を含んでいればよい。なお、
−F1+F2=−(F1−F2)であるから、作用−F
l+F2がデフォーカスを与える作用を含んでいれば、
作用F1−F2はその逆方向のデフォーカスを与える作
用を含んでいることになるため、条件としてはF1−F
2がデフォーカスを与える作用を有していれば良い。
【0037】また、図8に示すホログラム素子22をさ
らに時計方向に90度回転させれば、(−1,−1)次
回折光と(1, 1)次回折光とがそれぞれ、フォーカ
シングエラー信号検出のための第1のセンサ13および
第2のセンサ14により受光されることになる。この場
合には、−F1−F2またはF1+F2がデフォーカス
を与える作用を含んでいればよい。上記の場合と同様、
両者は逆方向のデフォーカスを意味しており、条件とし
てはF1+F2がデフォーカスを与える作用を有してい
れば十分である。
【0038】例えば、F1を、X方向において平面波を
シリンダー状の波面に変換する作用、F2をY方向にお
いて平面波をシリンダー状の波面に変換する作用とし、
作用の大きさが等しいとすると、Fl+F2は平面波を
球面波に変換する作用(すなわちデフォーカスを与える
作用)となり、Fl−F2は非点収差を与える作用とな
る。また、Fl、F2を共にデフォーカスを与える作用
とすると(Fl≠F2)、両者の和であるFl+F2、
両者の差Fl−F2のいずれもデフォーカスを与える作
用となる。ただし、両者が与えるデフォーカスの大きさ
は異なる。最も容易な例は、Flをデフォーカスを与え
る作用、F2をプリズムの作用とする例である。
【0039】なお、上述の説明では±1次回折光を用い
た場合の例について述べたが、一般に第1のホログラム
22Aが入射光を±m次回折光(mは整数、ただしm≠
0)に分離し、第2のホログラム22Bが入射光を±n
次回折光(nは整数、ただしn≠0)に分離するものと
した時、第1のホログラム22Aが±m次回折光に与え
る作用を±m・F1、第2のホログラム22bが±n次
回折光に与える作用を±n・F2で表すことができる。
【0040】上記のような第1ホログラム22Aおよび
第2ホログラム22Bを合成したホログラム素子22に
より分離された回折光が、図9(A)のように配置され
るとすれば、フォーカシングエラー信号をスポットサイ
ズ法により検出するためには、m・F1−n・F2がデ
フォーカスを与える作用を有していればよい。また、図
9(B)のように配置される場合には、m・F1+n・
F2がデフォーカスを与える作用を有していればよい。
m、nは共に0ではない整数であるから、上記の2つの
条件は、一方の条件、m・F1+n・F2がデフォーカ
スを与える作用を有すること、という条件により代表す
ることができる。
【0041】すなわち、合成された作用をFcで表せ
ば、第1のホログラム22Aが入射光を±m次回折光
(mは整数、ただしm≠0)に分離し、第2のホログラ
ム22Bが入射光を±n次回折光(nは整数、ただしn
≠0)に分離する時、Fc=m・F1+n・F2がデフ
ォーカスを与える作用を有するよう第1ホログラム22
A、第2ホログラム22Bが構成されていれば、ホログ
ラム素子22を回転させることにより分離された光束の
何れか2つを第1のセンサ13および第2のセンサ14
により受光し、スポットサイズ法によるフォーカシング
エラー信号を検出することができる。
【0042】さらに、図3に示す配置のセンサ13〜1
6により各回折光を受光するためには、回折光を図8の
ように分離する必要がある。このためには、図8に示す
ように、第1のホログラムの格子ベクトルをG1、第2
のホログラムの格子ベクトルをG2として、以下の条件
(1)、(2)を満たす必要がある。 m|G1|=n|G2| ・・・(1) G2≠kG1 ・・・(2) ただし、m,nは整数で、それぞれ第1ホログラム22
A、第2ホログラム22Bで分離される回折光の次数を
示す。またkは実数である。なお、格子ベクトルは、ホ
ログラムを直線回折格子と考えた場合の格子の方向に直
交する方向を持ち、格子のピッチの逆数(すなわち単位
間隔あたりの格子数)により大きさが決定されるベクト
ルである。
【0043】条件(1)が満たされていれば、第1ホロ
グラム22Aにより分離される回折光の回折次数が±m
次、第2ホログラム22Bにより分離される回折光の回
折次数が±n次である場合、ホログラム素子22により
分離される4つの回折光は菱形(正方形を含む)の各頂
点に位置するように分離される。一方、条件(2)は格
子ベクトルG1とG2とが平行ではないことを規定する
条件である。
【0044】第1、第2のホログラム22A、22Bに
より分離される回折光の回折次数が同一(すなわち、m
=n)で、格子ベクトルG1、G2の大きさが異なる場
合、格子ベクトル同士が直交したとしても、条件(1)
が満たされないことになる。この場合、図10に示すよ
うに、4つの回折光は長方形の各頂点に位置し、その対
角線である配列方向が直交しないため、ホログラム22
を図3のセンサ群と組み合わせて用いることができな
い。
【0045】これに対して、第1、第2のホログラム2
2A、22Bにより分離される回折光の回折次数が同一
で(m=n)、格子ベクトルG1、G2の大きさも等し
い場合、条件(1)が満たされる。この時、さらに条件
(2)が満たされていれば(すなわち格子ベクトルG
1、G2が平行でなければ)、図11に示されるように
回折光は菱形の各頂点に位置する。この場合、対角線で
ある配列方向が直交するため、ホログラム22は図3の
センサ群と組み合わせて用いることができる。
【0046】次に、第1ホログラム22Aにより分離さ
れる回折光の回折次数が±m次、第2ホログラム22B
により分離される回折光の回折次数が±n次である場
合、格子ベクトルの大きさがG1、G2が上記の条件
(1)を満たすように設定されていれば、ホログラム素
子22により分離された4つの回折光は図12に示され
るように菱形の各頂点に位置する。従って、この菱形の
対角線である回折光の配列方向が直交するため、ホログ
ラム22を図3のセンサ群と組み合わせて用いることが
できる。
【0047】なお、第2の実施形態のホログラム素子2
2を用いた場合にも、フォーカシングエラー信号FE、
トラッキングエラー信号TEは、センサの領域A〜Jか
らの信号を記号Sa〜Sjで表現すると、以下の式、 FE=Sa−Sb+Sc−Sd+Se−Sf TE=Sg−Sr−Si+Sj により求められる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、2つのホログラムを重ねて用いることにより、少な
くとも4つの回折光を互いに直交する方向に少なくとも
2つづつ配列させることができ、これに適宜デフォーカ
ス情報を与えることにより、スポットサイズ法によるフ
ォーカシングエラー信号の検出を可能にすると共に、プ
ッシュプル法によるトラッキングエラー信号の検出をも
可能にする、光ディスクセンサに適したホログラム素子
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ディスク装置の光学系の概略を示す説明図で
ある。
【図2】この発明の実施形態に係るホログラム素子を用
いたセンサシステムの拡大図である。
【図3】図2のセンサシステムのセンサの配置を示す平
面図である。
【図4】第1の実施形態のホログラム素子の第1のホロ
グラムの作用を示す説明図である。
【図5】第1の実施形態のホログラム素子の作用を示す
説明図である。
【図6】第1の実施形態のホログラム素子を回転させた
ときの回折光の配置を示す図である。
【図7】この発明の第2の実施形態に係るホログラム素
子の作用を示す説明図である。
【図8】図7の合成ホログラムを回転させた様子を示す
説明図である。
【図9】図7の合成ホログラムの異なる回転方向に対す
る回折光の配置を示す図である。
【図10】第1、第2のホログラムの格子ベクトルの関
係を示す説明図である
【図11】第1、第2のホログラムの格子ベクトルの他
の関係を示す説明図である。
【図12】第1、第2のホログラムの格子ベクトルのさ
らに他の関係を示す説明図である。
【図13】従来のセンサシステムにおける第1センサ、
第2センサの受光領域の配置を示す平面図である。
【図14】従来のセンサシステムを利用した場合のスポ
ットのラジアル方向の移動に伴うトラッキングエラー信
号、フォーカシングエラー信号の変化を示すグラフであ
る。
【図15】ディスク上のスポットがランド中央に位置す
る際のラジアル相当方向の光量分布を示すグラフであ
る。
【図16】ディスク上のスポットがグルーブ上に位置す
る際のラジアル相当方向の光量分布を示すグラフであ
る。
【図17】センサ上のクロストーク領域を示す平面図で
ある。
【図18】ディスク上のスポットがランド中央に位置す
る際のタンジェンシヤル相当方向の光量分布を示すグラ
フである。
【図19】ディスク上のスポットがグルーブ上に位置す
る際のタンジェンシヤル相当方向の光量分布を示すグラ
フである。
【符号の説明】
10 センサシステム 11 集光レンズ 12 ホログラム素子 13 第1センサ 14 第2センサ 15 第3センサ 16 第4センサ 22 ホログラム素子

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入射光を第1の方向に関して複数に分離す
    る第1のホログラムと、入射光を前記第1の方向とは異
    なる第2の方向に関して複数に分離する第2のホログラ
    ムとを含み、前記第1のホログラムは、主として±m次
    回折光を発生させ、前記第2のホログラムは、主として
    ±n次回折光を発生させ、前記第1のホログラムの作用
    をF1、前記第2のホログラムの作用をF2で表したと
    き、 Fc=m・F1+n・F2、 ただしm、nは0を除く整数、で与えられる、合成され
    た作用Fcがデフォーカスを与える作用を含むことを特
    徴とする光ディスクセンサ用ホログラム素子。
  2. 【請求項2】 前記第1のホログラムの格子ベクトルを
    G1、前記第2のホログラムの格子ベクトルをG2とし
    て、以下の条件(1),(2) m|G1|=n|G2| ・・・(1) G2≠k・G1 ・・・(2) ただしkは実数、を満たすことを特徴とする請求項1に
    記載の光ディスクセンサ用ホログラム素子。
  3. 【請求項3】 m=n=1であることを特徴とする請求
    項1または2に記載の光ディスクセンサ用ホログラム素
    子。
  4. 【請求項4】前記第1の方向と、前記第2の方向は互い
    に直交することを特徴とする請求項3に記載の光ディス
    クセンサ用ホログラム素子。
JP20562198A 1997-07-22 1998-07-21 光ディスクセンサ用ホログラム素子 Expired - Fee Related JP3351743B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20562198A JP3351743B2 (ja) 1997-07-22 1998-07-21 光ディスクセンサ用ホログラム素子
US09/120,369 US6104689A (en) 1997-07-22 1998-07-22 Sensor system for optical disc drive

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21137297 1997-07-22
JP9-211372 1997-07-22
JP20562198A JP3351743B2 (ja) 1997-07-22 1998-07-21 光ディスクセンサ用ホログラム素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1196569A JPH1196569A (ja) 1999-04-09
JP3351743B2 true JP3351743B2 (ja) 2002-12-03

Family

ID=26515164

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20562198A Expired - Fee Related JP3351743B2 (ja) 1997-07-22 1998-07-21 光ディスクセンサ用ホログラム素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3351743B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4944026B2 (ja) * 2005-04-14 2012-05-30 パナソニック株式会社 光ヘッド装置及び光情報処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1196569A (ja) 1999-04-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3507632B2 (ja) 回折格子レンズ
JP2793067B2 (ja) 光ヘッド
JPH07129980A (ja) 光ピックアップ
US6104689A (en) Sensor system for optical disc drive
JP4533349B2 (ja) 光ピックアップ装置
JPH04364231A (ja) 光学ヘッド装置
JP2002109778A (ja) 光ピックアップ装置
KR20060063943A (ko) 광픽업 장치
JPH05307759A (ja) 光ピックアップ
JP3351743B2 (ja) 光ディスクセンサ用ホログラム素子
JP3455399B2 (ja) 光ディスク用センサシステム
JP2594445B2 (ja) ホログラム光ヘッド
KR20050114700A (ko) 집광 광학계
JP4307764B2 (ja) 光ピックアップ装置
JPH0626023B2 (ja) 信号検出装置
JP3348873B2 (ja) 焦点ずれ検出装置およびそれを用いた光ヘッド
KR950003175B1 (ko) 광 픽업 장치
JP3455398B2 (ja) 光ディスク用センサシステム
JPH0474320A (ja) 3ビーム方式光学ヘッド
JPH04339330A (ja) 光ヘッド
JPH05307760A (ja) 光ピックアップ
JP3544785B2 (ja) 光学式記録再生装置
JP2648140B2 (ja) 光学式ヘツド装置
JP2641258B2 (ja) 光学式ヘッド装置
JP2633979B2 (ja) 光ピックアップ

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees