JP2005181908A - 電子写真用トナー母粒子及びトナー粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 現像・転写処理したトナー層の厚さが薄いため、トナーの転写効率が高く、かつ小型定着機でトナーを定着でき、また高温、高湿下での印刷濃度の低下や「くすみ」を向上させることができる電子写真用カラー用トナー母粒子及びトナー粒子を提供することを目的とする。
【解決手段】 発色樹脂粉体と、樹脂Bと、ワックスと、電荷制御剤を含み、前記発色樹脂粉体は、分子中に発色団及び/又は助色団を有する物質で樹脂粉体Aを染色させてなる電子写真用トナー母粒子とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真装置に用いるカラー用トナー母粒子及びトナー粒子に関する。
従来より、画像形成方式としてインクジェット方式、熱転写方式、電子写真方式等の多くの方式がある。インクジェット方式は、液体に「顔料」や「染料」を分散させて小さなインク粒にして、媒体である紙に打ち込み画像を形成する。また、熱転写方式は、ベースに塗布したインクを紙に溶融転写させて画像を形成する。しかし、これらの方式は、印刷コストと印刷スピードが遅いなどの欠点があるため、電子写真方式が現在の主流となっている。
電子写真方式では、感光体と呼ばれる光半導体を一様に帯電し、レーザースキャナーと呼ばれる光露光装置で画像形成部を露光させて静電潜像を形成させる。次いで、露光部分に摩擦帯電させた粉体トナーを選択的に付着させて可視像化し、トナーを紙に転写させて熱溶融定着させるものである。
従来のトナーインクには、白黒用としてカーボンを樹脂中に分散させたものが用いられていた。そして、電子写真装置のカラー化に伴い、トナーに「顔料」粒子を分散させたトナーインクが用いられている。近年の電子写真装置の小型化に伴い、トナー消費量を低減させ少量のトナーで発色させるため、トナー粒子の小粒径化と高濃度の「顔料」添加が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開昭61−51156号公報
しかしながら、特許文献1に係るトナー粒子中の「顔料」は、その構造から平均粒径が0.1μm程度であると最も発色特性が良好であるため、平均粒径をこれよりも小さくすることができない。そして、このトナー粒子をカラープリンターに応用すると、シアン、マゼンタ、イエローの3色を重ね合わせて現像・転写処理する必要があり、白黒用トナーの3倍の量のトナーを溶融するため、転写効率が低下し定着機や電子写真装置全体を大型化しなければならないという問題点があった。
また、電子写真用トナーの着色力を上げて少量のトナーで発色させる場合、通常の「顔料」添加量の2倍以上の量をトナーに添加すると「顔料」の分散が不充分になるため、光がトナー層中を通過する際、「顔料」によりある一定波長の成分が選択的に吸収されるだけでなく「顔料」粒子により屈折反射されて、色の「くすみ」を発生するという問題もあった。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、現像・転写処理したトナー層の厚さが薄いため、トナーの転写効率が高く、かつ小型定着機でトナーを定着でき、また高温、高湿下での印刷濃度の低下や「くすみ」を向上させることができる電子写真用カラー用トナー母粒子及びトナー粒子を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するため、
請求項1にかかる発明は、発色樹脂粉体と、樹脂Bと、ワックスと、電荷制御剤を含み、前記発色樹脂粉体は、分子中に発色団及び/又は助色団を有する物質で樹脂粉体Aを染色させてなるものであることを特徴とする電子写真用トナー母粒子である。
請求項2にかかる発明は、前記樹脂粉体Aのガラス転移温度が、前記樹脂Bのガラス転移温度よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー母粒子である。
請求項3にかかる発明は、前記樹脂粉体Aと前記樹脂Bが、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレンアクリル共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、及びエポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種以上の樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真用トナー母粒子である。
請求項4にかかる発明は、前記ワックスのガラス転移温度が、前記樹脂粉体A及び前記樹脂Bのガラス転移温度のいずれよりも低いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真用トナー母粒子である。
請求項5にかかる発明は、前記ワックスが、ポリプロピレンワックス及びポリエチレンワックスからなる群から選択される少なくとも1種以上のワックスであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真用トナー母粒子である。
請求項6にかかる発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の前記電子写真用トナー母粒子に、表面疎水化処理金属酸化物又は表面疎水化処理有機微粒子を添加してなることを特徴とする電子写真用トナー粒子である。
本発明のトナー母粒子及びトナー粒子によれば、現像・転写処理したトナー層の厚さが薄く、トナーの転写効率が高く、かつ小型定着機でトナーを定着することができ、また高温、高湿下での印刷濃度や「くすみ」を向上させることができる。
本発明の電子写真用トナー母粒子は、発色樹脂粉体と、樹脂Bと、ワックスと、電荷制御剤を含むものである。
本発明における発色樹脂粉体とは、「分子中に発色団及び/又は助色団を有する物質」で樹脂粉体Aを染色させてなるものである。「分子中に発色団及び/又は助色団を有する物質」とは、分子レベルで発色する物質をいい、いわゆる「染料」である。染料には、塩基性染料と酸性染料があり、どちらも用いることができる。具体的には、アシッドイエロー23、ダイレクトブルー86、199、メチレンブルー等の「染料」が挙げられる。そのなかでも、発色、安定性の観点から、塩基性染料のメチレンブルーが好ましい。
ここで、「発色団」とは、有機化合物(特に芳香族化合物)に結合した不飽和結合をもつ原子団をいい、例えば、>C=C<、>C=O、>C=N、>C=S、−N=N−、−N=O、−N(O)=O、−N=NO−などが挙げられる。また、「助色団」とは、発色団だけを含む色原体に導入することにより色を深くまた濃くし、同時に染着性を与える原子団をいう。このようなものとして、例えば、−OH、−OR、−NH、−NHR(Rはアルキル基)、−NAr(Arはアリール(aryl)基)、−SOH、−COOH等が挙げられる。
電子写真用トナーの着色剤として「染料」を用いることで、少量の添加量でも発色させることができるため、「くすみ」を低減することができる。また、従来の「顔料」を着色剤に用いると、現像・転写処理したカラー用トナー層の厚さは白黒用トナーの3倍の厚さであったが、本発明における「染料」を用いることで、現像・転写処理したトナー層の厚さをその1/3の10μm以下に薄くすることができるため、定着機を小型化することができる。
なお、本願明細書において、「顔料」とは結晶構造によって発色する物質をいう。
この樹脂粉体Aには、一般にトナーの製造に適するいかなる種類の樹脂でも用いられる。例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンのようなスチレン置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂等が挙げられる。スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとして、アクリル酸メチル、アクリル酸オクチル等があり、架橋剤としては、ジビニルベンゼンのような芳香族ジビニル化合物や1,3−ブタンジオールジメタクリレートのようなカルボン酸エステルやその混合物を用いることができる。
そのなかでも、樹脂粉体Aには、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレンアクリル共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、及びエポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種以上の樹脂であることが好ましい。樹脂粉体Aとして、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレンアクリル共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、及びエポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種以上の樹脂を用いることで、トナーの定着性とオフセット特性及び発色性を向上させることができる。
樹脂粉体Aの平均粒径は0.01〜1μmであるのが好ましい。樹脂粉体Aの平均粒径を0.01〜1μmとするのは、平均粒径が0.01μmより小さいと樹脂粉体Aが着色しにくいからである。また、平均粒径が1μmより大きいとトナー母粒子中に樹脂粉体Aが分散しにくいからである。
本発明で用いられる樹脂粉体Aは、溶融粘度が低い樹脂であることが好ましい。樹脂粉体Aの溶融粘度が低いと、「染料」で樹脂粉体Aを染色する際に、共に添加する分散剤を少量とすることができ、分散剤が有する吸水性の問題を防止することができる。
さらに、本発明で用いられる樹脂粉体Aは、そのガラス転移温度が、樹脂Bのガラス転移温度よりも低いことが好ましい。樹脂粉体Aのガラス転移温度が、樹脂Bのガラス転移温度よりも低いと、樹脂粉体Aから作製した発色樹脂粉体と樹脂Bとを溶融混練する際に、発色樹脂粉体を樹脂B中に容易に分散させることができる。
樹脂粉体Aから作製した本発明の発色樹脂粉体には、「分子中に発色団及び/又は助色団を有する物質」(染料)と樹脂粉体Aの他に、分散剤を添加することができる。このような分散剤としては、イソシアネート等の界面活性剤が挙げられる。分散剤を添加することで、「染料」を樹脂粉体Aに良好に分散させることができる。
本発明で用いられる樹脂Bには、トナーの製造に適するいかなる種類の樹脂も用いることができ、具体的には前述した樹脂粉体Aと同じ樹脂が挙げられる。
そのなかでも、樹脂Bには、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレンアクリル共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、及びエポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種以上の樹脂であることが好ましい。これらの樹脂を用いることで、樹脂粉体Aと同様にトナーの定着性とオフセット特性及び発色性向上の効果を得ることができる。
本発明で用いられるワックスには、一般にトナーの製造に適するいかなる種類のワックスでも用いることができる。このようなワックスとして、パラフィンワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体等が挙げられる。特に、溶融特性に優れる観点から、ポリプロピレンワックス及びポリエチレンワックスからなる群から選択される少なくとも1種以上のワックスであることが好ましい。
また、これらのワックスのガラス転移温度は、樹脂粉体A及び樹脂Bのガラス転移温度のいずれよりも低いことが好ましい。ワックスのガラス転移温度が、樹脂粉体A及び樹脂Bのガラス転移温度のいずれよりも低いと、定着時に定着ローラーにトナーがオフセット付着するのを防止することができ、トナーの分離性を向上させることができる。
本発明で用いられる電荷制御剤とは、トナーに摩擦電気特性を与えるため、電荷発生サイトを有する物質をいう。このような電荷制御剤として、有機金属化合物を用いることができる。特に、気化性や昇華性を有する有機化合物を対イオン等の形態で含有するものが好ましい。このような有機金属化合物としては、[化1]又は[化2]に示すアゾ系金属錯体が挙げられる。
Figure 2005181908
Figure 2005181908
ここで、Arは、アリール基を示し、具体的には、ナフチル基やフェニル基又置換基を有するこれらの基等である。また、Mは、配位金属を意味し、具体的には配位数6のCr、Co、Ni、Mn、Fe、Al、Ti、Sc等が挙げられる。X,X’、Y,Y’は、−O−、−CO−、−NH−、−NR−(Rは、炭素数1〜5のアルキル基)をいう。また、Kは、水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンや脂肪族アンモニウムイオン等又はそれらの混合イオンをいう。
電荷制御剤は、樹脂粉体A及び樹脂Bの総量に対して、0.5〜7質量%の範囲で添加するのが好ましい。
本発明の電子写真用トナー粒子とは、本発明のトナー母粒子に、帯電安定性向上、流動性向上、耐久性向上を目的として、表面疎水化処理金属酸化物又は表面疎水化処理有機微粒子を添加、静電付着させたものである。
この表面疎水化処理金属酸化物とは、金属酸化物を表面疎水化処理したものである。金属酸化物自体では、表面が親水性であるため、高温高湿時に表面に水分を吸着、吸蔵しやすい。そして、このような金属酸化物をトナー母粒子に添加・付着させると、トナー粒子の抵抗値や流動性が変化する問題がある。トナー粒子の抵抗値や流動性が変化すると、現像特性である画像濃度低下やかぶりの発生及び転写効率を低下させる。このとき、金属酸化物の表面に疎水化処理剤を添加、被覆することにより、トナー粒子の抵抗値や流動性の変化を防止することができる。
このような表面疎水化処理金属酸化物として、例えば、シリカ微粉体、酸化チタン、アルミナ等の金属酸化物を、変性フッ素樹脂、シリコン樹脂、シランカップリング剤等の疎水化処理剤で被覆したものが挙げられる。また、表面疎水化処理有機微粒子としては、上記金属酸化物の代わりに、ポリメチルメタクリレート等の有機化合物の微粒子を用いたものがある。
表面疎水化処理金属酸化物又は表面疎水化処理有機微粒子は、トナー母粒子に対して総量が0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%添加することができる。トナー母粒子に、表面疎水化処理金属酸化物等を添加することで、トナー粒子の流動性と帯電性を向上させることができる。表面疎水化処理金属酸化物等の平均粒径は0.01〜0.1μmであるのが好ましい。
本発明の電子写真用トナー母粒子又はトナー粒子の平均粒径は、5〜10μmであるのが好ましい。
本発明のトナー母粒子とトナー粒子を製作するには、公知の方法が用いられる。まず、樹脂粉体Aは、温度制御された反応容器中の水溶媒中に、重合触媒、分散剤、pH調整剤等の薬剤を分散させ、原料となるモノマーを投入し、アクリル樹脂等を重合させて作製する。この時、樹脂粉体Aは、粒子径0.01〜1μmの真球状になるよう作製する。
次いで、染料を含浸させるため、水溶媒中に有機染料を1〜50質量%の範囲で分散させた染料液を作成する。染料液には、分散剤としてアルコール、界面活性剤、pH調整剤を0.5〜10質量%添加してもよい。一般に、プリンターでは、シアン、イエロー、マゼンタの3色、又はこれらに黒を合わせた4色で色を再現するため、その適正な色域を維持するように染料を調整する。
反応容器をウォータージャケットで35〜60℃の範囲で温度制御し、作成した染料液に、染料液100に対して20〜50質量%の割合の樹脂粉体Aを撹拌しながら投入し、樹脂粉体Aを染色し、発色樹脂粉体とする。染色時間は、5〜60分で、染色後中和処理等を行ってもよい。その後、水洗し乾燥させる。その際、粉砕した樹脂粉体Aやスケールを取り除くため、風力分級を行ってもよい。
従来のトナー製造方法で用いる顔料に代えて、この発色樹脂粉体を使用してトナー母粒子を製造する。
この発色樹脂粉体と、樹脂Bと、ワックスと、電荷制御剤と、その他の添加剤とを、ヘンシルミキサー、ボール密等の混合機を用いて充分混合し、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダ等の熱加圧混練機を用いて溶融混練する。このときの組成比は、全体量に対して、発色樹脂粉体を1〜10質量%、ワックスを1〜20質量%、電荷制御剤を0.5〜7質量%、残部を樹脂Bとする。また、その際、これらの組成物を、各組成物の融点又はガラス転移温度近傍まで加熱する。この溶融混練工程により、樹脂B中に発色樹脂粉体と各種添加剤等を分散、溶解することができる。その後、空冷、水冷等の冷却工程を経た後、粗粉砕、微粉砕、分級をして、本発明のトナー母粒子となる。粉砕の際に発生する微粉は、風力分級器等で分離し、再利用又は廃棄する。
本発明のトナー粒子を製造するには、得られたトナー母粒子をヘンシルミキサー等を用いて表面疎水化処理金属酸化物等を外添処理する。
表面疎水化処理金属酸化物等を0.1〜10質量%添加し、常温で処理する。複数の外添剤を添加する場合は、個別に処理しても同時に処理してもよい。外添剤の処理により帯電量、流動性や付着特性を制御できる。
なお、「外添処理」とは、微粒子を母粒子の表面に静電気力を主として付着させ母粒子の性質を制御する処理のことである。
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく説明する。本発明は、下記実施例に何ら制限されるものではない。
[実施例1〜4]
〈トナーの調整〉
樹脂粉体Aのガラス転移点をパラメータとして、2成分現像システム用トナーを作成した。樹脂粉体Aにはアクリル樹脂を、樹脂Bにはポリエステルを用いた。樹脂粉体Aを染色する染料には、塩基性染料のメチレンブルーを用いた。また、電荷制御剤には、[化3]で示した化合物を用いた。実施例1〜4では、樹脂粉体Aと樹脂Bのガラス転移温度を各々変化させた。使用した樹脂のガラス転移温度を表1に示す。
また、ワックスには、ポリプロピレンとポリエチレンを用いた。それらの添加量(質量%)を表1に示す。作製したトナー粒子の平均粒径を表1に示す。キャリアーには、平均粒径65μmのCu−Zn系のフェライト粒子の表面をアクリル変性シリコン樹脂で被覆率50%で被覆したものを用いた。
Figure 2005181908
Figure 2005181908
〈トナーの性能評価〉
トナーの色剤分散性は、トナー粒子を透過型電子顕微鏡で断面撮影し、目視で判断した。分散の程度が良好なものを○、やや良好なものを△、色剤が分散していないものを×として評価した。
画像の性能評価には、評価機として、サムスン製ML3550を用いた。その際、感光体の帯電表面電位は−600V、露光後電位は−75V、現像バイアスは−400Vとした。トナー粒子の帯電量を表1に示す。また、定着前のトナー積層量を1とした。
画像の発色性の評価には、島津製分光光度計UV−2550に積分球ユニット ISR−2200を取り付けた装置を用いて、作製したサンプル画像の可視領域の全波長について測定を行った。
画像サンプルは、25mm×25mmからなる1パッチを、ソリッド(100%ドット分布)又は25%ドット分布で画像印字させた。A4紙上にこれを5パッチ印刷し、各パッチを切断して、その発色性を上記分光光度計で測定した。発色性は、あざやかで「くすみ」が観察できないものを○、やや「くすみ」が見られるものを△、「くすんで」暗い色域のものを×と評価した。
色剤分散性と発色性の評価結果を、表1に示す。
[比較例1〜3]
樹脂粉体Aの代わりに顔料を用いた以外は、実施例1〜4と同様にトナーを作成した。比較例1では、顔料の添加量を従来のトナー製法と同量とし、表1には顔料1倍添加と表記した。比較例2では、顔料添加量をその2倍、比較例3ではその3倍とした。トナーの性能評価は、実施例1〜4と同様の方法を用いて評価した。また、定着前のトナー積層量は、実施例1〜4を1としたのに対して、比較例1では従来どおりの積層量としたため、4となる。また、比較例2ではトナー積層量は、2.5、比較例3では1とした。各々の平均粒径、帯電量、色剤分散、発色性、トナー積層量を表1に示す。
比較例1は、顔料添加量を1倍、トナー積層量を4とした場合である。比較例1では、色剤分散性、発色性は良好であった。それに対し、比較例2では、顔料添加量をその2倍としたが、トナー積層量を比較例1より少ない2.5としたため、色のくすみが発生した。また、比較例3では、顔料添加量を3倍としたが、トナー積層量を比較例1より少ない1としたため、濁りを発生し、使用に耐えうる範囲外であった。
それに対し、実施例1〜4では、トナー積層量は最も少ない1であったにもかかわらず、色剤分散性、発色性は良好で、使用に耐えうる範囲内であった。特に、樹脂粉体Aのガラス転移温度が樹脂Bのそれよりも低い実施例3〜4の場合に、最も良い結果が得られた。
以上のことから、本発明のトナー粒子によれば、現像・転写処理したトナー層の厚さが薄く、色剤分散性、発色性が良好で、印刷濃度や「くすみ」を向上できることが確認された。

Claims (6)

  1. 発色樹脂粉体と、樹脂Bと、ワックスと、電荷制御剤を含み、
    前記発色樹脂粉体は、分子中に発色団及び/又は助色団を有する物質で樹脂粉体Aを染色させてなるものであることを特徴とする電子写真用トナー母粒子。
  2. 前記樹脂粉体Aのガラス転移温度が、前記樹脂Bのガラス転移温度よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー母粒子。
  3. 前記樹脂粉体Aと前記樹脂Bが、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレンアクリル共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、及びエポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種以上の樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真用トナー母粒子。
  4. 前記ワックスのガラス転移温度が、前記樹脂粉体A及び前記樹脂Bのガラス転移温度のいずれよりも低いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真用トナー母粒子。
  5. 前記ワックスが、ポリプロピレンワックス及びポリエチレンワックスからなる群から選択される少なくとも1種以上のワックスであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真用トナー母粒子。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の前記電子写真用トナー母粒子に、表面疎水化処理金属酸化物又は表面疎水化処理有機微粒子を添加してなることを特徴とする電子写真用トナー粒子。


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