JP3787102B2 - 光ピックアップ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ピックアップ装置に係わり、特に、光ディスク等の光記録媒体上に集束光ビームを投射して情報アクセスを行なう際に、集束光ビームを光記録媒体上に良好な状態でフォーカスさせるフォーカス制御手段を有する光ピックアップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、マルチメディアが大きく発展したのに伴い、モバイル機器においては、デジタル静止画や動画等の大容量データの処理が行なわれている。このような大容量データは、通常、光ディスク等の大容量の記録媒体に蓄積され、必要に応じてランダムアクセスによって再生される。光ディスクは、ランダムアクセスが可能で、フロッピディスク等の磁気記録媒体よりも記録密度を大きくできるため、大容量の記録媒体に適している。
【0003】
また、近年においては、各種機器の小型軽量化が促進されており、光ディスク装置もその例外ではない。かかる小型軽量な光ディスク装置としては、例えば「日経エレクトロニクス」2001年7月16日号に開示された光ディスク装置がある。この光ディスク装置は、直径30mm乃至50mmの小径の光ディスクを用いており、半導件レーザ、光検出器、ミラー等を集積した「Siサブマウント」と、対物レンズ、1/4波長板、偏光ビームスプリッタ等の光学部品をブロック化した「光学ブロック」とを合体した構造を有し、外形寸法が4.93mm×3.3mm×l.4mmの超小型光ピックアップ装置を採用している。
【0004】
ところで、光ディスクは、情報記録を行なう際に相変化媒体を利用したものがある。この相変化媒体は、情報記録を行う際に、記録膜上に集束光ビームを投射し、そのときに発生する熱により記録膜に結晶質部分と非晶質部分とを選択形成するもので、記録情報を再生する際には、結晶質部分と非晶質部分からの反射光量の差を利用して行うものである。
【0005】
一般に、光ディスクへの情報記録及び光ディスクからの情報再生は、光ピックアップ装置を用いて行われる。光ピックアップ装置は、半導体レーザ等の光源から放射された光ビームを対物レンズにより集光スポットとして光ディスク上に投射するもので、例えば対物レンズの開口数が0.60であり、半導体レーザの放射光ビームの波長が0.655μmであれば、光ディスク上に直径0.9μm程度の集光スポットが形成される。
【0006】
光ディスクは、情報記録時及び情報再生時にそれぞれスピンドルモータにより回転される。この回転時に、光ディスクが面振れを生じると、光ビームのフォーカス位置が光ディスク上から外れ、フォーカスエラーが発生する。フォーカスエラーを生じたときは、光ディスク上のビームスポット径が拡がる。この状態で情報を再生した場合は、信号の変調度が低下し、正確に情報を読み取ることができなくなる。一方、この状態で情報を記録した場合には、投射光ビームによって光ディスク面に所望の温度上昇を得ることができず、正確に情報記録することができなくなる。
【0007】
かかるフォーカスエラーの発生を回避するため、光ピックアップ装置においては、フォーカスエラーの発生を光学的に検出し、光ビームの集光位置を光ディスク上に追従させるレンズアクチュエータ等の自動焦点制御機構を設けている。この自動焦点制御機構は、例えば対物レンズの開口数が0.60であり、光ビームの波長が0.655μmであれば、焦点深度が±1μmになるので、光ビームの集光位置が常時±1μmの範囲内にあるように制御を行なっている。
【0008】
ところで、前記超小型光ピックアップ装置は、軽量小形化を達成することができる反面、光源、光検出器等の光学部品を集積一体化した構造にしたため、これらの素子を個別に位置調整することができず、フォーカスエラー信号に基づくオフセット調整が難しくなっている。このため、前記超小型光ピックアップ装置においては、「Siサブマウント」と「光学ブロック」とを合体するとき、半導体レーザを駆動して光ビームを放射させ、この光ビームを光検出器で受光することにより最適なオフセット位置の調整を行なっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記超小型光ピックアップ装置は、「Siサブマウント」と「光学ブロック」とを合体するとき、オフセット位置の調整を行なう工程と、その他にも光学部品の配置位置を高精度に管理する工程とを経て製造されるため、製造コストが増大してしまう。
【0010】
そこで、前記超小型光ピックアップ装置における製造コストの増大を回避するために、特開平1−303632号公報に開示の装置や特開平4−159618号公報に開示の装置等が提案されている。
【0011】
まず、特開平1−303632号公報に開示の装置は、回折格子を用いて光記録媒体上のフォーカス位置がそれぞれ異なる2つのサブ光ビームを形成し、形成した2つのサブ光ビームを光記録媒体に照射する。そして、光記録媒体上から反射した2つのサブ反射光ビームをそれぞれ光検出器に導入し、これらの光検出器で検出した2つの検出信号のビット変調度を比較し、フォーカスエラー信号を得ているもので、これによりこれらの光検出器の配置位置の調整精度を緩和できるようにしたものである。
【0012】
次に、特開平4−159618号公報に開示の装置は、正と負の非点収差を有する2つのサブ光ビームを形成し、形成した2つのサブ光ビームを光記録媒体に照射する。そして、光記録媒体上から反射した2つのサブ反射光ビームをそれぞれ光検出器に導入し、これらの光検出器で検出された2つの検出信号のビット変調度を比較し、フォーカスエラー信号を得るものであり、これによりこれらの光検出器の配置位置の調整精度を緩和できるようにしたものである。
【0013】
しかるに、前記特開平1−303632号公報に開示の装置は、トラッキング方向のサブ光ビームと情報ビットとの間の相対位置がずれ、ビット変調度が低下すると、フォーカス制御時の引込み動作が不安定になったり、光ディスクのビット信号から変調度を検出するためのエンべロープ検波回路が必要になり、回路構成が複雑になったり、さらに、ビット信号の利用により、RAMディスクにフォーカスエラー信号を形成するビット領域が必要になり、その上、RAMディスクを特殊なフォーマットにしたり、記憶容量がビット領域分だけ低下したり、サンプルサーボ方式の利用によりサーボ精度が低下したり、変調度を利用したフォーカス信号の形成によりフォーカス引込み範囲が制限されたりして、引込み範囲を大きくできない等の点を有している。
【0014】
一方、前記特開平4−159618号公報に開示の装置は、サブ光ビームを非点収差光ビームとし、トラッキング方向が長径となる楕円スポットを光ディスク上に形成しているので、トラッキングエラーの影響を受けることは少ないものの、その他の点は依然として解決されていない。
【0015】
本発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたもので、その目的は、光ディスクを汎用的なフォーマットにし、特殊な回路を用いずに、光軸方向の調整を必要とせず、光検出手段における各構成要素の位置調整精度を大幅に緩和できる光ピックアップ装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、光源から放射された入射光ビームを光記録媒体上に集光させる入射光ビーム路と、光記録媒体から反射した反射光ビームを入射光ビーム路から分離して光検出手段に導入する反射光ビーム路と、フォーカス制御信号形成手段とを備え、入射光ビーム路は、入射光ビームから光記録媒体上に集光するメイン光ビーム及びメイン光ビームの光記録媒体上の集光位置に略対称なデフォーカス位置にそれぞれ集光する2つのサブ光ビームを形成するサブ光ビーム形成手段を有し、反射光ビーム路は、光記録媒体への2つのサブ光ビームの入射に対応して得られた2つのサブ反射光ビームの光量を制御するビーム光量制御手段を有し、光検出手段は、複数の受光部を有し、フォーカス制御信号形成手段は、複数の受光部の中の2つの受光部で得られた光量検出信号の差信号を形成する信号演算手段を有し、差信号によりフォーカス制御を行なう第1の手段を備える。
【0017】
前記第1の手段によれば、サブ光ビーム形成手段により入射光ビームから2つのサブ光ビームを形成し、光検出手段に少なくとも2つのサブ反射光ビームを受光する2つの受光部を設け、これら2つの受光部から得られた光量検出信号の差信号を求めることによってフォーカスエラー信号を得ているもので、フォーカスエラー信号を得る際に、光検出手段の受光面をそれに垂直な光軸方向に微調整する必要がなく、2つの受光部でサブ反射光ビームを受光するだけで済むので、光学系の構成を簡素化することができ、小型化が可能になる。
【0018】
この場合、前記第1の手段におけるサブ光ビーム形成手段は第1の回折素子であり、光量制御手段は第2の回折素子である構成が用いられる。
【0019】
このような構成にすれば、サブ光ビーム形成手段を構成する回折素子により2つのサブ光ビームをそれぞれ+1次回折光と−1次回折光にし、これら2つのサブ光ビームをメイン光ビームの光記録媒体上の集光点に対して略対称なデフォーカス位置に集束させるようにすれば、光検出手段におけるメイン光ビームの集光点でゼロクロスするフォーカスエラー信号を自動形成することが可能になる。
【0020】
また、前記目的を達成するために、本発明は、光源から放射された入射光ビームを光記録媒体上に集光させる入射光ビーム路と、光記録媒体から反射した反射光ビームを入射光ビームと分離した後光検出手段に導入させる反射光ビーム路と、フォーカス制御信号形成手段とを備え、入射光ビーム路は、入射光ビームから光記録媒体上に集光するメイン光ビーム及びメイン光ビームの光記録媒体上の集光位置に略対称なデフォーカス位置にそれぞれ集光する2つのサブ光ビームとを形成するサブ光ビーム形成手段を有し、反射光ビーム路は、光記録媒体への2つのサブ光ビームの入射に対応して得られた2つのサブ反射光ビームの光量を制御するビーム光量制御手段を有し、光検出手段は、複数の受光部を有し、フォーカス制御信号形成手段は、主受光部メインビームの光量検出信号レベルと所定の閾値レベルとを比較して引込み可否を判定する判定信号を出力するフォーカス引込み範囲判定手段と、複数の受光部の中の2つの受光部で得られた光量検出信号の差信号を形成する信号演算手段とを有し、判定信号が引込み可であるときに差信号によりフォーカス制御を行なう第2の手段を備える。
【0021】
前記第2の手段によれば、フォーカス引込み範囲判定手段を設け、このフォーカス引込み範囲判定手段から引込み可否を判定する判定信号が出力され、この判定信号が引込み可であるときだけ、差信号によりフォーカス制御を行うようにしているので、前記第1の手段によって得られる機能に加え、フォーカスエラー信号に本来のゼロクロス点以外のセカンドゼロクロス点が存在していたとしても、そのセカンドゼロクロス点の影響を受けることなく、差信号による正規のフォーカス制御を行うことが可能になる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、本発明による光ピックアップ装置の第1の実施の形態を示すもので、その要部構成を示す横断面図であり、互いに直交関係にある3軸をX、Y、Z軸としたとき、そのX−Z平面上の構成を表すものである。
【0024】
図1に示されるように、この光ピックアップ装置は、レーザ光源1と、コリメータレンズ2と、ビームスプリッタ3と、回折素子4と、対物レンズ5と、集光レンズ6と、光検出器(光検出手段)7とからなり、その他に、光ピックアップ装置に装着した光ディスク8を備える。対物レンズ5は、光ディスク8に近接した位置に配置され、回折素子4は、後述するように、光ビーム透過面内に平行状態に形成した2つの回折格子4a、4bを有している。光検出器7は、同じく後述するように、複数の受光部を有している。
【0025】
この光ピックアップ装置の構成部品例として、レーザ光源1は、半導体レーザであって、波長655nmの光ビームを放射する。コリメータレンズ2は、焦点距離5.5mmで、開口数0.12を有している。回折素子4は、ガラス、プラスチック等からなる透明基板の表面に回折格子(ホログラムパターン)4a、4bが形成され、回折格子4a、4bにより入射光ビームから2つのサブ光ビームを発生させる。対物レンズ5は、焦点距離1mmで、開口数0.60を有している。
【0026】
前記構成による光ピックアップ装置は、基本的に次のように動作する。
【0027】
レーザ光源1から放射された発散光ビームは、コリメータレンズ2を透過する際に発散光ビームから平行光ビームに変更される。この平行光ビームは、入射光としてビームスプリッタ3を透過し、次いで回折格子4a、4bを有する回折素子4を透過し、対物レンズ5によって光ディスク8上に集光される。このときの集光スポットは、直径約0.9μmの略円形になる。光ディスク8上で反射した発散光ビームは、反射光ビームとして再び対物レンズ5を透過する際に発散光ビームから平行光ビームに変更される。この反射光ビームは、回折格子4a、4bを有する回折素子4を透過し、ビームスプリッタ3に入射される。この後、反射光ビームは、ビームスプリッタ3において光軸が約90°変更され、集光レンズ6を透過する際に集光され、光検出器7に入射する。光検出器7は、後述するように、複数の受光部を備え、それぞれの受光部からフォーカスエラー信号(以下、FE信号という、トラッキングエラー信号(以下、TE信号という)、記録情報検出信号(以下、RE信号という)等が出力される。
【0028】
図2は、図1に図示された光ピックアップ装置に用いられる回折素子4の一例を示す平面図であり、回折素子4を光ディスク8側から見たものである。
【0029】
図2に示すように、回折素子4は、点線で示された対物レンズ5の有効直径dに対応した円形の入射光ビーム透過領域4cを有し、入射光ビーム透過領域4c内に平行に長方形状の2つの回折格子4a、4bが形成されている。2つの回折格子4a、4bは、X軸方向が長辺で寸法lを有し、Y軸方向が短辺で寸法wを有し、X軸方向が回折方向になる。2つの回折格子4a、4bは、Y軸方向の中心間距離(回折格子間隔)がsである。このような2つの回折格子4a、4bを形成したとき、図1に示されるように、光ディスク8上のメイン光ビーム(0次回折光)の集光点に対して、2つのサブ光ビーム(±1次回折光)の集光点は、X軸方向に±aμm、Z軸方向(光軸方向)に±bμmだけずれた位置に形成される。
【0030】
具体的には、入射光ビームの円形状の透過領域4cの直径dを1.2mmにするのに対して、2つの回折格子4a、4bの長辺寸法lを0.75mm、短辺寸法wを0.1mm、中心間距離sを0.8mmに設定し、2つのサブ光ビームの集光点を、メイン光ビームの集光点に対してX軸方向に±50μm、Z軸方向(光軸方向)に±15μmずれた位置に設定する。なお、2つのサブ光ビームの集光点は、メイン光ビームの集光点に対してデフォーカス位置にあって、トラックの影響を受けないため、光ディスク8の任意の位置に形成することが可能である。しかし、2つのサブ光ビームの集光点が反射率の異なる領域にまたがるように形成されると、FE信号にオフセットが発生し、集光点がフォーカス深度の範囲外となる場合があるので、回折方向(X軸方向)をトラックに沿った方向(タンジェンシヤル方向)に設定することが好ましい。
【0031】
次に、図3は、第1の実施の形態の光ピックアップ装置に用いられる信号演算手段の構成の一例を示す構成図であって、光検出器7の5つの受光部とこれらの受光部に集光される光スポットとの位置関係を示すものである。
【0032】
図3に示すように、光検出器7は、5つの受光部7a、7b、7c、7d、7eを有し、受光部7bに差動増幅器(信号演算手段)9の反転入力(−)が、受光部7dに差動増幅器9の非反転入力(+)がそれぞれ接続される。この場合、受光部7aは、入射光ビーム路の+1次回折光であって反射光ビーム路の+1次回折光である1対の光スポットSPlが集光される。受光部7bは、入射光ビーム路の+1次回折光であって反射光ビーム路の0次回折光である1対の光スポットSP2、及び、入射光ビーム路の0次回折光であって反射光ビーム路の十1次回折光である1対の光スポットSP3が集光される。受光部7cは、入射光ビーム路の0次回折光であって反射光ビーム路の0次回折光である1対の光スポットSP4、及び、入射光ビーム路の1次回折光であって反射光ビーム路の−1次回折光である1対の光スポットSP5、及び、入射光ビーム路の−1次回折光であって反射光ビーム路の+1次回折光である1対の光スポットSP6がそれぞれ集光される。受光部7dは、入射光ビーム路の−1次回折光であって反射光ビーム路の0次回折光である1対の光スポットSP7、及び、入射光ビーム路の0次回折光であって反射光ビーム路の−1次回折光である1対の光スポットSP8が集光される。受光部7eは、入射光ビーム路の−1次回折光であって反射光ビーム路の−1次回折光である1対の光スポットSP9が集光される。このように、5つの受光部7a乃至7dは、合計9つの光スポットSP1乃至SP9が形成される。この場合、光スポットSP2と光スポットSP3、光スポットSP5と光スポットSP6、光スポットSP7と光スポットSP8は、それぞれほぼ同じ位置に集光する。
【0033】
また、差動増幅器9は、フォーカス制御信号形成手段を構成しているもので、受光部7a乃至7eから得られる光量検出信号をそれぞれA乃至Eで表わすと、差動増幅器9がB−Dを演算し、その演算結果がFE信号になる。この場合、3つの受光部7a、7c、7eはFE信号を得る際に使用されないが、TE信号やRF信号を得る場合または光検出器7の位置調整に利用される。RF信号は受光部7cから出力される光量検出信号Cから検出される。光量検出信号Cには、本来情報信号として利用すべき光スポットSP4以外に光スポットSP5、SP6の情報が混入している。しかし、入射光ビーム路の±1次回折光の集光点は、メイン光ビームの集光点に対して15μm程度デフォーカスした位置にあって、情報信号の変調を受けないように設計されているので、光スポットSP5、SP6は、RF信号の検出に殆ど影響を与えることがない。
【0034】
次いで、図4(a)乃至(c)及び(d)乃至(f)は、図1に図示の光ピックアップ装置の動作状態の概要を示す動作説明図であって、(a)及び(d)は光ディスク8が対物レンズ5の焦点位置にある場合、(b)及び(e)は光ディスク8が対物レンズ5の焦点位置よりも若干近い位置にある場合、(c)及び(f)は光ディスク8が対物レンズ5の焦点位置よりも若干遠い位置にある場合を表している。
【0035】
図4(a)乃至(f)において、10はサブ光ビームであり、その他、図1及び図2に図示された構成要素と同じ構成要素について同じ符号を付けている。
【0036】
この場合、図4(a)乃至(f)においては、説明を判り易くするため、入射光ビームが光ディスク8を透過して反射光ビームになり、そのまま直進して反射光ビーム路を通るような表現形式にしている。また、図示のサブ光ビームは、入射光ビーム路で発生した2つのサブ光ビームの一方だけを表している。
【0037】
レーザ光源1から放射された発散光ビームは、入射光ビームとして、コリメータレンズ2を透過するときに平行光ビームに変換された後、ビームスプリッタ3を透過し、回折素子4に入射される。回折素子4においては、入射光ビームが回折格子4a、4bを通るときに2つのサブ光ビームが形成され、メイン光ビームとともに対物レンズ5に入射される。メイン光ビーム及び2つのサブ光ビームは、対物レンズ5を透過する際に集光され、光ディスク8上に集光する。光ディスク8を通過(実際は反射)した発散光ビームは、反射光ビームとして、再び対物レンズ5を透過するときに平行光ビームに変換された後、回折格子4a、4bを有する回折素子4に入射され、回折素子4を透過する。この後、メイン反射光ビーム及び2つのサブ反射光ビームは、集光レンズ6を透過する際に集光され、光検出器7の光検出面上に集光される。
【0038】
図4(a)及び(d)に図示の例において、入射光ビーム路に設けられた回折格子4a、4bにより発生した2つのサブ光ビームが光ディスク8を通過(実際は反射)することにより、2つのサブ反射光ビームになり、それらのサブ反射光ビーム10が反射光ビーム路の回折素子4に入射するとき、ほぼ全光量が回折格子4a、4bに入射する。図4(d)は、このときの状態を示すもので、回折格子4a、4bの形成位置とサブ反射光ビーム10の入射位置(斜線領域)とは回折方向(X軸方向)に相対的にずれている。この後、回折格子4a、4bを回折透過した2つのサブ反射光ビームは、集光レンズ6で集光され、光検出器7に入射される。FE信号を形成する場合には、図3で説明したように、反射光ビーム路の0次回折光である光スポットSP2及び光スポットSP7を利用する。
【0039】
次に、図4(b)及び(e)に図示の例、及び、図4(c)及び(f)に図示の例において、サブ反射光ビーム10が反射光ビーム路の回折素子4に入射するまでの動作及び回折格子4a、4bを回折透過した2つのサブ反射光ビームが光検出器7に入射するまでの動作は、図4(a)及び(d)に図示の例と同じであるが、サブ反射光ビーム10が回折格子4a、4bに入射するとき、一部の光量が回折格子4a、4bに入射し、残りの光量が回折格子4a、4bの非形成部分に入射する。図4(e)及び図4(f)は、このときの状態を示すもので、回折格子4a、4bの形成位置とサブ反射光ビーム10の入射位置(斜線領域)とは回折方向(X軸方向)及び回折方向との直交方向(Y軸方向)に相対的にずれており、図4(e)の状態のときと図4(f)の状態のときとは、回折方向との直交方向(Y軸方向)のずれ方向が互いに逆になっている。
【0040】
サブ反射光ビーム10が回折素子4に入射する場合、回折格子4a、4bの形成部分においては、回折の影響により回折素子4を透過する光量が減少する。例えば、0次回折効率が20%、1次回折効率が40%(+1次と−1次をそれぞれ40%)になるように設定したとき、回折格子4a、4bの形成部分は入射光量の20%だけが透過するが、回折格子4a、4bの非形成部分は回折を生じないので、入射光量のほぼ100%が透過する。このため、図4(d)、(e)、(f)における回折格子4a、4bとサブ反射光ビーム10とが重なっている部分の透過光量は、それ以外の部分に比べて大きく減少する。
【0041】
したがって、光ディスク8が対物レンズ5の焦点位置にあるとき、回折素子4を透過するサブ反射光ビームの光量が最小になり、光ディスク8が対物レンズ5の焦点位置に対して遠近どちらかの方向に片寄った位置にあるとき、焦点位置からの片寄りの程度が大きくなるほど、回折素子4を透過するサブ反射光ビームの光量が増加する。
【0042】
また、2つのサブ光ビームの中の他方のサブ光ビームについても前述の場合と同様で、光ディスク8の位置に応じてサブ反射光ビーム10が回折素子4を透過するときの透過光量が変化する。そして、2つのサブ光ビームは、メイン光ビームの焦点位置に対して対称なデフォーカス位置に焦点を結ぶように形成されているので、これらの2つのサブ反射光ビームについて、その全透過光量の差信号を演算することにより、メイン光ビームの焦点位置においてゼロクロスするS字曲線状のFE信号を得ることができる。
【0043】
光検出器7におけるそれぞれの光スポットSPl乃至SP9の位置調整は、光量が最大になるメイン反射光ビームに対応する光スポットSP4が受光部7cの中央部分に形成されるようにすればよい。この場合、それぞれの受光部7a乃至7eは、分割されていないので、所定のデフォーカス範囲内において各光スポットSPl乃至SP9が自己の受光部7a乃至7eからはみ出さない限り、微調整を行う必要がない。
【0044】
続く、図5(a)、(b)は、図3に図示された差動増幅器9の出力側に得られたFE信号と差動増幅器9に入力される光検出信号B及び光検出信号Dとを表した特性図であり、(a)は不要回折光の影響を考慮しない場合、(b)は不要回折光の影響を考慮した場合の特性図である。
【0045】
図5(a)、(b)において、横軸はμmで表した光ディスク8の焦点位置からのずれ量(フォーカスエラー)を表わし、縦軸は任意単位のFE信号強度を表している。
【0046】
受光部7bから出力される光検出信号Bは、不要回折光である光スポットSP3に基づく信号成分が含まれており、光検出信号Dは、同じく不要回折光である光スポットSP8に基づく信号成分が含まれている。これらの不要回折光の影響を検討するために、光スポットSP3に基づく信号成分及び光スポットSP8に基づく信号成分をそれぞれ除去し、光検出信号Bを光スポットSP2に基づく信号成分だけにし、光検出信号Dを光スポットSP7に基づく信号成分だけにしたときのFE信号を計算すると、図5(b)に示すような特性が得られる。
【0047】
図5(b)に示されるFE信号は、原理通りにサブ光ビームのデフォーカス量(±15μm)と光検出信号B及び光検出信号Dが最小になるフォーカスエラーとが一致している。これに対して、図5(a)に示される実際のFE信号は、光検出信号B及び光検出信号Dが最小になるフォーカスエラーとサブ光ビームのデフォーカス量とが対応していない。しかし、不要回折光である光スポットSP3及び光スポットSP8は、いずれも入射光ビーム路の0次回析光から発生するので、フォーカス状態の変化に伴う光量の変化が略一致しており、FE信号への影響は、FE信号(差信号)を演算するときにキャンセルされる。その結果、図5(a)及び図5(b)に示されるように、ほぼ同じようなS字特性曲線となるFE信号を得ることができる。
【0048】
このように、第1の実施の形態による光ピックアップ装置によれば、光検出信号B及び光検出信号Dは、サブ光ビームの焦点位置がメイン光ビームの焦点位置と同じになるとき最小になり、メイン光ビームの焦点位置からずれればずれるほど大きくなる。しかし、そのずれがかなり大きくなると、光スポットSP2及び光スポットSP7の大きさが拡大し過ぎ、受光部7b、7dからはみ出してしまうことがあり、その結果、光検出信号B及び光検出信号Dが逆に小さくなってしまう。このようなはみ出しが生じると、FE信号のS字特性曲線が変化し、所望にFE信号の引込み範囲を得ることができなくなる。なお、前述のように、不要回折光の影響は、FE信号(差信号)を演算するときにキャンセルされるが、光検出器7の調整誤差を考慮すれば、その影響を排除しておく方が好ましい。
【0049】
なお、第1の実施の形態においては、記録媒体が光ディスク8である例を挙げて説明したが、本発明による記録媒体は光ディスク8である場合に限られるものでなく、カード状、シート状のような記録媒体であってもよい。
【0050】
次に、図6乃至図8に基づいて、本発明による光ピックアップ装置の第2の実施の形態について説明する。
【0051】
図6は、第2の実施の形態の光ピックアップ装置に用いる信号演算手段の構成の一例を示す構成図であって、光検出器の5つの受光部とこれらの受光部に集光される光スポットとの位置関係を示すものであり、図3に対応したものである。
【0052】
図6において、図3に示された構成要素と同じ構成要素について同じ符号を付けている。
【0053】
図6に図示された信号演算手段と、図3に図示された信号演算手段との構成の違いは、差動増幅器9への受光部の接続状態と、差動増幅器9で行われるFE信号の演算手法である。図3に図示された第1の実施の形態は、差動増幅器9の入力に受光部7bと受光部7dが接続され、差動増幅器9で光検出信号Bと光検出信号Dとの差信号B−Dを演算しているのに対し、図6に図示された第2の実施の形態は、差動増幅器9の入力に受光部7aと受光部7eが接続され、差動増幅器9で光検出信号Aと光検出信号Eとの差信号A−Eを演算している点が異なっている。
【0054】
すなわち、第2の実施の形態は、入射光ビーム路の+1次回折光であって反射光ビーム路の+1次回折光である1対の光スポットSPlと、入射光ビーム路の−1次回折光であって反射光ビーム路の−1次回折光である1対の光スポットSP9とを用いているもので、受光部7aから出力された光検出信号Aと受光部7eから出力された光検出信号Eとを差動増幅器9に供給する。差動増幅器9は、供給された光検出信号Aと光検出信号Eを差動増幅し、光検出信号Aと光検出信号Eの差信号A−Eを形成し、形成した差信号A−EをFE信号として出力する。この場合、受光部7b及び受光部7dはFE信号を形成する際に不要になるが、TE信号の検出及びRF信号の検出、それに光検出器7の位置調整には利用される。
【0055】
また、図7(a)乃至(c)及び(d)乃至(f)は、光ピックアップ装置の動作状態の概要を示す動作説明図であって、(a)及び(d)は光ディスク8が対物レンズ5の焦点位置にある場合、(b)及び(e)は光ディスク8が対物レンズ5の焦点位置よりも若干近い位置にある場合、(c)及び(f)は光ディスク8が対物レンズ5の焦点位置よりも若干遠い位置にある場合を表しており、図3(a)乃至(f)に対応するものである。
【0056】
図7(a)乃至(f)において、図3(a)乃至(f)に図示された構成要素と同じ構成要素に同じ符号を付けている。
【0057】
図7(a)乃至(f)においては、この場合も、説明を判り易くするため、入射光ビームが光ディスク8を透過して反射光ビームになり、そのまま直進して反射光ビーム路を通るような表現形式にしている。また、図示のサブ光ビームは、入射光ビーム路で発生した2つのサブ光ビームの一方だけを表している。
【0058】
図7(a)及び(d)に図示の例において、入射光ビーム路に設けられた回折格子4a、4bにより発生した2つのサブ光ビームが光ディスク8を通過(実際は反射)して2つのサブ反射光ビームになり、それらのサブ反射光ビーム10が反射光ビーム路の回折素子4に入射するとき、ほぼ全光量が回折格子4a、4bに入射する。図7(d)は、このときの状態を示すもので、回折格子4a、4bの形成位置とサブ反射光ビーム10の入射位置(斜線領域)とは回折方向(X軸方向)に相対的にずれている。この後、回折格子4a、4bを回折透過した2つのサブ反射光ビームは、集光レンズ6で集光され、光検出器7に入射される。FE信号を形成する場合は、図6で説明したように、入射光ビーム路の+1次回折光で、反射光ビーム路の+1次回折光である光スポットSPlと、入射光ビーム路の−1次回折光で、反射光ビーム路の−1次回折光である光スポットSP9とを用いる。
【0059】
次に、図7(b)及び(e)に図示の例、及び、図7(c)及び(f)に図示の例において、サブ反射光ビーム10が反射光ビーム路の回折素子4に入射するまでの動作及び回折格子4a、4bを回折透過した2つのサブ反射光ビームが光検出器7に入射するまでの動作は、図7(a)及び(d)に図示の例と同じであるが、サブ反射光ビーム10が回折格子4a、4bに入射するとき、一部の光量が回折格子4a、4bに入射し、残りの光量が回折格子4a、4bの非形成部分に入射する。図7(e)及び図7(f)は、このときの状態を示すもので、回折格子4a、4bの形成位置とサブ反射光ビーム10の入射位置(斜線領域)とは回折方向(X軸方向)及び回折方向との直交方向(Y軸方向)に相対的にずれており、図7(e)の状態のときと図7(f)の状態のときとは、回折方向との直交方向(Y軸方向)のずれ方向が互いに逆になっている。
【0060】
この場合は、サブ反射光ビーム10が回折素子4に入射する際に、回折格子4a、4bの形成部分においては、回折素子4で回折する光量が発生する。例えば、0次回折効率が20%、1次回折効率が40%(+1次と−1次をそれぞれ40%)になるように設定すると、回折格子4a、4bの形成部分は入射光量の40%が回折するが、回折格子4a、4bの非形成部分は回折を生じない。
【0061】
したがって、光ディスク8が対物レンズ5の焦点位置にあるとき、回折素子4で回折するサブ反射光ビームの光量が最大になり、光ディスク8が対物レンズ5の焦点位置に対して遠近どちらかの方向に片寄った位置にあるとき、焦点位置からの片寄りの程度が大きくなるほど、回折素子4で回折するサブ反射光ビームの光量が減少する。
【0062】
また、2つのサブ光ビームの中の他方のサブ光ビームについても前述の場合と同様で、光ディスク8の位置に応じてサブ反射光ビーム10が回折素子4で回折するときの回折光量が変化する。そして、2つのサブ光ビームは、メイン光ビームの焦点位置に対して対称なデフォーカス位置に焦点を結ぶように形成されているので、これらの2つのサブ反射光ビームについて、その回折光量の差信号を演算すれば、メイン光ビームの焦点位置においてゼロクロスするS字曲線状のFE信号が得られる。
【0063】
さらに、図8は、図6に図示された差動増幅器9の出力側に得られたFE信号と差動増幅器9に入力される光検出信号A及び光検出信号Eとを表した特性図である。
【0064】
図8において、横軸はμmで表した光ディスク8の焦点位置からのずれ量(フォーカスエラー)を表わし、縦軸は任意単位のFE信号強度を表している。
【0065】
図8に示されるように、第2の実施の形態において、光検出信号A及び光検出信号Eの強度は、それらの焦点位置において最大になり、焦点位置からずれるにしたがって小さくなるように変化する。そして、焦点位置からのずれ量が大きくなると、光スポットSP1及び光スポットSP9が拡大し、受光部7a、7eからはみ出してしまうことになるが、光検出信号A及び光検出信号Eは、本来、小さくなる方向に変化するので、はみ出しによる影響は小さい。この場合、光スポットSP1及び光スポットSP9が受光部7a及び受光部7eからはみ出すようになる前に、サブ光ビームが回折素子4の回折格子4a、4bに入射しなくなるように設計すれば、受光部7a、7eからの光スポットSP1、SP9のはみ出しが生じなくなる。
【0066】
また、図6に示されるように、第2の実施の形態においては、受光部7aに光スポットSP1以外の不要回折光が入射せず、受光部7eに光スポットSP9以外の不要回折光が入射しないので、不要回祈光の入射を除去する必要がないものである。
【0067】
次いで、図9及び図10に基づいて、本発明による光ピックアップ装置の第3の実施の形態について説明する。
【0068】
この第3の実施の形態は、第1の実施の形態及び第2の実施の形態において生じているFE信号のセカンドゼロクロス(本来サーボを実行すべき位置以外のゼロクロス点)の影響を除去するようにしたものである。
【0069】
第3の実施の形態による光ピックアップ装置の構成は、見掛け上、図1に図示された第1の実施の形態による構成と同じであるが、光検出器7の受光部7cから出力される光検出信号Cを用い、フォーカス引込み範囲判定信号を生成している点において第1の実施の形態のものと異なっている。
【0070】
図9(a)、(b)は、差動増幅器9の出力側に得られたFE信号と差動増幅器9に入力される光検出信号Cとを表した特性図であって、(a)は第1の実施の形態におけるFE信号と光検出信号Cを示し、(b)は第2の実施の形態におけるFE信号と光検出信号Cを示したものである。
【0071】
図9(a)、(b)において、横軸はμmで表した光ディスク8の焦点位置からのずれ量(フォーカスエラー)を表わし、縦軸は任意単位のFE信号強度を表している。
【0072】
図9(a)、(b)に示されるように、光検出信号Cは、FE信号の本来のゼロクロス点の近傍で比較的大きな値になる。このため、光検出信号Cを予め設定した閾値THと比較し、光検出信号Cが閾値THよりも大きくなったときに焦点引込みを行なうようにすれば、セカンドゼロクロス点の影響を受けずに、本来のゼロクロス点において焦点位置への引込みが可能になる。
【0073】
図10は、第3の実施の形態におけるフォーカス引込み範囲判定手段の構成の一例を示すブロック図であって、受光部7c及びシステムコントローラ12とともに表したものである。
【0074】
図10において、フォーカス引込み範囲判定手段は、比較回路11からなり、比較回路11の一方の入力が受光部7cに接続され、他方の入力がシステムコントローラ12に接続される。
【0075】
図10に図示されたフォーカス引込み範囲判定手段は、次のように動作する。比較回路11は、一方の入力に供給される受光部7cから出力された光検出信号Cと、他方の入力に供給されるシステムコントローラ12で設定される閾値THとを比較し、光検出信号Cが閾値THよりも大きいときに判定信号を発生する。そして、この判定信号はFE信号とともにフォーカス制御手段(図10に図示なし)に供給される。フォーカス制御手段は、判定信号が供給されているときに限って、FE信号に基づく所要のフォーカス引込みを実行し、判定信号が供給されていないとき、FE信号に基づく所要のフォーカス引込みを実行しない。
【0076】
この他に、フォーカス制御手段は、判定信号が供給されている状態から判定信号が供給されない状態になったとき、フォーカス外れが生じたものと判断して再フォーカス引込みを実行するようにしてもよい。
【0077】
次に、図11乃至図13に基づいて、本発明による光ピックアップ装置の第4の実施の形態について説明する。
【0078】
第4の実施の形態による光ピックアップ装置の構成は、第1の実施の形態の構成における回折素子4の代わりに複合素子13を用いているもので、その他、第1の実施の形態の構成と同じであり、信号感度を向上させるように構成した例を示すものである。
【0079】
図11は、第4の実施の形態に用いられる複合素子13の一例を示す平面図であり、複合素子13を光ディスク8側から見たものである。
【0080】
図11に示すように、複合素子13は対物レンズ5の有効直径dに対応した円形の光ビーム透過領域13cを有し、光ビーム透過領域13c内の表面部分に長方形状の回折格子13aと長方形状の振幅フィルタ13bが平行に形成されている。振幅フィルタ13bは、ガラスまたはプラスチック等の透明基板の表面にクロム(Cr)やアルミニウム(Al)等の金属膜をコーティングしたもので、金属膜の厚みを制御することによって任意の光透過率に設定可能である。この場合、振幅フィルタ13bは、回折格子13aよりもX軸方向の長さがやや長くなるように構成され、回折による位置ずれが生じたとしても、光ビームがはみ出さないようにしており、それによりフォーカス状態の変化を正確に検出することが可能になる。また、入射光ビーム路において、複合素子13の振幅フィルタ13bは殆ど有効的な利用がなされないので、入射光ビームの透過率を0%近くまで減らすことが可能になり、第1の実施の形態のものに比べて光量変化を大きくすることができる。
【0081】
図12は、第4の実施の形態に用いられる信号演算手段の構成の一例を示す構成図であって、光検出器7の3つの受光部とこれらの受光部に集光される光スポットとの位置関係を示すものである。
【0082】
図12に示すように、光検出器7は、3つの受光部7f、7g、7hを有し、受光部7fに差動増幅器(信号演算手段)9の反転入力(−)が、受光部7hに差動増幅器9の非反転入力(+)がそれぞれ接続される。この場合、受光部7fは、入射光ビーム路の回折格子13aの+1次回折光であって反射光ビーム路の振幅フィルタ13bの透過光である光スポットSPl、及び、入射光ビーム路の振幅フィルタ13bの透過光であって反射光ビーム路の回折格子13aの十1次回折光である光スポットSP2が集光される。受光部7gは、入射光ビーム路の複合素子13の透過光であって反射光ビーム路の複合素子13の透過光である光スポットSP3が集光される。受光部13hは、入射光ビーム路の回折格子13aの−1次回折光であって反射光ビーム路の振幅フィルタ13bの透過光である光スポットSP4、及び、入射光ビーム路の振幅フィルタ13bの透過光であって反射光ビーム路の回折格子13aの−1次回折光である光スポットSP5が集光される。このように、3つの受光部7f乃至7hは、合計5つの光スポットSP1乃至SP5が形成される。受光部7fから出力される光検出信号をA、受光部7gから出力される光検出信号をB、受光部7hから出力される光検出信号をCで表すと、差動増幅器9がA−Cを演算し、その演算結果がFE信号になる。なお、光スポットSP2はFE信号を得る際に使用されないが、TE信号やRF信号を得る際等に使用される。
【0083】
図13(a)乃至(c)及び(d)乃至(f)は、第4の実施の形態の光ピックアップ装置の動作状態の概要を示す動作説明図であって、(a)及び(d)は光ディスク8が対物レンズ5の焦点位置にある場合、(b)及び(e)は光ディスク8が対物レンズ5の焦点位置よりも若干近い位置にある場合、(c)及び(f)は光ディスク8が対物レンズ5の焦点位置よりも若干遠い位置にある場合を表しており、図3(a)乃至(f)に対応するものである。
【0084】
図13(a)乃至(f)において、図3(a)乃至(f)及び図11に図示された構成要素と同じ構成要素について同じ符号を付けている。
【0085】
図13(a)乃至(f)においては、この場合も、説明を判り易くするため、入射光ビームが光ディスク8を透過して反射光ビームになり、そのまま直進して反射光ビーム路を通るような表現形式にしている。また、図示のサブ光ビームは、入射光ビーム路で発生した2つのサブ光ビームの一方だけを表している。
【0086】
図13(a)及び(d)に図示の例において、入射光ビーム路に設けた回折格子13aにより発生したサブ光ビームは、光ディスク8を通過(実際は反射)することによってサブ反射光ビームになり、そのサブ反射光ビーム10が反射光ビーム路の振幅フィルタ13bに入射するとき、ほぼ全光量が振幅フィルタ13bに入射する。図13(d)は、このときの状態を示すもので、振幅フィルタ13bの形成位置とサブ反射光ビーム10の入射位置(斜線領域)とは回折方向(X軸方向)に相対的にずれている。この後、振幅フィルタ13bを回折透過したサブ反射光ビームは、集光レンズ6で集光され、光検出器7に入射する。
【0087】
次に、図13(b)及び(e)に図示の例、及び、図13(c)及び(f)に図示の例において、サブ反射光ビーム10が反射光ビーム路の振幅フィルタ13bに入射するまでの動作及び振幅フィルタ13bを回折透過したサブ反射光ビームが光検出器7に入射するまでの動作は、図13(a)及び(d)に図示の例と同じであるが、サブ反射光ビーム10が振幅フィルタ13bに入射するとき、一部の光量が振幅フィルタ13bに入射し、残りの光量が振幅フィルタ13の非形成部分に入射する。図13(e)、(f)は、このときの状態を示すもので、振幅フィルタ13bの形成位置とサブ反射光ビーム10の入射位置(斜線領域)とは回折方向(X軸方向)及び回折方向との直交方向(Y軸方向)に相対的にずれており、図13(e)の状態のときと図13(f)の状態のときとは、回折方向との直交方向(Y軸方向)のずれ方向が互いに逆になっている。
【0088】
この場合においても、振幅フィルタ13bの形成領域内に入射した光量は回折により透過率が減少する。例えば、振幅フィルタ13bの形成領域内の光透過率を0%に設定すると、その領域内では入射光量が殆ど透過せず、その領域外では入射光量が100%が透過する。
【0089】
したがって、光ディスク8が対物レンズ5の焦点位置にあるとき、回折素子4を透過するサブ反射光ビームの光量が最小になり、光ディスク8が対物レンズ5の焦点位置に対して遠近どちらかの方向に片寄った位置にあるとき、焦点位置からの片寄りの程度が大きくなるほど、回折素子4を透過するサブ反射光ビームの光量が増加する。
【0090】
また、2つのサブ光ビームの中の他方のサブ光ビームについても前述の場合と同様で、光ディスク8の位置に応じてサブ反射光ビーム10が振幅フィルタ13bを透過するときの透過光量が変化する。そして、2つのサブ光ビームは、メイン光ビームの焦点位置に対して対称なデフォーカス位置に焦点を結ぶように形成されているので、これらの2つのサブ反射光ビームについて、その全透過光量の差信号を演算することにより、メイン光ビームの焦点位置においてゼロクロスするS字曲線状のFE信号を得ることができる。実際のFE信号曲線は、図5(a)に図示されたものと同様な信号曲線になる。これに対して、受光部7f及び受光部7hの大きさを制限して不要光ビームを除去した場合は、図5(b)に図示されたものと同様な信号曲線となる。
【0091】
第4の実施の形態において、振幅フィルタ13bを用いる代わりに、散乱フィルタを用いることも可能である。散乱フィルタは、透明基板の表面に微小の凹凸を設け、透過する光ビームを散乱させることにより透過光量を変化させるものである。この場合、散乱フィルタのパターンと回折格子13aのパターンは、一体形成した金型を用いて同時に成形することが可能であり、2つのパターンの位置精度が確保し易くなり、製造コストを安価にすることができる。
【0092】
引き続き、図14乃至図16に基づいて、本発明による光ピックアップ装置の第5の実施の形態について説明する。
【0093】
第5の実施の形態による光ピックアップ装置の構成は、第1の実施の形態の構成における回折素子4の代わりに第2の複合素子14を用いているもので、その他、第1の実施の形態の構成と同じであり、信号感度を向上させるように構成した他の例を示すものである。
【0094】
図14(a)、(b)は、第5の実施の形態に用いられる第2の複合素子14の一例を示す構成図であって、(a)は第2の複合素子14を光ディスク8側から見た平面図、(b)は第2の複合素子14を側面から見た側面図である。
【0095】
図14(a)に示すように、第2の複合素子14は、対物レンズ5の有効直径dに対応した円形の光ビーム透過領域14cを有し、光ビーム透過領域14c内の表面部分に長方形状の回折格子14aが形成され、同じ光ビーム透過領域14c内の表面部分にくさびプリズム14bが形成配置されている。くさびプリズム14bは、図14(b)に示すように、第2の複合素子14の表面に対して傾斜した入射面を有し、くさびプリズム14bを通過する光ビームが傾斜方向に屈折されるので、回折格子14aの回折方向がX軸方向、くさびプリズム14bの屈折方向がY軸方向になるように設定すると、入射光ビーム路の0次回折光と反射光ビーム路の±1次回折光とを異なる方向に屈折させることができ、不要回折光の入射を回避することが可能になる。この場合、くさびプリズム14bは、回折格子14aよりもX軸方向の長さがやや長くなるように構成され、回折による位置ずれが生じたとしても、光ビームがはみ出さないようにしており、それによりフォーカス状態の変化を正確に検出することが可能になる。また、くさびプリズム14bは、屈折によって光ビームの進行方向を変化させるので、光透過率を100%近くにすることが可能であり、第1の実施の形態のものに比べて光量変化を大きくすることができる。
【0096】
第5の実施の形態においては、FE信号の極性が第1の実施の形態のFE信号の極性に対して反転された状態になっているので、第2の実施の形態と同じように、それぞれの受光部から光スポットがはみ出したときの影響を小さくすることができる。
【0097】
図15は、第5の実施の形態の光ピックアップ装置に用いる信号演算手段の構成の一例を示す構成図であって、光検出器の5つの受光部とこれらの受光部に集光される光スポットとの位置関係を示すもので、図3に対応したものである。
【0098】
図15において、図3に示された構成要素と同じ構成要素について同じ符号を付けている。
【0099】
図15に図示された信号演算手段と、図3に図示された信号演算手段との構成の違いは、5つの受光部7a乃至7eに得られる光スポットの形成状態にある。この点を具体的に述べると、図3に図示された第1の実施の形態は、受光部7aに2つの光スポットからなる光スポットSPlが、受光部7bに光スポットSP2と光スポットSP3が、受光部7cに光スポットSP4と光スポットSP5と光スポットSP6が、受光部7dに光スポットSP7と光スポットSP8が、受光部7eに2つの光スポットからなる光スポットSP9がそれぞれ得られるように構成される。これに対し、図15に図示された第5の実施の形態は、受光部7aに入射光ビーム路の複合素子14の透過光であって反射光ビーム路の回折格子14aの+1次回折光である1つの光スポットSPlが、受光部7bに入射光ビーム路の回折格子14aの+1次回折光であってくさびプリズム14bの屈折光である光スポットSP2が、受光部7cに入射光ビーム路の複合素子14の透過光であって反射光ビーム路の複合素子14の透過光である光スポットSP3が、受光部7dに入射光ビーム路の回折格子14aの−1次回折光であってくさびプリズム14bの屈折光である光スポットSP4が、受光部7eに入射光ビーム路の複合素子14の透過光であって反射光ビーム路の回折格子14a−1次回折光である1つの光スポットSP5がそれぞれ得られるように構成されている。
【0100】
このように、第5の実施の形態は、5つの受光部7a乃至7eに対して5つの光スポットSP1乃至SP5が得られる。受光部7a乃至7eから出力される光検出信号をそれぞれA乃至Eで表わすと、差動増幅器9は、2つの入力に光検出信号Bと光検出信号Dが供給され、差動増幅によって差信号B−Dを演算し、FE信号が形成される。この場合、光スポットSPl及び光スポットSP5は、FE信号の形成に関係しない不要光であるが、くさびプリズム14bの屈折方向を選択することによって、信号演算に利用する光スポットSP2と光スポットSP4から分離することが可能になる。
【0101】
図16(a)乃至(c)及び(d)乃至(f)は、第5の実施の形態の光ピックアップ装置の動作状態の概要を示す動作説明図であって、(a)及び(d)は光ディスク8が対物レンズ5の焦点位置にある場合、(b)及び(e)は光ディスク8が対物レンズ5の焦点位置よりも若干近い位置にある場合、(c)及び(f)は光ディスク8が対物レンズ5の焦点位置よりも若干遠い位置にある場合を表しており、図3(a)乃至(f)に対応するものである。
【0102】
図16(a)乃至(f)において、図3(a)乃至(f)及び図15に図示された構成要素と同じ構成要素について同じ符号を付けている。
【0103】
図16(a)乃至(f)においては、この場合も、説明を判り易くするため、入射光ビームが光ディスク8を透過して反射光ビームになり、そのまま直進して反射光ビーム路を通るような表現形式にしている。また、図示のサブ光ビームは、入射光ビーム路で発生した2つのサブ光ビームの一方だけを表している。
【0104】
図16(a)及び(d)に図示の例において、入射光ビーム路に設けた回折格子14aにより発生したサブ光ビームは、光ディスク8を通過(実際は反射)することによってサブ反射光ビームになり、そのサブ反射光ビーム10が反射光ビーム路のくさびプリズム14bに入射するとき、ほぼ全光量がくさびプリズム14bに入射する。図16(d)は、このときの状態を示すもので、くさびプリズム14bの形成位置とサブ反射光ビーム10の入射位置(斜線領域)とは回折方向(X軸方向)に相対的にずれている。くさびプリズム14bに入射したサブ反射光ビームは、くさびプリズム14bの形成部分に入射した光量のみが屈折され、その進行方向が変化するもので、図16(d)に図示の場合、光量の殆どが屈折されるが、残りが透過して集光レンズ6で集光され、光検出器7に入射する。
【0105】
次に、図16(b)及び(e)に図示の例、及び、図16(c)及び(f)に図示の例において、サブ反射光ビーム10が反射光ビーム路のくさびプリズム14bに入射するまでの動作及びくさびプリズム14bを透過した一部のサブ反射光ビームが光検出器7に入射するまでの動作は、図16(a)及び(d)に図示の例と同じであるが、サブ反射光ビーム10がくさびプリズム14bに入射するとき、一部の光量がくさびプリズム14bに入射し、残りの光量がくさびプリズム14bの非形成部分に入射する。図16(e)、(f)は、この状態を示すもので、くさびプリズム14bの形成位置とサブ反射光ビーム10の入射位置(斜線領域)とは回折方向(X軸方向)及び回折方向との直交方向(Y軸方向)に相対的にずれており、図16(e)の状態のときと図16(f)の状態のときとは、回折方向との直交方向(Y軸方向)のずれ方向が互いに逆になっている。
【0106】
このように、第5の実施の形態は、光ディスク8が焦点位置にあるときに、図16(d)に示すように、サブ反射光ビーム10の屈折光量が最大となり、図16(e)、(f)に示すように、焦点位置に近い方向及び焦点位置から遠い方向のいずれの方向であっても、焦点位置からのずれが大きくなるほど屈折光量が減少することになり、サブ反射光ビーム10がくさびプリズム14bに入射されなくなると、屈折光量がゼロになり、全光量が透過する。
【0107】
また、2つのサブ光ビームの中の他方のサブ光ビームについても前述の場合と同様で、光ディスク8の位置に応じてサブ反射光ビーム10がくさびプリズム14bを透過するときの透過光量が変化する。そして、2つのサブ光ビームは、メイン光ビームの焦点位置に対して対称なデフォーカス位置に焦点を結ぶように形成されているので、これらの2つのサブ反射光ビームについて、その全透過光量の差信号を演算することにより、メイン光ビームの焦点位置においてゼロクロスする図5(a)に図示されたものと同様なS字曲線状のFE信号を得ることができる。
【0108】
第5の実施の形態は、回折格子14aの機能とくさびプリズム14bの機能とが分離されているので、回折格子14aは、設計の自由度が増大する。また、第5の実施の形態においても、光ディスク8上のサブ入射光ビームがメイン入射光ビームの焦点位置からのずれが大きくなると、光スポットSP2、SP4の形成範囲が大きくなり、受光部7b、7dからはみ出すようになるが、受光部7b、7dから得られる光検出信号B、光検出信号Dは、元々小さくなる方向に変化するので、はみ出しの影響が小さい。なお、受光部7b、7dからはみ出す前に、サブ反射光ビーム10がくさびプリズム14bに入射しないように設計すれば、受光部7b、7dの光スポットSP2、SP4のはみ出しが発生しなくなる。
【0109】
次に、図17(a)乃至(c)及び表1乃至表3に基づいて、本発明による光ピックアップ装置の第6の実施の形態について説明する。
【0110】
第6の実施の形態による光ピックアップ装置の構成は、見掛け上、第1の実施の形態の構成と同じであって、FE信号の歪みの発生を除去するように構成した例を示すものである。
【0111】
ところで、FE信号の歪みの原因は、FE(フォーカスエラー)が大きくなると、図3に示される光スポットSP2、SP3、及び、光スポットSP7、SP8が、受光部7b、7dからはみ出し、隣接する受光部7a、7eにそれぞれ入射するためである。
【0112】
図17(a)乃至(c)は、図2に図示された回折格子4a、4bにおいて、長辺の長さl、短辺の長さwをそれぞれ一定にし、回折格子4a、4bの間隔sを変化させたときに得られるFE信号の特性図であって、(a)は回折格子4a、4bの間隔sが0.8mmのとき、(b)は回折格子4a、4bの間隔sが1.0mmのとき、(c)は回折格子4a、4bの間隔sが1.2mmのときを示すものである。この場合、回折格子4a、4bの長辺の長さlは0.7mmに、短辺の長さwは0.05mmに選び、対物レンズ5の有効直径を1.2mmに、光源1のレーザ光の波長を655nmにしている。
【0113】
これらの特性図によれば、図17(a)に見られるように、回折格子4a、4bの間隔sが小さいと、FE信号に歪みが生じており、一方、図17(c)に見られるように、回折格子4a、4bの間隔sが大きいと、FE信号に歪みは生じなくなるが、FE信号の振幅が小さくなる。これは、回折格子4a、4bに入射するサブ反射光ビームの光量が減少するためである。したがって、FE信号の振幅と、回折素子の小型化を考慮し、回折格子4a、4bの間隔sは、対物レンズ5の有効直径(前例の場合、1.2mm)以下に選ぶことが望ましい。
【0114】
以下に示す表1乃至表3は、回折格子4a、4bの長辺の長さl、短辺の長さw、回折格子4a、4bの間隔sを、それぞれ対物レンズ5の有効直径dで規格化した規格化回折格子長辺の長さL、規格化格子短辺の長さW、規格化回折格子間隔Sをパラメータとし、FE信号の歪みの発生の有無を表したものである。
【0115】
まず、表1は、規格化回折格子短辺の長さWを0.042(一定)にしたとき、規格化回折格子長辺の長さLと、規格化回折格子間隔Sを変化させたときのFE信号の歪みの有無を表したものである。
【0116】
【表1】
Figure 0003787102
表1から判るように、規格化回折格子長辺の長さLが0.33であれば、規格化回折格子間隔Sを0.67以上に設定することができる。特に、規格化回折格子間隔Sが0.83以上であれば、規格化回折格子長辺の長さLを0.33以上に設定することが可能になり、回折格子4a、4bの長辺の長さlの設定範囲が広くなる。
【0117】
次に、表2は、規格化回折格子長辺の長さLを0.33(一定)にしたとき、規格化回折格子短辺の長さWと、規格化回折格子間隔Sを変化させたときのFE信号の歪の有無を表したものである。
【0118】
【表2】
Figure 0003787102
表2から判るように、規格化回折格子短辺の長さWが0.008以下であれば、規格化回折格子間隔Sを0・33以上に設定することができる。特に、規格化回折格子間隔Sが0.83以上であれば、規格化回折格子短辺の長さWを0.125以下に設定することが可能になり、回折格子4a、4bの短辺の長さwの設定範囲が広くなる。
【0119】
次いで、表3は、規格化回折格子長辺の長さを1.00(一定)にしたとき、規格化回折格子矩辺の長さWと、規格化回折格子間隔Sを変化させたときのFE信号の歪みの有無を表したものである。
【0120】
【表3】
Figure 0003787102
表3より判るように、規格化回折格子短辺の長さWが0.008以下であれば、規格化回折格子間隔Sを0・75以上に設定することができる。特に、規格化回折格子間隔Sが0.83以上であれば、規格化回折格子矩辺の長さWを0.083以下に設定することが可能になり、回折格子4a、4bの短辺の長さwの設定範囲が広くなる。
【0121】
表1乃至表3に示された結果によれば、回折格子4a、4bの間隔sが大きいほど、FE信号の歪みの発生が低減され、回折格子4a、4bの長辺の長さl及び短辺の長さwの設定範囲が広くなることが判る。また、回折格子4a、4bの長辺の長さl、短辺の長さwを短くすれば、回折格子4a、4bの間隔sの設定範囲は広がるが、回折格子4a、4bの長辺の長さl及び短辺の長さwの設定範囲は狭くなることが判る。回折格子4a、4bの長辺の長さl及び短辺の長さwが短くなれば、回折格子4a、4bに入射する光量が減少し、FE信号の振幅が小さくなって信号感度が低下する。これらの事項に基づけば、回折格子4a、4bの長さl、短辺の長さwは、できるだけ長くすることが望ましい。
【0122】
表1乃至表3の内容を総合すると、規格化回折格子間隔Sを0.83乃至1.00の範囲内に、規格化回折格子長辺Lを0.33以下に、規格化格子短辺Wを0.083以下になるようにそれぞれ選択すれば、FE信号に歪みが生じないことが判る。一般に、回折格子4a、4bを形成する際に、必然的に生じる寸法のばらつきを考慮した場合、規格化回折格子間隔S、規格化回折格子長辺L、規格化格子短辺Wを前述の範囲になるように設計することが望ましい。
【0123】
第6の実施の形態におけるFE信号の歪を除去するために好適な回折格子4a、4bの寸法(長辺の長さl、短辺の長さw、間隔s)を得る手段と、第3の実施の形態におけるセカンドゼロクロスを除去する手段とを併用すれば、焦点引き込みを確実に実行できる光ピックアップ装置を得ることが可能になる。
【0124】
次いで、図18(a)、(b)に基づいて、本発明による光ピックアップ装置の第7の実施の形態について説明する。
【0125】
図18(a)、(b)は、第7の実施の形態は、本発明による光ピックアップ装置の第7の実施の形態に係わるもので、その要部構成を示す横断面図である。そして、(a)は、互いに直交関係にある3軸をX、Y、Z軸としたとき、そのX−Z平面上の構成を表し、(b)はそのX−Y平面上の構成を表している。
【0126】
図18(a)、(b)に示されるように、この光ピックアップ装置は、半導体レーザからなるレーザ光源15と、複合プリズム16と、プリズムミラー17と、回折素子18と、回折素子18の表面に形成した回折格子18a、18bと、スペーサ19と、有限系仕様の対物レンズ20と、光検出器21、22と、サブマウント23と、シリコン(Si)基板24とからなっている。そして、第7の実施の形態は、レーザ光源15と光検出器21、22と複合プリズム16とを一体集積構造にした超小型の光ピックアップ装置への適用例を示すものである。なお、図18(a)、(b)において、図1に図示された構成要素と同じ構成要素について同じ符号を付けている。
【0127】
第7の実施の形態は、光ピックアップ装置を薄型にするため、入射光ビーム路及び反射光ビーム路を折曲する複合プリズム16が使用され、シリコン基板24上に光検出器21、22及び複合プリズム16とが接着固定され、、サブマウント23を介してレーザ光源15を接着固定されている。プリズムミラー17の片方の面側には、回折素子18が配置され、さらにスペーサ19を介して対物レンズ20が配置される。
【0128】
前記構成による第7の実施の形態の光ピックアップ装置は、次のように動作する。レーザ光源15から出射した入射光ビームは、複合プリズム16の表面部分で一部が反射し、プリズムミラー17に入射する。プリズムミラー17は、入射した入射光ビームを反射屈折し、屈折した入射光ビームを回折素子18に入射する。入射光ビームは、回折素子18を透過する際に、回折素子18に形成された回折格子18a、18bにより、メイン入射光ビームの焦点位置に対して略対称にデフォーカスした2つのサブ光ビームを形成する。これら2つのサブ光ビームは、対物レンズ20を透過するときに集光され、光ディスク8に投射される。光ディスク8から反射した反射光ビームは、回折素子18、プリズムミラー17を通り、複合プリズム16に入射する。複合プリズム16に入射したサブ反射光ビームは、光検出器22に入射され、プッシュプル法によりTE信号が検出される。サブ反射光ビームの一部は、光検出器22の表面で反射し、次いで複合プリズム16の表面で反射した後、光検出器21に入射し、第1乃至第5の実施の形態で述べたような手段によりFE信号が検出される。このとき、サブ反射光ビームが光検出器21で結像するように複合プリズム16の形状と設置位置を選択すると、光検出器22には、ある程度の大きさの光スポットが形成されるので、光検出器22を2分割受光部になるように構成すると、通常のプッシュプル法によりTE信号を検出することが可能になる。また、RF信号は、光検出器21に入射されるメイン反射光ビームから得られる光検出信号により検出される。
【0129】
第1乃至第6の実施の形態における手段は、2つのサブ反射光ビームの各トータル光量を検出し、それらの差信号を演算することによりFE信号を得るものであるため、サブ反射光ビームと受光部との相対位置精度を大幅に緩和することが可能であり、その結果、第7の実施の形態に示すような一体化集積構造にした超小型の光ピックアップ装置を機械精度で組み立てることが可能になる。
【0130】
図19(a)、(b)は、第7の実施の形態において、回折格子18a、18bを形成した回折素子18の他の例を示す構成図であって、(a)はその斜視図であり、(b)はその上面図である。
【0131】
図18(a)、(b)に図示の例では、回折素子18と対物レンズ20とを別部品で構成したものであるが、図19(a)、(b)に示すように、対物レンズ20の表面に回折格子18a、18bを一体形成すれば、入射光ビーム及び反射光ビームの各光軸に対する対称性の確保が容易になり、対物レンズ20と回折格子18a、18bとを組立てた後、それらの相対的な位置ずれを生じないので、FE信号等の検出を安定した状態で行うことが可能になる。この場合、回折格子18a、18bは、対物レンズ20の裏面または内部に形成してもよい。
【0132】
前記各実施の形態においては、レーザ光源1、15として波長655nm帯のものが用いられる例を挙げて説明したが、本発明におけるレーザ光源1、15の出力波長は655nm帯のものに限られず、他の帯域のもの、例えば半導体レーザが発生する波長405nm帯の青紫色レーザ光を用いてもよく、その青紫色レーザ光に適用可能な光学系を使用してもよい。
【0133】
また、対物レンズ5、20として、開口数(NA)0.85程度の高NAレンズを用いたり、二枚組みのレンズを用いたりしても、前述の各実施の形態と同様に、FE信号を有効に検出することが可能である。
【0134】
さらに、前記各実施の形態においては、光ディスク8としてRAMディスクのような相変化媒体の例を挙げて説明したが、光磁気媒体にも同様に適用可能であり、ビットで信号が記録されたROMディスクや、ROM領域とRAM領域の両方を備えたハイブリッド型ディスクに対しても、同様に適用可能であることは勿論である。
【0135】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載の発明によれば、サブ光ビーム形成手段により入射光ビームから2つのサブ光ビームを形成し、光検出手段に少なくとも2つのサブ反射光ビームを受光する2つの受光部を設け、これら2つの受光部から得られた光量検出信号の差信号を求めることによってフォーカスエラー(FE)信号を得ているもので、FE信号を得る際に、光検出手段の受光面をそれに垂直な光軸方向に微調整する必要がなく、2つの受光部でサブ反射光ビームを受光するだけで済むので、光学系の構成を簡素化することができ、小型化が可能になるという効果がある。
【0136】
また、請求項2に記載の発明によれば、サブ光ビーム形成手段を構成する回折素子により2つのサブ光ビームをそれぞれ+1次回折光と−1次回折光にし、これら2つのサブ光ビームをメイン光ビームの光記録媒体上の集光点に対して略対称なデフォーカス位置に集束させるようにすれば、光検出手段におけるメイン光ビームの集光点でゼロクロスするフォーカスエラー(FE)信号を自動形成することが可能になるという効果がある。
【0137】
さらに、請求項12に記載の発明によれば、フォーカス引込み範囲判定手段を設け、このフォーカス引込み範囲判定手段から引込み可否を判定する判定信号が出力され、この判定信号が引込み可であるときだけ、差信号によりフォーカス制御を行うようにしているので、前記請求項1に記載の発明によって得られる機能に加え、フォーカスエラー(FE)信号に本来のゼロクロス点以外のセカンドゼロクロス点が存在していたとしても、そのセカンドゼロクロス点の影響を受けることなく、差信号による正規のフォーカス制御を行うことが可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光ピックアップ装置の第1の実施の形態を示すもので、その要部構成を示す横断面図である。
【図2】図1に図示された光ピックアップ装置に用いられる回折素子の一例を示す平面図である。
【図3】第1の実施の形態の光ピックアップ装置に用いられる信号演算手段の構成の一例を示す構成図である。
【図4】図1に図示の光ピックアップ装置の動作状態の概要を示す動作説明図である。
【図5】図3に図示された差動増幅器の出力側に得られたFE信号と差動増幅器に入力される光検出信号B及び光検出信号Dとを表した特性図である。
【図6】第2の実施の形態の光ピックアップ装置に用いる信号演算手段の構成の一例を示す構成図である。
【図7】第2の実施の形態の光ピックアップ装置の動作状態の概要を示す動作説明図である。
【図8】図6に図示された差動増幅器の出力側に得られたFE信号と差動増幅器に入力される光検出信号A及び光検出信号Eとを表した特性図である。
【図9】差動増幅器の出力側に得られたFE信号と差動増幅器に入力される光検出信号Cとを表した特性図である。
【図10】第3の実施の形態におけるフォーカス引込み範囲判定手段の構成の一例を示すブロック図である。
【図11】第4の実施の形態に用いられる複合素子の一例を示す平面図である。
【図12】第4の実施の形態に用いられる信号演算手段の構成の一例を示す構成図である。
【図13】第4の実施の形態の光ピックアップ装置の動作状態の概要を示す動作説明図である。
【図14】第5の実施の形態に用いられる第2の複合素子の一例を示す構成図である。
【図15】第5の実施の形態の光ピックアップ装置に用いる信号演算手段の構成の一例を示す構成図である。
【図16】第5の実施の形態の光ピックアップ装置の動作状態の概要を示す動作説明図である。
【図17】図2に図示された回折格子4a、4bにおいて、長辺の長さl、短辺の長さwをそれぞれ一定にし、回折格子4a、4bの間隔sを変化させたときに得られるFE信号の特性図である。
【図18】第7の実施の形態は、本発明による光ピックアップ装置の第7の実施の形態に係わるもので、その要部構成を示す横断面図である。
【図19】第7の実施の形態において、回折格子を形成した回折素子の他の例を示す構成図である。
【符号の説明】
1、15 レーザ光源
2 コリメータレンズ
3 ビームスプリッタ
4、18 回折素子
4a、4b、13a、14a、18a、18b 回折格子
4c、13c 光ビーム透過領域
5、20 対物レンズ
6 集光レンズ
7、21、22 光検出器(光検出手段)
7a〜7e、7f〜7h 受光部
8 光ディスク
9 差動増幅器(信号演算手段)
10 サブ反射光ビーム
11 比較回路
12 システムコントローラ
13、14 複合素子
13b 振幅フィルタ
14b くさびプリズム
14 回折素子
16 複合プリズム
17 プリズムミラー
19 スペーサ
23 サブマウント
24 シリコン(Si)基板

Claims (12)

  1. 光源から放射された入射光ビームを光記録媒体上に集光させる入射光ビーム路と、前記光記録媒体から反射した反射光ビームを前記入射光ビーム路から分離して光検出手段に導入する反射光ビーム路と、フォーカス制御信号形成手段とを備え、前記入射光ビーム路は、前記入射光ビームから前記光記録媒体上に集光するメイン光ビーム及び前記メイン光ビームの光記録媒体上の集光位置に略対称なデフォーカス位置にそれぞれ集光する2つのサブ光ビームを形成するサブ光ビーム形成手段を有し、前記反射光ビーム路は、前記光記録媒体への前記2つのサブ光ビームの入射に対応して得られた2つのサブ反射光ビームの光量を制御するビーム光量制御手段を有し、前記光検出手段は、複数の受光部を有し、前記フォーカス制御信号形成手段は、前記複数の受光部の中の2つの受光部で得られた光量検出信号の差信号を形成する信号演算手段を有し、前記差信号によりフォーカス制御を行なうことを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 前記サブ光ビーム形成手段は第1の回折素子であり、前記光量制御手段は第2の回折素子であることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  3. 前記第1の回折素子及び前記第2の回折素子は、一体構造になっていることを特徴とする請求項2に記載の光ピックアップ装置。
  4. 前記第1の回折素子及び前記第2の回折素子は、長方形状をなし、前記入射光ビーム及び前記反射光ビームの光軸に対して点対称の位置に平行配置されることを特徹とする請求項2または3に記載の光ピックアップ装置。
  5. 前記2つの受光部は、前記2つのサブ反射光ビームを受光できる位置に設けてあることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  6. 前記第1の回折素子及び前記第2の回折素子は、長方形状の長辺の長さをl(mm)、前記第1の回折素子と前記第2の回折素子の間隔をs(mm)、前記光検出手段の有効径をd(mm)とし、s/d=S、l/d=Lと定義したとき、
    S≧0.83
    L≧0.33
    を満たすものであることを特徴とする請求項4に記載の光ピックアップ装置。
  7. 前記第1の回折素子と第2回折素子は、長方形状の短辺の長さをw(mm)、前記第1の回折素子と前記第2の回折素子の間隔をs(mm)、前記光検出手段の有効径をd(mm)とし、s/d=S、w/d=Wと定義したとき、
    S≧0.33
    W≦0.008
    を満たすものであることを特徴とする請求項4に記載の光ピックアップ装置。
  8. 前記第1の回折素子と第2の回折素子は、長方形状の長辺の長さをl(mm)、短辺の長さをw(mm)、前記第1の回折素子と前記第2の回折素子の間隔をs(mm)、前記光検出手段の有効径をd(mm)とし、s/d=S、l/d=L、w/d=Wと定義したとき、
    0.83≦S≦1.00
    L≧0.33
    W≦0.083
    を満たすものであることを特徴とする請求項4に記載の光ピックアップ装置。
  9. 前記サブ光ビーム形成手段は回折素子であり、前記光量制御手段は振幅フィルタであることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  10. 前記第回折素子及び前記振幅フィルタは、一体的な構造になっていることを特徴とする請求項9に記載の光ピックアップ装置。
  11. 前記回折素子及び前記振幅フィルタは、長方形状のものであって、前記入射光ビーム及び前記反射光ビームの光軸に対して点対称の位置に平行配置されることを特徹とする請求項9または10に記載の光ピックアップ装置。
  12. 光源から放射された入射光ビームを光記録媒体上に集光させる入射光ビーム路と、前記光記録媒体から反射した反射光ビームを前記入射光ビームと分離した後光検出手段に導入させる反射光ビーム路と、フォーカス制御信号形成手段とを備え、前記入射光ビーム路は、前記入射光ビームから前記光記録媒体上に集光するメイン光ビーム及び前記メイン光ビームの光記録媒体上の集光位置に略対称なデフォーカス位置にそれぞれ集光する2つのサブ光ビームとを形成するサブ光ビーム形成手段を有し、前記反射光ビーム路は、前記光記録媒体への前記2つのサブ光ビームの入射に対応して得られた2つのサブ反射光ビームの光量を制御するビーム光量制御手段を有し、前記光検出手段は、複数の受光部を有し、フォーカス制御信号形成手段は、前記主受光部メインビームの光量検出信号レベルと所定の閾値レベルとを比較して引込み可否を判定する判定信号を出力するフォーカス引込み範囲判定手段と、前記複数の受光部の中の2つの受光部で得られた光量検出信号の差信号を形成する信号演算手段とを有し、前記判定信号が引込み可であるときに前記差信号によりフォーカス制御を行なうことを特徴とする光ピックアップ装置。
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