JP2005181348A - 位置検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 コイル部と磁気応答部材とを具え、検出対象の変位に応じてコイル部と磁気応答部材の一方が他方に対して相対的に変位し、これに応じた出力信号をコイル部より得ることにより該検出対象の変位を検出する。コイル部において、第1のコイルグループは、磁気応答部材の相対的位置に関してサイン相及びマイナスサイン相の特性を示す2極のコイルで構成され、第2のコイルグループは、コサイン相及びマイナスコサイン相の特性を示す2極のコイルで構成される。各極のコイルは前記交流信号によって励磁される1つのコイルのみからなり、該各コイルに対する磁気応答部材の相対的位置に応じたインダクタンス変化に基づく振幅変化を示す出力交流電圧信号を前記各1つのコイルから取り出す。
【選択図】 図1
Description
また、従来知られた誘導型位置検出装置には、直線位置検出装置としては差動トランスがあり、回転位置検出装置としてはレゾルバがある。差動トランスは、1つの1次巻線を1相で励磁し、差動接続された2つの2次巻線の各配置位置において検出対象位置に連動する鉄心コアの直線位置に応じて差動的に変化するリラクタンスを生ぜしめ、その結果として得られる1相の誘導出力交流信号の電圧振幅レベルが鉄心コアの直線位置を示すようにしたものである。レゾルバは、複数の1次巻線を1相で励磁し、サイン相取り出し用の2次巻線からサイン相の振幅関数特性を示す出力交流信号を取り出し、コサイン相取り出し用の2次巻線からコサイン相の振幅関数特性を示す出力交流信号を取り出すようにしたものである。この2相のレゾルバ出力は公知のR/Dコンバータといわれる変換回路を用いて処理し、検出した回転位置に対応する位相値をディジタル的に測定することができる。
また、サイン相とコサイン相のような複数相の交流信号によって複数の1次巻線を夫々励磁し、検出対象直線位置又は回転位置に応じて該交流信号を電気的に位相シフトした出力交流信号を出力し、この出力交流信号の電気的位相シフト量を測定することにより、検出対象直線位置又は回転位置をディジタル的に測定する技術も知られている(例えば、特開昭49−107758号、特開昭53−106065号、特開昭55−13891号、実公平1−25286号など)。
また、従来知られた誘導型位置検出装置は、一般に、構造的に非接触であり、また、コイルと磁性体(鉄片等)の簡単な構成により、簡便かつ安価に製造することができ、かつ劣悪な環境下での使用にも耐えうるものであるが、1次及び2次コイルを対にして具備する必要があった。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、構成を簡略化した誘導型の位置検出装置を提供しようとするものである。
図1は本発明に係る位置検出装置10の基本的構成例を示す図であり、(a)は正面略図、(b)は側面一部断面略図である。この実施例では、位置検出装置10を傾斜検出装置として構成しているので、以下、傾斜検出装置10という。
図1(a)において、ケーシング1は、その内部に円形の収納スペース1aを有し、該スペース1a内に磁気応答部材3が移動自在に収納されている。磁気応答部材3は、例えば図1(c)に斜視図で示すように、円板形状をした例えば鉄のような磁性体からなるものである。ケーシング1の側面には、1又は複数のコイル21〜24を含むコイル部2が所定の配置で設けられている。
レゾルバ原理でコイル部2を構成する場合、ケーシング1の円形スペース1aの中心を中心とする適宜の円周に沿って4つの極(s,c,/s,/c)を等角度間隔(つまり90度間隔)で形成するように4つの2次コイル21〜24を配置し、これに対応して1次コイル11〜14を夫々設ける。なお、各コイルの巻軸方向(磁束の方向)は、図1(a)において紙面に垂直な方向であり、(b)においては紙面に平行な方向である。
なお、明細書中では、表記の都合上、反転を示すバー記号は「/(スラッシュ)」で記載するが、これは、図中のバー記号に対応している。
このコイル部2から出力される2相の出力交流信号(A=sinθ・sinωtとB=cosθ・sinωt)は、従来知られたレゾルバの出力と同様の使い方をすることができる。例えば、図3に示すように、コイル部2の出力交流信号A,Bを適切なディジタル位相検出回路40に入力し、前記サイン関数sinθとコサイン関数cosθの位相値θをディジタル位相検出方式によって検出し、傾斜角θのディジタルデータDθを得るようにすることができる。ディジタル位相検出回路40で採用するディジタル位相検出方式としては、公知のR−D(レゾルバ−ディジタル)コンバータを適用してもよいし、本発明者らによって開発済の新方式を採用してもよい。
図4は磁気応答部材3のいくつかの変更例を示すもので、(a)は部分円形状の固形の磁気応答部材3aを示す。(b)は適量の磁性流体3bを磁気応答部材3として使用する例を示す。(c)は適量の磁性粉体3cを磁気応答部材3として使用する例を示す。なお、磁性粉体3cは、微粉体に限らず、砂鉄のような粒体であってもよい。また、特に図示しないが、利用目的によっては、図1のような固形の磁気応答部材3を使用する場合にケーシング1のスペース1a内に非磁性の粘性流体を封入し、傾斜に応じた磁気応答部材3の動きに対して適量のダンプ作用を及ぼすようにしてもよい。
図6は、ケーシング1内の、磁気応答部材3を収納するためのスペース1bを、ドーナツ形状にした例を示し、(a)は正面略図、(b)は側面略図である。このような場合、磁気応答部材3の形態は、図4に示したような部分円形状あるいは流体又は粉体がよい。この場合も、1次コイルの配置は図5のような変形やその他の変形が可能である。
また、上記各実施例において、コイル部2における2次コイルの数及び配置も様々な変形や設計変更が可能である。
しかし、車体の前後の傾斜と左右横方向の傾斜を検出するような場合のように、少なくとも2方向についての傾斜を検出したい場合は、この傾斜検出装置10を少なくとも2個互いに異なる所定の方向に配置するようにすればよい。例えば、図7は、その一例を略示するものであり、互いに90度の角度で交差するように2つの傾斜検出装置10X,10Yを検出対象20に配置する。各傾斜検出装置10X,10Yは、上述した傾斜検出装置10と同一構成である。これによって、検出対象20のX軸方向の傾斜(傾斜成分)を傾斜検出装置10Xで検出することができ、検出対象20のY軸方向の傾斜(傾斜成分)を傾斜検出装置10Yで検出することができる。
なお、順次位相発生回路32をアップダウンカウンタ及びVCOを含んで構成し、引算器34の出力によってVCOを駆動してアップダウンカウンタのアップ/ダウンカウント動作を制御するようにすることが知られており、その場合は、周期的なリセットトリガは不要である。
ところで、上記のような従来のR−Dコンバータからなる位相検出回路は、追従比較方式であるため、φを追従カウントするときのクロック遅れが生じ、応答性が悪い、という問題がある。
そこで、本発明者等は、以下に述べるような新規な位相検出回路を開発したので、これを使用すると好都合である。
図9において、検出回路部41では、カウンタ42で所定の高速クロックパルスCKをカウントし、そのカウント値に基づき励磁信号発生回路43から励磁用の交流信号(例えばsinωt)を発生し、コイル部2の1次コイル11〜14与える。カウンタ42のモジュロ数は、励磁用の交流信号の1周期に対応しており、説明の便宜上、そのカウント値の0は、基準のサイン信号sinωtの0位相に対応しているものとする。コイル部2の2次コイル21〜24から出力される2相の出力交流信号A=sinθ・sinωtとB=cosθ・sinωtは、検出回路部41に入力される。
A=sinθ・sin(ωt±d)
A’=sinθ・cos(ωt±d)
B=cosθ・sin(ωt±d)
Y1=sin(ωt±d+θ)
Y2=sin(ωt±d−θ)
D1=±d+θ
D2=±d−θ
(D1+D2)/2={(±d+θ)+(±d−θ)}/2
= ±2d/2 = ±d
により、位相変動誤差「±d」を算出することができる。
D1−(±d)=±d+θ−(±d)=θ
となり、位相変動誤差「±d」を除去した正しい検出位相差θを示すディジタルデータが得られる。このように、本発明によれば、位相変動誤差「±d」が相殺されて、検出対象傾斜角θに対応する正しい位相差θのみが抽出されることが理解できる。
(D1+D2)/2={(+d+θ)+(+d−θ)}/2
= +2d/2 = +d
により、位相変動誤差「+d」を算出する。そして、減算回路52により、
D1−(+d)=+d+θ−(+d)=θ
が計算され、正しい位相差θが抽出される。
(D1+D2)/2={(−d+θ)+(−d−θ)}/2
= −2d/2 = −d
により、位相変動誤差「−d」を算出する。そして、減算回路52により、
D1−(−d)=−d+θ−(−d)=θ
が計算され、正しい位相差θが抽出される。
なお、減算回路52では。「D2−(±d)」の減算を行なうようにしてもよく、原理的には上記と同様に正しい位相差θを反映するデータ(−θ)が得られることが理解できるであろう。
Y1=sin{ωt±d+θ(t)}
Y2=sin{ωt±d−θ(t)}
となる。すなわち、基準信号sinωtの周波数に対して、進相の出力信号Y1は+θ(t)に応じて周波数が高くなる方向に周波数遷移し、遅相の出力信号Y2は−θ(t)に応じて周波数が低くなる方向に周波数遷移する。このような動特性の下においては、基準信号sinωtの1周期毎に各信号Y1,Y2の周期が互いに逆方向に次々に遷移していくので、各ラッチ回路49,50における各ラッチデータD1,D2の計測時間基準が異なってくることになり、両データD1,D2を単純に回路51,52で演算するだけでは、正確な位相変動誤差「±d」を得ることができない。
しかし、検出対象傾斜角θが時間的に変化している最中であっても時々刻々の該検出対象傾斜角θに対応する位相差θを正確に検出できるようにすることが望ましい。そこで、上記のような問題点を解決するために、検出対象傾斜角θが時間的に変化している最中であっても時々刻々の該検出対象傾斜角θに対応する位相差θを検出できるようにした改善策について図11を参照して説明する。
D1=±d+θ(t)
D2=±d−θ(t)
となる。
この場合、±d+θ(t) は、θの時間的変化に応じて、プラス方向に0度から360度の範囲で繰り返し時間的に変化してゆく。また、±d−θ(t) は、θの時間的変化に応じて、マイナス方向に360度から0度の範囲で繰り返し時間的に変化してゆく。従って、±d+θ(t) ≠ ±d−θ(t) のときもあるが、両者の変化が交差するときもあり、そのときは±d+θ(t) = ±d−θ(t) が成立する。このように、±d+θ(t) = ±d−θ(t) が成立するときは、各出力信号Y1,Y2の電気的位相が一致しており、かつ、夫々のゼロクロス検出タイミングに対応するラッチパルスLP1,LP2の発生タイミングが一致していることになる。
誤差計算回路51と減算回路52との間にセレクタ55が設けられており、上記時変動モード信号TMが発生されていないとき、つまりTM=“0”すなわち検出対象傾斜角θが時間的に変化していないとき、セレクタ入力Bに加わる誤差計算回路51の出力を選択して減算回路52に入力する。このようにセレクタ55の入力Bが選択されているときの図11の回路は、図9の回路と等価的に動作する。すなわち、検出対象傾斜角θが静止しているときは、誤差計算回路51の出力データがセレクタ55の入力Bを介して減算回路52に直接的に与えられ、図9の回路と同様に動作する。
(D1+D2)/2
と等価である。このことは、
(D1+D2)/2=[{±d+θ(t)}+{±d−θ(t)}]/2
=2(±d)/2=±d
であることを意味し、ラッチ回路56にラッチされたデータは、位相変動誤差「±d」を正確に示しているものであることを意味する。
なお、図11において、アンドゲート57を省略して、一致検出パルスEQPを直接的にラッチ回路56のラッチ制御入力に与えるようにしてもよい。
また、ラッチ回路56には、カウンタ42の出力カウントデータに限らず、図11で破線で示すように誤差計算回路51の出力データ「±d」をラッチするようにしてもよい。その場合は、一致検出パルスEQPの発生タイミングに対して、それに対応する誤差計算回路51の出力データの出力タイミングが、ラッチ回路49,50及び誤差計算回路51の回路動作遅れの故に、幾分遅れるので、適宜の時間遅れ調整を行なった上で、誤差計算回路51の出力をラッチ回路56にラッチするようにするとよい。
また、動特性のみを考慮して検出回路部41を構成する場合は、図11の回路51及びセレクタ55と図1の一方のラッチ回路49又は50を省略してもよいことが、理解できるであろう。
コイル部2の2次コイル21〜24から出力されるレゾルバタイプの前記第1及び第2の交流出力信号A,Bは、検出回路部60に入力され、図9の例と同様に、第1の交流出力信号A=sinθ・sinωtが位相シフト回路44に入力され、その電気的位相が所定量位相シフトされて、位相シフトされた交流信号A’=sinθ・cosωtが得られる。また、減算回路46では、上記位相シフトされた交流信号A’=sinθ・cosωtと上記第2の交流出力信号B=cosθ・sinωtとが減算され、その減算出力として、B−A’=cosθ・sinωt−sinθ・cosωt=sin(ωt−θ)なる略式で表わせる電気的交流信号Y2が得られる。減算回路46の出力信号Y2はゼロクロス検出回路48に入力され、ゼロクロス検出に応じてラッチパルスLP2が出力され、ラッチ回路50に入力される。
あるいは、コイル部2と磁気応答部材3による検出原理を、公知の差動トランス型の位置検出原理に基づいてアナログ検出出力を得るように構成してもよい。
その他、コイル部2と磁気応答部材3による検出手段の構成は任意の変形が可能である。
そのほか、上記実施例で示した新規かつ有意義な構成の一部を選択的に採用して傾斜検出装置を構成してもよい。
20 検出対象
1 ケーシング
2 コイル部
11〜14,15 1次コイル
21〜24 2次コイル
3 磁気応答部材
40 ディジタル位相検出回路
}ar
Claims (1)
- コイル部と磁気応答部材とを具え、検出対象の変位に応じて前記コイル部と前記磁気応答部材の一方が他方に対して相対的に変位し、これに応じた出力信号を前記コイル部より得ることにより該検出対象の変位を検出する位置検出装置であって、
前記コイル部は、所定の交流信号によって励磁される第1及び第2のコイルグループを含み、各コイルグループは前記コイル部に対する前記磁気応答部材の相対的変位の方向に沿って異なる配置で設けられており、これにより、前記第1のコイルグループは、前記コイル部に対する前記磁気応答部材の相対的位置に応じて、サイン相の振幅関数特性を示す出力交流信号を生ずるよう配置され、また、前記第2のコイルグループは、前記コイル部に対する前記磁気応答部材の相対的位置に応じて、コサイン相の振幅関数特性を示す出力交流信号を生ずるよう配置されてなり、
かつ、第1のコイルグループは、前記磁気応答部材の相対的位置に関してサイン相及びマイナスサイン相の特性を示す2極のコイルで構成され、第2のコイルグループは、前記磁気応答部材の相対的位置に関してコサイン相及びマイナスコサイン相の特性を示す2極のコイルで構成され、
更に、各コイルグループにおける各極のコイルは前記交流信号によって励磁される1つのコイルのみからなり、該各コイルに対する前記磁気応答部材の相対的位置に応じたインダクタンス変化に基づく振幅変化を示す出力交流電圧信号を前記各1つのコイルから取り出し、これに基づき、前記第1のコイルグループの2つのコイルから出力されるサイン相とマイナスサイン相の出力を差動合成して前記サイン相の振幅関数特性を示す出力交流信号を生成し、また、前記第2のコイルグループの2つのコイルから出力されるコサイン相とマイナスコサイン相の出力を差動合成して前記コサイン相の振幅関数特性を示す出力交流信号をそれぞれ生成することを特徴とする位置検出装置。
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JP2009216932A (ja) * | 2008-03-10 | 2009-09-24 | Dainippon Printing Co Ltd | 高色濃度カラーフィルタの赤色着色層欠陥修正用赤インキ |
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WO2008010338A1 (fr) * | 2006-07-19 | 2008-01-24 | Tamagawa Seiki Kabushiki Kaisha | Détecteur d'angle |
US7852069B2 (en) | 2006-07-19 | 2010-12-14 | Tamagawa Seiki Kabushiki Kaisha | Rotary angle detector |
JP2009216932A (ja) * | 2008-03-10 | 2009-09-24 | Dainippon Printing Co Ltd | 高色濃度カラーフィルタの赤色着色層欠陥修正用赤インキ |
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